JPH09263227A - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ制御装置

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JPH09263227A
JPH09263227A JP7218096A JP7218096A JPH09263227A JP H09263227 A JPH09263227 A JP H09263227A JP 7218096 A JP7218096 A JP 7218096A JP 7218096 A JP7218096 A JP 7218096A JP H09263227 A JPH09263227 A JP H09263227A
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規之 新井
Mitsunori Yamaura
光宣 山浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マスタピストンの前面が臨む液圧室の液圧を車
輪ブレーキに作用させる状態、車輪ブレーキの液圧を保
持する状態ならびに車輪ブレーキの液圧を解放する状態
を切換可能なアンチロックブレーキ制御装置において、
液圧リザーバおよび還流ポンプを不要としてアンチロッ
クブレーキ制御を可能とするとともに、ブレーキ操作子
が全操作量となるまでアンチロックブレーキ制御が続行
することを回避する。 【解決手段】マスタピストン12の背面を臨ませる減圧
室14がシリンダ体6内に形成され、マスタシリンダM
が備えるリザーバタンク7と減圧室14との間に、ブレ
ーキ操作子5の操作量が所定操作量未満では開弁状態に
在るがブレーキ操作子5の所定操作量以上の操作に応じ
て閉弁する弁機構36が設けられ、液圧室11および減
圧室14と、車輪ブレーキBとの間に、制御弁手段40
が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタピストンが
その前面を液圧室に臨ませて摺動可能に嵌合されるシリ
ンダ体にリザーバタンクが付設されるマスタシリンダ
と、前記マスタピストンに連動、連結されるブレーキ操
作子とを備え、前記液圧室の液圧を車輪ブレーキに作用
させる状態、車輪ブレーキの液圧を保持する状態ならび
に車輪ブレーキの液圧を解放する状態を切換可能なアン
チロックブレーキ制御装置に関し、特に、車輪ブレーキ
からの解放液圧を貯溜するリザーバタンクをマスタシリ
ンダに付設されたもの以外に備えることがなく、しかも
車輪ブレーキからの解放液圧をマスタシリンダ側に還流
せしめる還流ポンプをも備えることがない簡単な構造の
アンチロックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる装置は、たとえば特開昭6
3−301155号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭63−30
1155号公報に開示されたものでは、アンチロックブ
レーキ制御時に、車輪ブレーキからの排出ブレーキ液
を、マスタシリンダが備えるリザーバタンクあるいは該
リザーバタンクとは別の液圧リザーバに貯溜するだけに
して、還流ポンプを廃止するようにしているが、部品点
数を低減する観点からは前記液圧リザーバを廃止して車
輪ブレーキからの排出ブレーキ液をリザーバタンクに貯
溜することが望ましい。ところが、車輪ブレーキからの
排出ブレーキ液を前記リザーバタンクに貯溜するだけの
構成では、アンチロックブレーキ制御が比較的長時間継
続したときにブレーキペダルやブレーキ操作レバーがフ
ルストローク状態となってしまう。そこで、上記公報に
開示された技術では、マスタシリンダと液圧制御弁手段
との間に、カット弁を有する主液圧路と、マスタシリン
ダ側を小径とした段付ピストンがボディに摺動自在に嵌
合されて成る圧力変換器を有するバイパス路とが並列に
設けられており、アンチロックブレーキ制御時には前記
カット弁を遮断せしめ、マスタシリンダから圧力変換器
に供給されるブレーキ液量よりも圧力変換器から車輪ブ
レーキに供給される液量を多くして、ブレーキペダルや
ブレーキ操作レバーがフルストローク状態となってしま
うことを防止している。しかるに、このような従来技術
によれば、圧力変換器やカット弁が必要となり、構成が
複雑となるだけでなく、部品点数も多くなる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、液圧リザーバおよび還流ポンプを不要として
