JPH09252492A - 複数のセンサ信号を多重化するセレクタとこれを制御する制御装置 - Google Patents

複数のセンサ信号を多重化するセレクタとこれを制御する制御装置

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JPH09252492A
JPH09252492A JP5755196A JP5755196A JPH09252492A JP H09252492 A JPH09252492 A JP H09252492A JP 5755196 A JP5755196 A JP 5755196A JP 5755196 A JP5755196 A JP 5755196A JP H09252492 A JPH09252492 A JP H09252492A
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JP5755196A
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Mamoru Oba
衛 大場
Mitsuru Watabe
満 渡部
Hiroshi Katayama
搏 片山
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のセンサを接続したセレクタとエンジン
制御装置との間におけるセンサ選択信号を多重化された
単一信号により行なって、センサ選択のための信号線の
数を減少させること。また、センサデーデ線と共有する
こと。 【解決手段】複数のセンサ信号を多重化するセレクタ5
00と、前記センサ831〜838の選択を指示すると
ともにセンサからのデータを受け取る制御装置200に
おいて、複数ビットで表現される複数センサの選択情報
S30〜S33を複数の電圧値に変換する多値変換部2
20を前記制御装置200に設け、前記複数の電圧値を
複数ビットに再変換する2値変換部520を前記セレク
タ500に設けて前記2値変換部の出力によりセンサを
選択し、前記制御装置と前記セレクタの間のセンサ選択
情報を単一の信号線S20で授受するように構成するこ
とを特徴とした複数のセンサ信号を多重化するセレクタ
とこれを制御する制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載する
制御装置に係り、特に複数のセンサ信号を多重化するセ
レクタとこれを制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の制御システムは、走行環境、走
行状態やエンジン状態などに関する情報をセンサによっ
て検出し、ワイヤハーネスと呼ばれる信号線を介して制
御装置に入力している。
【0003】一方で、自動車の制御システムの高級化や
高性能化につれて必要とするセンサ数が増大している。
従ってワイヤハーネスの本数と重量が増大しつつあり、
自動車のコスト低減および燃費改善を目的にセンサ信号
を多重化し、センサ数よりも少ない信号線で、エンジン
制御装置に入力する方式が必要とされている。
【0004】複数の信号を多重化する従来技術として
は、マルチプレクサを利用する方式を挙げることができ
る。この方式は、センサとエンジン制御装置との間にマ
ルチプレクサを設けることで構成される。マルチプレク
サには複数のセンサ信号が入力され、そのうちの1本の
信号がエンジン制御装置から与えられるセンサ選択信号
により選択され、エンジン制御装置へ出力される。
【0005】この方式でのエンジン制御装置とマルチプ
レクサ間のワイヤハーネス本数は、センサ信号用の1本
と、センサ選択信号用のn本となる。ここでセンサ選択
信号用の本数nは、マルチプレクサに接続されるセンサ
数に依存する。一般に、マルチプレクサに接続されるセ
ンサ数と、その選択信号本数nの間には、(センサ数)
≦(2のn乗)の関係がある。例えば、マルチプレクサ
に8個のセンサが接続されている場合は、3本以上のセ
ンサ選択信号が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、マ
ルチプレクサに接続されるセンサ数の増加に比例して、
センサ選択信号の本数も増加するために、ワイヤハーネ
ス削減の効果が薄れてしまう。
【0007】本発明が解決しようとする第1の課題は、
多重化された単一信号によるセンサ信号の授受を可能と
するセレクタとこれを制御する制御装置を提供すること
である。
【0008】また、ひとつのマルチプレクサに接続可能
なセンサ信号数は、マルチプレクサのデバイス的な制限
により有限である。従って、より多くのセンサ信号を必
要とするエンジン制御システムでは、複数個のマルチプ
レクサを設ける必要が生じる。この場合更に、どのマル
チプレクサを選択するのかを示す情報が必要となる。こ
の情報の追加により、センサ選択信号数は更に増加す
る。
【0009】更にエンジン制御装置側では、増設したマ
ルチプレクサに対応してアナログデジタル変換器のチャ
ネルを割り当てる必要が生じる。従ってエンジン制御装
置のコストアップをまねくことになる。
【0010】本発明が解決しようとする第2の課題は、
エンジン制御装置のアナログデジタル入力チャネルを増
加させることなく複数のセレクタを設置可能なセレクタ
とこれを制御する制御装置を提供することである。
【0011】また上記従来例では、マルチプレクサとエ
ンジン制御装置間のワイヤハーネスに発生する、断線や
短絡等の異常を検出する方法を有していない。
【0012】更に、センサ選択信号がノイズの影響をう
け、指定とは異なるセンサ信号を誤読してしまう可能性
に対しても、異常を検出する方法を有していない。
【0013】このため、エンジン制御装置は、指定した
センサ信号と異なる信号を、あたかも当信号のように誤
認する可能性がある。本発明が解決しようとする第3の
課題は、センサ信号の誤読の原因となるワイヤハーネス
異常を検出可能なセレクタとこれを制御する制御装置を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題は、エン
ジン制御装置に配置される多値変換部と、セレクタに配
置される2値変換部によって解決される。
【0015】上記第2の課題はセレクタに配置されるシ
ーケンサ部、出力遮断部によって解決される。
【0016】また、上記第3の課題は、エンジン制御装
置に配置される多値変換部とセレクタに配置される2値
変換部間の変換規則、およびセレクタに配置されるシー
ケンス部により解決される。
【0017】本発明は以上のような構成を採用すること
により次のような機能を達成することができる。
【0018】第1の課題を解決するために、エンジン制
御装置に配置される多値変換部は、マイコンの出力する
複数ビットより構成されるセンサ選択信号を、各ビット
の数値的な重みに対応した電圧値に変換する機能を持
つ。また、セレクタに配置された2値変換部は前記電圧
値を、電圧値に応じた複数ビットに逆変換する機能を持
つ。これらの機能により、エンジン制御装置は電圧値に
