JP2004224009A - 積層樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異質な樹脂の積層体であっても良好な構成樹脂の特性の調和した積層体を与えるという従来の斜め積層樹脂成形体の特徴を生かしつつ、構成樹脂の主たる二表面への露出に伴う問題点を解決し、更には、構成樹脂層界面の密着性を一層改善した積層樹脂成形体を与える。
【解決手段】複数の異なる樹脂の層からなり、主たる二表面を有し、該二表面に直交する少なくとも一の断面において、前記複数の樹脂が前記二表面に対し斜めに積層されてなり、且つ前記複数のうちの少なくとも一の樹脂は該二表面の少なくとも一方には露出せずに内部斜め層を形成させ、残る他の少なくとも一の樹脂が該二表面を覆うことを特徴とする積層樹脂成形体。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の異なる樹脂の層からなり、主たる二表面を有し、該二表面に直交する少なくとも一の断面において、前記複数の樹脂が前記二表面に対し斜めに積層されてなり、且つ前記複数のうちの少なくとも一の樹脂は該二表面の少なくとも一方には露出せずに内部斜め層を形成させ、残る他の少なくとも一の樹脂が該二表面を覆うことを特徴とする積層樹脂成形体。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の樹脂層を、主たる二表面に対し、斜めに積層してなるシート状ないしフィルム状積層樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートないしフィルム(以下、特に厚みを限定する意図を持たずに、包括的に「フィルム」と称する)状の樹脂に、単独の樹脂では得られない特性を付与するために複数の樹脂を複合してフィルム化することが広く行なわれている。複合フィルムの典型例としては、複数樹脂混合物の単層成形フィルム、複数樹脂層の積層フィルムがある。得られる複合フィルムの特性は、上記複合の態様によっても、もちろん異なり得るが、一般に構成樹脂(フィルム)の中間的な特性に落ち付くことが多い。例えば複数の構成樹脂層のそれぞれが端部まで一様に平行に積層された従来の積層樹脂フィルムは、厚さ方向においても、面方向においても、構成樹脂層の中間的な性質を示す場合が多い。これは、これで多くの場合に満足できるものであるが、場合によっては、個々の樹脂の特性がより強調された形態のフィルムが望ましい場合もある。
【0003】
上記観点で、本出願人は、既に主たる二表面に直交する少なくとも一つの断面において、複数の構成樹脂層が前記二表面に対して斜めに積層されてなる積層樹脂成形体を提案している(特開平8−90700号公報)。またその応用用途として特開平9−85847号、特開平9−87398号、特開平9−164577号、特開平9−164618号、特開平9−254297号、特開平9−254231号各公報には、前記特開平8−90700号公報と同様の積層樹脂成形体の開示があり、これらは包括的に、いわば「斜め積層樹脂成形体」とでも称すべき構造上の特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記斜め積層樹脂成形体の多くは、各構成樹脂の特長を生かした調和の取れた物性を与えられるが、各構成樹脂が、いずれも主たる二表面に露出するものであるため、不都合な点もある。例えば構成樹脂の一の熱安定性が悪い場合には、その金型表面との接触は加熱分解による成形体の色調、強度、バリアー性等の物性低下につながる。また、加水分解を起こしやすい樹脂の場合には、水分含有の内容物、および高湿度環境下の使用においては、樹脂の加水分解により同様に成形体の白化、強度、バリアー等の物性低下につながる。また、上記特開平8−90700号公報には、上記斜め積層樹脂成形体の少なくとも一表面を他の樹脂で被覆してなる積層樹脂成形体の開示があるが、これは被覆樹脂層と斜め積層部分との間に界面が存在するため全体としての積層樹脂成形体の調和性は乏しくなる。特に、斜め積層部分を構成する樹脂の一が、可塑剤等の低粘度成分を含む樹脂の場合には、成形加工金型内の流動において、低粘度成分は界面に局在しやすいため、斜め積層/被覆樹脂間の界面に低粘度成分が局在し、界面接着力の低下により剥離を生じ易くなる。したがって樹脂の組合せや使用条件等が限定されてしまう難点がある。
【0005】
従って、本発明は、上記した従来の斜め積層樹脂成形体の、異質な樹脂の積層体であっても良好な構成樹脂の特性の調和した積層体を与えるという特徴を生かしつつ、構成樹脂の主たる二表面への露出に伴う問題点を解決し、更には、構成樹脂層界の密着性を一層改善した積層樹脂成形体を与えること、を主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の目的で研究した結果、上記した特開平8−90700号公報に記載の斜め積層樹脂成形体において、斜め積層部分を構成する複数の樹脂の少なくとも一の、主たる二表面の少なくとも一への露出を阻止することにより、所望の積層樹脂成形体が得られることが見出された。
【0007】
本発明の積層樹脂成形体は、上述の知見に基づくものであり、複数の異なる樹脂の層からなり、主たる二表面を有し、該二表面に直交する少なくとも一の断面において、前記複数の樹脂が前記二表面に対し斜めに積層されてなり、且つ前記複数のうちの少なくとも一の樹脂は該二表面の少なくとも一方には露出せずに内部斜め層を形成させ、残る他の少なくとも一の樹脂が該二表面を覆うことを特徴とするものである。好ましくは、前記少なくとも一の樹脂は、主たる二表面のいずれにも露出せずに、内部斜め層のみを形成させる。
【0008】
また、本発明者らは、上述の積層樹脂成形体が、同じく上記した特開平8−90700号公報に開示された、好ましい積層樹脂成形体の製造方法において、使用されるスパイラルダイのスパイラル流路溝の形成位置を構成樹脂によって選択的に異ならせることにより、好適に形成されることを見出した。すなわち、本発明の積層樹脂成形体の製造方法は、互いに嵌装関係に配置された内側ダイリングと外側ダイリングとの間に、それぞれ次第に深さの減少する複数(m;ただしmは自然数である)のスパイラル流路溝を形成してなるスパイラルダイの、該複数(m)のスパライル流路溝に、複数(n;ただしnは自然数で、n<mの関係にある)の互いに異なる樹脂からなる溶融樹脂流を一定の順序で分配導入し、個々の樹脂流がスパライル流路溝を進行してダイ軸方向に均一な筒状流を形成する前に、前記複数の溶融樹脂流を前記スパライル流路溝からの漏洩流として前記一定の順序で積層させることにより、その周方向断面において前記複数樹脂が斜めに積層した積層筒状体を得ることからなり、更に前記複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂については、残りの他の樹脂に比べて、そのスパイラル流路溝の開始位置をスパイラルダイの軸方向に関して下流側にずらして、あるいはスパイラル流路溝の終了位置を上流側にずらして、該少なくとも一の樹脂の積層筒状体の内外二表面のいずれか少なくとも一への流出を阻止することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しつつ、より具体的に説明する。
