JPH09252538A - 系統安定化装置 - Google Patents

系統安定化装置

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JPH09252538A
JPH09252538A JP8060973A JP6097396A JPH09252538A JP H09252538 A JPH09252538 A JP H09252538A JP 8060973 A JP8060973 A JP 8060973A JP 6097396 A JP6097396 A JP 6097396A JP H09252538 A JPH09252538 A JP H09252538A
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pulse
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stabilizing device
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Application number
JP8060973A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Oura
好文 大浦
Kunio Matsuzawa
邦夫 松沢
Yasuo Takagi
康夫 高木
Kaiichiro Hirayama
開一郎 平山
Yoichi Kamimura
洋市 上村
Jiyunji Ooaki
準治 大明
Shinichiro Takahashi
真一郎 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Toshiba Corp
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電力系統で通常起こり得る0.2Hz程度のゆ
っくりした周期から3Hz程度までの短かい周期までの
広い範囲の周波数の電力動揺を、適切なダンピング量に
より抑制することができ、かつ通常高周波域で予測され
るノイズに強い高精度の系統安定化装置を提供する。 【解決手段】電力系統に接続された同期発電機1の有効
電力ΔP,角速度ωを入力して、複数の電力動揺モード
に周波数分離し、各々のモードに対応した同期発電機1
の角速度推定値と角度推定値を求めるモード分離部5
と、この角速度と角度推定値とΔPに基づいて各モード
毎に各モードに応じた所定時間先の角速度を予測する多
モード予測器9、その予測値に基づき各々のモードに対
応したパルス状補正信号を発生させるパルス発生部10
と、この補正パルス信号をAVRからの界磁目標電圧信
号に加算して補正する加算器11とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同期発電機の界磁電
圧を制御して、この発電機の端子電圧を一定に保つ自動
電圧調整器の目標界磁電圧を制御する系統安定化装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電力系統に接続された同期発
電機はその端子電圧を一定に保つために、この発電機の
界磁電圧を励磁機を介して制御する自動電圧調整器(以
下AVRという)と、このAVRの目標電圧を調整する
ことにより同期発電機と電力系統の運転の安定化を図る
系統安定化装置(以下PSSという)とを有する。
【0003】従来のPSSは同期発電機からの有効電力
の変化分ΔP、または発電機角速度の変化分Δω、また
は電力系統側周波数の変化分Δfを検出して演算し、こ
れらの信号をリセットフィルター、進み遅れ回路、また
は帯域除去フィルターを通して、ノイズと電圧の定常偏
差とを低減ないし除去し、さらに位相を修正して適切な
電圧調整信号に加工してAVRに与えるように構成され
ている。これらのPSSの中で特に多く用いられている
のは、有効電力の変化分ΔPを用いるタイプである。こ
のΔPタイプは高周波数ノイズに強いことと、位相補償
をあまり必要としないことから、関数の設定が他のタイ
プと比較して容易である。
【0004】つまり、一般にPSSは、界磁により発生
する発電機内部のトルク変化ΔTeが、角速度変化分Δ
ωの位相で変化するように、界磁電圧を制御する。これ
を実現するために、ΔPタイプのPSSは、PSSの操
作量である界磁電圧から電気トルクTeが変化するまで
の遅れが約90度であることを利用して、予め角速度変
化分Δωに対して位相が90度進んでいる有効電力変化
分ΔPeをフィードバックする。これにより、PSSは
同期発電機の速度フィードバックを行なうこととなり、
