JPH09256279A - 繊維処理剤 - Google Patents

繊維処理剤

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JPH09256279A
JPH09256279A JP9190896A JP9190896A JPH09256279A JP H09256279 A JPH09256279 A JP H09256279A JP 9190896 A JP9190896 A JP 9190896A JP 9190896 A JP9190896 A JP 9190896A JP H09256279 A JPH09256279 A JP H09256279A
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JP
Japan
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amino acid
poly
particles
nca
treating agent
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JP9190896A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
Kouji Shiho
浩司 志保
Akihiko Morikawa
明彦 森川
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kyoko Kuroda
恭子 黒田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維の保温性を高めるとともに、繊維を皮膚
表面に馴染み易く、生体活性物質を内包することがで
き、繊維の洗濯を繰り返しても保温性を経時的に保持す
ることができる繊維処理剤を得る。 【解決手段】 多孔質なポリ−α−アミノ酸粒子を含有
することを特徴とする繊維処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温性を有する繊
維品処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、繊維の種類はかなりの数にのぼ
り、各用途によって適当な繊維が選択され、使用されて
いる。特に衣料品としては薄物の繊維製品が用いられる
ことが多い。しかし、このような薄物の繊維製品は、外
観は良好であっても保温性に劣ることが多かった。さら
に、医療用の繊維製品においては、軽量かつ薄地で保温
性に極めて優れる素材の開発が望まれているが、これら
を充分満足できる繊維製品はこれまでのところ見いださ
れていない。特開平2−269876号公報は、繊維の
保温性向上のために水性の変性アミノ酸系樹脂と生体活
性物質とを主成分とする繊維品類処理用樹脂組成物を開
示している。しかしながら、該公報に記載の繊維品処理
用樹脂組成物は充分な保温性を得ることができなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維の保温
性を改良するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、多孔質なポリ
−α−アミノ酸粒子を含有することを特徴とする繊維処
理剤を提供するものである。以下、本発明について詳細
に説明する。本発明において用いられるポリ−α−アミ
ノ酸粒子は、多孔質で粒子内部に空孔を有する。空孔の
存在比率は、ポリ−α−アミノ酸に対し、体積比(粒子
1個あたりの空孔の体積/粒子1個あたりのポリ−α−
アミノ酸の体積)で通常0.0001〜1000、好ま
しくは0.001〜100の範囲にある。また、ポリ−
α−アミノ酸の平均粒子径は、通常0.01〜100μ
m、好ましくは、0.05〜50μmであり、該平均粒
子径の変動係数は通常1〜30%、好ましくは1〜20
%である。平均粒子径が0.01μm未満であると、後
述する複合粒子を安定的に製造できない場合がある。ま
た、100μmより大きくしようとすると粒子状をなさ
なくなる場合がある。
【0005】上記のポリ−α−アミノ酸粒子を製造する
には、α−アミノ酸−N−炭酸無水物(以下、アミノ
酸−NCAと略す)を乳化重合する方法、アミノ酸−
NCAを溶液重合した後再乳化する方法、ポリアミノ
酸バルクを粉砕する方法などを挙げることができるが、
好ましくはの方法である。本発明で使用されるポリ−
α−アミノ酸粒子を乳化重合により製造する方法におい
て、モノマーとして用いられるアミノ酸−NCAは、常
温で固体状のものであれば、いずれのα−アミノ酸から
導かれるものであってもよい。ただし、側鎖にカルボキ
シル基、水酸基、チオール基、アミノ基、グアニジル基
などの官能基を有するα−アミノ酸を原料としてアミノ
酸−NCAを製造する場合には、これらの官能基を適当
な保護基を用いて保護した後にアミノ酸−NCAに導く
必要がある場合がある。
【0006】α−アミノ酸の具体例としては、(イ)グ
リシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イ
ソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、メチオ
ニン、プロリンなどの中性アミノ酸類、(ロ)グルタミ
ン酸−γ−エステル、アスパラギン酸−β−エステルな
どの酸性アミノ酸−ω−エステル類(ここでエステルと
は、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘ
キシルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエ
ステル、ベンジルエステルなどを示す。)、(ハ)N−
カルボベンゾキシリシン、N−カルボベンゾキシオルニ
チン、N−アセチルリシンなどのN−アシル塩基性アミ
ノ酸類、(ニ)セリン、トレオニン、システィン、チロ
シンなどの水酸基含有α−アミノ酸のエステル類(ここ
でエステルとは、メチルエステル、エチルエステル、プ
ロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、
2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキシルエステ
ル、フェニルエステル、ベンジルエステルなどを示
す。)が挙げられる。
【0007】これらのα−アミノ酸より得られるアミノ
酸−NCAは、光学活性体またはラセミ体あるいはこれ
らの混合物であってもよく、また、必要に応じて2種類
以上組み合わせて用いることができる。また、アミノ酸
−NCAは、水に添加する前に粉砕しておくこともでき
る。上記アミノ酸−NCAを乳化重合してポリ−α−ア
ミノ酸粒子を製造する方法において、反応媒体としては
水および/または有機溶媒が使用できる。水と有機溶剤
との使用割合は、水:有機溶剤が重量比で100:0〜
50:50であることが好ましい。また、有機溶剤を使
用する場合、1気圧、25℃の条件下における水の溶解
度が10g/100ミリリットル以下、好ましくは5g
/100ミリリットル以下のものが好ましい。当該水の
溶解度が10g/100ミリリットルを超える有機溶剤
を使用する場合には、粒子状のポリマーが得られない場
合がある。
【0008】このような、アミノ酸−NCAを乳化重合
してポリ−α−アミノ酸粒子を製造する際に使用される
有機溶剤(α)の具体例としては、クロロメタン、ジク
ロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタ
ンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼ
ン、ο−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベ
ンゼンなどの芳香族ハロゲン化炭化水素類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酪酸エチルなどのエステル類;エチル
エーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチ
ルエーテル、アニソール、エトキシベンゼン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素化合物類、そ
の他が挙げられる。これらの有機溶剤(α)は、勿論単
独で用いることができるが、2種類以上を組み合わせる
ことにより、水の溶解度およびアミノ酸−NCAの溶解
度などの重要な特性が好ましく調節された有機溶剤を得
ることができる。また、アミノ酸−NCAと重合反応媒
体である水との使用割合は、アミノ酸−NCA:水の重
量比で1:0.5〜1:100、好ましくは1:1〜
1:50である。
【0009】本発明において、重合開始剤は、アミノ酸
−NCAの重合反応を生起させることのできる化合物で
あれば特に限定されるものではない。その具体例として
は、(イ)メチルアミン、エチルアミン、イソプロピル
アミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミンなどの1級アミン類、(ロ)ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシ
ルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミンなどの
2級アミン類、(ハ)トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘ
プチルアミン、トリオクチルアミンなどの3級アミン
類、(ニ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミ
ンなどのアルコールアミン類、(ホ)エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,
3−プロパンジアミン、トリエチレンジアミンなどのポ
リアミン類、その他が挙げられる。これらの重合開始剤
