JPH09255323A - 耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤の調整方法 - Google Patents

耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤の調整方法

Info

Publication number
JPH09255323A
JPH09255323A JP9029396A JP9029396A JPH09255323A JP H09255323 A JPH09255323 A JP H09255323A JP 9029396 A JP9029396 A JP 9029396A JP 9029396 A JP9029396 A JP 9029396A JP H09255323 A JPH09255323 A JP H09255323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium silicate
molar ratio
filter aid
acid
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9029396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2934826B2 (ja
Inventor
Shuji Tsunematsu
松 修 二 恒
Kozo Inoue
上 耕 三 井
Hideo Yamada
田 英 夫 山
Hidekazu Abe
部 英 一 安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP9029396A priority Critical patent/JP2934826B2/ja
Publication of JPH09255323A publication Critical patent/JPH09255323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2934826B2 publication Critical patent/JP2934826B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケイ酸カルシウムの持つ濾過特性を損ねるこ
となく耐酸性を向上させるケイ酸カルシウム濾過助剤の
調整方法を開発する。 【構成】 原料組成、炭酸化率および加熱処理温度を選
定することにより、耐酸性を向上させ、かつ優れた濾過
特性を有することを特徴とするケイ酸カルシウムに関す
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の耐酸性ケイ酸カルシ
ウムは、難濾過性スラリ−や希薄スラリ−をボディフィ
−ド濾過またはプリコ−ト濾過することによって、固液
分離および高清澄度濾液の分離回収を効率的に行うこと
ができる。また、原料を選定することによって有機質や
鉄分を含まない濾過助剤を安定的に供給できることか
ら、医薬関係、食品関係、石油化学関係などへの利用が
有望である。
【0002】
【従来の技術】スラリ−中の分散粒子がベトベトした性
質で濾材に目詰まりを起こさせる場合の固液分離や分散
粒子が微細で、かつ濃度が薄い場合の濾過速度の改善お
よび清澄濾液の分離回収には従来からケイソウ土濾過助
剤が使用されている。しかし、ケイソウの種類によって
粒子径や結晶形態が異なるため、その濾過助剤としての
性質にもかなりの差があり、粉砕や分級等の濾過助剤製
造工程において品質管理上の難点があった。さらに、わ
が国には鉱量が豊富で高品位のケイソウ土鉱床が少な
く、安定的な供給にも問題があるなど技術的、経済的欠
点がある。また、天然の堆積鉱物であるケイソウ土は有
機質や鉄分などの不純物を含有しており、医薬関係では
有機質による濾液の汚染を避けるため、ケイソウ土を使
用するに当たっては厳重な前処理が行われている。食品
関係や石油化学関係においては鉄分による濾液の着色が
問題になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水熱合成によって得ら
れるケイ酸カルシウム粒体は、ケイソウ土と同様に多孔
質体であり、目的に応じて粉砕、分級を行うことなく粒
子径や結晶形態をコントロ−ルすることができ、原料を
選定することによって有機質や鉄分を含まない濾過助剤
を安定的に供給できるなど、濾過助剤として多くの利点
を有している。しかし、耐酸性に劣るため使用範囲が限
定されるという欠点も有している。そこで、ケイ酸カル
シウムの有する利点を損なうことなく、耐酸性を付与さ
せる技術の開発が課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の諸
問題を解決する方法について鋭意研究を重ねてきた結
果、シリカおよびアルミナ原料と石灰原料をCa/(Si+Al)
モル比で0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si+Al)モル比
が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ−トクレ−
ブを使用して水溶液または0.01〜1.0NのKOH溶液中で水
熱反応させ、次いでこのケイ酸カルシウムを800〜1200
℃で加熱処理、ケイ酸カルシウムを炭酸化処理した後酸
性溶液中で処理、酸性溶液中で処理したものを更に800
〜1400℃で加熱処理することによって、結晶の形状を損
ねることなく、耐酸性に優れ、かつ濾過特性が著しく改
善された耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤の調整方法を
見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0005】ここでシリカおよびアルミナ原料として
は、石英、もみがら灰等のケイ酸質原料やフライアッシ
ュ、シラス等のケイ酸アルミニウム質原料など種々のシ
リカ含有物が有効に利用できる。アルミナ原料として
は、ボ−キサイト、水酸化アルミニウム等のアルミナ質
原料やフライアッシュ、シラス等のケイ酸アルミニウム
質原料など種々のアルミナ含有物が利用できる。石灰原
料としては、生石灰、消石灰等が使用できる。
【0006】シリカおよびアルミナ原料と石灰原料混合
物のCa/(Si+Al)モル比が低いと、ケイ酸カルシウムの生
成が不十分で濾過助剤としての効果が発揮されない。一
方、Ca/(Si+Al)モル比が高くなると、未反応の石灰原料
がそのまま残存すると同時に結晶化度の高いケイ酸カル
シウムが得られないため、シリカおよびアルミナおよび
アルミナ原料と石灰原料の混合割合には適当な範囲があ
り、適性範囲はCa/(Si+Al)モル比で0.2〜1.2である。
【0007】シリカ原料とアルミナ原料混合物のAl/(Si
+Al)モル比が低いと、ケイ酸カルシウムの生成に支障は
ないがアルミナ添加の効果が発揮されない。一方、Al/
(Si+Al)モル比が高くなると、ハイドロガ−ネットの微
細粒状結晶の析出が著しくなって濾過特性を損ねるた