振動を効果的に抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有効電力の変化分ΔPを用いる従来のΔPタイプの
PSSでは通常、周波数が1Hz程度の電力動揺をダン
ピングするように位相が調整されているので、0.3H
z以下のゆっくりした周期の電力動揺を有効に抑えるこ
とは難しい。そこで、逆に、例えば0.3Hz以下のゆ
っくりした電力動揺をダンピングするように位相を調節
すると、今度は1Hz程度のよく現れる電力動揺をダン
ピングすることが困難になる。
【0006】一方、角速度変化分Δωを安定化信号に用
いるΔωタイプのPSSは位相補償により0.3Hzの
ゆっくりした電力動揺から1Hzの動揺まで有効にダン
ピングするよう調整することができる。
【0007】しかし、ΔωタイプのPSSに必要な位相
補償が進み補償であることから、1Hz以上の動揺で過
渡ゲインが大きくなり、その結果、高周波ノイズに弱い
という課題がある。このために、2Hz程度の比較的周
期の短い電力動揺を有効にダンピングするのが難しいと
いう他の課題もある。また、周波数変化分Δfを用いる
ΔfタイプのPSSについても、ΔωタイプのPSSと
ほぼ同じ傾向を持ち、同じような課題を有する。
【0008】そこで本発明の目的は、電力系統で通常起
こり得る0.2Hz程度のゆっくりした周期から3Hz
程度までの短かい周期までの広い範囲の周波数の電力動
揺を、適切なダンピング量により抑制することができ、
かつ通常高周波域で予測されるノイズに強い高精度の系
統安定化装置を提供することにある。
【0009】さらに、一般に系統安定化装置が設置され
る条件によっては、電力動揺の周波数に応じて供給すべ
き望ましいダンピング量が異なることが多い。そこで、
他の目的は、電力系統条件に合せ、電力動揺周波数に応
じた適切なダンピング量に容易に調整することができる
系統安定化装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願の請求項1記載の発明は、電力系統に接続され
た同期発電機の角速度,有効電力,上記電力系統側の周
波数の少なくともいずれかを受けて、1以上の電力動揺
モードに周波数分離し、これらの各電力動揺モードに対
応した上記発電機の角速度の推定値を少なくとも算出す
るモード分離部と、このモード分離部からの上記角速度
推定値および上記有効電力に基づいて各動揺モード毎
に、各モードに対応した所定時間先の角速度推定値を予
測する多モード予測器と、この多モード予測器からの角
速度予測値に基づいて、上記同期発電機の端子電圧を一
定に保持するために上記発電機の界磁電圧を励磁機を介
して制御する自動電圧調整器からの界磁電圧目標値を補
正する補正信号を出力するパルス発生部と、を具備して
いる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明であって、さらに、パルス発生部からの補正信号を、
自動電圧調整器の界磁電圧目標値に加算する加算手段を
具備する。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明であって、さらに、モード分離部は、その入
力から発電機の機械振動モードを除去するノイズ除去手
段を有する。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の発明であって、さらに、モード分離
部は、発電機回転速度信号または電力系統側の周波数か
ら複数の電力動揺モードに周波数分離する帯域分離フィ
ルターを有する。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載の発明であって、さらに、多モード予
測器は、発電機角速度変化分推定値と有効電力信号を入
力信号として、各電力動揺モードに対応した発電機の相
差角動揺方程式を所定時間積分し、または、近似的に積
分して、所定時間先の角速度変化分を予測する予測手段
を有する。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の発明であって、さらに、パルス発生
部は、多モード予測器からの所定時間先の角速度予測値
に比例して電力動揺を抑制する正パルスと、この正パル
ス出力後、この正パルスに所定の反転比を乗算した大き
さで反転されて、発電機の界磁電圧制御から電気トルク
が変化するまでの遅れを打ち消す負パルスとを1組とす
る複数組を時系列に連続出力すると共に、これらパルス
の前の組の各負パルスとその次の組の各正パルスとが重
なるように合成して補正信号に形成する手段を有する。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明であって、さらに、パルス発生部は、正パルスを時々
