JP3106394B2 - エポキシ樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂発泡体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエポキシ樹
脂発泡体及びその製造方法に関するものであり、更に詳
しくは、難燃性を有し高剛性で緻密なエポキシ樹脂発泡
体、及び、常温下で発泡硬化が可能な前記エポキシ樹脂
発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、断熱材或いは軽量部材として
各種の樹脂発泡体が用いられていて、例えば、熱可塑性
樹脂発泡体やポリウレタン樹脂発泡体を改質して耐熱性
を向上させたり、フェノール樹脂発泡体の脆砕性を改良
したり、或いはフェノール樹脂発泡体の硬化に用いられ
る酸触媒を捕集したりするため、エポキシ樹脂が樹脂発
泡体に添加されて用いられている。
【0003】他方では、他の材料との接着性や、耐熱
性、耐薬品性、寸法安定性、機械的強度に優れるという
エポキシ樹脂の特性を活かすために、エポキシ樹脂をベ
ースとした発泡体が提案されている。
【0004】例えば、特開昭50−76175号公報に
は、エポキシ樹脂、特定のテトラグリシジルエステル、
膨張剤及び表面活性剤を含有する樹脂混合物を、フッ化
ホウ素等のルイス酸で硬化させるエポキシ樹脂発泡体の
製造方法が開示されている。
【0005】又、特開平1−197553号公報には、
エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、硬化促進剤及び無機充
填材を配合することにより、常温下で発泡体が得られる
ことが記載されている。
【0006】又、特開平5−194780号公報には、
エポキシ樹脂、平均粒径300μm以下のメタクリル系
樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂用潜在性硬化
剤、分解型発泡剤、界面活性剤を配合して得られる、加
熱発泡が可能な発泡性樹脂組成物が開示されている。
【0007】更に、特開平5−186625号公報に
は、液状乃至半固形状のエポキシ樹脂とアミンの炭酸塩
とからなる加熱発泡性樹脂シートが開示されている。
【0008】このように、エポキシ樹脂の特性を活かし
たエポキシ樹脂発泡体は、目地材、シーリング材、自動
車等の軽量部材等として広く用いられているのである
が、中でも、断熱材やサンドイッチパネルの芯材等に代
表される建築材料として使用される場合は、当該建築材
料には難燃性や自己消火性を有することが望まれるの
で、エポキシ樹脂発泡体についても、難燃剤や無機充填
材を添加することによる難燃性の向上が試みられてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維強
化プラスチック(FRP)のような成形品に難燃剤や無
機充填剤を添加する場合とは異なり、樹脂発泡体の場合
は、添加する難燃剤や無機充填剤の質や粒径によっても
異なるが、多量に添加した場合には、発泡時の樹脂の流
動性が低下して所定形状への成形性が悪くなったり、発
泡後の気泡の大きさや分布が不均一になって発泡体の機
械的強度が低下するため、添加量が制限され、その結果
として難燃性が不充分となるという問題があった。
【0010】従って、発泡体の難燃性や自己消火性の向
上の方法として、発泡体を構成する樹脂の分子骨格中
に、難燃性や自己消火性に寄与する成分を組み込むこと
がより好ましいと考えられるのである。
【0011】又、特開昭50−76175号公報に開示
された従来技術においては、硬化触媒であるルイス酸の
配合量がエポキシ樹脂に対して少ないため、発泡硬化に
長時間を要したり、発泡硬化させるために加熱が必要で
あったりして、生産性が低いという問題もあった。
【0012】本発明は、上記のような従来技術が有して
いた欠点を解消し、難燃性を有し高剛性で緻密なエポキ
シ樹脂発泡体、及び、加熱することなしに常温下で短時
間に発泡硬化が可能な前記エポキシ樹脂発泡体の製造方
法を提供することを目的としてなされた。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用したエポキシ樹脂発泡体の構成は、分子
中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100
重量部、及び、リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホ
ン酸の中から選ばれる少なくとも1種のリン酸類、並び
に、リン原子に結合した水酸基を有するリン酸塩及びリ
ン酸エステルから選ばれる少なくとも1種のリン酸化合
物からなる混合物5〜50重量部を反応させて得られる
樹脂骨格を有することを特徴とするものである。
【0014】又、同じく、上記目的を達成するために本
発明が採用したエポキシ樹脂発泡体の製造方法の構成
は、以下のA〜Dの各成分を以下の量比で含む混合物を
常温下で発泡硬化させることを特徴とするものである。 A:分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂・・・100重量部 B:リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸の中か
ら選ばれる少なくとも1種のリン酸類、並びに、リン原
子に結合した水酸基を有するリン酸塩及びリン酸エステ
ルから選ばれる少なくとも1種のリン酸化合物からなる
