JPH09248934A - 磁気プリンタおよび磁気プリンタの磁気潜像再生方法 - Google Patents

磁気プリンタおよび磁気プリンタの磁気潜像再生方法

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JPH09248934A
JPH09248934A JP5868296A JP5868296A JPH09248934A JP H09248934 A JPH09248934 A JP H09248934A JP 5868296 A JP5868296 A JP 5868296A JP 5868296 A JP5868296 A JP 5868296A JP H09248934 A JPH09248934 A JP H09248934A
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JP
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Application number
JP5868296A
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English (en)
Inventor
Masanobu Kobayashi
政信 小林
Haruki Yamane
治起 山根
Kiminori Maeno
仁典 前野
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体に形成された磁気潜像を用紙以
外へ高速で表示させること。 【解決手段】 本発明は、原稿画像に基づく磁気潜像を
所定幅を備えた記録用磁気ドラム2に記録し、この磁気
潜像上にトナーTを付着させて用紙Pに転写する磁気プ
リンタ1であり、記録用磁気ドラム2の所定幅に対応し
て複数の磁気抵抗効果素子が設けられ各磁気抵抗効果素
子にて磁気潜像を電気信号として読み取る再生用アレイ
ヘッド5を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に記
録された磁気潜像を電気信号として読み取る磁気プリン
タおよび磁気プリンタの磁気潜像再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気プリンタは磁気記録媒体であるドラ
ム等の表面に磁気潜像を形成し、これを磁気的に現像し
て用紙に画像を転写するものである。図11は従来の磁
気プリンタを説明する概略断面図である。この磁気プリ
ンタ1’の記録用磁気ドラム2の周辺には、消磁手段
3、磁気記録手段4、現像手段6、転写手段7、定着手
段8、クリーニング手段9が順に配置されている。
【0003】記録用磁気ドラム2の面上にはCrO2
膜、ガンマヘマタイト薄膜、マグネタイト薄膜等の磁気
記録材料が設けられており、印刷を行う画像に応じた磁
気潜像を形成できるようになっている。
【0004】この磁気プリンタ1’による印刷プロセス
は、先ず記録用磁気ドラム2を図中矢印A方向に回転さ
せながら消磁手段3によって記録用磁気ドラム2の面上
を一定方向に磁化し、次に磁気記録手段4によって回転
する記録用磁気ドラム2の面上にある磁気記録材料へ印
刷する画像に応じた磁気潜像を形成する。
【0005】なお、この磁気潜像を記録する方法として
は、記録用磁気ドラム2を回転させながらその記録用磁
気ドラム2の幅方向における一端側から他端側まで磁気
ヘッドを高速で走査する方法が一般的である。また、記
録用磁気ドラム2の磁気方向は主として面の方向に沿っ
た面内記録と面に対して垂直である垂直記録とがある
が、高解像度を必要とする場合には後者の垂直記録が採
用される。
【0006】次いで、現像手段6によって磁気潜像上に
トナーを付着することで磁気潜像を可視像化し、その
後、転写手段7によって磁気潜像上に付着したトナーを
用紙Pへ転写し、用紙Pに転写されたトナーに所定の熱
を加えて用紙Pに定着させる。最後に、記録用磁気ドラ
ム2の面上に残留したトナーをクリーニング手段9によ