変換されたセンサ選択信号を、単一信号としてセレクタ
に出力し、セレクタはその電圧値を再び複数ビットデー
タに変換し、そのビットデータに対応するセンサ信号を
選択することが可能となる。
【0019】また、第2の課題を解決するために、セレ
クタに配置される出力遮断部は、マルチプレクサが出力
するセンサ信号をワイヤハーネス上に出力するか否かを
制御する機能を持つ。各セレクタは、出力遮断を行うこ
とにより、他のセレクタにワイヤハーネスを解放し、ま
た出力接続を行うことによりワイヤハーネスを占有する
ことができる。また、セレクタに配置されるシーケンス
部は、エンジン制御装置とセレクタとの通信手順に基づ
いて出力遮断部を制御する機能を持つ。すなわち、エン
ジン制御装置に選択されたセレクタが、センサ信号をエ
ンジン制御装置に出力するときのみワイヤハーネスの占
有権を得るようにシーケンスを管理するものである。
【0020】以上の出力遮断部とシーケンサ部により、
1本のワイヤハーネスで複数のセレクタが情報を衝突さ
せることなく1本のワイヤハーネスで、エンジン制御装
置とのデータ授受が可能となり、またアナログデジタル
変換チャネルを増加させる必要もない。
【0021】第3の課題を解決するために、エンジン制
御装置内の多値変換部とセレクタ内の2値変換との通信
に使用される電圧変換変換規則は、ハーネス断線時やハ
ーネス短絡時に発生する特定電圧値を含めたコードを使
用する。例えば、ハーネスに地絡が発生した場合、ハー
ネスの電圧値はGND電圧にスタックする。従って、多
値変換部と2値変換部間の変換規則に、GND電圧を検
出した場合は地絡と判断するといった規則を含めること
によって異常を検出することができる。
【0022】またシーケンス部は、エンジン制御装置に
選択されたセレクタが、そのセレクタアドレスをエンジ
ン制御装置にエコーバックする機能を有する。セレクタ
アドレスは、システムで使用する全てのセレクタに設定
されているユニークな認識番号のことである。エンジン
制御装置はこのセレクタアドレスを出力することにより
セレクタを選択するが、一方セレクタも選択されたこと
の確認として自分のセレクタアドレスを、エコーバック
としてエンジン制御装置に出力する。エンジン制御装置
はこのエコーバックが、選択したセレクタアドレスと一
致することを解析することによってノイズなどの動的異
常を検出することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の複数のセンサ信号を多重
化するセレクタとこれを制御する制御装置の一実施形態
について説明する。
【0024】ここにおいて、200はエンジン制御装
置、210はマイクロコンピュータ、211はセンサ選
択部、212はAD変換器、220は多値変換部、50
0はセレクタ1、501はセレクタ2、510はマルチ
プレクサ部、520は2値変換部、831〜838はセ
ンサ1〜センサ8、841〜848はセンサ9〜センサ
16、S30〜S33はセンサ選択信号線、S20は選
択信号線、S51はセレクタ1出力線、S52はセレク
タ2出力線、S40〜S49はマルチプレクサ選択信号
線、SD1〜SD8はセンサ信号線1〜8、をそれぞれ
表わす。
【0025】図1は従来技術に本発明の多値変換部、2
値変換部を搭載した構成を示したものである。このシス
テムは多値変換部220を内蔵したエンジン制御装置2
00と、2値変換部520を内蔵したセレクタ500と
により、2本のワイヤハーネスS20、S51によりエ
ンジン制御装置とセレクタ間のデータ授受を実現するも
のである。
【0026】エンジン制御装置200は、センサ信号の
選択、選択信号の多値化、センサ信号のリード(アナロ
グ/デジタル変換)を行う。上記の機能を実現するため
に、エンジン制御装置200にはマイクロコンピュータ
210と多値変換部220、さらにマイクロコンピュー
タ200にはセンサ選択部211とA/D変換器212
が内蔵されている。
【0027】マイクロコンピュータ210は、CPUの
実行するプログラムにより、リードしたいセンサ信号を
決定し、そのセンサ信号に対応する4ビットのデジタル
データを多値変換部220に出力する機能を持つ。マイ
クロコンピュータ210内のセンサ選択部211は、プ
ログラマブルな汎用ポートである。プログラムはリード
したいセンサが接続されているセレクタのセンサ信号入
力端子番号(SD1〜SD8)をセンサ選択部211に
書き込む。
【0028】これにより、センサ選択部は4ビットのデ
ジタルデータを、多値変換部220に出力する。4ビッ
トのデジタルデータは、各セレクタのセンサ信号入力端
子番号をデコードした形式でS33〜S30より出力さ
れる。例えば、セレクタ1(500)の入力端子832
に接続されているセンサ信号SD2をリードしたいとき
は、2番目の入力端子を意味するS33〜S30=00
10を出力する。
【0029】マイクロコンピュータ210に内蔵されて
いるA/D変換器212は、最終的に得られたセンサ信
号をデジタルデータに変換する機能を持つ。A/D変換
器212のチャネルには各セレクタの出力線(S51、
S52)が接続され、プログラムによってリードするチ
ャネルが決定される。
【0030】プログラムは各種センサ信号とセレクタの
接続関係について既知であるため、複数のセレクタが接
続された場合は、A/D変換器のチャネルを選択するこ
とにより所望センサ信号を得ることが可能となる。
【0031】エンジン制御装置に内蔵されている多値変
換部220は、センサ選択部211の出力するデジタル
データから変換規則に従った電圧値を生成し、各セレク
タに出力する。この機能により、4ビットのデジタルデ
ータは電圧値として単一信号化され、1本のワイヤハー
ネスでセレクタに送信することが可能となる。なお、変
換規則については、後に図2を用いて詳細に説明する。
【0032】次にセレクタの構成について説明する。な
お、セレクタ1(500)とセレクタ2(501)は全
く同様の構成であるため、ここでは代表してセレクタ1
の構成につてい説明する。
【0033】セレクタ1(500)は、単一信号化され
た選択信号S20のデジタル信号化(多値信号の2値
化)と、このデジタル信号をもとに複数のセンサ信号か
ら一つの信号を選択し、出力を行う機能を持つ。この機
能のための、セレクタ内には2値変換部520、マルチ
プレクサ部510を搭載する。
【0034】2値変換部520は、多値化された電圧値
であるセンサ選択信号S20を、変換規則に従って10
ビットのマルチプレクサ制御信号S40〜S49に変換
する機能を持つ。S40〜S49はマルチプレクサ部5
10の選択肢である8本のセンサ信号(SD1〜SD
8)と、GNDと、Vccとに対応している。多値変換
部の変換規則、およびマルチプレクサ制御信号S40〜
S49と選択肢の対応については、後に図2を用いて詳
細に説明する。
【0035】選択肢の中のGNDとVccは特殊な意味
を持つ。それは、エンジン制御装置とセレクタを結ぶワ
