JPH09254297A - 導電性を有する積層樹脂成形体 - Google Patents

導電性を有する積層樹脂成形体

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JPH09254297A
JPH09254297A JP8089974A JP8997496A JPH09254297A JP H09254297 A JPH09254297 A JP H09254297A JP 8089974 A JP8089974 A JP 8089974A JP 8997496 A JP8997496 A JP 8997496A JP H09254297 A JPH09254297 A JP H09254297A
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JP
Japan
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resin
laminated
resin molded
spiral
conductive
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JP8089974A
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English (en)
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Takahisa Kamiyama
隆久 上山
Yoshihiro Matsukura
義弘 松庫
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Kureha Corp
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Kureha Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/30Extrusion nozzles or dies
    • B29C48/32Extrusion nozzles or dies with annular openings, e.g. for forming tubular articles
    • B29C48/335Multiple annular extrusion nozzles in coaxial arrangement, e.g. for making multi-layered tubular articles
    • B29C48/337Multiple annular extrusion nozzles in coaxial arrangement, e.g. for making multi-layered tubular articles the components merging at a common location
    • B29C48/338Multiple annular extrusion nozzles in coaxial arrangement, e.g. for making multi-layered tubular articles the components merging at a common location using a die with concentric parts, e.g. rings, cylinders
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29C48/03Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
    • B29C48/09Articles with cross-sections having partially or fully enclosed cavities, e.g. pipes or channels

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中庸な導電性を維持しつつ、導電性樹脂の単
独成形体では得られない積層樹脂成形体を与える。 【解決手段】 導電性あるいは半導電性を有する樹脂層
と絶縁性樹脂層からなり、主たる二表面を有し、該二表
