JPH09250394A - 上流側パネルに結合されたゲートを有するターボジェットエンジンの推力反転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不意の展開の危険性及びパネル構造の弱体化
を防ぎ、直接ジェット時の気密性を確保して音響処理面
積の減少を回避する複流ターボジェットエンジン推力反
転装置を提供する。 【解決手段】 内部上流側パネル２０により、各ゲート
７の内面、ゲート７、およびそれぞれの独立ピボット２
７、２８を中心として旋回する上流側パネル２０は二重
になる。直接ジェット時、上流側パネル２０に加えられ
る圧力の応力により開偶力がゲート７に一切伝達されな
いように、ゲート７と上流側パネル２０との間の結合
は、上流側パネル２０に固設された支持体３２上の第１
の点３１と、ゲート７上の第２の点３３と、制御シリン
ダ８のロッド端上の第３の点３４とにそれぞれ連接され
た三点式ロッド３０によって行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複流ターボジェッ
トエンジンの推力反転装置に関する。ターボジェットエ
ンジンは、二次すなわち冷流を通過させるための管路を
ブロワの後方に具備し、この管路は、ブロワの後方の本
来の意味でのエンジンの構体を取り囲む内部壁と、上流
部分がブロワを取り囲むエンジンカバーに連続する外壁
とからなる。本発明の対象とする適用例においては、推
力反転は、冷副流の偏向を主にあるいは専ら利用する。

【０００２】

【従来の技術】ＥＰ−Ａ−０４１３６３５から、添付の
図面の図１および図２に概略を示した複流ターボジェッ
トエンジンの推力反転装置が知られている。既知のよう
に、この種の推力反転装置は、可動部分２を形成するゲ
ート７と、直接ジェット動作時非動作位置において、ナ
セルの外壁または外部カバーの一部と、上流側部分１に
よりゲートの上流側、下流側部分３によりゲートの下流
側、および上流側部分１と下流側部分３とを接続するビ
ームを介してゲート７間にこの外部カバーを実現する固
定構造とを含む。ゲート７は外部カバーの外周上に取り
付けられ、ゲートの両側にある前記ビーム上の側面壁の
中間部位内に回動可能に取り付けられる。各ゲート７
は、ナセルの外壁の一部を形成する外側部分９とアニュ
ーラ管の外壁の一部を形成する内側部分１１を含み、こ
れらの部分は、側面壁と、ゲートの上流側および下流側
の壁とによって接続される。固定構造の上流側部分１
は、図示する実施例において、ロッド端が１０において
ゲート７の内部構体１２に連接されるシリンダ８からな
るゲート７の移動制御手段の支持体の役割を果たす前部
枠６を含む。各ゲート７の上流側部分は、少なくとも一
つのロッド２２によりゲート７に接続され、図１に示す
直接ジェット位置から図２に示す反転ジェット位置への
移行時、ゲート７と上流側パネル２０との間に通路が設
けられるように、ゲートの駆動により独立側面ピボット
２８を中心として旋回することができる内面上流側パネ
ル２０によって内面上で二重にされる。ゲート７はま
た、流れを上流側に偏向し反推力成分が得られるように
するため、ゲート７が展開されたとき、ゲートの内面か
ら見て前方に突出するスポイラ１３を、上流部分に具備
する。

【０００３】ＥＰ−Ａ−０４１３６３５に説明されてい
るように、この既知の装置は、最適な空力線と一体にな
り有害な空洞をもたない平滑二次層の壁により、直接ジ
ェット時の性能を向上するとともに、層内の圧力の作用
により上流側パネルを具備するゲートアセンブリに及ぼ
される応力により、安定した非展開位置を確保しつつ直
接ジェット時にアセンブリが自動閉となるようにするこ
とができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら個別の適
用例は場合によっては、先行技術による既知の配置によ
って得られる前記結果が問題となることがある。従っ
て、特に層の高さが低い場合など、空力線の構成によっ
ては、上流側パネル２０に働く層の圧力によってアセン
ブリが開くようになる。例えば運動応力により、ピボッ
ト２８の位置が、下流側長さ１１が上流側長さ１２を下
回るなど、上流側パネル２０の後部に強制的に置かれる
ことがある。矢印Ｐ１で示す誘導偶力は、矢印Ｆ１で示
す作用を及ぼす結合ロッド２２を介してゲート７に伝達
される。矢印Ｐ２で示すゲート７に働く層の圧力の作用
によりたとえ自動閉の傾向があっても、上流側パネル２
０を具備するゲートアセンブリ７に対し自動開の作用を
有する矢印Ｐ３で示す偶力が発生することがある。この
ため、不意の展開の危険性は十分には解消されない。

