JPH09249041A - シフトレバー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】シフトポジション切換用の部材を共通化して構
造を簡素化することができ、部品の共通化及びコストの
低減を図ることができるシフトレバー装置を得る。 【解決手段】シフトレバー装置１０では、車両の前後方
向に回動可能なＴ字シャフト１２を備えている。Ｔ字シ
ャフト１２の脚部１６には一対のブラケット１８が突設
されており、さらにこのブラケット１８には支持ピン３
０によってシフトレバー２０が車両の幅方向に回動可能
に支持されている。これにより、シフトレバー２０は、
直立状態においてはＴ字シャフト１２と共に車両前後方
向にシフト移動できるのみならず、「Ｄ」シフトレンジ
においては車両幅方向に回動することにより傾倒状態と
なって「Ｍ」シフトレンジにシフト移動できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両の変速機に用
いられるシフトレバー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動変速機をシフトするシフトレバー
は、箱状に形成されたハウジングのガイド溝へ挿通さ
れ、このガイド溝に沿って移動させることによって、任
意のシフトレンジが選択可能となる。

【０００３】ところで、図６（Ａ）〜図６（Ｃ）に示す
ように、ガイド溝のパターンは、ストレート式１００、
Ｈパターン式１０２、及びゲート式１０４といろいろな
形式があるが、それぞれシフトレバーの車両前後左右の
動きに対応できるように、シフトポジション切換用の部
材を製造する必要があり、構造が複雑であった。このた
め、部品の共通化が困難であり、コスト高であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、シフトポジション切換用の部材を共通化して構造
を簡素化することができ、部品の共通化及びコストの低
減を図ることができるシフトレバー装置を提供すること
を課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明のシ
フトレバー装置は、シフト操作によって任意のシフトレ
ンジが選択可能なシフトレバーと、丁部が車両前後方向
へ回動可能に軸支され脚部が上方へ延設すると共に、前
記シフトレバーを車両幅方向へ回動可能に軸支する連結
部が前記脚部の外周部に設けられたＴ字シャフトと、前
記シフトレバーの移動を案内し、前記シフトレバーの車
両幅方向への回動を所定のシフトレンジにおいてのみ可
能とするガイド部材と、を備えている。

【０００６】請求項１記載のシフトレバー装置では、Ｔ
字シャフトの連結部に支持されたシフトレバーは、ガイ
ド部材に案内されながら車両前後方向へシフト移動され
る。さらに、所定のシフトレンジにおいては、車両幅方
向へも回動されてシフト移動される。

【０００７】このように、強度的にも安定したＴ字シャ
フトの脚部へ単に連結部を設けることによって、シフト
レバーを車両前後方向および車両左右方向に回動させる
ことができる。すなわち、ストレート式、Ｈパターン
式、及びゲート式に関係なく、Ｔ字シャフトをシフトポ
ジション切換用の共通部材として使用することができ
る。

【０００８】請求項２に係る発明のシフトレバー装置
は、請求項１記載のシフトレバー装置において、前記Ｔ
字シャフトの連結部に設けられ、前記シフトレバーを前
記Ｔ字シャフトの軸線に沿った直立状態と車両幅方向に
回動した傾倒状態とで節度移動可能に保持する節度機構
を備えたことを特徴としている。

【０００９】請求項２記載のシフトレバー装置では、所
定のシフトレンジにおいて車両幅方向へも回動されてシ
フト移動されるシフトレバーは、この所定のシフトレン
ジにおいては、節度機構によって保持され直立状態と傾
倒状態とで節度を持って移動可能である。したがって、
単に前記所定のシフトレンジにおける節度機構を単に連
結部に設けるのみでよく、構造が簡素化される。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１には本発明の実施の形態に係
るシフトレバー装置１０の全体構成が分解斜視図にて示
されている。また、図２乃至図４にはこのシフトレバー
装置１０の断面図が示されている。

【００１１】シフトレバー装置１０では、シフトポジシ
ョン切換用のＴ字シャフト１２を備えている。Ｔ字シャ
フト１２は筒状のＴ字管で、丁部１４には、図示しない
コントロールシャフトが挿通され、車両の前後方向に回
動可能とされている。