【0010】
従来の一般的な積層樹脂成形体、すなわち平行積層樹脂シートは、図1の(a)、(b)、(c)にそれぞれ、概念的斜視図、軸に平行する縦(MD)方向部分断面図、軸に直交する横(TD)方向部分断面図により示すように、構成樹脂層A、Bが一様に端部まで、主たる二表面に平行に積層したものである。
【0011】
これに対し、本発明の積層樹脂成形体は、その好ましい製造方法の一例に従いスパイラルダイを用いて得られる、樹脂シート1の概念的斜視図、MD方向部分断面図およびTD方向部分断面図を、それぞれ図2の(a)、(b)、(c)に示すように、MD方向断面は、各樹脂層A、Bが交互に主たる二表面1a、1bに平行に積層した形態を示す(図2(b))が、TD方向断面には、各樹脂層A、Bが交互に斜めに積層して存在する。そして、図2(c)に示すように、樹脂層Aは、主たる二表面1a、1bのいずれか少なくとも一方(好ましい態様を示す図2(c)においては双方)に到達せずに、内部斜め層Aのみを形成し、主たる二表面1a、1bには樹脂Bのみが存在して被覆する構造となっている。
【0012】
これは、上記した、特開平8−90700号公報の斜め積層樹脂成形体においては、図2(c)に対応して、図3に示すように、そのTD方向断面において樹脂層A、Bがいずれも二表面層1a、1bに到達していたのと対比をなすものである。
【0013】
但し、図2(c)および図3に示すTD方向断面のいずれにおいても各層A、Bの傾斜角θは、図示されるよりも実際には小さく、高々1.5°以下である。(この点は、以下に、積層樹脂成形体の製造方法と関連して更に説明する。)そのため、各層A、Bは、積層体シートの任意の平面位置において、それぞれ少なくとも各3〜5層以上は積層した構造となっている。
【0014】
上述した特徴的な積層構造の結果として、本発明斜め積層樹脂成形体シートないしフィルムは、特開平8−90700号公報の積層樹脂成形体と同様に厚さ方向および面方向のバランスに優れるとともに、樹脂層Aが樹脂層Bに包み込まれることにより、樹脂層Aの表面露出に伴う、種々の不都合が回避される。すなわち、樹脂Aが、例えばポリ塩化ビニリデンのように熱分解し易い樹脂であっても、例えばポリエチレンのように熱安定性のよい樹脂を樹脂Bとして用いることにより、金型内流動中でのポリ塩化ビニリデンの加熱された金型内流路壁面との接触を極力防止して過熱による熱劣化を抑えることができる。また加水分解性の樹脂Aを使用する場合、これを耐水性の良好な樹脂Bで包むことになるような層構造を採れば、内容物や外気の湿度による樹脂Aの劣化を防ぎ積層樹脂成形体の劣化を防止することが可能になる。例えば、強度、ガスバリアー性等に優れるが比較的加水分解性の大なる生分解性樹脂であるポリグリコール酸からなる樹脂層Aを、ポリ乳酸またはポリブチレンサクシネートなどの耐水性のある生分解性樹脂からなる樹脂層Bで包み込む構造とすることにより、内容物や外気中の湿度の影響によるガスバリアー性、強度の低下あるいは白化等による外観不良を極力抑えつつ全体として生分解性の積層体シートないしフィルムが得られる。
【0015】
更に上記ポリグリコール酸とポリ乳酸またはポリブチレンサクシネートとからなる本発明の斜め積層樹脂成形体のフィルムは、ガスバリアー性および耐水性を有し、更に柔軟性と剛性のバランスの優れた生分解性のラップフィルムとして好適に使用することができる。
【0016】
また、樹脂層Aと樹脂層Bとが互いに極めて薄く交互に積層され且つ前者が後者に包み込まれる構造となるため、両樹脂間の親和性が比較的乏しい場合でも全体として極めて密着性の良好で一体性のよい積層樹脂成形体シートないしフィルムが得られる。
【0017】
上記においては、二種の樹脂A、Bの交互積層構造体(A/B/A/B/A/B・・・)について述べた。しかし、各種樹脂層の積層順序は任意であり、例えば二種の樹脂A、Bに関してもA/B/B/A/B/B/A・・・あるいはA/B/B/A/A/B/B/A・・・のような繰り返し構造も可能である。全体として均質な特性の積層樹脂成形体を得るために、一定の順序で繰り返し積層を行ない積層樹脂成形体を得ることが好ましい。上記例では、層Aは積層体の一表面のいずれにも露出しない構造となるが、必要に応じて、いずれか一方の面に露出させることはできる。また三種以上の樹脂を積層することも、もちろん可能であり、例えば三種の樹脂、A、B、Cについての積層順序の例としては、以下のようなものがある。
【0018】
【外1】
【0019】
この場合層Aの少なくとも一表面への露出が阻止され、層Bを少なくとも一表面に露出させるとして、層AおよびBの他表面への露出あるいは露出阻止、ならびに層Cの二表面への露出あるいは露出阻止は任意に設定可能である。
【0020】
以下、上記した好ましい一態様、すなわちA、B樹脂の交互積層体の製造を例にとって、本発明の積層樹脂成形体の製造方法の好ましい一態様を図面を参照しつつ、説明する。図4(a)は、その態様で用いられるスパイラルダイの断面図、図4(b)は、そのダイリップ出口における押出された中空管状シートの模式断面図、図5は図4(a)の一点鎖線で囲んだ枠V部の模式斜視図である。(なお、本発明の積層樹脂成形体は、上記した特開平8−90700号公報の積層樹脂成形体の改変に相当するものであり、その製造方法に関する以下の説明は、図1に示した構造を有する従来の平行積層成形体を与えるスパイラルダイを用いる製法ならびに図2(c)の断面構造を与える特開平8−90700号公報に開示の製法、更にはそこで用いるスパイラルダイのより詳細について述べた特開平8−90632号公報の記載に対比すると、より良く理解できるかとも思われる。必要な場合、参照されたい)。
【0021】
図4(a)およびその要部拡大斜視図である図5を参照して、押出機20aおよび20bより押出されて、それぞれスパイラルダイ21に導入された溶融樹脂AおよびBの流れは、トーナメント型の分岐路によって分岐されたのち、それぞれ複数のスパイラル流路溝24a、24bに導入される。ここで樹脂Aのスパイラル流路溝は、樹脂Bのスパイラル流路溝よりも軸方向下流側から始まり、上流側で終わる構造になっている。このため、まず樹脂Bのスパイラル流路溝からの漏洩流が内側ダイリングと外側ダイリングの間を単一の筒状流れとして進行する。そして樹脂Aのスパイラル流路溝に達すると、そこから漏洩してくる樹脂Aと交互にかぶさるように積層しながら下流(図の上方)へと進行する。そして樹脂Aのスパイラル流路溝の終わりに達すると、漏洩流は樹脂Bのみとなり、さらに樹脂Bのスパイラル流路溝の終わりに達した後、筒状流路を経てダイリップから押出される。このようにして押出された筒状樹脂成形体は、図4(b)に示すように、樹脂Bのみが主たる二表面に露出し、樹脂Aが内部で始点と終点を持ち積層した周方向断面を有することになる。
