JPH09257924A - 移動体監視方法 - Google Patents

移動体監視方法

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JPH09257924A
JPH09257924A JP8063523A JP6352396A JPH09257924A JP H09257924 A JPH09257924 A JP H09257924A JP 8063523 A JP8063523 A JP 8063523A JP 6352396 A JP6352396 A JP 6352396A JP H09257924 A JPH09257924 A JP H09257924A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体の速度、針路の変化の追従を十分な早
さで実行できないという課題があった。 【解決手段】 特性の異なる多種多様な複数のセンサか
ら成るセンサ群2から入力された移動体群1の位置情報
を用いて、センサの測定精度が良好なほど大きな値を有
する重み、即ちセンサ精度係数skを最小二乗法を適用
する各観測式に乗じ、且つ現在時刻に近い位置情報ほど
大きな重み、即ち時刻に関する精度係数τkを各観測式
に乗じて並列演算が可能な形に変換し、並列演算処理装
置7を用いて最小二乗法により軌跡を予測するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば航空管制
に適用される移動体監視方法であって、観測側で移動体
側の運動モデルが不明である場合に、若しくは運動モデ
ルが判明していても確実性に欠ける場合に、または移動
体の位置等を計測するセンサからの情報の入力が遅れる
場合に、センサからの情報を用いて移動体の運動モデル
を実時間で推測し、移動体の位置、針路、速度等を表示
する移動体監視方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は例えば特開平7−218611号
公報に示された従来の移動体監視方法を用いたトラッキ
ング装置の構成を示すブロック図であり、図において、
1は複数の移動体から成る移動体群、2は複数のセンサ
から成るセンサ群、11はセンサ群2から送付されたデ
ータにどのセンサから出力されたかを示すセンサ番号、
移動体の番号、受信時刻を付与したりするセンサデータ
処理装置、12は移動体の複数の運動モデルを予め仮定
しセンサから出力されたデータから移動体の位置及び速
度を推定するフィルタ処理装置、13はフィルタ処理装
置が計算した各運動モデルのなかで最も誤差の少ないも
のを選択する目標推定処理装置、14は入出力処理装
置、15は入力装置、9は出力装置である。
【0003】次に動作について説明する。従来のセンサ
で捉えた移動体の運動モデルが不明な場合、移動体の追
尾には、αβトラッカと呼ばれる手法が用いられるのが
普通であった。この手法はほぼ一定周期ごとに追尾目標
である移動体の位置に関するデータが入力されることを
前提に、予測位置と入力位置とに対して位置に関する平
滑パラメータαを用いて重み付き平均処理を施し、予測
速度と入力速度とに対して平滑パラメータβを用いて重
み付き平均処理を施して平滑位置と平滑速度とを推定す
る手法である。平滑パラメータα及びβの値は追尾目標
の信頼度に応じてダイナミックに変更される。また、こ
の変形として、それぞれ移動体の進行方向と進行方向に
垂直な方向とに分けて平滑パラメータα及びβを設定す
る手段や、加速度の要素を取り入れてγパラメータを導
入する手段が提案され実用化されている。この手法は、
一般に簡単な式で計算するため、情報処理装置の演算負
荷を大きく必要とせず、多数の移動体を同時に実時間で
計算するのに適している。また、最小二乗法等の演算時
間がかかる計算手段もあるが、精度よく移動体を追尾す
る反面演算負荷がかかるため、一般に多目標を同時に追
尾する手法としては用いられていない。
【0004】図9に示した特開平7−218611号公
報に示された従来の移動体監視方法を用いたトラッキン
グ装置は、特開昭61−184477号公報及び特開昭
61−195381号公報に開示された「目標トラッキ
ングフィルタ」をベースとしたものであり、センサ群2
の複数のセンサからデータを入力し、同様に追尾目標で
ある移動体の軌跡を複数の運動モデルに基づいて計算
し、最も誤差の少ない運動モデルを選択する手段を有し
ている。図9に示すように、移動体を単数または複数の
センサ群2にて検知し、センサデータ処理装置11にお
いて、各センサから入力されたデータを共通に処理でき
るよう基準化を行っている。さらに、基準化されたデー
タに基づいて、フィルタ処理装置12にて想定した運動
モデルと計算式により移動体の追尾が行われる。追尾の
結果は目標推定処理装置13に送られ、目標推定処理装
置13は各運動モデルのなかで最も誤差の少ないものを
選択する。また、各運動モデルのデータを入出力処理装
置14を通じて出力装置9に表示し、そのデータを見た
オペレータの判断により入力装置15から入出力処理装
置14を通じてオペレータの選択意志を目標推定処理装
置13に伝えることによりオペレータの意志を追尾に介
在させることを許す手段が開示されている。
【0005】また、移動体を追尾するためのレーダ等の
センサが複数ある場合、従来の移動体監視方法では、セ
ンサの重複領域において各センサから得られる追尾情報
のうち、最も追尾信頼性(トラッククオリティ)が高い
追尾情報をシステムデータとして採用する手法を用いて
いる。特開平4−208891号公報及び特開平5−1
00021号公報に開示された複数レーダ自動追尾処理
手段では、最も追尾信頼性が高い追尾情報をシステムデ
ータとして採用するのに伴いセンサ、即ちレーダを切り
替える場合に、追尾信頼性が複数のセンサ間で順位変動
することによって発生する軌跡のふらつきを減少せしめ
るため、切り替えのための条件を付加する手段が用いら
れている。
【0006】なお、上記した従来の移動体監視方法で
は、複数の移動体の追尾を行う場合でも移動体個別にそ
の位置、速度、加速度等を順次計算してゆく逐次計算方
法が用いられている。
【0007】ところで、移動体に対する代表的なセンサ
としてレーダが挙げられるが、従来のレーダからの質問
波に対して移動体からの反射波や応答波信号を複数のパ
ルスで受信し、その応答時間やパルスの中心角度から位
置を算出する一次レーダや二次レーダに加え、モノパル
ス測角技術を用いた精度の良い新レーダのセンサやGP
S等の技術を用いて移動体自身で位置や速度や針路を測
定し、移動体を監視する移動体監視装置にその情報を送
信し、移動体監視装置で表示する自動従属監視の技術の
実用化が図られようとしている。自動従属監視も移動体
の位置情報等の情報を入手する点で広義のセンサと位置
付けることができる。
【0008】このような技術の移行期においては精度の
よいセンサと従来のセンサとが併存する期間が長期間あ
ると思われる。また、精度の良いセンサの場合、複数の
中継装置を経由するため情報が最終目的地の移動体監視
装置に届くまでに時間を要したり、移動体自身に位置等
の観測装置を有していないものがあったり、また、電波
の割り当ての関係で必要十分な間隔で最終目的地の移動
体監視装置に送信できなかったりすることがある。従っ
て、場合によっては、測定精度、受信間隔、及び、デー
タ受信の時間遅れのタイミングがセンサの種類によって
バラバラである多種多様なセンサからのデータを総合的
に処理し、移動体の軌跡の最適解を見出さなければなら
ない状況がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動体監視方法
は以上のように構成されているので、αβトラッカ手法
を単に用いたり変形するだけでは追尾性能が必ずしも十
分でなく、特に、移動体の速度が変化している場合及び
針路が変化している場合の追尾能力が十分でなく追従が
遅いという課題があった。かかる従来の移動体監視方法
は、多数の移動体を追尾するためにはやむを得ないもの
があったが、近年の演算性能/価格比の向上により、よ
り多くの演算時間は必要とするが精度の良い最小二乗法
等の追尾手段を採用することが可能となってきている。
従って、演算性能/価格比の良い並列演算プロッセサを
かかる移動体監視方法に適用することが考えられる。し
かし、αβトラッカ手法ではレーダから移動体のデータ
が入力される度に個別に平滑予測計算を行っているので
並列演算プロセッサを使用しても計算効率が上がらない
という課題があった。
【0010】また、レーダでデジタル処理がなされてい
ないレーダ信号そのもののアナログビデオとデジタル処
理がなされた追尾目標とを表示装置に重畳表示すると、
デジタル処理や追尾処理を行う時間だけ追尾目標の表示
が遅れ、一定の時間は両者の表示位置が不一致になると
いう課題があった。さらに、データ受信時間が異なる複
数のセンサのデータをそのまま表示すると、デジタルデ
ータ相互で相違が生じ、ある瞬間に表示されている移動
体相互の距離に誤差が生じるという課題があった。
【0011】さらに、複数のセンサからの情報を総合的
に処理する手段としての特開平4−208891号公報
及び特開平5−100021号公報に開示された複数レ
ーダ自動追尾処理手段においても、最も追尾信頼性が高
いセンサを選択する手段とその切り替え手段について述
べているに過ぎず、上記したような多種多様な複数のセ
ンサのデータを総合的に処理する配慮がないので、移動
体の軌跡の最適解を見出すことができないという課題が
あった。
【0012】さらに、特開昭61−184477号公報
及び特開昭61−195381号公に開示された目標ト
ラッキングフィルタは、追尾計算に用いる基本データと
して、位置、速度及び加速度が判明していることを前提
としており、速度、加速度が不明な場合のデータへの配
慮がなく、多種多様な複数のセンサのデータを総合的に
処理する配慮がないので、同様に移動体の軌跡の最適解
を見出すことができないという課題があった。
【0013】さらに、特開平7−218611号公報に
示された、複数のセンサからの情報を総合的に処理する
ステップを含む移動体監視方法では、複数のセンサから
データを入力し、目標の複数の運動モデルで計算し、最
も誤差の少ない運動モデルを選択する手段を示している
が、既存の運動モデルでそれぞれ計算し最適の運動モデ
ルを選ぶだけで具体的に上記したような特性の異なった
多種多様なセンサからのデータをどう総合的に処理する
のか方法の開示がなく、同様に移動体の軌跡の最適解を
見出すことができないという課題があった。さらに、オ
ぺレータの介入を認めるにしても、個別に複雑な追尾関
連情報をオペレータに提供しオペレータの判断を仰ぐ手
