JPH09260397A - 半導体回路およびバイポーラトランジスタ - Google Patents

半導体回路およびバイポーラトランジスタ

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JPH09260397A
JPH09260397A JP8067888A JP6788896A JPH09260397A JP H09260397 A JPH09260397 A JP H09260397A JP 8067888 A JP8067888 A JP 8067888A JP 6788896 A JP6788896 A JP 6788896A JP H09260397 A JPH09260397 A JP H09260397A
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collector
layer
bipolar transistor
concentration
conductivity type
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JP8067888A
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English (en)
Inventor
Masao Kondo
将夫 近藤
Toru Masuda
徹 増田
Katsuya Oda
克矢 小田
Katsuyoshi Washio
勝由 鷲尾
Kenichi Ohata
賢一 大畠
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低い電源電圧においても動作速度の大幅な低下
が生じないバイポーラ論理回路およびそれに使用できる
バイポーラトランジスタを提供する。 【解決手段】トランジスタを流れるコレクタ電流密度を
一定値以下にすることによって低濃度コレクタに蓄積さ
れる正孔量を低減し、さらに低濃度コレクタに正孔が蓄
積されにくいバンド構造と不純物分布を用いることによ
り、深い飽和領域においても高速動作を可能にした。 【効果】動作速度の大きな低下なしに電源電圧を30%
〜50%低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体回路およびバ
イポーラトランジスタに関し、詳しくは電源電圧の低下
が可能な高速かつ低消費電力の動作ができる半導体回路
およびこれに用いることができるバイポーラトランジス
タに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、Siバイポーラトランジ
スタを含む従来のECL(Emitter Coupled Logic)型回
路あるいはCML(Current Mode Logic)型回路等の非飽
和型論理回路においては、飽和による回路の動作速度の
低下を防ぐために、エミッタ-コレクタ間電圧(VC
E)をベース-エミッタ間ON電圧(VBE;0.8V
〜0.9V)と同等以上の値にして、ベース-コレクタ
間が順方向バイアスにならないようにすることが一般に
行なわれている。その理由は、ベース-コレクタ間が順
方向バイアスされると、多数キャリアである正孔が、ベ
ースから低濃度コレクタ層に大量に注入されて、そこに
蓄積されるため、トランジスタの動作速度が大幅に低下
してしまうからである。
【0003】図14〜図16を用いてさらに詳しく説明
する。図14は従来のバイポーラトランジスタの主要部
分の拡大断面図、図15は図14の破線aに沿った部分
における深さ方法の不純物濃度分布を示す図であり、図
16はこの場合のエミッタ、ベースおよびコレクタのバ
ンド構造を示す図である。
【0004】ベース-コレクタ間が深く順方向バイアス
されると、図16に示したように、べースと低濃度コレ
クタの間のポテンシャル障壁がだれて小さくなってしま
うので、多数キャリアである正孔がベースから低濃度コ
レクタ層に大量に注入され、そこに蓄積される。その結
果、トランジスタの動作速度と電流値の低下が起こる。
【0005】そのため、従来の非飽和型論理回路の電源
電圧は、ベース-コレクタ間が順方向バイアスにならな
いように設定されていた。この点に関しては、電子情報
通信学会信学技報、第95巻No.95(1995年)の
第31頁〜第37頁(Technical Report of IEIC
E、Vol.95、No.pp31−37(1995)に詳しく
記載されている。この文献では、複数のSiバイポーラ
トランジスタを縦積みしたECL型回路、CML型回路
における電源電圧の低電圧化の限界が論じられており、
その絶対値の限界は、ほぼVBE×(定電流源トランジ
スタを除いたトランジスタ縦積み段数)+エミッタ-コ
レクタ間飽和電圧(VCES)+抵抗による電圧降下で
あるとされ、VBEは0.85V、VCESは0.5V
としている。VBEの0.85Vは、回路中の定電流源
トランジスタ以外のトランジスタのエミッタ-コレクタ
間電圧VCEが0.85V以上になり、飽和動作すなわ
ちベース-コレクタ間が順方向バイアスにはならない条
件となっている。また、VCES=0.5Vは、定電流
源トランジスタが、飽和によって電流値を低下させるこ
とがない条件になっている。
【0006】図17に、バイポーラ論理ICに一般的に
用いられる、CML回路を用いたラッチ回路を示す。本
回路において定電流源トランジスタ以外のトランジスタ
の縦積み段数は2段である。抵抗による電圧降下を計
0.5Vとして上式を用いると、0.85×2+0.5
+0.5=2.7となり、本回路の電源電圧としては、
最低2.7V程度が必要となる。電源電圧2.7Vとした
場合の回路の各ノードにおける電位を図17に示した。
実際のICでは電源電圧は余裕を見込んで3.0Vに設
定されることが多い。
【0007】従来の多くの他のバイポーラ非飽和型論理
回路においても、回路中のバイポーラトランジスタのエ
ミッタ-コレクタ間電圧VCEは、少なくとも0.4V
以上になるように電源電圧が設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】バイポーラ論理回路を
高周波部分に使用しているパーソナル通信用携帯情報端
末では、低消費電力化と小型軽量化が強く要求されてい
る。まず、低消費電力化については、消費電力がバイポ
ーラ論理回路の電源電圧に比例するので、電源電圧を低
下させることが不可欠である。また、小型軽量化のため
には、電源である電池の本数を減らすことが効果的であ
る。携帯情報端末に用いられるニッカド(NiCd)2
次電池1本の電圧は約1.0Vであるので、電池2本で
動作させるためには、電源電圧を2.0Vにする必要が
ある。
【0009】しかし、上記のように、携帯情報端末に用
いられる図17に示したCML回路を用いたラッチ回路
では、電源電圧として最低2.7V程度は必要である。
電源電圧がこの値以下であると、ベース-コレクタ間が
順方向バイアスとなるため、上記のように、トランジス
タの低濃度コレクタ層に正孔が大量に注入されて蓄積さ
れ、回路の動作速度が大幅に低下してしまう。
【0010】このように、従来は、回路の電源電圧の低
電圧化の限界が、携帯情報端末の低消費電力化と小型軽
量化を進める上での大きな障害になっていた。
【0011】本発明の目的は、上記従来の問題を解決
し、電源電圧を従来の下限値より低くしても、動作速度
の大幅な低下が起こらないバイポーラ論理回路およびそ
れに用いることができるバイポーラトンジスタを実現
し、携帯情報端末の一層の低消費電力化と小型軽量化を
可能にすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の半導体装置は、第1導電型を有する低濃度コ
レクタ層の活性領域の、上記低濃度コレクタ層に接して
形成された上記第1導電型とは逆の第2導電型を有する
ベース層に接する部分における上記第1導電型を有する
不純物の濃度が5×1016cm-3以上であるバイポーラ
トランジスタを具備し、当該バイポーラトランジスタの
エミッタ-コレクタ間電圧の最小値は0.4V未満であ
り、上記バイポーラトランジスタのコレクタ電流密度の
最大値が、最小エミッタ-コレクタ間電圧において上記
バイポーラトランジスタの遮断周波数が最大となるコレ
クタ電流密度の2倍よりも小さいことを特徴とする。
【0013】すなわち、上記のように、上記従来の非飽
和型回路であは、回路中のバイポーラトランジスタのベ
ース-コレクタ間が、順方向バイアスにならないように
するために、電源電圧を低下させるのが困難であった。
【0014】しかし、本発明は、このような従来の常識
に反し、エミッタ-コレクタ間電圧の最小値を、ベース-
コレクタ間が大きく順方向バイアスになる0.4V以下
にするとともに、コレクタ電流密度の最大値を、最小エ
ミッタ-コレクタ間電圧において遮断周波数が最大とな
るコレクタ電流密度の2倍よりも小さくするものであ
り、さらに、べース-コレクタ間が順方向バイアスにな
った場合にベースから低濃度コレクタ層に注入、蓄積さ
れる正孔の量を低減できる構造の低濃度コレクタ層を有
するバイポーラトランジスタを用いることができる。
【0015】エミッタ-コレクタ間電圧の最小値を0.
