JPH09248686A - レーザ転写加工装置およびレーザ転写加工方法 - Google Patents

レーザ転写加工装置およびレーザ転写加工方法

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JPH09248686A
JPH09248686A JP8059471A JP5947196A JPH09248686A JP H09248686 A JPH09248686 A JP H09248686A JP 8059471 A JP8059471 A JP 8059471A JP 5947196 A JP5947196 A JP 5947196A JP H09248686 A JPH09248686 A JP H09248686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホログラムを用いて構成したレーザ加工光学
系において高いレーザ利用効率を達成することができる
レーザ転写加工装置およびレーザ転写加工方法を得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 レーザ発振器1と、レーザ発振器1より
発せられたレーザビームを集光する集光レンズ10と、
集光されたレーザービームを、被加工物8に対する加工
パターンに合わせて開口した開口部を透過させるマスク
6と、マスク6を透過したマスクパターン像を被加工物
に転写する転写レンズ7とを備え、レーザ発振器1のビ
ーム射出側よりマスク6に至る光路の何れかの箇所に、
加工パターンに合わせて干渉縞パターンを形成したホロ
グラム9を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加工光学系に光
透過型のホログラムを使用し、被加工物を任意の照射強
度分布で効率よくレーザ加工するレーザ転写加工装置お
よびレーザ転写加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20は、例えばProseeding
of SPIE,Vol.1377 p30〜35に開示
された従来のレーザ転写加工装置の概略構成を示す構成
図である。図において、レーザ発振器1より発せられた
レーザビーム(ビームと記載する。)はマスク照射用ビ
ームホモジナイズ光学系3を通して均一な強度分布でマ
スク6に照射される。マスク6を透過したビームによる
マスクパターン像は転写レンズ7によって偏向ミラー2
に向けられ後に、加工対象である加工ターゲット(以
下、ターゲットと記載する)8に偏向されて結像され
る。
【0003】次に従来装置の動作について説明する。例
えばエキシマレーザであるレーザ発振器1から発せられ
たビームは、マスク照射用ビームホモジナイズ光学系3
によってマスク6の上に均一な強度分布で照射される。
マスク6の転写パターンを透過したビームによるマスク
パターン像は、転写レンズ7によってターゲット8上に
転写像として結像され、レーザ加工が行われる。尚、転
写レンズ7で転写されたビームは、ターゲット8への照
射以前に、偏向ミラー2によってターゲット8の方向に
偏向されて結像される。
【0004】また、例えば、Applied Opti
cs Vol.13 No.2 p269−273、特開昭
51ー73698号公報、特開昭54ー102692号
公報、特開昭57ー81986号公報、 Applie
d Optics Vol.30No.25 p3604
−3606等に開示されている他の従来装置は、図19
に示したレーザ転写加工装置と同様な加工を行うため
に、加工光学系にホログラムを使用している。
【0005】そして、加工光学系にホログラムを用いた
一例として、図21に概略構成を示す加工光学系があ
る。この加工光学系は「Applied Optics
Vol.13 No.2 p269−273」に開示さ
れ、ホログラムの一種であるModulated Zo
ne Plateと呼ばれるホログラム素子を用いてい
る。
【0006】図において、レーザ発振器1から発せられ
たビームはビーム拡大光学系11で拡大され、拡大され
たビームはホログラム5による回折によりパターン像が
ターゲット8上に照射される。また、ホログラム5には
加工パターンに沿った干渉縞が表面に形成されている。
【0007】次に、加工光学系にホログラム5を用いた
従来装置の動作について説明する。レーザ発振器1から
発せられたビームは、ビーム拡大光学系11を通って拡
大され、ホログラム5による回折により、ターゲット8
上で加工パターンの形に照射される。これによってある
程度のパターンをターゲット8上にレーザ加工すること
ができる。
【0008】他にホログラムを用いた加工光学系とし
て、図22に示すように特開昭57ー81986号公報
に開示されたレーザ加工装置がある。この装置の加工光
学系の構成は図20に示した加工光学系とほぼ同様であ
り、光学系素子の配置が異なる。レーザ発振器1から発
せられたビームは、ビーム拡大光学系11を通ると拡大
されてホログラム5に入射され回折される。
【0009】ホログラム5を回折したビームは所定の加
工パターンを有するようにしてターゲット8上に結像さ
れ、加工面上に加工パターンを再生する。これによって
所定のパターンにターゲット8がレーザ加工される。
尚、加工光学系の基本的な構成は図21に示された加工
光学系と同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置は以上のよ
うに構成されているので、マスク上に照射されたビーム
の内の殆どの部分が、例えばマスクの遮光部に当たって
マスク6を透過しないためビーム利用効率を著しく低下
してしまうという問題点があった。例えば、エキシマレ
ーザによる転写加工方法では、一般的にターゲットの全
表面の内極僅かの部分にしかレーザを照射して加工しな
い。
【0011】更に、電子回路実装用のポリイミド基板
に、導電用の穴を開けるレーザ加工においては、ポリイ
ミド基板1cm2あたり、直径100μm程度の穴を1