段では、小数の追尾目標には可能であっても同時に多数
の追尾目標を追尾し監視しなければならない、例えば航
空管制のためのオペレータヘの情報提供としては不適で
あって、確実な航空管制が実行できないという課題があ
った。
【0014】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、特性の異なる多種多様な複数のセ
ンサからのデータを総合的に処理して、移動体の追尾を
精度良く実現するとともに、追尾の軌跡計算において並
列演算プロセッサの高速処理に適した並列演算処理を取
り入れることが可能な移動体監視方法を得ることを目的
とする。
【0015】また、この発明は複数の移動体の軌跡を同
一時刻に表示装置へ表示することにより、時間帯のずれ
による移動体相互の距離の誤差を小さくすることが可能
で、レーダ信号等のアナログデータと正確な重畳表示が
できる移動体監視方法を得ることを目的とする。
【0016】さらに、この発明はセンサ固有の大きさが
不明なずれをリアルタイムで推定して追尾の軌跡計算を
補正できる移動体監視方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る移動体監視方法は、測定精度が良好なセンサからの位
置情報ほど大きなセンサ精度に関する重みを設定し、最
小二乗法を適用する運動モデルの位置情報毎に得られる
各観測式に位置情報に応じたセンサ精度に関する重みを
乗じて移動体の軌跡を推定するものである。
【0018】請求項2記載の発明に係る移動体監視方法
は、請求項1記載の移動体監視方法において、位置情報
が計測された時刻または計測されたと推定される時刻を
考慮して現在時刻に近い位置情報ほど大きな時刻に関す
る重みを設定し、最小二乗法を適用する運動モデルの位
置情報毎の各観測式に位置情報に応じた時刻に関する重
みをさらに乗じるものである。
【0019】請求項3記載の発明に係る移動体監視方法
は、センサから入力された位置情報が計測された時刻ま
たは計測されたと推定される時刻を考慮して現在時刻に
近い位置情報ほど大きな時刻に関する重みを設定し、最
小二乗法を適用する運動モデルの位置情報毎の各観測式
に位置情報に応じた時刻に関する重みを乗じて移動体の
軌跡を推定するものである。
【0020】請求項4記載の発明に係る移動体監視方法
は、請求項1または請求項2記載の移動体監視方法にお
いて、極座標で位置情報を出力するタイプのセンサの場
合には、移動体の水平位置に関する軌跡を求めるための
共通座標系のX座標に関する観測式にはセンサのローカ
ル座標系のY方向の距離に逆比例した重みを乗じ、Y座
標に関する観測式にはセンサのローカル座標系のX方向
の距離に逆比例した重みを乗じるものである。
【0021】請求項5記載の発明に係る移動体監視方法
は、請求項1または請求項2記載の移動体監視方法にお
いて、センサ精度に関する重みはセンサの誤差に逆比例
する重みであるものである。
【0022】請求項6記載の発明に係る移動体監視方法
は、極座標で位置情報を出力するタイプのセンサから入
力された位置情報の場合には、位置情報に含まれる方位
から位置情報が計測された時刻を推定するものである。
【0023】請求項7記載の発明に係る移動体監視方法
は、最小二乗法の計算により得た移動体の軌跡の式を基
に移動体の過去の速度の変動を評価することにより、移
動体の軌跡の式として採用する運動モデルを決定するも
のである。
【0024】請求項8記載の発明に係る移動体監視方法
は、請求項7記載の移動体監視方法において、移動体の
速度の変動を評価する際の軌跡の式は時刻に関して二次
函数式で表される運動モデルであるものである。
【0025】請求項9記載の発明に係る移動体監視方法
は、請求項7または請求項8記載の移動体監視方法にお
いて、移動体の過去の速度の変動の評価の結果、過去の
一定期間内に移動体が等速運動を続けているならば軌跡
の式として時刻に関して一次函数式で表される運動モデ
ルを選択し、速度を変え続けているならば軌跡の式とし
て時刻に関して二次函数式で表される運動モデルを選択
し、等速運動から速度を変え始めたならば軌跡の式とし
て最近の時刻に関して二次函数式で表される運動モデル
を選択し、または、速度を変え続けた状態から等速運動
に移ったならば軌跡の式として最近の時刻に関して一次
函数式で表される運動モデルを選択するものである。
【0026】請求項10記載の発明に係る移動体監視方
法は、大きさが不明な誤差が含まれている位置情報を出
力する第1のセンサからの位置情報を基に移動体の軌跡
の式を最小二乗法を用いて推定し、第1のセンサより精
度の良い第2のセンサから入力された位置情報の計測さ
れた時刻または計測されたと推定される時刻を推定した
軌跡の式に適用することにより誤差を推定するものであ
る。
【0027】請求項11記載の発明に係る移動体監視方
法は、第1のセンサからの他の移動体についての位置情
報を基に前記他の移動体の軌跡の式を最小二乗法を用い
て推定し、推定した前記誤差を考慮して前記他の移動体
の軌跡の式を補正するものである。
【0028】請求項12記載の発明に係る移動体監視方
法は、第2のセンサから位置情報が得られる度に、前記
第1のセンサからの位置情報を基に最小二乗法を用いて
得られた移動体の軌跡の式から誤差を再度推定し、今回
推定された前記誤差と過去に推定された誤差とを重みを
つけて平均処理してその値を新たに誤差と推定するもの
である。
【0029】請求項13記載の発明に係る移動体監視方
法は、表示装置に複数の移動体の位置を表示する際に、
複数の移動体に対してそれぞれ推定された軌跡の式に表
示時刻を適用することにより位置を求めるものである。
【0030】請求項14記載の発明に係る移動体監視方
法は、最小二乗法を用いて軌跡の式を推定する必要があ
る複数の移動体に対して一定量の既に得た位置情報を含
み且つ各移動体に対して同一の大きさの領域が割り当て
られた軌跡計算用テーブルを設け、位置情報が存在しな
い軌跡計算用テーブルのセルにはダミーデータを書き込
むものである。
【0031】請求項15記載の発明に係る移動体監視方
法は、請求項14記載の移動体監視方法において、軌跡
計算用テーブルの各セルには位置情報を得たセンサのセ
ンサ精度に関する重みが含まれており、ダミーデータが
書かれたセルでは重みはゼロであるものである。
【0032】請求項16記載の発明に係る移動体監視方
法は、請求項14または請求項15記載の移動体監視方
法において、複数のセンサから入力された位置情報を含
むデータを一旦保存するとともに、データが存在しない
各セルにはダミーデータが書き込まれた追尾テーブルを
設け、複数の移動体に対する軌跡の式の推定の度に、追
尾テーブルに一旦保存された、(軌跡の式の推定を行う
べき移動体の数)×(前回の軌跡推定以降に各移動体毎
に蓄積されたデータの最大数)分の最新のデータの量と
同一の量の最も古いデータを軌跡計算用テーブルから削
除するとともに、最新のデータを追尾テーブルから軌跡
計算用テーブルに転送するものである。
【0033】請求項17記載の発明に係る移動体監視方
法は、移動体自身で計測した速度及び加速度が入力され
た場合、移動体について推定された軌跡の式から速度及
び加速度を求めこれらと移動体自身で計測した速度及び
加速度とをそれぞれ重みを付けて平均処理することによ
り移動体自身で計測した速度及び加速度を補正するもの
である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による移
動体監視方法を実現する移動体監視装置を概略的に示す
ブロック図であり、図において、図9と同一の部分には
同一符号を付加しその説明を省略する。また、図1にお
いて、3は一次/二次レーダ、SSRモードSレーダ、
または移動体で観測した位置情報、速度等の情報を受信
する装置等のセンサ群2の各センサから入力された単一
または複数の移動体を含む移動体群1の位置情報、セン
サ種類等の入力データを受信する目標入力装置、4は新
たにセンサ群2のセンサから入力された移動体群1の入
力データに対応する既存の追尾目標を探し対応関係をつ
ける機能を有する相関処理装置、5は二次元の構造を有
する追尾テーブルであって、その各列には各追尾目標の
ビーコンコードまたはモードSアドレス等の移動体を識
別するための移動体識別情報、追尾の信頼性を示すパラ
メータ、軌跡計算の結果最終的に選択した軌跡の式の種
類、及びこの軌跡の式の係数の値等の追尾目標の属性を
示す複数の追尾属性データ1〜nと、センサ群2の各セ
ンサから1回に入力されるデータである追尾目標の位置
情報、その位置情報を得た位置情報入手時刻等とセンサ
の種類に応じたセンサ精度係数(センサ精度の関する重
み)skとを1組の入力データセットとした一定の形式
の情報を前回の軌跡計算以降にその追尾目標に対して入
力された回数分積み上げて順次登録された複数の入力デ
ータセット1〜mとが格納されている。追尾目標の属性
を示す追尾属性データ1〜n以外のセンサ群2から入力
されたデータで主に構成される入力データセット1〜m
は最小二乗法を用いた軌跡計算が行われるたびに、後で
述べるように計算のために他のテーブルに転送されるの
で追尾テーブル5からクリアされる。尚、追尾テーブル
5は予め定めた最大追尾目標数分の列を有している。
【0035】また、図1において、6は最小二乗法を用
いた軌跡の平滑予測計算の制御を行う平滑予測処理制御
装置、7は平滑予測計算を行うための並列演算プロセッ
サを備えた並列計算処理装置、71は並列計算処理装置
7のローカルメモリに設けられた軌跡計算用テーブルで
あって、一旦追尾テーブル5に格納された後追尾テーブ
ル5から転送される、センサ群2から順次入力される複
数のデータ、即ち、追尾目標の位置情報、および、その
位置情報を得た位置情報入手時刻等とセンサ種類に応じ
たセンサ精度係数skとを1セットとした一定の形式の
情報を一定セット数分有する追尾テーブル5と同様な二
次元のテーブルである。しかしながら、追尾テーブル5
と異なり、軌跡計算用テーブル71の内容は軌跡計算を
行ってもクリアされず、追尾テーブル5から所定の容量
の入力データセットが転送される度に、最も古い複数の
入力データセットが削除され、最新の複数の入力データ
セットに更新される。
【0036】さらに、図1において、8は並列計算処理
装置7による追尾のための軌跡計算の結果を受けて、こ
の実施の形態1による移動体監視装置の目的に応じた表
示制御を行う移動体情報処理装置、9は追尾のための軌
跡計算結果の表示を行う表示装置である。また、10は
目標入力装置3、相関処理装置4、追尾テーブル5、平
滑予測処理制御装置6及び移動体情報処理装置8を備え
た演算処理装置である。尚、演算処理装置10は適宜分
割して構成してもよい。
【0037】次に動作について説明する。図1に示すよ