め、シリカ原料とアルミナ原料混合割合には適当な範囲
があり、適性範囲はAl/(Si+Al)モル比で0.01〜0.2であ
る。
【0008】シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の混
合物をKOH溶液中で水熱反応させるのは、ケイ酸カルシ
ウムの結晶形態を変化させ、ハイドロガ−ネットの微細
粒状結晶の析出を抑制させると同時に水熱反応を促進さ
せるためである。KOH溶液の濃度が低いと、KOHの添加効
果が発揮されない。一方、KOH溶液の濃度が高くなる
と、結晶形態の変化や反応促進効果はあるが、KOH溶液
濃度の増加に見合った濾過特性改善の効果がなく、KOH
溶液濃度の適性範囲は0.01〜1.0Nである。
【0009】ケイ酸カルシウムの加熱処理は、結晶構造
を変化させ、酸溶液中で不溶効果を更に向上させるため
である。ケイ酸カルシウムの加熱処理温度が低いと、加
熱処理による酸溶液中でのケイ酸カルシウムのさらなる
不溶効果がない。一方、加熱処理温度が高いと、酸溶液
中でのケイ酸カルシウムの不溶効果は大となるが、ケイ
酸カルシウムは収縮して加熱処理前の結晶形態が変化す
るために濾過助剤としての性質が損なわれるため、ケイ
酸カルシウムの加熱処理温度には適当な範囲があり、適
性温度範囲は800〜1200℃である。
【0010】ケイ酸カルシウムを炭酸化処理した後酸処
理するのは、炭酸化処理することによってケイ酸カルシ
ウムの結晶の形状を変化させることなくケイ酸カルシウ
ム中からCaOをCaCO3として除去し、更に酸処理すること
によってスラリ−中からCaCO3を溶解除去するためであ
る。
【0011】ケイ酸カルシウムを炭酸化処理した後酸処
理し、更に加熱処理するのは、結晶構造を変化させ、酸
溶液中で不溶効果を更に向上させるためである。ケイ酸
カルシウムの加熱処理温度が低いと、加熱処理による酸
溶液中でのケイ酸カルシウムのさらなる不溶効果がな
い。一方、加熱処理温度が高いと、酸溶液中でのケイ酸
カルシウムの不溶効果は大となるが、ケイ酸カルシウム
は収縮して加熱処理前の結晶形態が変化するために濾過
助剤としての性質が損なわれるため、ケイ酸カルシウム
の加熱処理温度には適当な範囲があり、適性温度範囲は
800〜1400℃である。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例および比較例の試験結果
を示す。
【0013】(実施例1)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.8とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.05に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8
時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、
ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ酸カルシウ
ムスラリ−を濾過、脱水して120℃で乾燥し、電気炉に
入れて1100℃で1時間か熱処理して耐酸性ケイ酸カルシ
ウムを得た。
【0014】(実施例2)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.6とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.05に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8
時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、
ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ酸カルシウ
ムスラリ−を濾過、脱水して120℃で乾燥し、電気炉に
入れて1100℃で1時間か熱処理して耐酸性ケイ酸カルシ
ウムを得た。
【0015】(実施例3)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.8とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.15に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の0.3N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ−
を180℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反
応を行い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ
酸カルシウムスラリ−を濾過、脱水して120℃で乾燥
し、電気炉に入れて1100℃で1時間か熱処理して耐酸性
ケイ酸カルシウムを得た。
【0016】(実施例4)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.6とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.15に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の0.3N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ−
を180℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反
応を行い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ
酸カルシウムスラリ−を濾過、脱水して120℃で乾燥
し、電気炉に入れて1100℃で1時間か熱処理して耐酸性
ケイ酸カルシウムを得た。
【0017】(実施例5)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.8とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.05に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8
時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、
ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ酸カルシウ
ムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ後、ケイ酸カ
ルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、そこで10分間
攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾過、脱水して12
0℃で乾燥して耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤を得
た。
