JPH09255346A - 高純度石英ガラス及びその製造方法 - Google Patents

高純度石英ガラス及びその製造方法

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JPH09255346A JP6111896A JP6111896A JPH09255346A JP H09255346 A JPH09255346 A JP H09255346A JP 6111896 A JP6111896 A JP 6111896A JP 6111896 A JP6111896 A JP 6111896A JP H09255346 A JPH09255346 A JP H09255346A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然石英を原料として高純度、特にジルコニ
ウム(Zr)が少なくかつ安価に製造される高純度石英
ガラス及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 結晶質天然石英を加熱溶融して製造する
天然石英ガラスの製造方法において、該結晶質天然石英
原料を一つ以上の単位精製手段の組み合わせを順次実施
して精製するにあたり、所定の単位精製手段を実施後に
当該石英原料の一部を抜き取り、これをフッ化水素酸或
いはフッ化水素酸と他の無機酸との混酸で分解した後、
その分解液をそのままあるいは他の無機酸を更に添加し
た後に蒸発乾固し、残留物にアルカリ金属の塩または水
酸化物を加えて加熱溶融し、その後このアルカリ金属の
塩または水酸化物を無機酸水溶液または純水で溶解し
て、該溶液中の不純物を定量分析することによって、結
晶質天然石英中の不純物含有量を求め、この不純物含有
量が所定の値以下である精製結晶質天然石英を原料とし
て加熱溶融によって高純度石英ガラスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体工業や光通
信分野で用いられる石英ガラスおよびその製造方法に関
し、特にジルコニウム元素含有量が少ない石英ガラス、
例えばシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【関連技術】従来、天然石英を原料としてこれを溶融ガ
ラス化して石英ガラスを製造するにあたって、高純度の
石英ガラスを必要とする場合は、種々の単位精製手段を
経て純度を高めた原料を加熱溶融して製造していた。
【0003】単位精製手段としては、粉砕、分級、浮遊
選鉱、磁力選鉱、エッチング、高温加熱、ハロゲン含有
雰囲気熱処理、電気分解精製などが主なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうして高純
度化した原料を用い、加熱溶融時の汚染を極力防止して
もなお除ききれない元素があった。そして、その幾つか
は半導体工業用や光学用に用いた場合にその性能を害す
る元素である。近年の半導体工学や光学技術の進歩は、
従来許容できていたレベルの含有量でも有害な量である
として許容しないところまで来ている。
【0005】特に、ジルコニウム元素は、天然石英ガラ
ス中では1ppm程度は含まれるのが当然とされていた
が、更に低減すること、好ましくは0.8ppm以下に
することが望まれている。なお、本明細書ではppmで
という濃度表示は重量濃度をあらわす重量ppmを意味
する。
【0006】しかしながら、前述のような従来の精製技
術を駆使して、ジルコニウム元素含有量が0.2ppm
以下と分析されるような高純度石英粉を製造しても、こ
れを溶融して得た石英ガラスは1ppm程度のジルコニ
ウム元素を含んでしまうという不都合があった。
【0007】この様にして製造したジルコニウム元素含
有量が1ppm程度の単結晶引き上げ用石英ガラスルツ
ボを用いると、ジルコニウム元素含有量が0.2ppm
以下の合成石英ガラスのルツボを用いた時のような良質
