JPH09249730A - 熱硬化性発泡体およびその使用方法 - Google Patents

熱硬化性発泡体およびその使用方法

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JPH09249730A
JPH09249730A JP8057958A JP5795896A JPH09249730A JP H09249730 A JPH09249730 A JP H09249730A JP 8057958 A JP8057958 A JP 8057958A JP 5795896 A JP5795896 A JP 5795896A JP H09249730 A JPH09249730 A JP H09249730A
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JP
Japan
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component
foam
epoxy resin
thermosetting foam
thermosetting
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JP8057958A
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Inventor
Yasuhiko Kawaguchi
恭彦 川口
Yukio Nishiyama
幸夫 西山
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱条件等の使用条件の変化に対しても空隙部
分の完全な充填がなされ、また、垂直部分に対する充填
に際してもその使用時に流れ落ちる等の問題が生じない
熱硬化性発泡体を提供する。 【解決手段】エポキシ樹脂組成物の発泡形成体からなる
熱硬化性発泡体であって、加熱により硬化する熱硬化性
発泡体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電製品、自動
車、建造物等の構造物において、制振、断熱、補強、防
音等の目的で上記構造物の空隙部に充填し使用される熱
硬化性発泡体およびその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエポキシ樹脂系組成物からなる発
泡充填材は、エポキシ樹脂に硬化剤、発泡剤、その他添
加剤からなるバルク状(液状、固形状)のものであっ
て、充填した後に発泡させて使用するものである。すな
わち、その使用は、エポキシ樹脂系組成物を加熱硬化さ
せる加熱工程において、その加熱により同時に発泡させ
るというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら用いられる上記エポキシ樹脂系組成物からなる発泡充
填材は、加熱することによりエポキシ樹脂組成物の硬化
と発泡とが同時に生起するため、加熱条件が変化する
と、それに対応して発泡充填材の粘度変化や含有する発
泡剤の挙動変化により発泡倍率が変化する。すなわち、
発泡倍率が低くなると充分に充填されずに目的の補強効
果や制振効果が得られず、逆に発泡倍率が高くなると、
補強効果が低下したり、不必要な部分にまで充填がなさ
れてしまう等の問題が生じる。
【0004】また、上記加熱の過程で、樹脂粘度が低下
するため、例えば、垂直部分に上記発泡充填材を使用し
た場合、発泡充填材が流れ落ちる等の問題が生じる。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、加熱条件等の使用条件の変化に対しても空隙部
分の完全な充填がなされ、また、垂直部分に対する充填
に際してもその使用時に流れ落ちる等の問題が生じない
熱硬化性発泡体およびその使用方法の提供をその目的と
する。
【0006】
【課題を解決する手段】上記目的を達成するために、本
発明は、エポキシ樹脂組成物の発泡形成体からなる熱硬
化性発泡体であって、加熱により硬化する熱硬化性発泡
体を第1の要旨とし、空隙部分に、上記熱硬化性発泡体
を圧縮状態で充填した後、加熱して硬化させることによ
り、上記空隙部分を発泡硬化体で埋設する熱硬化性発泡
体の使用方法を第2の要旨とする。
【0007】本発明者らは、従来の発泡充填材の使用に
おける問題を解決するために、発泡充填材そのものの形
態について研究を行った。その結果、従来の発泡充填材
のように、加熱することにより硬化と発泡とを同時に生
起させるのではなく、エポキシ樹脂組成物を用いて予め
熱硬化性の発泡体を形成し、使用に際して、加熱するこ
とにより硬化のみ生起させると、加熱条件の変化に伴い
発泡倍率も変化せず空隙部分の完全な充填がなされるこ
とを突き止めた。
【0008】このような特性を有する上記熱硬化性発泡
体の形成材料としては、特に、常温で液状のエポキシ樹
脂と、フェノキシ樹脂とからなる混合物〔(A)成分〕