4V以下にした場合、コレクタ電流密度の最大値を、最
小エミッタ-コレクタ間電圧において遮断周波数が最大
となるコレクタ電流密度の2倍よりも小さくなるように
設定することは、本発明者によって新たに見出された、
低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量のコレクタ電流密
度依存性に基づいている。
【0016】すなわち、従来の標準的なバイポーラトラ
ンジスタの、コレクタ電流密度と遮断周波数fTの関係
を、エミッタ-コレクタ間電圧VCEをパラメータとし
て、図6に示した。図6に示したように、従来のバイポ
ーラトランジスタでは、回路中のトランジスタのVCE
が最低1.0V程度になるように設定され、また回路を
高速動作させる場合は、最大のコレクタ電流密度はVC
E=1.0Vで遮断周波数fTが最大となる値付近に設
定されていた。一方、VCEをベース-コレクタ間が大
きく順方向バイアスとなる値、例えば0.2Vに低下し
た場合、fTが最大となるコレクタ電流密度は約1/5
になる。
【0017】図6に示したトランジスタと同じトランジ
スタの、コレクタ電流密度と低濃度コレクタ層に蓄積さ
れる正孔量の関係を、エミッタ-コレクタ間電圧をパラ
メータとして、図7(a)に示した。図7(a)の縦軸
には、低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量をベース-
コレクタ間容量に換算し、さらにコレクタ電流が流れて
いない場合の活性領域のベース-コレクタ間容量で規格
化した値が示されている。
【0018】図7(a)から明らかなように、蓄積正孔
量のコレクタ電流密度依存性は、それぞれのエミッタ-
コレクタ間電圧VCEにおいて、遮断周波数fTが最大
となるコレクタ電流密度Ic(fTmax)に近づく近傍
から指数関数的に急激に増大する。エミッタ-コレクタ
間電圧VCEが0.2Vの場合、fTが最大となるコレ
クタ電流密度の2倍以上のコレクタ電流密度領域では、
蓄積正孔量は非常に大きい値となる。また、従来は回路
を高速動作させる場合に、通常設定されるコレクタ電流
密度領域では、蓄積ホール量はさらに大きい値となる。
【0019】一方、fTが最大となるコレクタ電流密度
の2倍以下の低コレクタ電流密度領域では、蓄積正孔量
は比較的少ない。従って、回路中のトランジスタのVC
Eの最小値が0.2Vとなるように設定した場合でも、
最大のコレクタ電流密度が、VCE=0.2Vでの遮断
周波数が最大となるコレクタ電流密度の2倍程度よりも
小さくなるように設定すれば、飽和動作によってトラン
ジスタの低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量は比較的
少なく、回路の動作速度の低下を少なくすることができ
る。
【0020】上記説明から明らかなように、エミッタ-
コレクタ間電圧が小さくても、コレクタ電流密度を一定
値以下にすれば、正孔の蓄積による回路の動作速度の低
下を少なくすることができる。しかし、さらに上記低濃
度コレクタ層を有するバイポーラトランジスタを回路中
に用いれば、ベース-コレクタ間が順方向バイアスにな
った場合に、ベースから低濃度コレクタ層に注入、蓄積
される正孔の量をさらに少なくすることができる。
【0021】このような低濃度コレクタ層を有するバイ
ポーラトランジスタとしては、下記のようなバイポーラ
トランジスタを用いて半導体回路を構成するすることに
より、上記目的は達成される。
【0022】すなわち、上記低濃度コレクタ層の活性領
域における上記第1導電型不純物の深さ方向における濃
度分布が平坦で5×1016cm-3以上である第1のバイ
ポーラトランジスタ、上記低濃度コレクタ層の活性領域
における上記第1導電型不純物の深さ方向の濃度分布
が、上記ベース層に接する部分で最大である第2のバイ
ポーラトランジスタ、上記ベース層がSiGe混晶から
なり、上記エミッタ層および上記コレクタ層がそれぞれ
Siからなる第3のバイポーラトランジスタ、上記ベー
ス層がSiGe混晶からなり、上記エミッタ層および上
記低濃度コレクタ層がそれぞれSiからなり、かつ活性
領域における上記第1導電型不純物の深さ方向における
濃度分布の第1の極大点が上記ベース層に接する部分に
形成され、さらに第2の極大点が上記第1の極大点と上
記低濃度コレクタ層の下面に接して形成された上記第1
導電型を有する高濃度埋め込み層の間に形成されてある
第4のバイポーラトランジスタ、上記ベース層がSiG
e混晶からなり、上記エミッタ層および上記とコレクタ
層がSiからそれぞれなり、かつ上記ベース層のGe組
成が上記エミッタ層側から上記コレクタ層側にかけて増
加し、Ge組成の勾配は、上記ベース層が上記コレクタ
層に接する部分の方が、上記ベース層が上記エミッタ層
に接する部分よりも大きい第5のバイポーラトランジス
タ、上記ベース層がSiGe混晶からなり、上記エミッ
タ層および上記低濃度コレクタ層がそれぞれSiからな
り、かつ上記低濃度コレクタ層の活性領域は寄生領域よ
り不純物濃度が高い第6のバイポーラトランジスタ、上
記ベース層が上記第2導電型を有するSiGe混晶から
なり、上記エミッタ層および上記コレクタ層がそれぞれ
上記第1導電型を有するSiからなり、上記低濃度コレ
クタ層の活性領域において、上記第1導電型を有する不
純物の深さ方向の濃度分布が、上記ベース層に接する部
分で極大である第7のバイポーラトランジスタおよび上
記ベース層が上記第2導電型を有するSiGe混晶から
なり、上記エミッタ層および上記コレクタ層が上記第1
導電型を有するSiからそれぞれなり、上記低濃度コレ
クタ層の活性領域における上記第1導電型不純物の濃度
分布は、上記ベース層に接する部分で5×1016cm-3
以上である第8のバイポーラトランジスタの少なくとも
一種を用いることができ、これにより上記目的は達成さ
れる。
【0023】これらのバイポーラトランジスタを用いる
ことにより、ベース-コレクタ間が順方向バイアスにな
った場合でも、ベースから低濃度コレクタ層に注入、蓄
積されるホールの量を少なくすることができる。
【0024】すなわち、低濃度コレクタ層へ注入および
蓄積される正孔の量は、ベース-低濃度コレクタ接合部
分のバンド構造によって決まる。比較のため、従来の通
常のトランジスタの活性領域における深さ方向の不純物
分布の一例を図15に、この場合のエミッタ、ベースお