混合物・・・5〜50重量部 C:発泡剤・・・1〜50重量部 D:整泡剤・・・0.01〜10重量部
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明について具体例を挙
げて詳細に説明する。
【0016】本発明におけるエポキシ樹脂とは、分子中
に1個以上のエポキシ基を有する化合物であり、エポキ
シ樹脂用硬化剤と反応して硬化することができる化合物
をいい、この化合物はエポキシ樹脂の主剤、或いは、ポ
リエポキシド等とも呼ばれている化合物である。
【0017】上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基と
してグリシジル基を有する化合物が好ましく、特にグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂が好ましいが、これに限
定されるものではなく、例えば環式脂肪族系エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、複素環式脂肪
族系エポキシ樹脂、線状脂肪族系エポキシ樹脂等(これ
らエポキシ樹脂はオリゴマー状のものであってもよい)
を使用することもでき、又、このエポキシ樹脂は、それ
らのうちの1種類を選択してもよく、2種類以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0018】上記エポキシ樹脂としては、難燃剤との混
合のしやすさ及び発泡時の流動性の点で、特に常温で液
状のものが好ましく、このようなものとしては、例え
ば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールFジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエー
テル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等
のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;へキサヒドロフ
タル酸グリシジルエステルやダイマー酸グリシジルエス
テル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシ
レートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボ
キシレート等の環式脂肪族系エポキシ樹脂を挙げること
ができる。
【0019】又、本発明におけるリン酸類とは、リン
酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸から選ばれる少
なくとも1種からなり、このリン酸類は、上記エポキシ
樹脂と反応して樹脂発泡体の骨格を形成すると同時に、
樹脂発泡体に難燃性を与える成分でもある。
【0020】上記リン酸類の内、リン酸としては特に制
限はなく、例えば工業用として入手可能な濃度が75
%、85%、89%のもののいずれでもよい。
【0021】ポリリン酸についても、P25の含有量の
違いにより各種のグレードのものが市販されているが、
特に制限なく使用することができ、フェニルホスホン酸
についても同様に制限はない。
【0022】このリン酸類としては、リン酸、ポリリン
酸又はフェニルホスホン酸の少なくとも1種類を使用す
ればよいが、2種類以上を使用することもできる。尚、
上記の内のフェニルホスホン酸は固体であるので、発泡
硬化時に流動しやすくするために、液体であるリン酸や
ポリリン酸と併用することが好ましい。
【0023】上記リン酸類は、エポキシ樹脂のエポキシ
基と反応して当該エポキシ樹脂の分子骨格中に取り込ま
れると考えられ、そのために、リン酸類の使用量を適切
な量にコントロールすることにより、得られる発泡体中
にリン酸類が遊離酸として残存しないようにすることが
できる。従って、そのようにコントロールすることによ
り、本発明のエポキシ樹脂発泡体を金属や木材等の他材
料と接着させた場合でも、例えば金属に対する腐食や木
材に対する変色を防止するための中和剤を必要としな
い。
【0024】一方で、リン酸類はエポキシ樹脂のエポキ
シ基と急速に反応するために、後述するように両者は単
に混合されることにより反応して発泡体を形成すること
ができる。しかし、場合によってはエポキシ基との急速
な反応による発熱量が大きくなりすぎ、発泡剤の種類に
よっては発泡(気化)が一気に起こるため、緻密な発泡
体ができなくなるおそれがあるので、本発明では、反応
を制御して発熱量を抑えるために、リン酸類と共に、リ
ン原子に結合した水酸基を有するリン酸塩及びリン酸エ
ステルから選ばれる少なくとも1種のリン酸化合物(以
下、単にリン酸化合物という場合がある)を併用する
【0025】本発明では、上記リン酸化合物を併用する
ことにより、エポキシ基との反応を制御して発熱量を抑
え、良好な発泡体の製造を可能とするが、これらはリン
を有することにより樹脂発泡体に難燃性を与える成分で
もあるため、前記リン酸類に対して比較的多量に使用し
ても、得られる樹脂発泡体の難燃性を低下させるおそれ
は少ない。
【0026】尚、上記リン酸化合物において、リン原子
に結合した水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応
するために少なくとも1個必要であり、又、このリン酸
化合物としてリン酸塩又はリン酸エステルの少なくとも
1種を使用すればよいが、2種以上を使用することもで
きる。