面に直交する少なくとも一の断面において、前記の樹脂
層が前記二表面に対して連通して斜めに積層された積層
樹脂成形体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性あるいは半
導電性を有する樹脂層(包括的に「透電性樹脂層」ある
いは「低抵抗樹脂層」と称することもできよう)と絶縁
性樹脂層とが、主たる二表面に対して、連通して斜めに
積層しているシート状ないしフィルム状積層樹脂成形体
に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性あるいは半導電性を有するシート
ないしフィルム(以下特に厚みを限定する意図を持たず
に、包括的に「フィルム」と称する)として、本質的に
絶縁性である熱可塑性樹脂にカーボンブラック、カーボ
ン繊維、金属粉・フレーク、金属繊維などの無機物質
や、カチオン系、アニオン系、ノニオン系または両性系
の界面活性剤、導電性を有するゴムなどの導電性付与物
質を混入したものをフィルム状に加工したものが広く知
られており、導電性フィルムもしくは帯電防止フィルム
として半導体関連の包装材料(ICトレー、スタティッ
クやプリント基板の包装材料)や電子写真静電記録材
料、帯電防止材料、電波遮断材料などに用いられてい
る。しかし、その使用状況によっては、導電性あるいは
半導電性を有するフィルムのみでは満足し得ない性能、
柔軟性、可とう性)が必要になる場合があり、他の樹脂
層を新たに設けて、不足している特性を補おうとした場
合、新設層によって本来の導電性(特に厚み方向の導電
性)が大きく阻害されてしまう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した事情に鑑み、
本発明の主要な目的は、厚み方向の導電性あるいは半導
電性を有し、ヤング率などの調整が容易な積層樹脂成形
体を提供することにある。
【0004】本発明の別の目的は、厚み方向にも導電性
を有し、かつ、表面の導電性に異方性がある積層樹脂成
形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
あるいは半導電性を有する樹脂層と絶縁性樹脂層とから
なり、主たる二表面を有し、該二表面に直交する少なく
とも一の断面において、前記の樹脂の層が前記二表面に
対し連通して斜めに斜めに積層されていることを特徴と
する積層樹脂成形体が提供される。
【0006】[発明の具体的説明]以下、本発明を図面
を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0007】従来の積層樹脂成形体は、図1の(a)、
(b)、(c)にそれぞれ、概念的斜視図、軸に平行す
る縦方向(MD)部分断面図、軸に直交する横方向(T
D)部分断面図に示すように、構成樹脂層A、Bが一体
に端部まで平行に積層したものである。
【0008】これに対し本発明の積層樹脂成形体は、そ
の好ましい製造方法の一例としてのスパイラルダイを用
いて得られる、一例としての積層樹脂成形体1の概念的
斜視図、MD方向部分断面図およびTD部分断面図を、
それぞれ図2の(a)、(b)、(c)に示すようにM
D断面は、導電性または半導電性の樹脂層Aと、絶縁性
の樹脂層Bが交互に主たる二表面1a、1bに平行に積
層した形態を示す(図2(b))が、TD断面には、各
樹脂層A、Bのそれぞれが、主たる二表面1a、1bに
到達するようにして交互に斜めに積層して存在する。但
し、個々の樹脂層A、Bが、積層樹脂成形体1の主たる
二表面1a、1bとなす角度θ(゜)は、図2(c)に
誇張して表現されるほど大きくはなく、一般に0゜超過
4゜以下の範囲、特に0.001゜〜1.0゜の範囲で
ある。なお、該角度θは、次の関係式により表わすこと
ができる(展開角(ω(゜))は後述する)。
【0009】tanθ=[積層樹脂成形体フィルムの厚
さ(mm)]/[筒状の積層樹脂成形体フィルムの円周
の長さ(mm)×展開角(ω)/360゜] このような特徴的な斜め積層構造の結果として、本発明
の積層樹脂成形体は、主たる二表面に構成樹脂層A、B
が交互に存在し、各樹脂層A、Bがそれぞれ導電性ある
いは半導電性を有する樹脂と絶縁性樹脂の少なくとも二
種類の樹脂からなり、この積層樹脂成形体は、表面抵抗
や体積抵抗などの抵抗値が小さく(導電性が良好)、そ
の表面の導電性に異方性があり、かつヤング率などの調