イヤハーネスに天絡や地絡が発生したことを示すコード
として使用されることを意味する。この件に関する説明
は2値変換部の変換規則、多値変換部の変換規則と合わ
せて、後に図2を用いて詳細に説明する。
【0036】マルチプレクサ部510は、8本のセンサ
信号(SD1〜SD8)と、GNDとVccの合計10
本の入力信号から、1本の信号を出力線S51に出力す
る機能を持つ。但し、どの入力信号を選択するかは、外
部から与えられるマルチプレクサ制御信号S40〜S4
9に依存する。
【0037】以上の構成でのエンジン制御装置200内
の多値変換部220と、セレクタ1(500)及びセレ
クタ2(501)内の2値変換部520間の信号の変換
規則について説明する。
【0038】図2はセンサ選択部211、多値変換部2
20、2値変換部520間の信号の変換規則を表したも
のである。この図は、センサ選択部211の出力S33
〜S30に対して、多値変換部の変換結果であるS20
の電圧値をバッテリ電圧を基準とする相対値で示してい
る。更に、S20を受けてセレクタの2値変換部520
が出力するマルチプレクサ制御信号S40〜S49の状
態、及びその状態に対応するセレクタ出力S51の状態
を示す。
【0039】図の最上段はセンサ選択部211が出力す
るS30〜S33の状態を示している。なお、ここでは
4ビットの2進数であるS33〜S30を10進数とし
て表現している。また、4ビットの表現範囲で1010
〜1111、つまり10〜15に対応するデータは、セ
ンサ選択部210から出力されることがないために省略
する。従って、ここではS33〜S30=0〜9までの
データについてのみ説明する。
【0040】S33〜S30は、S33〜S30=9の
時、リセット電圧及び地絡検査、S33〜S30=8の
時、SD0選択信号、S33〜S30=7の時、SD1
選択信号、S33〜S30=6の時、SD2選択信号、
S33〜S30=5の時、SD3選択信号、S33〜S
30=4の時、SD4選択信号、S33〜S30=3の
時、SD5選択信号、S33〜S30=2の時、SD6
選択信号、S33〜S30=1の時、SD7選択信号、
S33〜S30=0の時、天絡検査の意味を持つ。
【0041】またこの時、多値変換部220の出力電圧
は、S33〜S30=9の時、バッテリ電圧×0.9
(V)、S33〜S30=8の時、バッテリ電圧×0.
8(V)、S33〜S30=7の時、バッテリ電圧×
0.7(V)、S33〜S30=6の時、バッテリ電圧
×0.6(V)、S33〜S30=5の時、バッテリ電
圧×0.5(V)、S33〜S30=4の時、バッテリ
電圧×0.4(V)、S33〜S30=3の時、バッテ
リ電圧×0.3(V)、S33〜S30=2の時、バッ
テリ電圧×0.2(V)、S33〜S30=1の時、バ
ッテリ電圧×0.1(V)、S33〜S30=0の時、
バッテリ電圧×0.0(V)である。
【0042】一方、セレクタの2値変換部520は、多
値変換部220の出力電圧が、バッテリ電圧×0.85
(V)以上の時、S49をハイに、バッテリ電圧×0.
75(V)以上でバッテリ電圧×0.85(V)未満の
時、S48をハイに、バッテリ電圧×0.65(V)以
上でバッテリ電圧×0.75(V)未満の時、S47を
ハイに、バッテリ電圧×0.55(V)以上でバッテリ
電圧×0.65(V)未満の時、S46をハイに、バッ
テリ電圧×0.45(V)以上でバッテリ電圧×0.55
(V)未満の時、S45をハイに、バッテリ電圧×0.
35(V)以上でバッテリ電圧×0.45(V)未満の
時、S44をハイに、バッテリ電圧×0.25(V)以
上でバッテリ電圧×0.35(V)未満の時、S43を
ハイに、バッテリ電圧×0.15(V)以上でバッテリ
電圧×0.25(V)未満の時、S42をハイに、バッ
テリ電圧×0.05(V)以上でバッテリ電圧×0.15
(V)未満の時、S41をハイに、バッテリ電圧×0.
05(V)未満の時、S40をハイにする。
【0043】S49〜S40はそれぞれ、マルチプレク
サ部510の制御信号であり、S49がハイの時、Vc
cを選択、S48がハイの時、SD0を選択、S47が
ハイの時、SD1を選択、S46がハイの時、SD2を
選択、S45がハイの時、SD3を選択、S44がハイ
の時、SD4を選択、S43がハイの時、SD5を選
択、S42がハイの時、SD6を選択、S41がハイの
時、SD7を選択、S40がハイの時、GNDを選択
し、出力線S51に出力する。
【0044】以上の変換規則において、S33〜S30
=9のリセット電圧及び地絡検査と、S33〜S30=
0の天絡検査について説明する。
【0045】リセット電圧は、セレクタに対し通信の開
始を宣言する論理的な意味と、伝送路であるワイヤハー
ネスS20の電位を上げることにより、以降の電圧値確
定までに要する不確定期間の短縮を図る、物理的な意味
とを持っている。一般に電位が低下するスピードは、上
がるスピードより速いことを利用するものである。
【0046】地絡検査は、エンジン制御装置200とセ
レクタ500間を結ぶワイヤハーネスの地絡発生の有無
を検査するものである。変換規則では通常、S33〜S
30=9に対してセレクタはVccを返す。ところが、
ワイヤハーネスに地絡が発生した場合は伝送路がGND
にスタックしている為に、セレクタの出力に関わらずV
cc以外が検出される。従って、エンジン制御装置はA
/D変換器で返ってきた電圧値を確認することにより地
絡検査を行うことができる。
【0047】天絡検査は、エンジン制御装置200とセ
レクタ500間を結ぶワイヤハーネスの天絡発生の有無
を検査するものである。変換規則では通常、S33〜S
30=0に対してセレクタはGNDを返す。ところが、
ワイヤハーネスに天絡が発生した場合は伝送路が接触箇
所の電圧値にスタックしている為に、セレクタの出力に
関わらずGND以外が検出される。従って、エンジン制
御装置はA/D変換器で返ってきた電圧値を確認するこ
とにより天絡検査を行うことができる。
【0048】以上の様に、多値変換部、2値変換部を用
いることにより、従来まで複数本を必要としたセンサ選
択情報を1本で多重化することができる。従って、エン
ジン制御装置とセレクタ間のワイヤハーネス本数を削減
することが可能である。
【0049】次に、セレクタの出力線に注目し、複数の
セレクタで1本の出力線を共用する方式について説明す
る。この方式ではセレクタの出力線を1本にすることが
可能となるために、エンジン制御装置内のAD変換器は
1チャネルを使用するだけでシステムを実現できる。
【0050】図3は、複数のセレクタで1本の出力線を
共用するシステム構成である。出力線の共用の為にセレ
クタに、AD変換器730、出力遮断部740、出力制
御部750が搭載される。なお、他の構成部のうち2値
変換部720以外は、既に説明している図1と同様の機
能と動作を行う。
【0051】2値変換部720の動作は、セレクタ1と
セレクタ2で異なる変換を行う。
【0052】セレクタ1では、バッテリ電圧×0.85
(V)以上の時、S45をハイに、バッテリ電圧×0.