と、潜在性硬化剤〔(B)成分〕と、少なくとも2個の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート〔(C)
成分〕と、水〔(D)成分〕とを含有するエポキシ樹脂
組成物が好適に用いられる。すなわち、上記(A)成分
中のフェノキシ樹脂と(C)成分であるポリイソシアネ
ートとのウレタン架橋反応と、(C)成分であるポリイ
ソシアネートと(D)成分である水との反応により上記
特性を有する熱硬化性発泡体が得られる。
【0009】そして、この熱硬化性発泡体の使用に際し
ては、空隙部分に、予め、圧縮状態で充填した後、これ
を加熱して硬化させることにより、上記空隙部分を発泡
硬化体で埋設する。このように使用することにより、垂
直部分に対する充填の使用に際してもその加熱時に流れ
落ちることもなく発泡硬化体を形成し良好な空隙部分の
埋設が可能となることを見出し本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を詳しく説明す
る。
【0011】本発明の熱硬化性発泡体は、常温で液状の
エポキシ樹脂およびフェノキシ樹脂からなる混合物(A
成分)と、潜在性硬化剤(B成分)と、少なくとも2個
のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(C成
分)と、水(D成分)とを含有するエポキシ樹脂組成物
を用いて所定の形状に発泡形成されてなる成形体であ
る。そして、上記エポキシ樹脂組成物を用いて得られる
熱硬化性発泡体は、上記A成分中のフェノキシ樹脂と、
ポリイソシアネート(C成分)とのウレタン架橋反応、
および、ポリイソシアネート(C成分)と水(D成分)
との反応により発泡させてなる熱硬化性発泡体である。
【0012】上記A成分中の上記常温で液状のエポキシ
樹脂としては、従来公知のものが用いられ、例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が
あげられる。なお、上記常温で液状とは、温度5〜40
℃の範囲内において液状を示すことをいう。
【0013】また、上記A成分中のフェノキシ樹脂とし
ては、特に限定されるものではなく従来公知の物が用い
られ、重合度80〜500のものを用いることが好まし
い。
【0014】A成分における、上記エポキシ樹脂(a)
とフェノキシ樹脂(b)の混合割合は、重量比(a/
b)で、a/b=60/40〜95/5の範囲に設定す
ることが好ましく、特に好ましくは、使用時に予め熱硬
化性発泡体を圧縮する際の圧縮力という点からa/b=
80/20〜90/10に設定することがである。すな
わち、A成分において、エポキシ樹脂の混合割合が60
未満(フェノキシ樹脂が40を超える)では、樹脂粘度
が高くなり過ぎ、発泡体の形成が難しく、エポキシ樹脂
の混合割合が95を超える(フェノキシ樹脂が5未満)
と、粘度が低いため、発泡の際のガスを保持しづらく、
発泡体を形成することが難しくなるからである。
【0015】上記A成分とともに用いられる潜在性硬化
剤(B成分)としては、従来公知のものが用いられ、保
存安定性に優れたジシアンジアミド系およびヒドラジッ
ド系等を用いることが好ましい。通常、潜在性硬化剤中
のアミン等とポリイソシアネート(C成分)中のイソシ
アネート基とは反応性を有するが、配合の際、潜在性硬
化剤を固体状態で分散すれば反応の生起を防止すること
ができる。そして、上記潜在性硬化剤の潜在性とは、本
発明において、各成分を配合し混合してエポキシ樹脂組
成物からなる熱硬化性発泡体を形成する際にはその硬化
剤としての作用を発揮せずに、使用に際して、上記熱硬
化性発泡体を加熱して硬化させる際に硬化剤としての作
用を発揮することを意味する。上記潜在性硬化剤(B成
分)の配合量は、上記液状エポキシ樹脂およびフェノキ
シ樹脂とからなる混合物(A成分)100重量部(以下
「部」と略す)に対して2〜30部の範囲に設定するこ
とが好ましく、より好ましくは3〜30部である。
【0016】上記ポリイソシアネート(C成分)として
は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する従来公
知のものが用いられ、例えば、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソ
シアネート付加物、トリメチロールプロパンのヘキサメ
チレンジイソシアネート付加物等があげられる。
【0017】上記ポリイソシアネート(C成分)の配合
割合は、前記A成分のフェノキシ樹脂中の水酸基量と、
D成分である水の配合量によって適宜に設定されるが、
例えば、上記ポリイソシアネート(C成分)中のイソシ
アネート基(X)と、A成分のフェノキシ樹脂中の水酸
基量およびD成分である水との合計量(Y)との比(X
/Y)が、X/Y=0.25〜1.5の範囲に設定する
ことが好ましい。特に好ましくはX/Y=0.3〜1.