整が行ないやすい特徴を有している。
【0010】上記においては、二種の樹脂A、Bの交互
積層構造体(A/B/A/B/A/B・・・)について
述べた。しかし、各層の積層順序は任意であり、例えば
二種の樹脂A、Bに関しても、A/B/B/A/B/B
/A・・・あるいはA/B/B/A/A/B/B/A・
・・のような繰り返し構造も可能である。全体として均
質なフィルムを得るために、一定の順序で繰り返し積層
を行ない積層樹脂成形体を得ることが好ましい。また三
種以上の樹脂を積層することも、もちろん可能であり、
例えば三種の樹脂、A、B、C(任意の樹脂であり得
る)についての積層順序の例としては、以下のようなも
のがある。
【0011】A/B/C/A/B/C/A・・・・・・
・・・、A/B/C/B/A/B/C/B/A・・・・
・、A/B/A/B/C/A/B/A/B/C・・・、
A/B/C/C/B/A/A/B/C/C・・・、A/
C/B/C/A/C/B/C/A・・・・・。
【0012】一般に好ましい製造方法としてのスパイラ
ルダイを用いるインフレーション法による製造を考慮し
た場合、複数(n;ただしnは自然数である)の異なる
樹脂すなわち積層用の樹脂層の種類の数(n)は、2〜
4、一方、積層数(m;ただしmは自然数で、n<mの
関係にある)すなわち後述するスパイラル流路溝24
a、24b等を合計したスパイラル流路溝数(m)、換
言するとスパイラル条数(m)は、4〜256溝
(層)、更には8〜128溝(層)、特に16〜64溝
(層)程度とすることが好ましく、特定の面方向位置に
おける厚み積層数は、4〜100層、特に6〜20層で
あることが好ましい。この厚み方向積層数は、スパイラ
ル流路溝数(スパイラル条数)mと、展開角ωとからm
×ω/360゜として求まるものである。積層樹脂成形
体の全体厚さは、かなり幅広く制御可能であるが、例え
ば10μm〜1mm、特に15〜500μm程度の厚さ
が好ましい。
【0013】次に、本発明の積層樹脂成形体の好ましい
製造方法としてのスパイラルダイを用いた溶融成型法の
概要について述べる。
【0014】まず、比較のために、従来の多層用スパイ
ラルダイを用いる方法について、図3に基づいて説明す
る。まず押出機10a(図示せず)より押出されてスパ
イラルダイ11内に導入された樹脂Bは、第1ダイリン
グ(最内リング)12aの外周近傍に配置されたいわゆ
る(逆)トーナメント型の分岐路13a(複数あるが一
のみ例示)により均一に分岐されながら、第1ダイリン
グ12aの外周面に設けられた複数のスパイラル流路溝
14aに導入される。スパイラル流路溝14aの各々
は、進行方向(上方)に進むに従って次第に小さくなる
溝深さを有し、ここを通る溶融樹脂Bの流れは第2ダイ
リング12bとの間隙で溝を溢れた漏洩流を形成しつつ
螺旋状に上方へと進行し、遂には溝のない筒状流路15
aを均一な軸方向筒状流として上方に進行し、合流点1
6に至る。他方、押出機10bより押出された溶融樹脂
Aの流れは同様に分岐、漏洩流を伴う螺旋流れを経て、
筒状流路15bを通る均質な軸方向筒状流となり合流点
16に至る。また押出機10cより押出された溶融樹脂
Bの流れも同様に分岐、漏洩流を伴う螺旋流れを経て、
筒状流路15cを通る均質な軸方向筒状流となり合流点
16に至る。合流点16において、これら三つの溶融樹
脂流は積層され、筒状の積層樹脂成形体としてダイリッ
プ17より押出される。ダイリップ17より押出された
筒状の積層樹脂成形体は、図3(b)に示すように、樹
脂層Aを中間層として、その両側に樹脂層Bが存在する
筒状積層体を構成する。
【0015】これに対し、図4(a)は、本発明の積層
樹脂成形体の好ましい製造方法に用いられるスパイラル
ダイ21の模式断面図であり、押出機20aおよび20
bより押出されて、それぞれスパイラルダイ21に導入
された溶融樹脂AおよびBの流れは、それぞれ、それ自
体は図3(a)の13aと同様な(逆)ト−ナメント型
の分岐路(図示せず、後述)によって分岐されたのち、
それぞれ複数のスパイラル流路溝24a、24bに導入
される。その後、これらスパイラル流路溝に沿って漏洩
流を伴う螺旋流れとして、内側ダイリング22aと外側
ダイリング22bの間の単一の筒状流路を上方に進行す
る過程で、これら溶融樹脂AとBとが主たる二表面に対
して交互に斜めに積層され、スパイラル流路溝のない筒
状流路25を経てダイリップ27から押出される。押出