【０００５】また、図２においてわかるように、反転ジ
ェット位置における前記パネル２０とシリンダ８の本体
との間の干渉を防ぐために、上流側パネル２０内の切断
部が必要となることがある。この切断部が大きいと、上
流側パネル２０の構造の弱体化、直接ジェット時の気密
性確保が困難であること、音響処理面積の減少という欠
点が生じる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】先行の既知の実施例の欠
点を解消することによりこれらの条件を満たす前記の種
類の旋回ゲート型推力反転装置は、ゲートと上流側パネ
ルとの間の結合手段が、直接ジェット位置において、層
の圧力により上流側パネルに加えられ、前記ロッドによ
りゲートに伝達される応力により、ゲートに偶力が発生
しないか、ゲートおよび上流側パネルのアセンブリにお
いて安定閉位置を確保することによりゲートの自動閉を
行おうとする偶力が発生するように、上流側パネルに固
設された支持体上の第１の点と、ゲート上の直接の第２
の点と、制御シリンダのロッド端上の第３の点とにそれ
ぞれ連接された三点式ロッドからなることを特徴とす
る。

【０００７】前記ロッド、および上流側パネルに固設さ
れた支持体は、反転ジェット位置への移行時、前記上流
側パネルと制御シリンダとの間の干渉を防ぐように配設
するのが有利である。

【０００８】本発明の別の特徴および特長は、添付の図
面を参照して行う本発明の実施態様についての説明を読
むことにより、よりよく理解されよう。

【０００９】

【発明の実施の形態】図３および図４に例示する本発明
の一実施態様によれば、飛行機の適切な飛行段階におい
て、複流束に結合されたターボジェットエンジンの副流
の反転を実行することが可能な推力反転装置は、図１お
よび図２を参照して前記の既知の実施例において説明し
た既知の主要部分を含む。特に、上流固定構造１、ゲー
ト７、および下流部分３があるほか、ターボジェットエ
ンジンを包み、矢印１５で示す副流の管路となるアニュ
ーラ管１４の内壁を形成する一次カバー１９がある。同
様に、各ゲート７は上流側パネル２０に結合される。し
かしながら、本発明によれば、上流側パネル２０は三点
式ロッド３０によりゲート７に接続される。前記ロッド
３０は、三角形の全体形状を有し、三点を構成する三角
形の三つの頂点はそれぞれ連接軸が占有する。第１の点
３１では、上流側パネル２０に固設された中間支持体３
２上のロッド３０の掛合が行われ、第２の点３３では、
ロッド３０は、ゲート７の構造に直接連接され、第３の
点３４では、反転装置の可動部分の移動制御シリンダ８
のロッド端はロッド３０上に連接される。

【００１０】図３に示すゲート７の閉位置に相当する直
接ジェット動作時、油圧ロックなど図示しない自明の装
置により、反転装置の前方枠６上にゲート７がロックさ
れる。ゲート７の操作シリンダ８は、圧力の不足により
動作するロックを実行しシリンダ８をその戻し位置に固
定する自明の図に詳細には示さない配置を備える。これ
は例えば、圧力の不足により指令される、油圧スリーブ
装置または二重動作爪システムである。注意すべきこと
は、本発明によれば、前記の二つのロックの同時の不良
により発生した故障の場合でも、ゲート７の不意の展開
の危険が回避されることである。

【００１１】例えば、支持体３２およびロッド３０のそ
れぞれの位置および幾何形状は、上流側パネル２０によ
り、パネルがゲートに及ぼす作用によって生じる偶力Ｐ
３などのの、矢印Ｆ１で示す応力が、ゲート７のピボッ
ト２７の方向との間に角度ａをつくる方向に沿って、ゲ
ート７上に加えられ、層の圧力によりゲート７に加えら
れる応力は、ゲート７を閉じようとする。下流側長１３
が上流側長１４に等しくてゲート７が平衡状態にある場
合、あるいはゲート自体が若干自動開の傾向の時、反転
装置の可動アセンブリは自動閉になり、閉位置は安定位
置になる。ゲート７がすでに自動閉である場合には、角
度ａは０になり、点３１と３３の間のロッド３０の方向
は、ゲート７のピボット２７と一直線にすることができ
る。