アンチロックブレーキ制御を可能とするとともに、ブレ
ーキ操作子が全操作量となるまでアンチロックブレーキ
制御が続行することを回避するようにした簡単な構成の
アンチロックブレーキ制御装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、マスタピストンがその前面を液圧室に臨
ませて摺動可能に嵌合されるシリンダ体にリザーバタン
クが付設されるマスタシリンダと、前記マスタピストン
に連動、連結されるブレーキ操作子とを備え、前記液圧
室の液圧を車輪ブレーキに作用させる状態、車輪ブレー
キの液圧を保持する状態ならびに車輪ブレーキの液圧を
解放する状態を切換可能なアンチロックブレーキ制御装
置において、マスタピストンの背面を臨ませる減圧室が
シリンダ体内に形成され、マスタシリンダが備えるリザ
ーバタンクと前記減圧室との間に、ブレーキ操作子の操
作量が所定操作量未満では開弁状態に在るがブレーキ操
作子の所定操作量以上の操作に応じて閉弁する弁機構が
設けられ、前記液圧室および減圧室と、車輪ブレーキと
の間に、車輪ブレーキを液圧室に連通させるが減圧室と
は遮断する状態と、車輪ブレーキを液圧室および減圧室
から遮断する状態、ならびに車輪ブレーキを減圧室に連
通させるが液圧室とは遮断する状態を切換可能な制御弁
手段が設けられることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0007】図1ないし図7は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1は非ブレーキ操作状態での全体構成を
示す縦断側面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は
ブレーキ操作開始直後の図2に対応した断面図、図4は
ブレーキ液圧増圧時の図2に対応した断面図、図5はア
ンチロックブレーキ制御に伴うブレーキ液圧減圧時の図
2に対応した断面図、図6はアンチロックブレーキ制御
終了時の図2に対応した断面図、図7はブレーキ操作レ
バーの全操作状態での図2に対応した断面図である。
【0008】先ず図1および図2において、自動二輪車
の操向ハンドル(図示せず)には、ブレーキ操作子とし
てのブレーキ操作レバー5によって作動されるマスタシ
リンダMが取付けられており、このマスタシリンダMに
おけるシリンダ体6の上部にはブレーキ液を貯溜するリ
ザーバタンクタンク7が一体に設けられ、また自動二輪
車の前方側でシリンダ体6には、ピン8を介してブレー
キ操作レバー5を軸支するレバーホルダ9が一体に設け
られる。
【0009】シリンダ体6には、その前端(図1および
図2の左端)が前端壁6aで閉じられるシリンダ孔10
が設けられており、該シリンダ孔10には、前端壁6a
との間に形成される液圧室11に前端面を臨ませたマス
タピストン12と、ブレーキ操作レバー5によって押圧
駆動される押圧ピストン13と、マスタピストン12の
背面を臨ませる減圧室14を該マスタピストン12との
間に形成するとともにシリンダ体6に設けられた連通路
17を介してリザーバタンク7に通じる解放室15を押
圧ピストン13の前端との間に形成してマスタピストン
12および押圧ピストン13間に配置される中間ピスト
ン16とが、それぞれ摺動可能に嵌合される。而してマ
スタピストン12の外周には環状のシール部材18が、
押圧ピストン13の外周には環状のシール部材19が、
中間ピストン16の外周には環状のシール部材20がそ
れぞれ装着される。
【0010】シリンダ孔10の後端部内面には、押圧ピ
ストン13に係合、当接して該押圧ピストン13の後退
限を規制する止め輪21が嵌着される。また押圧ピスト
ン13に同軸にかつ一体に連なって後方に延びるピスト
ンロッド13aの後端に、ブレーキ操作レバー5に設け
られた押圧突部5aが当接されており、ブレーキ操作レ
バー5のブレーキ操作に応じて押圧ピストン13は押圧
突部5aにより前進駆動される。さらにピストンロッド
13aにはブーツ22が装着されており、止め輪21に
当接した該ブーツ22の前端周縁部はシリンダ孔10の
後端部内周面に弾発的に接触する。
【0011】シリンダ孔10の軸方向中間部内面には、
中間ピストン16に係合、当接して該中間ピストン16
の後退限を規制する止め輪23が嵌着される。また中間
ピストン16には、前方に延びる円筒状の間隔規制筒2
4が一体に連設されており、該間隔規制筒24の前端が
マスタピストン12に当接することにより、マスタピス
トン12および中間ピストン16間の最小間隔が規制さ
れる。しかも間隔規制筒24には、減圧室14を該間隔