0である。すなわち、上記X/Y比が0.25未満で
は、ポリイソシアネート(C成分)中のイソシアネート
基が水(D成分)との反応に消費されフェノキシ樹脂の
架橋が不充分となりエポキシ樹脂との加熱硬化時に粘度
低下を生起するおそれがある。また、上記X/Y比が
1.5を超えると、目的とする熱硬化性発泡体は得られ
るが、ポリイソシアネートの供給過多からイソシアネー
ト基の過剰となる。
【0018】そして、上記A〜C成分とともに用いられ
るD成分である水の配合量は、作製する熱硬化性発泡体
自身の目的とする発泡倍率にもよるが、A成分であるエ
ポキシ樹脂とフェノキシ樹脂とからなる混合物100部
に対して5〜20部に設定することが好ましい。すなわ
ち、水が5部未満では発泡が充分ではなく所望の発泡倍
率により発泡した熱硬化性発泡体が得られ難く、20部
を超えるとエポキシ樹脂組成物中の分散が不充分となる
ため均一な発泡体が得られ難い傾向がみられる。
【0019】本発明の熱硬化性発泡体の形成材料である
エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分以外に必要に
応じて、硬化促進剤、イソシアネート反応触媒、ゴム成
分、充填材等を適宜配合することができる。
【0020】上記硬化促進剤としては、尿素系,グアニ
ジン系,イミダゾール系のものが好適に用いられる。
【0021】上記イソシアネート反応触媒は、A成分中
のフェノキシ樹脂中の水酸基とポリイソシアネート(C
成分)中のイソシアネート基との反応性が低い場合に好
適に使用され、ジブチル錫ジラウレート等があげられ
る。
【0022】上記ゴム成分として、ブチルゴム,イソプ
レンゴム,ブタジエンゴム,スチレン−イソプレン共重
合ゴム等をあげることができる。上記ゴム成分の配合割
合は、上記A成分100部に対して50部以下に設定す
ることが好ましい。
【0023】上記充填材としては、特に限定するもので
はなく従来公知のもの、例えば、炭酸カルシウム、微粉
シリカ、タルク、カーボン、酸化チタン等があげられ
る。
【0024】本発明の熱硬化性発泡体は、上記各成分を
用いて、例えば、つぎのようにして製造することができ
る。すなわち、まず、常温で液状のエポキシ樹脂とフェ
ノキシ樹脂を溶融混合してA成分とした後、このA成分
を加温して、これに潜在性硬化剤(B成分)、さらに必
要に応じて充填材、硬化促進剤を加え、さらに、ポリイ
ソシアネート(C成分)と、水(D成分)を加え混合し
エポキシ樹脂組成物を調製する。得られたエポキシ樹脂
組成物を、成形型に充填して発泡させることにより所望
形状の熱硬化性発泡体を製造することができる。
【0025】このようにして得られた熱硬化性発泡体の
発泡倍率としては、適宜に設定される。
【0026】また、上記熱硬化性発泡体の製造におい
て、上記ポリイソシアネート(C成分)中のイソシアネ
ート基と上記液状エポキシ樹脂およびフェノキシ樹脂と
からなる混合物(A成分)中のフェノキシ樹脂の水酸基
との反応は、上記液状エポキシ樹脂中のエポキシ基と上
記潜在性硬化剤(B成分)の反応が起こらない温度条
件、例えば、80℃以下で行うことが好ましく、室温
(25℃)近傍で行うことが特に好ましい。
【0027】上記熱硬化性発泡体は、上記A成分中のフ
ェノキシ樹脂中の水酸基と上記ポリイソシアネート(C
成分)中のイソシアネート基とをウレタン架橋反応させ
ると同時に、ポリイソシアネート(C成分)と水(D成
分)との反応で発泡させることにより発泡体化されたも
のである。したがって、上記ウレタン架橋反応は上記液
状エポキシ樹脂中のエポキシ基と上記潜在性硬化剤(B
成分)との反応が生起しない低温域で行われているた
め、上記エポキシ基は未反応の状態で上記熱硬化性発泡
体中に残存する。
【0028】本発明の熱硬化性発泡体は、つぎのように
して使用される。すなわち、上記のようにして得られた
熱硬化性発泡体を、圧縮状態で、空隙部分に充填する。
充填した後、上記圧縮状態の熱硬化性発泡体を加熱して
硬化させることにより発泡硬化体に形成する。
【0029】上記圧縮状態の熱硬化性発泡体を硬化させ
て発泡硬化体に形成する際の加熱条件としては、未反応
状態で残存しているエポキシ樹脂のエポキシ基と潜在性
硬化剤(B成分)とが反応し硬化する条件に設定され、
例えば、温度150〜180℃で、30〜60分間の加
熱条件に設定される。
【0030】さらに、上記使用時における熱硬化性発泡
体の圧縮の度合いは、充填する空隙部分、空隙部内壁界
面との接着性等により適宜に設定されるが、例えば、1
0〜50%の圧縮状態に設定することが好ましい。
【0031】このように、本発明の熱硬化性発泡体が、
熱硬化性発泡体の形成時にエポキシ樹脂が反応せず、ま
た、熱硬化性発泡体の使用時の加熱によるエポキシ樹脂
の硬化反応時に発泡体が流れ落ちる等が発生しないのは
つぎのような理由による。すなわち、上記ポリイソシア
ネート(C成分)中のイソシアネート基とフェノキシ樹
脂中の水酸基とのウレタン架橋反応、および、ポリイソ
