JPH0925073A - エレベータ案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】ガイドレール３ａ，３ｂに対向し電磁石で案内
する磁気ガイド６ａ〜６ｌと、磁気ガイド６ａ〜６ｌの
力を制御するマイコン１０ａと、乗りかご１、または、
かご枠２に取り付けた加速度検出器７ａ，７ｂ，７ｃ
と、電磁石の電流検出器９ａ，９ｂと、検出器の検出信
号をマイコン１０ａに切り換えて入力するアナログ入力
切換回路１０ｂと、マイコン１０ａからの電流指令を切
り換える電流指令切換回路１０ｃを備えた磁気ガイドの
制御装置８で構成する。 【効果】マイコンが有するアナログ入力点数より多い入
力信号とマイコンが有する出力点数より多い出力信号を
一つのマイコンで処理することができ、エレベータ案内
装置の制御回路を安価に構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータの走行案内装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガイドレールに対向し電磁石で走行案内
する磁気ガイド装置は、かご枠上部に設けた３個の加速
度検出器の検出信号と、かご枠下部に設けた３個の加速
度検出器の検出信号と、ガイドレールの３面の走行案内
面に対向した電磁石毎に設けた１２個の電流検出器の検
出信号によって帰還制御を行っている。このため、多数
の検出信号を入力できるマイコンや複数のマイコンを使
用したり、または、アナログ回路で制御を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】電磁石の吸引力を制御
するために、複数のマイコンやアナログ回路で制御装置
を構成しているため、制御装置が高価なものとなってい
る。

【０００４】本発明の目的は、安価なエレベータの案内
装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、エレベータの走行案内装置を、ガイドレール
に対向し電磁石で走行案内する磁気ガイド装置と、前記
磁気ガイド装置の制御装置とからなり、前記制御装置
は、乗りかごまたは乗りかご枠に発生する加速度を検出
する検出器と、前記電磁石の電流を検出する電流検出器
と、前記検出器で検出した検出信号で前記電磁石の吸引
力を制御するマイコンと、前記マイコンに前記検出器で
検出した検出信号の入力を前記マイコンの指令により切
り換える入力切換手段と、前記マイコンの出力信号を前
記マイコンの指令により切り換える出力切換手段を備
え、前記マイコンの入力ポートより多い入力を前記マイ
コンの指令により入力切換手段を切り換えて順々に入力
し、マイコン内で電磁石の吸引力と吸引力を発生する電
磁石を選定する処理を行い、前記電磁石への出力信号を
順次切り換えて出力する。

【０００６】

【作用】加速度検出器は、乗りかごまたは、かご枠の水
平方向加速度の大きさとその方向を検出する。

【０００７】電流検出器は、電磁石の電流の大きさを検
出する。

【０００８】制御装置のマイコンは所定の時間間隔で入
力切換回路に指令を送り、加速度検出器の検出信号と、
電流検出器の検出信号を順次入力する。

【０００９】また、マイコンは入力した検出信号から所
要の吸引力を演算するとともに、吸引力を発生すべき電
磁石を選択し、この結果から出力切換回路に指令を出力
する。

【００１０】この構成により、一つのマイコンで磁気ガ
イド装置の吸引力を乗りかごまたはかご枠の加振力を相
殺するように制御し、乗りかごの水平方向の振動を発生
させないように走行案内することができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明によるエレベータ案内装置の一
実施例を図面により詳細に説明する。図１は本発明を適
用したエレベータ案内装置を示す図、図２はマイコンの
処理手順を示すフローチャートである。

【００１２】図１において、乗りかご１はかご枠２の上
に防振ゴムにより支持されている。このかご枠２の上部
に、昇降路内に立設したガイドレール３ａ，３ｂに沿っ
て乗りかご１を案内する案内装置４ａ，４ｂが取り付け
られている。

【００１３】案内装置４ａ，４ｂは、それぞれ、ガイド
レール３ａ，３ｂの３方向の走行案内面に沿って案内す
るローラガイド５ａ〜５ｆと、ガイドレール３ａ，３ｂ
の３方向の走行案内面に対向し非接触で走行案内する電
磁石から成る磁気ガイド６ａ〜６ｆとを備えている。

【００１４】また、かご枠２には、かご枠２の左右方向
すなわちレールゲージ方向の水平方向加速度を検出する
加速度検出器７ａと、前後方向、すなわち、出入口方向
の水平方向加速度を検出する加速度検出器７ｂ，７ｃが
取り付けられている。

【００１５】さらに、図示は１００に省略しているが、
案内装置４ａ，４ｂと同様な案内装置４ｃ，４ｄおよび
加速度検出器７ｄ，７ｅ，７ｆが、かご枠２の下部にも
取り付けられている。

【００１６】磁気ガイドの制御装置８は、磁気ガイドの
電磁石に流れる電流を個々に検出する電流検出器９ａ，
９ｂと、電流検出器９ａ，９ｂの検出信号および加速度
検出器７ａ〜７ｆの検出信号をマイコン１０ａの指令に
よって切り換える入力信号切換回路１０ｂと、入力信号
切換回路１０ｂを経て得られる入力信号により各電磁石
の所要吸引力を演算し電流指令を出力するマイコン１０
ａと、電流指令をマイコン１０ａの指令によって切り換
えて各電磁石に出力する電流指令切換回路10ｃと、電流
指令切換回路１０ｃの出力信号である電流指令を電磁石
の電流に変換する電流アンプ１１ａ，１１ｂで構成して
いる。