うに、地上に設けられたこの実施の形態1による移動体
監視装置では、センサ群2の各センサは移動体群1中の
移動体の水平位置を検出し、その位置情報を目標入力装
置3に出力する。センサ群2のセンサの種類によって
は、ビーコンコード、モードSアドレス、または移動体
固有コード等の情報が付加される。また、センサ群2の
各センサから出力されるデータには、高度情報を含むも
のと含まないものとがあり得るが、この実施の形態1で
は、移動体群1の全追尾目標に対して水平面での追尾が
実行される。従って、以下の動作においては、移動体群
1の水平位置に関する軌跡計算が実施される。また、セ
ンサ群2のセンサの種類によっては、移動体の水平位置
の検出処理や目標入力装置3への転送に時間がかかる場
合には、タイムスタンプ(time stamp)情報
を目標入力装置3に出力するデータに付加してその移動
体の水平位置を計測し入手した水平位置入手時刻を報知
する。移動体の水平位置の検出処理や目標入力装置3へ
の転送に時間がかからない場合には、目標入力装置3が
データを入手した時刻がデータ中に含まれる位置情報を
計測した時刻、即ち位置情報入手時刻であると推定でき
る。なお、上記の位置情報には真の位置を中心に誤差が
分散しているものと仮定する。
【0038】センサ群2の各センサから移動体群1中の
各移動体に関する複数のデータが入力される場合、それ
らのデータがどのセンサのものであるかは明らかである
ので、センサの種類に応じたセンサ精度係数skはこれ
らの値をセンサ種類に応じて予め規定するテーブル等を
参照することにより定まる。
【0039】このように、目標入力装置3には、非同期
にセンサ群2の複数のセンサから複数の移動体の位置情
報等のデータが入力される。センサ群2の各センサの座
標系がセンサ毎に異なっている場合には、目標入力装置
3はその座標系を移動体監視装置で予め定めておいた統
一座標系に変換する。
【0040】目標入力装置3は、移動体の水平位置の入
手時刻を、センサ群2のセンサから入力されるデータに
付加されたタイムスタンプ情報から、またはセンサに対
する移動体の方位を用いた計算によって知ることができ
る。後者の場合、即ち、移動体の位置情報をその位置情
報が得られたときの方位角から得る手段を有し一定周期
で回転するセンサからのデータを受け取った場合、検出
処理時間及び目標入力装置3までの転送時間が一定時間
以下であると容易に推定できるならば、目標入力装置3
はその移動体の位置情報(位置座標)からセンサに対す
る方位を計算し移動体の位置情報入手時刻を推定する。
尚、このセンサの回転周期は予め判明しているものと
し、回転体が基準方位を指したときその時刻を送信して
くるものと仮定する。
【0041】以下、図2に示すフローチャートを参照し
ながら、移動体監視方法の移動体の位置情報入手時刻の
上記した推定処理の詳細を説明する。目標入力装置3
は、ステップST201において、センサ群2の一セン
サから移動体群1中の移動体に関するデータを得ると、
ステップST202において、そのセンサが回転体セン
サのタイプであり、方位角から位置情報を入手した位置
情報入手時刻を推定することが可能なものであるか否か
を判定する。位置情報入手時刻を推定することが不能な
センサの場合、目標入力装置3は、ステップST203
において、その移動体に関するデータがタイムスタンプ
情報を含むか否かを判定する。移動体に関するデータが
タイムスタンプ情報を含む場合、目標入力装置3は、ス
テップST204において、そのタイムスタンプ情報を
位置情報入手時刻であると推定する。他方、入力された
その移動体に関するデータがタイムスタンプ情報を含ま
ない場合、目標入力装置3は、ステップST205にお
いて、位置情報入手時刻が不明であるのでその移動体に
関するデータを捨てる。
【0042】一方、ステップST202の判定におい
て、入手した移動体に関するデータが回転体センサのタ
イプのものであって、位置情報入手時刻を移動体のセン
サに対する方位角から推定できるセンサであると判定し
た場合、目標入力装置3は、ステップST206におい
て、入手した移動体に関するデータが極座標を持つか否
かを判定する。一般的に、回転体センサの場合、アンテ
ナ回転角度と電波の応答時間から移動体の位置情報(座
標)を得るので、極座標がソースデータとなる。この場
合、データが極座標の形式で移動体監視装置に送られて
くれば、極座標だけでは軌跡計算や表示が困難であるの
で直交座標に変換して処理するが、極座標のデータは別
途生かされているのでこれからその移動体の位置情報入
手時刻を得ることができる。しかしながら、センサ側の
計算機で極座標を直交座標に変換した後移動体監視装置
へ送付してくる場合が考えられ、このような場合方位角
を得るために極座標に再変換する必要がある。従って、
入手した移動体に関するデータが極座標を持たない場
合、目標入力装置3は、ステップST207において、
直交座標で表された位置情報を極座標の形式のものに変
換する。そして、目標入力装置3は、ステップST20
8において、極座標中の方位座標から入手した移動体に
関するデータの入手時刻、即ち位置情報入手時刻を
(1)式で計算する。
【0043】 位置情報入手時刻=NT+SC×AZ/360 (1)
【0044】但し、NTは基準方位通過時刻(回転体が
基準方位を指したときの時刻)、SCはセンサの回転周
期時間、AZは移動体の方位角(度単位)である。
【0045】目標入力装置3は、入手した移動体に関す
るデータに上記図2に示したフローチャートに従った処
理を施した後、位置情報、位置情報入手時刻、及びセン
サ精度係数sk等のデータから成る入力データセット並
びにセンサから入力されたその他の情報(移動体識別情
報等)を相関処理装置4に送信する。
【0046】相関処理装置4は、新たに入手した移動体
に関する入力データセットが既存の追尾目標のいずれに
該当するかまたは新たな追尾目標のものであるかを判断
する(相関処理)。最初に入力された移動体に関する入
力データセット及びセンサから入力されたその他の情報
(移動体識別情報等)は全てそのまま追尾目標の入力デ
ータセット1及び追尾属性データとなり、以降に入力さ
れた入力データセットを含めてこれらの入力データセッ
トは移動体の方向や速度等の軌跡計算に使用されること
になる。相関処理装置4は、目標入力装置3から入力さ
れた移動体に関する入力データセットが追尾テーブル5
に登録されている既存の追尾目標のどれに対応するもの
であるかを、新たに入力されたビーコンコード等の移動
体を識別するための移動体識別情報と登録済みの追尾目
標のビーコンコード等の移動体識別情報とを比較して判
定する。また、ビーコンコード等の移動体識別情報の代
わりに、追尾目標の予測位置と新たに入力された入力デ
ータセットに含まれる位置情報とが近似しているか否か
をもっても、入力された移動体に関する入力データセッ
トが追尾テーブル5に登録されている既存の追尾目標の
どれに対応するものであるかを判定することができる。
【0047】相関処理装置4による移動体の相関処理に
おいて、位置情報が異常な入力データセットは廃棄され
る。一方、入力された移動体に関する入力データセット
が追尾テーブル5に登録されている既存の追尾目標のい
ずれか一つのものであると判定がつけば、そのデータは
追尾テーブル5に登録される。他方、そのデータが追尾
テーブル5に登録されているどの追尾目標のものである
か判定がつかない場合には、相関処理装置4は、その入
手した移動体に関する入力データセット及びセンサから
入力されたその他の情報(移動体識別情報等)を新たな
追尾目標の入力データセット及び追尾属性データとして
登録するか、その入力データセット等を廃棄する。
【0048】図3は追尾テーブル5の一具体例を示す説
明図である。図3(a)は追尾テーブル5の全体構成を
示しており、図3(b)は一つの入力データセットの内
容を示している。既に述べたように、追尾テーブル5の
各列には、各追尾目標のモードAビーコンコード(二次
レーダによる)またはモードSアドレス(SSRモード
Sレーダによる)等の移動体を識別するための移動体識
別情報、追尾の信頼性を示すパラメータ、軌跡計算の結
果最終的に選択した運動モデルの式を識別する情報、そ
の運動モデルの式の係数の値等の追尾目標の属性を示す
複数の追尾属性データ1〜nと、センサ群2の各センサ
から1回に入力される複数のデータ、即ち、タイムスタ
ンプ情報、位置情報(共通座標系X座標、共通座標系Y
座標、センサ座標系X座標の絶対値、センサ座標系Y座
標の絶対値、高度情報有無、高度情報)等とセンサ種類
に応じたセンサ精度係数skとを1つのデータセットと
した一定の形式の情報を前回の軌跡計算以降にその追尾
目標に対して入力された回数分積み上げて順次セル単位
に登録された、複数の入力データセット1〜mとが格納
されている。また、図3(b)に示すように、追尾テー
ブル5の各列の無効なセル、即ち無効な入力データセッ
トでは、センサ精度係数skがゼロであり、その他の情
報は情報が無意味であることを示すダミーデータ(通常
ゼロ)で埋められている。
【0049】公知のように、センサである二次レーダか
ら質問波を送信し航空機がそれに対応したトランスポン
ダを搭載している場合に、航空機は自身を個別識別する
ためのモードAビーコンコードを二次レーダに送付す
る。また、二次レーダを発展させたSSRモードSレー
ダから質問波を送信し航空機がそれに対応したトランス
ポンダを搭載している場合に、航空機は自身を個別識別
するためのモードSアドレスをSSRモードSレーダに
送付する。さらに、将来的には、航空機自ら航空機を識
別するための移動体識別コードを送付してくるような場
合も考えられる。このようなモードAビーコンコードま
たはモードSアドレス等の移動体を識別するための移動
体識別情報は、移動体監視装置が追尾目標を初めて観測
した際に、追尾テーブル5に追尾属性データとして登録
される。
【0050】各追尾目標に対して1つの追尾属性データ
として追尾テーブル5に登録される追尾の信頼性を示す
パラメータは追尾のための軌跡計算の過程で定められる
パラメータである。例えば、センサ群2のセンサから毎
回確実にその追尾目標のデータが得られ、軌跡計算で予
測した位置に近い位置の位置情報を有する新たなデータ
が入力されるならば、その追尾目標については追尾の信
頼性は高いと判断することができる。そして、追尾の信
頼性が高いと判定されたならば、追尾テーブル5に登録
されているデータと新たに入力されたデータとの相関を
とる際に検索範囲を小さくすることができる。追尾の信
頼性の決定方法には他にいろいろとあるがその詳細は省
略する。
【0051】センサ精度係数skは予めセンサ種類別に
定められている。具体的には、センサ精度係数skは例