75(V)以上でバッテリ電圧×0.85(V)未満の
時、S44をハイに、バッテリ電圧×0.65(V)以
上でバッテリ電圧×0.75(V)未満の時、S43を
ハイに、バッテリ電圧×0.55(V)以上でバッテリ
電圧×0.65(V)未満の時、S42をハイに、バッ
テリ電圧×0.45(V)以上でバッテリ電圧×0.55
(V)未満の時、S41をハイに、バッテリ電圧×0.
05(V)未満の時、S40をハイにする。
【0053】また、セレクタ2では、バッテリ電圧×
0.85(V)以上の時、S45をハイに、バッテリ電
圧×0.35(V)以上でバッテリ電圧×0.45(V)
未満の時、S44をハイに、バッテリ電圧×0.25
(V)以上でバッテリ電圧×0.35(V)未満の時、
S43をハイに、バッテリ電圧×0.15(V)以上で
バッテリ電圧×0.25(V)未満の時、S42をハイ
に、バッテリ電圧×0.05(V)以上でバッテリ電圧
×0.15(V)未満の時、S41をハイに、バッテリ
電圧×0.05(V)未満の時、S40をハイにする。
【0054】また、S40〜S45のハイと対応する、
マルチプレクサ部の出力は、S45がハイの時、Vcc
を選択、S44がハイの時、SD4を選択、S43がハ
イの時、SD3を選択、S42がハイの時、SD2を選
択、S41がハイの時、SD1を選択 S40がハイの時、GNDを選択する。
【0055】AD変換器730は、エンジン制御装置の
出力する電圧値として多値化されたセンサ選択信号を入
力として、A0信号を生成する。
【0056】A0信号はAD変換器730に入力された
電圧値が、電圧値がバッテリー電圧×0.45ボルト以
上の時は1、電圧値がバッテリー電圧×0.45ボルト
未満の時は0となる。
【0057】出力制御部750は、AD変換器730の
出力するA0信号、2値変換部720の出力するS4
0、S45から、出力遮断部740の開閉信号を出力す
る機能を持つ。出力遮断部の機能は、セレクタ1とセレ
クタ2で異なる。
【0058】セレクタ1の出力遮断部は、A0が0の時
に出力遮断部が閉じる様に、セレクタ2の出力遮断部
は、A0が1の時に出力遮断部が閉じる様に制御信号を
出力する。但し、どちらのセレクタも地絡、天絡検査電
圧に対応するS40、またはS45がハイの時は出力遮
断部を閉じるように制御信号を出力する。出力遮断部7
40は、マルチプレクサ部710の出力をワイヤハーネ
スに出力するか否かを、出力制御部750の指示に従っ
て実行する機能を持つ。
【0059】図3の構成での動作を図4に示す。図のフ
ォーマットは図2と同様であるが、マルチプレクサ部へ
の選択信号であるS40〜S45のうち、S40、S4
5はセレクタ1、セレクタ2ともに共通に、またS41
〜S44はセレクタ毎に分けて表現する。
【0060】セレクタ1の出力S51は、S40、S4
5がハイの時と、A0=0の時のみ意味を持ち、それ以
外の時は出力遮断部の機能により出力を行わない。セレ
クタ2の出力S52は、S40、S45がハイの時と、
A0=1の時のみ意味を持ち、それ以外の時は出力遮断
部の機能により出力を行わない。以上により、二つのセ
レクタは出力を競合させること無く、1本のワイヤハー
ネスを共有することができる。また、セレクタ出力線の
共有により、エンジン制御装置内のAD変換器は1チャ
ネルを使用するだけでシステムが構成できる。
【0061】次に、AD変換器により実現している出力
遮断判定をシーケンサ部により実現する実施形態につい
て説明する。この構成では、多値変換部と2値変換部に
よる単一信号化の機能の他に、シーケンサ部による通信
手順の管理機能と、シーケンサ部と出力遮断部による出
力調停機能を有する。
【0062】通信手順の管理機能は、セレクタの入出力
信号のタイミングを管理する機能である。エンジン制御
装置とセレクタのデータ授受は、予め定められた手順に
よって行われ、そのタイミングの基準信号はエンジン制
御装置より出力される。従って、セレクタ側の入出力信
号の管理は、エンジン制御装置からタイミング信号が与
えられる度に、通信手順で規定されたデータを入出力す
るようにセレクタ内の各構成要素を制御することとな
る。
【0063】また、出力調停機能とは複数のセレクタの
同時出力を防止するものである。各セレクタにはセレク
タアドレスが設けられている。エンジン制御装置は、セ
レクタとのデータ授受の冒頭に、データ授受を行うセレ
クタのセレクタアドレスを指定する。一方、セレクタ側
は送信されたセレクタアドレスと、自分自身のアドレス
との比較判定を行う。この結果、一致したセレクタのみ
が以降のデータ授受を行う様に、他のセレクタは出力遮
断部の機能により出力を停止する。
【0064】この機能により、エンジン制御装置と複数
のセレクタ間のセンサ選択情報、センサ信号のデータ授
受が1本の信号で実現可能となり、更にエンジン制御装
置内のA/D変換器は1本のチャネルを使用するだけ
で、複数のセレクタ信号の変換を可能にすることができ
る。
【0065】以上のデータの授受はエンジン制御装置が
マスターとなりタイミング基準信号を出力し、セレクタ
はそのタイミング基準信号に従ってデータの入出力を行
うこと、またその通信手順は予め定義されていることは
既に述べた。
【0066】通信方式としては、図1の構成で説明した
多値変換、2値変換の考え方の他に、セレクタアドレス
転送、エコーバックアドレス転送といった通信手順を採
用している。
【0067】セレクタアドレスは、システムで使用され
ている全てのセレクタに割り当てられたユニークな認識
番号のことで、エンジン制御装置はデータ授受の冒頭に
セレクタアドレスを転送することによって通信対象のセ
レクタを選択する。この考え方ではアドレス割当が可能
なだけ、セレクタを増設することができるために柔軟な
システム構成を実現できる。
【0068】エコーバックアドレスは、エンジン制御装
置に選択されたセレクタが、選択されたことを通知する
ためにエンジン制御装置に出力する自分自身のセレクタ
アドレスである。エンジン制御装置は自分の出力したセ
レクタアドレスと、返ってきたエコーバックアドレスの