は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0010】重合開始剤の使用割合は、モノマーである
アミノ酸−NCAの1モルに対し、1/2〜1/500
0モル、好ましくは1/5〜1/1000モルである。
この範囲において重合開始剤の使用量を調節することに
より、目的とする大きさの分子量を有するポリマー粒子
を得ることができる。本発明において、乳化剤として
は、用いられるアミノ酸−NCAの重合反応を阻害しな
いものであれば特に限定されるものではないが、特にノ
ニオン系乳化剤が好ましい。ノニオン系乳化剤の具体例
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ールアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの乳化剤
は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0011】乳化剤の使用割合は、用いられるアミノ酸
−NCAの1重量部に対して0.1〜100重量部であ
り、好ましくは1〜50重量部である。この乳化剤の使
用割合が0.1重量部未満である場合には、生成するポ
リマー粒子の分子量が十分に大きなものとならないおそ
れがある。本発明においては、アミノ酸−NCAが乳化
剤により安定的に分散する状態が得られる限り、重合開
始剤、乳化剤およびアミノ酸−NCAの添加順序が限定
されるものではない。すなわち、本発明においては、ア
ミノ酸−NCAが加水分解する前にアミノ酸−NCAを
乳化状態とすることが必要である。具体的には、重合開
始剤および乳化剤が含有された水中に、上記のアミノ酸
−NCAを添加して重合することが好ましい。このと
き、水を反応器中で攪拌することが好ましく、そのため
に機械的に攪拌する手段、または超音波照射による手段
を利用することができ、それらを併用してもよい。この
ような方法によれば、モノマーであるアミノ酸−NCA
が添加される水よりなる重合反応媒体においては、当該
アミノ酸−NCAがそのまま直ちに重合するために必要
な条件が整った状態とされているため、アミノ酸−NC
Aが添加されると同時にその表面から重合反応が生成す
るが、この重合反応は加水分解反応に対して優先的に行
なわれるために加水分解反応によって重合反応が阻害さ
れることがなく、実際上、有用なポリ−α−アミノ酸よ
りなるポリマー粒子が生成され、その結果、当該重合反
応系はそのままポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子によ
るエマルジョンとなる。
【0012】アミノ酸−NCAの重合反応は、アミノ酸
−NCAが水中の重合開始剤と接触することにより、自
発的に生ずる。重合温度は、アミノ酸−NCAの種類、
重合開始剤の種類によっても異なるが、通常、0〜10
0℃、好ましくは5〜90℃である。この重合温度を調
節することによって、目的とする大きさの分子量を有す
るポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子を製造することが
できる。なお、重合圧力は特に限定されるものではな
い。重合反応中は、系を攪拌して乳化状態を保つ必要が
ある。この攪拌は、例えば反応器中で機械的に攪拌する
手段によって行うことが好ましく、その回転数は、通
常、20〜3000r.p.m.である。
【0013】本発明においては、ポリ−α−アミノ酸粒
子はエマルジョンの状態のままで使用することもできる
し、また水から分離して使用することもできる。当該エ
マルジョンにおけるポリマー粒子を水から分離する手段
としては、スプレードライヤーなどを用いて一挙に水を
蒸発させる手段、エマルジョンを遠心分離処理すること
によりポリマー粒子を沈降させて分離し、得られる固形
物を乾燥させる手段、当該エマルジョンを水分離膜を用
いて濃縮した後に固形物を乾燥する手段などが挙げられ
る。また、必要に応じて、ポリマー粒子を水などにより
洗浄して乳化剤を除去することも可能である。本発明で
使用されるポリ−α−アミノ酸の粒子は、次のような方
法により変性されていてもよい。例えば、モノマーのア
ミノ酸−NCAとして、グルタミン酸エステル、アスパ
ラギン酸エステルなどの酸性アミノ酸エステルのN−炭
酸無水物、またはN−カルボベンゾキシリシン、N−カ
ルボベンゾキシオルニチンなどの塩基性アミノ酸のN−
炭酸無水物を用いた場合に得られる粒子、あるいはポリ
マー粒子が、それらのN−炭酸無水物と中性アミノ酸の
N−炭酸無水物との共重合により得られる共重合体より
なる粒子である場合には、これらの粒子表面を加水分解
処理してアミノ基またはカルボキシル基を生成させるこ
とにより、粒子表面の親水化を行うことができる。ま
た、ポリ−α−アミノ酸粒子をエタノールアミン、プロ
パノールアミン、ブタノールアミンなどのアルコールア
ミン類と反応させることにより、粒子表面の親水化を行
うことができる。さらに、ポリ−α−アミノ酸粒子をエ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミンなどのジアミン類、
