JPH09255136A - 可変速直進フィーダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１本のコンベアの上で物品の高速移送と停止と
を自由に選択して、移送される物品の切り離しと貯溜を
行うことを目的とする。 【機構】多数の平行に並んだローラが移動するコンベア
において、平行に架設された多数の孔を持つ２本の駆動
帯の孔に橋絡されたローラ軸に、円筒状のローラを回転
自在に包絡して、ローラ軸とローラの間の摩擦を転がり
摩擦としてローラの回転を容易にし、ローラの上下に摩
擦板を設けて、ローラと上または下から摩擦板が当接し
てローラをローラの進行方向に回転させたり、逆方向に
回転させたりして、物品を高速で移動したり、停止させ
たりすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は物品の移送に関するもの
である。第２次、第３次産業において１つの機械から次
の機械へ物品を移送することは合理化において重要な地
位を占めている。本発明は機械から機械への物品の移送
を合理化し、貯溜し、切り離す機能を併せ持つものであ
って、機械、電気などの産業分野を始め、食品、化粧
品、医薬品などの産業分野において、製造、加工、組
立、包装、計数などの作業の合理化、自動化に貢献する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】前段の機械から後段の機械へ物品を移送
する時に、前段の機械と後段の機械の特性の違いによ
り、該移送手段が一時的な貯溜の作用を持たねばならな
いことは公知の事実である。このような貯溜の作用を実
現するために従来はベルコンベアまたはシュートの上で
物品を押せ押せの状態に貯溜するものであった。また、
自動組立においてはベルトコンベアの上に治具を乗せて
走行させ、該治具に物品を乗せて物品の姿勢を保持しな
がら移送し、治具を押せ押せにしても物品は離れている
ようにしたフリーフローの組立機が用いられてきた。一
方、包装機では貯溜する方法がなく供給機から包装機へ
の供給はほとんどが手作業によるものであった。出願人
が先に発明した直進フィーダ（平成８年特許願第５９９
１２号）においては多数のローラを２本の駆動帯に回転
自在に橋絡し、該ローラを下側から摩擦板を押しつける
ことによってローラの上に乗った物品を増速して送るこ
とを可能とするものであった。該直進フィーダにおいて
はローラは両端の軸を駆動帯に設けた穴に回転自在に軸
支するものであったので、穴とローラの間の摩擦が滑り
摩擦となりローラの自由な回転を阻害する事があった。
本発明はこの欠陥を除去すると共に、物品を物品に触れ
ることなく停止させて貯溜し、高速で移動する事を可能
とするものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は先に出願人が
発明した直進フィーダの改良に関するものである。第１
図はローラと駆動帯の摩擦を軽減するための方法であ
る。同図（Ａ）は駆動帯１と２にローラ５をローラと駆
動帯の間に回転自在のローラ軸３を挿入したものの側方
から見た説明図であり、同図（Ｂ）はＸ方向から見た説
明図、（Ｃ）はＤの位置における断面図である。平行に
設置された２本の駆動帯１と２に多数の孔６を設け、該
孔６にローラ軸３の両端４を回転自在に挿入し、該ロー
ラ軸３を包絡して円筒状のローラ５を設ける。ローラ軸
３と孔６との間は滑り摩擦となるがローラ軸３とローラ
５の間は転がり摩擦となるので、ローラ５の回転に対す
る摩擦を軽減することができる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】第２図は下からローラを
持ち上げて物品を高速で移動する部分を持つ実施例を上
から見た説明図、第３図は横から見た説明図である。図
示しない架台に取り付けた２本の平行の基材０に駆動軸
１６と従動軸１５が設けられ、図示しないモータなどの
駆動源に駆動軸１６は接続される。該駆動軸１６に駆動
プーリ１３と１４が固定され、従動軸１５には従動プー
リ１１と１２が固定され、駆動プーリ１４と従動プーリ
１２に駆動帯２が巻き掛けられる。また、駆動プーリ１
３と従動プーリ１１に駆動帯１が巻き掛けられ、該駆動
帯１と２は多数の孔６が設けられている。該孔にはロー
ラ軸３の両端部４が回転自在に挿入され、ローラ軸３は
回転自在に駆動帯１と２に橋絡される。該ローラ軸３を
包絡して円筒状のローラ５がローラ軸３に対して回転自
在に設けられる。ローラ５の間の隙間は物品の大きさに
より選定される。上側を走行するローラ５の直近の下側
に図示しない公知の移動手段に取り付けた摩擦板２０が
設けられる。移動手段と摩擦板２０を複数個設ける事は
本発明の趣旨を変えるものではない。