よびコレクタのバンド構造を図16に示した。この場
合、低濃度コレクタ層の第1導電型不純物の濃度が低い
ことからその部分でのバンドの勾配はゆるやかでベース
から低濃度コレクタ層への正孔の注入に対する障壁効果
は小さく、正孔の注入蓄積が容易に起こる。
【0025】まず、低濃度コレクタ層における不純物の
深さ方向の濃度分布を、ベース層に接する部分で極大と
した場合について説明する。図22に上記第2のバイポ
ーラトランジスタの、活性領域における深さ方向の不純
物分布の一例を示し、この場合のエミッタ、ベース、コ
レクタのバンド構造を図23に示した。この場合は、第
1導電型不純物の濃度が、低濃度コレクタ層のベース層
に接する部分で高くなっているため、ベース-コレクタ
間の正孔に対するポテンシャル障壁は、図16に示した
通常のトランジスタの場合より急峻になっている。その
ため上記第2のバイポーラトランジスタの方が、通常の
トランジスタより低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量
が少なくできる。上記第1のバイポーラトランジスタに
ついても、同様の理由によって低濃度コレクタ層に蓄積
される正孔量が少なくできる。低濃度コレクタ層に蓄積
される正孔の量は、低濃度コレクタ層のベース層に接す
る部分での第1導電型不純物の濃度が高くなるほど少な
くなるが、実用上問題のない量まで低下するためには、
ベース層に接する部分での第1導電型不純物の濃度を5
×1016cm-3以上にすることが望ましい。
【0026】また、上記第2のバイポーラトランジスタ
のように、活性領域のみの濃度を大きくした方が、低濃
度コレクタ層全体の不純物濃度を大きくするよりも、ベ
ース-コレクタ間容量を小さくできるので、トランジス
タの高速動作に有利である。
【0027】次に、ベースにSiGe混晶、コレクタに
Siを用いる場合について説明する。図18に上記第3
のバイポーラトランジスタ3の活性領域の深さ方向の不
純物分布とGe組成分布の一例を示し、図19にこの場
合のエミッタ、ベースおよびコレクタのバンド構造を示
した。この場合は、ベース層と低濃度コレクタ層の境界
に、Ge組成の違いに起因した正孔に対するポテンシャ
ル障壁が生じるので、図16に示した通常のトランジス
タの場合のバンド構造と比較して、ベース-コレクタ間
の正孔に対するポテンシャル障壁がより急峻になる。そ
のため第3の上記バイポーラトランジスタの方が、通常
のトランジスタと比較して低濃度コレクタ層に蓄積され
る正孔量を少なくできる。上記第6のバイポーラトラン
ジスタの場合は、上記低濃度コレクタ層の不純物分布の
効果とSiGeベースの効果の両者により、通常のトラ
ンジスタより低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量を少
なくすることができる。また、上記第6のバイポーラト
ランジスタのように、活性領域のみの不純物濃度を大き
くした方が、低濃度コレクタ層全体の不純物濃度を大き
くするよりも、ベース-コレクタ間容量を小さくでき
る。
【0028】次に、上記第1および第3のバイポーラト
ランジスタにおける、低濃度コレクタ層に蓄積される正
孔量の低下効果を定量的に説明する。図7(b)に、エミ
ッタ-コレクタ間電圧の最小値を0.2Vに設定した場
合の、上記第1および第3のバイポーラトランジスタ、
および比較のために従来技術の通常のトランジスタにお
けるコレクタ電流値と低濃度コレクタ層に蓄積されるホ
ール量の関係を示す。低濃度コレクタ層に蓄積される正
孔量は、図7(a)と同様に、ベース-コレクタ間容量
に換算し、さらにコレクタ電流が流れていない場合の活
性領域のベース-コレクタ間容量で規格化した値となっ
た。コレクタ電流密度とは無関係に上記第1および第3
のバイポーラトランジスタの方が、低濃度コレクタ層に
蓄積される正孔量が、従来の通常のトランジスタと比較
して小さくなった。
【0029】さらに、上記第4、第5、第7および第8
のバイポーラバイポーラトランジスタを用いることによ
り、低濃度コレクタ層に注入、蓄積される正孔量をさら
に少なくすることができ、動作速度を大きくすることが
できる。
【0030】すなわち、上記第5のバイポーラトランジ
スタの活性領域の深さ方向の不純物分布とGe組成分布
の一例を図20に、この場合のエミッタ、ベース、コレ
クタのバンド構造を図21に、それぞれ示した。図20
から明らかなように、上記第5のバイポーラトランジス
タのベース-低濃度コレクタ接合部分におけるGe組成
の変化は、図19に示したGe組成の勾配が均一である
従来の上記第3のバイポーラトランジスタの場合よりも
大きい。そのため、第5のバイポーラトランジスタのバ
ンド構造は、従来型のSiGe混晶ベーストランジスタ
の場合よりも、ベース-低濃度コレクタ間の正孔に対す
るポテンシャル障壁が高くなっている。従って上記第5
のバイポーラトランジスタの方が、上記第3のバイポー
ラトランジスタより低濃度コレクタ層に蓄積される正孔
量をさらに少なくできる。GeとSiとの格子ミスマッ
チよる応力に起因する欠陥は、ベース層のGe組成の積
分量が一定値を越えることにより発生する。従って、欠
陥を発生させずにベース-低濃度コレクタ接合部分のG
e組成をできるだけ大きくするためには、第5のバイポ
ーラトランジスタのように、Ge組成勾配をベース層中
で増大させればよい。
【0031】図11に、上記第7のバイポーラトランジ
スタの活性領域の深さ方向における不純物分布とGe組
成分布の一例を示し、この場合のエミッタ、ベースおよ
びコレクタのバンド構造を図12に示した。この場合、
低濃度コレクタ層の不純物濃度がベース層に接する部分
で高くなっているため、図22に示す上記第5のバイポ
ーラトランジスタのバンド構造と比較して、ベース-低
濃度コレクタ間の正孔に対するポテンシャル障壁がより
急峻になっている。従って第7のバイポーラトランジス
タの方が、低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量を、第
5のバイポーラトランジスタよりさらに少なくすること
ができる。
【0032】同様の理由により、上記第8のトランジス
タについても、同様に低濃度コレクタ層に蓄積される正
孔量が少なくできる。低濃度コレクタ層に蓄積される正
孔量は、低濃度コレクタ層のベース層に接する部分にお