一致を判定することにより、セレクタの選択が正常に行
われたことの確認を行うことができる。
【0069】判定の結果、アドレスが異なっている場合
は、ワイヤハーネスの断線、短絡、ノイズによる誤りを
含んだ転送の発生等の症状が考えられる。ワイヤハーネ
スの断線、短絡の場合、伝送路の特性上、エコーバック
アドレスは、それぞれの症状に対応した特有の値となる
ため、診断情報としても意味を持つ。
【0070】図5に、以上の考え方を採用し、シーケン
サ部と出力遮断部を搭載したセレクタによるシステム構
成を示す。構成を第1の実施形態である図1と比較する
と、エンジン制御装置の内部構成、セレクタの内部構成
がそれぞれ異なる。
【0071】以降、図1の構成と比較しながら図5の構
成を説明する。
【0072】エンジン制御装置300は、図1のエンジ
ン制御装置200と比較し、セレクタ選択部311の出
力信号S35〜S37、複数のセレクタへの入力線をS
60で共有、A/D変換器の使用チャネルがセレクタ数
に依存することなく1本である点で異なる。
【0073】センサ選択部311の出力信号S37〜S
35は、セレクタアドレスを出力するために用意され
る。図1ではセレクタの入力端子番号、または天絡検
査、地絡検査の選択を意味していたが、ここではエンジ
ン制御装置に接続されたセレクタの選択を意味する。つ
まり、本構成ではセレクタ入力端子を選択するのではな
くセレクタを選択することになる。
【0074】センサ選択部311の出力と、システムの
動作の関係については、後に図6を用いて詳細に説明す
る。
【0075】エンジン制御装置が出力する信号は多値変
化部320からワイヤハーネスへの経路で、またエンジ
ン制御装置が入力する信号はワイヤハーネスからAD変
換部312への経路で転送される。これは、通信手順に
よりワイヤハーネスを時分割で使用し、ある時点では入
力信号線として機能させ、またある時点では出力信号線
として機能させることによって実現可能な配線である。
【0076】A/D変換器312の使用チャネルは1本
である。図1の構成ではセレクタ数に対応した複数チャ
ネル使用するが、本構成では複数のセレクタの情報が1
本の信号線で多重化されA/D変換器312に入力され
るため、セレクタ数に依存することなく1チャネルでよ
い。マイクロコンピュータ310はシーケンスのマスタ
であり、現在の伝送路の状態については既知である。従
って、多重化された信号からセンサ信号を抜き出してリ
ードすることが可能である。
【0077】なお、エンジン制御装置300のその他の
構成及び機能は、図1のエンジン制御装置200と同様
である。
【0078】次に、セレクタの構成について図1と比較
する。セレクタ600は図1のセレクタ500と比較
し、2値変換部の出力本数、シーケンス部630および
セレクタアドレスA3〜A0、出力遮断部640が異な
る。
【0079】2値変換部620の出力はS77〜S75
の3本である。図1の2値変換部520の出力は10本
であり、マルチプレクス部への選択信号として意味を持
っていた。これに対して、2値変換部620の出力、S
77〜S75はそれぞれ、S77はフレームクロック
線、S76はクロック線、S75はデータ線の意味を持
つ。
【0080】フレームクロック線は、エンジン制御装置
から通信開始を指示するリセット信号を、またクロック
線はエンジン制御装置とセレクタ間の同期信号を、デー
タ線はエンジン制御装置より出力されたセレクタアドレ
スを出力するために用意される。それぞれの詳細とシー
ケンスについては、後に図6を用いて説明する。シーケ
ンス部630は、エンジン制御装置との同期、セレクタ
アドレスの解析、マルチプレクサ部への選択信号出力、
出力遮断部の開閉制御の4つの機能を持つ。
【0081】第1の機能であるエンジン制御装置との同
期は、予め定められた動作手順を、フレームクロック線
S77、クロック線S76の出力をトリガーとしたタイ
ミングで、データの入出力を実行することにより保たれ
る。動作手順、タイミングについては、後に図6を用い
て説明する。
【0082】第2の機能であるセレクタアドレスの解析
は、エンジン制御装置から出力されるセレクタアドレス
と、セレクタのA3〜A0で設定されているセレクタ固
有のアドレスとの一致判定を意味する。判定の結果、一
致したセレクタだけがデータ授受の対象となる。だた
し、セレクタアドレスの設定値として、A3〜A0=0
000、A3〜A0=1111は禁止する。これらのア
ドレスは、ワイヤハーネスの断線、短絡等の異常検出用
のコードとしてシステムで予約されている。
【0083】従って、設定可能なセレクタアドレスは、
A3〜A0=0001からA3〜A0=1110の合計
14アドレスである。但し、このアドレス数は本発明の
本質ではない。従って、14以上のセレクタを接続する
場合でも、本発明の基本構成を変えること無く実現可能
である。
【0084】第3の機能であるマルチプレクス部への選
択信号出力は、S81〜S90のアサートを制御する機
能である。S81〜S88は、マルチプレクサ部610
に接続されたセンサ信号SD1〜SD8の選択信号であ
り、S81アサートされるとセンサ信号SD1が、S8
2アサートされるとセンサ信号SD2が、S83アサー
トされるとセンサ信号SD3が、S84アサートされる
とセンサ信号SD4が、S85アサートされるとセンサ
信号SD5が、S86アサートされるとセンサ信号SD
6が、S87アサートされるとセンサ信号SD7が、S
88アサートされるとセンサ信号SD8が、それぞれ選
択される。
【0085】また、S89とS90は、それぞれマルチ
プレクサ部610に接続されらGNDと0.5VBに対
応する信号であり、S89アサートされるとセンサ信号
GNDが、S90アサートされるとセンサ信号0.5V
Bが、それぞれ選択される。
【0086】GNDと0.5VBは、セレクタがエンジ
ン制御装置に出力するアドレスエコーバック用に使用さ
れる。セレクタがエンジン制御装置に、自分のセレクタ
アドレスを返すエコーバックにおいて、セレクタがアド
