JPH09254201A - 射出成形金型装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロケートリング及びアダプタリングの固定側
取付板への着脱を容易にする。 【解決手段】 固定側取付板１及びランナーストリッパ
ープレート２の中央部に嵌入してあるスプルーブッシュ
４は、固定側取付板の背面側に固定してあるロケートリ
ング５によって離脱不能に固定してある。ロケートリン
グ５の外周にはアダプタリング６が介在させてあり、こ
れにより成形機本体のノズルとスプルー４ｂとの位置決
めを可能である。アダプタリング６は、固定側取付板と
の対向面に等角度間隔に埋設してある複数の永久磁石７
の吸着力によって固定してある。取付けねじのようにね
じ孔の位置合わせやねじ締めのための手間が不要とな
る。ロケートリグ５も永久磁石の吸着力によって固定す
るようにしてもよい。また、アダプタリングを介在させ
ないものについては、もちろんロケートリングを永久磁
石によって固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】本発明は射出成形金型装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】周知の通り、射出成形金型への成形樹脂
の供給は、成形機本体のノズルと固定側金型に設けてあ
るスプルーブッシュとを連結することによって行われて
いる。ノズルから供給された成形樹脂は、スプルーから
ランナーを経てキャビティに射出することにより成形さ
れる。このとき成形機本体のノズルの中心とスプルーと
の位置合わせは、スプルーブッシュの後端部を押さえる
ように設けてあるロケートリングを介して行なわれてい
る。

【０００３】一般に、スプルーブッシュやロケートリン
グの多くは市販品が用いられており、その種類も多様化
しているが、ロケートリングの固定構造としては、図３
に示すように、固定側取付板５１へ２〜４本の締付ねじ
を用いて締め付けるねじ止め固定が採用されている。

【０００４】図３（ａ）は、固定側取付板５１にロケー
トリング５２を複数の取付ねじ５３によって固定してあ
り、スプルーブッシュ５４は、ロケートリング５２によ
り固定側取付板５１に固定されている例を示している。

【０００５】また、図３（ｂ）は、成形機本体の位置合
わせリングの内周が、ロケートリング５２の外径よりも
大きい場合に、アダプタリング５５を介在させてある場
合を示している。この例では、アダプタリング５５もロ
ケートリング５２と同様に複数の取付ねじ５５によって
固定側取付板５１に固定してある例を示してある。

【０００６】さらに、図３（ｃ）では、ロケートリング
５２は、図（ａ），（ｂ）と同様に取付ねじ５３によっ
て固定側取付板５１に固定してあり、アダプタリング５
５は、外周部から中心に向けて設けてある複数のめねじ
孔５５ｂにそれぞれ止めねじ５７を螺合させることによ
って固定してある例を示している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、射出
成形金型装置におけるロケートリングやアダプタリング
のいずれも、複数のねじ止めによる固定構造を採用して
いるため、ロケートリングやスプルーブッシュの交換の
際の手間が面倒となっている問題がある。また、ロケー
トリング等を被せた後にねじ止め固定を失念してしまう
ような場合があり、かかる場合には金型の取り付け中作
業にロケートリングが脱落したり、成形機本体のロケー
ト穴にロートリングを残留させてしまったりする不手際
を起こす原因となる問題がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、取付ねじで固定してある場合のよう
な複数回のねじ回し操作を不要とし、かつ両者の対向面
を密着させて高精度の固定が可能になるように、固定側
取付板とロケートリングの対向面に複数の永久磁石を埋
設し、これらの永久磁石の吸着力によってロケートリン
グを固定側取付板に固定するようにした。

【０００９】また、ロケートリングの外周にアダプタリ
ングを介在させて、ノズルとスプルーブッシュとの位置
合わせを行なう射出成形金型装置の場合には、固定側取
付板とアダプタリングの対向面に埋設した永久磁石の吸
着力によって固定することもある。この場合には、ねじ
止め作業をなくすために、ロケートリングとアダプタリ
ングの双方を永久磁石の吸着力によって固定することも
可能である。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明は、射出成形機のノズルと
スプルーブッシュとの位置合わせを射出成形金型の固定
側取付板に固定させているロケートリングによって行な
う射出成形金型装置であって、このロケートリングを、
固定側取付板とロケートリングの対向面に埋設された複
数個の永久磁石の吸着力によって固定側取付板に固定し
たものである。永久磁石は固定側取付板の背面に埋設す
るか、ロケートリングの前面に埋設するかのいずれであ
ってもよい。