【0022】
図4(a)の一点鎖線で囲んだ枠V部の模式斜視図である図5を参照して、溶融樹脂流AおよびBの分配−積層の態様をより詳しく説明する。すなわち、押出機20a及び20bを通じてスパイラルダイ21内に導入された溶融樹脂流A、Bは、まずトーナメント分岐点23a1、23b1に到達し、ここから更に分岐点23a2、23b2…を通じて分岐をそれぞれ繰り返し、最終分岐点23a3、23b3を過ぎたのち、分配部最終流路28a、28b、28a、28b……に導入され、ここからはスパイラル流路溝24a、24b、24a、24b……に溶融樹脂流A、Bが交互に流入する。なお、ここで複数のスパイラル流路溝24b……の開始点(分配部最終流路28b……の終点)は、内側ダイリング22aの同一円周線上に位置している。一方、スパイラル流路溝24a……の開始点(分配部最終流路28a……の終点)は、スパイラル流路溝24bの開始点より、ダイリング軸方向の上方側(下流側)に位置している。このため、当初はスパイラル流路溝24bに入った溶融樹脂流Bの漏洩流が、内側ダイリング22aと外側ダイリング22bとの間隙である流路22abを上方へと流れるが、スパイラル流路溝24aの開始点に到達すると、溶融樹脂流Aの漏洩流と交互にかぶさるように積層されていく。ここで樹脂AおよびBの積層される角度は、各々のスパイラル流路溝から漏洩する樹脂の展開角ωA、ωBに一致する。すなわち、まず樹脂Bのスパイラル流路溝の開始点が外表面側を形成する。そして樹脂Bの開始点から角度ω′ずれた点から樹脂Aとの積層が始まり、開始点から角度ω′+ωAのところで樹脂Aの積層は終了する。その後開始点から角度ωBだけ移動したところで樹脂Bは外側ダイリング22bの内表面に到達して生成積層体の外表面を構成する。このように樹脂Aと樹脂Bは、それぞれの展開角ωA、ωB分だけ傾斜した状態で積層される。展開角ωA、ωBは、樹脂Aのスパイラル流路溝開始点の周方向ずれ角度、各溝の展開角、当初深さおよび次第に浅くなる割合、樹脂Aと樹脂Bの押出量比等により制御可能である。ωa、ωbは一般には60°〜720°の範囲、好ましくは80°〜360°(すなわち内側ダイを1周する過程で内側ダイリングから流出して、外側ダイリングの内面に到達する角度)の範囲、より好ましくは130°〜230°の範囲である。Wが60°未満では得られる積層体に厚み斑が多くなり、一方、720°超過では成形時にスパイラルダイ内での圧力が大きくなり、成形加工が難しくなる。
【0023】
このようにしてスパイラルダイ21のダイリップより押出された溶融筒状押出積層体(パリソン)は、そのまま冷却して筒状成形体として用いられるほか軸方向に切り開いて平板積層シートとして用いられる。本発明法に従い製造されるパリソンの典型的且つ好ましい寸法を例示すれば、周長(L)=150〜600mm、厚み(d)=150〜600μm(=0.15〜0.60μm)、展開角(ω)=90〜170°、傾斜角θ(図2(c))=6.5×10−3〜1.5°であり、これらの間には、
【数1】
の関係がある。また平面方向の任意位置での層A、Bの積層数としては、計8〜15層程度になり、各層厚みは10〜100μm程度となる。
【0024】
先にも述べたように、本発明の積層樹脂成形体は独特の斜め積層構造と、好ましくは一の樹脂が、他の樹脂を包み込む形態のために、異質樹脂の組み合わせであっても極めて優れた層間密着性を有する。これは、上述のようにしてスパイラルダイから押出されたパリソンについても同様である。この特徴の有利な利用形態の一つは、溶融パリソンを直ちに、あるいは一旦冷却後に再加熱して、拡周ならびに薄肉化のためのインフレーション工程が極めて円滑に行なえることである。このように得られたインフレーションフィルムは、上記パリソンの寸法と比べて、任意の平面位置での積層数および展開角(ω)は本質的に変らないが、薄肉化に伴い他の数値は変化する。典型的且つ好ましい範囲は、周長(L)=400〜3000mm、全体厚み(d)=8〜100μm、各層厚み=0.5〜12.5μm、傾斜角(θ)=3×10−4〜6×10−3°程度であり、各種包装材料その他に優れた適性を有するフィルムを与える。また内包される樹脂層Aの積層体の二表面(の少なくとも一方)からの距離は、積層体の用途ならびに樹脂層Aの内包の目的によって異なり得るものであり、その表面露出への影響が抑制されるものであれば、特に限定されない。例えば、積層体厚みの0.5%以上、場合により0.1%以上でも表面から隔離されていれば、充分にその目的は達成し得るものである。この位置は上記したスパイラルダイを用いる製造方法においては、樹脂Aのスパイラル流路溝の開始および終了位置を樹脂Bのそれから、ずらす割合によって制御可能である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明する。
【0026】
以下の例においては、主としてフィルムまたはシート状の積層樹脂成形体を製造した。
【0027】
【外2】
【0028】
<測定法>
実施例、比較例において得られたフィルムについては、主として、以下の機械的特性について測定した。
【0029】
1.引張伸度
JIS−K1727に準拠し、オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機RTM−100を用いて、以下の条件で測定した。
【0030】
【外3】
尚、引張り伸度は試料の破断点での値である。
【0031】
2.ヤング率
JIS−K1727に準拠し、オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機RTM−100を用いて、以下の条件で測定した。
【0032】
【外4】
【0033】
3.耐熱温度
東京都条例に準拠し、長さ14cm×幅3cmに切り出された試験片の両端から2.5cmずつの部分に、試験片と同じ幅の板目紙を粘着テープによって固定したものを試料とした。この固定部分の上端を治具に固定し、下端に10gの荷重をかけ、一定温度に調整したギアーオーブン中に迅速に入れ、1時間加熱し、加熱後試料の切断の有無を調べた。試験温度は5℃刻みに設定し、1時間経過後、試料が切断しなかった場合は、温度を5℃上げ前記の操作を繰り返した。耐熱温度は、試料が切断されない最高温度とした。
【0034】
4.延伸条件および延伸適性評価
得られた積層体(パリソンまたはシート)については、原則として延伸温度80℃、延伸倍率はMDおよびTDともに3倍の条件にて、インフレーションまたはテンター法によりフィルムを得、その特性を上記のようにして評価したが、別途、延伸適性の評価のため、上記条件を中心として延伸温度および延伸倍率を変化させ、良好な延伸のために好適な条件範囲の広さに基づいて、下記の基準で評価した。
【0035】
【外5】
【0036】
5.ガス透過度
酸素透過度はModern Controll社製MOCON OX−TRAN2/20により、23℃、相対湿度80%にて、水蒸気透過度はLYSSY製VAPOR PERMIATION TESTER L80−4000により、40℃、相対湿度90%で測定した。