00個程度開けるレーザ加工が一般的である。このよう
な場合、加工対象の全表面の内、実際にレーザ加工され
る面積の割合は0.8%以下である。そのため、このよ
うな加工を図19に示した従来の加工光学系を用いたレ
ーザ加工装置でおこなうと、ビームのエネルギはマスク
の遮光部によってほとんどの失われる。従って、実際に
加工に使用されるエネルギは、レーザ発振器の出力の
0.8%以下になりレーザ転写加工におけるビーム利用
効率は著しく低いという問題点があった。
【0012】また、例えば電子基板の穴開け加工のよう
に、穴を一つずつ加工するためにビームを1スポットず
つ照射する場合は、光を有効利用する目的で照射する領
域を狭くしてビームを穴開け加工位置に沿って多数走査
する加工方法もある。
【0013】しかし、照射領域を狭くして実質的に光の
利用効率を高めようとすると、ビーム照射領域のほとん
どの部分で光を透過させなければならないので、照射す
る面積が極めて狭くなる。穴開け加工の場合は、穴1つ
もしくは2つずつの加工になる。それため、加工領域全
体を細かく分割して順次加工していかなければならな
い。このように順次加工する方法を採ると、ビーム走査
とそれに伴う照射位置決めに多くの時間が要し、加工時
間が長くなり結果的には非能率的な加工方法になるとい
う問題点があった。
【0014】また、ホログラムを用いて構成した加工光
学系は、マスクを用いて加工パターンをターゲットに結
像する転写光学系の欠点を改善するためのものである。
しかし、図21のような従来のホログラムを用いた加工
光学系では、ホログラムによって正しい加工パターンを
再生するためには、空間的、時間的なコヒーレンスの非
常に高いビームを照射しなければならない。
【0015】ホログラムを用いた加工方法では、加工パ
ターンであるホログラムの再生パターンは、照射される
ビームの性質(コヒーレンス)に直接依存している。即
ち、このような加工方法による加工パターンおよび加工
の精度等は、ホログラムの性能および照射ビームの性質
によって決まってしまう。そのため、エキシマレーザの
ような空間的なコヒーレンスの低いレーザを用いる場合
には、正確な加工パターンを得るために、一般的には例
えば飯塚啓吾著「光工学」p250−252に示されて
いるようにスペイシャルフィルタを用いて空間的なコヒ
ーレンスを高めなければならない。
【0016】スペイシャルフィルタは、図23に示すよ
うにレンズ24の焦点位置に非常に径の小さなピンホー
ルを有するプレート13を設置してビーム中の乱れた波
面の光を取り除くものである。乱れた波面を取り除くた
めには、焦点位置でのビームの主プローブの幅に等しい
径のピンホールを用いる。しかし、空間的なコヒーレン
スの低いビームではスペイシャルフィルタのエネルギー
透過率は非常に低下してしまうので、高いレーザ利用効
率を達成することができない。
【0017】そのため、ホログラムを用いた加工光学系
は非常にコヒーレンスの高いレーザに対してしか利用す
ることができず、比較的空間的なコヒーレンスの低いエ
キシマレーザ等はホログラムを用いた加工光学系に適用
できなかった。
【0018】従って、従来のレーザ転写加工装置は効率
が悪く、加工時間を短縮しようとすれば、寿命や安定性
を犠牲にしてレーザ発振器を高出力で運転せざるをえ
ず、加工装置全体としては信頼性の低いものとなってい
た。また、従来のホログラムを用いたレーザ加工装置
は、極めて高い空間的なコヒーレンスを有するビームに
しか適用できず、比較的低い空間的なコヒーレンスを有
するエキシマレーザ等のレーザに対しては、スペイシャ
ルフィルタ等のコヒーレンスを高める光学系を用いなけ
ればならず高いレーザ利用効率を達成することができな
いという問題点があった。
【0019】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ホログラムを用いて構成したレ
ーザ加工光学系において高いレーザ利用効率を達成する
ことができるレーザ転写加工装置およびレーザ転写加工
方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るレ
ーザ転写加工装置は、レ−ザ発振器と、このレーザ発振
器より発せられたレーザビームを集光する集光レンズ
と、集光されたレーザービームを、被加工物に対する加
工パターンに合わせて開口した開口部を透過させるマス
クと、このマスクを透過したマスクパターン像を前記被
加工物に転写する転写レンズとを備え、前記レーザ発振
器のビーム射出側より前記マスクに至る光路の何れかの
箇所に、前記加工パターンに合わせて干渉縞パターンを
形成したホログラムを配置したことを特徴とするレーザ
転写加工装置。
【0021】請求項2の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項1において、ホログラムを、レーザ発振器と
集光レンズ間の光路中に配置したものである。
【0022】請求項3の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項1において、ホログラムを、集光レンズとマ
スク間の光路中に配置したものである。
【0023】請求項4の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、ホログラム
に入射されるレーザビームの径を縮小する縮小光学系
を、ホログラムの前方に配置したものである。
【0024】請求項5の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項4において、縮小光学系にレーザ発振器のガ
ス流方向と放電方向のそれぞれの方向に対応させたシリ
ンドリカルレンズもしくはシリンドリカルミラーを使用
したものである。
【0025】請求項6の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項2または3において、ホログラムが、光路と
平行に可動できるようにしたものである。
