JPH09251145A - コンタクトレンズ用洗浄剤 - Google Patents

コンタクトレンズ用洗浄剤

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JPH09251145A
JPH09251145A JP8603996A JP8603996A JPH09251145A JP H09251145 A JPH09251145 A JP H09251145A JP 8603996 A JP8603996 A JP 8603996A JP 8603996 A JP8603996 A JP 8603996A JP H09251145 A JPH09251145 A JP H09251145A
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lens
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JP8603996A
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Seiichiro Igawa
誠一朗 井川
Nobuyuki Osawa
信行 大沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトレンズ用酵素洗浄剤において、水
溶性有機化合物の高濃度水溶液中で蛋白分解酵素の活性
を長期間保持する。 【解決手段】 水溶性有機化合物の50〜90%水溶液
にサブチリシン・カールスバーグを1〜20単位/mg
の濃度で溶解した洗浄剤。 【効果】 蛋白分解酵素としてサブチリシン・カールス
バーグを選択することによって、水溶性有機化合物の高
濃度水溶液中でも長期間安定した状態で酵素活性を保存
することが可能となり、このため蛋白質と脂質との洗浄
を同時に、かつ効果的に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
に付着した汚染物質を簡単かつ効果的に除去するための
コンタクトレンズ用洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズには、メチルメタクリ
レートやブチルアクリレート等を主成分とする非含水コ
ンタクトレンズと、2ーヒドロキシエチルメタクリレー
トやN−ビニルピロリドン等を主成分とする含水コンタ
クトレンズとが広く利用されている。これらのレンズは
いずれも、眼に装用した場合に、涙液や眼脂等に由来す
る蛋白質、脂質、無機質などが付着する。これら汚染物
質の蓄積が進むと、コンタクトレンズが白濁し視界不良
になるとともに、装用時に不快感を感じるようになる。
これらの症状を予防しコンタクトレンズの装用を快適に
続けるためにはコンタクトレンズの洗浄操作は必須の要
件である。
【0003】コンタクトレンズの洗浄は、界面活性剤を
主成分とした洗浄剤を用いて行う擦り洗いが中心であっ
た。しかし、界面活性剤の洗浄力では変性固着した蛋白
質をレンズから除去することは困難であるため、長期間
使用していると白濁することや、擦り洗い中に爪を立て
レンズに傷を付けたり、破損させたりするなどの問題が
生じていた。
【0004】コンタクトレンズの洗浄を簡単に、かつ効
率的に行う方法として、特公昭53ー47810号公報
には蛋白分解酵素を利用した洗浄方法が提案され、最近
では蛋白分解酵素としてパパイン、パンクレアチン等を
用いたレンズ洗浄剤が広く利用されている。コンタクト
レンズ用酵素洗浄剤を利用することで変性固着した蛋白
質も容易に洗浄できるようになり、また、漬け置き洗い
でコンタクトレンズの洗浄ができるようになったため破
損も起こりにくくなった。
【0005】コンタクトレンズ用酵素洗浄剤は、溶液状
の剤型が最も簡単に使用でき、実際、現在市販されてい
るコンタクトレンズ用酵素洗浄剤の多くは溶液状の剤型
で提供されている。しかし、蛋白分解酵素を水性溶媒に
溶解し溶液状の剤型にした場合、酵素の分子的立体構造
の変化や自己消化、さらに、活性部位の変質等を起こす
ため、長期間酵素活性を安定保存することは困難であ