【0027】上記リン酸塩としては、例えば、リン酸二
水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二
水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カ
ルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素アル
ミニウム、リン酸水素二アルミニウム等を例示すること
ができる。又、上記リン酸エステルとしては、モノメチ
ルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノエチルホ
スフェート、ジエチルホスフェート、モノプロピルホス
フェート、モノイソプロピルホスフェート、モノブチル
ホスフェート、モノラウリルホスフェート、モノステア
リルホスフェート、モノ−2−エチルヘキシルホスフェ
ート、モノイソデシルホスフェート等を挙げることがで
きる。
【0028】本発明において、上記リン酸類とリン酸化
合物との混合物(以下、単にリン酸類等混合物という場
合がある)はエポキシ樹脂100重量部に対して5〜5
0重量部使用するのであり、リン酸類等混合物の使用量
が5重量部未満であると、エポキシ樹脂の架橋が不十分
となり、得られた発泡体は十分な剛性を備えることがで
きず、又、エポキシ樹脂との反応で発生する反応熱が少
なく、発泡剤の発泡(気化)が不十分となり、所望の発
泡倍率の発泡体を得ることが困難となる。一方、リン酸
類等混合物の使用量が50重量部を超えると、リン酸類
等混合物が余剰となる場合が多くなって、発泡体中に遊
離酸として残存する割合が高くなり、この場合は、発泡
体の発泡状態が悪くなると共に、発泡体が金属や木材に
接触するとそれらを腐食や変色させるおそれが大きくな
る。
【0029】又、リン酸類等混合物の使用量は、発泡体
の用途、製造方法や製造条件等によって更に適切な量に
調整することが好ましく、例えば、リン酸類等混合物
遊離酸として残存することが不適当な場合には、この範
囲内の比較的少ない量を使用することが好ましいし、反
応による発熱量が不十分な場合には、この範囲内の比較
的多い量を使用することが好ましい。
【0030】特に限定されるものではないが、上記リン
酸類等混合物におけるリン酸類の割合は、40重量%以
上が好ましく、リン酸類の量が少なすぎる場合は、エポ
キシ樹脂との反応性が不十分となるおそれが生じてしま
う。又、固体のリン酸化合物を使用する場合には、発泡
硬化時に流動しやすくするために、液体であるリン酸か
ポリリン酸と組み合わせて使用することが好ましい。
【0031】又、本発明における発泡剤としては、ハロ
ゲン化炭化水素類や炭化水素類等の公知のものを挙げる
ことができ、中でも、沸点が0〜100℃のハロゲン化
炭化水素類が好ましく、特に常温で液体のハロゲン化炭
化水素類が好ましい。これら発泡剤は、単独であるいは
二種以上の混合物として使用することができる。
【0032】上記ハロゲン化炭化水素類としては、例え
ば、塩化メチレン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化
水素類;2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロ
エタン(HCFC123)、1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン(HCFC141b)、1,1−ジクロロ
−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HC
FC225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,2,
2,3−ペンタンフルオロプロパン(HCFC225c
b)等の塩素化フッ素化炭化水素類;1,1,1,2,
3,3−へキサフルオロプロパン(HFC236e
a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
(HFC245fa)等のフッ素化炭化水素類等を挙げ
ることができる。
【0033】本発明において、上記発泡剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して1〜50重量部使用するもの
であり、この量が1重量部未満であると発泡が不十分と
なり、50重量部を超えると連続気泡が増えて独立気泡
率が低下し、発泡体の剛性や断熱性が低下してしまう。
【0034】更に、上記発泡剤の使用量の増減により発
泡体の発泡倍率や密度が変化するので、発泡体の用途等
に応じて要求される発泡体密度になるように、発泡剤の
量を調整することが好ましい。
【0035】又、本発明における整泡剤としては、例え
ばポリウレタン樹脂発泡体やフェノール樹脂発泡体等の
各種樹脂発泡体の製造に用いられている公知のものを挙
げることができる。
【0036】上記整泡剤としては界面活性剤が好まし
く、更に、この界面活性剤としてはノニオン系界面活性
剤であることがより好ましい。又、これら整泡剤は単独
で、あるいは二種類以上の組合せで使用してもよい。
【0037】上記のような整泡剤として使用できるノニ
オン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル類;ポ
リエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン
グリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジス
テアレート、ポリエチレングリコールジオレート等のポ
リエチレングリコールエステル類;上記以外のポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ステル類やジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体類等を挙げることができる。
【0038】本発明において、上記整泡剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、より
好ましくは0.5〜5重量部使用するものであり、この
量が0.01重量部未満であると、発泡後の気泡の大き
さや分布を均一化する効果に欠け、10重量部を超える
と、可塑剤として作用して発泡体の剛性を低下させてし
まう。
【0039】又、本発明においては、発泡硬化時の流動
性等の調整や経済的効果のために、充填材や顔料等を使
用してもよく、このような充填剤や顔料としては、例え
ば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ベントナイ
ト、マイカ、セリサイト、ゼオライト、シリカ、シリカ
フューム、ケイ砂、パーライト、シラスバルーン、酸化
チタン、カーボンブラック、フタロシアニン等を挙げる
ことができる。これらの充填剤や顔料は必要に応じ種類
と量を設定し、ニーダー、ミキシングロール、ヘンシェ
ルミキサー等により、エポキシ樹脂等に混合して使用す
ることができる。
【0040】エポキシ樹脂と、リン酸類等混合物とは、
通常、常温下で反応するので、本発明のエポキシ樹脂発
泡体の製造方法では、エポキシ樹脂とリン酸類等混合物
とを常温下で混合して反応性の混合物とすることが好ま
しいが、エポキシ樹脂が高粘度の液体である場合等で
は、エポキシ樹脂とリン酸類等混合物との混合を加温下
で行うこともできる。
【0041】発泡剤や整泡剤は、これら両者の混合の
際、同時にこれらと混合することができるが、上記両者
の少なくとも一方に、発泡剤や整泡剤を前もって混合し
ておくこともでき、前もって混合しておく場合は、混合
の容易さからエポキシ樹脂を含む成分に混合して予備混
合物としておき、この予備混合物とリン酸類等混合物
含む成分とを混合して反応性の混合物とすることが好ま
しい。
【0042】エポキシ樹脂、リン酸類等混合物、発泡剤
及び整泡剤を含む反応性の混合物は、常温下で反応を開
始することができ、発熱を伴いながら反応が進行すると
共に発泡剤の気化により発泡し、反応硬化してエポキシ
樹脂発泡体となるのであり、このような成分を混合して
混合物を吐出〜射出する装置としては、ポリウレタン樹
脂発泡体等の製造に通常用いられているような多成分混
合機と呼ばれている混合装置を使用するのが好適であ
る。
【0043】又、本発明のエポキシ樹脂発泡体を所望の
形状に成形する方法としては、所望の大きさ及び形の型
に前記原料成分を混合しつつ注入して発泡硬化させる注
入発泡法や、平面上に前記原料成分を混合しつつ流し、
その混合物が硬化する前にドクターブレード等で発泡硬
化途中の混合物表面を掻いて所定の厚さとし、硬化させ
るスラブ発泡法等を採用することができる。
【0044】尚、本発明によって得られたエポキシ樹脂
発泡体は、従来の樹脂発泡体と同様の用途に使用でき、
例えば、スラブ発泡法で得られた発泡体を切り出して所
望の形状にした型枠兼用断熱材、床下断熱材等の住宅等
の建築物に用いられる板状断熱材等の用途に用いること
ができ、又、注入発泡法によって冷凍冷蔵倉庫等建築物
の内壁と外壁との間で発泡させて断熱材とする用途に用
いることができる。又、ドアやサンドイッチパネルの芯
材とすることもでき、更に、ガラス繊維等の強化繊維に
前記原料成分の混合物を含浸しつつ発泡硬化させて、合
成木材等の複合材とすることもできる。
【0045】
【発明の作用】エポキシ樹脂とリン酸類等混合物との混
合物は、常温下において急速に反応して発熱するので、
この反応熱を発泡剤の気化に利用することにより、エポ
キシ樹脂とリン酸類等混合物との混合物を加熱すること
なしに常温で容易に素早く硬化させて、エポキシ樹脂発
泡体を得ることができる。
【0046】又、リン酸類やリン酸化合物が反応してエ
ポキシ樹脂発泡体を構成する樹脂骨格の中に取り込まれ
るために、リン酸類やリン酸化合物が反応性難燃剤と同
様に機能し、難燃性の高いエポキシ樹脂系発泡体を得る
ことができる。
【0047】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。
【0048】実施例1 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に対して、整泡剤としてのジメチルポリシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体0.5重量部を
添加したものをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タ
ンクに入れた。次に、工業用89%リン酸とリン酸二水
素アルミニウムとを重量比で4:1に混合したものをY
成分とし、別の原料タンクに入れた。続いて、発泡剤と
しての塩化メチレンと1,1−ジクロロ−2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロパンとを重量比で4:1に
混合したものをZ成分とし、更に別の原料タンクに入れ
た。X、Y、Zの各成分をX:Y:Z=100:45:
15の吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/
minの流量で送入し反応性の混合物を吐出させた。こ
の反応性混合物1250gを直ちに500×500×1
00mmの常温の金属枠内に入れたところ、発泡は注入
後30秒で開始し、4分30秒後に発泡硬化が完了し
た。
【0049】実施例2 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に対して、整泡剤としてのジメチルポリシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体0.5重量部を
添加したものをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タ
ンクに入れた。次に、工業用89%リン酸とモノメチル
フォスフェートとを重量比で3:1に混合したものをY
成分とし、別の原料タンクに入れた。続いて、発泡剤と
しての1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンをZ成分
とし、更に別の原料タンクに入れた。X、Y、Zの各成
分をX:Y:Z=100:25:10の吐出重量比で、
ミキシングヘッドに合計3Kg/minの流量で送入し
反応性の混合物を吐出させた。この反応性混合物125
0gを直ちに500×500×100mmの常温の金属
枠内に入れたところ、発泡は注入後30秒で開始し、5
分後に発泡硬化が完了した。
【0050】比較例1 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂と、エポキシ当量195
g/eq、分子量約700のo−クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂とを重量比で1:1に混合したもの10
0重量部に対して、整泡剤としてのポリオキシエチレン
ソルビタンモノステアレート2重量部を添加したものを
X成分とし、多成分混合発泡機の原料タンクに入れた。
次に、硬化剤としてのトリエチレンジアミンをY成分と
し、別の原料タンクに入れた。続いて、発泡剤としての
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンをZ成分とし、
更に別の原料タンクに入れた。X、Y、Zの各成分を
X:Y:Z=100:40:10の吐出重量比で、ミキ
シングヘッドに合計3Kg/minの流量で送入し反応
性の混合物を吐出させた。この反応性混合物1125g
を直ちに500×500×100mmの常温の金属枠内
に入れたところ、発泡は注入後2分で開始し、5分後に
発泡硬化が完了した。
【0051】比較例2 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂100重量部、整泡剤と
してのポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
2重量部、分解性発泡剤としてのアゾビスイソブチルニ
トリル10重量部、発泡促進剤としてのステアリン酸亜
鉛1重量部、及び、硬化剤としてのトリエチレンテトラ
ミン15重量部を混合撹拌した後、混合物1250gを
500×500×100mmの金属枠内に流し込み、1
50℃で30分間の加熱発泡を行った。
【0052】比較例3 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂100重量部に対して、
整泡剤としてのジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体2重量部を添加したものをX成分とし、
多成分混合発泡機の原料タンクに入れた。次に、硬化剤
としてのトルエンジイソシアネートと発泡剤としての
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンとを重量比で
4:1に混合したものをY成分とし、別の原料タンクに
入れた。X、Yの各成分をX:Y=100:50の吐出
重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/minの流
量で送入し反応性の混合物を吐出させた。この反応性混
合物1250gを直ちに500×500×100mmの
常温の金属枠内に入れたところ、発泡は注入後1分で開
始し、3分後に発泡硬化が完了した。
【0053】比較例4 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に対して、整泡剤としてのジメチルポリシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体0.5重量部を
添加したものをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タ
ンクに入れた。次に、工業用89%リン酸をY成分と
し、別の原料タンクに入れた。続いて、発泡剤としての
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンをZ成分とし、
更に別の原料タンクに入れた。X、Y、Zの各成分を
X:Y:Z=100:55:10の吐出重量比で、ミキ
シングヘッドに合計3Kg/minの流量で送入し反応
性の混合物を吐出させた。この反応性混合物1250g
を直ちに500×500×100mmの常温の金属枠内
に入れたところ、発泡は注入後30秒で開始したが、一
旦所定の寸法まで発泡した後に収縮し、所定の寸法の発