された筒状の積層樹脂成形体は、図4(b)に示すよう
に、樹脂AとBとが主たる二表面に対して交互に斜めに
積層した周方向断面(軸に直交する横方向(TD)断
面)を有することとなる。
【0016】図5は、溶融樹脂流AおよびBの分配−積
層の態様をより詳しく説明するための、図4(a)の一
点鎖線で囲んだ枠III部の模式斜視図である。すなわ
ち、押出機20aおよび20bを通じてスパイラルダイ
21内に導入された溶融樹脂流A、Bは、まずトーナメ
ント分岐点23a1、23b1に到達し、ここから更に
分岐点23a2、23b2・・・を通じて分岐をそれぞ
れ繰り返し、最終分岐点23a3、23b3を過ぎたの
ち、分配部最終流路28a、28b、28a、28b・
・・に導入され、ここからはスパイラル流路溝24a、
24b、24a、24b・・・に溶融樹脂流A、Bが交
互に流入する。なお、ここでスパイラル流路溝24a、
24b、24a、24b・・・の開始点(分配部最終流
路28a、28b、28a、28b・・・の終点)は、
内側ダイリング22aの同一円周線上に位置している。
そして、スパイラル流路溝24a、24bに入った溶融
樹脂流A、Bは、当初は、専ら該スパイラル流路溝24
a、24bに沿った螺旋流れとして進むが、次第に内側
ダイリング22a、特にそのスパイラル山22aaと、
外側ダイリング22bとの間隙である流路22abにス
パイラル山22aaを乗り越える漏洩流が流路に沿って
(すなわち上方へと)生ずる。すなわち、あたかも樹脂
A、樹脂Bの溶融樹脂流膜が円周方向に形成される如く
各スパイラル流路溝から流出する。そして、かくして形
成された樹脂A、樹脂Bの溶融樹脂流膜は、それぞれ下
流側のスパイラル溝24b、24aから流出した樹脂
B、樹脂Aの溶融樹脂流膜に、それぞれ、即ち溶融樹脂
流膜Aと溶融樹脂流膜Bとが交互にかぶさるように積層
されていく。その積層される角度は、各スパイラル流路
溝から漏洩する樹脂の展開角ω(図4(b))に一致す
る。すなわち、スパイラル流路溝の開始点が外表面側を
形成し、積層されるに従って内表面側へと移動して、展
開角ωだけ移動したところで内表面に到達する。このよ
うに樹脂Aと樹脂Bは、それぞれの展開角ω分だけ傾斜
状態で積層される(図4(b))。展開角ω(゜)は、
樹脂A、Bのそれぞれについて形成されるスパイラル流
路溝24a、24bの当初深さ、および次第に浅くなる
割合等によって制御可能であるが、一般に60゜〜72
0゜の範囲、好ましくは80゜〜360゜の範囲、より
好ましくは130゜〜230゜の範囲である。展開角ω
が60゜未満では、得られる積層体に厚み斑が多くな
り、一方、720゜超過では、成形時にスパイラルダイ
内での圧力が大きくなり、成形加工が難しくなる。
【0017】図4に戻って、ダイリップより押出された
筒状の積層樹脂成形体を一般には軸と平行な方向に引き
裂くことにより図2(a)〜(c)に示すような本発明
の積層樹脂成形体が得られる。
【0018】上記において、本発明の積層樹脂成形体の
好ましい製造方法としてのスパイラルダイを用いた成型
法の概要を述べた。しかしながら本発明の積層樹脂成形
体は、上記方法以外にも、例えば別途形成しておいた樹
脂A膜と樹脂B膜を、必要に応じて間に接着剤層を介し
て、平面位置をずらしながら交互に積層する方法によっ
ても形成することが可能である。
【0019】次に、本発明の導電性を有する積層樹脂成
形体の、各層の構成樹脂について述べる。
【0020】この積層樹脂成形体は、A樹脂として導電
性あるいは半導電性を有する樹脂を用い、B樹脂として
絶縁性樹脂を用い、これらを交互に積層して図2に示す
ごとき積層構造としたものであり、好ましくは上記した
スパイラルダイを用いて形成される。
【0021】導電性あるいは半導電性を有する樹脂とし
ては、絶縁性の熱可塑性樹脂に導電性付与物質を混入し
たものが好適に用いられる。導電性付与物質としては、
導電性を有するゴム、カーボンブラック、カーボン繊
維、金属粉・フレーク、金属繊維などの無機物質やカチ
オン系、アニオン系、ノニオン系または両性系の界面活
性剤などが挙げられる。導電性あるいは半導電性を有す
る樹脂の電気抵抗値としては、表面抵抗率が1×1013
Ω/□以下のもの、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以
下のものが好ましい。
【0022】一方、B樹脂は、積層樹脂成形体の導電性