【０００５】

【作用】第２図と第３図により本発明の作用を説明す
る。第４図はローラ５と摩擦板２０、２３が接する事に
よるローラ５の動きの説明図である。第２図において物
品は矢印の方向に沿って移動するものとする。よって、
駆動帯１と２は矢印の方向に図示しないモータにより移
動される。流入した物品はローラ５に乗って移動する
が、第４図（Ｂ）に示すごとくローラ５は自由な状態あ
るので、ローラ５は回転する事なく、２２の位置にまで
移動する。２２の位置に物品が達すると、図示しないセ
ンサにより物品が検出され、移動手段により摩擦板２０
はローラ５を持ち上げる如くにローラ５に接する。よっ
て第４図（Ａ）に示すごとくローラ５は摩擦板２０に接
する点を瞬時回転中心として回転するので、物品は駆動
帯１と２の速度の２倍の速度で移動する事となる。第４
図において駆動帯によるローラ５の中心の移動速度をＸ
で示し、物品の移動速度をＵ，Ｖで示してある。また、
物品とローラ５の重量は摩擦板２０によって受け止めら
れ、ローラ軸３にかかる事が少ないのでローラ５とロー
ラ軸３の間の摩擦は軽減され、ローラ軸３と駆動帯１と
２の孔との間の摩擦も軽減される。よって２２の位置か
ら２１の位置までの間はローラ５は摩擦板２０と接する
事により物品を高速で移動させる。すなわち摩擦板の長
さは２２の位置から２１の位置までの長さと等しい。物
品は２２の位置から２１の位置まで増速されるので後続
する物品と切り離しを行うことができる。

【０００６】

【実施例】第５図はローラ５を上から摩擦板２３によっ
て抑えて物品の移動を抑制する実施例を上から見た説明
図であり、第６図は横から見た説明図である。物品の先
端が２１の位置に達した事をセンサによって検出し、セ
ンサの信号により図示しない移動手段を付勢し、該移動
手段によりローラ５の直近の上方に設けた摩擦板２３を
降下させて、ローラ５と接するようにする。第４図
（Ｃ）に示すようにローラ５は摩擦板２３に接しながら
進行方向と逆の方向に回転するので、物品は移動する事
はない。通常、物品を貯溜させるためにシャッタなどの
公知の手段が用いられるが、このようにローラ５を逆回
転させる事によって物品に触れることなく物品の移動を
停止させることができる。該摩擦板２３及び２４は物品
の進行を阻害しないようにローラ５の両端に近く設置さ
れる。摩擦板２３と２４、移動手段を複数組設ける事は
本発明の趣旨を変えるものではない。また、摩擦板２３
と２４の何れかを省略する事も本発明の主旨を変えるも
のではない。ローラ５は２１と２２の間において逆回転
して物品の移送を停止するので、２１と２２の間の長
さ、すなわち摩擦板２３と２４の長さは物品の大きさに
対応して決められる。２１を先頭として物品が停止する
ので、後続の物品は２２より上流側に前の物品に接して
貯溜される事になるが、ローラは第４図（Ｃ）に示した
状態の摩擦板２３の代わりに物品が置かれる事となっ
て、物品が前の物品を押す力は発生しないので、押せ押
せに貯溜できない物品も貯溜することができる。

【０００７】第７図はローラ５の上下に摩擦板２０と２
３、２４を移動手段を介して装着した実施例の説明図で
あり、第８図は横から見た説明図である。前項で説明し
たようにセンサにより２１の位置に到達した物品を検出
して摩擦板２３と２４を降下させて２１と２２の間のロ
ーラを逆回転させて物品の動きを止め、後続する物品は
ローラ５が自由な状態にあるので前後の物品を押すこと
なく貯溜され、次工程からの命令により、摩擦板２３と
２４を引き上げてローラ５との接触をなくしてローラを
自由な状態にすると同時に、摩擦板２０を上昇させて２
１と２５の間のローラ５と接触させて、ローラ５を進行
方向に回転させて物品を高速で次工程に送り出す事がで
きる。物品を送り出した後再びセンサで次の物品が２１
の位置に到達した事を検出して摩擦板２３と２４を降下
させて停止させて、貯溜を行うことができる。また、貯
留された物品を１個づつに切り離して所定の間隔で供給
したり、所定の時間に所定の個数づつ切り離して供給す
ることもできる。摩擦板２０、２３、２４の大きさ、個
数、及び取付位置は物品の大きさ、供給の条件により決
定される。

【０００８】

【発明の効果】本発明によりただ１本のコンベアで物品
の引き離し、貯溜、移送が物品に触れることなくできる
ようになったので、加工、包装、組立、などの作業の合
理化、自動化に寄与するだけでなく、自動組立のフリー
フローコンベアとしても利用することが可能であるの
で、自動化に寄与するところ絶大であると考える。

【図面の簡単な説明】

【図１】ローラの説明図 （Ａ）ローラを横から見た説明図 （Ｂ）ローラ端部をＸ方向から見た説明図 （Ｃ）ローラ部分の断面図

【符号の説明】

１：駆動帯、２：駆動帯、３：ローラ軸、４：ローラ軸
の両端部、５：ローラ、６：孔

【図２】増速する時の実施例の上から見た説明図

【符号の説明】

０：基材、１：駆動帯、２：駆動帯、４：ローラ軸の両
端部、５：ローラ、１１：従動プーリ、１２：従動プー
リ、１３：駆動プーリ、１４駆動プーリ、１５従動軸、
１６駆動軸、２０：摩擦板、２１停止位置、２２、増速
位置、