えばセンサの位置の平均誤差、即ち標準偏差の逆数に比
例するものであり、測定精度の悪いセンサのセンサ精度
係数skを1とした場合に、測定精度(標準偏差の逆数
とする)が3倍のセンサのセンサ精度係数skは3とな
る。センサ精度係数skはこれに限定されるものではな
く、測定精度をどのように定義するかにも依存する。
【0052】さらに、図4に示すように回転体タイプの
センサの場合、一般的に、センサから出力される移動体
の位置情報には極座標の方位方向に誤差δθが含まれ
る。この場合、この誤差を直交座標系に変換すると、距
離rに比例したものとなる。従って上記センサ精度係数
skにさらこの誤差を考慮した精度係数(距離に逆比
例)を乗じる必要がある。
【0053】図5は平滑予測処理制御装置6及び並列計
算処理装置7における軌跡計算処理を示すフローチャー
トであり、以下このフローチャートを用いて説明する。
軌跡計算処理は、表示装置9の表示データの更新タイミ
ングにあわせて一定周期ごとに行われる。
【0054】まず、ステップST301において、追尾
テーブル5に前回の軌跡計算時から蓄積されていたセン
サ群2から入力された全ての入力データセットが並列計
算処理装置7のローカルメモリに格納された軌跡計算用
テーブル71に転送されるように、全追尾目標の中で最
も多く蓄積されたデータセットの数に最大追尾目標数を
乗じた分のデータ量のテーブル容量の大きさだけ、並列
計算処理装置7のローカルメモリにおける軌跡計算用テ
ーブル71の旧入力データセットがシフトされる。軌跡
計算用テーブル71からあふれた最も古い入力データセ
ットは廃棄される。廃棄された最も古い入力データセッ
トのデータ量は転送される最新の入力データセットのデ
ータ量に等しい。そして、平滑予測処理制御装置6は、
ステップST302において、空いた軌跡計算用テーブ
ル71に次の軌跡計算を行うまでの周期の間にセンサ群
2から入力され追尾テーブル5に蓄積されていた入力デ
ータセットを送信する。上記したように、送信するデー
タ量は(最も多くのデータセットが蓄積された追尾目標
のデータセットの最大数×最大追尾目標数)分のデータ
量に等しい。軌跡計算用テーブル71の入力データセッ
トが存在しないデータ領域、即ちセルにはダミーデータ
が詰められている。
【0055】図6は以上の転送処理の様子を示す軌跡計
算用テーブル71の説明図であり、この図は図3に示し
た追尾テーブル5から最新の複数の入力データセットが
転送される様子を示している。移動体監視装置側の並列
計算処理装置7のローカルメモリで次の軌跡計算を行う
までの周期の間にセンサ群2から入力されたデータが図
3に示すように積み上げられ、全追尾目標の中で最も多
く蓄積された入力データセットの数が追尾目標3の3つ
であると仮定すると、最大追尾目標数はNであるので、
図6に示すように、無効な入力データセットを含む(3
行×N列)分の入力データセットが追尾テーブル5から
軌跡計算用テーブル71に転送される。上記したよう
に、軌跡計算用テーブル71の入力データセットが存在
しないセルには追尾テーブル5と同様にダミーデータが
詰められている。
【0056】次に、平滑予測処理制御装置6は、ステッ
プST303において、移動体の軌跡を推定するため
に、移動体の水平位置のX座標及びY座標のそれぞれが
時刻を変数とする一次函数式または二次函数式で表わせ
るものと仮定し、軌跡計算用テーブル71に格納されて
いる複数の入力データセットをもとに、一次函数式と二
次函数式の双方についてその函数の係数を求めるための
方程式を作成する。一次函数式は移動体が針路を変更せ
ず等速度で直進している運動モデルの場合を想定してお
り、二次函数式は移動体が針路を変化させたり、速度を
変化させたりしつつ運動する運動モデルの場合を想定し
ている。この実施の形態1による移動体監視方法におけ
る軌跡計算では、移動体の軌跡が一次函数式または二次
函数式の運動モデルで表されるとして、それぞれの式の
係数を観測したデータ(入力データセットに含まれる)
とこれら運動モデルの軌跡の式から算出される値との差
の2乗の総和が最も小さくなるよう最小二乗法を用いて
算出する。
【0057】二次函数式の場合、移動体の水平位置のX
座標は(2)式で表される。 X(t)=ax2×(T−t)2 +vx2×(T−t)+wx2 (2)
【0058】ここで、Tは目的時刻であり、tはセンサ
群2の任意のセンサより得られた移動体の位置情報入手
時刻である。なお、目的時刻は、現在時刻(入力された
データの収集を軌跡計算のために一応区切りをつけたと
きの時刻)、表示時刻(表示装置9に予測位置を表示す
るときの時刻)、またはその他移動体監視装置の目的に
応じた時刻である。通常、軌跡計算から表示装置9への
出力までの間にいくつかのステップを経るので、設計次
第であるが表示まである程度の遅延が生じる。従って、
遅延時間を考慮して目的時刻を表示時刻とすることによ
って、オペレータにとって最もリアルタイムの位置を表
示装置9で見ることが可能になる。ただし、この場合、
予測の要素が大きくなるので、現在時刻の場合より精度
は悪くなる。どちらを採用するかは設計思想とユーザの
ニーズに依存する。また、その他の目的時刻の例として
は、アナログデータを同時に重ね合わせて表示する場合
におけるレーダの回転に合わせてアナログデータによる
移動体の表示を変化させるリアルタイム更新時刻が挙げ
られる。
【0059】最小二乗法の計算により上記(2)式で表
せる運動モデルに最も近い値のax2,vx2,wx2が得ら
れれば、移動体のX方向に関する水平位置を予測でき、
その移動体のX方向に関する速度及び加速度を推定する
ことができる。センサ群2の任意のセンサより得られた
ある追尾目標の位置情報入手時刻t1及びX座標X1を
(2)式で表せる運動モデルにあてはめると、観測式
【0060】 X1=ax2×(T−t1)2 +vx2×(T−t1)+wx2 (3)
【0061】が得られる。同様に、同一の追尾目標に対
する同一のセンサの他の位置情報入手時刻のX座標、ま
たは、他のセンサのある位置情報入手時刻のX座標を
(t2,X2),…,(tn,Xn)とすると、以下に
示すような、最小二乗法を適用する上記(2)式で表せ
る運動モデルの各観測式が得られる。
【0062】
【数1】
【0063】ところで、移動体の軌跡を予測する場合、
速度や針路変化を考慮に入れると現在時刻に近いデータ
は古いデータより重要である。即ち、過去の時刻のデー
タと最近の時刻のデータとを同等に扱うと、最近になり
軌跡を変えたような場合過去のデータに引っ張られて誤
差が大きくなる恐れがある。これとは反対に、最近のデ
ータだけではデータ量が不足して正しい軌跡を導き出せ
ないこともある。従って、このような点を勘案して次式
で与えられるような現在時刻に近いほど大きな値を有す
るように設定された時刻に関する重み、即ち時刻に関す
る精度係数τkを観測式に乗じて過去のデータも使用す
ることにより、軌跡の式の係数の全体的な誤差をなるべ
く小さくすることが可能となる。
【0064】 τk=F(T−t) (5) ここで、tは観測式の得られた時刻、即ち位置情報入手
時刻、Tは上記した目的時刻、函数F(x)は、xの値
が増加するとF(x)の値が減少するような函数で、例
えばF(x)=1/(x+C)、(但しCは定数)、ま
たは、F(x)=(T−tc−x)、(但しtcは定
数)などが挙げられる。どのような式を用いるかは移動
体監視装置の特性に応じて定める。
【0065】次に、平滑予測処理制御装置6は、ステッ
プST304において、上記のようにして得られた観測
式(3)及び(4)に上記したセンサの精度に依存する
センサ精度係数sk、回転体タイプのセンサの精度を考
慮した精度係数及び時刻に関する精度係数τkの重みを
付けて正規方程式をたて、係数ax2,vx2,wx2の最確
値を最小二乗法により求める。よく知られているよう
に、最小二乗法は観測した値と最小二乗法を適用しよう
とする式(この場合は軌跡の式)で算出される値との差
の二乗が最小となるように式の係数を求めて式を決定す
る。従って、各観測の値の意味が平等であるならば、特
に重みを付ける必要はないが、上記したように、速度や
針路変化を考慮に入れると現在時刻に近いデータは古い
データより重要である。さらに、この発明で想定するよ
うに精度の異なるセンサからデータを入手する際には、
精度の高いデータはそれなりの重みを付けた方がより真
実に近い軌跡の式を得ることができる。そこで、最小二
乗法を適用する運動モデルの各観測式にセンサの測定精
度に比例するようなセンサ精度係数skを乗じることに
よって、基準となる測定精度を有するセンサと比較して
2倍の精度を有するセンサからのデータは、基準となる
測定精度を有するセンサのデータが1回観測されたもの
であるのに対して4回分観測されたとして(上記したよ
うに、最小二乗法は観測した値と最小二乗法を適用しよ
うとする軌跡の式で算出される値との差の二乗が最小と
なるように式の係数を求めるからである)、軌跡計算が
実行されることになる。即ち、軌跡の式の係数を決定す
る最小二乗法の計算において観測式にセンサ精度係数s
k(≧1)の重み付けを行うことによって、それだけそ
のデータを多く観測したと仮定することになる。回転体
タイプのセンサの精度を考慮した精度係数も同様であ
り、図4に示したように、その誤差はセンサからの距離
に比例するので、移動体の水平位置に関する軌跡を求め
るための共通座標系のX座標に関する観測式にはセンサ
のローカル座標系のY方向の距離sykに定数scを足
した値に逆比例した重みzyk=1/(syk+sc)
をセンサ精度係数skにさらに乗じ、Y座標に関する観
測式にはセンサのローカル座標系のX方向の距離sxk
に定数scを足した値に逆比例した重みzxk=1/
(sxk+sc)をセンサ精度係数skにさらに乗じ
る。また、センサが回転体タイプでない場合には、zx
k,zykはセンサの精度に対応する一定値である。
【0066】ここで、係数ax2,vx2,wx2の最確値を
最小二乗法により求めるために以下の(6)式を定義す
る。尚、(6)式では、時刻に関する精度係数τk等の
重みが2乗されて各式中に含まれているが、これを変更
して2乗以外に設定してもよい(これは、(6)式等の
重みをどのように定義するかの問題であって、勿論2乗
に固定してもよい)。どのように設定するかは、調整の
問題である。
【0067】
【数2】
【0068】上記のように定義された(6)式を用いる
と、係数ax2,vx2,wx2の間には以下の三元一次連立
方程式が成立する。
【0069】 Kx1×ax2+Kx2×vx2+Kx3×wx2=Kx4 (7) Kx2×ax2+Kx3×vx2+Kx5×wx2=Kx6x3×ax2+Kx5×vx2+Kx7×wx2=Kx8
【0070】上記と同様に、移動体の水平位置のY座標