【0037】
6.ヘイズ
日本電色工業製NDH2000により測定した。
【0038】
7.界面剥離試験
試験フィルムを2cm幅(長さ20cm)の短冊状に切り出して得た試料フィルム片を、一方の端部に100gの重りを付け、他方の端部をフィルムを1回ひねって摩擦試験機のサンプル台に固定した。次いで、フェロタイプレート(ステンレスハードクロム製、0.4mm厚)の端面が短冊試料の長さ方向の中央付近に当るようにセットし、摩擦試験機を動かして、短冊試料をフェロタイプレートの端面上を直角に、約10cmの振幅で、往復に摺動運動させた。耐剥離性を、往復運動1000回未満で、界面剥離が発生する場合をC、往復運動10000回以上でも界面剥離が発生しない場合をAとして評価した。
【0039】
【外6】
【0040】
(実施例1)
図4(a)に示すように2種の樹脂を交互に流入加工できる斜め積層体形成用スパイラルダイ(m=32)を用いて、前記ポリグリコール酸「PGA」を樹脂A、脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体「CO・PET」を樹脂Bとして、円筒状に同時押出し、斜め積層体パリソン(d=0.12mm)を得た。その後、パリソンを80℃の湯浴に通して予熱し、パリソン内部に空気を吹き込むインフレーション法により、縦方向約4倍、横方向約4倍の同時二軸延伸を行い、多層延伸フィルム(d=8μm)を製造した。樹脂比率はA:B=1:1とした。得られたフィルムの代表的な機械的性質を表1に示す。尚、本実施例で用いたスパイラルダイの仕様は以下の通りである。
【0041】
【外7】
【0042】
スパイラル流路溝の軸方向長さは、樹脂A側について約165mmであり、樹脂Bのスパイラル流路溝は、樹脂Aのそれに比べて開始点が約26mm上流、終点が約31mm下流とした。
【0043】
【外8】
【0044】
(比較例1)
流路の巻数がAおよびBとともに1.0である以外は、上記実施例1と同様であるが、スパイラル溝の軸方向開始および終了位置が、樹脂Aおよび樹脂Bにおいて共通する、特開平8−90700号公報に開示されるスパイラルダイを用いる以外は、実施例1と同様にして、PGA(樹脂A)とCO−PET(樹脂B)の斜め積層共押出ししてパリソンを得、その後インフレーションを行い、フィルムを得た。
【0045】
(比較例2)
上記比較例1で用いたものと同様のスパイラル流路溝を外周面に有する円筒状スパイラルダイに加えて、同心円状に内側と外側に、更に、筒状のスパイラル樹脂流路を設けた3層ダイを用いて、最外流路と最内流路にCO・PETを流し、3層全てを円筒状に共押出して、比較例1で得られるCO・PETとPGAの斜め積層体の内側と外側にCO−PET層が配置された多層パリソンを製造した。その後、この多層パリソンについて、実施例1と同様にインフレーション法により同時二軸延伸を行い、実施例1の対照となる8μmのB/(B/A斜め積層)/B(厚さ比=1/(0.8/0.8)/1)多層延伸フィルムを製造した。樹脂Aおよび樹脂Bは実施例1と同様である。
【0046】
(比較例3)
通常の3層スパイラルダイを用いて、各々の層全てを円筒状に同時共押出し、多層パリソンを製造した。その後、インフレーション法により同時二軸延伸を行い、実施例1の対照となる8μmのB/A/B(厚さ比=2/4/2)多層延伸フィルムを製造した。樹脂Aおよび樹脂Bは実施例1と同様である。
【0047】
上記実施例、比較例で得られたフィルムの代表的な機械的性質をまとめて表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
上記表1の結果を見ると、実施例1の内包型積層体は、比較例1の(PGA/CO−PET)斜め積層体、比較例2のCO−PET/(PGA/CO−PET)斜め積層/CO−PET積層体、および比較例3の3層平行積層体に比較して、引張伸度、ヤング率、ガス透過度およびヘイズに関して、構成樹脂の特徴を生かしてバランスが取れており、かつ界面接着力の強いフィルムとなっていることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、複数の異質な樹脂の積層体であっても良好な構成樹脂の特性の調和を与える斜め積層樹脂成形体の特性を生かしつつ、外表面への露出が好ましくない樹脂層を内包させ且つ構成樹脂間の密着性が一層改善された内包型の斜め積層樹脂成形体シート又はフィルム、特にフィルム、が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層樹脂シートの斜視図および二方向断面図。
【図2】本発明の実施例による樹脂シートの斜視図(a)、ならびに二方向断面図(b)および(c)。
【図3】特開平8−90700号公報に開示される斜め積層樹脂シートのTD方向厚さ断面図。
【図4】本発明の積層樹脂成形体の製造に適したスパイラルダイの断面図(a)および製品シート(パリソン)の断面図(b)。
【図5】図4のスパイラルダイの要部の模式斜視図。
【符号の説明】
1 積層樹脂シート(1a、1b:その主たる二表面)
A、B 構成樹脂
10a、10b、10c 押出機
11、21 スパイラルダイ
12a、12b、22a、22b ダイリング
22ab 内外ダイリング間間隙流路
13a、23a1、23a2、23a3、23b1、23b2、23b3 トーナメント分岐部
14a、24a、24b スパイラル流路溝
15a、15b、15c、25 筒状流路
16 合流点
17、27 ダイリップ
28a、28b 分配部最終流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の樹脂層を、主たる二表面に対し、斜めに積層してなるシート状ないしフィルム状積層樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートないしフィルム(以下、特に厚みを限定する意図を持たずに、包括的に「フィルム」と称する)状の樹脂に、単独の樹脂では得られない特性を付与するために複数の樹脂を複合してフィルム化することが広く行なわれている。複合フィルムの典型例としては、複数樹脂混合物の単層成形フィルム、複数樹脂層の積層フィルムがある。得られる複合フィルムの特性は、上記複合の態様によっても、もちろん異なり得るが、一般に構成樹脂(フィルム)の中間的な特性に落ち付くことが多い。例えば複数の構成樹脂層のそれぞれが端部まで一様に平行に積層された従来の積層樹脂フィルムは、厚さ方向においても、面方向においても、構成樹脂層の中間的な性質を示す場合が多い。これは、これで多くの場合に満足できるものであるが、場合によっては、個々の樹脂の特性がより強調された形態のフィルムが望ましい場合もある。
【0003】