ける第1導電型不純物濃度が高くなるほどより少なくな
るが、実用上問題のない量まで低下するためには、ベー
ス層に接する部分での第1導電型不純物濃度を5×10
16cm-3以上にすることが望ましい。
【0033】上記第4のバイポーラトランジスタの活性
領域の、深さ方向における不純物分布とGe組成分布の
一例を図3に、エミッタ、ベースおよびコレクタのバン
ド構造を図4に、それぞれ示した。
【0034】図4から明らかなように、上記第4のバイ
ポーラトランジスタのバンド構造は、図12に示した第
7のバイポーラトランジスタのバンド構造にくらべて、
低濃度コレクタ層における電子に対するこぶ状の障壁が
低い。そのため第4のバイポーラトランジスタの方が第
7のバイポーラトランジスタより動作速度を大きくでき
る。このようにして、特定の構造を有するバイポーラト
ランジスタを用いることによって、エミッタ-コレクタ
間電圧が低くても、低濃度コレクタ層に注入、蓄積され
る正孔量を低下することができる。
【0035】以上説明は下記のように要約できる。すな
わち、見出された低濃度コレクタ層に蓄積される正孔量
のコレクタ電流値依存性に基づいて、コレクタ電流密度
の最大値をバイポーラトランジスタの遮断周波数が最大
となるコレクタ電流密度の2倍よりも小さくなるように
設定し、かつ注入される正孔量を低減できる構造の低濃
度コレクタ層を有するバイポーラトランジスタを用いる
ことにより、エミッタ-コレクタ間電圧の最小値が、ベ
ース-コレクタ間が大きく順方向バイアスとなる0.4
V以下であっても、低濃度コレクタ層に注入、蓄積され
る正孔量を十分少なくできる。その結果、上記電源電圧
の下限を表す式において、VBEおよびVCESとし
て、それぞれ0.4V以下の所望の値に置き換えたもの
をこの場合の電源電圧の下限とすることができ、上記目
的、すなわち、電源電圧の大幅な低減が達成できる。
【0036】半導体回路としては、バイポーラトランジ
スタと抵抗素子からなるフリップフロップ回路の出力端
子が第2のフリップフロップ回路のクロック端子に結合
された回路を含み、少なくとも3個の抵抗素子と少なく
とも2個のバイポーラトランジスタを含み、上記抵抗素
子のうちの第1の上記抵抗素子は最高電位を供給する電
源に接続され、第2および第3の上記抵抗素子は、上記
第1の抵抗素子と二つのバイポーラトランジスタのコレ
クタとの間に結合された差動型回路が、その出力端子の
部分に結合していることを特徴とする半導体回路を構成
することができ、それにより本発明の目的が達成され
る。
【0037】また、バイポーラトランジスタと抵抗素子
からなるフリップフロップ回路の出力端子が第2のフリ
ップフロップ回路のクロック端子に結合された回路を含
む半導体回路において、少なくとも1個の抵抗素子と直
列に結合された少なくとも1個のバイポーラトランジス
タからなる定電流源を、上記出力端子に結合させて半導
体回路を構成することができ、これによって上記目的は
達成される。
【0038】さらに、上記目的を達成するためのバイポ
ーラトランジスタとしては、第1導電型を有する低濃度
コレクタ層、当該低濃度コレクタ層上に形成された上記
第1導電型とは逆の第2導電型を有するベース層および
当該ベース層上に形成された上記第1導電型を有するエ
ミッタ層を具備し、上記ベース層はSiGe混晶からな
り、上記エミッタ層および上記低濃度コレクタ層がそれ
ぞれSiからなり、かつ上記ベース層内における上記S
iGe混晶のGe組成は、上記ベース層が上記エミッタ
層と接する部分より上記ベース層が上記コレクタ層と接
する部分の方が高いことを特徴とする。
【0039】バイポーラトランジスタの上記コレクタ層
の上記ベース層に接する部分における上記第1導電型を
有する不純物の濃度は5×1016cm-3以上とすること
により、良好な結果が得られる。
【0040】バイポーラトランジスタの上記低濃度コレ
クタ層の活性領域は寄生領域より不純物濃度を高くする
ことにより、良好な結果が得られる。
【0041】バイポーラトランジスタの上記低濃度コレ
クタ層の活性領域内における上記第1導電型不純物の深
さ方向の濃度分布は、上記ベース層に接する部分に極大
部が形成されていることにより、良好な結果が得られ
る。
【0042】バイポーラトランジスタの上記極大部の下
方にさらに第2の極大部が形成されていることにより、
良好な結果が得られる。
【0043】バイポーラトランジスタの上記極大部以外
の上記低濃度コレクタ層の活性領域内における、上記第
1導電型不純物の深さ方向の濃度分布をほぼ均一とする
ことにより、良好な結果が得られる。
【0044】
【発明の実施の形態】特定の構造を有する上記第1〜第
8のバイポーラトランジスタを、非飽和型以外の回路、
例えばTTL(Transistor Transistor Logic)等、エミ
ッタ-コレクタ間電圧の最小値が0.4V以下になるよ
うに設定される飽和型回路中に用い、かつそのバイポー
ラトランジスタのコレクタ電流密度の最大値を、その最
小エミッタ-コレクタ間電圧においてそのバイポーラト
ランジスタの遮断周波数が最大となるコレクタ電流密度
の2倍よりも小さくなるように設定することにより、通
常のトランジスタ用いるよりも、回路の動作速度を大き
くすることができる。
【0045】また、図17に示したフリップフロップ回
路では、トランジスタを3段に縦積みした構成の回路が
用いられ、最上段のトランジスタの出力と2段目のトラ
ンジスタの入力を結合させる場合がある。この場合、出
力と入力では電圧レベルが異なっているので、電圧レベ
ルをシフトさせる必要がある。従来は、この電圧レベル
の差が0.8V以上であるため、図13に示したような
エミッタフォロア回路を、レベルシフトのためのバッフ
ァ回路として用いていた。一方、本発明では、この電圧
レベルの差は0.2Vで、上記従来の場合よりはるかに
小さいので、図1に示したように抵抗素子を3個用いた
差動回路を用いることができる。
【0046】また、図30に示したように、抵抗素子と
直列に接続された停電流電源を用いて0.2Vレベルシ
フトを行なうこともできる。
【0047】非飽和回路の電源電圧、消費電力、電池個
数の低減率および飽和回路の動作速度の増加率は、回路
中に使用されるトランジスタの構造によって異なる。す
なわち、図24〜図27は、エミッタ-コレクタ間電圧
がそれぞれ0.1V、0.2V、0.3V、0.4Vの