シアネート(C成分)と水(D成分)との反応(発泡)
は、充分に低温(例えば、50℃以下で2時間)で行わ
れるため、液状エポキシ樹脂中のエポキシ基は熱硬化性
発泡体形成の際のウレタン架橋反応に関与せず、未反応
の状態で残存し、この使用時における加熱によりはじめ
て硬化反応が生起する。また、この熱硬化性発泡体は、
フェノキシ樹脂中の水酸基とポリイソシアネート(C成
分)中のイソシアネート基との架橋反応が充分に行われ
ることから、熱硬化性発泡体を発泡硬化体に形成する際
の加熱過程においても粘度が低下せず、ウレタン架橋の
ゲル体となっているため、上記加熱時に粘度低下による
流れ落ちが発生しない。
【0032】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0033】
【実施例1】前記の方法に従って目的とする熱硬化性発
泡体を作製した。すなわち、まず、常温で液状のエポキ
シ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量180)90部と、フェノキシ樹脂(重合度10
0)10部とを150℃で溶融混合した。この混合物を
50℃に加温し、この状態で、さらに、充填材として炭
酸カルシウム50部、硬化剤としてジシアンジアミド5
部、ポリイソシアネートとしてジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)21部、水10部を添加し混合し
た。そして、この混合物を、厚み10mmとなるよう
に、成形型に流し込んだ後、30℃で1日間放置して、
フェノキシ樹脂中の水酸基とMDI中のイソシアネート
基とをウレタン架橋反応させ、また、MDI中のイソシ
アネート基と水と反応(発泡)させて目的とする熱硬化
性発泡体を作製した。得られた熱硬化性発泡体の厚みは
発泡により30mm(発泡倍率3倍)であった。
【0034】
【実施例2】前記の方法に従って目的とする熱硬化性接
着シートを作製した。すなわち、まず、常温で液状のエ
ポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量180)90部と、フェノキシ樹脂(重合度
100)10部とを150℃で溶融混合した。この混合
物を50℃に加温し、この状態で、さらに、充填材とし
て炭酸カルシウム50部、硬化剤としてジシアンジアミ
ド5部、ポリイソシアネートとしてジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)25部、水15部を添加し混
合した。そして、この混合物を、厚み10mmとなるよ
うに、成形型に流し込んだ後、30℃で1日間放置し
て、フェノキシ樹脂中の水酸基とMDI中のイソシアネ
ート基とをウレタン架橋反応させ、また、MDI中のイ
ソシアネート基と水と反応(発泡)させて目的とする熱
硬化性発泡体を作製した。得られた熱硬化性発泡体の厚
みは発泡により40mm(発泡倍率4倍)であった。
【0035】
【実施例3】前記の方法に従って目的とする熱硬化性発
泡体を作製した。すなわち、まず、常温で液状のエポキ
シ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量180)70部と、フェノキシ樹脂(重合度10
0)30部とを150℃で溶融混合した。この混合物を
50℃に加温し、この状態で、さらに、充填材として炭
酸カルシウム50部、硬化剤としてジシアンジアミド5
部、ポリイソシアネートとしてジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)21部、水10部を添加し混合し
た。そして、この混合物を、厚み10mmとなるよう
に、成形型に流し込んだ後、30℃で1日間放置して、
フェノキシ樹脂中の水酸基とMDI中のイソシアネート
基とをウレタン架橋反応させ、また、MDI中のイソシ
アネート基と水と反応(発泡)させて目的とする熱硬化
性発泡体を作製した。得られた熱硬化性発泡体の厚みは
発泡により25mm(発泡倍率2.5倍)であった。
【0036】
【比較例】前記の方法に従って目的とする熱硬化性未発
泡体を作製した。すなわち、まず、常温で液状のエポキ
シ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量180)90部と、フェノキシ樹脂(重合度10
0)10部とを150℃で溶融混合した。この混合物を
50℃に加温し、この状態で、さらに、充填材として炭
酸カルシウム50部、硬化剤としてジシアンジアミド5
部を添加し混合した。すなわち、ポリイソシアネート成
分と水とは使用しなかった。そして、この混合物を、厚
み10mmとなるように、成形型に流し込んだ後、30
℃で1日間放置して熱硬化性未発泡体を作製した。
【0037】このようにして得られた実施例品および比
較例品の性能特性について測定評価した。その結果を下
記の表1に示した。また、上記各実施例において、ポリ