【００１２】一方、Ｔ字シャフト１２の脚部１６の外周
部には、連結部を構成する一対のブラケット１８が所定
の間隔をあけて横方向へ突設されている。このブラケッ
ト１８には、芯部に貫通孔２２が形成された円筒状のシ
フトレバー２０の下端部が取付けられる。シフトレバー
２０の下端からはブラケット２４が横方向へ張り出して
いる。このブラケット２４には、軸孔２６が穿設されて
おり、ブラケット１８に穿設された軸孔２８と位置合わ
せされた状態で、支持ピン３０が差し込まれ、プッシュ
ナット３２で固定されている。これによって、支持ピン
３０を軸として、シフトレバー２０が車両の幅方向に回
動可能となる。なお、ブラケット２４の間には、コイル
スプリング３４が装着されており、一端部がブラケット
２４へ他端部がブラケット１８に掛止され、シフトレバ
ー２０を直立状態となるように付勢している。

【００１３】さらに、一対のブラケット１８間には、節
度機構を構成する節度プレート８２が固着されている。
節度プレート８２は略コ字形に形成された板状のスプリ
ング部材で、シフトレバー２０を圧接状態で挟持してい
る。これにより、シフトレバー２０は、節度プレート８
２によって保持されＴ字シャフト１２の軸線に沿った直
立状態と車両幅方向に回動した傾倒状態とで節度を持っ
て移動可能である。

【００１４】また、脚部１６からは、コンロールレバー
３６が張り出しており、コンロールレバー３６の先端に
設けられたピン３８が、図示しない伝達機構を介して自
動変速機に連結され、シフトレバー２０の操作によっ
て、自動変速機をシフトするようになっている。

【００１５】一方、シフトレバー２０の貫通孔２２に
は、下部開口からロッド４０が挿通されるようになって
いる。このロッド４０の下端には、チャンネル状の受け
部４２が形成されている。この受け部４２は、脚部１６
に軸方向へ穿設された長溝４４を貫通するポジションピ
ン４６を受けている。

【００１６】また、ロッド４０の上端部は貫通孔２２を
突き抜け、シフトレバー２０にねじ込まれるノブ４８内
に至っている。ロッド４０の上端部には、スナップフィ
ット５０が取付けられており、スプリング５２を介して
ボタン５４が取付けられている。このスプリング５２に
よって、ボタン５４がガタ付くことなくロッド４０に固
定される。

【００１７】ボタン５４は、ノブ４８の中を上下にスラ
イド可能となっており、このボタン５４をプッシュする
ことで、長溝４４に沿ってポジションピン４６を押し下
げることができるようになっている。

【００１８】また、ポジションピン４６は、脚部１６へ
スプリング５６と共に挿入されたディテントロッド５８
の横孔６０を貫通している。このスプリング５６で上方
向へ付勢されたディテントロッド５８によって、ポジシ
ョンピン４６が、長溝４４内の所定位置に保持されてい
る。

【００１９】一方、ポジションピン４６の一端部は、図
示しないディテントプレートに形成されたディテント溝
へ入り込んでいる。このディテント溝は、各シフトレン
ジと関係付けられた凹凸が連続する形状をしており、ボ
タン５４を操作して長溝４４に沿ってポジションピン４
６を押し下げない限り、隣接シフトレンジへ移動でき
ず、また、特定のシフトレンジ間では、ボタン５４の操
作なしに、シフトレバー２０を操作するだけで、ポジシ
ョンピン４６がディテント溝の凹凸を乗り越えることが
できる構成となっている。また、ポジションピン４６の
他端部は、シフトロックプレート６２に対応しており、
所定のシフトレンジではその押し下げ移動が制限されて
いる。