上記観点で、本出願人は、既に主たる二表面に直交する少なくとも一つの断面において、複数の構成樹脂層が前記二表面に対して斜めに積層されてなる積層樹脂成形体を提案している(特開平8−90700号公報)。またその応用用途として特開平9−85847号、特開平9−87398号、特開平9−164577号、特開平9−164618号、特開平9−254297号、特開平9−254231号各公報には、前記特開平8−90700号公報と同様の積層樹脂成形体の開示があり、これらは包括的に、いわば「斜め積層樹脂成形体」とでも称すべき構造上の特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記斜め積層樹脂成形体の多くは、各構成樹脂の特長を生かした調和の取れた物性を与えられるが、各構成樹脂が、いずれも主たる二表面に露出するものであるため、不都合な点もある。例えば構成樹脂の一の熱安定性が悪い場合には、その金型表面との接触は加熱分解による成形体の色調、強度、バリアー性等の物性低下につながる。また、加水分解を起こしやすい樹脂の場合には、水分含有の内容物、および高湿度環境下の使用においては、樹脂の加水分解により同様に成形体の白化、強度、バリアー等の物性低下につながる。また、上記特開平8−90700号公報には、上記斜め積層樹脂成形体の少なくとも一表面を他の樹脂で被覆してなる積層樹脂成形体の開示があるが、これは被覆樹脂層と斜め積層部分との間に界面が存在するため全体としての積層樹脂成形体の調和性は乏しくなる。特に、斜め積層部分を構成する樹脂の一が、可塑剤等の低粘度成分を含む樹脂の場合には、成形加工金型内の流動において、低粘度成分は界面に局在しやすいため、斜め積層/被覆樹脂間の界面に低粘度成分が局在し、界面接着力の低下により剥離を生じ易くなる。したがって樹脂の組合せや使用条件等が限定されてしまう難点がある。
【0005】
従って、本発明は、上記した従来の斜め積層樹脂成形体の、異質な樹脂の積層体であっても良好な構成樹脂の特性の調和した積層体を与えるという特徴を生かしつつ、構成樹脂の主たる二表面への露出に伴う問題点を解決し、更には、構成樹脂層界の密着性を一層改善した積層樹脂成形体を与えること、を主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の目的で研究した結果、上記した特開平8−90700号公報に記載の斜め積層樹脂成形体において、斜め積層部分を構成する複数の樹脂の少なくとも一の、主たる二表面の少なくとも一への露出を阻止することにより、所望の積層樹脂成形体が得られることが見出された。
【0007】
本発明の積層樹脂成形体は、上述の知見に基づくものであり、複数の異なる樹脂の層からなり、主たる二表面を有し、該二表面に直交する少なくとも一の断面において、前記複数の樹脂が前記二表面に対し斜めに積層されてなり、且つ前記複数のうちの少なくとも一の樹脂は該二表面の少なくとも一方には露出せずに内部斜め層を形成させ、残る他の少なくとも一の樹脂が該二表面を覆うことを特徴とするものである。好ましくは、前記少なくとも一の樹脂は、主たる二表面のいずれにも露出せずに、内部斜め層のみを形成させる。
【0008】
また、本発明者らは、上述の積層樹脂成形体が、同じく上記した特開平8−90700号公報に開示された、好ましい積層樹脂成形体の製造方法において、使用されるスパイラルダイのスパイラル流路溝の形成位置を構成樹脂によって選択的に異ならせることにより、好適に形成されることを見出した。すなわち、本発明の積層樹脂成形体の製造方法は、互いに嵌装関係に配置された内側ダイリングと外側ダイリングとの間に、それぞれ次第に深さの減少する複数(m;ただしmは自然数である)のスパイラル流路溝を形成してなるスパイラルダイの、該複数(m)のスパライル流路溝に、複数(n;ただしnは自然数で、n<mの関係にある)の互いに異なる樹脂からなる溶融樹脂流を一定の順序で分配導入し、個々の樹脂流がスパライル流路溝を進行してダイ軸方向に均一な筒状流を形成する前に、前記複数の溶融樹脂流を前記スパライル流路溝からの漏洩流として前記一定の順序で積層させることにより、その周方向断面において前記複数樹脂が斜めに積層した積層筒状体を得ることからなり、更に前記複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂については、残りの他の樹脂に比べて、そのスパイラル流路溝の開始位置をスパイラルダイの軸方向に関して下流側にずらして、あるいはスパイラル流路溝の終了位置を上流側にずらして、該少なくとも一の樹脂の積層筒状体の内外二表面のいずれか少なくとも一への流出を阻止することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しつつ、より具体的に説明する。
【0010】
従来の一般的な積層樹脂成形体、すなわち平行積層樹脂シートは、図1の(a)、(b)、(c)にそれぞれ、概念的斜視図、軸に平行する縦(MD)方向部分断面図、軸に直交する横(TD)方向部分断面図により示すように、構成樹脂層A、Bが一様に端部まで、主たる二表面に平行に積層したものである。
【0011】
これに対し、本発明の積層樹脂成形体は、その好ましい製造方法の一例に従いスパイラルダイを用いて得られる、樹脂シート1の概念的斜視図、MD方向部分断面図およびTD方向部分断面図を、それぞれ図2の(a)、(b)、(c)に示すように、MD方向断面は、各樹脂層A、Bが交互に主たる二表面1a、1bに平行に積層した形態を示す(図2(b))が、TD方向断面には、各樹脂層A、Bが交互に斜めに積層して存在する。そして、図2(c)に示すように、樹脂層Aは、主たる二表面1a、1bのいずれか少なくとも一方(好ましい態様を示す図2(c)においては双方)に到達せずに、内部斜め層Aのみを形成し、主たる二表面1a、1bには樹脂Bのみが存在して被覆する構造となっている。
【0012】
これは、上記した、特開平8−90700号公報の斜め積層樹脂成形体においては、図2(c)に対応して、図3に示すように、そのTD方向断面において樹脂層A、Bがいずれも二表面層1a、1bに到達していたのと対比をなすものである。
【0013】
但し、図2(c)および図3に示すTD方向断面のいずれにおいても各層A、Bの傾斜角θは、図示されるよりも実際には小さく、高々1.5°以下である。(この点は、以下に、積層樹脂成形体の製造方法と関連して更に説明する。)そのため、各層A、Bは、積層体シートの任意の平面位置において、それぞれ少なくとも各3〜5層以上は積層した構造となっている。
【0014】
上述した特徴的な積層構造の結果として、本発明斜め積層樹脂成形体シートないしフィルムは、特開平8−90700号公報の積層樹脂成形体と同様に厚さ方向および面方向のバランスに優れるとともに、樹脂層Aが樹脂層Bに包み込まれることにより、樹脂層Aの表面露出に伴う、種々の不都合が回避される。すなわち、樹脂Aが、例えばポリ塩化ビニリデンのように熱分解し易い樹脂であっても、例えばポリエチレンのように熱安定性のよい樹脂を樹脂Bとして用いることにより、金型内流動中でのポリ塩化ビニリデンの加熱された金型内流路壁面との接触を極力防止して過熱による熱劣化を抑えることができる。また加水分解性の樹脂Aを使用する場合、これを耐水性の良好な樹脂Bで包むことになるような層構造を採れば、内容物や外気の湿度による樹脂Aの劣化を防ぎ積層樹脂成形体の劣化を防止することが可能になる。例えば、強度、ガスバリアー性等に優れるが比較的加水分解性の大なる生分解性樹脂であるポリグリコール酸からなる樹脂層Aを、ポリ乳酸またはポリブチレンサクシネートなどの耐水性のある生分解性樹脂からなる樹脂層Bで包み込む構造とすることにより、内容物や外気中の湿度の影響によるガスバリアー性、強度の低下あるいは白化等による外観不良を極力抑えつつ全体として生分解性の積層体シートないしフィルムが得られる。