【0026】請求項7の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、レーザ発振
器から被加工物に至る光路中に、レーザビームの空間的
なコヒーレンスを低下させるコヒーレンス低下手段を配
置したものである。
【0027】請求項8の発明に係るレーザ転写加工装置
は、請求項7において、コヒーレンス低下手段が、レー
ザビームが透過する透明な基板面に光学的な厚みが厚い
領域と薄い領域を順序不同で複数形成した位相板であ
る。
【0028】請求項9の発明に係るレーザ転写加工装置
は、コヒーレンス低下手段は、レーザビームが透過する
透明な基板面に微細凹凸処理を施した拡散板であること
特徴とする記載のレーザ転写加工装置。
【0029】請求項10の発明に係るレーザ転写加工装
置は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、一面に干
渉縞パターンを形成したホログラムの基板の反対面に、
光学的な厚みが厚い領域と薄い領域を順序不同で複数形
成し、これら領域を透過するレーザビーム間に位相差発
生させて空間的なコヒーレンスを低下させるた位相面を
形成したものである。
【0030】請求項11の発明に係るレーザ転写加工装
置は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、一面に干
渉縞パターンを形成したホログラムの基板の反対面に微
細凹凸処理を施し、透過するレーザビームを拡散して空
間的なコヒーレンスを低下させるた拡散面を形成したも
のである。
【0031】請求項12の発明に係るレーザ転写加工装
置は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、干渉縞パ
ターンを形成したホログラムの基板面に、光学的な厚み
が厚い領域と薄い領域を順序不同で複数形成し、これら
領域を透過するレーザビーム間に位相差発生させて空間
的なコヒーレンスを低下させるた位相面を形成したもの
である。
【0032】請求項13の発明に係るレーザ転写加工装
置は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、干渉縞パ
ターンを形成したホログラムの基板面に、微細凹凸処理
を施し、透過するレーザビームを拡散して空間的なコヒ
ーレンスを低下させるた拡散面を形成したものである。
【0033】請求項14の発明に係るレーザ転写加工方
法は、レーザ発振器より発せられたレーザビームを集光
レンズで集光し、この集光されたレーザービームを、被
加工物に対する加工パターンに合わせて開口したマスク
の開口部を透過させ、この透過したマスクパターン像を
転写レンズにて前記被加工物に転写する際に、前記マス
クに透過させるレーザビームを前記加工パターンに合わ
せて干渉縞パターンを形成したホログラムで透過させて
複数に分割する。
【0034】請求項15の発明に係るレーザ転写加工方
法は、請求項14において、ホログラムによって分割さ
れた多数のレーザビームが、マスク上で互いに部分的に
重なりあって、一定の範囲内に任意の強度分布を持つ照
射領域を作り出す。
【0035】請求項16の発明に係るレーザ転写加工方
法は、請求項14において、ホログラムによって分割さ
れ、マスク上で重ね合わされるレーザビームの重ね合わ
せの間隔をホログラムによって分割されたそれぞれのレ
ーザビームのスポット径(半値幅)以下にする。
【0036】請求項17の発明に係るレーザ転写加工方
法は、請求項14において、マスク上で重ね合わされる
レーザビームの重ね合わせの間隔に対するスポット径の
半値幅の割合をFP%とし、マスク上での所望の均一度
を±Er%とした場合、Er≧1.12√FPの条件を
満たすようにFPを設定する。
【0037】請求項18の発明に係るレーザ転写加工方
法は、請求項14ないし17のいずれかにおいて、ホロ
グラムに入射するレーザビームのレーザビーム幅dと、
上記集光レンズの焦点距離fと、転写レンズの入射側N
Aが(d/2)≦f・NAの関係を満たすようにする。
【0038】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態について説
明する。図1は本実施の形態によるレーザ転写加工装置
を示す図である。レーザ発振器1より発せられたレーザ
光は、ホログラムにより多数の任意の方向へ進むビーム
に分割される。そして、ホログラム9によって分割され
たビームは集光レンズ10によって集光され、マスク6
に照射される。マスク6を透過したマスクパターン像は
転写レンズ7によってターゲット8上に転写像として結
像される。
【0039】次に本実施の形態の動作について説明す
る。レーザ発振器1を出たレーザ光は、ホログラム9に
よって多数の任意の方向へ進むビームに分割される。そ
して、集光レンズ10によってそれぞれのビームが集光
されてマスク6上に照射される。マスク6のパターンを
透過したビームによるマスクパターン像は、転写レンズ
7によってターゲット8上に転写像として結像され、レ
ーザ加工が行われる。
【0040】ビームはホログラム9で任意の方向へ進む
ビームに分割されるため、分割されたビームのそれぞれ
は、集光レンズ10によって集光されてマスク6上に照
射される。照射されて得られる多数の照射スポットは、
ホログラム9の干渉縞パターンによりマスク6上の任意
の位置に配置することができる。
【0041】そこで、干渉縞パターンをマスク6の開口
部の形状に対応して形成すると、それぞれの照射スポッ
トをマスク6上の開口部分上に選択的に配置することが
できる。その結果、マスクの遮光部分を無駄に照射する
ビームを減らすことができるため、マスクの遮光部によ
って消費されるレーザエネルギが殆どなくなり、レーザ
利用率の高い、高効率なレーザ加工を行うことができ
る。
【0042】多数の穴明け位置が加工面上に分布した加
工パターンのような場合は、上記のような方法でマスク
6上のそれぞれの開口部分上に間隔を置いて1つずつの
照射スポットを配置すればよい。しかし、加工パターン