【図３】増速する時の実施例の横から見た説明図

【符号の説明】 ０：基材、１：駆動帯、４：ローラ軸の両端部、５：ロ
ーラ、１１：従動プーリ、１３：駆動プーリ、１５従動
軸、１６駆動軸、２０：摩擦板、２１停止位置、２２、
増速位置、

【図４】ローラの回転の説明図 （Ａ）ローラの下側に摩擦板を接触させた時 （Ｂ）ローラに摩擦板を接触させない時 （Ｃ）ローラの上側に摩擦板を接触させた時

【符号の説明】

３：ローラ軸、４：ローラ軸両端部、５：ローラ、２
０：摩擦板、２３：摩擦板、Ｐ：ローラと物品の接触
点、Ｘ：ローラ軸の移動速度、Ｕ：物品の移動速度、
Ｖ：物品の移動速度、

【図５】 物品を停止させる時の実施例を上から見た説
明図

【符号の説明】

０：基材、１：駆動帯、２：駆動帯、４：ローラ軸の両
端部、５：ローラ、１１：従動プーリ、１２：従動プー
リ、１３：駆動プーリ、１４駆動プーリ、１５従動軸、
１６駆動軸、２１停止位置、２２、増速位置、２３：摩
擦板、２４摩擦板、

【図６】物品を停止させる時の実施例を横から見た説明
図

【符号の説明】

０：基材、１：駆動帯、４：ローラ軸の両端部、５：ロ
ーラ、１１：従動プーリ、１３：駆動プーリ、１５従動
軸、１６駆動軸、２１停止位置、２２、増速位置、２
３：摩擦板、２４摩擦板、

【図７】物品を増速送り出しと停止させる時の実施例を
上から見た説明図

【符号の説明】

０：基材、１：駆動帯、２：駆動帯、４：ローラ軸の両
端部、５：ローラ、１１：従動プーリ、１２：従動プー
リ、１３：駆動プーリ、１４駆動プーリ、１５従動軸、
１６駆動軸、２０：摩擦板、２１停止位置、２２、増速
位置、２３：摩擦板、 ２４摩擦板、２５：増速終了位
置

【図８】物品を停止させる時の実施例を横から見た説明
図

【符号の説明】

０：基材、１：駆動帯、４：ローラ軸の両端部、５：ロ
ーラ、１１：従動プーリ、１３：駆動プーリ、１５従動
軸、１６駆動軸、２０：摩擦板、２１停止位置、２２、
増速位置、２３：摩擦板、２４摩擦板、２５：増速終了
位置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多数のローラが移動して物品を移送するコ
   ンベアにおいて、平行に設置された２条の無端の駆動帯
   と、該駆動帯に設けた多数の孔に両端を回転自在に軸支
   された多数のローラ軸と、該ローラ軸を回転自在に包絡
   する円筒状の多数のローラと、物品が搭載されるローラ
   の直近の下側に移動手段を介して設けた１個または複数
   個の摩擦板とで構成し、移動手段によりローラ下側に摩
   擦板を当接させて物品をローラの移動速度より早い速度
   で移送する摩擦板を持つことを特長とする可変速直進フ
   ィーダ。
2. 【請求項２】多数のローラが移動して物品を移送するコ
   ンベアにおいて、平行に設置された２条の無端の駆動帯
   と、該駆動帯に設けた多数の孔に両端を回転自在に軸支
   された多数のローラ軸と、該ローラ軸を回転自在に包絡
   する円筒状の多数のローラと、物品が搭載されるローラ
   の直近の上側に移動手段を介して設けた１個または複数
   個の摩擦板とで構成し、移動手段によりローラ上側に摩
   擦板を当接させて物品の動きを停止させる摩擦板を持つ
   ことを特長とする可変速直進フィーダ。
3. 【請求項３】多数のローラが移動して物品を移送するコ
   ンベアにおいて、平行に設置された２条の無端の駆動帯
   と、該駆動帯に設けた多数の孔に両端を回転自在に軸支
   された多数のローラ軸と、該ローラ軸を回転自在に包絡
   する円筒状の多数のローラと、物品が搭載されるローラ
   の直近の下側に移動手段を介して設けた１個または複数
   個の摩擦板と、物品が搭載されるローラの直近の上側に
   移動手段を介して設けた１個または複数個の摩擦板とで
   構成し、移動手段によりローラ下側に摩擦板を当接させ
   て物品をローラの移動速度より早い速度で移送する摩擦
   板と移動手段にによりローラ上側に摩擦板を当接させて
   物品の動きを停止させる摩擦板とを持ち物品の移送、停
   止を行うことのできることを特長とする可変速直進フィ
   ーダ。