刻々の角速度予測値に比例した大きさに形成する一方、
負パルスを正パルスの面積に所定の反転比を乗算した大
きさに形成する手段を有する。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項6記載の発
明であって、さらに、パルス発生部は、負パルスの大き
さを、正パルスの大きさの平均値、または中央値、もし
くは最終値に反転比を乗算した大きさに形成する手段を
有する。
【0018】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のい
ずれか1項に記載の発明であって、さらに、パルス発生
部は、複数の電力動揺モード毎に設置され、これらの各
パルス発生部の出力に調整可能なゲインを加えた後加算
して補正信号を出力する構成である。
【0019】請求項10記載の発明は、請求項1〜9の
いずれか1項に記載の発明であって、さらに、パルス発
生部は、その制御パラメータ,またはゲイン,またはパ
ルス幅を調節自在に設定する手段を有する。
【0020】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
のいずれか1項に記載の発明であって、さらに、パルス
発生部は、その制御パラメータ,またはゲイン,または
パルス幅を運転モードにより変更する手段を有する。
【0021】したがって本発明によれば、パルス発生部
は、電力動揺を抑える正パルスに続いて、界磁電圧制御
から発電機電気トルクTeが変化するまでの遅れを打ち
消す負パルスを1組とする複数組を時系列に連続して出
力し、前の組の負パルスと次の組の正パルスとを合成し
て補正信号としてAVRに与える。これにより、同期発
電機の界磁の遅れによる電気トルクのゆっくりした応答
を打ち消し、界磁の遅れをほぼ防止できる。
【0022】さらに、上記補正信号のパルスだけでは、
電気トルクの変化分ΔTeの波は常にΔωに対してパル
ス幅だけ遅れる。そこで、モード分離器を用いて、複数
の動揺モードを重畳してなる電力動揺の振動モードを所
定数に周波数分離し、各モードの状態を推定する。
【0023】次に、多モード予測器を用いて、各動揺モ
ードについて推定した状態をもとに、各モードに対応し
た所定時間だけ先の各Δωの未来値をそれぞれモード毎
に予測する。これにより、パルス幅に対応した遅れを補
償することができる。この未来値に応じて上記各パルス
を出力することにより、発電機の電気トルクの変化分Δ
Teを常に角速度変化分Δωに同期した位相で変化させ
ることができる。これにより、広い周波数帯域の電力動
揺を抑制することができる。
【0024】また、動揺モードを各モード毎に分離して
いるので、パルス発生部のパラメータを動揺モード毎に
最適なものに調整することができる。さらに、負パルス
の大きさを正パルスの大きさの平均値、または中央値、
もしくは最終値に基づいて算出するので、その計算量を
減少させることができる。また、発電機設置場所に応じ
て、ダンピングが特に必要なモードに対応して系統安定
化装置を調整することができる。さらに、モード分離部
でタービン軸のねじれ振動等の機械振動モードを除去し
ているので、ノイズを低減して精度を高めることができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図6に基づいて説明する。なお、図1〜図6中、同一
または相当部分には同一符号を付している。
【0026】図2は本発明の一実施形態に係る系統安定
化装置を、同期発電機の励磁制御装置に適用した場合の
ブロック図であり、この図2において、同期発電機1は
連絡線2により電力系統3,自動電圧調整器であるAV
R4,および系統安定化装置であるPSS5にそれぞれ
電気的に接続されている。
【0027】AVR4は同期発電機1からの出力電圧を
受けて、この同期発電機1の端子電圧を所定値で一定に
保つために界磁電圧目標信号Efdを、励磁機6の例え
ばサイリスタ7に点弧角指令信号として与えて、その点
弧角を制御するものである。
【0028】PSS5は同期発電機1の電力系統3に発
生する電力動揺を抑制してこの発電機1と電力系統3の
運転を安定させるものである。
【0029】
【外1】
【0030】
【外2】
【0031】
【外3】
【0032】
【外4】
【0033】
【数1】
【0034】すなわち、モード分離部5はこの機械振動
モードと次の[数2]で表わされる電力動揺モードとを
分離して、時々刻々変化する発電機1の角速度ωと角度
δをそれぞれ推定するオブザーバーとして機能する。
【0035】
【数2】
【0036】なお、上記[数1]式は伝達関数表現、
[数2]は微分方程式表現である。[数1]式も容易に