が図2(a)に示すように複雑な形状を有することも考
えられる。
【0043】このような複雑な加工形状に対しては、図
2(b)のように加工形状に添って多数の照射スポット
をお互い部分的に重なり合うように配置し、加工パター
ン内で照射強度が一定になるように調整することで、複
雑な加工パターンに対しても高い効率で安定したレーザ
加工を行うことができる。
【0044】また、多数の加工パターンを同時に加工す
る場合、それぞれの加工パターンの加工深さが異なると
き、加工パターン毎にビーム照射強度を変える必要があ
る。このような加工に対しては、ホログラム9によって
分割される各ビームの強度比を任意に選ぶことで、レー
ザ発振器1の出力を調整することなく、ターゲット8を
加工パターン毎に異なった深度でレーザ加工することが
できる。
【0045】実施の形態2.図3はレーザ発振器1より
発せられたビームのビーム幅を縮小するための縮小光学
系を備えたレーザ転写加工装置の構成図である。尚、図
中、図1と同一符号は同一または相当部分を示す。図3
において、14はレーザ発振器1より発せられたビーム
4のビーム幅を縮小する縮小光学系である。縮小光学系
14は凸レンズと凹レンズより構成されている。
【0046】次に、本実施の形態の動作につて説明す
る。ビーム4は縮小光学系14に入射され、ビーム径が
縮小される。その後ビーム4はホログラム9によって整
形された後に複数のビーム4aに分割される。各ビーム
4aは集光レンズ10によって集光されてマスク6面に
照射される。マスク6面には加工パターンに合わせた形
状の開口部が設けられている。開口部を透過したビーム
は、マスク6によって成形されたビームプロファイルを
持ち、転写レンズ7によって任意の倍率に縮小されてタ
ーゲット8の加工面に転写される。
【0047】次に本実施の形態の特徴の1つである縮小
光学系14の役割とその効果について述べる。縮小光学
系14の役割の1つはビーム4を有効に利用することに
ある。ビーム4を有効に利用するためには、ビーム4が
縮小光学系14、ホログラム9、集光レンズ10、マス
ク6を通して転写レンズ7に入射するとき、転写レンズ
7の入射側NA(Numerical Apertur
e)、ホログラム9に入射するビーム4のビーム幅d及
び集光レンズの焦点距離fとの間には以下の関係がある
ことが必要である。
【0048】(d/2)≦f・NA
【0049】これはホログラム9の前に縮小光学系14
を配置し、ビーム4のビーム幅dを狭めることにより実
現される。このように光学系を構成することにより、マ
スク6を通過した後のビームの発散角度が大きいために
転写レンズ7を透過する間にビームの一部を失うことが
なくなり、ビームを有効に利用することができる。縮小
光学系14を省く場合は、予め転写レンズ7の入射側N
Aを大きくとって設計する必要がある。
【0050】実施の形態3.次に、マスク6上でのビー
ムの強度分布を均一にする方法について説明する。図4
はホログラム9によって分割され、集光レンズ10によ
ってマスク6に集光されるビームのスポットの重なり具
合15を表す。
【0051】ホログラム9によって任意の複数の方向に
分割されたビームはそれぞれ集光レンズ10によってマ
スク6に集光される。このとき各ビームが重ね合わされ
たマスク6面は全体的に任意のビーム強度分布が現れ
る。
【0052】そこで全体的に均一な強度分布を得るため
にはそれぞれのビームのスポット径と隣接するスポット
の重ね合わせのピッチを最適な値に設定する必要があ
る。強度分布を均一化させるためには重ね合わせのピッ
チを変化させて上記の条件を満たすようにすることと、
集光スポットのガウス分布の幅を変化させる2通りの方
法がある。
【0053】そして重ね合わせのピッチを変化させる
と、マスク6上では図4に示すように集光レンズ10に
よって集光されたガウス分布を持つ光が、多数重ね合わ
せられることになる。そして集光されたビームがガウス
分布である場合、重ね合わせのピッチ(p)はそれぞれ
半値幅の約70%以内であれば強度分布は均一化され
る。
【0054】また、集光スポットのガウス分布の幅を変
化させる場合は、集光レンズ10とマスク6との間の距
離を変えるか、または縮小光学系14の縮小率を変える
とビームの発散角が変わり、その結果ガウス分布の幅を
変化させることができる。
【0055】しかし、ホログラム9の干渉縞パターンの
形成方法により集光スポットの重ね合わせのピッチを変
化させて強度分布を均一化する際に、集光されたビーム
がガウス分布ではない場合、それぞれのビームのスポッ
ト径と重ね合わせの間隔は上記の条件(半値幅の約70
%以内)から外れる。例えば集光されたビームが三角波
の様な場合は、重ね合わせのピッチがそれぞれの集光さ
れたビームのスポット径(半値幅)と同程度以内であれ
ばよい。
【0056】実施の形態4.実施の形態2のようにホロ
グラム9によって分割され集光レンズ10によって集光
された各ビームの強度は、ホログラム9の制作精度によ
り±10%程度のばらつきを生じることもある。このよ
うな場合(図4に示すEの値が存在する場合)は、重ね
合わせのピッチpは更に小さくする必要がある。
【0057】図5はホログラムによって分割されたそれ
ぞれのビームの強度のばらつき(Irregular
%)が5%及び10%の場合に、マスク面上でのビーム
のスポット径(ガウス分布の半値幅)に対する重ね合わ
せの間隔(FWHM/Pitch%)を横軸に、全体強
度の均一度(Error%)を縦軸にとったものであ
る。図5から分かるようにそれぞれのビームの強度にば
らつきがある場合、全体強度を所定の均一度以内にする
ためには、ばらつきの大きさによって重ね合わせのピッ
チを変える必要がある。
【0058】例えばそれぞれのビームのばらつきが±1
0%である場合、均一度を±5パーセント以内にするた
めにはピッチをそれぞれのビームのガウス分布の半値幅
の20%以内にする必要がある。
【0059】ホログラム9によって分割されたそれぞれ
のビームの強度にばらつきが±10%程度であるとき、