のシリコン単結晶を得ることが出来なかった。
【0008】本発明は、上記した事情に鑑みなされたも
ので、天然石英を原料として高純度、特にジルコニウム
(Zr)が少なくかつ安価に製造される高純度石英ガラ
ス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の高純度石英ガラスの製造方法は、結晶質天
然石英を加熱溶融して製造する天然石英ガラスの製造方
法において、該結晶質天然石英原料を一つ以上の単位精
製手段の組み合わせを順次実施して精製するにあたり、
所定の単位精製手段を実施後に当該石英原料の一部を分
析のために抜き取り、これをフッ化水素酸或いはフッ化
水素酸と他の無機酸との混酸で分解した後、その分解液
をそのままあるいは他の無機酸を更に添加した後に蒸発
乾固し、残留物にアルカリ金属の塩または水酸化物を加
えて加熱溶融し、その後このアルカリ金属の塩または水
酸化物を無機酸水溶液または純水で溶解して、該溶液中
の不純物を定量分析することによって、結晶質天然石英
中の不純物含有量を求め、この不純物含有量が所定の値
以下である精製結晶質天然石英を原料として加熱溶融に
よって高純度石英ガラスを製造することを特徴とする。
【0010】天然石英原料の精製手段としては次のよう
な方法が一般的にとられている。まず天然石英原料を粉
砕して粉体とし、洗浄や浮遊選鉱、磁力選鉱、フッ化水
素酸によるエッチングなどで高純度の石英粉とする。こ
れらの処理にあたっては、特開昭52−121017号
公報記載の方法(浮遊選鉱)や特公昭38−21986
号公報記載の方法(酸洗浄)などを応用することが出来
る。
【0011】通常、このような方法で、数%のジルコニ
ウム元素を含んだ原石から、1〜2ppm程度のジルコ
ニウム元素含有量の石英粉を得ることが出来る。なお、
石英粉は結晶学的には水晶粉と同じであり、本明細書で
は区別しない。
【0012】次に、アルカリ元素、鉄元素あるいは銅元
素をさらに低減させるために、ハロゲン元素含有雰囲気
で1000℃程度に加熱処理する。この処理は一般的な
不純物を除く手段として公知である(特開昭48−69
794号公報)。この処理によって、アルカリ元素が
0.2ppm以下、銅元素が0.1ppm以下の精製原
料が得られる。このとき、通常の石英ガラスの分析方法
で評価すると、同時にジルコニウム元素も0.2ppm
以下に精製されているように見える。
【0013】通常の石英ガラスの分析方法としては、フ
ッ化水素酸を用いて分解溶液化し、この溶液をそのまま
フレームレス原子吸光光度計で分析したり、蒸発乾固後
希硝酸で回収して、ICP−AES(プラズマ発光法)
やICP−MS(プラズマ質量分析)で分析したりする
方法がある。また、特開平7−72056号公報に開示
されたような、フッ化水素ガスで分解と蒸発乾固を同時
に行うような改良方法も用いられはじめている。
【0014】しかし、本発明の方法で用いる分析方法で
は蒸発乾固後に残留物を溶融アルカリ化合物で回収す
る。このアルカリ化合物をさらに水溶液化し、この溶液
を通常の分離・分析手段で定量的に分析するものであ
る。
【0015】このようにすると、従来の分析方法では
0.2ppm以下に精製されたように見えた石英粉から
も1ppm程度のジルコニウム元素が分析されることが
あることがわかった。
【0016】中性子放射化分析のような方法によれば存
在形態にかかわらず全量のジルコニウム元素が分析でき
る。通常のフッ化水素酸で分解してICP−AES(プ
ラズマ発光法)等で分解溶液を分析する分析方法では十
分純化されたように見えてもなお、純化を繰り返した
り、純化されやすい出発原料の場合は、ジルコニウム元
素含有量が0.8ppm以下、さらには0.3ppm程
度にまで純化されるのがわかる。
【0017】従来の分析方法では原料石英粉のジルコニ
ウム元素含有量と製造された石英ガラス中のジルコニウ
ム元素含有量の分析値は関連が無い様にしかみえなかっ