微分方程式で表現できるので、2モードを表現する状態
方程式を次の[数3]で容易に得られる。
【0037】
【数3】 但し、この[数3]式中の各変数や行列は以下の[数
4]式の通り。
【0038】
【数4】
【0039】この[数4]式の状態方程式を基に、現代
制御理論によりオブザーバは次の[数5]式のように表
現される。
【0040】
【数5】
【0041】図4は上記多モード予測器9の機能を説明
するための図であり、本実施例では、電力動揺モードと
して1つのモードのみ取り扱っているので、この予測器
9もこの1つの電力動揺モードを予測時間τだけ積分す
るものとなっている。
【0042】
【外5】
【0043】
【外6】
【0044】
【数6】
【数7】
【0045】以上の計算は全てディジタル計算により行
なう。したがって、実際のPSS5の出力は、通常、図
5(b)に示すように、階段状の出力となる。その結
果、発電機1の電気トルクΔTeは各々のパルスP1〜
P6の出力の各組の加算となるので、各々のパルス出力
P1〜P6にそれぞれ対応する各電気トルクΔTeは図
5(c)の破線で示すようになり、Δωと同期したもの
が得られる。したがって、発電機1のΔωと同期した位
相で発電機1の界磁を制御できるので、非常に効率的に
電力の動揺を抑制することができるうえに、電力の動揺
周波数の如何に依らないダンピング性能を持たせること
ができる。
【0046】さらに、本実施形態では、PSS5の設計
で問題となる角速度信号に重畳してくる機械振動ノイズ
を、図3で示すモード分離部8で有効に取り除くことが
できるので、従来の機械振動ノイズからくるPSSゲイ
ンの限界を外すことができ、有効なPSSを構成するこ
とができる。
【0047】図6は本発明の第2の実施形態のブロック
図であり、このPSS5Aは、上記PSS5のモード分
離部8が1つの電力動揺モードを分離するのに対して、
複数の電力動揺モードに分離する点に特徴がある。つま
り、PSS5Aは例えば積分特性を持つモード1,1H
zの動揺周期を持つモード2、0.5Hzの動揺周期を
持つモード3、および前記機械振動モードの高周波モー
ドに分離するモード分離部5Aと、これら各モード毎に
発電機1の角速度ωと角度δの予測値を求める多モード
予測器9Aと、各モード毎に設置されたパルス発生部1
0A,10A,10Aとに特徴がある。このモード1お
よび高周波モードは上記実施形態と同じであるが、モー
ド2とモード3は動揺周波数に対応して、DeMello/Conc
orrdiaモデルを用いた。このモデルによると、パラメー
タ(発電機定数)K1,K2,…K6、および減衰係数
Dを用いて、次の[数8]式のように発電機動特性を表
すことができる。
【0048】
【数8】 ここで、Δaは発電機の角加速度、Δωは角速度偏差、
δは相差角、uは界磁電圧、Mは発電機慣性、ΔTeは
電気トルクの変化分、sはラプラス演算子、KAVRはA
VRゲイン、E′qは過渡Q軸背後電圧、ΔE′qは過
渡Q軸背後電圧の変化分、T′d0 は開始時界磁回路時
定数であり、通常の発電機の動態ブロック図の表記に従
った。
【0049】
【外7】
【0050】したがって、この実施形態によると、重み
Ka〜Kcを調整することにより、発電機1の設置場所
に応じて、最もダンピングが必要とされる動揺モードに
重点を置いた調整を行なえる。
【0051】なお、他の実施形態としては、帯域分離フ
ィルターによりモード分離部8,8Aを構成してもよ
い。また、パルス発生部10,10Aとして、正パルス
の大きさをΔω予測値にリアルタイムに追従させる一
方、その対をなす負パルスの大きさを正パルスの面積に
比例させてもよい。
【0052】この方式の長所は、Δωの予測値を全て使
用してそのままフィードバックしている点にある。した
がって、上記実施形態では正パルスの大きさを決める時
刻tに、たまたま大きなノイズが入ると、その誤った値
をパルス幅の時間、継続して出力してしまう。また、負
パルスの大きさも誤ったものとなってしまう。しかし、
この実施形態では、Δωの予測値を全て使用してそのま
まフィードバックしているので、ノイズは平均化され、
大きな影響を与えない。したがって、負パルスの大きさ
も適切なものとなる。さらに、パルス幅による時間遅れ
の影響も半分になるという長所もある。
【0053】さらに、この実施形態では、正パルスの面
積を用いて負パルスの大きさを決めたが、正パルスの大
きさの平均値、中央値、最終値等、正パルスの大きさに
関係した諸量から負パルスの大きさを決めることもでき
る。これにより、計算量の低低減を図ることができる場
合もある。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、パルス発
生部は、電力動揺を抑える正パルスに続いて、界磁電圧
