JPH09249990A - 金属の表面処理方法 - Google Patents

金属の表面処理方法

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JPH09249990A
JPH09249990A JP35765596A JP35765596A JPH09249990A JP H09249990 A JPH09249990 A JP H09249990A JP 35765596 A JP35765596 A JP 35765596A JP 35765596 A JP35765596 A JP 35765596A JP H09249990 A JPH09249990 A JP H09249990A
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metal
rare earth
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ions
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Yoshiaki Okumura
美明 奥村
Toshio Kaneko
敏雄 金子
Hiroaki Tsutsui
宏明 筒井
Masahiko Matsukawa
真彦 松川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境および人体に無害な材料を使用する新し
い金属表面処理方法を提供する。 【解決手段】 Yおよびランタノイド元素よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の希土類元素イオンと、硫酸
イオンを含む水溶液を電解液とし、被処理金属を陰極と
して電解し、金属表面に希土類元素の水酸化物を主体と
する皮膜を形成させる。また、該水溶液に、更に、分子
内にスルホン酸基を有する水溶性樹脂を含ませてもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属素材の防錆処
理方法に関し、更に詳しくは、金属素材の一次防錆処理
または塗装下地処理に適用される防錆処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属素材の防錆処理には、そ
の優れた防錆効果の故に、クロム酸イオンを処理剤に利
用するクロメート処理が広く用いられている。しかし、
クロメート処理は、有害なクロム酸イオンを利用するた
め、無害化するための排水処理のコストアップ、作業環
境における人体への悪影響などの問題がある。また、そ
の処理によって金属素材表面に形成されるクロメート皮
膜からのクロム酸イオンの溶出による環境汚染などの恐
れもある。
【0003】また、リン酸塩化成処理は、例えば酸性リ
ン酸亜鉛水溶液に金属材料を浸漬し、その表面にリン酸
亜鉛皮膜を形成させるものであり、その皮膜の防錆性は
低いものの塗膜密着性に優れることから主に塗装下地処
理として利用されている。しかし、リン酸塩化成処理で
は、処理過程で多量に出るスラッジの廃棄処分によるコ
ストアップや処理液に含まれるNi等の有害重金属によ
る環境汚染や人体への悪影響等の問題がある。
【0004】上記欠点を解決する方法として、高性能で
6価クロムを用いない非クロメート系の防錆処理方法の
開発が望まれている。このようなものとして、特公平5
−37234号公報には、硫化水素ガスまたは硫化水素
ガスを溶解させた水溶液と冷延鋼または亜鉛めっき鋼を
接触し、金属表面に耐食性のある硫化物皮膜を形成させ
る防錆処理方法が開示されている。また、特公平5−7
6552号公報には、硫化水素と反応しうる金属表面に
塗膜を形成後、硫化水素を含有する水溶液または水蒸気
を接触させて、塗膜下面に金属硫化物を生成させる防錆
処理方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの硫化
物皮膜による防食方法では、6価クロムや有害重金属を
使用しないものの、有害な硫化水素ガスを利用すること
になるので、作業中の硫化水素ガスの漏れや作業環境に
おける人体への悪影響などの問題があった。
【0006】本発明は、上記状況に鑑みてなされたもの