た。本発明の分析方法を採用するとはじめて、原料石英
粉中のジルコニウム含有量と得られた石英ガラス中のジ
ルコニウム含有量の分析報告値を一致させることが出来
た。
【0018】例えば、従来の方法で分析・選別を行なう
場合、0.8ppm以下のジルコニウム含有量の石英ガ
ラスを製造するために、0.8ppmジルコニウム含有
量以下の石英粉を選別利用して石英ガラスを製造して
も、0.8ppmを越える不合格品が出来てしまうこと
が30%ほどあった。
【0019】これに対し、本発明の方法で分析・選別を
行うと不合格は全くでなくなった。石英ガラスのジルコ
ニウム含有量は原料中のジルコニウム含有量に等しいよ
うに溶融工程での汚染を管理する事も可能になった。
【0020】本発明者等は、特にジルコニウム(Zr)
元素含有量の少ない石英ガラスルツボを得るために鋭意
研究した結果、次の知見を得るにいたった。浮遊選鉱や
フッ化水素酸での洗浄でジルコニウム(Zr)を減少さ
せることはできるが1〜2ppm程度までが実質的な限
界である。このものとこれを溶融した石英ガラスを、従
来の方法で分析した場合、原料石英粉のジルコニウム
(Zr)含有量と、石英ガラス中のジルコニウム(Z
r)含有量は一致する。
【0021】ハロゲン元素を含む雰囲気で加熱処理する
とジルコニウム(Zr)元素含有量をさらに低減するこ
とが出来る。真の総含有量を低減できるが、従来方法で
分析すると、実際以上に急速に純化されたように見えて
しまう。すなわち、1回のハロゲン雰囲気中加熱で原料
水晶粉中のジルコニウム(Zr)は0.2ppm以下に
分析されるが、これを溶融して得た石英ガラス中のジル
コニウム(Zr)含有量は1.0ppmと分析されるよ
うなことがしばしば起こる。
【0022】ハロゲン元素を含む雰囲気で加熱処理した
場合は、従来の分析方法では実際に石英粉に含有されて
いるジルコニウム(Zr)の総量を知ることが出来な
い。本発明の、溶融アルカリ化合物を用いた分析方法で
のみ実際に石英粉に含有されているジルコニウム(Z
r)の総量を知ることが出来る。他方、溶融ガラス化し
た石英ガラス中のジルコニウム(Zr)含有量は、従来
の分析方法でも、本発明の方法で採用している分析方法
でも正しく知ることが出来る。
【0023】ジルコニウム(Zr)元素がハロゲン雰囲
気中加熱で低減されてゆく速度は、原料の履歴や由来に
よるものなのか、一定でない。ハロゲン雰囲気中加熱後
のジルコニウム(Zr)含有量を分析して把握し選別す
ることでのみ、安定して低ジルコニウム(Zr)含有量
の石英粉原料を用いることが出来、結果として歩留り良
く、低ジルコニウム(Zr)含有量の石英ガラスを製造
することが出来る。
【0024】本発明者等の研究によれば、本発明で採用
しているジルコニウム元素の分析方法と同様に含有ジル
コニウムの総量を知る他の手段は中性子放射化分析であ
る。この方法は中性子源として大型設備を必要とするな
どのために高価な方法であり、そのため世界で利用でき
る設備も少ないので迅速な分析もできない。製造ライン
に組み込んで品質をモニタする分析方法としては採用し
難いものである。
【0025】本発明の方法で採用する分析方法を詳述す
ると、以下のようである。まず、水晶粉をフッ化水素酸
と共に加圧酸分解容器中で100℃以上に加熱して分解
溶液化する。このフッ化水素酸の代わりにフッ化水素酸
と他の無機酸との混酸を用いることもできる。ここでい
う他の無機酸としては、硝酸や硫酸をあげることができ
る。
【0026】次に、このフッ化けい素酸を主成分とする
溶液を開放状態で加熱すると、揮発性のフッ化けい素酸
は揮発散逸してしまい、けい素成分が無くなって不純物
を含む残留物だけが残る。分析化学では「乾固」という
操作は必ずしも「固体にする」事を意味しない。固体に
なるまで乾かしてしまうと後の工程で希薄な酸では回収
できなくなる場合もある。
【0027】この蒸発乾固処理は、揮発性の物質が完全