場合のコレクタ電流値と活性領域のベース-コレクタ間
容量の関係を、5種類の構造のトランジスタについて示
したものである。この場合の活性領域のベース-コレク
タ間容量とは、低濃度コレクタ層への正孔の蓄積を等価
的に接合容量と見なし電流が流れていない場合の活性領
域の接合容量で規格化したものである。図24〜27に
おいて(A)は本発明の下記実施例1に用いたトランジ
スタ、すなわちSiGeベースのGe組成勾配がベース
層中で変化しておりかつ低濃度コレクタ層の真性領域で
N型不純物濃度が2つの極大値をもつトランジスタ、
(B)はGe組成勾配がベース層中で一定であることの
みが上記(A)と異なるトランジスタ、(C)が低濃度
コレクタ層のN型不純物濃度が均一であることのみが
(A)のトランジスタと異なっているトランジスタ、
(D)はベース層中にGeが含有されていないことのみ
が(A)のトランジスタと異なるトランジスタ、(E)
は比較のための従来周知のトランジスタである。これら
の図から明らかなように、トランジスタの構造が(E)
から(A)に変化するにしたがって、等価的なベース-
コレクタ間容量がより小さくなる。さらにトランジスタ
の構造が(E)から(A)に変化するにしたがって、エ
ミッタ-コレクタ間電圧を小さくした場合の等価的なベ
ース-コレクタ間容量の増大率がより小さくなる。すな
わち、トランジスタの構造が(E)から(A)に変化す
るにつれて、回路の動作速度の大きな低下を起こすこと
なしに、エミッタ-コレクタ間電圧をより小さくするこ
とができる。その結果、トランジスタの構造が(E)か
ら(A)に変化するにしたがって、回路の電源電圧、消
費電力、電池個数の低減率、動作速度の増加率がより大
きくなる。
【0048】
【実施例】
〈実施例1〉本発明の第1の実施例を図1〜7を用いて
説明する。図1は本発明を適用したCML回路により、
フリップフロップ回路を構成した例である。図1では、
電流が流れている経路について、各ノードの電位が示さ
れている。バイポーラトランジスタT1、T2、T3の
エミッターコレクタ間電位の最小値は、それぞれ0.2
V、0.2V、0.45Vであり、回路の電源電圧は、
VCC=0Vに対しVEE=−1.35Vである。な
お、図1に示した回路の代わりにず30に示した回路を
用いることができる。ず30もCML回路によってフリ
ップフロップを構成した例である。この場合も、電流が
流れる経路について各ノードの電位が示されている。本
科色によっても電源電圧および入出力は、図1に示した
回路の場合と同じになり、その結果、電源電圧と消費電
力は図1に示した回路と同様になる。
【0049】本回路に用いたバイポーラトランジスタの
断面図を図2に示す。図2において、符号1はP型Si
基板、2はN型埋め込み層、3はN-型Siエピタキシ
ャル層からなる低濃度コレクタ層、4はN型層からなる
コレクタ取出し領域、5はP型層、6、6’はSiO2
膜、7はSi34膜、8はSiO2膜、9はP型SiG
eエピタキシャル層からなるベース層、10はN型層、
11はP型多結晶Si膜、12はN型層からなるエミッ
タ層、13、14はN型多結晶Si膜、15はSi34
膜、16、17はSiO2膜、18、19、20は金属
電極であり、18はエミッタ電極、19はベース電極、
20はコレクタ電極を、それぞれ表わす。
【0050】図3は、図2で示したバイポーラトランジ
スタの主要部分の拡大図である。図3にいて、図2と同
じ符号(番号)は同一の物を表わす。図3の破線a部に
おける深さ方向の不純物分布およびGe組成を図4に示
した。
【0051】図4から明らかなように、N-型Siエピ
タキシャル層からなる低濃度コレクタ層3の真性領域に
は、N型層10に対応する二つのN型不純物濃度の極大
値が形成されており、そのうちの一つはベース層9と低
濃度コレクタ層3の境界に位置し、他の一つは低濃度コ
レクタ層3の中央付近に位置している。ベース層9のG
e組成は、エミッタ-ベース接合からベース-コレクタ接
合に近づくにともなって増大し、その組成増大の勾配
は、ベース層9の中央付近で、さらに急峻に変化した。
【0052】本トランジスタの製造方法を図28により
説明する。図28において図2と同じ番号は、図2の場
合と同じものを表わす。まず、酸化、ホトリソグラフィ
および化学気相成長(CVD)法など周知の方法を用い
て、図28(a)に示した構造を形成した後、周知のホ
トリソグラフィおよびドライエッチング方法により、ト
ランジスタの活性領域となる部分のSiO2膜16、1
6’、多結晶Si膜11およびSi34膜7を選択的に
除去し、図28(b)に示したように、SiO2膜6の
表面を露出する開口部を形成した。
【0053】次に、周知の化学気相成長法によって、S
iO2膜21および多結晶Si膜22を積層して形成し
た後、周知のイオン打ち込み法によってリンイオンを打
ち込み、図28(c)に示したように、低濃度N型層3
のうち、トランジスタの活性領域となる部分のN型不純
物濃度選択的に高くして、深さ方向において互いに分離
された二つの高濃度のN型層10を形成した。
【0054】周知のウエットエッチング法を用い、多結
晶Si膜22、SiO2膜21およびSiO2膜11を除
去して、一方の上記N型層10表面を露出させた後、図
28(d)に示したように、上記高濃度のN型層10の
露出された表面上に、SiGe混晶9を周知の低温エピ
タキシャル成長法によって選択的に成長させた。SiG
e混晶9中のGe組成は、周知の方法によって成長開始
時に最も大きく、成長が進むにつれて小さくなるように
し、かつ、その組成勾配が途中で小さくなるようにし
た。 図28(e)に示したように、N型多結晶Si膜
13を周知の化学気相成長法を用いて形成した後、周知
のホトリソグラフィおよびドライエッチングによって所
定の形状にパターニングし、加熱してN型不純物を拡散
させて、上記SiGe混晶9の表面にN型エミッタ12
を形成した。
【0055】このようにして形成されたトランジスタの
エミッタ、ベースおよびコレクタのバンド構造を図5に
示した。図5から明らかなように、このトランジスタで
は、ホールに対する急峻なポテンシャル障壁が、ベース
-コレクタ間に形成されているため、ベース-コレクタ間
が順方向にバイアスされた場合に、低濃度コレクタ層に
蓄積されるホール量が低減された。本実施例において
は、本トランジスタの最大のコレクタ電流密度は、1.