って除去する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな磁気プリンタにおいては、記録用磁気ドラムの面上
に形成した磁気潜像の可視化手段としてトナーでの現
像、用紙への転写、定着といういわゆるハードコピーを
用いているが、近年のオフィス環境を考慮した場合に
は、不要な紙の氾濫という問題が生じる。
【0008】すなわち、必要なものだけ用紙へ印刷し、
不要なものは用紙へ印刷しないようにすることが望まれ
ており、この不要なものを可視化する方法として用紙で
はなくディスプレイへ表示することが考えられる。この
ためには、記録用磁気ドラムの面上に記録された磁気情
報を例えば磁気ヘッドで読み取ればよいが、例えば記録
用磁気ドラムを行送りしながら磁気ヘッドを左右に走査
するには磁気ヘッドを高速で走査させる必要があり、デ
ィスプレイ表示に対応させるのは非常に困難である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために成された磁気プリンタおよび磁気プ
リンタの磁気潜像再生方法である。
【0010】すなわち、本発明は、原稿画像に基づく磁
気潜像を所定幅を備えた磁気記録媒体に記録し、この磁
気潜像上にトナーを付着させて用紙に転写する磁気プリ
ンタであり、磁気記録媒体の所定幅に対応して複数の磁
気抵抗効果素子が設けられ各磁気抵抗効果素子にて磁気
潜像を電気信号として読み取る再生用アレイヘッドを備
えている。
【0011】また、磁気潜像を記録する前に磁気記録媒
体の磁性を初期化する初期化手段と、磁気記録媒体の所
定幅に対応して複数の発熱素子が設けられ初期化手段に
よって磁性が初期化された磁気記録媒体に各発熱素子か
ら所定の熱を与えて磁気潜像を記録する記録用アレイヘ
ッドと、磁気記録媒体の所定幅に対応して複数の磁気抵
抗効果素子が設けられ各磁気抵抗効果素子にて磁気潜像
を電気信号として読み取る再生用アレイヘッドとを備え
ている磁気プリンタでもある。
【0012】また、本発明の磁気プリンタの磁気潜像再
生方法は、磁気潜像上にトナーが付着される前にその磁
気潜像を磁気記録媒体の所定幅単位で電気信号として読
み取り、この電気信号を外部機器へ転送して原稿画像の
出力を行うものである。
【0013】本発明では、磁気記録媒体の所定幅に対応
して設けられた複数の磁気抵抗効果素子により再生用ア
レイヘッドを構成していることから、再生用アレイヘッ
ドを移動することなく、磁気記録媒体の幅単位で磁気潜
像を電気信号として読み取ることができるようになる。
【0014】また、記録用アレイヘッドを備えている場
合には、初期化手段によって一定の方向に磁化または消
磁された磁気記録媒体に記録用アレイヘッドを構成する
各発熱素子から所定の熱を与えることでその部分が消磁
または磁化され、磁気潜像が形成される状態となる。さ
らに、この記録用アレイヘッドで形成された磁気潜像を
再生用アレイヘッドで読み取ることで、再生用アレイヘ
ッドを移動させることなく用紙以外の他の媒体へ画像を
出力できるようになる。
【0015】また、本発明の磁気プリンタの磁気潜像再
生方法では、形成された磁気潜像上にトナーが付着され
る前にその磁気潜像を磁気記録媒体の所定幅単位で電気
信号として読み取ることで、外部機器へ所定幅単位で電
気信号を転送することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気プリンタお
よび磁気プリンタの磁気潜像再生方法における実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は本発明の磁気プリン
タにおける第1実施形態を説明する構成図である。すな
わち、本実施形態における磁気プリンタ1は、原稿画像
に基づく磁気潜像を磁気記録媒体である記録用磁気ドラ
ム2に記録し、この磁気潜像上にトナーTを付着させ、
このトナーTを用紙Pに転写するものであり、特に磁気
潜像上にトナーTを付着する前にこの磁気潜像を電気信
号として読み取り、ディスプレイ50等の外部機器へ原
稿画像を出力する点に特徴がある。
【0017】磁気プリンタ1は、記録用磁気ドラム2の
周辺に配置された消磁手段3、磁気記録手段4、再生用