マスク6上で重ね合わされるビームの重ね合わせの間隔
に対するスポット径の半値幅の割合をFP%とし、マス
ク6上での所望の均一度を±Er%とした場合、Er≧
1.12√FPの条件を満たすようにFPを設定するこ
とにより均一度を所定の範囲内に抑えることができる。
【0060】この光学系の特徴の一つは集光されたビー
ムの強度にばらつきがある場合にこのような方法を用い
て均一度を所定の範囲内に抑えることができることであ
る。
【0061】実施の形態5.ビームの品質の劣化によっ
て発散角が変わった場合、マスク6面でのスポット径が
変わって集光された各ビームの強度が変わってしまう。
このような場合、全体的に強度の均一化されたビームの
加工面での強度分布及びエネルギー密度が変わらない様
にするために、予め考えうる発散角(もしくはスポット
径)の最大値、最小値を考慮に入れて重ね合わせのピッ
チを設定する必要がある。
【0062】ピッチの設定方法は集光点のスポット径
(もしくは発散角)の最小値において、実施の形態2及
び3の条件を満たすようにピッチを決め、さらに集光点
のスポット径(もしくは発散角)の最大値において所望
の照射範囲内の強度分布が均一になるように重ね合わせ
る集光ビームの数を決める。このようにすることでビー
ムの品質が劣化して発散角が変わっても所望の照射範囲
内の強度分布の均一度は変化せず、エネルギー密度も一
定に保たれる。
【0063】図6はZ方向をビームの進む向きにとった
場合、X方向のスポット径の最大値を80μm、最小値
を40μmとし、Y方向のスポット径の最大値を100
0μm、最小値を300μmとしたとき、所望の照射範
囲内で強度分布及びエネルギー密度が変わらないように
した具体的な例である。
【0064】図のように所望の照射範囲を点線内(X方
向±200μm、Y方向±5000μm)に設定する
と、スポット径が広がってもガウス分布の裾野の部分の
傾きがなだらかになるだけで所望の照射範囲内の強度分
布及びエネルギー密度は変化しない。またこのとき所望
の照射範囲は1次元の線状に設定せず、2次元の平面と
して設定すべきである。
【0065】この加工装置の特徴の一つは上記のような
方法で集光されたビームの発散角(もしくはスポット
径)が変化しても、所定の照射範囲内で強度分布あるい
はエネルギー密度が変化しないようにできることであ
る。
【0066】実施の形態6.上記各実施例1〜5は、光
軸上においてホログラム9の位置を固定としたが、本実
施の形態ではホログラム9を光軸と平行に移動させて集
光レンズ10に入射するビームの角度を調整する。
【0067】図7の(a)及び(b)は本実施の形態に
よるレーザ転写加工装置の加工光学系の一部を示す構成
図である。ホログラム9は、光軸に沿ってレーザ発振器
1、ホログラム9、集光レンズ10の順に配置されてい
る。レーザ発振器1より発せられてホログラム9に入射
したビームは、ホログラム9によって多数のビームに分
割される。そして、これらビームは集光レンズ10によ
ってそれぞれ集光されてマスク6上に多数の照射スポッ
トを作り出す。
【0068】このような加工光学系の構成において、ホ
ログラム9を光軸と平行に動かすことにより、マスク6
に照射されるビームの入射角度は、図7(a)および
(b)に示すように変化させることができる。マスク6
を透過したビームはその後転写レンズ7(図1を参照)
に入射される。転写レンズ7に入射されたビームが光軸
から大きく離れていたり、光軸に対して大きな角度を持
って入射したりすると、転写レンズ7において各ビーム
を収差なくターゲット8(図1を参照)上に結像するの
が難しくなる。しかし、ホログラム9を光軸と平行に動
かせるように光学系を構成すると、集光レンズ10に入
射するビームの角度を調整することができるため、転写
レンズ7の性能を有効に引き出すことができる。
【0069】特に、ホログラム9を集光レンズ10の入
射光側の焦点位置に配置すると、マスク6に対してホロ
グラム9で分割されたビームがすべて集光レンズ10に
垂直に入射することになり、入射側テレセントリック構
成の転写レンズ7を用いることでターゲット8上で安定
したレーザ加工が行える。
【0070】また、集光レンズ10とマスク6の間の距
離が精度高く集光レンズ10の焦点距離に保たれると、
ホログラム9を光軸と平行に移動させてもマスク6上の
照射スポットの位置は変化せず、マスク6への入射角度
のみが変化することで、よりレーザ加工の安定性が増
す。
【0071】実施の形態7.上記実施の形態1〜6は光
軸上にホログラム9、集光レンズ10、マスク6の順に
光学系素子を配置して加工光学系を構成したが、本実施
の形態は図8に示すように、ホログラム9は集光レンズ
10とマスク6の間に配置されている。従って、レーザ
発振器1より発せられたビームは集光レンズ10によっ
て集光されてホログラム9に入射し、ホログラム9によ
って多数のビームに分割された後にマスク6上に多数の
照射スポットを作り出す。
【0072】このようなホログラム9の配置によれば、
ビームはホログラム9を通過する以前に集光レンズ10
を通過するので、集光レンズ10は光軸に沿って垂直に
入射するビームを集光できればよい。従って、集光レン
ズ10は口径の小さなレンズでよく、光学系の構成が単
純になり装置の小型化・低コスト化が計れる。
【0073】実施の形態8.レーザ発振器1にエキシマ
レーザに使用する場合、ビームの径と発散角はレーザ発
振器の励起ガスのガス流方向と放電方向で値が異なる。
このため上記実施の形態2、3、4、5はガス流方向と
放電方向のそれぞれに対して独立に実施することができ
る。
【0074】つまり実施の形態2ではガス流方向と放電
方向それぞれに独立の縮小光学系を使用し(シリンドリ
カルレンズを使用することによる)それぞれ独立にビー
ム径を変化させることができる。図19はそれぞれに独
立の縮小光学系を使用したレーザ転写加工装置の構成図
である。尚、図中、図1と同一符号は同一または相当部
分を示す。図において、14aはエキシマレーザのガス
流の方向に作用する縮小光学系、14bは同じくエキシ