0×10-4A/μm2であり、この場合の本回路の動作
周波数は2GHZであった。
【0056】本トランジスタの遮断周波数とコレクタ電
流密度との関係を、エミッタ-コレクタ間電圧をパラメ
ータとして図6に示した。本トランジスタの最大のコレ
クタ電流密度は1.0×10-4A/μm2であり、この値
はエミッタ-コレクタ間電圧0.2Vの場合に、本トラ
ンジスタが最大の遮断周波数を示すコレクタ電流密度
2.0×10-4A/μm2よりも小さかった。
【0057】図25において、曲線(A)は本トランジ
スタの低濃度コレクタ部分に蓄積されたホール量とコレ
クタ電流密度との関係を示す。蓄積されるホール量は電
流が流れていない場合の活性領域のベース-コレクタ接
合容量によって規格化されている。 図25から明らか
なように、電流密度が、本回路中の本トランジスタの最
大のコレクタ電流密度1.0×10-4A/μm2より小さ
い場合は、蓄積されるホール量は電流が流れていない場
合の活性領域のベース-コレクタ接合容量の2.7倍以下
であった。その結果、同一消費電流における動作周波数
の低下を約10%程度に抑えることが可能になった。
【0058】本実施例によれば2GHZの動作周波数に
おいて、従来の同形式の回路と比較して、電源電圧は1
/2に低減できたのに対し、消費電流の増加は10%の
みであり、消費電力を45%低減できることが確認され
た。
【0059】〈実施例2〉本発明の第2の実施例を図8
〜10を用いて説明する。本実施例は上記実施例1と同
じ回路に、実施例1で用いたものとは異なるバイポーラ
トランジスタを用いた例である。回路中の各ノードの電
位、電源電圧も実施例1と同じ値にした。
【0060】図8は本実施例に用いたバイポーラトラン
ジスタの主要部分の拡大図である。図8における各番号
は、それぞれ実施例1の場合と同じものを表す。図8に
おける破線aに沿った部分の不純物濃度分布とGeの組
成分布を図9に示した。本トランジスタを実施例1で用
いたトランジスタと比較すると、低濃度コレクタ層のN
型不純物分布が異なっている。すなわち、本トランジス
タの低濃度コレクタ層の真性領域10では、N型不純物
濃度が低濃度コレクタ層の他の領域の濃度1×10-15
cm-3よりも高い2×10-17cm-3であり、かつ、深
さ方向の分布は均一である。
【0061】このトランジスタのエミッタ、ベースおよ
びコレクタのバンド構造を図10に示した。図10から
明らかなように、本実施例の場合も、実施例1の場合と
同様に、正孔に対する急峻なポテンシャル障壁が、ベー
ス-コレクタ間に形成されているため、ベース-コレクタ
間が順方向にバイアスされた場合に、低濃度コレクタ層
に蓄積される正孔量が低減された。
【0062】本実施例におけるトランジスタの最大のコ
レクタ電流密度は、実施例1の場合と同様に1.0×1
-4A/μm2にした。本実施例によれば、実施例1の
場合と同様に、動作周波数2GHZにおいて従来の同形
式の回路よりも消費電力を45%低減できた。また従来
は電源として起電力1Vの電池が3個必要であったが、
本実施例では上記電池の数を2個に減らすことができ
た。
【0063】〈実施例3〉本発明の第3の実施例を図1
1、12を用いて説明する。本実施例は実施例1と同じ
回路に実施例1とは異なるバイポーラトランジスタを用
いた例である。回路中のノードの電位、電源電圧も実施
例1と同じにした。
【0064】本実施例に用いたバイポーラトランジスタ
の構造は、図3に示した実施例1の場合とほぼ同じであ
るが、低濃度コレクタ層におけるN型不純物の分布が異
なっている。本実施例に用いたトランジスタの、図3に
おける破線aに沿った部分の不純物濃度分布とGeの組
成分布を、図11に示した。図11から明らかなよう
に、低濃度コレクタ層の真性領域10とp型ベース層9
との境界に、N型不純物濃度の極大値が存在している。
また、この境界の近傍にGe組成のピークが存在してい
る。
【0065】このトランジスタのエミッタ、ベースおよ
びコレクタのバンド構造を図12に示した。本実施例に
おいても、実施例1の場合と同様に、正孔に対する急峻
なポテンシャル障壁が、ベース-コレクタ間に形成され
ているため、ベース-コレクタ間が順方向にバイアスさ
れた場合に、低濃度コレクタ層に蓄積されるホール量が
低減された。
【0066】本実施例におけるこのトランジスタの最大
のコレクタ電流密度は、上記実施例1の場合と同様に
1.0×10-4A/μm2とした。本実施例でも、実施例
1、2と同様に、正孔に対する急峻なポテンシャル障壁
がベース-コレクタ間に形成されているため、ベース-コ
レクタ間が順方向にバイアスされた場合に低濃度コレク
タ層に蓄積される正孔量が低減された。しかし、図12
に示したように、低濃度コレクタ領域に電子に対するポ
テンシャル障壁が形成されているため、実施例1、2と
比較するとトランジスタの動作速度が低かった。その結
果、動作周波数2GHZにおける従来の同形式の回路と
比較しての消費電力の低減は35%であって、上記実施
例1、2の場合より、低減効果がやや小さかった。
【0067】上記実施例と同じ回路に、さらに異なるト
ランジスタを用いることもできる。例えば、ベース層中
のGeの組成分布として、ベースからコレクタへかけて
の組成勾配が均一であってもよいし、また、ベース層中
にGeが含有されず、Siのみであってもかまわない。
さらに低濃度コレクタ層におけるN型不純物分布が、真
性領域と寄生領域で差がなくてもよく、深さ方向の分布
が均一であってもかまわない。ただし、これらのトラン
ジスタを用いた場合は、低濃度コレクタ層に蓄積される
正孔量を低減させる効果が、上記実施例と比較すれば低
くなる。その結果、同一の周波数で動作させる場合に必
要な消費電流が、上記実施例と比較して増大し、消費電
力の低減効果は、上記実施例よりやや小さくなる。
【0068】〈実施例4〉本発明の第4の実施例を図1
3を用いて説明する。本実施例は、図13に示したEC
L(Emitter Coupled Logic)回路によるフリップフロ
ップ回路に本発明を適用した例である。図13には、電
流が流れている経路について、各ノードの電位を示され
ている。トランジスタT1、T2、T3、T4のエミッ
ターコレクタ間電位の最小値はそれぞれ0.2V、0.
2V、1.2V、0.75Vとし、回路の電源電圧はV
CC=0Vに対しVEE=-2.1Vとした。
【0069】本回路に用いられたバイポーラトランジス
タは、上記実施例1の場合と同じである。これらトラン
ジスタの最大のコレクタ電流密度は、1.0×10-4
/μm2にした。本実施例によると、動作周波数2GHZ
における従来の同じ回路よりも、電源電圧は35%低減
できるのに対し、消費電流の増加は10%のみであり、
消費電力は19%低減できた。また、従来の場合では、
電源として起電力1Vの電池が4個必要であったが、本
実施例では3個に減らすことができた。
【0070】〈実施例5〉本発明の第5の実施例を図2
9および図1を用いて説明する。図29は本発明を適用
した携帯情報端末の周波数シンセサイザーに用いられる
1/128、1/129可変分周器の回路ブロック図であ
る。図29中のフリップフロップ回路としては、上記実
施例1に示したフリップフロップ回路(図1)を用い
た。図29に示した回路ブロック中には、出力端子Qか
らクロック端子Cへの入力が存在するが、この部分では
入出力の電位レベルを合わせるために、バッファ回路を
介在させることが必要である。従来はこの電位レベルの
差が0.8V以上あり、バッファ回路にはエミッタフォ
ロア回路が用いられていた。
【0071】しかし、本実施例ではこの電位レベルの差
は0.2Vであり、図1に示したように抵抗素子を3個
用いた差動回路が構成されている。これらの抵抗素子の
うち、1個は最高電位電源に接続されており、残りの2
個はその1個の抵抗素子と2個のバイポーラトランジス
タのコレクタと接続されている。図1に示した回路の代
わりに図3に示した回路を用いてもよい。回路中のバイ
ポーラトランジスタとしては、上記実施例1と同じもの
が用いられ、回路の電源電圧および回路中の各ノードの
電位も実施例1と同じにした。すなわち電源電圧は1.