アレイヘッド5、現像手段6、転写手段7、定着手段
8、クリーニング手段9を備えている。
【0018】磁気記録媒体としては、所定の信号磁界の
印加によって媒体に磁気潜像を形成するもの(磁気記録
型)と、例えば媒体を一定方向に磁化した後、熱を与え
た部分の消磁を行って磁気潜像を形成するもの(熱磁気
記録型)とがある。
【0019】図2は熱磁気記録媒体を説明する図で、
(a)は部分断面図、(b)は人工格子膜の構成図であ
る。すなわち、図2(a)に示すように熱磁気記録媒体
は基材21上に人工格子膜22を被着したものから成
り、熱磁気記録媒体が図1に示すような記録用磁気ドラ
ム2から成る場合には、この人工格子膜22が形成され
た基材21をドラム芯に巻き付けた構成となっている。
【0020】基材21としては例えばステンレス鋼を使
用し、この基材21に人工格子膜22を例えばRFスパ
ッタ法により被着する。つまり、基材21上には、図2
(b)に示すように、人工格子膜22としてPd/Co
から成る垂直磁化膜が数百μmの厚さで積層されてい
る。
【0021】例えば、人工格子膜22のPdの厚さdpd
は0.2nm≦dpd≦3nmであり、Coの厚さdco
0.1nm≦dco1.5nmである。本実施形態では、
Pd/Coの人工格子膜22として、dpd=1.5n
m、dco=0.5nmを周期的に積層したものを用い、
成膜後、300℃で30分間の熱処理を施している。こ
れにより、人工格子膜22の保磁力は2000(Oe)
程度、残留磁束密度が3000(Gauss)程度、キ
ューリ温度が200℃以下が得られている。
【0022】また、磁気記録媒体としては、磁気記録材
料であるCrO2 薄膜等が使用される。記録用磁気ドラ
ム2の場合には、このCrO2 薄膜等を面上に被着した
ものを使用する。
【0023】図1に示すように、本実施形態における磁
気プリンタ1では、上記のような熱磁気記録媒体または
磁気記録媒体である記録用磁気ドラム2に形成された磁
気潜像を再生用アレイヘッド5によって電気信号として
読み取り、原稿画像をディスプレイ50等に表示させて
いる。
【0024】図3は再生用アレイヘッド5を説明する概
略平面図である。再生用アレイヘッド5は、記録用磁気
ドラム2(図1参照)の幅に対応した長さLを備えてお
り、基板Sの上面に形成された複数の磁気抵抗効果素子
51と、各磁気抵抗効果素子51と配線パターン52を
介して実装されている信号処理用LSI53とから構成
されている。
【0025】磁気抵抗効果素子51は磁界の有無によっ
て電気抵抗が変化するものであり、本実施形態では、例
えば100μm、幅25μm、間隔25μm(すなわち
アレイピッチ50μm)で複数設けられている。また基
板Sの長さLは例えば21cmとなっている。
【0026】基板Sとしてガラス基板を用いた場合、磁
気抵抗効果素子51はスパッタ法およびフォトリソグラ
フィー法によって形成される。この磁気抵抗効果素子5
1としては、例えばNi90Fe10の合金薄膜を使用して
いる。
【0027】次に、このような構成から成る本実施形態
における磁気プリンタの磁気潜像再生方法を説明する。
先ず、図1に示す記録用磁気ドラム2を図中矢印Aの方
向に回転し、消磁手段3によって記録用磁気ドラム2の
消磁または一定方向への磁化を行う初期化を施し、磁気
記録手段4によって原稿画像に基づく磁気潜像を形成す
る。
【0028】例えば、記録用磁気ドラム2が熱磁気記録
媒体から成る場合には、消磁手段3によって一旦消磁を
行い、その後、磁気記録手段4によって磁界をかけた状
態でレーザ光を照射して磁気潜像を形成する。また記録
用磁気ドラム2が磁気記録媒体から成る場合には、消磁
手段3によって消磁を行い、磁気記録手段4によって局
所的な磁化を施して磁気潜像を形成する。なお、これら
以外の方法で磁気潜像を形成してもよい。
【0029】次に、記録用磁気ドラム2を回転させた状
態で面上に形成された磁気潜像を再生用アレイヘッド5
により電気信号として読み取る。先に説明したように、
再生用アレイヘッド5には記録用磁気ドラム2の幅方向
に対応して複数の磁気抵抗効果素子51(図3参照)が