制御から発電機電気トルクTeが変化するまでの遅れを
打ち消す負パルスを1組とする複数組を時系列に連続し
て出力し、前の組の負パルスと次の組の正パルスとを合
成して補正信号としてAVRに与える。これにより、同
期発電機の界磁の遅れによる電気トルクのゆっくりした
応答を打ち消し、界磁の遅れをほぼ防止できる。
【0055】さらに、上記補正信号のパルスだけでは、
電気トルクの変化分ΔTeの波は常にΔωに対してパル
ス幅だけ遅れる。そこで、モード分離器を用いて、複数
の動揺モードを重畳してなる電力動揺の振動モードを所
定数に周波数分離し、各モードの状態を推定する。
【0056】次に、多モード予測器を用いて、各動揺モ
ードについて推定した状態をもとに、各モードに対応し
た所定時間だけ先の各Δωの未来値をそれぞれモード毎
に予測する。これにより、パルス幅に対応した遅れを補
償することができる。この未来値に応じて上記各パルス
を出力することにより、発電機の電気トルクの変化分Δ
Teを常に角速度変化分Δωに同期した位相で変化させ
ることができる。これにより、広い周波数帯域の電力動
揺を抑制することができる。
【0057】また、動揺モードを各モード毎に分離して
いるので、パルス発生部のパラメータを動揺モード毎に
最適なものに調整することができる。さらに、負パルス
の大きさを正パルスの大きさの平均値、または中央値、
もしくは最終値に基づいて算出するので、その計算量を
減少させることができる。また、発電機設置場所に応じ
て、ダンピングが特に必要なモードに対応して系統安定
化装置を調整することができる。さらに、モード分離部
でタービン軸のねじれ振動等の機械振動モードを除去し
ているので、ノイズを低減して精度を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るPSSの構成を示す
ブロック図。
【図2】図1で示すPSSを具備した同期発電機励磁制
御回路の構成を示すブロック図。
【図3】図1で示すモード分離部の一例の構成を示すブ
ロック図。
【図4】図1で示す多モード予測器の一例の機能を示す
ブロック図。
【図5】図1で示すパルス発生部のパルス発生方式の一
例を示しており、(a)は角速度推定値に対応して正負
一対のパルスの出力を示す波形図、(b)は同図(a)
で示す正負一対のパルス同士を合成した状態を示す波形
図、(c)は同図(b)に対応するΔTeの波形図。
【図6】本発明の他の実施形態の構成を示すブロック
図。
【符号の説明】
1 同期発電機 3 電力系統 4 AVR(自動電圧調整器) 5,5A PSS(系統安定化装置) 6 励磁機 8,8A モード分離部 9,9A 多モード予測器 10,10A パルス発生部 11 加算器 12a 第1の積分器 12b 第2の積分器 13 機械振動モード抽出器 14a,14b 加算器 15 誤差修正量演算部 16a,16b,16c ゲイン調整器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 康夫 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 平山 開一郎 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 上村 洋市 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 大明 準治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 高橋 真一郎 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統に接続された同期発電機の角速
    度,有効電力,上記電力系統側の周波数の少なくともい
    ずれかを受けて、1以上の電力動揺モードに周波数分離
    し、これらの各電力動揺モードに対応した上記発電機の
    少なくとも角速度の推定値を算出するモード分離部と、 このモード分離部からの上記角速度推定値および上記有
    効電力に基づいて各動揺モード毎に、各モードに対応し
    た所定時間先の角速度推定値を予測する多モード予測器
    と、 この多モード予測器からの角速度予測値に基づいて、上
    記同期発電機の端子電圧を一定に保持するために上記発
    電機の界磁電圧を励磁機を介して制御する自動電圧調整
    器からの界磁電圧目標値を補正する補正信号を出力する
    パルス発生部と、を具備していることを特徴とする系統
    安定化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の系統安定化装置におい