が時刻を変数とする二次函数で表されるとすると、
【0071】 Y(t)=ay2×(T−t)2 +vy2×(T−t)+wy2 (8)
【0072】が得られ、同様に以下の三元連立一次方程
式が成立する。 Ky1×ay2+Ky2×vy2+Ky3×wy2=Ky4 (9) Ky2×ay2+Ky3×vy2+Ky5×wy2=Ky6y3×ay2+Ky5×vy2+Ky7×wy2=Ky8
【0073】上記したように、一次函数式は移動体が針
路を変更せず等速度で直進している運動モデルの場合を
想定している。二次函数式の場合と同様の方法で一次函
数式を想定した場合の軌跡は以下のように表すことがで
きる。
【0074】 X(t)=vx1×(T−t)+wx1 (10) Y(t)=vy1×(T−t)+wy1 (11)
【0075】これらの移動体の水平位置のX座標に関し
て二元連立一次方程式 Kx3×vx1+Kx5×wx1=Kx6 (12) Kx5×vx1+Kx7×wx1=Kx8
【0076】が成立し、Y座標に関して二元連立一次方
程式 Ky3×vy1+Ky5×wy1=Ky6 (13) Ky5×vy1+Ky7×wy1=Ky8
【0077】が成立する。また、上記と同様にして、平
滑予測処理制御装置6は、観測式の数(即ち、軌跡計算
に用いるデータの数)を現在時刻に近いデータ(データ
の数はパラメータ)に限定して同様に以下の二次函数式
及び一次函数式で表せる運動モデルの場合の軌跡の式の
係数を求めるための三元一次連立方程式、二元一次連立
方程式をたてる。
【0078】 X(t)=ax4×(T−t)2 +vx4×(T−t)+wx4 (14) Y(t)=ay4×(T−t)2 +vy4×(T−t)+wy4 (15) X(t)=vx3×(T−t)+wx3 (16) Y(t)=vy3×(T−t)+wy3 (17)
【0079】パラメータとしてのデータの数は、移動体
監視装置の目的に応じて予め定められる。一般的には、
軌跡計算において過去のデータを多く使用すれば過去か
ら現在までの軌跡をより正確に推定できる。しかしなが
ら、移動体は同一軌跡で移動しているわけではなく、途
中で方向を変えたりすることもある。このような場合、
過去のデータにこだわっているとかえって今後の軌跡予
測に悪影響を及ぼすことになる。従って、移動体監視装
置の特性及び追尾目標の特性(観測周期、追尾目標の速
度、旋回能力、旋回の頻度等)を総合的に考慮してデー
タ数は予め決定される。
【0080】以上の平滑予測処理制御装置6及び並列計
算処理装置7の軌跡計算における演算処理は、ベクトル
演算を用いて複数の追尾目標に対して一括で実行され
る。かかるベクトル演算を実行する際には、図6に示し
た軌跡計算用テーブル71の全ての列、即ち軌跡計算を
実施し得る全ての追尾目標に対し行単位に同一の演算が
実行される。ベクトル演算を用いた並列計算処理におい
ては、分岐による判定ロジックをできる限り避けるほう
が好ましい。このために、実施した手段として以下のも
のがあげられる。
【0081】(1)全追尾目標が有効なものであると仮
定して軌跡計算を実行する。軌跡計算を実施し得る有効
な全追尾目標数やデータ数が少なくなっても演算負荷は
軽減されることはないが、移動体監視装置の仕様で定め
る最大処理性能を抑えることができる。
【0082】(2)(1)の仮定を有効なものとするた
めに、無効なデータを計算しても軌跡計算結果に悪影響
を与えないようにする。即ち、図6に示した軌跡計算用
テーブル71の無効データのセンサ精度係数skはゼロ
に設定されており、上記した三元一次連立方程式、また
は二元一次連立方程式の各係数を求めるための(6)式
のような計算において悪影響を与えることはない。
【0083】(3)既に図3及び図6の説明で述べたよ
うに、追尾テーブル5の各列の有効データ数は同一では
なくばらばらであるので、軌跡計算のたびに(蓄積され
た最大の有効データ数)×(最大追尾目標数)のデータ
がベクトル演算のために並列計算処理装置7のローカル
メモリ上に設けられた軌跡計算用テーブル71に転送さ
れる。
【0084】(4)軌跡計算のたびに(蓄積された最大
の有効データ数)×(最大追尾目標数)のデータを並列
計算処理装置7のローカルメモリ上の軌跡計算用テーブ
ル71に転送する前に、ローカルメモリ内で追尾目標の
古い入力データセットをずらす処理がベクトル演算のた
めに実行される。
【0085】(5)最小二乗法の演算において最も演算
負荷が大きいのは(6)式のような上記三元一次連立方
程式、または二元一次連立方程式の各係数を求めるため
の総和の計算である。これらの総和の計算では、有効/
無効データを問わず同一の式を用いて計算を実行する。
また、例えば、(14)式に示したような現在時刻に近
いデータに限定した二次函数式で表せる運動モデルをX
座標に適用した場合の三元一次連立方程式の係数K’x1
〜K’x8及びK’y1〜K’y8はそれぞれ、(7)式にお
ける係数Kx1〜Kx8及び(9)式における係数Ky1〜K
y8と同様に(6)式に基づいて計算される。従って、係
数Kx1〜Kx8及びKy1〜Ky8が最近のデータから順次計
算されるならば、図6の軌跡計算用テーブル71の指定
した行数までベクトル演算を行うようにすることによ
り、現在時刻に近いデータに限定した二次函数式で表せ
る運動モデルを適用した場合の三元一次連立方程式の係
数K’x1〜K’x8及びK’y1〜K’y8を求めるまで、分
岐をすることなく軌道計算を実行できる。そして、係数
K’x1〜K’x8及びK’y1〜K’y8の計算結果を一旦保
存した後、総和の計算を続行し(7)式に示した係数K
x1〜Kx8及び(9)式に示した係数Ky1〜Ky8を算出で
きる。
【0086】(6)各連立方程式の解法は行列式を用い
た通常の連立方程式の解法を用いるのでその計算式はこ
こでは省略するが、各解はA/Bの分数の形で求まる。
従って、各解を求める際にはゼロの割り算を避けるため
に判断処理を行う必要があるので、並列計算処理装置7
は、上記した8つの連立一次方程式の各解を得る直前の
分母と分子の計算の段階までは分岐無しでベクトル演算
を継続することができる。即ち、各解を得るための割り
算を後回しにすることによって8つの連立一次方程式の
各係数並びに各階の分子及び分母の一連の計算は分岐無
しに連続的に実行される。
【0087】このようにして各追尾目標のX座標及びY
座標のそれぞれに対する4つの連立一次方程式の各係数
並びに各階の分子及び分母の一連の計算が終了すると、
平滑予測処理制御装置6は、各追尾目標に対する8つの
連立一次方程式の解を求める。各解の分母(上記B)が
ゼロの場合または一般的に有効データ数が少ない場合は
不能解が生じる。有効データ数が1の場合は移動なし、
有効データ数が2の場合は、一次式の軌跡の式のみを採
用する。一次函数式及び二次函数式で表せる各運動モデ
ルにおいて、得られた定数(wx1,wx2等)が目的時刻
Tのときの各追尾目標の位置を表しており、変数一次の
項の係数(−vx1,−vx2等)が各追尾目標の速度を表
しており、変数二次の項の係数(2×ax1,2×a
x2等)が各追尾目標の加速度を表している。
【0088】次に、平滑予測処理制御装置6は、(2)
式及び(8)式に示したX座標及びY座標の二次函数式
に基づき最小二乗法の計算により推測した速度が過去ど
のように変動しているかを評価して、上記した各追尾目
標のX座標及びY座標のそれぞれに対する4つの連立一
次方程式のいずれを各座標の軌跡の式として選択するか
を決定する。
【0089】平滑予測処理制御装置6は、まず、ステッ
プST305において、上記の最小二乗法の計算により
推測した速度の過去の変動を評価するために、各追尾目
標毎に、(2)式及び(8)式の二次函数式の二次の項
の係数ax2,ay2について過去所定の回数分累積された
値を用いて、これらの係数のそれぞれについて一次函数
式の軌跡を求めたのと同様な方法で係数ax2,ay2の一
次函数式を求める。これらの係数をAX2(m),A
Y2(m)とすると、一次函数式は、
【0090】 AX2(m)=qx ×m+rx (18) AY2(m)=qy ×m+ry (19)
【0091】の形式で表わすことができる。並列計算処
理装置7は、上記した軌跡計算の場合と同様に、これら
2つの一次函数式に関する2つの連立一次方程式の各解
を得る直前の分母と分子の計算の段階までは分岐無しで
ベクトル演算を継続することができる。
【0092】さらに、平滑予測処理制御装置6は、ステ
ップST306において、追尾目標を選択しステップS
T307において、その追尾目標は有効であるか否か
(軌跡計算をすべき対象のものであるか否か)を判定
し、有効であると判断されれば、ステップST308に
おいて、その追尾目標の水平位置のX座標ではどの軌跡
の式を採用するのか否かを、推測した速度の過去の変動
を評価するために移動体監視装置で予め設定したパラメ
ータp1 ,p2 を用い、以下の場合分けに従って判断す
る。
【0093】(1)|qx |<p1 且つ |rx |<
2 の場合、 この場合、その追尾目標はX軸方向に関しては等速度運
動を行っており、速度の変動はないと推定し、追尾目標
のX座標の軌跡の式として上記(10)式のX(t)=
x1×(T−t)+wx1を採用する。
【0094】(2)|qx |<p1 且つ |rx |>
2 の場合、 この場合、その追尾目標はX軸方向に関して速度変動中
であると推定し、追尾目標のX座標の軌跡の式として上
記(2)式のX(t)=ax2×(T−t)2 +vx2×
(T−t)+wx2を採用する。
【0095】(3)|qx |≧p1 且つ |ax2(最
新値)|<p2 の場合、 この場合、その追尾目標はX軸方向に関して速度変動状
態から等速度運動状態に変動したと推定し、追尾目標の
X座標の軌跡の式として上記(16)式のX(t)=v
x3×(T−t)+wx3を採用する。
【0096】(4)|qx |≧p1 且つ |ax2(最
新値)|≧p2 の場合、 この場合、その追尾目標はX軸方向に関して等速度運動
状態から速度変動を始めた状態に変動したと推定し、追
尾目標のX座標の軌跡の式として上記(14)式のX
(t)=ax4×(T−t)2 +vx4×(T−t)+wx4
を採用する。
【0097】さらに、平滑予測処理制御装置6は、ステ
ップST309において、その追尾目標の水平位置のY
座標ではどの軌跡の式を採用するのか否かを同様に判断
する。そして、ステップST310において、有効な各
追尾目標の水平位置のX座標及びY座標に対して採用さ
れた軌跡の式を示す情報とそれらの軌跡の式の係数の値
とを追尾テーブル5にその追尾目標の追尾属性データと
して登録する。従って、登録された追尾属性データには
目的時刻Tのときの位置情報が含まれる。
【0098】平滑予測処理制御装置6は、ステップST