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリ
コール類、またはマロン酸、コハク酸、アジピン酸など
のジカルボン酸類と反応させることにより、ポリマー粒
子の架橋を行うことができる。
【0014】本発明の繊維処理剤中には、ポリ-α-アミ
ノ酸粒子は通常1〜50重量%、好ましくは2〜50重
量%含有される。このポリ−α−アミノ酸粒子の含有量
が1重量%未満であると生体活性物質または保温性改善
のために随時添加される鉱物性無機成分などの包蔵力、
固結力等が不足して、洗濯堅牢度などの低下を招きやす
く、一方50重量%を超えると繊維品類の風合いを阻害
しやすい。本発明の繊維処理剤には固着剤としてアミノ
酸系樹脂を配合することができる。このアミノ酸系樹脂
は上記のアミノ酸−NCAを溶液重合して水溶液、また
は水中油(O/W)型の水性乳液に変性したものであ
り、分子量100〜50000、10重量%での粘度が
500〜5000cpsの範囲のものが好ましい。アミ
ノ酸系樹脂は繊維処理剤の通常1〜70重量%使用され
る。
【0015】さらに本発明の繊維処理剤には生理活性物
質を添加することができる。生理活性物質は元来生物体
内に含まれる物質で、その生理現象を促進または抑制す
る機能を有する物質および他の生物体の生命現象または
生物体相互の係り合いに影響を及ぼす物質であり、たと
えば生体細胞が生産する蛋白質性の高分子有機触媒であ
る酵素類、また、蛋白合成に関与し、細胞膜に関連した
代謝過程と密接な関係があり、脳組織などのエネルギー
源になると言われているレシチンのような燐脂質類、そ
の他ビタミン類、ホルモン類、さらには精神面に対する
リラックス効果、リフレッシュ効果、いわゆる森林浴の
効果が期待される芳香療法(アロマテラピー)に用いら
れる精油のような芳香性物質類などを示す。これらは合
成もしくは加工された単一物質であっても支障はない
が、二成分以上の相乗効果または経済効果等を勘案すれ
ば、上記の各生理活性物質を含む天然の動植物から抽
出、圧搾もしくはその他の方法で分離された液またはそ
の液をさらに濃縮した液、乾燥粉などを用いることが望
ましい。これらの生理活性物質のうちでは、特に蛋白と
関連の深い酵素類および燐脂質類がより好ましい物であ
ると言える。生理活物質は繊維処理剤の通常0.5〜1
0重量%、好ましくは1〜8重量%である。また、本発
明において、これらの生理活物質はポリ−α−アミノ酸
粒子中に内包されていてもよい。
【0016】さらに、本発明の繊維処理剤は、染料、顔
料、または天然もしくは人工の鉱物質の水溶液、懸濁液
または微粉末(たとえば平均粒径2〜5μm)などの着
色剤を加えて、装飾効果または遠赤外線による保温効果
を一層高めることができる。本発明の繊維処理剤への着
色剤の添加量は通常60重量%以下である。
【0017】本発明の繊維処理剤により繊維を処理する
には、繊維品類を繊維処理剤に浸漬し、繊維中に繊維処
理剤を浸透させた後、脱水、乾燥すれば良い。本発明の
繊維処理剤で処理することのできる繊維類は木綿、麻、
絹、羊毛などの天然繊維、アクリル繊維、ナイロン、ポ
リエステル、アセテート、レーヨンなどの合成繊維また
はこれらの混紡された繊維、さらにこれを編織したもの
などいずれでもよいが、天然繊維またはアクリル繊維が
最も好適に処理することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒子径
は、透過型電子顕微鏡により観察して測定したものであ
り、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される式か
ら算出した値を示す。
【0019】
【数1】
【0018】実施例1 丸底セパラブルフラスコに精製水2リットルを入れ、こ
こに乳化剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート「Tween 20」(花王(株)製)1gを添加
して充分混合して分散させた。混合後、トリエチルアミ
ン14.4ミリモルを加えて攪拌しこのエマルジョン中
にγ−ベンジル−L−グルタメート−N−炭酸無水物
(以下、「BLG−NCA」という。)の粉末100g
(380ミリモル)を加え、攪拌を続けながら、室温で
5時間BLG−NCAを重合することにより、生理活性
物質を粒子内部に含有したポリ−γ−ベンジル−L−グ
ルタメート(以下、「PBLG」という。)粒子による
エマルジョンを得た。反応後、スチームストリッピング
により有機溶剤を除去した後、生成した粒子と分散媒と
を濾過により分離した。得られた粒子について水洗、濾
過を2回行った。こうして得られた粒子を乾燥して本発
明の生理活性物質含有ポリ−α−アミノ酸複合粒子を得
た。以上により得られた複合粒子の平均粒子径は10μ
m、CV値は19%であった。変性アミノ酸系樹脂とし
て、BLG−NCAを溶液重合して得られた重合度10
000のポリマーの10重量%水性エマルジョン(三木
理研工業社製;リケンレジンALP−7、pH7〜9、
粘度2000cps)1.5Kgと大豆乳(蛋白35.