規制筒24の内外に隔てることを回避するための複数の
連通孔25…が穿設される。
【0012】液圧室11内において、前端壁6aおよび
マスタピストン12間には第1戻しばね26が縮設され
ており、この第1戻しばね26はマスタピストン12を
後方側に付勢するばね力を発揮する。また減圧室14内
において、マスタピストン12および中間ピストン16
間には、ばね荷重を第1戻しばね26よりも小さく設定
された第2戻しばね27が縮設されており、この第2戻
しばね27は、中間ピストン16を後方側に付勢するば
ね力を発揮する。
【0013】解放室15内には、シリンダ孔10の軸線
方向に沿う移動を該シリンダ孔10の内面で案内される
ようにして押圧ピストン13の前端に当接する連動部材
28が収納されており、圧入等により該連動部材28に
後端が連設されるロッド29が、中間ピストン16の中
心に設けられた貫通孔30に緩通される。而して該ロッ
ド29の前部には、マスタピストン12の背面に対向す
る鍔部29aが半径方向外方に張出して一体に設けられ
るとともに、マスタピストン12に摺動自在に嵌合され
る小径軸部29bが同軸にかつ一体に設けられており、
この小径軸部29bの前端とマスタピストン12との間
には、ロッド29を後方に向けて付勢して連動部材28
を押圧ピストン13に当接せしめるばね31が縮設され
る。
【0014】液圧室11および減圧室14間には、リリ
ーフ弁33が設けられるものであり、このリリーフ弁3
3は、液圧室11および減圧室14間を結んでマスタピ
ストン12に設けられる弁孔34と、該弁孔34の減圧
室14への開口端を閉鎖可能としてロッド29の前部に
装着される弁体35とで構成され、弁体35は、弁孔3
4の減圧室14への開口端よりも外方位置でマスタピス
トン12の背面に弾発的に接触することを可能として弾
性材料により環状に形成され、鍔部29aよりもマスタ
ピストン12側に突出するようにしてロッド29の前部
に装着される。而して、該リリーフ弁33は、押圧ピス
トン13および中間ピストン16が後退限位置に在り、
間隔規制筒24により中間ピストン16との間の間隔を
最小とした位置にマスタピストン12が在るとき(図1
および図2で示す状態のとき)には、弁体34をマスタ
ピストン12の背面から離反させて弁孔34を開放した
開弁状態に在るが、押圧ピストン13がわずかに前進す
るのに応じた連動部材28およびロッド29の前進作動
に応じて弁体35をマスタピストン12の背面に接触さ
せて弁孔34を閉じた閉弁状態となる。
【0015】また減圧室14と、連通路17を介してリ
ザーバタンク7に連通している解放室15との間には弁
機構36が設けられるものであり、この弁機構36は、
中間ピストン16に設けられた貫通孔30の内面および
ロッド29の外面間に形成される環状の弁通路37と、
該弁通路37の解放室15への開口端を閉鎖可能として
連動部材28の前部に装着される弁体38とで構成さ
れ、弁体38は、弁通路37の解放室15への開口端よ
りも外方位置で中間ピストン16の背面に弾発的に接触
することを可能として弾性材料により環状に形成され
る。而して、該弁機構36は、ブレーキ操作レバー5の
非操作状態で押圧ピストン13および中間ピストン16
が後退限位置に在るとき(図1および図2で示す状態の
とき)からブレーキ操作レバー5の所定量未満の操作に
応じて押圧ピストン13および連動部材28が所定スト
ロークだけ前進するまでは、弁体38を中間ピストン1
6の背面から離反させて弁通路37を開放した開弁状態
に在るが、ブレーキ操作レバー5の所定量以上の操作に
応じて押圧ピストン13および連動部材28が所定スト
ローク以上前進すると、弁体38を中間ピストン16の
背面に接触させて弁通路37を閉じた閉弁状態となる。
【0016】マスタシリンダMのシリンダ体6には取付
部6bが一体に設けられており、該取付部6bには、該
マスタシリンダMの液圧室11および減圧室14と、車
輪ブレーキBとの間に介設される制御弁手段40が配設
される。
【0017】この制御弁手段40は、液圧室11および
車輪ブレーキB間に設けられる常開型電磁弁41と、減
圧室12および車輪ブレーキB間に設けられる常閉型電
磁弁42と、車輪ブレーキB側から液圧室11側へのブ
レーキ液の流通を許容して常開型電磁弁41に並列に接
続されるチェック弁43とを備える。而して両電磁弁4
1,42は、一部を取付部6bから突出させるようにし
て該取付部6bに取付けられるものであり、両電磁弁4
1,42の取付部6bからの突出部は、その突出部を囲
繞するようにして取付部6bに締着される合成樹脂製の