【0015】
更に上記ポリグリコール酸とポリ乳酸またはポリブチレンサクシネートとからなる本発明の斜め積層樹脂成形体のフィルムは、ガスバリアー性および耐水性を有し、更に柔軟性と剛性のバランスの優れた生分解性のラップフィルムとして好適に使用することができる。
【0016】
また、樹脂層Aと樹脂層Bとが互いに極めて薄く交互に積層され且つ前者が後者に包み込まれる構造となるため、両樹脂間の親和性が比較的乏しい場合でも全体として極めて密着性の良好で一体性のよい積層樹脂成形体シートないしフィルムが得られる。
【0017】
上記においては、二種の樹脂A、Bの交互積層構造体(A/B/A/B/A/B・・・)について述べた。しかし、各種樹脂層の積層順序は任意であり、例えば二種の樹脂A、Bに関してもA/B/B/A/B/B/A・・・あるいはA/B/B/A/A/B/B/A・・・のような繰り返し構造も可能である。全体として均質な特性の積層樹脂成形体を得るために、一定の順序で繰り返し積層を行ない積層樹脂成形体を得ることが好ましい。上記例では、層Aは積層体の一表面のいずれにも露出しない構造となるが、必要に応じて、いずれか一方の面に露出させることはできる。また三種以上の樹脂を積層することも、もちろん可能であり、例えば三種の樹脂、A、B、Cについての積層順序の例としては、以下のようなものがある。
【0018】
【外1】
【0019】
この場合層Aの少なくとも一表面への露出が阻止され、層Bを少なくとも一表面に露出させるとして、層AおよびBの他表面への露出あるいは露出阻止、ならびに層Cの二表面への露出あるいは露出阻止は任意に設定可能である。
【0020】
以下、上記した好ましい一態様、すなわちA、B樹脂の交互積層体の製造を例にとって、本発明の積層樹脂成形体の製造方法の好ましい一態様を図面を参照しつつ、説明する。図4(a)は、その態様で用いられるスパイラルダイの断面図、図4(b)は、そのダイリップ出口における押出された中空管状シートの模式断面図、図5は図4(a)の一点鎖線で囲んだ枠V部の模式斜視図である。(なお、本発明の積層樹脂成形体は、上記した特開平8−90700号公報の積層樹脂成形体の改変に相当するものであり、その製造方法に関する以下の説明は、図1に示した構造を有する従来の平行積層成形体を与えるスパイラルダイを用いる製法ならびに図2(c)の断面構造を与える特開平8−90700号公報に開示の製法、更にはそこで用いるスパイラルダイのより詳細について述べた特開平8−90632号公報の記載に対比すると、より良く理解できるかとも思われる。必要な場合、参照されたい)。
【0021】
図4(a)およびその要部拡大斜視図である図5を参照して、押出機20aおよび20bより押出されて、それぞれスパイラルダイ21に導入された溶融樹脂AおよびBの流れは、トーナメント型の分岐路によって分岐されたのち、それぞれ複数のスパイラル流路溝24a、24bに導入される。ここで樹脂Aのスパイラル流路溝は、樹脂Bのスパイラル流路溝よりも軸方向下流側から始まり、上流側で終わる構造になっている。このため、まず樹脂Bのスパイラル流路溝からの漏洩流が内側ダイリングと外側ダイリングの間を単一の筒状流れとして進行する。そして樹脂Aのスパイラル流路溝に達すると、そこから漏洩してくる樹脂Aと交互にかぶさるように積層しながら下流(図の上方)へと進行する。そして樹脂Aのスパイラル流路溝の終わりに達すると、漏洩流は樹脂Bのみとなり、さらに樹脂Bのスパイラル流路溝の終わりに達した後、筒状流路を経てダイリップから押出される。このようにして押出された筒状樹脂成形体は、図4(b)に示すように、樹脂Bのみが主たる二表面に露出し、樹脂Aが内部で始点と終点を持ち積層した周方向断面を有することになる。
【0022】
図4(a)の一点鎖線で囲んだ枠V部の模式斜視図である図5を参照して、溶融樹脂流AおよびBの分配−積層の態様をより詳しく説明する。すなわち、押出機20a及び20bを通じてスパイラルダイ21内に導入された溶融樹脂流A、Bは、まずトーナメント分岐点23a1、23b1に到達し、ここから更に分岐点23a2、23b2…を通じて分岐をそれぞれ繰り返し、最終分岐点23a3、23b3を過ぎたのち、分配部最終流路28a、28b、28a、28b……に導入され、ここからはスパイラル流路溝24a、24b、24a、24b……に溶融樹脂流A、Bが交互に流入する。なお、ここで複数のスパイラル流路溝24b……の開始点(分配部最終流路28b……の終点)は、内側ダイリング22aの同一円周線上に位置している。一方、スパイラル流路溝24a……の開始点(分配部最終流路28a……の終点)は、スパイラル流路溝24bの開始点より、ダイリング軸方向の上方側(下流側)に位置している。このため、当初はスパイラル流路溝24bに入った溶融樹脂流Bの漏洩流が、内側ダイリング22aと外側ダイリング22bとの間隙である流路22abを上方へと流れるが、スパイラル流路溝24aの開始点に到達すると、溶融樹脂流Aの漏洩流と交互にかぶさるように積層されていく。ここで樹脂AおよびBの積層される角度は、各々のスパイラル流路溝から漏洩する樹脂の展開角ωA、ωBに一致する。すなわち、まず樹脂Bのスパイラル流路溝の開始点が外表面側を形成する。そして樹脂Bの開始点から角度ω′ずれた点から樹脂Aとの積層が始まり、開始点から角度ω′+ωAのところで樹脂Aの積層は終了する。その後開始点から角度ωBだけ移動したところで樹脂Bは外側ダイリング22bの内表面に到達して生成積層体の外表面を構成する。このように樹脂Aと樹脂Bは、それぞれの展開角ωA、ωB分だけ傾斜した状態で積層される。展開角ωA、ωBは、樹脂Aのスパイラル流路溝開始点の周方向ずれ角度、各溝の展開角、当初深さおよび次第に浅くなる割合、樹脂Aと樹脂Bの押出量比等により制御可能である。ωa、ωbは一般には60°〜720°の範囲、好ましくは80°〜360°(すなわち内側ダイを1周する過程で内側ダイリングから流出して、外側ダイリングの内面に到達する角度)の範囲、より好ましくは130°〜230°の範囲である。Wが60°未満では得られる積層体に厚み斑が多くなり、一方、720°超過では成形時にスパイラルダイ内での圧力が大きくなり、成形加工が難しくなる。
【0023】