【0018】(実施例6)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.6とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.05に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8
時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、
ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ酸カルシウ
ムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ後、ケイ酸カ
ルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、そこで10分間
攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾過、脱水して12
0℃で乾燥して耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤を得
た。
【0019】(実施例7)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.8とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.15に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の0.3N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ−
を180℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反
応を行い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ
酸カルシウムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ
後、ケイ酸カルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、
そこで10分間攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾
過、脱水して120℃で乾燥して耐酸性ケイ酸カルシウム
濾過助剤を得た。
【0020】(実施例8)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.6とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.15に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の0.3N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ−
を180℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反
応を行い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ
酸カルシウムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ
後、ケイ酸カルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、
そこで10分間攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾
過、脱水して120℃で乾燥して耐酸性ケイ酸カルシウム
濾過助剤を得た。
【0021】(実施例9)シリカおよびアルミナ原料と
石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.8とし、その内のAl/(S
i+Al)モル比を0.05に調整混合した粉末に対して重量比
で20倍の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8
時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、
ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ酸カルシウ
ムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ後、ケイ酸カ
ルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、そこで10分間
攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾過、脱水して12
0℃で乾燥し、電気炉に入れて1200℃で1時間加熱処理し
て耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤を得た。
【0022】(実施例10)シリカおよびアルミナ原料
と石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.6とし、その内のAl/
(Si+Al)モル比を0.05に調整混合した粉末に対して重量
比で20倍の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃
で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行
い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケイ酸カル
シウムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ後、ケイ
酸カルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、そこで10
分間攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾過、脱水し
て120℃で乾燥し、電気炉に入れて1200℃で1時間加熱処
理して耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤を得た。
【0023】(実施例11)シリカおよびアルミナ原料
と石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.8とし、その内のAl/
(Si+Al)モル比を0.15に調整混合した粉末に対して重量
比で20倍の0.3N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ
−を180℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱
反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケ
イ酸カルシウムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ
後、ケイ酸カルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、
そこで10分間攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾
過、脱水して120℃で乾燥し、電気炉に入れて1200℃で1
時間加熱処理して耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤を得
た。
【0024】(実施例12)シリカおよびアルミナ原料
と石灰原料のCa/(Si+Al)モル比を0.6とし、その内のAl/
(Si+Al)モル比を0.15に調整混合した粉末に対して重量
比で20倍の0.3N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ
−を180℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱
反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリ−を得た。このケ
イ酸カルシウムスラリ−に二酸化炭素ガスを吹き込んだ
後、ケイ酸カルシウムスラリ−をHClでpH1.5に調整し、
そこで10分間攪拌した。更に、ケイ酸カルシウムを濾
過、脱水して120℃で乾燥し、電気炉に入れて1200℃で1
時間加熱処理して耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤を得
た。
【0025】以上の実施例によって得られた耐酸性ケイ
酸カルシウム濾過助剤と、比較例として市販の加熱処理
ケイソウ土濾過助剤の耐酸性、ル−スの定圧濾過係数お
よび濾液の清澄度を表1に示す。耐酸性、ル−スの定圧
濾過係数および濾液の清澄度の測定は、以下のようにし
て行った。
【0026】
【表1】
【0027】耐酸性は50℃に調整した恒温水槽を用い、
試料0.10gをHClでpHを2に調整した溶液200mlに浸漬して
1時間攪拌混合を行った後、遠心分離機を用いて固液分
離し、次いで、濾液中のSiO2は分光光度計で、CaOは原
子吸光分光光度計で、Al2O3はEDTA滴定法で、Fe2O3は原
子吸光分光光度計を用いて測定し、濾過助剤1g当りの溶
出量から評価した。
【0028】濾過実験は、濾過面積19.3cm2の加圧濾過
器を用い、pHを2に調整した蛙目粘土スラリ−に各種の
濾過助剤をボディフィ−ドしてル−ス(Ruth)の定圧濾
過係数K20 〔cm2/sec〕(スラリ−温度20℃でのK値)
を求めた。その際の濾過圧力は0.5Kg/cm2、スラリ−濃
度は0.005、F/C(濾過助剤/蛙目粘土)の容積混合比は
0.5で行った。なおル−スの定圧濾過係数K20は、数値
が大きいほど濾過速度が速いことを示す。
【0029】濾液の清澄度は分光光度計の透過率測定を
利用し、遮蔽板を置いて透過率を0としたときの清澄度
を0、蒸留水の透過率を100としたときの清澄度を100と
みなし、濾過実験後の濾液の清澄度を評価した。なお濾
液の清澄度測定には、濾過圧力を0.5Kg/cm2、スラリ−
濃度を0.005、F/Cの容積混合比を0.5とし、濾過実験開
始から2分後の濾液を使用した。
【0030】
【発明の効果】本発明によって得られた耐酸性ケイ酸カ
ルシウム濾過助剤の溶解度は大きく抑制され、既存のケ
イソウ土濾過助剤に匹敵するものであり、かつル−スの
定圧濾過係数、濾液の清澄度等の濾過特性値において
も、ケイソウ土濾過助剤より優れている。また、ケイソ
ウ土濾過助剤のように粉砕、分級等を必要とせず、反応
条件を適切に調整することによって、目的に応じた粒子
径や結晶形態の濾過助剤を容易に安定供給することを可
能にし、工業的に利用価値の高いものである。更に、原
料を選定することによって有機質や鉄分を含まない濾過
助剤を安定的に供給できることから、医薬関係、食品関
係、石油化学関係などへの利用が有望である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安 部 英 一 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 九 州工業技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の
    Ca/(Si+Al)モル比は0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si
    +Al)モル比が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ
    −トクレ−ブを使用して水溶液中で水熱反応させ、次い
    でこのケイ酸カルシウムを800〜1200℃で加熱処理する
    ことを特徴とする耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤の調
    整方法。
  2. 【請求項2】 シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の
    Ca/(Si+Al)モル比は0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si
    +Al)モル比が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ
    −トクレ−ブを使用して0.01〜1.0NのKOH溶液中で水熱
    反応させ、次いでこのケイ酸カルシウムを800〜1200℃
    で加熱処理することを特徴とする耐酸性ケイ酸カルシウ
    ム濾過助剤の調整方法。
  3. 【請求項3】 シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の
    Ca/(Si+Al)モル比は0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si
    +Al)モル比が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ
    −トクレ−ブを使用して水溶液中で水熱反応させ、次い
    でこのケイ酸カルシウムを炭酸化処理し、更に酸性溶液
    中で処理することを特徴とする耐酸性ケイ酸カルシウム
    濾過助剤の調整方法。
  4. 【請求項4】 シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の
    Ca/(Si+Al)モル比は0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si
    +Al)モル比が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ
    −トクレ−ブを使用して0.01〜1.0NのKOH溶液中で水熱
    反応させ、次いでこのケイ酸カルシウムを炭酸化処理
    し、更に酸性溶液中で処理することを特徴とする耐酸性