レスの1に対応するデータを出力するときは0.5VB
を、またアドレスの0に対応するデータを出力する場合
はGNDを選択するように、シーケンス部はS89、S
90を制御する。
【0087】第4の機能である出力遮断部の開閉制御
は、セレクタアドレス解析結果をもとに、マルチプレク
サの出力を伝送路上に出力するか否を制御するものであ
る。即ち、アドレス一致の判定を得られたセレクタのみ
が、センサデータを出力するために出力遮断部640を
閉じ伝送路との接続行い、他のセレクタは出力遮断部6
40を開き伝送路から切り離すといった動作を行う。
【0088】シーケンサ部630は、出力遮断部640
の開閉指示を開閉信号S91から出力することにより、
上記機能を実現する。出力遮断部640は、マルチプレ
クサ部610が選択した信号と伝送路を接続したり、ま
たは遮断する機能を持つ。接続、遮断はシーケンサ部6
30が出力する選択信号S91に従う。
【0089】以上のような、図5の構成の動作を図6に
示す。図6は、エンジン制御装置内300内のセンサ選
択部311の出力するS35〜S37に対する、他の構
成部の動作を示したものである。本構成は、エンジン制
御装置とセレクタの信号の授受を、1本のワイヤハーネ
スで実現するために、エンジン制御装置とセレクタがワ
イヤハーネスを時分割で共有する。
【0090】従って、エンジン制御装置がワイヤハーネ
スを占有するフェーズ、つまりエンジン制御装置の出力
フェーズと、セレクタがワイヤハーネスを占有するフェ
ーズ、つまりセレクタの出力フェーズとが存在する。
【0091】はじめにエンジン制御装置の出力フェーズ
について説明する。S35は、セレクタ選択部が出力す
るフレームクロックである。フレームクロックは、セレ
クタとの通信開始を宣言することを意味するもので、セ
レクタとの通信の冒頭に必ず出力される。
【0092】S36は、セレクタ選択部が出力する同期
クロックである。同期クロックはエンジン制御装置とセ
レクタとの同期をとるために使用されるものであり、こ
のクロックがローに立ち下がった直後に、各セレクタは
現在の動作状態から次の動作状態に以降する。
【0093】S37は、リードするセンサが接続されて
いるセレクタアドレスを表す。各セレクタに設定される
アドレスは4ビットで表現されている。この為、S37
は4ビット分の情報を1ビットづつ4回に分けて出力す
る。
【0094】S35〜S37は、セレクタ選択部から次
の手順で出力する。はじめに、フレームクロックS35
をハイにして、各センサに通信の開始を宣言する。次
に、フレームクロックS35をローにすると共に、セレ
クタアドレスS37よりアドレス情報を出力する。アド
レス情報は4ビットのアドレスの上位ビットより出力す
る。また、図中ではセレクタアドレスS37よりハイを
出力しているが、この値は選択するセレクタのアドレス
によってローの場合もある。
【0095】次に、クロックS36をハイにしてアドレ
ス情報の出力終了を宣言すると共に、セレクタアドレス
S37をいったんローにしアドレスデータの出力を停止
する。次に、クロックS36をローにし2ビット目のア
ドレス情報の出力を宣言するとともに、セレクタアドレ
スS37よりアドレス情報を出力する。
【0096】以降、クロックS36のハイ、ロー、アド
レスデータS37の出力を繰り返し、4ビットのアドレ
ス情報を各セレクタに転送する。クロックS36は、ア
ドレス情報の転送後も、ハイ、ローの状態を繰り返し同
期クロックを発生し続ける。
【0097】上記S35〜S37の入力信号は、多値変
換部によりそれぞれに対応する電圧値に変換される。即
ち、S35のハイはバッテリー電圧×0.9V、ローは
バッテリー電圧×0.0Vに、 S36のハイはバッテ
リー電圧×0.7V、ローはバッテリー電圧×0.0V
に、 S37のハイはバッテリー電圧×0.5V、ロー
はバッテリー電圧×0.0Vに、それぞれ変換される。
【0098】一方、この出力を受けたセレクタの2値変
換部は、電圧値に対応するS75〜S77をハイ、また
はローにすることにより、多値2値変換を行う。
【0099】入力された電圧値が、バッテリー電圧×
0.8V以上のときS75をハイ、バッテリー電圧×0.
6V以上で、バッテリー電圧×0.8V未満のときS7
6をハイ、バッテリー電圧×0.4V以上で、バッテリ
ー電圧×0.6V未満のときS75をハイにする。
【0100】シーケンス部はS75がハイに遷移したこ
とを受けて、セレクタを初期状態にし、セレクタアドレ
スの最上位ビットの転送待ち状態には入り、S75がロ
ーとなった時点からS76がハイなるまでの間の、S7
7の状態をアドレス最上位ビットとしてリードする。ま
た、3ビット目以降のセレクタアドレスについては、S
76がロー期間の時のS77の状態を検出することによ
りリードする。
【0101】以上により、アドレス情報を受けたセレク
タはシーケンス部の機能により、転送されたアドレスと
自分自身のアドレスとの比較判定を順次行う。ここで、
アドレス判定の結果、不一致と判定されたセレクタは内
部の出力遮断部を開き、伝送路との接続を遮断する。こ
れにより、伝送路を介してエンジン制御装置と接続され
るセレクタは、セレクタアドレスの一致したひとつとな
る。
【0102】引き続き、セレクタ側の出力について説明
する。エンジン制御装置のセレクタアドレス出力以後、
選択されたセレクタは、次にエコーバックアドレスの転
送を行う。エコーバックアドレスとは、選択されたセレ
クタが自分自身のセレクタアドレスをエンジン制御装置
に出力するもので、選択されたことの確認の意味を持
つ。
【0103】エコーバックアドレスも、セレクタアドレ
スと同様に4ビットのアドレス情報を1ビット毎に4回
に分けて転送する。エンジン制御装置とセレクタ間で、
エコーバックアドレスの1はバッテリー電圧×0.5V
(0.5VB)、また0はバッテリー電圧×0.0V(G
ND)で定義されている。それぞれの電圧値は、セレク
タ内のマルチプレクサ部に接続されおり、シーケンス部
が選択信号S90をハイにするとバッテリー電圧×0.