このようにしてスパイラルダイ21のダイリップより押出された溶融筒状押出積層体(パリソン)は、そのまま冷却して筒状成形体として用いられるほか軸方向に切り開いて平板積層シートとして用いられる。本発明法に従い製造されるパリソンの典型的且つ好ましい寸法を例示すれば、周長(L)=150〜600mm、厚み(d)=150〜600μm(=0.15〜0.60μm)、展開角(ω)=90〜170°、傾斜角θ(図2(c))=6.5×10−3〜1.5°であり、これらの間には、
【数1】
の関係がある。また平面方向の任意位置での層A、Bの積層数としては、計8〜15層程度になり、各層厚みは10〜100μm程度となる。
【0024】
先にも述べたように、本発明の積層樹脂成形体は独特の斜め積層構造と、好ましくは一の樹脂が、他の樹脂を包み込む形態のために、異質樹脂の組み合わせであっても極めて優れた層間密着性を有する。これは、上述のようにしてスパイラルダイから押出されたパリソンについても同様である。この特徴の有利な利用形態の一つは、溶融パリソンを直ちに、あるいは一旦冷却後に再加熱して、拡周ならびに薄肉化のためのインフレーション工程が極めて円滑に行なえることである。このように得られたインフレーションフィルムは、上記パリソンの寸法と比べて、任意の平面位置での積層数および展開角(ω)は本質的に変らないが、薄肉化に伴い他の数値は変化する。典型的且つ好ましい範囲は、周長(L)=400〜3000mm、全体厚み(d)=8〜100μm、各層厚み=0.5〜12.5μm、傾斜角(θ)=3×10−4〜6×10−3°程度であり、各種包装材料その他に優れた適性を有するフィルムを与える。また内包される樹脂層Aの積層体の二表面(の少なくとも一方)からの距離は、積層体の用途ならびに樹脂層Aの内包の目的によって異なり得るものであり、その表面露出への影響が抑制されるものであれば、特に限定されない。例えば、積層体厚みの0.5%以上、場合により0.1%以上でも表面から隔離されていれば、充分にその目的は達成し得るものである。この位置は上記したスパイラルダイを用いる製造方法においては、樹脂Aのスパイラル流路溝の開始および終了位置を樹脂Bのそれから、ずらす割合によって制御可能である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明する。
【0026】
以下の例においては、主としてフィルムまたはシート状の積層樹脂成形体を製造した。
【0027】
【外2】
【0028】
<測定法>
実施例、比較例において得られたフィルムについては、主として、以下の機械的特性について測定した。
【0029】
1.引張伸度
JIS−K1727に準拠し、オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機RTM−100を用いて、以下の条件で測定した。
【0030】
【外3】
尚、引張り伸度は試料の破断点での値である。
【0031】
2.ヤング率
JIS−K1727に準拠し、オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機RTM−100を用いて、以下の条件で測定した。
【0032】
【外4】
【0033】
3.耐熱温度
東京都条例に準拠し、長さ14cm×幅3cmに切り出された試験片の両端から2.5cmずつの部分に、試験片と同じ幅の板目紙を粘着テープによって固定したものを試料とした。この固定部分の上端を治具に固定し、下端に10gの荷重をかけ、一定温度に調整したギアーオーブン中に迅速に入れ、1時間加熱し、加熱後試料の切断の有無を調べた。試験温度は5℃刻みに設定し、1時間経過後、試料が切断しなかった場合は、温度を5℃上げ前記の操作を繰り返した。耐熱温度は、試料が切断されない最高温度とした。
【0034】
4.延伸条件および延伸適性評価
得られた積層体(パリソンまたはシート)については、原則として延伸温度80℃、延伸倍率はMDおよびTDともに3倍の条件にて、インフレーションまたはテンター法によりフィルムを得、その特性を上記のようにして評価したが、別途、延伸適性の評価のため、上記条件を中心として延伸温度および延伸倍率を変化させ、良好な延伸のために好適な条件範囲の広さに基づいて、下記の基準で評価した。
【0035】
【外5】
【0036】
5.ガス透過度
酸素透過度はModern Controll社製MOCON OX−TRAN2/20により、23℃、相対湿度80%にて、水蒸気透過度はLYSSY製VAPOR PERMIATION TESTER L80−4000により、40℃、相対湿度90%で測定した。
【0037】
6.ヘイズ
日本電色工業製NDH2000により測定した。
【0038】
7.界面剥離試験
試験フィルムを2cm幅(長さ20cm)の短冊状に切り出して得た試料フィルム片を、一方の端部に100gの重りを付け、他方の端部をフィルムを1回ひねって摩擦試験機のサンプル台に固定した。次いで、フェロタイプレート(ステンレスハードクロム製、0.4mm厚)の端面が短冊試料の長さ方向の中央付近に当るようにセットし、摩擦試験機を動かして、短冊試料をフェロタイプレートの端面上を直角に、約10cmの振幅で、往復に摺動運動させた。耐剥離性を、往復運動1000回未満で、界面剥離が発生する場合をC、往復運動10000回以上でも界面剥離が発生しない場合をAとして評価した。
【0039】
【外6】
【0040】
(実施例1)
図4(a)に示すように2種の樹脂を交互に流入加工できる斜め積層体形成用スパイラルダイ(m=32)を用いて、前記ポリグリコール酸「PGA」を樹脂A、脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体「CO・PET」を樹脂Bとして、円筒状に同時押出し、斜め積層体パリソン(d=0.12mm)を得た。その後、パリソンを80℃の湯浴に通して予熱し、パリソン内部に空気を吹き込むインフレーション法により、縦方向約4倍、横方向約4倍の同時二軸延伸を行い、多層延伸フィルム(d=8μm)を製造した。樹脂比率はA:B=1:1とした。得られたフィルムの代表的な機械的性質を表1に示す。尚、本実施例で用いたスパイラルダイの仕様は以下の通りである。
【0041】
【外7】
【0042】
スパイラル流路溝の軸方向長さは、樹脂A側について約165mmであり、樹脂Bのスパイラル流路溝は、樹脂Aのそれに比べて開始点が約26mm上流、終点が約31mm下流とした。
【0043】
【外8】
【0044】
(比較例1)
流路の巻数がAおよびBとともに1.0である以外は、上記実施例1と同様であるが、スパイラル溝の軸方向開始および終了位置が、樹脂Aおよび樹脂Bにおいて共通する、特開平8−90700号公報に開示されるスパイラルダイを用いる以外は、実施例1と同様にして、PGA(樹脂A)とCO−PET(樹脂B)の斜め積層共押出ししてパリソンを得、その後インフレーションを行い、フィルムを得た。
【0045】
(比較例2)