であり、有害な6価クロムや硫化水素を使用することな
く、クロメート処理皮膜と同等以上の優れた防錆性を発
現する金属素材の防錆処理方法を提供することを目的と
する。
【0007】また、本発明は、有害な6価クロムや硫化
水素を使用することなく優れた防錆性を有し、更にリン
酸塩皮膜並みの優れた、塗膜の二次密着性を改善した処
理方法を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有害な材
料を使用せず、金属表面に高防錆な皮膜を形成する方法
について鋭意研究を重ねた結果、希土類金属イオンと硫
酸イオンを併せ含有する水溶液中で金属素材を陰極電解
することにより、硫酸イオンの無い希土類金属イオンの
水溶液から陰極電解した場合あるいは他の金属イオンと
硫酸イオンの共存水溶液から陰極電解した場合とは異な
り、特異的に極めて高い防錆性を有する皮膜が金属表面
に形成されることを見いだした。
【0009】電解形成された皮膜は希土類水酸化物を主
体としたものであり、その中に微量の硫酸イオンを取り
込んだ皮膜である。この膜は、110℃以下の加熱乾燥
により膜に付着した水分が除去され、200℃以上に加
熱すると一部が縮合により脱水されてオキシ水酸化物に
変わる可能性はあるが、250℃程度まで加熱しても外
観上ほとんど変化はなく、良好な耐食性能を損なわな
い。
【0010】また、この希土類金属イオンと硫酸イオン
を併せ含有する水溶液中に更に、分子内にスルホン酸基
を有する水溶性樹脂を添加した水溶液(以下、「水溶性
樹脂添加水溶液」という。)中で金属材料を陰極電解す
ることにより、優れた防錆性と高い塗膜密着性とを合わ
せ持つ皮膜が該金属材料表面に形成される。該皮膜は2
50℃程度まで加熱しても良好な防錆性と塗膜密着性を
失わない。
【0011】本発明の方法によれば、有害な6価クロム
や硫化水素などを使用することなく、極めて良好な耐食
性を有する防錆膜を簡単な電解操作で金属表面に形成で
きる。また、皮膜形成に電解を利用するので、膜厚の設
計および制御が通電電気量のコントロールで容易にで
き、複雑な形状をした被塗物に対しても表面に均一に皮
膜が形成できるという利点もある。
【0012】浴中に含有せしめる希土類金属イオンは、
Yおよび原子番号が57番のLaから71番のLuまで
のランタノイドのイオンの内から選択されれば良く、電
析皮膜の防錆性能と原料塩のコストの観点から、Y,L
a,Ce,Pr,Nd,Sm及びGdが好ましい。中で
も、NdとSmのイオンが特に好ましい。
【0013】これらの希土類金属イオンは、pH2〜8
の水溶液中で可溶性であり、浴のpHが上昇すると水酸
化物の沈澱を生成する性質を持つ。従って、浴のpHは
水溶性樹脂添加水溶液を用いる場合も含めて2〜8であ
ることを要する。pHが低すぎると、陰極電解により析
出しようとする皮膜が強い酸性で再溶解しやすくなり、
その結果、皮膜生成が起こりにくくなる。
【0014】これら希土類金属イオンの浴中濃度は、総
計で0.05g/l以上、好ましくは0.1g/l以上
含むことが必要である。希土類金属イオンの総計濃度が
0.05g/l未満では十分な付着量が得られず、また
逆に高すぎると浴中に沈澱物を生じ易くなり好ましくな
いので、好ましい希土類金属イオンの濃度範囲は0.1
〜50g/lとする。
【0015】また、浴中に共存させる硫酸イオンの濃度
は、防錆性の観点から、少なくとも0.05g/l以
上、好ましくは0.1g/l以上必要である。
【0016】希土類金属イオン及び硫酸イオンは水に可
溶な塩または酸の形で浴に添加すれば良く、例えば、希
土類金属イオンについては硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩など
の塩の形で、また、硫酸イオンについては希土類金属イ
オンの硫酸塩、他の硫酸塩、硫酸などの形で浴に添加す
れば良い。なお、浴中に希土類金属イオンと硫酸イオン
が共存すると優れた防錆性を有する皮膜が得られる理由
については、希土類金属イオンが水酸化物皮膜として析
出する際に硫酸イオンが皮膜中に微量取り込まれ、欠陥
の少ない皮膜あるいは腐食物質の攻撃に強い皮膜が形成
されるためと推定される。
【0017】また、水溶性樹脂添加水溶液を用いること