5Vが選択され、また選択信号S89をハイにするとバ
ッテリー電圧×0.0Vが選択され伝送路に出力され
る。
【0104】選択信号S89、及びS90の出力タイミ
ングはセレクタアドレスの転送終了直後のクロック信号
の立ち上がりから始まり、次のクロック信号の立ち上が
りで次ビットのアドレス出力に切り替える。
【0105】この場合、伝送路上でエンジン制御装置の
出力するクロックと、セレクタの出力するエコーバック
アドレスが競合することになるが、既に述べたように伝
送路の特性としてより高い電圧値を優先するため、エコ
ーバックアドレスは、クロックの狭間でのみ認識され、
クロックとオーバーラップし競合する部分は前述したよ
うにクロックが優先する。従って、出力の競合によるデ
ータの混乱は発生しない。
【0106】セレクタより出力されたエコーバックアド
レスは、エンジン制御装置内のA/D変換器で2値デー
タに変換されリードされる。エンジン制御装置は出力し
たセレクタアドレスとエコーバックアドレスの一致を確
認し、以降のセンサデータのリード処理に移行する。
【0107】ここで、セレクタアドレスとエコーバック
アドレスが一致しない場合は、伝送路上に何らかの異常
が発生していることを意味する。伝送路に短絡等の静的
な異常が発生した場合は、その異常に対応する特定電圧
値が伝送路上に保持される。たとえば、伝送路が天絡し
た場合はバッテリー電圧値が、また地絡した場合はGN
D電圧値が検出される。
【0108】従って、エンジン制御装置はエコーバック
アドレスのリードによってこれらの誤りを検出すること
ができる。また、ノイズにより一時的に伝送路の状態が
変化し、セレクタアドレスやエコーバックアドレスに誤
りが発生した場合もアドレスが一致しない。このような
動的な誤りについては、一連の通信手順をキャンセルす
ることによって誤読を防止する。
【0109】引き続き、選択されたセレクタは、センサ
信号の出力フェーズに移行する。センサ信号の出力は、
マルチプレクサ部に接続されたセンサ信号SD8〜SD
1に対応する選択信号S88〜S81を次々にハイにす
ることによって行われる。選択信号の出力タイミングは
エコーバックアドレスと同様でクロックの立ち上がりか
ら出力を始め、次のクロックの立ち上がりで切り替えを
行う。
【0110】以上の動作により、エンジン制御装置とセ
レクタ間の1本のワイヤハーネスを、時分割し共有する
ことが可能となる。これにより、セレクタ数に依存する
ことなく、1本のワイヤハーネスでエンジン制御装置と
セレクタの信号授受が可能となる。
【0111】また、これにより従来、セレクタ数分必要
であったエンジン制御装置内のA/D変換チャネルも1
チャネルを割り当てるだけでシステムを実現することが
可能である。
【0112】更に、エンジン制御装置とセレクタ間のワ
イヤハーネスを削減する為に、エンジン制御装置の出力
線と、セレクタの出力線を共用する方式について説明す
る。
【0113】図7はエンジン制御装置の出力線とセレク
タの出力線を共用するシステムを示したものである。
【0114】この方式のセレクタは、内部で出力遮断部
と2値変換部が抵抗Rtを介して接続される以外は図5
の構成と同様である。
【0115】従って、図8に示す動作も図6に示したタ
イムチャートの、エンジン制御装置出力と、セクタ出力
を1本のワイヤハーネス上に合成したものとなる。
【0116】ところで図8においてエンジン制御装置
と、セレクタが共に出力状態の時、伝送路上ではより高
い電圧値を持つほうが優先される。これは、伝送路設計
に依存するものであるが、本実施例ではこの規定を採用
する。
【0117】このような、エンジン制御装置の出力とセ
レクタの出力の競合は、セレクタがデータを出力中に、
エンジン制御装置がタイミング信号を出力する場合に発
生する。この場合、タイミング信号を優先させる必要が
ある。従って、エンジン制御装置が出力するタイミング
信号は、セレクタの出力データの電圧値より高い電圧値
として定義している。
【0118】図9は本セレクタをコネクタに配置した例
を示したものである。
【0119】この例は、図3のセレクタをIC化しジョ
イントコネクタに内蔵した例である。コネクタには、V
B、GND、SD1〜SD8、COM1〜COM2の端
子が用意される。COM1とCOM2は伝送路、あるい
は他のセレクタとの接続端子である。
【0120】図10は図9に示した、セレクタを内蔵し
たコネクタを使用したエンジン制御システムを示したも
のである。この例では、二つのセレクタを使用して各セ
ンサの情報をエンジン制御装置に入力する。セレクタ同
士はCOM端子により接続する。
【0121】
【発明の効果】複数のセンサ信号を多重化するセレクタ
とこれを制御する制御装置において、複数ビットで表現
されるセンサの選択情報を単一信号線の電圧に変換する
多値変換部を前記制御装置に設け、前記選択信号の電圧
を複数ビットに変換する2値変換部を前記セレクタに設
けることにより、前記制御装置と前記セレクタの間のセ
ンサ選択情報を単一信号線で授受することが可能とな
り、セレクタとエンジン制御装置間のワイヤハーネスの
本数を削減することができる。
【0122】また、入出力の調停機能を持つ出力遮断
部、そのタイミングを制御するシーケンス部により、セ
レクタ数に依存することなく1本のセンサ選択信号でシ
ステムを構築することが可能となり、セレクタとエンジ
ン制御装置間のワイヤハーネスの本数を削減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多値変換部と2値変換部を内蔵した制御装置と
セレクタのシステム構成図である。
【図2】変換規則を示すタイムチャートである。
【図3】AD変換器と出力遮断部を内蔵したセレクタの
システム構成図である。
【図4】図3のシステムのタイムチャートである。
【図5】シーケンサ部と出力遮断部を内蔵したセレクタ
のシステム構成図である。
【図6】シーケンサ部と出力遮断部による動作チャート
を示す図である。
【図7】シーケンサ部と出力遮断部により入出力線を共
有したシステム構成図である。
【図8】図7のシステムのタイムチャートを示す図であ
る。
【図9】セレクタをコネクタに配置した図である。
【図10】セレクタ内蔵のコネクタを使用したエンジン
制御システムを示した図である。
【符号の説明】