函体45と、該函体45に着脱可能に取付けられる合成
樹脂製の蓋46とから成るカバー44で覆われる。しか
もチェック弁43は、常開型電磁弁41に内蔵される。
【0018】このような制御弁手段40によれば、両電
磁弁41,42をともに消磁して車輪ブレーキBを液圧
室11に連通させるが減圧室14とは遮断する状態と、
常開型電磁弁41を励磁するとともに常閉型電磁弁42
を消磁して車輪ブレーキBを液圧室11および減圧室1
4から遮断する状態と、両電磁弁41,42をともに励
磁して車輪ブレーキBを減圧室14に連通させるが液圧
室11とは遮断する状態とを切換可能である。
【0019】次にこの実施例の作用について説明する
と、ブレーキ操作レバー5を操作しないときには、図1
および図2で示す状態に在り、押圧ピストン13は止め
輪21に係合、当接された後退限位置に在り、またマス
タピストン12は、止め輪23に係合、当接されて後退
限位置に在る中間ピストン16との間の間隔を間隔規制
筒24により最小とした後退限位置に在り、リリーフ弁
33および弁機構36は開弁状態に在る。この状態で、
ブレーキ操作レバー5をわずかにブレーキ操作すると、
図3で示すように、押圧ピストン12が止め輪21で規
制された後退限位置からわずかに前進作動し、ロッド2
9の前部に装着された弁体35ががマスタピストン12
の背面に弾発的に当接するのに応じてリリーフ弁33が
閉弁し、液圧室11および減圧室14間が遮断される。
【0020】次いでブレーキ操作レバー5をさらに操作
すると、図4で示すように、マスタピストン12が、第
2戻しばね27のばね力により中間ピストン16を後退
限位置に残したまま、ロッド29で押されて液圧室11
の容積を縮少するように前進作動し、液圧室11でブレ
ーキ液圧が発生する。この際、制御弁手段40において
両電磁弁41,42を消磁状態としたままにしておくこ
とにより、液圧室11で発生したブレーキ液圧を車輪ブ
レーキBに作用せしめることができ、車輪ブレーキBで
ブレーキ操作レバー5の操作量に応じたブレーキ力を得
ることができる。
【0021】このようなブレーキ操作時に、車輪がロッ
ク状態に陥りそうになったことによるアンチロックブレ
ーキ制御を行なうときには、制御弁手段40における両
電磁弁41,42の消磁・励磁を切換制御すればよく、
車輪ブレーキBのブレーキ液圧を減圧するときには、図
5で示すように、常開型電磁弁41を励磁・閉弁すると
ともに常閉型電磁弁42を励磁・開弁して、車輪ブレー
キBを減圧室14に通じさせる。この際、減圧室14
と、リザーバタンク7内に通じた解放室15との間に設
けられている弁機構36は、ブレーキ操作レバー5の操
作量が所定量未満であることにより、弁体38を中間ピ
ストン16の背面から離反させて弁通路37を開放した
開弁状態に在り、車輪ブレーキBから流出するブレーキ
液がリザーバタンク7に戻されることになる。
【0022】このようなアンチロックブレーキ制御を継
続すると、車輪ブレーキBからの流出ブレーキ液がリザ
ーバタンク7に戻されることに基づき、液圧室11の容
積が縮少していくことになり、それに応じてマスタピス
トン12、ならびに該マスタピストン12にロッド29
および連動部材28を介して連動する押圧ピストン13
が前進し、ブレーキ操作レバー5の回動量も次第に増加
していくが、そのブレーキ操作レバー5の回動量が所定
量以上になると、図6で示すように、弁体38が中間ピ
ストン16の背面に弾発的に接触して弁機構36が閉弁
し、減圧室14と、リザーバタンク7内に通じた解放室
15との間が遮断される。したがって、車輪ブレーキB
からのブレーキ液流出が阻止されることになり、車輪ブ
レーキBのブレーキ液圧減圧、すなわちアンチロックブ
レーキ制御が停止されることになる。この際、マスタピ
ストン12は、前端壁6aに当接した前進限位置には至
っておらず、マスタピストン12がさらに前進すること
が可能である。
【0023】したがって、アンチロックブレーキ制御終
了後に、図7で示すように、ブレーキ操作レバー5をさ
らに操作してマスタピストン12を前進させることがで
き、制御弁手段40における両電磁弁41,42を消磁
しておくことにより、液圧室11で発生したブレーキ液
を車輪ブレーキBに作用せしめることができる。
【0024】このようにして、マスタシリンダMが備え
るリザーバタンク7以外の液圧リザーバを不要とし、し
かも車輪ブレーキBからの流出ブレーキ液をマスタシリ
ンダM側に還流する還流ポンプを不要とした簡単な構成
で、車輪ブレーキBのアンチロックブレーキ制御を行な
うことができるとともに、マスタピストン12の背面が
臨む減圧室14と、リザーバタンク7内に通じる解放室