で、陰極電解により優れた防錆性と良好な塗膜密着性と
を合わせ持つ皮膜が金属表面に形成される。この皮膜
は、希土類水酸化物が主体で、その中に硫酸イオンと有
機樹脂とが取り込まれていることがESCAによる元素
分析から確認されている。このような皮膜形成のメカニ
ズムおよびその特性発現は次のように考えられる。前述
のように、浴中に硫酸イオンが共存すると、希土類金属
イオンが水酸化物皮膜として析出する際に硫酸イオンが
皮膜中に微量取り込まれる。この取り込みは、硝酸イオ
ンや塩化物イオン等のイオンでは起こらず、硫酸イオン
に特有の現象である。そこで、硫酸イオンに構造的及び
性質的に類似したスルホン酸基を分子内に持つ水溶性樹
脂が更に浴中に共存していると、そのスルホン酸基を皮
膜に取り込む形で有機樹脂の皮膜中への取込みが起こ
り、その結果、有機樹脂を含有した希土類水酸化物皮膜
が形成されると推測される。
【0018】このようにして有機樹脂を取り込んだ希土
類水酸化物皮膜が形成されると、硫酸イオンを取り込ん
だ希土類水酸化物皮膜が持つ高い防錆性に加え、取り込
まれた樹脂成分によって塗膜密着性が改善され、良好な
防錆性と塗膜密着性とを併せ持つことになるものと考え
られる。
【0019】浴中に添加、共存せしめる、スルホン酸基
を有する水溶性樹脂の濃度は、生成皮膜の塗膜密着性の
観点から、少なくとも0.5g/l以上、好ましくは1
g/l以上必要である。該水溶性樹脂の濃度が0.5g
/lよりあまり小さいと十分な塗膜密着性が得られな
い。逆に該濃度が高すぎると、塗膜密着性は良好になる
が、皮膜の防錆性が低下することになるので、両者が両
立する好ましい濃度範囲は1〜100g/lである。
【0020】分子内にスルホン酸基を有する水溶性樹脂
とは、分子内に少なくとも1個のスルホン酸基を有し、
かつ、温度25°Cでの水への溶解度が100g/l以
上を有する有機樹脂をいう。
【0021】分子内にスルホン酸基を有する有機樹脂が
水溶性である必要性については、目的量の樹脂濃度を電
析浴に、凝集や沈殿等の不具合なく添加するためであ
る。
【0022】分子内にスルホン酸基を有する水溶性樹脂
として特に好ましいものとしては、1分子中に1個以上
のスルホン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを単
独で重合して得られる水溶性樹脂、該エチレン性不飽和
モノマーを他のエチレン性不飽和モノマーと共重合して
得られる水溶性樹脂、又はそれらに類似の樹脂骨格を有
するポリマーの直接スルホン化によって得られる水溶性
樹脂が挙げられる。これらの例として、スチレンスルホ
ン酸のホモポリマー(ポリスチレンスルホン酸)、ビニ
ルスルホン酸のホモポリマー(ポリビニルスルホン
酸)、スチレンスルホン酸とビニルスルホン酸とのコポ
リマー、ビニルスルホン酸と2−スルホエチルメタクリ
レートとのコポリマー、スルホン化ポリスチレン等が挙
げられる。
【0023】浴中に希土類金属イオンと硫酸イオンとが
好適濃度溶解しておれば、他のイオン種あるいは化学種
との浴中での共存はさしつかえないが、例えば、浴中で
希土類金属イオンに配位し希土類水酸化物の生成を阻害
する強力な錯化剤あるいは生成皮膜の防錆性を低下させ
る腐食促進物質の塩化物イオンなどとの共存は好ましく
ない。分子内にスルホン酸基を有する水溶性樹脂を浴中
に添加する場合も同様である。
【0024】電解処理においては、金属素材を陰極とす
ることが必須であり、陽極は特に限定されるものではな
いが、陽分極時に溶解が起こりにくい白金メッキしたチ
タン板、チタン板、ステンレス板などを陽極とする方が
望ましい。また、陰極における電解時の電流密度につい
ては、0.01mA/cm2 以上が好ましく、これ以下
では皮膜が析出しにくいか、析出しても時間がかかる。
また逆に、陰極での電流密度が高すぎると、陰極表面で
のガス発生が大きくなり、析出物の脱落が起こり易くな
るので、好ましい電流密度の範囲は、0.01〜100
mA/cm2 とする。従って、この範囲の電流密度で陰
極電流が流れるよう制御することができれば、電解のた
めの電圧あるいは電流の印加方法は直流法,交流法など
特に限定されるものではない。なお、電解後は、水洗ま
たは湯洗することが望ましい。