る。そこで、長期間にわたって安定な酵素活性を得るた
めに、様々な酵素の安定化方法が提案されてきた。
【0006】例えば、特公平5−77047号公報に
は、水混和性有機液体と水の配合比が50:50〜7
5:25の混合液に蛋白分解酵素を溶解することで、酵
素活性を安定化させる方法が開示されている。また、特
公平7ー75620号公報には、有効量の蛋白分解酵素
を、ソルビトール不含の溶液に対してグリセリンの5〜
40%とホウ酸及び/又はホウ酸塩の4〜20%とをグ
リセリンの100重量部に対しホウ酸及び/又はホウ酸
塩が10〜100重量部となる割合でそれぞれ含有せし
め、更にカルシウムイオンの0.01〜0.2%を含有
せしめた溶液に溶解することで、酵素活性を安定化させ
る方法が開示されている
【0007】さらに、特開平4−143718号公報に
は、蛋白分解酵素を水混和性ポリオールと、ホウ素化合
物と、アスコルビン酸誘導体を少なくとも含む溶液に溶
解することで、酵素活性を安定化させる方法が開示され
ている。しかしながら、いずれの方法でも蛋白分解酵素
の充分な安定化効果は得られていないばかりか、蛋白質
とともにコンタクトレンズの主要な汚染物質の一つであ
る脂質の除去に関する記述はない。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、蛋白分解
酵素を長期間安定保存することで、コンタクトレンズに
付着した蛋白質を簡単かつ効果的に除去するとともに、
脂質洗浄も同時に行えるコンタクトレンズ用洗浄剤を提
供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、蛋白分解酵素サ
ブチリシン・カールスバーグが水溶性有機化合物を高濃
度含む水溶液中でも長期間安定保存することが可能であ
り、該水溶性有機化合物の作用によってレンズ表面に付
着した脂質汚れを効率よく除去できることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は水溶性有
機化合物の50〜90%水溶液にサブチリシン・カール
スバーグを1〜20単位/mgの濃度で溶解したコンタ
クトレンズ用洗浄剤に関する。
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明に
おける水溶性有機化合物はレンズに付着する脂質成分を
溶解する作用を有しているためにレンズ洗浄成分として
有効であり、洗浄液中の該水溶性有機化合物の濃度は高
いほうが洗浄効果は大きい。しかしながら、一般に蛋白
分解酵素と該水溶性有機化合物が同一溶液中に存在する
場合、該水溶性有機化合物濃度が75%以下では酵素活
性を安定保存することが可能であるが、それ以上の濃度
では充分な安定保存効果が充分に得られないことが特公
平5−77047号公報に開示されている。
【0011】本発明者らは、水溶性有機化合物の高濃度
水溶液を使用した場合においても、蛋白分解酵素として
サブチリシン・カールスバーグを選択した場合に限り酵
素活性は長期的に安定した状態で保存でき、さらに、該
水溶性有機化合物の作用によってレンズに付着した脂質
汚れを効果的に除去できることを見出した。この場合、
水溶性有機化合物は50〜90%、より好ましくは80
〜85%の濃度で使用する。50%未満では充分な脂質
洗浄効果が得られなくなり、90%を超える濃度ではサ
ブチリシン・カールスバーグの酵素活性の長期安定化が
充分に得られなくなる。蛋白分解酵素は、カルボキシル
プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、チオールプロテア
ーゼ、セリンプロテアーゼの4種類に分類される。
【0012】カルボキシルプロテアーゼはアスパラギン
酸が活性部位に存在している酵素群である。この酵素群
のほとんどが低pH領域で活性を発現する。眼に対する
刺激性を考えると、低pHでコンタクトレンズを洗浄す
ることは危険である。メタロプロテアーゼは活性部位に
金属原子を必要とする蛋白分解酵素群である。蛋白分解
酵素洗浄剤の希釈に使用するコンタクトレンズ用保存液