に揮発散逸することが目的であるから、不揮発性の酸と
して、少量の硫酸を加えてから硫酸白煙が出るまで加熱
する操作も「乾固」と呼んでいる。特に区別して「白煙
乾固」と呼ぶ事もある。本発明の場合では、硫酸を加え
て白煙乾固すると主成分のけい素やフッ素を完全に取り
除くことができる。白煙乾固に際して加える酸として
は、硫酸ばかりでなく硝酸や過塩素酸を用いることもあ
る。
【0028】本発明では、この蒸発乾固の次に残留物を
アルカリ溶融する。アルカリ溶融という操作は、水溶液
ではないアルカリ金属の塩等の化合物を加熱溶融して、
数百℃以上の溶解力の強い液体とし、これに目的物質を
溶解する操作である。
【0029】例えば、具体的には、アルカリ金属の塩と
してホウ砂あるいはその無水塩である四ホウ酸ナトリウ
ムを白金容器内で800℃以上に加熱して溶融する。結
晶水の無い四ホウ酸ナトリウムの方が高純度試薬が入手
しやすいし、結晶水の脱離に際して飛散が起こらないの
で便利である。他のアルカリ化合物、例えばNaCl、
NaOH等も同様に利用することが出来る。アルカリ溶
融の容器としては、白金製の容器を好適に用いることが
出来る。
【0030】溶融した塩を、室温まで冷却すると固体の
アルカリ塩となる。このものは希薄な酸の水溶液、例え
ば希塩酸や希硝酸などで容易に溶解できる。溶解を助け
るために沸騰しない程度に加熱することは好ましい。
【0031】以上で得られた水溶液を、通常の方法で定
容にし、溶けた不純物濃度を測定する。本発明の方法で
特に重要な元素であるジルコニウム(Zr)を分析する
場合には、ICP−AES(プラズマ発光法)を好適に
用いることが出来る。
【0032】本発明方法で好適に用いられる精製手段と
しては、前記結晶質天然石英原料をハロゲン元素含有雰
囲気中で加熱することをあげることができる。また、本
発明における不純物測定対象としてはジルコニウム元素
をあげることができ、このジルコニウム元素の含有量を
所定値、好ましくは0.8ppm以下に設定することに
より、高純度の石英ガラス、例えばシリコン単結晶引上
げ用石英ガラスルツボを得ることができる。
【0033】本発明の高純度石英ガラス、例えばシリコ
ン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造は常法により
行なえばよいが、例えば垂直軸の回りに回転する耐熱性
の型の中に石英原料粉を充填し、内側から加熱溶融する
ことによって製造することができる。
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定され
るものではない。
【0034】実施例1 ペグマタイト鉱床から選鉱、精製された石英ガラス製造
用天然石英粉を、塩素と塩化水素ガスを通じながら、1
150℃での滞留時間が1時間のロータリーキルン内
で、連続熱処理する。
【0035】10ロット分の処理後の石英粉から各々分
析用サンプルを採集し、このうち5グラムを25mlの
50%フッ化水素酸と共に密閉容器に収め、160℃で
4時間加熱して加圧酸分解する。冷却後、目には見えな
い未溶融のZr含有パーティクルをも失わないように注
意しながら白金皿に分解液を移し、硫酸を2〜3滴加え
て硫酸白煙が出るまで乾固する。
【0036】無水硼酸ナトリウム(Na2 4 7 )2
グラムを加えて800℃以上に加熱して乾固後の残留物
を融解する。冷却した融解物を希塩酸で溶解し、純水で
50mlに定容してこの水溶液をICP−AES(プラ
ズマ発光法)でジルコニウム(Zr)元素含有量を分析
測定する。
【0037】ジルコニウム(Zr)含有量が0.5ない
し0.7ppmの石英粉原料のロットを選別して、垂直
軸の周りに回転する耐熱性の型の中に該石英原料粉を充
填し、内側から加熱溶融してシリコン単結晶引上げ用ル
ツボを20個溶融成型した。
【0038】得られたルツボについて、そのジルコニウ
ム(Zr)含有量を測定したが、ルツボのすべてが0.