    て、 パルス発生部からの補正信号を、自動電圧調整器の界磁
    電圧目標値に加算する加算手段を具備することを特徴と
    する系統安定化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の系統安定化装置
    において、 モード分離部は、その入力から発電機の機械振動モード
    を除去するノイズ除去手段を有することを特徴とする系
    統安定化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の系
    統安定化装置において、 モード分離部は、発電機回転速度信号または電力系統側
    の周波数から複数の電力動揺モードに周波数分離する帯
    域分離フィルターを有することを特徴とする系統安定化
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の系
    統安定化装置において、 多モード予測器は、発電機角速度変化分推定値と有効電
    力信号を入力信号として、各電力動揺モードに対応した
    発電機の相差角動揺方程式を所定時間積分し、または、
    近似的に積分して、所定時間先の角速度変化分を予測す
    る予測手段を有することを特徴とする系統安定化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の系
    統安定化装置において、 パルス発生部は、多モード予測器からの所定時間先の角
    速度予測値に比例して電力動揺を抑制する正パルスと、
    この正パルス出力後、この正パルスに所定の反転比を乗
    算した大きさで反転されて、発電機の界磁電圧制御から
    電気トルクが変化するまでの遅れを打ち消す負パルスと
    を1組とする複数組を時系列に連続出力すると共に、こ
    れらパルスの前の組の各負パルスとその次の組の各正パ
    ルスとが重なるように合成して補正信号に形成する手段
    を有することを特徴とする系統安定化装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の系統安定化装置におい
    て、 パルス発生部は、正パルスを時々刻々の角速度予測値に
    比例した大きさに形成する一方、負パルスを正パルスの
    面積に所定の反転比を乗算した大きさに形成する手段を
    有することを特徴とする系統安定化装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の系統安定化装置におい
    て、 パルス発生部は、負パルスの大きさを、正パルスの大き
    さの平均値、または中央値、もしくは最終値に反転比を
    乗算した大きさに形成する手段を有することを特徴とす
    る系統安定化装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の系
    統安定化装置において、 パルス発生部は、複数の電力動揺モード毎に設置され、
    これらの各パルス発生部の出力に調整可能なゲインをか
    けた後加算して補正信号を出力する構成であることを特
    徴とする系統安定化装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    系統安定化装置において、 パルス発生部は、その制御パラメータ,またはゲイン,
    またはパルス幅を調節自在に設定する手段を有すること
    を特徴とする系統安定化装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の系統安定化装置において、 パルス発生部は、その制御パラメータ,またはゲイン,
    またはパルス幅を運転モードにより変更する手段を有す
    ることを特徴とする系統安定化装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6057672A (en) * 1998-06-03 2000-05-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Control signal processor and power system stabilizer using the same
JP2006246604A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Tokyo Electric Power Co Inc:The 風力発電機の運転状態判別方法

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