は金属キレート剤を含んでいるものが多く、この作用に
よって活性部位の金属原子は分子外に引き抜かれ酵素活
性は失われてしまう。また、チオールプロテアーゼは活
性部位にシステインが存在している酵素群であるが、シ
ステインが非常に酸化を受けやすいために、アスコルビ
ン酸やシステインなどの還元剤を併用しなければ活性を
示さない。しかし、これら還元剤自体も溶液状態では酸
化を受けやすいため、溶液中で安定的に活性を保存する
ことは非常に困難である。以上の理由から、これら3種
の蛋白分解酵素群からコンタクトレンズ洗浄剤用酵素を
選択することは好ましくない。
【0013】一方、セリンプロテアーゼは活性部位にセ
リンが存在する酵素群である。この酵素群は活性を発現
する際に還元剤等の添加物をいっさい必要とせず、ま
た、金属キレート剤の影響も非常に小さい。これら理由
からコンタクトレンズ用洗浄剤にはセリンプロテアーゼ
を用いることが好ましい。さらに、この酵素群の中で
も、眼に刺激を与えないpH、つまり中性付近(pH6
〜8)のpHで活性を発現する酵素が、安全性の面から
選択されるべきである。これらの条件を満たす酵素とし
てサブチリシン・カールスバーグ、サブチリシン・BP
N’、パンクレアチンなどの酵素が挙げられるが、これ
ら酵素の中でサブチリシン・カールスバーグのみが水溶
性有機化合物の高濃度水溶液中でも長期間安定した状態
で保存できることは全く新しい知見である。
【0014】サブチリシン・カールスバーグは1〜20
単位/mg、好ましくは3〜10単位/mgとなるよう
に水溶性有機化合物の50〜90%水溶液に溶解する。
1単位/mg未満では充分な洗浄効果が得られず、20
単位/mgを越えると洗浄効果の増大は望めず、経済的
にも不利になる。サブチリシン・カールスバーグは「ク
リアレンズ プロ」の商品名でがノボ・ノルディスク・
バイオインダストリーから商業的に入手できる。このよ
うな蛋白分解酵素の活性を測定する方法としては、日本
薬局方に収載されているパンクレアチンの蛋白消化力試
験の方法を使用することができる。すなわち、カゼイン
を基質として酵素を作用させ、所定の反応後、1分間に
チロシン1μgに対応する呈色物を生成した活性を1単
位とする。
【0015】本発明における水溶性有機化合物は、グリ
セロールやプロピレングリコールのようなアルコール化
合物を50〜90%、好ましくは75〜88%、より好
ましくは80〜85%の濃度の水溶液で使用すること
が、脂質洗浄効果や酵素活性の長期安定化を考慮に入れ
た場合最も有効である。グリセロールやプロピレングリ
コール等の水溶性有機化合物が50%未満では充分な脂
質洗浄力が得られなくなり、90%を越える濃度ではサ
ブチリシン・カールスバーグの酵素活性の長期安定化が
得られなくなる。
【0016】本発明では、酵素の活性をより強力に保存
するためにホウ酸及び/又はホウ酸塩、さらにカルシウ
ムイオン化合物を加えることができる。ホウ酸及び/又
はホウ酸塩は、酵素の活性部位に可逆的に結合し一時的
に酵素の活性を低下させ自己消化を抑える働きととも
に、緩衝剤としてpHを調整する作用も有しており重要
である。洗浄剤に加えられるホウ酸及び/又はホウ酸塩
は、その合計量において0.01〜1%(重量)が好ま
しい。0.01%未満では緩衝剤としても、酵素の活性
安定化剤としても充分な効果は得られない。1%を越え
る場合には酵素洗浄剤を希釈したときも酵素活性を阻害
することになるので充分な洗浄効果が得られない。ホウ
酸塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウ
ム、ホウ酸カリウムなどが好適なものとして挙げられ
る。
【0017】カルシウムイオンは、蛋白分解酵素の特定
部位に結合し、酵素の立体構造を安定化することで酵素
活性を保持する作用を持っている。カルシウムイオン供
給化合物としては、水への溶解が容易な塩化カルシウ
ム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムなどが好適なもの
として挙げられる。これらのカルシウム化合物は、0.