イソシアネート成分中のイソシアネート基(X)と、フ
ェノキシ樹脂中の水酸基量および水量との合計量(Y)
との比(X/Y)を算出し下記の表1に併せて示した。
なお、上記特性は下記の方法に従って測定、評価した。
【0038】〔充填性〕実施例品の場合は、まず、作製
した各熱硬化性発泡体(実施例品)を、厚み30mm×
50mm×50mmの大きさに切り取った。ついで、こ
れを厚み30mm×45mm×45mm(圧縮率80
%)に圧縮して、図1に示すように、断面積が45mm
×45mmの角筒1内の所定の位置に熱硬化性発泡体2
(斜線部分)を充填した。ついで、これを180℃×3
0分の条件で加熱することにより、上記熱硬化性発泡体
2を加熱硬化させて発泡硬化体に形成した。一方、比較
例品の場合は、熱硬化性未発泡体(比較例品)を、厚み
30mm×45mm×45mmの大きさに切り取った。
ついで、これを上記実施例品と同様、角筒内水平断面積
が45mm×45mmの角筒内の所定の位置に充填し
た。充填した後、これを160℃×20分間の条件で加
熱することにより、上記熱硬化性未発泡体を加熱硬化さ
せるとともに発泡させ発泡硬化体に形成した。
【0039】その結果、加熱時に熱硬化性発泡体2が流
れ落ちることなく、しかも初期の充填位置からずれるこ
となく充填されたものを○、加熱時に熱硬化性発泡体2
が流れ落ちる、あるいは初期の充填位置からずれたり必
要以上に発泡して体積が増したりしたものを×として評
価した。
【0040】
【表1】 *:発泡せず、樹脂が流れおちた。
【0041】上記の表1の結果より、全実施例品(熱硬
化性発泡体)は、その使用の加熱時において、自身が流
れ落ちたりせず初期の充填部分を良好に充填することが
できた。これに対して、比較例品(熱硬化性未発泡体)
は、発泡せず、樹脂の流れ落ちが発生した。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明は、エポキシ樹脂
組成物の発泡形成体からなる熱硬化性発泡体であって、
加熱により硬化体を形成する。したがって、この熱硬化
性発泡体を用いることにより、その使用時の加熱条件の
変化に伴い発泡倍率が変化せず空隙部分の完全な充填・
埋設がなされる。さらに、この熱硬化性発泡体の使用に
おいては、空隙部分に、上記熱硬化性発泡体を圧縮状態
で充填した後、これを加熱して硬化させることにより上
記空隙部分を発泡硬化体で埋設する。したがって、この
熱硬化性発泡体を垂直部分等に対する充填に使用しても
加熱硬化時に流れ落ちることもなく良好に空隙部分を埋
設することが可能となる。
【0043】このような熱硬化性発泡体の形成材料とな
るエポキシ樹脂組成物としては、好適には前記A〜D成
分が用いられる。このA〜D成分を含有するエポキシ樹
脂組成物を用いることにより、A成分中のフェノキシ樹
脂とポリイソシアネート(C成分)とのウレタン架橋反
応と、ポリイソシアネート(C成分)と水(D成分)と
の反応(発泡)により熱硬化性発泡体が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例品および比較例品の充填性の評価方法を
説明する斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂組成物の発泡形成体からな
    る熱硬化性発泡体であって、加熱により硬化することを
    特徴とする熱硬化性発泡体。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂組成物が下記の(A)〜
    (D)成分を含有するものである請求項1記載の熱硬化
    性発泡体。 (A)常温で液状のエポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と
    からなる混合物。 (B)潜在性硬化剤。 (C)少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリ
    イソシアネート。 (D)水。
  3. 【請求項3】 (A)成分中のフェノキシ樹脂と、
    (C)成分であるポリイソシアネートとのウレタン架橋
    反応と、(C)成分であるポリイソシアネートと(D)
    成分である水との反応により熱硬化性発泡体を形成して
    なる請求項2記載の熱硬化性発泡体。
  4. 【請求項4】 空隙部分に、請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の熱硬化性発泡体を圧縮状態で充填した後、加
    熱して硬化させることにより、上記空隙部分を発泡硬化
    体で埋設することを特徴とする熱硬化性発泡体の使用方
    法。
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Cited By (11)

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