5ないし0.7ppmの範囲のジルコニウム(Zr)含
有量のものであった。
【0039】比較例1 実施例1と同様に、ペグマタイト鉱床から選鉱、精製さ
れた石英ガラス製造用天然石英粉を、塩素と塩化水素ガ
スを通じながら、1150℃での滞留時間が1時間のロ
ータリーキルン内で、連続熱処理した。
【0040】処理を行った後の石英粉中のジルコニウム
(Zr)元素含有量を従来の分析方法で測定した。すな
わち、処理後の石英粉5グラムを25mlの50%フッ
化水素酸と共に密閉容器に収め、160℃で4時間加熱
して加圧酸分解する。冷却後、白金皿に分解液を移し、
硫酸を2〜3滴加えて硫酸白煙が出るまで乾固する。残
留物を希塩酸で回収し、純水で50mlに定容してこの
水溶液をICP−AES(プラズマ発光法)でジルコニ
ウム(Zr)元素含有量を分析測定する。
【0041】すべてのロットについて観測されたジルコ
ニウム(Zr)の分析値は、分析の定量下限値である
0.2ppm以下であった。この石英粉原料を用いて、
垂直軸の周りに回転する耐熱性の型の中に該石英原料粉
を充填し、内側から加熱溶融してシリコン単結晶引上げ
用ルツボを20個溶融成型した。
【0042】得られたルツボについて、そのジルコニウ
ム(Zr)含有量を測定した。その結果、0.5ないし
0.8ppmの範囲のZr含有量のルツボが14個で、
0.9ないし1.2ppmの範囲のZr含有量のルツボ
が6個であった。 実施例2 上記実施例1で作ったジルコニウム(Zr)含有量の異
なるルツボを用いて公称直径8インチのシリコン単結晶
を引き上げた。Zr含有量が0.5から0.8ppmの
ものでは連続して3本の単結晶を引き上げることが出来
た。
【0043】比較例2 上記比較例1で作ったジルコニウム(Zr)含有量の異
なるルツボを用いて実施例2と同様にシリコン単結晶を
引き上げた。Zr含有量が0.9ppmから1.2pp
mのルツボを用いた場合は1本目の単結晶は正常に引き
上げることが出来たが、2本目の引上げ中に結晶に粒界
が導入されてしまい、引上げを中断した。再びこの状態
で、単結晶を引き上げようとしたが種付けがうまくゆか
ず残りのシリコン溶湯は廃棄せざるをえなかった。
【0044】本発明の石英ガラスの製造方法によると、
原料水晶粉の精製工程にハロゲンガス雰囲気中での加熱
処理を組み合わせ採用しても、原料粉の段階でジルコニ
ウム(Zr)含有量を正しく簡便で安価に分析できるの
で、ジルコニウム(Zr)に関して所望の純度のルツボ
を効率良く製造することが出来る。
【0045】こうして製造したジルコニウム含有量が
0.8ppm以下のルツボを用いると公称口径が8イン
チのような大口径単結晶が複数本連続して引き上げられ
るようになる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、天
然石英を原料として高純度、特にジルコニウム(Zr)
が少なくかつ安価に石英ガラスを製造することが可能と
なるという大きな効果が達成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 清貴 福井県武生市北府2丁目1番5号 株式会 社福井環境分析センター内 (72)発明者 辻 忠左衛門 福井県武生市北府2丁目1番5号 株式会 社福井環境分析センター内 (72)発明者 斉藤 学 福井県武生市北府2丁目1番5号 株式会 社福井環境分析センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶質天然石英を加熱溶融して製造する
    天然石英ガラスの製造方法において、該結晶質天然石英
    原料を一つ以上の単位精製手段の組み合わせを順次実施
    して精製するにあたり、所定の単位精製手段を実施後に
    当該石英原料の一部を分析のために抜き取り、これをフ
    ッ化水素酸或いはフッ化水素酸と他の無機酸との混酸で
    分解した後、その分解液をそのままあるいは他の無機酸
    を更に添加した後に蒸発乾固し、残留物にアルカリ金属
    の塩または水酸化物を加えて加熱溶融し、その後このア
    ルカリ金属の塩または水酸化物を無機酸水溶液または純
    水で溶解して、該溶液中の不純物を定量分析することに
    よって、結晶質天然石英中の不純物含有量を求め、この
    不純物含有量が所定の値以下である精製結晶質天然石英
    を原料として加熱溶融によって高純度石英ガラスを製造
    することを特徴とする高純度石英ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の単位精製手段が前記結晶質天
    然石英原料をハロゲン元素含有雰囲気中で加熱すること
    であり、結晶質天然石英中の分析対象不純物がジルコニ
    ウム元素であることを特徴とする請求項1記載の高純度
    石英ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記精製結晶質天然石英中のジルコニウ
    ム元素の含有量が0.8ppm以下であることを特徴と
    する請求項2記載の高純度石英ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 ジルコニウム元素の含有量が0.8pp
    m以下である精製結晶質天然石英を原料として請求項3
    記載の製造方法により製造されかつジルコニウム元素の
    含有量が0.8ppm以下であることを特徴とする高純
    度石英ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の高純度石英ガラスであ
    り、垂直軸の回りに回転する型の中に充填した前記精製
    結晶質天然石英粉を内側から加熱溶融して製造されるこ
    とを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツ
    ボ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017206416A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 クアーズテック株式会社 石英ガラスルツボ
JP2020007179A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 日本電気硝子株式会社 ガラス材の製造方法及びガラス材

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