    ケイ酸カルシウム濾過助剤の調整方法。
  5. 【請求項5】 シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の
    Ca/(Si+Al)モル比は0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si
    +Al)モル比が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ
    −トクレ−ブを使用して水溶液中で水熱反応させ、次い
    でこのケイ酸カルシウムを炭酸化処理した後酸性溶液中
    で処理し、更に800〜1400℃で加熱処理することを特徴
    とする耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤の調整方法。
  6. 【請求項6】 シリカおよびアルミナ原料と石灰原料の
    Ca/(Si+Al)モル比は0.2〜1.2の範囲で、その内のAl/(Si
    +Al)モル比が0.01〜0.2の範囲になるように混合し、オ
    −トクレ−ブを使用して0.01〜1.0NのKOH溶液中で水熱
    反応させ、次いでこのケイ酸カルシウムを炭酸化処理し
    た後酸性溶液中で処理し、更に800〜1400℃で加熱処理
    することを特徴とする耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤
    の調整方法。
JP9029396A 1996-03-19 1996-03-19 耐酸性ケイ酸カルシウムろ過助剤の製造方法 Expired - Lifetime JP2934826B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9029396A JP2934826B2 (ja) 1996-03-19 1996-03-19 耐酸性ケイ酸カルシウムろ過助剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9029396A JP2934826B2 (ja) 1996-03-19 1996-03-19 耐酸性ケイ酸カルシウムろ過助剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09255323A true JPH09255323A (ja) 1997-09-30
JP2934826B2 JP2934826B2 (ja) 1999-08-16

Family

ID=13994495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9029396A Expired - Lifetime JP2934826B2 (ja) 1996-03-19 1996-03-19 耐酸性ケイ酸カルシウムろ過助剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2934826B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002292372A (ja) * 2001-01-29 2002-10-08 Sekisui Chem Co Ltd 脱リン材の製造方法
JP2003117566A (ja) * 2001-10-17 2003-04-22 Sekisui Chem Co Ltd 脱リン材
JP2008248656A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fukui Prefecture 多機能保水材およびそれを用いた多機能保水性舗装体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002292372A (ja) * 2001-01-29 2002-10-08 Sekisui Chem Co Ltd 脱リン材の製造方法
JP2003117566A (ja) * 2001-10-17 2003-04-22 Sekisui Chem Co Ltd 脱リン材
JP2008248656A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fukui Prefecture 多機能保水材およびそれを用いた多機能保水性舗装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2934826B2 (ja) 1999-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022513266A (ja) ゼオライトおよびその製造方法
JP2005001949A (ja) 酸化マグネシウム粉末及びその製造方法
CN108706614B (zh) 一种活性硅铝粉及其制备方法
JPH04219310A (ja) 非焼結状クリストバライト粒子の製造方法
JP2507920B2 (ja) けい酸カルシウムを用いた耐酸性濾過助剤の製造方法
RU2402485C1 (ru) Способ получения аморфного диоксида кремния
US3116973A (en) Method for producing high purity silica from kaolin clay
JP2969182B1 (ja) 高純度非晶質ケイ酸の製造方法
JPH09255323A (ja) 耐酸性ケイ酸カルシウム濾過助剤の調整方法
JP2006306702A (ja) 薄板状シリカ多孔体の製造方法
JP2636203B2 (ja) 耐酸性けい酸カルシウム濾過助剤の調整方法
CN112573536A (zh) 一种纳米p型沸石及其制备方法和应用
Nadimi et al. Nonaqueous synthesis of large zeolite and molecular sieve crystals
CN109553121A (zh) 一种高纯低钠氢氧化铝的制备方法
HU207969B (en) Process for producing 4a-type finegrained cristalline zeolite powder
JP3035621B2 (ja) 耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法
JP3032814B2 (ja) 耐酸性ろ過助剤の製造方法
JPS6321212A (ja) 高純度シリカの製造方法
JP3466754B2 (ja) 酸化マグネシウムの精製方法
JPH07291616A (ja) 結晶質珪酸カルシウム水和物の製造方法
RU2620659C1 (ru) Способ получения жидкого стекла
JP3482673B2 (ja) ゼオライトβの製造方法
WO2024101157A1 (ja) 酸化マグネシウムの製造方法
JPH0818814B2 (ja) 多孔質粉体及びその製造方法
JPH07196315A (ja) ゼオライトの合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term