マレーザの放電方向に作用する縮小光学系である。この
縮小光学系によれば、ビームの進行方向をZ軸にとる
と、ビーム径のX軸方向を縮小光学系4aで変化させ、
ビーム径のY軸方向を縮小光学系4bで変化させること
で所望のビーム径を得ることができる。
【0075】また実施の形態3、4では集光レンズによ
ってマスク上に集光されたビームのスポット径はガス流
方向と放電方向でそれぞれ異なるため、重ね合わせのピ
ッチはガス流方向と放電方向にそれぞれ別のピッチ間隔
を設定することができる。
【0076】またビームの発散角も同様にガス流方向と
放電方向を別々に変化させることができる。実施の形態
5において、X方向をガス流方向、Y方向を放電方向と
した場合に、X方向のスポット径の最大値、最小値とY
方向のスポット径の最大値、最小値をガス流方向と放電
方向それぞれに独立の縮小光学系4a,4bを使用し別
々に設定することができる。
【0077】実施の形態9.縮小光学系を通過した後、
ホログラム9に入射するビームは平行光にすべきであ
る。平行光にするとホログラム9による収差の発生を抑
えることができる。またビームは平行光にすると、ホロ
グラムによって分割されたそれぞれのビームも平行光に
なる。その結果、それぞれのビームに対して集光レンズ
10の焦点距離が一意的に決まるためマスク6面にでき
るスポット径の調整(実施の形態3の方法による)は容
易になる。
【0078】実施の形態10.上記各実施例1〜9は空
間的なコヒーレンシ−が低いレーザ発振器を使用した場
合で各動作説明を行ったが、本実施例は空間的なコヒー
レンシ−が高いレーザ発振器を使用した場合であって
も、それぞれのビーム同士が干渉することなく、ターゲ
ット8上で均一なレーザ照射強度が得られるようにす
る。
【0079】図9は本実施の形態におけるレーザ転写加
工装置の構成図である。尚、図中、図1と同一符号は同
一または相当部分を示す。図において、16はレーザ発
振器1とホログラム9との間に配置した位相板である。
位相板16は、図10に示すようにビームに部分的な位
相差を与えるために位相板16の表面に屈折率を加味し
た光学的厚みを部分的にランダムに変化させている。図
によれば、ハッチング部17は他の白抜きの部分18に
比較して光学的に厚い領域を示す。
【0080】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。レーザ発振器1として、例えば空間的なコヒーレン
シ−が低い通常のエキシマレーザ発振器を用いた場合
に、ホログラム9により分割された多数のビームが集光
レンズ10、マスク6を通してターゲット8上で結像さ
れたとしても、ビームの空間的なコヒーレンシ−は低い
ために各ビーム同士が干渉することない。従って、ター
ゲット8上では均一なレーザ照射強度が得られることに
なる。
【0081】ところが、レーザ発振器1として例えば長
パルスエキシマレーザ発振器、YAGレーザ発振器或い
はCO2レーザ発振器を用いた場合、これらレーザ発振
器は空間的なコヒーレンシ−が高いビームを発する。そ
のため、ターゲット8上で均一な照射強度を得るために
ビームを重ね合わさせると、それぞれのビームが互いに
干渉し合い干渉縞を生じることによって照射強度の均一
性が失われる。従って、空間的なコヒーレンシ−が高い
ビームを用いるとターゲット8のレーザ加工の安定性が
損なわれる結果となる。
【0082】そこで本実施の形態では、空間的なコヒー
レンシ−を低めるため、位相板16をレーザ発振器1と
ホログラム9の間に挿入し、ビームを位相板16に透過
させている。ビームは部分的に光学厚みの厚い領域1
7、薄い領域18を透過するため、これら領域を透過し
たビームは相対的に位相が変化する。この結果、位相板
16を透過する前には位相が揃っていた空間的なコヒー
レンシーの高いビームの位相は部分的に乱された状態と
なって、空間的なコヒーレンシーの低いビームに変える
ことができる。
【0083】以上のように、本実施の形態に係るレーザ
転写加工装置は、部分的に光学的厚みの厚い領域、薄い
領域をもつ位相板16をレーザ発振器1とホログラム9
の間に挿入したので、レーザ発振器1から出た空間的な
コヒーレンシーの高いビームのコヒーレンシーを低下さ
せることができる。従って、ターゲット8上で多数のビ
ームを重ね合わせても、互いのビームが干渉することな
く均一な照射強度を得ることが可能となり、安定したレ
ーザ加工が簡易な構成で行えるという効果がある。
【0084】なお、本実施の形態では位相板16をレー
ザ発振器1とホログラム9の間に配置したが、位相板1
6の作用はターゲット8上で多数のビームが重ね合わさ
れた時に互いのビームの干渉を防ぐために、ビームに部
分的に位相差を与えることにある。従って、位相板16
はレーザ発振器1からターゲット8までの光路中のいず
れの箇所に配置しても良い。或いは図11に示すように
レーザ発振器1の中に配置しても良い。更に、ビーム全
体が位相板16を透過せず、ビームの一部分のみが位相
板16を透過するように位相板16の配置を決めてもビ
ームに部分的に位相差を与えるという効果は変わるもの
ではない。
【0085】実施の形態11.上記実施の形態10は、
ガラス板表面の光学的厚みを部分的に変化させて位相板
16を形成したが、本実施の形態では少なくとも片面を
磨りガラス状にした拡散板を使用する。図12は本実施
の形態におけるレーザ転写加工装置の構成図である。
尚、図中、図1と同一符号は同一または相当部分を示
す。図において、19はレーザ発振器1とホログラム9
との間に配置した拡散板である。図13は本実施の形態
に係る拡散板19の正面図と断面図である。拡散板19
は入射するビームに部分的に位相差を与えるためにガラ
ス板の片面を磨ガラス状に形成する。
【0086】具体的には石英からなる板ガラスの表面に
微細な凹凸形状を多数ランダムに施して拡散板19を形
成すると、拡散板19の厚みが微細な凹凸形状に合わせ
てランダムに異なる。そのため、板ガラスの光学的厚み
も凹凸形状に応じてランダムに変化することで透過した