に異方性を付与するために絶縁性樹脂であることが好ま
しく、その電気抵抗値は表面抵抗率が1×1014Ω/□
以上のもの、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上ので
あることが好ましい。B樹脂として用いる樹脂は、積層
体フィルムに導電性あるいは半導電性を有する樹脂層
(A樹脂)のみでは満足し得ない性能を付与する目的で
設けられる樹脂層であり、付与する性能は積層樹脂成形
体が使用される目的に応じて変わりうるが、一般に耐熱
性、耐寒性、柔軟性、引張強度、衝撃強度、ガスバリア
性などが挙げられる。
【0023】もっとも、本発明の積層樹脂成形体を構成
する導電性または半導電性の樹脂(層)Aと絶縁性の樹
脂(層)Bとは、両者のそれぞれの抵抗値の絶対値とい
うよりは、両者間の抵抗値に本質的な差があることを特
徴とするものである。
【0024】これらの樹脂A及びBをそれぞれ構成す
る、樹脂混合物あるいは単独樹脂は、その加工温度にお
ける溶融粘度が、100〜5000Pa・s、好ましく
は300〜2000Pa・s、更に好ましくは400〜
1200Pa・sのものが望ましい。
【0025】本発明のスパイラルダイを用いて、交互斜
め積層体を形成する場合、導電性あるいは半導電性を有
する樹脂(A樹脂)と絶縁性を有する樹脂(B樹脂)と
は、スパイラルダイに導入される樹脂の体積比が、1:
0.05〜1:20、より好ましくは1:0.3〜1:
3、更に好ましくは1:0.6〜1:1.5の割合であ
ることが好ましい。なお、この体積比は、導電性あるい
は半導電性を有する樹脂が導入されるスパイラル流路溝
と絶縁性を有する樹脂が導入されるスパイラル流路溝の
開始点及び終点における溝深さや幅などがほぼ等しいス
パイラルを用いた場合の例であり、これらを含めたスパ
イラル流路デザインの変更により、上記体積比は変化す
る。
【0026】また、スパイラルダイに導入される導電性
あるいは半導電性を有する樹脂と絶縁性を有する樹脂は
近似した溶融粘度を有することが望ましく、例えば、導
電性あるいは半導電性を有する樹脂が導入されるスパイ
ラル流路溝と絶縁性を有する樹脂が導入されるスパイラ
ル流路溝の開始点及び終点における溝深さや幅などがほ
ぼ等しいスパイラルを用いる場合には、その加工温度に
おける溶融粘度比が、1:0.5〜1:2.0、より好
ましくは1:0.6〜1:1.5、特に1:0.7〜
1:1.3の範囲内であることが好ましい。但し、上記
溶融粘度の最適比は、スパイラル流路溝の溝深さや幅な
どのスパイラル流路デザインの変更によって変化し得
る。
【0027】上記のようにして形成された積層樹脂成形
体は、図2に示すように、導電性あるいは半導電性を有
する樹脂層Aと、絶縁性樹脂層Bとが、その主たる二表
面に対して、MD方向断面においては平行に、TD方向
断面においては連通して斜めに積層している。従って主
たる二表面には導電性あるいは半導電性を有する樹脂と
絶縁性樹脂が露出し、MD方向に対して平行にストライ
プ状に配置された形態を有している。このような形態に
より、この積層樹脂成形体は厚み方向に導電性を有し、
かつ、表面の導電性に異方性があるという特徴を有して
いる。
【0028】上記のようにして形成された積層樹脂成形
体は、例えば10〜1000μmの厚さを有する。この
積層樹脂成形体の延伸性や耐熱性を向上させる目的で、
電子線、ガンマ線などの放射線を照射しても良い。
【0029】上記のようにして得られた積層樹脂成形体
をその必要に応じて、チューブ方式、テンター方式ある
いはロール延伸方式などにより少なくとも一軸方向に
1.5倍以上延伸処理しても良い。
【0030】本発明の積層樹脂成形体は、導電性や非導
電性、ヤング率などの特徴を利用して、工業材料、特
に、電子部品などの包装用材料などに好適に用いられ
る。
【0031】以下、導電性を有する積層樹脂成形体の、
製造実施例及び比較例を挙げる。
【0032】(実施例1)図4のように2種の樹脂A、
Bを交互に流入加工でき、流入する樹脂A、Bがその主
たる二表面に対して交互に斜めに積層した多層樹脂成形
体を形成できるスパイラルダイ(m=32)を用いて、
2種の樹脂を円筒状に同時押出し、斜めに積層された多
層樹脂成形体を得た。ここで、樹脂Aとして導電性ゴム
で変性したポリメタクリル酸メチル(以下「変性PMM