設けられているため、記録用磁気ドラム2の面上に形成
された磁気潜像を複数の磁気抵抗効果素子51が幅単位
で電気抵抗値変化として読み取り、信号処理用LSI5
3(図3参照)によって所定の電気信号に変換する。
【0030】この磁気潜像に基づく幅単位の電気信号は
ディスプレイ50(図1参照)等の外部機器に転送さ
れ、ここで画像として出力される。つまり、本実施形態
における磁気プリンタ1では、再生用アレイヘッド5を
移動することなく、記録用磁気ドラム2の面上に形成さ
れた磁気潜像を幅単位で電気信号として読み取り、ディ
スプレイ50に表示させることができる。
【0031】なお、必要な場合には、磁気潜像をディス
プレイ50上に表示させた後、磁気潜像上に現像手段6
でトナーTを付着させ、転写手段7および定着手段8に
て用紙Pへ印刷してもよい。
【0032】また、既に磁気潜像が形成されている記録
用磁気ドラム2を使用する場合には、先に説明した消磁
手段3および磁気記録手段4での動作を行うことなく、
回転する記録用磁気ドラム2の面上に形成されている磁
気潜像を再生用アレイヘッド5にて読み取り、ディスプ
レイ50に表示する。
【0033】これにより、記録用磁気ドラム2が1回転
する間に面上に形成された磁気潜像を全てディスプレイ
50に表示させることができ、不要な原稿画像を用紙P
に印刷することがなくなる。
【0034】また、図4は第1実施形態における磁気プ
リンタ1の他の例を説明する構成図である。この磁気プ
リンタ1は、図1に示す磁気プリンタ1の記録用磁気ド
ラム2の代わりに記録用磁気シート2’が設けられたも
のである。すなわち、図4に示す磁気プリンタ1では、
記録用磁気シート2’の周辺に、消磁手段3、磁気記録
手段4、再生用アレイヘッド5、現像手段6、転写手段
7、定着手段8、クリーニング手段9が設けられてお
り、回転する記録用磁気シート2’に形成された磁気潜
像を再生用アレイヘッド5で幅単位で電気信号として読
み取り、ディスプレイ50に表示させるものである。
【0035】これにより、図1に示した磁気プリンタ1
と同様に、記録用磁気シート2’を1回転させる間に全
ての磁気潜像をディスプレイ50に表示させることがで
き、不要な原稿画像を用紙Pに印刷することなく、ディ
スプレイ50で確認することができるようになる。
【0036】次に、本発明の第2実施形態における磁気
プリンタの説明を行う。図5は第2実施形態を説明する
概略平面図である。すなわち、図5は第2実施形態の磁
気プリンタの主要部である記録・再生アレイヘッド5’
を示している。
【0037】第2実施形態における磁気プリンタは、図
5に示す記録・再生アレイヘッド5’により磁気潜像の
形成および外部機器への再生を行う点に特徴がある。こ
の記録・再生アレイヘッド5’は、図1および図4に示
す磁気記録手段4としてサーマルヘッドを用いるものに
おいて、この磁気記録手段4と再生手段とを一体化した
構成となっている。
【0038】すなわち、図5に示す記録・再生用アレイ
ヘッド5’は、複数の発熱素子54から成る記録部分W
と、複数の磁気抵抗効果素子51から成る再生部分Rと
が同一の基板S上に形成されたものである。
【0039】再生部分Rを構成する複数の磁気抵抗効果
素子51は先に説明したと同様に、Ni90Fe10の合金
薄膜をスパッタ法によって形成したものであり、フォト
リソグラフィー法によって例えば長さ100μm、幅2
5μm、間隔25μm(すなわちアレイピッチ50μ
m)にアレイ化され、配線パターン52を介して信号処
理用LSI53と接続されている。
【0040】一方、記録部分Wを構成する複数の発熱素
子54は、例えばニクロムを用いて形成されており、磁
気抵抗効果素子51と同様な寸法でアレイ化されてい
る。なお、この発熱素子54としては、ニクロム以外に
も種々の酸化物、炭化物、窒化物発熱材料を適用しても
よい。
【0041】第2実施形態では、このような記録・再生
用アレイヘッド5’を図1または図4に示す磁気記録手
段4および再生用アレイヘッド5の代わりに記録用磁気
ドラム2または記録用磁気シート2’の周囲に配置した
構成となる。
【0042】この記録・再生用アレイヘッド5’によっ