【００１７】制御装置８のマイコン１０ａは、図２に示
す処理を行い磁気ガイドを制御する。すなわち、まず手
順Ｓ１では、マイコン１０ａにかご枠２に設けた全ての
加速度検出器の検出信号と、電流検出器の検出信号を時
分割に順次入力するように、入力切換回路１０ｂの設定
を行い、手順Ｓ２では、検出信号をマイコン１０ａ内に
入力する。

【００１８】手順Ｓ３では、全ての検出信号を入力する
ため、マイコン１０ａ内に入力する最後の検出信号にな
るまで順々に切り換えを行い、全ての検出信号をマイコ
ン１０ａ内に入力し終えたならば、次の手順に進み入力
した検出信号から電磁石の吸引力を計算する。

【００１９】次に手順Ｓ４では、かご枠の上部左右方向
の磁気ガイド制御として、手順Ｓ41で入力した検出信号
のうち、まずかご枠２の上部左右方向の加速度検出器７
ａの検出信号に対して帯域通過型フィルタ処理を行い、
振動抑制に必要な周波数成分の信号を取り出し、信号増
幅を行い電磁石の吸引力を定める電流指令を作成する。
手順Ｓ４２では、手順Ｓ４１の結果から加速度の発生方
向を判定する。手順Ｓ４３では、判定した検出信号の方
向から吸引力を発生する電磁石を選定し、電流指令切換
回路１０ｃの設定を行う。すなわち、発生した振動が左
方向ならば右側の電磁石から吸引力を発生し、発生した
振動が右方向ならば左側の電磁石から吸引力を発生する
ように電流指令切換回路１０ｃに切り換え指令を与え
る。

【００２０】手順Ｓ４４では、手順４１で作成した電流
指令と手順２で入力した電流の検出信号を付き合わせて
電流帰還制御する。手順Ｓ４５では、手順Ｓ４４で処理
された電流指令を切換回路７ｃに出力し、電流アンプ１
１ａ，１１ｂから電磁石に電流を流す。

【００２１】引き続き手順Ｓ５では、乗りかごの下部左
右方向の磁気ガイドを手順Ｓ４１から手順Ｓ４５と同様
な処理を行い制御する。さらに、手順Ｓ６では、乗りか
ごの上部右側前後方向、手順Ｓ７では、乗りかごの上部
左側前後方向、手順Ｓ８では、乗りかごの下部右側前後
方向、手順Ｓ９では、乗りかごの下部左側前後方向につ
いて上記と同様に手順Ｓ４１から手順Ｓ４５と同一の処
理を行っている。

【００２２】なお、処理手順のＳ１からＳ９は、電磁石
の応答時定数以下の演算処理周期で、繰り返し処理を行
っている。

【００２３】このように構成した実施例では、磁気ガイ
ドを制御するために必要な検出器の信号を、一つのマイ
コンで順次入力し、処理することにより、マイコンが有
するアナログ入力点数より多い入力信号とマイコンが有
する出力点数より多い出力信号を一つのマイコンで処理
することができ、エレベータ案内装置を安価に構成する
ことができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、入力切換回路及び電流
指令切換回路を用い、マイコンが有するアナログ入力点
数より多い入力信号とマイコンが有する出力点数より多
い出力信号を前記一つのマイコンで処理することがで
き、エレベータ案内装置の制御回路を安価に構成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したエレベータの走行案内装置を
示す説明図。

【図２】マイコンの処理手順を示すフローチャート。

【符号の説明】

１…乗りかご、２…かご枠、３ａ，３ｂ…ガイドレー
ル、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ…案内装置、５ａ〜５ｆ…
ガイドローラ、６ａ〜６ｌ…磁気ガイド、７ａ，７ｂ，
７ｃ…加速度検出器、８…磁気ガイド制御装置、９ａ，
９ｂ…電流検出器、１０ａ…マイコン、１０ｂ…入力切
換回路、１０ｃ…電流指令切換回路、11ａ，１１ｂ…電
流アンプ、１００…かご枠下部の案内装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紺谷 雅宏 東京都千代田区神田錦町一丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 武藤 信義 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 山崎 正親 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータの乗りかごを昇降路内のガイド
   レールに対向した電磁石の吸引力で走行案内する磁気ガ
   イド装置と、前記磁気ガイド装置の制御装置とからな
   り、前記制御装置は、乗りかごまたは乗りかご枠に発生
   する加速度を検出する加速度検出器と、前記電磁石の電
   流を検出する電流検出器と、前記検出器で検出した検出
   信号で前記電磁石の吸引力を制御するマイコンと、前記
   検出器で検出した検出信号の入力を前記マイコンの指令
   により切り換える入力切換手段と、前記マイコンから出
   力する前記電磁石の電流信号を前記マイコンの指令によ
   り切り換える出力切換手段とを備え、前記入力切換手段
   は時分割に切り換え制御し、前記出力切換手段は前記加
   速度検出器の出力信号から加速度の発生方向を検出し
   て、加速度の発生方向により切り換えるようにして、前
   記マイコンが有するアナログ入力点数より多い入力信号
   と前記マイコンが有する出力点数より多い出力信号を前
   記一つのマイコンで処理することを特徴とするエレベー
   タ案内装置。