311において、全追尾目標について上記ステップST
306からST310までの処理を行ったか否かを確認
し、残っている追尾目標があるならば、ステップST3
06に戻り同様にステップST306〜ST310の処
理を繰り返す。全追尾目標について処理が完了すれば、
平滑予測処理制御装置6は、ステップST312におい
て、有効な全追尾目標に関する上記軌跡計算において算
出された軌跡の式の係数の値、即ち、水平位置の座標、
速度等を移動体情報処理装置8に送信する。さらに、平
滑予測処理制御装置6は、ステップST313におい
て、追尾テーブル5におけるセンサ群2の各センサから
入力される入力データセット1〜mが格納されるデータ
領域をクリアする。また、このデータ領域をクリアする
前に移動体監視装置の障害回復に備えて追尾テーブル5
の内容を保全する方法も考え得るが、この発明の目的と
直接関係ないのでここでは省略する。
【0099】移動体情報処理装置8は、有効な全追尾目
標に関する上記軌跡計算において算出された軌跡の式の
係数の値と移動体監視装置の目的に応じたその他のデー
タ(例えばレーダ信号のようなアナログデータ)とを総
合して目的時刻の表示データを作成しこれを表示装置9
に送信する。また、移動体情報処理装置8は入力された
係数の値を用いて将来の位置を予測し、予測した結果を
移動体相互の異常接近、移動体進入禁止領域への進入監
視、移動体が目標とする地点の到達時刻予測等に用い
る。さらに、必要な場合は、移動体情報処理装置8はこ
のために表示データを作成しこれを表示装置9に送信す
る。表示装置9は送信された表示データを表示し監視者
にその情報を提供する。従って、同一な目的時刻に移動
体相互間の相対位置が正確に表示できるとともに、移動
体位置表示においてレーダ信号のようなアナログデータ
との正確な重畳表示ができる。
【0100】以上述べたように、この実施の形態1によ
れば、測定精度、移動体監視装置へのデータの入力時刻
等の特性の異なる複数のセンサから入手したデータに対
して、センサの測定精度を考慮して設定されたセンサ精
度係数skを最小二乗法を適用する運動モデルの観測式
に乗じ、さらに現在時刻に近いデータほど大きな値を有
するように設定された時刻に関する精度係数τkを観測
式に乗じることによりそれらのデータを総合的に処理し
て精度の良い追尾を実現でき、移動体の接近監視、目標
到達時刻予測が早期に正確に行うことができる効果が得
られる。さらに、並列計算処理装置7における並列演算
処理を効果的に達成するためのデータ転送、演算処理等
を取り入れているので、軌跡計算を高速に実行できる効
果が得られる。
【0101】尚、この実施の形態1では、センサ群2は
測定精度等の特性が互いに異なるセンサから構成されて
いるとしたが、これに限定されるものではなく同一種類
のセンサから構成されてもよい。この場合、同一種類の
センサの測定精度は通常同一であるのでセンサ精度係数
skを一定または1とするだけで上記と同様に軌跡計算
を実行できる(実質的にはセンサ精度係数skの重み付
けはない)。この場合においても、現在時刻に近いほど
大きな値を有する時刻に関する精度係数τkを観測式に
乗じて過去のデータも使用することにより、軌跡の式の
係数の全体的な誤差をなるべく小さくすることができる
効果が得られる。
【0102】また、この実施の形態1では、センサ群2
は複数のセンサから構成されるとしたが、単一のセンサ
のみから構成されてもよい。この場合、センサ精度係数
skを一定または1とするだけで上記と同様に軌跡計算
を実行できる(実質的にはセンサ精度係数skの重み付
けはない)。この場合においても、現在時刻に近いほど
大きな値を有する時刻に関する精度係数τkを観測式に
乗じて過去のデータも使用することにより、軌跡の式の
係数の全体的な誤差をなるべく小さくすることができる
効果が得られる。
【0103】さらに、この実施の形態1では、移動体の
水平位置について直交座標(X座標、Y座標)系での軌
跡を求める場合について説明したが、入手した移動体に
関するデータが回転体センサのタイプからのものである
場合には、特性の異なる複数のセンサから入手した移動
体のデータをその水平位置での極座標の距離と方位に分
解し、それぞれの観測式にセンサの測定精度を考慮した
センサ精度係数skを乗じ、さらに現在時刻に近いデー
タほど大きな値を有する時刻に関する精度係数τkを乗
じることによりそれらのデータを総合的に処理して軌跡
を計算してもよく、上記した効果を同様に得ることがで
きる。
【0104】また、この実施の形態1による移動体監視
装置は、センサによっては移動体の高度情報(例えば、
モードCビーコンコード)を入手することができる。従
って、この高度情報を基に高度座標軸についても上記と
同様な方法で特性の異なる複数のセンサから入手した移
動体のデータに含まれる高度座標軸における垂直位置の
観測式にセンサの測定精度を考慮したセンサ精度係数s
kを乗じ、現在時刻に近いデータほど大きな値を有する
時刻に関する精度係数τkを観測式に更に乗じることに
よりそれらのデータを総合的に処理してその軌跡を計算
することにより、高度座標軸においても精度の良い追尾
を実現できる。
【0105】さらに、この実施の形態1では、演算の高
速化を目的として、監視の目標である多数の移動体に関
すデータを一括処理し軌跡計算においてはベクトル演算
を実行したが、スカラー処理の演算処理能力が上記演算
を行うのに十分であり且つ目的とする目標数の移動体を
処理するのに十分であるならば、逐次処理によって軌跡
計算を行っても上記したものと同様な効果を奏する。
【0106】また、この実施の形態1では、直交座標系
の各座標において4つの運動モデルを用いて軌跡計算を
行ったが、計算移動体監視装置の目的と処理プロセッサ
の能力とに応じて、その運動モデルの数を減らすかまた
は単一とする等の簡易化を行うことも可能である。特
に、逐次処理の場合、かかる簡易化は有効である。
【0107】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形
態2による移動体監視方法の処理を示すフローチャート
である。この実施の形態2による移動体監視方法を実現
する移動体監視装置の一具体例は図1に示した上記実施
の形態1によるものと同様の構成を有しているので、こ
こでは異なる部分についてのみ説明し重複説明を省略す
る。また、実施の形態1において述べた様々な変形例は
この実施の形態2においても同様に適用され得る。
【0108】次に動作について説明する。上記実施の形
態1では、センサ群2の各センサから入力される水平位
置に関する位置情報では真の位置を中心に誤差が分散さ
れていることを前提としたが、この実施の形態2では以
下の特殊ケースを想定する。
【0109】回転体のタイプのセンサの場合、位置情報
は通常極座標のまま移動体監視装置の目標入力装置3に
入力される。この場合、かかるセンサは、出力する移動
体についての位置情報が方位、距離方向に全体的に値が
ずれることが予想されるが、平均的ずれの値が不明で且
つほとんどの移動体の位置を観測できデータの入力回数
が最も多いセンサであると仮定できる(このセンサをセ
ンサAとする)。一方、測定精度が上記センサAより極
めて高いがデータ入力回数が少なく、そのセンサAのみ
では軌跡を予測するに不十分なセンサもあるものと仮定
する(このセンサをセンサBとする)。
【0110】このようなセンサA,Bの組み合せを備え
た移動体監視装置の場合、平滑予測処理制御装置6及び
並列計算処理装置7が、既に、センサAからのデータの
みで上記実施の形態1の図4に示したフローチャートの
ステップST301〜ST313の処理に従って軌跡の
式及び係数の値を算出していると仮定する。この様にし
て得られたある追尾目標についての最新の軌跡の式がG
ax(t),Gay(t)であるとする。
【0111】次に、ステップST401において、セン
サBからデータが入力され、上記の追尾目標との対応が
ついた場合、その入力データの位置情報入手時刻をt
n 、水平位置の直交座標系の座標をXbtn ,Ybtn とす
る。次に、ステップST402において、直交座標X
btn ,Ybtn を極座標Rbtn ,AZbtn に変換し、ステ
ップST403において、センサBの入力データの位置
情報入手時刻tn をセンサAの上記した最新の軌跡の式
ax(t),Gay(t)に代入し、計算位置Xatn=Gax
(tn),Yatn =Gay(tn )を得る。さらに、ステ
ップST404において、このようにして得られた直交
座標系の計算位置Xatn,Yatnを極座標に変換し、R
atn,AZatnを得る。
【0112】そして、平滑予測処理制御装置6は、ステ
ップST405において、極座標系でのセンサBから得
られた位置とセンサAの過去のデータを基に軌跡の式か
ら得られた位置との間の距離方向及び方位方向の差分、
DRn =Rbtn −Ratn ,DAZn=AZbtn −AZ
atn を得る。次に、ステップST406において、この
差分値の計算が最初か否かを判定し、最初であるなら
ば、ステップST407において、センサBから得られ
た位置とセンサAの過去のデータを基に軌跡の式から得
られた位置との間の距離方向及び方位方向の差分DR
n ,DAZn をそれぞれDR,DAZとして登録する。
他方、最初でないならば、ステップST408におい
て、既に登録されている従来の差分DR,DAZと最新
の差分DRn ,DAZn とを次式に従って重みを付けて
平均処理を行い、差分を修正する。
【0113】 DR=DR×r+DRn ×(1−r) (20) DAZ=DAZ×r+DAZn ×(1−r) (21)
【0114】ここで、rは、移動体監視装置で予め定め
られ0より大きく1未満の値を有する、最新の差分と過
去の差分とを平均する際の重みである。即ち、センサB
からデータが得られる度に極座標系でのセンサBから得
られた位置とセンサAの過去のデータを基に軌跡の式か
ら得られた位置との間の距離方向及び方位方向の差分を
計算しこれと過去の差分DR,DAZとに対して(2
0)及び(21)式に従って重み付き平均処理を行うこ
とによって差分の平均値を求めてこれをずれと推定する
ものである。
【0115】次に、ステップST409において、セン
サAからの別の移動体に関するデータを基に決定したそ
の移動体の軌跡の式から、時刻tm におけるその別の移
動体の座標Xctm =Gcx(tm ),Yctm =Gcy(t
m )が得られたとする。ステップST410において、
これらの座標Xctm ,Yctm を極座標Rctm ,AZctm
に変換し、ステップST411において、上記ステップ
ST408で得た差分DR,DAZを極座標Rctm ,A
ctm に加えて補正を行う。そして、ステップST41