て磁気潜像の記録を行うには、先ず、熱磁気記録媒体か
ら成る記録用磁気ドラム2または記録用磁気シート2’
の面上を一定方向に磁化する。
【0043】次に、記録・再生用アレイヘッド5’の記
録部分Wを構成する複数の発熱素子54にて原稿画像の
信号に応じた部分の加熱を行い、その部分の消磁を行
う。これによって、加熱された部分は消磁され、加熱さ
れない部分には一定方向の磁化が残るようになり、原稿
画像に応じた磁気潜像が形成されることになる。
【0044】次いで、この磁気潜像を記録・再生アレイ
ヘッド5’の再生部分Rを構成する複数の磁気抵抗効果
素子51にて電気信号として読み取る。読み取りは、記
録用磁気ドラム2または記録用磁気シート2’の幅単位
で行われ、ディスプレイ50に転送されて画像として表
示されることになる。
【0045】このディスプレイ50の表示を参照して、
必要に応じて画像を用紙Pに印刷するようにする。
【0046】第2実施形態における磁気プリンタによ
り、不要な画像を用紙Pに印刷することなくディスプレ
イ50に表示させることができるようになるとともに、
記録部分Wと再生部分Rとの一体化によって装置自体の
小型化を図ることが可能となる。
【0047】次に、本発明の第3実施形態における磁気
プリンタの説明を行う。図6は第3実施形態を説明する
概略断面図である。すなわち、図6は第3実施形態の主
要部である再生用アレイヘッド5を示している。
【0048】この再生用アレイヘッド5は、基板Sの上
に複数の磁気抵抗効果素子51が形成されている点では
第1実施形態で適用される再生用アレイヘッドと同様で
あるが、その基板Sの下にスペーサSPを介して垂直磁
化膜55が形成された基板S’を備えている点で相違す
る。
【0049】基板S上の磁気抵抗効果素子51は第1実
施形態の場合と同様に、スパッタ法によってNi90Fe
10の合金薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法によっ
てアレイ化が施されたものである。
【0050】この磁気抵抗効果素子51は、磁界の有無
によって電気抵抗値が変化して磁気潜像を読み取ること
ができるものであるが、このままでは、例えば、図7に
示すような、多色プリントの場合の記録を読み取ること
が困難である。つまり、多色プリントの記録では、図7
に示すG1〜G4のように、磁化の方向(上下)および
その大きさの変化によって多色および階調を表現してい
るが、磁気抵抗効果素子51だけでは大きさの違いを電
気抵抗値変化として捕らえることはできるものの、その
方向を特定することが困難である。
【0051】そこで、第3実施形態における磁気プリン
タで適用される再生アレイヘッド5では、磁気抵抗効果
素子51が形成される基板Sの下側にスペーサSPを介
して垂直磁化膜55を設けており、この垂直磁化膜55
によって磁気抵抗効果素子51にバイアス磁界を与えて
いる。
【0052】図8は磁気抵抗効果素子の特性を示す図で
ある。すなわち、磁気抵抗効果素子は印加磁界に対して
電気抵抗値が変化するものであり、その抵抗変化率は印
加磁界がマイナス(一方向)側から「0」になるまで減
少し、「0」から+(他方向)側に進むにつれて増加す
る特性となっている。
【0053】第3実施形態では、先に説明した垂直磁化
膜55(図6参照)により、磁気抵抗効果素子に10
(Oe)以下のバイアス磁界を与えることで、磁界の方
向および大きさの変化を抵抗変化率の直線変化領域(図
8のB領域)で使用するようにしている。
【0054】このバイアス磁界により、磁気抵抗効果素
子は例えば図8のC点を中心として磁化の方向および大
きさの変化を検知することができ、図7に示す多色プリ
ントの場合の磁化G1〜G4を区別して読み取ることが
できるようになる。
【0055】バイアス磁界を与えるために使用した垂直
磁化膜55としては、例えばTb30Fe70を使用する。
また、基板Sの下に設けたスペーサSPの厚さによって
バイアス磁界を調整することができる。
【0056】このような再生用アレイヘッド5を使用す
ることで、図1に示す記録用磁気ドラム2や図4に示す
記録用磁気ベルト2’の面上に形成された磁気潜像を電