泡体は得られなかった。
【0054】比較例5 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に対して、整泡剤としてのジメチルポリシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体0.5重量部を
添加したものをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タ
ンクに入れた。次に、工業用89%リン酸とポリリン酸
とを重量比で4:1に混合したものをY成分とし、別の
原料タンクに入れた。続いて、発泡剤としての1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタンをZ成分とし、更に別の
原料タンクに入れた。X、Y、Zの各成分をX:Y:Z
=100:3.5:10の吐出重量比で、ミキシングヘ
ッドに合計3Kg/minの流量で送入し反応性の混合
物を吐出させた。この反応性混合物1250gを直ちに
500×500×100mmの常温の金属枠内に入れた
が発泡せず、発泡体を得ることができなかった。
【0055】以上の実施例及び比較例によって得られた
発泡体の物性を以下の表1に示す。
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂発泡体の製造方法
によれば、以上の実施例に示すとおり、常温下で容易に
素早く発泡硬化し、高剛性で緻密な難燃性のエポキシ樹
脂発泡体を得ることができる。
【0057】又、本発明のエポキシ樹脂発泡体の製造方
法では、リン酸類と共にリン酸化合物を使用するので、
リン酸類とエポキシ基との急速な反応による発熱量が大
きくなりすぎることがなく、緻密な発泡体を得ることが
できる。
【0058】同様に、リン酸類と共にリン酸化合物を使
用するので、リン酸を単独で使用した場合に比べて反
硬化が遅いので、各成分を混合した反応性混合物の流
動性が比較的長時間確保されるために、発泡体を複雑な
形状に成形することが容易であるが、リン酸類のみを使
用した場合は、反応硬化が速いので、発泡体を平板等
単純な形状に成形することは容易であるものの、複雑な
形状に成形することは困難である。
【0059】更に又、本発明のエポキシ樹脂発泡体は、
発泡体を構成する樹脂骨格中にリン酸類及びリン酸化合
が取り込まれているので、難燃性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−74134(JP,A) 特開 昭47−7940(JP,A) 特開 昭60−110783(JP,A) 特開 昭62−129322(JP,A) 特開 平9−324064(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 C08G 59/00 - 59/72 C08L 63/00 - 63/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に1個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂100重量部、及び、リン酸、ポリリン酸
    及びフェニルホスホン酸の中から選ばれる少なくとも1
    種のリン酸類、並びに、リン原子に結合した水酸基を有
    するリン酸塩及びリン酸エステルから選ばれる少なくと
    も1種のリン酸化合物からなる混合物5〜50重量部を
    反応させて得られる樹脂骨格を有することを特徴とする
    エポキシ樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル系
    エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂及び
    環式脂肪族系エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも
    一種である請求項1に記載のエポキシ樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 以下のA〜Dの各成分を以下の量比で含
    む混合物を常温下で発泡硬化させることを特徴とするエ
    ポキシ樹脂発泡体の製造方法。 A:分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
    脂・・・100重量部 B:リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸の中か
    ら選ばれる少なくとも1種のリン酸類、並びに、リン原
    子に結合した水酸基を有するリン酸塩及びリン酸エステ
    ルから選ばれる少なくとも1種のリン酸化合物からなる
    混合物・・・5〜50重量部 C:発泡剤・・・1〜50重量部 D:整泡剤・・・0.01〜10重量部
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル系
    エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂及び
    環式脂肪族系エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも
    一種である請求項3に記載のエポキシ樹脂発泡体の製造
    方法。
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