A」と称する)、樹脂Bとして水添スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体(以下「SEBS」と称
する)を用いた。得られた円筒状の多層樹脂成形体は、
2種の樹脂A、Bの体積比が、変性PMMA:SEBS
=1:1、トータル厚み400μm、積層数は14〜1
5、円周長さが126mmであった。変性PMMAは呉
羽化学製バイヨンYM−301(表面抵抗率2.6×1
11Ω/□、体積抵抗率5.3×1010Ω・cm)を使
用し、SEBSは旭化成製タフテックH1052(表面
抵抗率2.5×1014Ω/□、体積抵抗率6.0×10
15Ω・cm)を用いた。押出温度条件を表2に示した。
得られた円筒状多層樹脂成形体を切り開き、円筒外側を
上面、円筒内側を下面として体積抵抗率を測定し、また
表面抵抗率は上下面各々について測定した。また、ヤン
グ率、透明性(ヘイズ)についても測定を行なった。結
果を表1に示した。
【0033】(比較例1)通常の2層スパイラルダイを
用いて、各々の層全てを円筒状に同時共押出し実施例1
の対照となる2層からなる多層樹脂成形体を製造した。
多層樹脂成形体の全周方向の長さは126mmであり、
その構成は次のとおりであった。そのときの押出温度条
件を表2に示した。
【0034】 内側 (変性PMMA / SEBS) 外側 厚み 200μm / 200μm 使用した樹脂は、実施例1で使用のものと同じである。
得られた円筒状多層樹脂成形体を切り開き、円筒外側を
上面、円筒内側を下面として体積抵抗率を測定し、また
表面抵抗率は上下面各々について測定した。また、ヤン
グ率、透明性(ヘイズ)についても測定を行なった。結
果を表1に示した。
【0035】(比較例2)通常の単層スパイラルを用い
て、変性PMMA50体積%とSEBS50体積%とか
らなる混合樹脂を円筒状に押出し、実施例1の対照とな
る厚さ400μmの単層樹脂成形体を製造した。単層樹
脂成形体の全周方向の長さは126mmであった。
【0036】使用した樹脂は、実施例1で使用のものと
同じである。得られた円筒状単層樹脂成形体を切り開き
円筒外側を上面、円筒内側を下面として体積抵抗率を測
定し、また表面抵抗率は上下面各々について測定した。
また、ヤング率、透明性(ヘイズ)についても測定を行
なった。結果を表1に示した。
【0037】(比較例3)圧縮成型機を用いて、実施例
1の対照となる変性PMMAのみからなる単層の樹脂成
形体を製造した。そのときの製造条件としては、加熱温
度は210℃とし、3分間予熱した後、圧力50kg/
cm2 で2分間加圧した。単層樹脂成形体の大きさは1
50mm×150mmであった。
【0038】使用した変性PMMA樹脂は、実施例1で
使用のものと同じである。得られた単層樹脂成形体の体
積抵抗率および表面抵抗率、ヤング率、透明性(ヘイ
ズ)を測定した。結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】(押出条件)
【0041】
【表2】
【0042】(測定方法) (1)体積抵抗率および表面抵抗率の測定 JIS K6911に準拠し、以下のような方法で測定
した。なお、体積抵抗率を測定するにあたって、電極
は、多層樹脂成形体を切り開いた円筒外側及び内側でほ
ぼ重なるような位置におくとともに、測定箇所として、
5か所(測定数5)で測定を行なった。この5か所での
体積抵抗率の平均値および、最大値、最小値を表1中に
示す。 ・測定機 ヒューレットパッカード社製 ハイ・レジスタンス・メータHP4339A レジスティビティセル 16008B ・測定条件 23℃、50%RH ・充電時間 1分間 ・電極 アルミ蒸着 ・電極サイズ 50mm ・測定電圧 1V ・制限電流 10mA ・荷重 5kg
【0043】(2)ヤング率 JIS K 7127に準拠し、オリエンテック(株)
製テンシロン万能試験機RTM−100を用いて、以下
の条件で測定した。 ・試料長(つかみ具間距離) 50mm ・試料幅 20mm ・クロスヘッド速度 5mm/min ・試験温度 23℃ ・試験湿度 50%相対湿度
【0044】(3)透明性(ヘイズ) 日本電色工業(株)製のΣ80 Color Meas
uring Systemを用いて試料のヘイズ(曇
価;%)を測定した。
【0045】ヘイズ値は数字が小さくなるほど、透明性
が良くなる方向を示し、数値が大きくなるほど、透明性
が悪くなる方向を示す。