【0025】本発明を適用する金属素材については、鋼
材,高強度鋼,高張力鋼,鋳鉄,亜鉛及び亜鉛合金めっ
き鋼,アルミニウム及びアルミ合金めっき鋼などが挙げ
られる。
【0026】作用 本発明の方法によって防錆皮膜が得られる原理を説明す
る。電解によって陰極の金属表面では溶存酸素や水素イ
オン,水などの浴中化学種が還元を受け、OH- イオン
が生成する。この金属表面で生成したOH- イオンが表
面近傍の希土類金属イオンと反応することで希土類水酸
化物の沈澱が生成する。この際、浴中に硫酸イオンが共
存すれば、希土類水酸化物の沈澱が硫酸イオンを取り込
みながら皮膜として金属表面に析出する。このようにし
て生成した微量の硫酸イオンを含む希土類水酸化物皮膜
はクロメート皮膜と同等以上の優れた防錆性を示す。そ
の理由の詳細は明らかではないが、硫酸イオンの取り込
みによって、生成する沈澱の結晶性が低下し、割れなど
の欠陥の少ない皮膜が析出すること、また、生成した皮
膜が難溶性で腐食物質の攻撃に強い皮膜になること、な
どが考えられる。
【0027】また、浴中にスルホン酸基を有する水溶性
樹脂を更に添加した場合では、硫酸イオンと該樹脂とを
同時に取込みながら希土類水酸化物が沈殿皮膜として金
属表面に析出する。このようにして生成した硫酸イオン
と該樹脂とを含む希土類水酸化物皮膜は高い防錆性と良
好な塗膜密着性とを併せ持つ。その理由の詳細は明らか
ではないが、高い防錆性については浴中に該樹脂を添加
しない場合と同様に推測され、一方、良好な塗膜密着性
については形成された皮膜に含有される有機樹脂成分に
より、該皮膜と塗膜との親和性が増大することや、該皮
膜への官能基の導入によって塗膜との結合点が増大する
こと等が考えられる。
【0028】以上のように、本発明の防錆処理方法によ
って、希土類水酸化物を主体とした極めて安定な防錆皮
膜が金属素材の表面に形成される。また、本発明の防錆
処理方法においては、有害な6価クロムや硫化水素ガス
などを使用することがなく、安全である。また、浴中に
スルホン酸基を有する水溶性樹脂を更に添加した場合に
は、更にリン酸塩処理皮膜並みの良好な塗膜密着性をも
有する皮膜が形成される。
【0029】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0030】
【実施例】被処理金属として鋼板(JIS−G−314
1:SPCC−SB)と亜鉛板とを用い、日本ペイント
社製のサーフクリーナー53で脱脂、水洗した後、それ
らを陰極として表1に示す本発明の処理浴及び電解条件
で通電処理を行い、その後、水洗して80℃で加熱乾燥
した。陽極には白金板またはステンレス板を用いた。
【0031】これら処理板の性能評価結果を表2に、比
較板の評価結果とあわせて示す。なお、比較例1のクロ
メート処理板は、脱脂後水洗した鋼板を5%CrO3
溶液に60℃で3分間浸漬処理して作成した。評価試験
法および評価基準は以下の方法によった。
【0032】また、浴中にスルホン酸基を有する水溶性
樹脂を更に添加する場合には、該樹脂として、カネボウ
・エヌエスシー株式会社製のスルホン化ポリスチレンV
ERSA−TL3、TL72、TL125、及びTL5
03を用い、硫酸又はアンモニアでpH調整して該浴に
添加した。上記のように脱脂及び水洗したものを陰極と
して表3に示す処理浴及び電解条件で通電処理を行い、
その後、水洗して80℃で加熱乾燥した。なお、浴中に
スルホン酸基を有する水溶性樹脂を更に添加する場合の
実施例及びその比較例には数字の後に「R」を付した。
【0033】これら処理板の性能評価結果を表4に、比
較板の評価結果とあわせて示す。なお、比較例1Rのク
ロメート処理板は、脱脂後水洗した鋼板を5%CrO3
水溶液に60℃で3分間浸漬処理して作成した。また、
比較例2のリン酸亜鉛処理板は、日本ペイント社製のサ
ーフダインSD5000を用い、40°Cで2分間浸漬
処理して作成した。評価試験法および評価基準は以下の
方法によった。
【0034】処理板の裸耐食性 −(1)塩水浸漬での耐食性 1%食塩水に室温で4時間浸漬し、ACインピーダンス
法により腐食抵抗(Rct)を測定し、以下の基準で評
価した。 ◎:Rctが106 Ω・cm2 以上 ○:Rctが105 Ω・cm2 以上106 Ω・cm2