【００１１】ノズルとスプルーブッシュとの位置合わせ
をロケートリング２の外周にアダプタリングを介在させ
ることによって行なう射出成形金型装置の場合には、こ
のアダプタリングは、固定側取付板とアダプタリングの
対向面に埋設してある永久磁石の吸着力によって当該固
定側取付板に固定するようにするとよい。この場合には
永久磁石は、固定側取付板とアダプタリングの対向面に
埋設するが、固定側取付板とロケートリング及びアダプ
タリングの双方の対向面に埋設することが望ましい。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１に示すように、本発明に係る射出成形
金型装置の基本的構成は、従来技術と同様である。した
がって各部の構成については、本発明の説明に必要な範
囲で説明し、直接的に関係しない部分については説明を
簡略に、ないしは省略する。

【００１３】射出成形金型装置は固定側金型Ｐと可動側
金型Ｑとからなり、図示してあるような型締め状態のと
き上記金型間にキャビティＣを形成可能である。

【００１４】固定側金型Ｐは、固定側取付板１とその前
面に対接するランナーストリッパープレート２及びその
前面に対接する固定側型板３を組み合わせてなる３枚の
プレートを備えている。固定側取付板１及びランナース
トリッパープレート２の中心部に設けられた凹部１ａ，
２ａには、両者を貫くようにスプルーブッシュ４が嵌入
してある。スプルーブッシュ４の背面側には、実質的に
円錐状の凹部４ａが形成してあり、その先端部にはスプ
ルー４ｂが設けてある。スプルー４ｂの先端は、型締め
状態になっているときに、ランナーストリッパープレー
ト２と固定側型板３との間に形成されるランナー部３ａ
と連通可能である。

【００１５】スプルーブッシュ４の後端部は段差状に形
成してあり、大径の部分の端面は固定側取付板１の背面
と同一面となるようにしてある。そして小径の部分であ
る筒部４ｃは固定側取付板１の背面から所定長さだけ突
出している。スプルーブッシュ４の段差部には、成形機
本体のノズルの位置決めをするためのロケートリング５
の内周部が嵌合可能であり、このロケートリングを固定
側取付板１に固定することによりスプルーブッシュ４を
固定側金型Ｐから脱落不能としてある。

【００１６】ロケートリング５の固定側取付板１への固
定は、ロケートリングの背面側から２〜４本の取付ねじ
を用いて締め付けによって行われている（図示略）。

【００１７】図１に示すロケートリング５は、成形機本
体のノズルの位置決め凹部よりも外径が小さくなってい
るため、ロケートリングの外周にアダプタリング６を介
在させてある。アダプタリング６は、厚さがロケートリ
ング５と同一にしてあり、成形機本体のノズルの位置合
わせをするロケート穴は、このアダプタリングに嵌合可
能である。

【００１８】アダプタリング６の固定側取付板１との対
向面には、等角度間隔に２〜４個の永久磁石７（１個だ
け図示）が埋設してある。アダプタリング６の固定側取
付板１への固定は、これらの永久磁石７の吸着力によっ
て行なわれる。本実施例の場合、各永久磁石７は、アダ
プタリング６の前面側に２〜４個の凹部６ａを等角度間
隔に設け、これらの各凹部に埋設して接着剤やねじ止め
などによって脱落不能に固定してある。

【００１９】アダプタリング６の取り付け作業は、ロケ
ートリング５の外周部とアダプタリングの内周部とを一
致させて押し込むだけでよく、ねじ止め固定の場合のよ
うにねじ孔の位置合わせを必要とせず、かつ２〜４個の
締付ねじの本数に応じたねじ回し作業が不要となるた
め、着脱作業が極めて簡単になる。

【００２０】射出成形金型装置は上記した構成の他、可
動側金型Ｑとして、可動側取付板８、スペーサーブロッ
ク９、受板１０及び可動側型板１１を備えている。可動
側型板１１にはコア１２が取り付けてあり、型締め状態
のときにこのコアと、固定側型板３のキャビティ部３ｂ
とによってキャビティＣを形成可能である。スペーサー
ブロック９内には、エジェクタープレート１３及びこれ
に立設してあるエジェクターピン１４とランナーエジェ
クターピン１５とを含む突き出し機構を備えている。