ビームの位相もランダムに変化する。
【0087】従って、拡散板19を透過する前に位相が
揃っていた空間的なコヒーレンシーの高いビームは、拡
散板16を透過した後は位相はランダムに乱されたビー
ムとなり、空間的なコヒーレンシーの低いビームとな
る。
【0088】以上のように、本発明に係わるレーザ転写
加工装置は、位相板16のように光学的に厚い部分、薄
い部分をエッチングや押し型成形などで作る必要がな
く、ビームの波長オーダ以下の微細な傷をガラスの表面
につけることで、ガラス表面に多数のランダムな微細凹
凸を形成した磨りガラス状の拡散板19を作成すること
ができる。
【0089】このような方法で作成した拡散板19をレ
ーザ発振器1とホログラム6の間に挿入することで、レ
ーザ発振器1から発せられた空間的なコヒーレンシーの
高いビームを安価な構成で空間的なコヒーレンシーの低
いビームで低下させることができる。
【0090】従って、被加工物であるターゲット8上で
多数のビームを重ね合わせても、互いのビームが干渉す
ることなく均一な照射強度を得ることが可能となり、安
定したレーザ加工が低コストで行える効果がある。尚、
拡散板19を配置する箇所、及びにビームの一部が拡散
板19を透過するように拡散板19の配置を選択するこ
とは、位相板16の場合と同様に任意に選択できる。
【0091】実施の形態12.上記実施の形態10は位
相板16とホログラム9をそれぞれ個別に設けたが、本
実施の形態では、例えば石英ガラスのようなガラス板材
の一面に位相板となる位相面を形成し、多面にホログラ
ムとなる干渉縞パターンを形成して位相板とホログラム
とを単一形成とする。図14は本実施の形態に係るレー
ザ転写加工装置の構成図である。尚、図中、図1と同一
符号は同一または相当部分を示す。図において、9Aは
位相板とホログラムとを一体に形成した位相ホログラム
である。
【0092】位相ホログラム9Aは図15にその構成を
示すように、単一の基板(石英ガラス板)の一面である
ビーム入射面に実施例10で構成を説明した位相板の位
相面20を形成し、他面に干渉縞パターンを形成したホ
ログラム21を形成する。
【0093】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。ビームが位相面20の部分的に光学的厚みの厚い領
域、薄い領域を透過するとき、これら領域を透過したビ
ームは相対的に位相が変化する。そしてし、位相面20
を透過する前には揃っていた空間的なコヒーレンシーの
高いビームの位相は部分的に乱された状態となり、空間
的なコヒーレンシーの低いビームとなる。このビームは
ホログラム21により任意の方向に進む分割されたビー
ムとなる。
【0094】本実施の形態では、同一基板の裏表にそれ
ぞれ部分的に光学的厚みの厚い領域、薄い領域をもつ位
相面20とホログラム21とを作成したので、位相板と
ホログラムとを単独に光路中に挿入した場合に比べて、
構成が簡単で、かつ不要な面での反射によるロスを低減
して、レーザ発振器1から出た空間的に高いコヒーレン
シーをもつビームのコヒーレンシーを低下させることが
できる。従って、被加工物であるターゲット8上で多数
のビームを重ね合わせても、互いのビームが干渉するこ
となく均一な照射強度を得ることが可能となるため、安
定したレーザ加工が高い効率で行えるという効果があ
る。
【0095】なお、基板の一面全面に位相面20を設け
ずとも、ビームの一部分が位相面20を通るように位相
面2の形成領域を設定してもビームに部分的に位相差を
与えることができる。また、位相面20或いはホログラ
ム21を基板の何れの面に形成するかは、マスクパタン
に対応して干渉縞パターンを形成する際に任意に決める
ことができる。
【0096】実施の形態13.上記実施の形態11は拡
散板19とホログラム9をそれぞれ個別に設けたが、本
実施の形態では、例えば石英ガラスのようなガラス板材
の一面に拡散板となる拡散面を形成し、他面にホログラ
ムとなる干渉縞パターンを形成して拡散板とホログラム
とを単一形成とする。図16は本実施の形態に係るレー
ザ転写加工装置の構成図である。尚、図中、図1と同一
符号は同一または相当部分を示す。図において、9Bは
拡散板とホログラムとを一体に形成した拡散ホログラム
である。
【0097】拡散ホログラム9Bは図17にその構成を
示すように、単一の基板(石英ガラス板)の一面である
ビーム入射面に実施例11で構成を説明した拡散板の拡
散面22を形成し、他面に干渉縞パターンを形成したホ
ログラム21を形成する。
【0098】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。ビームが拡散面22の微細凹凸部分を透過すると
き、これら部分を透過したビームは相対的に位相が変化
する。そして、拡散面22を透過する前には揃っていた
空間的なコヒーレンシーの高いビームの位相は部分的に
乱された状態となり、空間的コヒーレンシーの低いビー
ムとなる。このビームはホログラム21により任意の方
向に進む分割されたビームとなる。
【0099】本実施の形態では、同一基板の裏表にそれ
ぞれ微細凹凸面をもつ拡散面22とホログラム21とを
作成したので、拡散板とホログラムとを単独に光路中に
挿入した場合に比べて、構成が簡単で、かつ不要な面で
の反射によるロスを低減し、レーザ発振器1から出た空
間的に高いコヒーレンシーをもつビームのコヒーレンシ
ーを低下させることができる。従って、被加工物である
ターゲット8上で多数のビームを重ね合わせても、互い
のビームが干渉することなく均一な照射強度を得ること
が可能となるため、安定したレーザ加工を高い効率で行
えるという効果がある。
【0100】なお、基板の一面全面に拡散面22を設け
ずとも、ビームの一部分が拡散面22を通るように拡散
面2の形成領域を設定してもビームに部分的に位相差を
与えることができる。また、拡散面22或いはホログラ
ム21を基板の何れの面に形成するかは、マスクパタン
に対応して干渉縞パターンを形成する際に任意に決める
ことができる。