満 △:Rctが104 Ω・cm2 以上105 Ω・cm2
満 ×:Rctが104 Ω・cm2 未満 −(2)塩水噴霧試験(SST)での耐食性 JIS−Z−2371に準拠した塩水噴霧試験法によ
り、6時間後の発錆状態を観察し、以下の評価基準で評
価した。 ◎:発錆面積が0.1%未満 ○:発錆面積が0.1%以上1%未満 △:発錆面積が1%以上16%未満 ×:発錆面積が16%以上 処理板の塗装後耐食性 塩水噴霧試験(SST)でのスクラッチ部の塗膜ふくれ
抑制性メラミンアルキド樹脂系塗料のOP−2グレー
(日本ペイント社製)をスプレー塗装し、140℃で3
0分焼付けて膜厚20μmの塗膜を形成した。NTカッ
ターで金属素地まで達するスクラッチを入れ、塩水噴霧
試験240時間後のスクラッチからの塗膜のふくれ幅に
より評価を行った。 ◎:スクラッチ部からの片側最大ふくれ幅が2mm未満 ○:スクラッチ部からの片側最大ふくれ幅が2mm以上
4mm未満 △:スクラッチ部からの片側最大ふくれ幅が4mm以上
6mm未満 ×:スクラッチ部からの片側最大ふくれ幅が6mm以上 処理板の塗膜密着性(SST試験後の塗膜の二次密着
性) カチオン型電着塗料のV−6/F−2塗料(日本ペイン
ト社製)を電着塗装し、160°Cで30分間焼き付け
て膜厚20μmの塗膜を形成した。NTカッターで金属
素地まで達するスクラッチを入れ、塩水噴霧試験480
時間後にセロテープ剥離を行い、スクラッチ部からの塗
膜剥離幅によってその塗膜の二次密着性により評価し
た。 ◎:スクラッチ部からの片側最大剥離幅が2mm未満 ○:スクラッチ部からの片側最大剥離幅が2mm以上4
mm未満 △:スクラッチ部からの片側最大剥離幅が4mm以上6
mm未満 ×:スクラッチ部からの片側最大剥離幅が6mm以上
【0035】
【表1】 * 電圧〔V〕の記載があるものは定電圧電解を行ったことを示し、電流〔mA/ cm2 〕の記載があるものは定電流電解を行ったことを示す。また、電気量〔クーロン /cm2〕は通電電気量を示している。
【0036】
【0037】
【表3】 * スルホン化ポリスチレン:VTL−3(分子量4000,Na塩) VTL−72(分子量70000,未中和) VTL−125(分子量120000,NH4 塩) VTL−502(分子量500000,Na塩)
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法で
は、有害な6価クロムや硫化水素を使用することなく、
クロメート処理皮膜と同等以上の優れた耐食性を有する
防錆皮膜を簡単な電解操作で金属素材表面に形成でき
る。
【0040】さらに、浴中にスルホン酸基を有する水溶
性樹脂を更に添加すれば、該防錆皮膜にリン酸塩処理皮
膜並みの良好な塗膜密着性をも付与することができる。
【0041】また、本発明の方法によれば、皮膜形成に
電解を利用するので、膜厚の設計および制御が通電電気
量のコントロールで容易にでき、複雑な形状をした被塗
物に対しても表面に均一な防錆皮膜が形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松川 真彦 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Yおよびランタノイドよりなる群から選ば
    れた少なくとも1種の希土類元素イオンを濃度0.05
    g/l以上および硫酸イオンを濃度0.05g/l以上
    含んでいるpH2〜8の水溶液中で被処理金属を陰極と
    して電解し、金属表面に前記希土類元素の水酸化物を主
    体とする皮膜を形成させることを特徴とする金属の防錆
    処理方法。
  2. 【請求項2】該水溶液が、更に、分子内にスルホン酸基
    を有する水溶性樹脂を濃度0.5g/l以上含んでい
    る、請求項1に記載の防錆処理方法。
  3. 【請求項3】該水溶性樹脂がスルホン化ポリスチレンで
    ある、請求項2に記載の防錆処理方法。
  4. 【請求項4】前記希土類元素が、Y,La,Ce,P
    r,Nd,Smまたはそれらの組合せである請求項1乃
    至3のいずれかに記載の防錆処理方法。
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