【００２１】可動側型板１１には、型締めの際に両型板
３，１１の位置合わせをするガイドピン１６が立設して
あり、固定側取付板１には型開きの際に固定側型板３と
ランナーストリッパープレート２とを案内するサポート
ピン１７が可動側金型Ｑ内に挿入可能に立設してある。
その他プラーボルト１８、ランナーロックピン１９など
一般の構成要素を備えている。

【００２２】次に他の実施例について図２を用いて説明
する。図２（ａ）は、ロケートリング２５に図１の場合
と同じくアダプタリングを介在させてある場合である。
ロケートリング２５はねじ止めにより固定してあり、ア
ダプタリング２６の固定を行なう永久磁石２７を固定側
取付板２１に埋設したものを示してある。図２（ｂ）
は、アダプタリングを介在させてない場合であるが、ロ
ケートリング３５の前面側に永久磁石３７を埋設した場
合を示す。図２（ｃ）は、同じく固定側取付板４１の背
面に永久磁石４７を埋設した場合を示す。いずれの場合
にも、ロケートリング３５，４５をスプルーブッシュ３
４，４４の円筒部の外周に合わせて嵌め込むだけで固定
されるので、アダプタリングの固定作業が極めて簡単な
ものとなる。

【００２３】この他、図１及び図２（ａ）の場合に、各
固定側取付板１，２１と各ロケートリング５，２５との
各対向面に永久磁石を埋設して、永久磁石の吸着力によ
ってロケートリングを固定するようにしてもよい。

【００２４】なお、本発明は、図示した射出成形金型装
置に限らず、カセット式射出成形金型装置等他の形式の
射出成形金型装置にも適用可能である。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、固定側取付板とロケー
トリングの対向面に埋設した永久磁石の吸着力によって
ロケートリングを固定側取付板に固定可能としてあるの
で、ロケートリングの着脱が極めて容易となる。また、
ロケートリングの外周にアダプタリングを介在させるよ
うにしてあるものでは、このアダプタリングと固定側取
付板との対向面に永久磁石を埋設することにより、アダ
プタリングの固定側取付板への固定が容易になる。な
お、固定側取付板とロケートリング及びアダプタリング
の双方の対向面に永久磁石を埋設して、これらの両者を
ともに永久磁石の吸着力によって固定側取付板に固定す
る場合にはさらに固定作業が容易化する。なお、ねじ止
めによる固定作業がなくなるのでねじ止め作業を失念す
る恐れが生じないので、金型装置の取り付け作業中にロ
ケートリングやアダプタリングが落下したり、成形機本
体のロケート穴に残留したりする不都合が生じなくなる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の全体構成を示す断面図であ
る。

【図２】他の実施例におけるロケートリング及びアダプ
タリングの固定構造の例を示す部分断面図である。

【図３】従来技術におけるロケートリング及びアダプタ
リングの固定構造を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１，２１，３１，４１ 固定側取付板 ４，２４，３４，４４ スプルーブッシュ ５，２５，３５，４５ ロケートリング ６，２６ アダプタリング ７，２７，３７，４７ 永久磁石

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 射出成形機のノズルとスプルーブッシュ
   との位置合わせを射出成形金型の固定側取付板に固定さ
   せているロケートリングによって行なう射出成形金型装
   置であって、上記ロケートリングは、固定側取付板と当
   該ロケートリングの対向面に埋設してある永久磁石の吸
   着力によって当該固定側取付板に固定してあることを特
   徴とする射出成形金型装置。
2. 【請求項２】 射出成形機のノズルとスプルーブッシュ
   との位置合わせを射出成形金型の固定側取付板に固定さ
   せているロケートリングの外周にアダプタリングを介在
   させることによって行なう射出成形金型装置であって、
   上記アダプタリングは、上記固定側取付板と当該アダプ
   タリングの対向面に埋設してある永久磁石の吸着力によ
   って当該固定側取付板に固定してあることを特徴とする
   射出成形金型装置。