【００１２】ゲート７は、図４に示す推力反転形態に移
行するために、圧力によってロックが外されるシリンダ
８の作用により、ピボット２７を中心として旋回するこ
とができ、上流側パネル２０は、そのピボット２８を中
心として旋回することにより、前記結合ロッド３０を介
して駆動される。注意すべきことは、本発明によれば、
ロッド３０および支持体３２の配置、ならびに種々の連
接同士の位置およびピボットに対する位置により、上流
側パネル２０とシリンダ８の本体との間の干渉を防ぐこ
とができることである。

【００１３】開端でシリンダは終端に到達し、ゲート７
および上流側パネル２０の正確な位置を決定する。シリ
ンダには依然として圧力がかかっているので、閉動作が
指令されるまで、希望する推力反転位置内にアセンブリ
を維持する。さらに、ロッド３０および支持体３２の配
置により、図２に略図を示すような先行技術による既知
の解決方法と比べて行程の短いシリンダ８が得られる。
損失を最小にするために、三点ロッド３０、および反転
束の層内に設置される支持体３２について空力形状が決
定される。

【００１４】閉位置への復帰時、ゲート７は、前側枠６
上に固定されたロックに当たり、油圧停止ならびにシリ
ンダ８およびゲート７の前記の二重ロックを発生させ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】直接ジェット位置における、上流側パネルを具
備する既知の種類の旋回ゲート式推力反転装置の、結合
ターボジェットエンジンの回転軸を通る面による縦断面
半略図である。

【図２】反転ジェット位置における、図１と同様の図で
ある。

【図３】本発明の実施態様による、直接ジェット位置に
おける旋回ゲート式推力反転装置を示す図１と同様の図
である。

【図４】推力反転位置における図１に示す推力反転装置
の図２と同様の図である。

【符号の説明】

７ ゲート ８ シリンダ ２０ 上流側パネル ２７、２８ ピボット ３０ 三点式ロッド ３１ 第１の点 ３２ 中間支持点 ３３ 第２の点 ３４ 第３の点

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直接ジェット動作時、閉位置において、
   ターボジェットエンジンのブロワの後部の流管の外壁内
   に組み込むことができ、かつ推力反転動作時、流れの偏
   向用障害を構成するように移動制御シリンダ（８）の作
   用の下でそれぞれ旋回することのできる旋回ゲート
   （７）を含み、各ゲート（７）の上流部分が、結合手段
   によって前記ゲート（７）に接続された内部上流側パネ
   ル（２０）により内面上で二重にされる複流ターボジェ
   ットエンジン推力反転装置であって、流束反転位置にお
   ける、それぞれの独立ピボット（２７、２８）を中心と
   するゲート（７）および上流側パネル（２０）の旋回の
   後、ゲート（７）と上流側パネル（２０）との間に通路
   が設けられるように決定された結合手段によって、ゲー
   ト（７）と上流側パネル（２０）との間の前記結合手段
   が、直接ジェット位置において、層の圧力により上流側
   パネル（２０）に加えられ前記ロッド（３０）によりゲ
   ートに伝達される応力により、ゲート（７）に偶力が発
   生しないか、ゲートおよび上流側パネルのアセンブリに
   おいて安定閉位置を確保することによりゲートの自動閉
   を行おうとする偶力が発生するように、上流側パネル
   （２０）に固設された支持体（３２）上の第１の点（３
   １）と、ゲート（７）上の直接の第２の点（３３）と、
   制御シリンダ（８）のロッド端上の第３の点（３４）と
   にそれぞれ連接された三点式ロッド（３０）からなるこ
   とを特徴とする複流ターボジェットエンジン推力反転装
   置。
2. 【請求項２】 前記ロッド（３０）、および上流側パネ
   ル（２０）に固設された支持体（３２）が、反転ジェッ
   ト位置への移行時、前記上流側パネル（２０）と制御シ
   リンダ（８）との間の干渉を防ぐように配設される請求
   項１に記載の複流ターボジェットエンジンの推力反転装
   置。