35Vで従来の1/2となっている。本回路中でのバイ
ポーラトランジスタの最大のコレクタ電流密度は、1.
0×10-4A/μm2とし、この場合の本回路の動作周
波数は2GHZにした。
【0072】本トランジスタの遮断周波数とコレクタ電
流との関係を、エミッタ-コレクタ間電圧をパラメータ
として図6に示した。図6から明らかなように、本回路
中での本トランジスタの最大のコレクタ電流密度1.0
×10-4A/μm2は、エミッタ-コレクタ間電圧0.2
Vの場合に、本トランジスタが最大の遮断周波数を示す
コレクタ電流密度2.0×10-4A/μm2よりも少し小
さい値になった。
【0073】図25において、曲線(A)は本トランジ
スタにおける低濃度コレクタ部分に蓄積される正孔量と
コレクタ電流密度との関係を示す。蓄積されるホール量
は電流が流れていない場合の活性領域のベース-コレク
タ接合容量によって規格化されている。本トランジスタ
においては、最大の遮断周波数を示すコレクタ電流密度
2.0×10-4A/μm2よりも小さいコレクタ電流密度
では、正孔蓄積量の顕著な増大は起こらなかった。特に
本回路において設定された最大のコレクタ電流密度1.
0×10-4A/μm2より小さい電流密度では、蓄積さ
れる正孔量は、電流が流れていない場合の活性領域のベ
ース-コレクタ接合容量の2.7倍以下であった。そのた
め、同一の消費電流における動作周波数の低下を約10
%程度に抑えることができた。本実施例によれば、動作
周波数2GHZにおいて、従来の同形式の回路と比較し
て、電源電圧は1/2に低減できるのに対し、消費電流
は10%増加するだけであり、消費電力を45%低減で
きることが確認された。
【0074】本実施例において、動作周波数を上げるた
めには、エミッタ-コレクタ間電圧の最小値をを0.4
Vに近い値、例えば0.35Vに上げるのがよい。この
場合、本回路中のトランジスタの最大のコレクタ電流密
度を、正孔蓄積量の顕著な増大を招くことなしに8.0
×10-4A/μm2程度まで上げることができ、この場
合の動作周波数は4GHZであった。コレクタ電流密度
は、エミッタ-コレクタ間電圧0.35Vの場合に本ト
ランジスタが最大の遮断周波数を示すコレクタ電流密度
4.0×10-4A/μm2の2倍であった。
【0075】図27における上記曲線(A)に示したよ
うに、本トランジスタにおいて最大のコレクタ電流密度
8.0×10-4A/μm2より小さい電流密度では、蓄積
される正孔量は電流が流れていない場合の活性領域のベ
ース-コレクタ接合容量の4.5倍以下であった。そのた
め、同一の消費電流における動作周波数の低下を約20
%程度に抑えることが可能になった。本実施例による
と、動作周波数4GHZにおいて、従来の同形式の回路
と比較して、電源電圧は43%低減できるのに対し、消
費電流は20%増加するだけであり、消費電力を32%
低減できることが確認された。
【0076】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、バイポーラトランジスタを用いた非飽和型論理
回路のエミッタ-コレクタ間電圧を、従来よりも低い
0.1V〜0.4V以下にしても、回路の動作速度はほ
とんど低下しない。そのため、回路の電源電圧を従来よ
り著しく低減することができ、その低減率はCML回路
で35%〜57%、×10CL回路で23%〜42%で
あった。電源電圧低減の結果、従来より回路の消費電力
を低減でき、その低減率はCML回路で最大52%、×
10CL回路で最大38%であった。また、電源電圧低
減の結果、電源供給用の電池の個数を減らすことがで
き、起電力1Vの電池を用いた場合、低減個数はCML
回路で1個、×10CL回路で最大2個であった。
【0077】また、本発明によれば、バイポーラトラン
ジスタのエミッタ-コレクタ間電圧の最小値が0.4V
以下である飽和型論理回路において、回路の動作速度を
従来よりも大きくすることができ、動作速度の増加率は
TTL回路で20%〜40%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のCML回路によるフリップフロップ
回路、
【図2】図1の回路に用いられたバイポーラトランジス
タの縦断面図、
【図3】上記バイポーラトランジスタの主要部分の縦断
面の拡大図、
【図4】上記バイポーラトランジスタの不純物濃度とG
e組成の分布を示すグラフ、
【図5】上記バイポーラトランジスタの各部分のバンド
構造を示す図、
【図6】従来のバイポーラトランジスタの遮断周波数と
コレクタ電流との関係を示す図、
【図7】上記従来のバイポーラトランジスタの低濃度コ
レクタ部分に蓄積される正孔量とコレクタ電流密度との
関係を示した図、
【図8】実施例2に用いられたバイポーラトランジスタ
の主要部分を示す縦断面図、
【図9】図8に示したバイポーラトランジスタの不純物
濃度とGeの組成分布を示す図、
【図10】図8に示したバイポーラトランジスタの各部
分のバンド構造を示す図、
【図11】実施例3に用いられたバイポーラトランジス
タの不純物濃度とGe組成の分布を示す図、
【図12】実施例3に用いられたバイポーラトランジス
タの各部分のバンド構造を示す図、
【図13】実施例4の×10CL回路によるフリップフ
ロップ回路を示す図、
【図14】従来のバイポーラトランジスタの主要部分を
示すす断面図、
【図15】図14に示したバイポーラトランジスタの不
純物濃度とGeの組成の分布を示す図、
【図16】図14に示したバイポーラトランジスタの各
部分のバンド構造を示す図、
【図17】従来のCML回路を用いたラッチ回路を示す
図、
【図18】実施例の回路中に用いたバイポーラトランジ
スタの不純物濃度とGeの組成の分布を示す図、
【図19】図18に示したバイポーラトランジスタの各
部分のバンド構造を示す図、
【図20】実施例に用いられたバイポーラトランジスタ
の不純物濃度分布とGeの組成の分布を示す図、
【図21】図20に示したバイポーラトランジスタの各
部分のバンド構造を示す図、
【図22】実施例に用いられたバイポーラトランジスタ
の不純物濃度とGeの組成の分布を示す図、
【図23】図22に示したバイポーラトランジスタの各
部分のバンド構造を示す図、
【図24】コレクタ電流値と活性領域のベース-コレク
タ間容量の関係を示す図、
【図25】コレクタ電流値と活性領域のベース-コレク
タ間容量の関係を示す図、
【図26】コレクタ電流値と活性領域のベース-コレク
タ間容量の関係を示す図、
【図27】コレクタ電流値と活性領域のベース-コレク
タ間容量の関係を示す図、
【図28】図2に示したバイポーラトランジスタの製造
方法を説明するための工程図、
【図29】実施例5を説明するための回路ブロック図、
【図30】本発明を適用したCML回路によるフリップ
フロップ回路を示す図。
【符号の説明】
1…P型Si基板、2…N型埋め込み層、3…低濃度コ
レクタ層、4…コレクタ取出し領域、5…P型層、6…
SiO2膜、7…Si34膜、8…SiO2膜、9…ベー
ス層、10…活性領域、11…P型多結晶Si膜、12
…エミッタ層、13、14…N型多結晶Si膜、15…
Si34膜、16、17…SiO2膜、18、19、2
0…金属電極、21…SiO2膜、22…多結晶Si