2において、得られた新たな極座標R’ctm (=Rctm
+DR),AZ’ctm (=AZctm +DAZ)を直交座
標X’ctm ,Y’ctm に変換してこれを補正した水平位
置とし移動体情報処理装置8に出力する。なお、差分は
必ずしも計算に用いた座標軸と一致している必要はな
く、例えば、直交座標軸で軌跡の式を求めても、方位方
向にずれが予想される場合は、差分計算の場合にのみ直
交座標から極座標に変換して求めることも可能である。
【0116】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、センサA固有の大きさが不明な位置のずれの値をリ
アルタイムに推定できこれを考慮して他の移動体の軌跡
の式をも補正して精度の良い追尾を実現できる効果が得
られる。
【0117】実施の形態3.図8はこの発明の実施の形
態3による移動体監視方法の処理を示すフローチャート
である。この実施の形態3による移動体監視方法を実現
する移動体監視装置の一具体例は図1に示した上記実施
の形態1によるものと同様の構成を有しているので、こ
こでは異なる部分についてのみ説明し重複説明を省略す
る。また、実施の形態1において述べた様々な変形例は
この実施の形態3においても同様に適用され得る。
【0118】次に動作について説明する。まず、移動体
監視装置は、ステップST501において、平滑予測処
理制御装置6及び並列計算処理装置7を用いて、上記実
施の形態1と同様に、センサ群2から出力されたデータ
を基に有効な追尾目標の水平位置について軌跡計算を実
行する。既に述べたように、各追尾目標の水平位置の各
座標について4つの軌跡の式(運動モデル)の係数が最
小二乗法により決定され、各追尾目標の水平位置の各座
標ではどの軌跡の式を採用するか否かを、推測した速度
の過去の変動を評価することによって決定する。そし
て、採用された軌跡の式の係数から各追尾目標の位置、
速度vm 及び加速度am が求まる。例えば、移動体の直
交座標系での水平位置の軌跡の式としてそれぞれ上記し
た(2)式及び(8)式が選択された場合、速度vm
び加速度am は以下の式で表せる。
【0119】 vm =(vx2 2 +vy2 21/2 (22) am =2×(ax2 2 +ay2 21/2 (23)
【0120】しかしながら、X座標及びY座標において
等速度運動を行っていると推定された追尾目標の加速度
mはゼロである。
【0121】次に、ステップST502において、GP
S等の技術を用いて移動体自身で計測した速度vS 及び
加速度aS に関するデータを水平位置に関するデータと
ともにセンサ群2のセンサを介して移動体監視装置の目
標入力装置3が受信すると、その速度vs 及び加速度a
s が移動体監視装置の座標系に対応している場合には、
ステップST503において、上記ステップST501
で求めた速度vm 及び加速度am と速度vs 及び加速度
s とに対してデータの信頼度に応じた重みを付けて平
均処理を行い移動体自身で計測した速度vs 及び加速度
s を補正する。即ち、速度及び加速度の重み付き平均
処理の重みをそれぞれαv ,αa とすると、補正された
速度v及び加速度aは、
【0122】 v=αv ×vs +(1一αv )×vm (24) a=αa ×as +(1−αa )×am (25)
【0123】により算出される。これにより、各移動体
の速度及び加速度をより高い精度で得ることが可能にな
る。
【0124】また、移動体監視装置の座標系に対応して
おらず、移動体自身で計測した対空気に対する速度、加
速度がセンサを介して得られる場合は上記実施の形態1
による移動体監視方法に従って求めた速度、加速度との
差分を計算することにより風の方向、速度を推定するこ
とが可能となる。
【0125】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、精度の良い追尾を実現でき、移動体の接近監視、目
標到達時刻予測が早期に正確に行うことができる効果が
得られる。
【0126】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、測定精度が良好なセンサからの位置情報ほど大き
なセンサ精度に関する重みを設定し、最小二乗法を適用
する運動モデルの位置情報毎に得られる各観測式に位置
情報に応じたセンサ精度に関する重みを乗じて移動体の
軌跡を推定するように構成したので、特性の異なる複数
のセンサから入手したデータを総合的に処理して精度の
良い追尾を実現でき、移動体の接近監視、目標到達時刻
予測が早期に正確に行うことができる効果がある。
【0127】請求項2記載の発明によれば、位置情報が
計測された時刻または計測されたと推定される時刻を考
慮して現在時刻に近い位置情報ほど大きな時刻に関する
重みを設定し、最小二乗法を適用する運動モデルの位置
情報毎の各観測式に位置情報に応じた時刻に関する重み
をさらに乗じるように構成したので、軌跡の式の係数の
全体的な誤差をなるべく小さくすることができ、精度の
良い追尾を実現できる効果がある。
【0128】請求項3記載の発明によれば、少なくとも
一つのセンサから入力された位置情報についてそれが計
測された時刻または計測されたと推定される時刻を考慮
して現在時刻に近い位置情報ほど大きな時刻に関する重
みを設定し、最小二乗法を適用する運動モデルの位置情
報毎の各観測式に位置情報に応じた時刻に関する重みを
乗じて移動体の軌跡を推定するように構成したので、軌
跡の式の係数の全体的な誤差をなるべく小さくすること
ができ、精度の良い追尾を実現できる効果がある。
【0129】請求項4記載の発明によれば、極座標で位
置情報を出力するタイプのセンサの場合には、移動体の
水平位置に関する軌跡を求めるための共通座標系のX座
標に関する観測式にはセンサのローカル座標系のY方向
の距離に逆比例した重みを乗じ、Y座標に関する観測式
にはセンサのローカル座標系のX方向の距離に逆比例し
た重みを乗じるように構成したので、回転体タイプのセ
ンサからのデータも他の特性の異なるセンサからのデー
タとも総合的に処理して精度の良い追尾を実現できる効
果がある。
【0130】請求項5記載の発明によれば、センサ精度
に関する重みはセンサの誤差に逆比例する重みであるよ
うに構成したので、特性の異なる複数のセンサから入手
したデータを総合的に処理して精度の良い追尾を実現で
き、移動体の接近監視、目標到達時刻予測が早期に正確
に行うことができる効果がある。
【0131】請求項6記載の発明によれば、極座標で位
置情報を出力するタイプのセンサの場合には、位置情報
に含まれる方位からデータが計測された時刻を推定する
ように構成したので、タイムスタンプ情報を有していな
いセンサであってもデータが計測された時刻を求めるこ
とができ、これらのデータを含めて様々なセンサからの
データを総合的に処理して精度の良い追尾を実現できる
効果がある。
【0132】請求項7記載の発明によれば、最小二乗法
の計算により得た移動体の軌跡の式を基に移動体の過去
の速度の変動を評価することにより、移動体の軌跡の式
として採用する運動モデルを決定するように構成したの
で、過去の加速度運動を考慮して運動モデルを選択でき
精度の良い追尾を実現できる効果がある。
【0133】請求項8記載の発明によれば、移動体の速
度の変動を評価する際の軌跡の式は時刻に関して二次函
数式で表される運動モデルであるように構成したので、
過去の加速度運動を考慮して運動モデルを選択でき精度
の良い追尾を実現できる効果がある。
【0134】請求項9記載の発明によれば、移動体の過
去の速度の変動の評価の結果、過去の一定期間内に移動
体が等速運動を続けているならば軌跡の式として時刻に
関して一次函数式で表される運動モデルを選択し、速度
を変え続けているならば軌跡の式として時刻に関して二
次函数式で表される運動モデルを選択し、等速運動から
速度を変え始めたならば軌跡の式として最近の時刻に関
して二次函数式で表される運動モデルを選択し、また
は、速度を変え続けた状態から等速運動に移ったならば
軌跡の式として最近の時刻に関して一次函数式で表され
る運動モデルを選択するように構成したので、過去の加
速度運動を考慮して運動モデルを選択でき精度の良い追
尾を実現できる効果がある。
【0135】請求項10記載の発明によれば、大きさが
不明な誤差が含まれている位置情報を出力する第1のセ
ンサからの位置情報を基に移動体の軌跡の式を最小二乗
法を用いて推定し、第1のセンサより精度の良い第2の
センサから入力された位置情報の計測された時刻または
計測されたと推定される時刻を推定した軌跡の式に適用
することにより誤差を推定するように構成したので、セ
ンサ固有の大きさが不明な位置のずれの値をリアルタイ
ムに推定できる効果がある。
【0136】請求項11記載の発明によれば、第1のセ
ンサからの他の移動体についての位置情報を基に前記他
の移動体の軌跡の式を最小二乗法を用いて推定し、推定
した前記誤差を考慮して前記他の移動体の軌跡の式を補
正するように構成したので、センサ固有の大きさが不明
な位置のずれの値をリアルタイムに推定できこれを考慮
して移動体の軌跡の式を補正して精度の良い追尾を実現
できる効果がある。
【0137】請求項12記載の発明によれば、第2のセ
ンサから位置情報が得られる度に、前記第1のセンサか
らの位置情報を基に最小二乗法を用いて得られた移動体
の軌跡の式から誤差を再度推定し、今回推定された前記
誤差と過去に推定された誤差とを重みをつけて平均処理
してその値を新たに誤差と推定するように構成したの
で、センサ固有の大きさが不明な位置のずれの値をリア
ルタイムに推定できこれを考慮して移動体の軌跡の式を
補正して精度の良い追尾を実現できる効果がある。
【0138】請求項13記載の発明によれば、表示装置
に複数の移動体の位置を表示する際に、複数の移動体に
対してそれぞれ推定された軌跡の式に表示時刻を適用す
ることにより位置を求めるように構成したので、移動体
相互間の相対位置が正確に表示できるとともに、移動体
位置表示においてアナログデータとの正確な重畳表示が
できる効果がある。
【0139】請求項14記載の発明によれば、最小二乗
法を用いて軌跡の式を推定する必要がある複数の移動体
に対して一定量の既に得た位置情報を含み且つ各移動体
に対して同一の大きさの領域が割り当てられた軌跡計算
用テーブルを設け、位置情報が存在しない軌跡計算用テ
ーブルのセルにはダミーデータを書き込むように構成し
たので、並列演算処理を効果的に利用でき軌跡計算を高
速に実行できる効果がある。
【0140】請求項15記載の発明によれば、軌跡計算
用テーブルの各セルには位置情報を得たセンサのセンサ
精度に関する重みが含まれており、ダミーデータが書か
れたセルでは重みはゼロであるように構成したので、並