【００２０】また、Ｔ字シャフト１２及びシフトレバー
２０の上方には、下部ハウジング６６及び上部ハウジン
グ９２が配置され、図示しない車室内の床部に固定され
ている。この下部ハウジング６６にはシフトレバー２０
が挿通されるガイド溝６４が形成されており、また、上
部ハウジング９２にはガイド溝６４と対応したガイド溝
９０が形成されている。図５に示す如く、ガイド溝９０
（ガイド溝６４）は、「Ｄ」シフトレンジ乃至「Ｌ」シ
フトレンジに対応するストレート部分と、「Ｄ」シフト
レンジの側方に位置する「Ｍ」シフトレンジ（マニアル
シフトモード）用の溝が形成された構成であり、シフト
レバー２０が挿通されている。これにより、節度プレー
ト８２によって保持されたシフトレバー２０は、Ｔ字シ
ャフト１２の軸線に沿った直立状態においてはＴ字シャ
フト１２と共に「Ｄ」シフトレンジ乃至「Ｌ」シフトレ
ンジの間でシフト移動可能であり、さらに、「Ｄ」シフ
トレンジにおいて車両幅方向に回動することにより傾倒
状態となって「Ｍ」シフトレンジにシフト移動可能であ
る。

【００２１】上部ハウジング９２のガイド溝９０の横に
は、シフトレンジに応じて「Ｒ」、「Ｎ」、「Ｄ」等の
頭の文字が印刷されたプレート９３が嵌め込まれてい
る。

【００２２】また、下部ハウジング６６の裏面には、マ
イクロスイッチ６８が取付けられている。このマイクロ
スイッチ６８は「Ｍ」シフトレンジに対応する位置に設
けられており、図２及び図３に示すように、シフトレバ
ー２０が「Ｄ」シフトレンジにおいて車両幅方向に回動
し傾倒状態となって「Ｍ」シフトレンジにシフト移動さ
れたとき、シフトレバー２０の側部に押されてシフトレ
バー２０が「Ｍ」シフトレンジにシフト操作されたこと
を検出するようになっている。

【００２３】また、下部ハウジング６６のガイド溝６４
の縁部には、上方向に縁部に沿って受け座７０が延設さ
れている。この受け座７０には、板状のスライドカバー
７２がスライド可能に載せられている。スライドカバー
７２の中央部には、幅方向に延びる長孔７４が形成され
ている。この長孔７４には、シフトレバー２０が挿通さ
れ、シフトレバー２０と一体に車両前後方向へ移動し、
また、シフトレバー２０の車両幅方向への操作を許容し
ている。

【００２４】一方、スライドカバー７２の裏面には、長
孔７４を挟むようにＬ字状のスライドガイド７６が幅方
向へ延設されており、さらにスライドガイド７６には、
スライドカバー７２を横切るようにして、スライダー７
８が装着されている。このスライダー７８の挿入方向の
先端には、爪状の表示部７８Ａが形成されており、スラ
イドガイド７６からスライダー７８が抜け出さないよう
になっている。

【００２５】また、スライダー７８には、シフトレバー
２０が挿通される円孔８０が形成されており、また円孔
８０の両側には、スライダー７８の幅方向に沿って板状
のクッション脚８４が延出している。このクッション脚
８４は、受け座７０に当たることによりシフトレバー２
０が受け座７０及びガイド溝６４と衝突することを防止
している。

【００２６】なお、スライダー７８は、ゴム系、エラス
トマー系、又はＰＰ系の軟質材等で成形され、クッショ
ン性が確保されている。

【００２７】さらに、下部ハウジング６６には、ガイド
溝６４と略平行に並んで、長状の凹部９４が形成されて
いる。この凹部９４の底面９４Ａには、ランプ９６が配
置されている。このランプ９６は、下方からスライダー
７８の表示部７８Ａを照らすようになっている。

【００２８】次に、本実施の形態に係るシフトレバー装
置１０の作用を説明する。シフトレバー装置１０では、
Ｔ字シャフト１２の一対のブラケット１８に支持された
シフトレバー２０は、通常は節度プレート８２によって
保持されてＴ字シャフト１２の軸線に沿った直立状態と
なっている。この状態でシフトレバー２０がシフト操作
されると、シフトレバー２０はガイド溝９０（ガイド溝
６４）に沿って車両の前後方向へシフト移動され、
「Ｄ」シフトレンジ乃至「Ｌ」シフトレンジの間の任意
のシフトレンジが選択される。