気信号として読み取り、ディスプレイ50に多色画像を
表示することができるようになる。
【0057】次に、本発明の第4実施形態における磁気
プリンタの説明を行う。図9は本発明の第4実施形態を
説明する概略斜視図である。第4実施形態では、その主
要部として記録・再生アレイヘッド5’を用いている
が、この記録・再生アレイヘッド5’として、第3実施
形態で説明したと同様な構成の再生部分Rと、記録部分
Wとを備えている。
【0058】すなわち、再生部分Rに対応する基板Sの
下方には、第3実施形態で説明したと同様にスペーサS
Pを介して垂直磁化膜55が設けられている。また、記
録部分Wに対応する基板Sの下方には、互いに磁化の方
向が異なる2つの垂直磁化膜55’、55’’が設けら
れている。
【0059】図10は第4実施形態で適用される記録・
再生アレイヘッド5’を説明する概略平面図である。第
4実施形態では、図7に示すような多色プリントに対応
した記録・再生を行うため、記録・再生アレイヘッド
5’の記録部分Wとして、複数の発熱素子54の列が2
列形成されている。
【0060】この2列の発熱素子54の一方の列に対応
した基板Sの下方に、図9で示す一方向に磁化された垂
直磁化膜55’を設け、2列の発熱素子54の他方の列
に対応した基板Sの下方に他方向に磁化された垂直磁化
膜55’’を設けている。
【0061】このような記録・再生アレイヘッド5’を
用いて磁気潜像の形成を行うには、図1または図4に示
す消磁手段3で記録用磁気ドラム2または記録用磁気ベ
ルト2’の面上を消磁し、次に上記説明した記録・再生
アレイヘッド5’の記録部分Wの一方の列を構成する複
数の発熱素子54にて所定の加熱を行う。これによって
加熱された部分が垂直磁化膜55’(図9参照)の磁化
の方向に沿って磁化されることになる。
【0062】次に、記録・再生アレイヘッド5’の記録
部分Wの他方の列を構成する複数の発熱素子54にて所
定の加熱を行う。これによって加熱された部分が垂直磁
化膜55’’(図9参照)の磁化の方向に沿って磁化さ
れることになる。
【0063】この2列の発熱素子54での加熱によっ
て、記録用磁気ドラム2または記録用磁気ベルト2’の
面上には、図7に示すような多色プリントに対応した磁
気潜像が形成されることになる。なお、いずれの磁化で
あっても、加熱の強さによって磁化の大きさを調整する
ことができる。
【0064】次いで、記録・再生アレイヘッド5’の再
生部分Rを構成する複数の磁気抵抗効果素子51によっ
て磁気潜像の読み取りを行う。この再生部分Rは第3実
施形態で適用された再生用アレイヘッド5と同様であ
り、図9に示すスペーサSPを介して設けられた垂直磁
化膜55によってバイアス磁界が与えられた磁気抵抗効
果素子51によって、多色プリントに対応した磁気潜像
を電気信号として読み取る。
【0065】そして、読み取った電気信号を図1または
図4に示すディスプレイ50に転送することで多色の原
稿画像を表示させることができるようになる。
【0066】第4実施形態の磁気プリンタでは、多色プ
リントの原稿画像をディスプレイ50に表示できるよう
になるとともに、記録部分Wおよび再生部分Rの一体化
によって装置自体の小型化を図ることが可能となる。
【0067】なお、上記説明したいずれの実施形態であ
っても、磁気抵抗効果素子51等を形成した基板Sとし
てガラス基板を用いているが、本発明はこれに限定され
ず、ガラス基板以外にも、種々のセラミックス、ポリマ
ー、絶縁処理を施した金属フィルム等が適用可能であ
る。また、磁気抵抗効果素子51としてはNi90Fe10
合金薄膜に限定されず、他の素子のNi−Fe合金薄膜
や、Ni−Co合金薄膜、Ni−Co−Fe合金薄膜、
さらにはFeMn/Co/Cu/Co基板という構造の
スピンバルブ型GMR材料、Cu/Co多層膜型人工格
子などのGMR材料を適用してもよい。
【0068】さらに、いずれの実施形態でも磁気潜像を
電気信号として読み取ってディスプレイ50に表示させ
る例を示したが、ディスプレイ50以外の外部機器、例
えばファクシミリ等の通信手段へ転送することも可能で