列演算処理を効果的に利用でき軌跡計算を高速に実行で
きる効果がある。
【0141】請求項16記載の発明によれば、複数のセ
ンサから入力された位置情報を含むデータを一旦保存す
るとともに、データが存在しない各セルにはダミーデー
タが書き込まれた追尾テーブルを設け、複数の移動体に
対する軌跡の式の推定の度に、追尾テーブルに一旦保存
された、(軌跡の式の推定を行うべき移動体の数)×
(前回の軌跡推定以降に各移動体毎に蓄積されたデータ
の最大数)分の最新のデータの量と同一の量の最も古い
データを軌跡計算用テーブルから削除するとともに、最
新のデータを追尾テーブルから軌跡計算用テーブルに転
送するように構成したので、並列演算処理を効果的に利
用でき軌跡計算を高速に実行できる効果がある。
【0142】請求項17記載の発明によれば、移動体自
身で計測した速度及び加速度が入力された場合、移動体
について推定された軌跡の式から速度及び加速度を求め
これらと移動体自身で計測した速度及び加速度とをそれ
ぞれ重みを付けて平均処理することにより移動体自身で
計測した速度及び加速度を補正するように構成したの
で、精度の良い追尾を実現でき、移動体の接近監視、目
標到達時刻予測が早期に正確に行うことができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による移動体監視方
法を実現する移動体監視装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 この発明の実施の形態1による移動体監視方
法における入力データ入手時刻を求める処理を示すフロ
ーチャートである。
【図3】 図1に示した実施の形態1における追尾テー
ブルの構造を示す説明図である。
【図4】 回転体タイプのセンサの方位方向の誤差を示
す説明図である。
【図5】 実施の形態1による移動体監視方法における
移動体の軌跡の式を求める処理を示すフローチャートで
ある。
【図6】 図1に示した実施の形態1における軌跡計算
用テーブルの構造を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による移動体監視方
法におけるセンサのずれを推定し移動体の軌跡の式を補
正する処理を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態3による移動体監視方
法における移動体自身で計測した速度及び加速度の補正
処理を示すフローチャートである。
【図9】 従来の移動体監視方法を用いたトラッキング
装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
5 追尾テーブル、9 表示装置、71 軌跡計算用テ
ーブル。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサのそれぞれから入力された
    移動体の位置情報を基に前記移動体の軌跡を最小二乗法
    を用いて推定する移動体監視方法において、測定精度が
    良好なセンサからの位置情報ほど大きなセンサ精度に関
    する重みを設定し、最小二乗法を適用する運動モデルの
    位置情報毎に得られる各観測式に前記位置情報に応じた
    前記センサ精度に関する重みを乗じて前記移動体の軌跡
    を推定することを特徴とする移動体監視方法。
  2. 【請求項2】 位置情報が計測された時刻または計測さ
    れたと推定される時刻を考慮して現在時刻に近い位置情
    報ほど大きな時刻に関する重みを設定し、最小二乗法を
    適用する運動モデルの位置情報毎の各観測式に前記位置
    情報に応じた前記時刻に関する重みをさらに乗じること
    を特徴とする請求項1記載の移動体監視方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのセンサから入力された
    位置情報を基に移動体の軌跡を最小二乗法を用いて推定
    する移動体監視方法において、前記センサから入力され
    た位置情報が計測された時刻または計測されたと推定さ
    れる時刻を考慮して現在時刻に近い位置情報ほど大きな
    時刻に関する重みを設定し、最小二乗法を適用する運動
    モデルの位置情報毎の各観測式に前記位置情報に応じた
    前記時刻に関する重みを乗じて前記移動体の軌跡を推定
    することを特徴とする移動体監視方法。
  4. 【請求項4】 極座標で位置情報を出力するタイプのセ
    ンサの場合には、移動体の水平位置に関する軌跡を求め
    るための共通座標系のX座標に関する観測式には前記セ
    ンサのローカル座標系のY方向の距離に逆比例した重み
    を乗じ、Y座標に関する観測式には前記センサのローカ
    ル座標系のX方向の距離に逆比例した重みを乗じること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の移動体監視
    方法。
  5. 【請求項5】 センサ精度に関する重みはセンサの誤差
    に逆比例する重みであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の移動体監視方法。
  6. 【請求項6】 極座標で位置情報を出力するタイプのセ
    ンサの場合には、前記位置情報に含まれる方位から前記
    位置情報が計測された時刻を推定することを特徴とする
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の移動
    体監視方法。
  7. 【請求項7】 最小二乗法の計算により得た移動体の軌
    跡の式を基に前記移動体の過去の速度の変動を評価する
    ことにより、前記移動体の軌跡の式として採用する運動
    モデルを決定することを特徴とする請求項1から請求項
    6のうちのいずれか1項記載の移動体監視方法。
  8. 【請求項8】 移動体の速度の変動を評価する際の軌跡
    の式は時刻に関して二次函数式で表される運動モデルで
    あることを特徴とする請求項7記載の移動体監視方法。
  9. 【請求項9】 移動体の過去の速度の変動の評価の結
    果、過去の一定期間内に移動体が等速運動を続けている
    ならば軌跡の式として時刻に関して一次函数式で表され
    る運動モデルを選択し、速度を変え続けているならば軌
    跡の式として時刻に関して二次函数式で表される運動モ
    デルを選択し、等速運動から速度を変え始めたならば軌
    跡の式として最近の時刻に関して二次函数式で表される
    運動モデルを選択し、または、速度を変え続けた状態か
    ら等速運動に移ったならば軌跡の式として最近の時刻に
    関して一次函数式で表される運動モデルを選択すること
    を特徴とする請求項7または請求項8記載の移動体監視
    方法。
  10. 【請求項10】 大きさが不明な誤差が含まれている位
    置情報を出力する第1のセンサと前記第1のセンサより
    精度の良い第2のセンサとが存在する場合、前記第1の
    センサからの位置情報を基に移動体の軌跡の式を最小二
    乗法を用いて推定し、前記第2のセンサから入力された
    位置情報の計測された時刻または計測されたと推定され
    る時刻を推定した軌跡の式に適用することにより前記誤
    差を推定ることを特徴とする請求項1から請求項9のう
    ちのいずれか1項記載の移動体監視方法。
  11. 【請求項11】 第1のセンサからの他の移動体につい
    ての位置情報を基に前記他の移動体の軌跡の式を最小二
    乗法を用いて推定し、推定した誤差を考慮して前記他の
    移動体の軌跡の式を補正することを特徴とする請求項1
    0記載の移動体監視方法。
  12. 【請求項12】 第2のセンサから位置情報が得られる
    度に、第1のセンサからの位置情報を基に最小二乗法を
    用いて得られた移動体の軌跡の式から誤差を再度推定
    し、今回推定された前記誤差と過去に推定された誤差と
    を重みをつけて平均処理してその値を新たに誤差と推定
    することを特徴とする請求項10または請求項11記載
    の移動体監視方法。
  13. 【請求項13】 表示装置に複数の移動体の位置を表示
    する際に、前記複数の移動体に対してそれぞれ推定され
    た軌跡の式に表示時刻を適用することにより前記位置を
    求めることを特徴とする請求項1から請求項12のうち
    のいずれか1項記載の移動体監視方法。
  14. 【請求項14】 最小二乗法を用いて軌跡の式を推定す
    る必要がある複数の移動体に対して一定量の既に得た位
    置情報を含み且つ各移動体に対して同一の大きさの領域
    が割り当てられた軌跡計算用テーブルを設け、位置情報
    が存在しない軌跡計算用テーブルのセルにはダミーデー
    タを書き込むことを特徴とする請求項1から請求項13
    のうちのいずれか1項記載の移動体監視方法。
  15. 【請求項15】 軌跡計算用テーブルの各セルには位置
    情報を得たセンサのセンサ精度に関する重みが含まれて
    おり、ダミーデータが書かれたセルでは前記重みはゼロ
    であることを特徴とする請求項14記載の移動体監視方
    法。
  16. 【請求項16】 複数のセンサから入力された位置情報
    を含むデータを一旦保存するとともに、データが存在し
    ない各セルにはダミーデータが書き込まれた追尾テーブ
    ルを設け、複数の移動体に対する軌跡の式の推定の度
    に、前記追尾テーブルに一旦保存された、(軌跡の式の
    推定を行うべき移動体の数)×(前回の軌跡推定以降に
    各移動体毎に蓄積されたデータの最大数)分の最新のデ
    ータの量と同一の量の最も古いデータを軌跡計算用テー
    ブルから削除するとともに、前記最新のデータを前記追
    尾テーブルから前記軌跡計算用テーブルに転送すること
    を特徴とする請求項14または請求項15記載の移動体
    監視方法。
  17. 【請求項17】 移動体自身で計測した速度及び加速度
    が入力された場合、前記移動体について推定された軌跡
    の式から速度及び加速度を求めこれらと前記移動体自身
    で計測した前記速度及び加速度とをそれぞれ重みを付け
    て平均処理することにより前記移動体自身で計測した前
    記速度及び前記加速度を補正することを特徴とする請求
    項1から請求項16のうちのいずれか1項記載の移動体
    監視方法。
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