200 エンジン制御装置 210 マイクロコンピュータ 211 センサ選択部 212 AD変換器 220 多値変換部 500 セレクタ1 501 セレクタ2 510 マルチプレクサ部 520 2値変換部 831〜838 センサ1〜センサ8 841〜848 センサ9〜センサ16 S30〜S33 センサ選択信号線 S20 選択信号線 S51 セレクタ1出力線 S52 セレクタ2出力線 S40〜S49 マルチプレクサ選択信号線 SD1〜SD8 センサ信号線1〜8 300 エンジン制御装置 310 マイクロコンピュータ 311 セレクタ選択部 312 AD変換部 320 多値変換部 600 セレクタ1 601 セレクタ2 610 マルチプレクサ部 620 2値変換部 630 シーケンサ部 640 出力遮断部 700 セレクタ1 701 セレクタ2 710 マルチプレクサ部 720 2値変換部 730 AD変換器 740 出力遮断部 S35〜S37 センサ選択信号線 S60 伝送路 S75 フレームクロック信号線 S76 同期クロック信号線 S77 セレクタアドレス信号線 S91 出力遮断信号線 S81〜S90 マルチプレクサ選択信号線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 374 F02D 45/00 374B 380 380 H04L 5/04 H04L 5/04 25/49 25/49 L

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサ信号を多重化するセレクタ
    と、前記センサの選択を指示するとともにセンサからの
    データを受け取る制御装置において、 複数ビットで表現される複数センサの選択情報を複数の
    電圧値に変換する多値変換部を前記制御装置に設け、 前記複数の電圧値を複数ビットに再変換する2値変換部
    を前記セレクタに設けて前記2値変換部の出力によりセ
    ンサを選択し、 前記制御装置と前記セレクタの間のセンサ選択情報を単
    一の信号線で授受するように構成することを特徴とした
    複数のセンサ信号を多重化するセレクタとこれを制御す
    る制御装置。
  2. 【請求項2】 複数のセンサ信号を多重化する複数のセ
    レクタと、前記センサの選択を指示するとともにセンサ
    からのデータを受け取る制御装置において、 複数ビットで表現される複数センサの選択情報を複数の
    電圧値に変換する多値変換部を前記制御装置に設け、 前記複数の電圧値を複数ビットに再変換する2値変換部
    を前記セレクタに設けて前記2値変換部の出力によりセ
    ンサを選択し、 前記複数の電圧値をデジタル電圧値に変換するアナログ
    デジタル変換器を前記セレクタに設け、 前記アナログデジタル変換器の出力によりセレクタから
    の出力を前記制御装置に出力するか否かを制御する出力
    遮断部を設け、 前記制御装置と前記複数のセレクタの間のデータ情報を
    単一の信号線で授受するように構成することを特徴とし
    た複数のセンサ信号を多重化するセレクタとこれを制御
    する制御装置。
  3. 【請求項3】 複数のセンサ信号を多重化する複数のセ
    レクタと、前記セレクタの選択を指示するとともにセン
    サからのデータを受け取る制御装置において、 通信手
    順のタイミング情報と複数セレクタの選択情報を含むデ
    ジタル情報を複数の電圧値に変換する多値変換部を前記
    制御装置に設け、 前記複数の電圧値をデジタル情報に再変換する2値変換
    部を前記セレクタに設け、 各セレクタを特定する固有のアドレスを有すると共にセ
    レクタに接続された複数のセンサを順次選択するシーケ
    ンサ部を前記セレクタに設け、 前記2値変換部からのセレクタ選択情報と前記固有アド
    レスを受けて前記シーケンサ部の出力によりセレクタか
    らの出力を前記制御装置に出力するか否かを制御する出
    力遮断部を設け、 前記制御装置と前記複数のセレクタの間のセレクタ選択
    情報を単一の信号線で授受し、且つ前記制御装置と前記
    複数のセレクタの間のデータ情報を単一の信号線で授受
    するように構成することを特徴とした複数のセンサ信号
    を多重化するセレクタとこれを制御する制御装置。
  4. 【請求項4】 複数のセンサ信号を多重化する複数のセ
    レクタと、前記セレクタの選択を指示するとともにセン
    サからのデータを受け取る制御装置において、 通信手
    順のタイミング情報と複数セレクタの選択情報を含むデ
    ジタル情報を複数の電圧値に変換する多値変換部を前記
    制御装置に設け、 前記複数の電圧値をデジタル情報に再変換する2値変換
    部を前記セレクタに設け、 各セレクタを特定する固有のアドレスを有すると共にセ
    レクタに接続された複数のセンサを順次選択するシーケ
    ンサ部を前記セレクタに設け、 前記2値変換部からのセレクタ選択情報と前記固有アド
    レスを受けて前記シーケンサ部の出力によりセレクタか
    らの出力を前記制御装置に出力するか否かを制御する出
    力遮断部を設け、 前記セレクタ内の前記出力遮断部の出力端と前記2値変
    換部の入力端を抵抗を介して接続し、 前記制御装置と前記複数のセレクタの間のセレクタ選択
    情報とデータ情報とを単一の信号線で授受するように構
    成することを特徴とした複数のセンサ信号を多重化する
    セレクタとこれを制御する制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、 前記シーケンサ部は、セレクタが選択された際に、前記
    固有のアドレスを前記制御装置にエコーバックアドレス
    として転送することを特徴とした複数のセンサ信号を多
    重化するセレクタとこれを制御する制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記制御装置は、前記エコーバックアドレスと前記制御
    装置の指示したセレクタアドレスとを比較し、セレクタ
    選択の正常性の確認を行なうことを特徴とした複数のセ
    ンサ信号を多重化するセレクタとこれを制御する制御装
    置。
JP5755196A 1996-03-14 1996-03-14 複数のセンサ信号を多重化するセレクタとこれを制御する制御装置 Pending JPH09252492A (ja)

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