【００２９】またさらに、シフトレバー２０が「Ｄ」シ
フトレンジに位置する際に、シフトレバー２０が車両幅
方向に回動操作されると、シフトレバー２０が傾倒状態
となって「Ｍ」シフトレンジへシフト移動されて「Ｍ」
シフトレンジが選択される。さらに、これと同時に、下
部ハウジング６６の裏面に設けられたマイクロスイッチ
６８がシフトレバー２０の側部に押されて、シフトレバ
ー２０が「Ｍ」シフトレンジにシフト操作されたことが
検出される。これに基づいて、図示しないシフトアップ
／シフトダウン・スイッチが操作可能状態となり、マニ
アルシフトが行われる。

【００３０】この場合、「Ｄ」シフトレンジにおいて車
両幅方向へ回動されてシフト移動されるシフトレバー２
０は、この「Ｄ」シフトレンジにおいては、節度プレー
ト８２によって保持され、直立状態と傾倒状態とで節度
を持って移動される。したがって、シフトレバー２０の
不用意な移動が防止されると共に操作性（操作フィーリ
ング）が向上する。

【００３１】このように、シフトレバー装置１０では、
シフトレバー２０を単に車両前後方向にシフト移動させ
ることができるのみならず、強度的にも安定したＴ字シ
ャフト１２の脚部１６にブラケット１８を設けこのブラ
ケット１８によってシフトレバー２０を回動可能に支持
する構成であるため、シフトレバー２０を車両幅方向に
もシフト移動させることができる。すなわち、ストレー
ト式、Ｈパターン式、及びゲート式に関係なく、ブラケ
ット１８を脚部１６の外周部に溶接等によって取り付け
るだけで、Ｔ字シャフト１２をシフトポジション切換用
の共通部材として使用することができる。

【００３２】さらに、シフトレバー装置１０では、
「Ｄ」シフトレンジにおけるシフトレバー２０の保持及
び節度移動を行うための節度機構が、単に節度プレート
８２をブラケット１８に設けるのみで構成されるため、
構造が大幅に簡素化される。

【００３３】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係るシフトレ
バー装置は、シフトポジション切換用の部材を共通化し
て構造を簡素化することができ、部品の共通化及びコス
トの低減を図ることができる優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置の
全体構成を示す分解斜視図である

【図２】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置の
シフトレバーが直立状態における車両前後方向から見た
断面図である。

【図３】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置の
シフトレバーが車両幅方向に傾倒された状態における車
両前後方向から見た断面図である。

【図４】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置を
車両幅方向から見た断面図である

【図５】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置の
ガイド溝のパターンを示した平面図である

【図６】従来のシフトレバー装置のガイド溝のパターン
を示した平面図である

【符号の説明】

１０ シフトレバー装置 １２ Ｔ字シャフト １４ 丁部 １６ 脚部 １８ ブラケット（連結部） ２０ シフトレバー ３０ 支持ピン ６４ ガイド溝 ６６ 下部ハウジング（ガイド部材） ８２ 節度プレート（節度機構） ９０ ガイド溝 ９２ 上部ハウジング（ガイド部材）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフト操作によって任意のシフトレンジ
   が選択可能なシフトレバーと、 丁部が車両前後方向へ回動可能に軸支され脚部が上方へ
   延設すると共に、前記シフトレバーを車両幅方向へ回動
   可能に軸支する連結部が前記脚部の外周部に設けられた
   Ｔ字シャフトと、 前記シフトレバーの移動を案内し、前記シフトレバーの
   車両幅方向への回動を所定のシフトレンジにおいてのみ
   可能とするガイド部材と、 を備えたシフトレバー装置。
2. 【請求項２】 前記Ｔ字シャフトの連結部に設けられ、
   前記シフトレバーを前記Ｔ字シャフトの軸線に沿った直
   立状態と車両幅方向に回動した傾倒状態とで節度移動可
   能に保持する節度機構を備えたことを特徴とする請求項
   １記載のシフトレバー装置。