5重量%、脂質23.4重量%、糖質26.4重量%、繊
維質4.6重量%、レシチン2.1重量%、水分その他
8.0重量%)1.5Kgとの混合液にポリ−α−アミ
ノ酸粒子200gを加えて充分攪拌し繊維処理剤を得
た。得られた繊維処理剤に、ナイロン製のパンティース
トッキングの片脚を浸漬し、繊維内に液を40℃で充分
浸透させた後、その部分を搾り、100℃、10分間乾
燥して定着させた。過剰の繊維処理剤を除去するために
40℃の湯で洗浄した後温風乾燥した。上記の処理を施
したストッキングを成年女子に着用させ、着用後のスト
ッキングの表面温度分布をサーモビュア分析によって測
定したところ、ストッキングに処理を行った部分の脚の
表面に多くの赤色部が見られるのに対し、処理を行わな
い脚の表面には赤色部分が殆ど見られず、両脚にはかな
りの温度差のあることが確認され、本発明の繊維処理剤
で処理された繊維品類の保温性が極めて良好であること
がわかった。 着用者本人にも両脚の暖かさにかなりの
差があることが感じられた。
【0019】実施例2 実施例1で得られた繊維処理剤3.2Kgに平均粒子径
が3μmの鉱石微紛(SiO249.5重量重量%、Al
2319.3重量%、Fe2316.0重量%、K2O1
1.3重量%、Ca01.4重量%、Na2O 0.7重量
%、MgO1.5重量%、Rb2O 0.5重量%、P23
0.1重量%、その他S、Zrなど微量)100gを加
えて充分攪拌し、繊維処理剤を得た。得られた繊維処理
剤を使用して実施例1と同様にしてストッキングの処理
を行った。処理を終えたストッキングを成年女子に着用
させ、着用後のストッキングの表面温度分布を測定した
ところ、ストッキングに処理を行った部分の脚の表面に
多くの赤色部が見られるのに対し、処理を行わない脚の
表面には赤色部分が殆ど見られず、両脚にはかなりの温
度差のあることが確認され、変性アミノ酸系樹脂と生体
活性成分とを主要成分とする樹脂組成物によって処理さ
れた繊維品類の保温性が極めて良好であることがわかっ
た。そして、着用者本人にも両脚の暖かさにかなりの差
があることが感じられた。
【0020】
【発明の効果】本発明にの繊維処理剤は人体になじみの
よいポリ-α-アミノ酸粒子を使用しているので繊維の保
温性を高めるとともに、繊維を皮膚表面に馴染み易くで
きる。また、ポリ−α−アミノ酸粒子が多孔質であるた
めに、生体活性物質を内包することができ、繊維の洗濯
を繰り返しても保温性を経時的に保持することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 芳孝 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 黒田 恭子 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質なポリ−α−アミノ酸粒子を含有
    することを特徴とする繊維処理剤。
JP9190896A 1996-03-21 1996-03-21 繊維処理剤 Pending JPH09256279A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002108A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Mitsubishi Pencil Co Ltd ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有組成物、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有シート状成形体、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有ゲル状組成物、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有着色組成物及びポリ−γ−アミノ酸架橋体含有布製品

Cited By (2)

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JP2006002108A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Mitsubishi Pencil Co Ltd ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有組成物、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有シート状成形体、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有ゲル状組成物、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有着色組成物及びポリ−γ−アミノ酸架橋体含有布製品
JP4605634B2 (ja) * 2004-06-21 2011-01-05 三菱鉛筆株式会社 ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有組成物、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有シート状成形体、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有ゲル状組成物、ポリ−γ−アミノ酸架橋体含有着色組成物及びポリ−γ−アミノ酸架橋体含有布製品

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