膜、23…フリップフロップ回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03K 19/082 (72)発明者 小田 克矢 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鷲尾 勝由 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大畠 賢一 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型を有する低濃度コレクタ層の活
    性領域の、上記低濃度コレクタ層に接して形成された上
    記第1導電型とは逆の第2導電型を有するベース層に接
    する部分における上記第1導電型を有する不純物の濃度
    が5×1016cm-3以上であるバイポーラトランジスタ
    を具備し、当該バイポーラトランジスタのエミッタ-コ
    レクタ間電圧の最小値は0.4V未満であり、上記バイ
    ポーラトランジスタのコレクタ電流密度の最大値が、最
    小エミッタ-コレクタ間電圧において上記バイポーラト
    ランジスタの遮断周波数が最大となるコレクタ電流密度
    の2倍よりも小いことを特徴とする半導体回路。
  2. 【請求項2】上記バイポーラトランジスタは、上記低濃
    度コレクタ層の活性領域における上記第1導電型不純物
    の深さ方向における濃度分布が平坦である第1のバイポ
    ーラトランジスタ、上記低濃度コレクタ層の活性領域に
    おける上記第1導電型不純物の深さ方向の濃度分布が、
    上記ベース層に接する部分で最大である第2のバイポー
    ラトランジスタ、上記ベース層がSiGe混晶からな
    り、上記エミッタ層および上記コレクタ層がそれぞれS
    iからなる第3のバイポーラトランジスタ、上記ベース
    層がSiGe混晶からなり、上記エミッタ層および上記
    低濃度コレクタ層がそれぞれSiからなり、かつ活性領
    域における上記第1導電型不純物の深さ方向における濃
    度分布の第1の極大点が上記ベース層に接する部分に形
    成され、さらに第2の極大点が上記第1の極大点と上記
    低濃度コレクタ層の下面に接して形成された上記第1導
    電型を有する高濃度埋め込み層の間に形成されてある第
    4のバイポーラトランジスタ、上記ベース層がSiGe
    混晶からなり、上記エミッタ層および上記とコレクタ層
    がSiからそれぞれなり、かつ上記ベース層のGe組成
    が上記エミッタ層側から上記コレクタ層側にかけて増加
    し、Ge組成の勾配は、上記ベース層が上記コレクタ層
    に接する部分の方が、上記ベース層が上記エミッタ層に
    接する部分よりも大きくい第5のバイポーラトランジス
    タ、上記ベース層がSiGe混晶からなり、上記エミッ
    タ層および上記低濃度コレクタ層がそれぞれSiからな
    り、かつ上記低濃度コレクタ層の活性領域は寄生領域よ
    り不純物濃度が高い第6のバイポーラトランジスタ、上
    記ベース層が上記第2導電型を有するSiGe混晶から
    なり、上記エミッタ層および上記コレクタ層がそれぞれ
    上記第1導電型を有するSiからなり、上記低濃度コレ
    クタ層の活性領域において、上記第1導電型を有する不
    純物の深さ方向の濃度分布が、上記ベース層に接する部
    分で極大である第7のバイポーラトランジスタおよび上
    記ベース層が上記第2導電型を有するSiGe混晶から
    なり、上記エミッタ層および上記コレクタ層が上記第1
    導電型を有するSiからそれぞれなり、上記低濃度コレ
    クタ層の活性領域における上記第1導電型不純物の濃度
    分布は、上記ベース層に接する部分で5×1016cm-3
    以上である第8のバイポーラトランジスタからなる群か
    ら選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求
    項1に記載の半導体回路。
  3. 【請求項3】バイポーラトランジスタと抵抗素子からな
    るフリップフロップ回路の出力端子が第2のフリップフ
    ロップ回路のクロック端子に結合された回路を含む半導
    体回路において、少なくとも3個の抵抗素子と少なくと
    も2個のバイポーラトランジスタを含み、上記抵抗素子
    のうちの第1の上記抵抗素子は最高電位を供給する電源
    に接続され、上記抵抗素子のうちの第2および第3の上
    記抵抗素子は上記第1の抵抗素子と二つのバイポーラト
    ランジスタのコレクタとの間に結合された差動型回路
    が、上記出力端子に結合されていることを特徴とする請
    求項1若しくは2に記載の半導体回路。
  4. 【請求項4】バイポーラトランジスタと抵抗素子からな
    るフリップフロップ回路の出力端子が第2のフリップフ
    ロップ回路のクロック端子に結合された回路を含む半導
    体回路において、少なくとも1個の抵抗素子と直列に結
    合された少なくとも1個のバイポーラトランジスタから
    なる定電流源が、上記出力端子に結合されていることを
    特徴とする請求項1若しくは2に記載の半導体回路。
  5. 【請求項5】第1導電型を有する低濃度コレクタ層、当
    該低濃度コレクタ層上に形成された上記第1導電型とは
    逆の第2導電型を有するベース層および当該ベース層上
    に形成された上記第1導電型を有するエミッタ層を具備
    し、上記ベース層はSiGe混晶からなり、上記エミッ
    タ層および上記低濃度コレクタ層がそれぞれSiからな
    り、かつ上記ベース層内における上記SiGe混晶のG
    e組成が、上記ベース層の上記エミタ層と接する部分か
    ら上記ベース層の上記コレクタ層と接する部分にかけて
    増加し、上記Ge組成の勾配が上記ベース層の上記エミ
    タ層と接する部分より上記ベース層が上記コレクタ層と
    接する部分より大きいことを特徴とするバイポーラトラ
    ンジスタ。
  6. 【請求項6】上記コレクタ層の上記ベース層に接する部
    分における上記第1導電型を有する不純物の濃度は5×
    1016cm-3以上であることを特徴とする請求項5に記
    載のバイポーラトランジスタ。
  7. 【請求項7】上記低濃度コレクタ層の活性領域は寄生領
    域より不純物濃度が高いことを特徴とする請求項5若し
    くは6に記載のバイポーラトランジスタ。
  8. 【請求項8】上記低濃度コレクタ層の活性領域内におけ
    る上記第1導電型不純物の深さ方向の濃度分布は、上記
    ベース層に接する部分に極大部が形成されていることを
    特徴とする請求項5から7のいずれか一に記載のバイポ
    ーラトランジスタ。
  9. 【請求項9】上記極大部の下方にさらに第2の極大部が
    形成されていることを特徴とする請求項8に記載のバイ
    ポーラトランジスタ。
  10. 【請求項10】上記極大部以外の上記低濃度コレクタ層
    の活性領域内における、上記第1導電型不純物の深さ方
    向の濃度分布はほぼ均一であることを特徴とする請求項
    8若しくは9に記載のバイポーラトランジスタ。
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