15との間に弁機構36が設けられる簡単な構成によ
り、ブレーキ操作レバー5が全操作状態となるまでアン
チロックブレーキ制御が続行することを回避することが
できる。
【0025】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0026】たとえば、上記実施例では、制御弁手段4
0が常開型電磁弁41および常閉型電磁弁42を備える
ものであったが、車輪ブレーキを液圧室に連通させるが
減圧室とは遮断する位置と、車輪ブレーキを液圧室およ
び減圧室から遮断する位置と、車輪ブレーキを減圧室に
連通させるが液圧室とは遮断する位置を切換可能とした
3ポート3位置電磁切換弁を制御弁手段として用いるこ
とも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、マスタピ
ストンの背面を臨ませる減圧室がシリンダ体内に形成さ
れ、マスタシリンダが備えるリザーバタンクと前記減圧
室との間に、ブレーキ操作子の操作量が所定操作量未満
では開弁状態に在るがブレーキ操作子の所定操作量以上
の操作に応じて閉弁する弁機構が設けられ、前記液圧室
および減圧室と、車輪ブレーキとの間に、車輪ブレーキ
を液圧室に連通させるが減圧室とは遮断する状態と、車
輪ブレーキを液圧室および減圧室から遮断する状態、な
らびに車輪ブレーキを減圧室に連通させるが液圧室とは
遮断する状態を切換可能な制御弁手段が設けられるの
で、液圧リザーバおよび還流ポンプを不要としてアンチ
ロックブレーキ制御を実行することを可能とした上で、
リザーバタンクと減圧室との間に弁機構が設けられる簡
単な構成により、ブレーキ操作子の操作量が全操作量と
なるまでアンチロックブレーキ制御による減圧が続行す
ることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非ブレーキ操作状態での全体構成を示す縦断側
面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】ブレーキ操作開始直後の図2に対応した断面図
である。
【図4】ブレーキ液圧増圧時の図2に対応した断面図で
ある。
【図5】アンチロックブレーキ制御に伴うブレーキ液圧
減圧時の図2に対応した断面図である。
【図6】アンチロックブレーキ制御終了時の図2に対応
した断面図である。
【図7】ブレーキ操作レバーの全操作状態での図2に対
応した断面図である。
【符号の説明】
5・・・ブレーキ操作子としてのブレーキ操作レバー 6・・・シリンダ体 7・・・リザーバタンク 11・・・液圧室 12・・・マスタピストン 14・・・減圧室 36・・・弁機構 40・・・制御弁手段 B・・・車輪ブレーキ M・・・マスタシリンダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタピストン(12)がその前面を液
    圧室(11)に臨ませて摺動可能に嵌合されるシリンダ
    体(6)にリザーバタンク(7)が付設されるマスタシ
    リンダ(M)と、前記マスタピストン(12)に連動、
    連結されるブレーキ操作子(5)とを備え、前記液圧室
    (11)の液圧を車輪ブレーキ(B)に作用させる状
    態、車輪ブレーキ(B)の液圧を保持する状態ならびに
    車輪ブレーキ(B)の液圧を解放する状態を切換可能な
    アンチロックブレーキ制御装置において、マスタピスト
    ン(12)の背面を臨ませる減圧室(14)がシリンダ
    体(6)内に形成され、マスタシリンダ(M)が備える
    リザーバタンク(7)と前記減圧室(14)との間に、
    ブレーキ操作子(5)の操作量が所定操作量未満では開
    弁状態に在るがブレーキ操作子(5)の所定操作量以上
    の操作に応じて閉弁する弁機構(36)が設けられ、前
    記液圧室(11)および減圧室(14)と、車輪ブレー
    キ(B)との間に、車輪ブレーキ(B)を液圧室(1
    1)に連通させるが減圧室(14)とは遮断する状態
    と、車輪ブレーキ(B)を液圧室(11)および減圧室
    (14)から遮断する状態、ならびに車輪ブレーキ
    (B)を減圧室(14)に連通させるが液圧室(11)
    とは遮断する状態を切換可能な制御弁手段(40)が設
    けられることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装
    置。
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