01〜1%(重量)の濃度で加えることが好適である。
0.01%未満では安定化効果が充分に発揮できない。
1%を越える濃度で加えても酵素の安定効果が増すとい
うことはなく、逆にレンズに汚染物質として付着してし
まい好ましくはない。さらに、本発明の洗浄剤には、界
面活性剤、金属キレート剤、保存剤等を加えることがで
きる。界面活性剤は、レンズに付着した脂質等を洗浄す
るのに有効な成分である。
【0018】使用できる界面活性剤としては、例えば、
アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸
塩、αーオレフィン硫酸塩、N−アシルスルホン酸塩、
アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、等の陰イオ
ン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩、芳香族4級
アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、アミノカルボ
ン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤、アル
キルポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレン
ーポリオキシプロピレンブロックポリマー、グリセリン
エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエ
ステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエ
ステルのポリオキシエチレンエーテル、ポリエチレング
リコールの脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙
げられる。この中で、眼粘膜への刺激が少ないことから
非イオン系の界面活性剤が好ましく、0.1〜2%の範
囲で配合することが好適である。
【0019】金属キレート剤にはレンズに付着した無機
イオンを洗浄する効果があり、例えば、EDTA2ナト
リウム,ニトリロ三酢酸、クエン酸、六メタリン酸ナト
リウム等が挙げられる。金属キレート剤は大量に加える
と蛋白分解酵素の分子内のカルシウムを引き抜き、蛋白
分解酵素の活性を妨げるため、0.01〜2%の範囲で
配合することが好適である。保存剤は洗浄液に菌が繁殖
することを防止するために添加される。例えば、安息香
酸、ソルビン酸およびその塩、パラオキシ安息香酸エス
テル類、デヒドロ酢酸、プロピオン酸およびそれらの塩
類等が挙げられ、0.005〜1%の範囲で配合するこ
とが好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、代表的な実施例により、本
発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)サブチリシン・カールスバーグを85%プ
ロピレングリコール水溶液に6.0単位/mgの濃度で
溶解し、40℃で2ヶ月間放置した後、酵素活性を測定
した。その結果、93%の活性が保存されていた。 (実施例2)サブチリシン・カールスバーグを85%グ
リセリン水溶液に6.0単位/mgの濃度で溶解し、4
0℃で2ヶ月間放置した後、酵素活性を測定した。その
結果、92%の活性が保存されていた。
【0021】(実施例3)ホウ酸0.5%、ホウ砂0.
05%、塩化カルシウム0.05%を含む50%プロピ
レングリコール水溶液にサブチリシン・カールスバーグ
を6.0単位/mgの濃度で溶解し、40℃で2ヶ月間
放置した後、酵素活性を測定した。その結果、93%の
活性が保存されていた。
【0022】(比較例1)サブチリシン・BNP’を8
5%プロピレングリコール水溶液に6.0単位/mgの
濃度で溶解し、40℃で2ヶ月間放置した後、酵素活性
を測定した。その結果、25%の活性しか保存されてい
なかった。 (比較例2)パンクレアチンは6.0単位/mgの濃度
では85%のプロピレングリコール水溶液に溶解しなか
った。
【0023】(比較例3)サブチリシン・カールスバー
グを95%プロピレングリコール水溶液に6.0単位/
mgの濃度で溶解し、40℃で2ヶ月間放置した後、酵
素活性を測定した。その結果、69%の活性しか保存さ
れていなかった。 (比較例4)サブチリシン・カールスバーグを40%プ
ロピレングリコール水溶液に6.0単位/mgの濃度で
溶解し、40℃で2ヶ月間放置した後、酵素活性を測定
した。その結果、60%の活性しか保存されていなかっ
た。
【0024】(実施例4)実施例1の洗浄液30mgを
ソフトコンタクトレンズ用保存液(旭化成アイミー株式
会社製)2mlで希釈することで希釈洗浄液を調整し、
以下の方法で蛋白質洗浄力および脂質洗浄力を測定し
た。 蛋白質洗浄試験:以下に示す組成の蛋白汚染液に含水ソ
フトコンタクトレンズ(旭化成アイミー株式会社製、ア