【0046】 (用いたスパイラルダイの仕様) ・スパイラル条数(スパイラル流路溝数) 32 A樹脂側 16 B樹脂側 16 ・流路の巻数 1 ・スパイラルのピッチ 5.156mm ・スパイラルのピッチ角度 27.7゜ ・スパイラル流路溝の開始点及び終点における溝深さと幅 溝深さ(mm) 幅(mm) A樹脂側 開始点 5 3.5 終点 0 0 B樹脂側 開始点 5 3.5 終点 0 0 ・スパイラル山と外側ダイリングとの間隙の大きさ及びその押出方向への変化 開始点 0.5mm 終点 1.25mm ・内側ダイリングの直径およびその押出方向への変化 開始点 100mm 終点 97.5mm (評価)上記表1の結果より、次のことが理解できる。
【0047】すなわち、表面抵抗率が2.6×1011Ω
/□、体積抵抗率が5.3×1010Ω・cmである変性
PMMA(A樹脂)と、表面抵抗率が2.5×1014Ω
/□、体積抵抗率が6.5×1015Ω・cmであるSE
BS(B樹脂)との交互斜め積層体である実施例1の積
層成形体は、異方性(体積抵抗値の測定のバラツキとし
て現れている)を残しつつ、全体としては、表面抵抗率
が1.2〜1.6×1012Ω/□、体積抵抗率が1012
〜1013Ω・cmと、中間的な導電性を示し、良好な柔
軟性ならびに易変形性(ヤング率=390MPa)と、
透明性(ヘイズ10%)とを保持している。
【0048】これに対し、上記樹脂AとBとの平行積層
体である比較例1の積層体は、体積抵抗率が1.5×1
16Ω・cmと実質的に絶縁性の樹脂Bに支配されてお
り、導電性を示すことができない。
【0049】また、上記AおよびBの均一混合物からな
る比較例2の成形体は、中間的な導電性を示すものの、
異種樹脂の混合によりヘイズ値が88%と高く、透明性
を失っている。
【0050】また導電性樹脂Aのみからなる比較例3の
成形体は、導電性および透明性は良好であるものの、ヤ
ング率が830MPaと剛直な特性を示している。
【0051】換言すれば、実施例1の積層成形体は、比
較例3の導電性樹脂成形体に対し、絶縁性の樹脂層Bを
介在させることにより、良好な透明性を維持しつつ導電
性を低下調整し、且つ柔軟性、可撓性を付与するという
改質効果を示している。
【0052】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば導電性
あるいは半透電性樹脂層と、絶縁性樹脂層との斜め積層
体が与えられ、その特異的な構成により、導電性を穏や
かに調整しつつ、導電性また半導電性樹脂単独では得ら
れない複合的な特性の成形体が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層樹脂フィルムの斜視図および二方向
断面図。
【図2】本発明の実施例による積層樹脂フィルムの斜視
図および二方向断面図。
【図3】従来の多層用スパイラルダイの断面図および製
品フィルム断面図。
【図4】本発明の製造に適したスパイラルダイの断面図
および製品フィルムの断面図。
【図5】図4のスパイラルダイの要部の模式斜視図。
【符号の説明】
1:積層樹脂フィルム(1a、1b:その主たる二表
面) A:導電性または半導電性樹脂層 B:絶縁性樹脂層 10a、10b、10c:押出機 11、21:スパイラルダイ 12a、12b、22a、22b:ダイリング 22ab:内外ダイリング間間隙流路 13a、23a1、23a2、23a3、23b1、2
3b2、23b3:トーナメント分岐部 14a、24a、24b:スパイラル流路溝 15a、15b、15c、25:筒状流路 16:合流点 17、27:ダイリップ 28a、28b:分配部最終流路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性あるいは半導電性を有する樹脂層
    と絶縁性樹脂層とからなり、主たる二表面を有し、該二
    表面に直交する少なくとも一の断面において、前記の樹
    脂層が前記二表面に対して斜めに積層されてなることを
    特徴とする積層樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 導電性あるいは半導電性を有する樹脂層
    と絶縁性樹脂層の交互斜め積層体である請求項1記載の
    積層樹脂成形体。
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