ある。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気プリ
ンタおよび磁気プリンタの磁気潜像再生方法によれば、
再生用アレイヘッドによって磁気記録媒体の幅単位で磁
気潜像を電気信号として読み取ることができ、再生用ア
レイヘッドを移動させることなく高速で磁気潜像を再生
できるようになる。
【0070】また、磁気潜像を必ずしも用紙へ印刷する
必要がなくなり、用紙への印刷を必要としない原稿画像
や、印刷の必要があるか否かの確認を行いたい原稿画像
をディスプレイ等の外部機器へ表示させることが可能と
なる。これにより、用紙の無駄使いを低減させることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を説明する構成図である。
【図2】熱磁気記録媒体を説明する図である。
【図3】再生用アレイヘッドを説明する概略平面図であ
る。
【図4】第1実施形態における他の例を説明する構成図
である。
【図5】第2実施形態を説明する概略平面図である。
【図6】第3実施形態を説明する概略断面図である。
【図7】多色プリントの場合の記録状態を示す模式図で
ある。
【図8】磁気抵抗効果素子の特性を示す図である。
【図9】第4実施形態を説明する概略斜視図である。
【図10】記録・再生アレイヘッドを説明する概略平面
図である。
【図11】従来例を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 磁気プリンタ 2 記録用磁気ドラム 3 消磁手段 4 磁気記録手段 5 再生用アレイヘッド 6 現像手段 7 転写手段 8 定着手段 9 クリーニング手段 50 ディスプレイ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿画像に基づく磁気潜像を所定幅を備
    えた磁気記録媒体に記録し、該磁気潜像上にトナーを付
    着させ、該トナーを用紙に転写する磁気プリンタにおい
    て、 前記磁気記録媒体の所定幅に対応して複数の磁気抵抗効
    果素子が設けられ各磁気抵抗効果素子にて前記磁気潜像
    を電気信号として読み取る再生用アレイヘッドを備えて
    いることを特徴とする磁気プリンタ。
  2. 【請求項2】 原稿画像に基づく磁気潜像を所定幅を備
    えた磁気記録媒体に記録し、該磁気潜像上にトナーを付
    着させ、該トナーを用紙に転写する磁気プリンタにおい
    て、 前記磁気潜像を記録する前に前記磁気記録媒体の磁性を
    初期化する初期化手段と、 前記磁気記録媒体の所定幅に対応して複数の発熱素子が
    設けられ前記初期化手段によって磁性の初期化された該
    磁気記録媒体に各発熱素子から所定の熱を与えて前記磁
    気潜像を記録する記録用アレイヘッドと、 前記磁気記録媒体の所定幅に対応して複数の磁気抵抗効
    果素子が設けられ各磁気抵抗効果素子にて前記磁気潜像
    を電気信号として読み取る再生用アレイヘッドとを備え
    ていることを特徴とする磁気プリンタ。
  3. 【請求項3】 前記再生用アレイヘッドは、前記複数の
    磁気抵抗効果素子に対して所定のバイアス磁界を印加す
    る磁化膜を備えていることを特徴とする請求項1または
    2記載の磁気プリンタ。
  4. 【請求項4】 前記記録用アレイヘッドと前記再生用ア
    レイヘッドとが同一基板上に形成されていることを特徴
    とする請求項2記載の磁気プリンタ。
  5. 【請求項5】 原稿画像に基づく磁気潜像を所定幅を備
    えた磁気記録媒体に記録し、該磁気潜像上にトナーを付
    着させ、該トナーを用紙に転写する磁気プリンタにおい
    て、 前記磁気潜像上に前記トナーが付着される前に該磁気潜
    像を前記磁気記録媒体の所定幅単位で電気信号として読
    み取り、 前記電気信号を外部機器へ転送して前記原稿画像の出力
    を行うことを特徴とする磁気プリンタの磁気潜像再生方
    法。
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