イミーカリブ:商品名)を浸漬し75℃で30分間加熱
した後、流水で2分間すすぐことにより蛋白汚染サンプ
ルレンズを調整した。
【0025】蛋白汚染液 NaCl 0.9 % NaH2 PO4 0.0184% Na2 HPO4 0.076 % CaCl・2H2 O 0.4071% リゾチーム(卵白由来) 0.12 % アルブミン(牛血清由来) 0.388 %
【0026】希釈洗浄液に蛋白汚染サンプルレンズを浸
漬し一晩放置し、続いて、コンタクトレンズを希釈洗浄
液から取り出し、精製水で軽くすすいで分析用サンプル
レンズを調整した。分析用サンプルレンズを蛋白質分析
用BCA試薬(PIERCE社製)2ml中に投じ、4
0℃で5時間放置した。発色反応後、BCA試薬の56
2nmの吸光度を測定した。あらかじめ測定したアルブ
ミンの検量線から分析用サンプルに付着した蛋白質量を
求め、レンズ残存蛋白質量とした。
【0027】脂質洗浄試験:20gの精製水にオレイン
酸を5g投じ、マグネティックスターラーで1時間攪拌
して調製した脂質懸濁液の中に含水ソフトコンタクトレ
ンズ(アイミーカリブ)を浸漬し、そのまま1時間攪拌
した後、精製水で軽くすすぎ、脂質汚染サンプルレンズ
を調製した。希釈洗浄液に脂質汚染サンプルレンズを浸
漬し一晩放置し、続いて、コンタクトレンズを希釈洗浄
液から取り出し、精製水で軽くすすいで分析用サンプル
レンズを調整した。
【0028】分析用サンプルレンズを真空乾燥(80℃
で30分間)してレンズの水分を除去した後、同レンズ
をクロロホルム:メタノール(2:1)混合液に1時間
浸漬した。レンズを取り出してその表面を同様の混合液
2mlで洗い、先の浸漬液と合わせた中に、エイコサン
酸の5ppmメタノール溶液を1ml(内部標準物質と
して)加え、窒素気流下に溶媒を留去した。
【0029】残渣に3フッ化ホウ素/メタノール試薬1
mlを加え5分間沸騰することでオレイン酸とエイコサ
ン酸をメチル化した。反応後、水1mlを加え、ヘキサ
ン(5ml+2ml)で抽出した。抽出液を水2mlで
洗浄した後、窒素気流下に溶媒を留去した残渣を0.1
mlのヘキサンで溶解した液をガスクロマトグラフ用試
験液とした。得られたガスクロマトグラフィーのオレイ
ン酸メチルとエイコサン酸メチルのピーク面積比からオ
レイン酸の量を求めて、レンズ残存脂質量とした。
【0030】蛋白質洗浄試験、脂質洗浄試験とも、希釈
洗浄液の代わりに精製水に一晩浸漬した分析用レンズサ
ンプルに付着した蛋白質、脂質の量を別に測定し、次の
式から洗浄率を求めた。 洗浄率(%)=〔1−(A/B)〕×100 A:希釈洗浄液で洗浄した際のレンズ残存蛋白質(脂
質)量 B:精製水に浸漬した際のレンズ残存蛋白質(脂質)量 その結果は、表1に一括して記した。
【0031】(実施例5、6)実施例2、3の洗浄液3
0mgをそれぞれソフトコンタクトレンズ用保存液2m
lで希釈することで希釈洗浄液を調整し、実施例4と同
様の蛋白質洗浄試験、脂質洗浄試験を行った。その結果
は、表1に一括して記した。 (比較例5〜7)比較例1、3、4の洗浄液30mgを
それぞれソフトコンタクトレンズ用保存液2mlで希釈
することで希釈洗浄液を調整し、実施例4と同様の蛋白
質洗浄試験、脂質洗浄試験を行った。その結果は、表1
に一括して記した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明のコンタクトレンズ用洗浄液は、
蛋白分解酵素としてサブチリシン・カールスバーグを選
択することによって、水溶性有機化合物の高濃度水溶液
中でも長期間安定した状態で酵素活性を保存することが
可能になった。このため蛋白質と脂質との洗浄を同時
に、かつ効果的に行うことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性有機化合物の50〜90%水溶液
    にサブチリシン・カールスバーグを1〜20単位/mg
    の濃度で溶解したコンタクトレンズ用洗浄剤。
  2. 【請求項2】 水溶性有機化合物がグリセリンおよび/
    またはプロピレングリコールである請求項1記載のコン
    タクトレンズ用洗浄剤。
JP8603996A 1996-03-15 1996-03-15 コンタクトレンズ用洗浄剤 Pending JPH09251145A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3564067B2 (ja) * 1998-08-21 2004-09-08 千寿製薬株式会社 コンタクトレンズ用剤
JP2007255898A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Horiba Ltd ガラス電極用洗浄剤、ガラス電極の洗浄方法、及びガラス電極洗浄剤用パッケージ

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