上記比較例1で用いたものと同様のスパイラル流路溝を外周面に有する円筒状スパイラルダイに加えて、同心円状に内側と外側に、更に、筒状のスパイラル樹脂流路を設けた3層ダイを用いて、最外流路と最内流路にCO・PETを流し、3層全てを円筒状に共押出して、比較例1で得られるCO・PETとPGAの斜め積層体の内側と外側にCO−PET層が配置された多層パリソンを製造した。その後、この多層パリソンについて、実施例1と同様にインフレーション法により同時二軸延伸を行い、実施例1の対照となる8μmのB/(B/A斜め積層)/B(厚さ比=1/(0.8/0.8)/1)多層延伸フィルムを製造した。樹脂Aおよび樹脂Bは実施例1と同様である。
【0046】
(比較例3)
通常の3層スパイラルダイを用いて、各々の層全てを円筒状に同時共押出し、多層パリソンを製造した。その後、インフレーション法により同時二軸延伸を行い、実施例1の対照となる8μmのB/A/B(厚さ比=2/4/2)多層延伸フィルムを製造した。樹脂Aおよび樹脂Bは実施例1と同様である。
【0047】
上記実施例、比較例で得られたフィルムの代表的な機械的性質をまとめて表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
上記表1の結果を見ると、実施例1の内包型積層体は、比較例1の(PGA/CO−PET)斜め積層体、比較例2のCO−PET/(PGA/CO−PET)斜め積層/CO−PET積層体、および比較例3の3層平行積層体に比較して、引張伸度、ヤング率、ガス透過度およびヘイズに関して、構成樹脂の特徴を生かしてバランスが取れており、かつ界面接着力の強いフィルムとなっていることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、複数の異質な樹脂の積層体であっても良好な構成樹脂の特性の調和を与える斜め積層樹脂成形体の特性を生かしつつ、外表面への露出が好ましくない樹脂層を内包させ且つ構成樹脂間の密着性が一層改善された内包型の斜め積層樹脂成形体シート又はフィルム、特にフィルム、が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層樹脂シートの斜視図および二方向断面図。
【図2】本発明の実施例による樹脂シートの斜視図(a)、ならびに二方向断面図(b)および(c)。
【図3】特開平8−90700号公報に開示される斜め積層樹脂シートのTD方向厚さ断面図。
【図4】本発明の積層樹脂成形体の製造に適したスパイラルダイの断面図(a)および製品シート(パリソン)の断面図(b)。
【図5】図4のスパイラルダイの要部の模式斜視図。
【符号の説明】
1 積層樹脂シート(1a、1b:その主たる二表面)
A、B 構成樹脂
10a、10b、10c 押出機
11、21 スパイラルダイ
12a、12b、22a、22b ダイリング
22ab 内外ダイリング間間隙流路
13a、23a1、23a2、23a3、23b1、23b2、23b3 トーナメント分岐部
14a、24a、24b スパイラル流路溝
15a、15b、15c、25 筒状流路
16 合流点
17、27 ダイリップ
28a、28b 分配部最終流路
Claims (13)
- 複数の異なる樹脂の層からなり、主たる二表面を有し、該二表面に直交する少なくとも一の断面において、前記複数の樹脂が前記二表面に対し斜めに積層されてなり、且つ前記複数のうちの少なくとも一の樹脂は該二表面の少なくとも一方には露出せずに内部斜め層を形成させ、残る他の少なくとも一の樹脂が該二表面を覆うことを特徴とする積層樹脂成形体。
- 前記少なくとも一の樹脂は、該主たる二表面のいずれにも露出せずに内部斜め層のみを形成させる請求項1の積層樹脂成形体。
- 前記複数の異なる樹脂が、いずれも生分解性樹脂からなる請求項1または2の積層樹脂成形体。
- 前記複数の異なる樹脂が、それぞれ、脂肪族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂と芳香族ポリエステル系樹脂との共重合物またはこれに金属イオンを含む共重合物、ポリエステルアミド系樹脂、澱粉あるいはセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選択される樹脂である請求項1〜3のいずれかの積層樹脂成形体。
- 前記内部斜め層のみを形成する一の樹脂が他の樹脂に比べて相対的に大なる加水分解性を有する請求項1〜4のいずれかの積層樹脂成形体。
- 前記内部斜め層のみを形成する一の樹脂が、ポリグリコール酸からなる請求項5の積層樹脂成形体。
- 前記複数の樹脂の層の各々が、前記主たる二表面に対して有する傾斜角は1.5°以下である請求項1〜6のいずれかの積層樹脂成形体。
- 前記複数の樹脂の層の各々が、前記主たる二表面に対して有する傾斜角は、10−2°以下である請求項1〜7のいずれかの積層樹脂成形体。
- 厚さが8〜100μmのフィルム形態をなす請求項8の積層樹脂成形体。
- インフレーションフィルム形態をなす請求項9の積層樹脂成形体。
- 互いに嵌装関係に配置された内側ダイリングと外側ダイリングとの間に、それぞれ次第に深さの減少する複数(m;ただしmは自然数である)のスパイラル流路溝を形成してなるスパイラルダイの、該複数(m)のスパライル流路溝に、複数(n;ただしnは自然数で、n<mの関係にある)の互いに異なる樹脂からなる溶融樹脂流を一定の順序で分配導入し、個々の樹脂流がスパライル流路溝を進行してダイ軸方向に均一な筒状流を形成する前に、前記複数の溶融樹脂流を前記スパライル流路溝からの漏洩流として前記一定の順序で積層させることにより、その周方向断面において前記複数樹脂が斜めに積層した積層筒状体を得ることからなり、更に前記複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂については、残りの他の樹脂に比べて、そのスパイラル流路溝の開始位置をスパイラルダイの軸方向に関して下流側にずらして、あるいはスパイラル流路溝の終了位置を上流側にずらして、該少なくとも一の樹脂の積層筒状体の内外二表面のいずれか少なくとも一への流出を阻止することを特徴とする、積層樹脂成形体の製造方法。
- 前記積層筒状体を拡周ならびに薄肉化するためのインフレーション工程を更に含む請求項11の製造方法。
- 前記複数の樹脂のスパライル流路溝を内側ダイリングの外周面に設け、外側ダイリングの平滑な内周面と対向させたスパイラルダイを用いる請求項11または12の製造方法。
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JP2003017912A JP2004224009A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 積層樹脂成形体およびその製造方法 |
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-
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- 2003-01-27 JP JP2003017912A patent/JP2004224009A/ja active Pending
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