【0101】実施の形態14.上記実施の形態12は、
同一の基板の裏表にそれぞれ位相面20とホログラム2
1とを形成して位相板とホログラムとを一体形成した
が、本実施の形態では基板の同一面上にホログラム用の
干渉縞パターンと光学的厚みの厚い領域、薄い領域から
なるランダムパターンを同時に形成してホログラムと位
相面とを同時作成する。
【0102】図18は上記のようにホログラムと位相面
とを基板の同一面上に同時作成した位相ホログラム23
の表面図である。このように作成された位相ホログラム
を通したビームを、被加工物であるターゲット8上で多
数のビームを重ね合わせても、ビームの空間的なコヒー
レンンシーは低下しているため互いのビームが干渉する
ことなく、ターゲット8上で均一な照射強度を得ること
ができる。そのため、照射強度が安定したレーザ転写加
工が低コストで実現できるという効果がある。
【0103】なお、上記実施の形態では、ビーム間の干
渉をなくし、均一な照射強度のビームを得るために、ホ
ログラムと位相板とを基板の同一面上に合成したが、ホ
ログラムと拡散面を1つの面に合成する。即ち、ホログ
ラムの表面を磨りガラス状に形成することによっても、
照射強度が安定したレーザ加工がより低コストで実現で
きるという効果がある。
【0104】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、レ−ザ発振器
と、このレーザ発振器より発せられたレーザビームを集
光する集光レンズと、集光されたレーザービームを、被
加工物に対する加工パターンに合わせて開口した開口部
を透過させるマスクと、このマスクを透過したマスクパ
ターン像を前記被加工物に転写する転写レンズとを備
え、前記レーザ発振器のビーム射出側より前記マスクに
至る光路の何れかの箇所に、前記加工パターンに合わせ
て干渉縞パターンを形成したホログラムを配置したの
で、マスク遮光部分を照射するビームを低減することが
できるので、マスクによって消費されるレーザエネルギ
は殆どなくなり、エネルギ利用効率の高い、高効率なレ
ーザ加工を行えるという効果がある。
【0105】請求項2の発明によれば、請求項1におい
て、ホログラムを、レーザ発振器と集光レンズ間の光路
中に配置したので、マスクで遮断されるビームを極端に
低減させることができるため効率良くレーザ加工を行え
るという効果がある。
【0106】請求項3の発明によれば、請求項1におい
て、ホログラムを、集光レンズとマスク間の光路中に配
置したので、マスクで遮断されるビームを極端に低減さ
せることができるため効率良くレーザ加工を行えるとい
う効果がある。
【0107】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3のいずれかにおいて、ホログラムに入射されるレーザ
ビームの径を縮小する縮小光学系を、ホログラムの前方
に配置したので、集光レンズを通過した後のビームの発
散角度が大きくなり、転写レンズを透過する間にビーム
の一部を失うということがなくなりビームを有効に利用
できるという効果がある。
【0108】請求項5の発明によれば、請求項4におい
て、縮小光学系は、レーザ発振器のガス流と放電方向そ
れぞれ独立に設置できるシリンドリカルレンズもしくは
シリンドリカルミラーを使用したので、木目細かいビー
ムの調整を行うことができるという効果がある。
【0109】請求項6の発明によれば、請求項2または
3において、ホログラムが、光路と平行に可動できるよ
うにしたので、転写レンズに対する入射光の角度を調整
できるため、転写レンズの性能を有効に引き出すことが
できるという効果がある。
【0110】請求項7の発明によれば、請求項1ないし
6のいずれかにおいて、レーザ発振器から被加工物に至
る光路中に、レーザビームの空間的なコヒーレンスを低
下させるコヒーレンス低下手段を配置したので、被加工
物上で多数のビームが重ね合わされても、互いのビーム
同士が干渉することなく均一の照射強度を得ることが可
能となり、安定したレーザ加工を行うことができるとい
う効果がある。
【0111】請求項8の発明によれば、請求項7におい
て、コヒーレンス低下手段が、レーザビームが透過する
透明な基板面に光学的な厚みが厚い領域と薄い領域を複
数形成した位相板であるので、被加工物上で多数のビー
ムが重ね合わされても、互いのビーム同士が干渉するこ
となく均一の照射強度を得ることが可能となり、安定し
たレーザ加工を行うことができるという効果がある。
【0112】請求項9の発明によれば、コヒーレンス低
下手段は、レーザビームが透過する透明な基板面に微細
凹凸処理を施した拡散板であるので、被加工物上で多数
のビームが重ね合わされても、互いのビーム同士が干渉
することなく均一の照射強度を得ることが可能となり、
安定したレーザ加工を安価に行うことができるという効
果がある。
【0113】請求項10の発明によれば、請求項1ない
し6のいずれかにおいて、一面に干渉縞パターンを形成
したホログラムの基板の反対面に、厚みが厚い領域と薄
い領域を複数形成し、これら領域を透過するレーザビー
ム間に位相差発生させて空間的なコヒーレンスを低下さ
せるた位相面を形成したので、被加工物上で多数のビー
ムが重ね合わされても、互いのビーム同士が干渉するこ
となく均一の照射強度を得ることが可能となり、安定し
たレーザ加工を行うことができると共に、位相板とホロ
グラムを単独に光路中に配置した場合と比較して、構成
が簡単で、且つ、不要な面でのビーム反射によるレーザ
エネルギの低減できるという効果がある。
【0114】請求項11の発明によれば、請求項1ない
し6のいずれかにおいて、一面に干渉縞パターンを形成
したホログラムの基板の反対面に微細凹凸処理を施し、
透過するレーザビームを拡散して空間的なコヒーレンス
を低下させるた拡散面を形成したので、互いのビーム同
士が干渉することなく均一の照射強度を得ることが可能
となり、安定したレーザ加工を安価に行うことができる
と共に、拡散板とホログラムを単独に光路中に配置した
場合と比較して、構成が簡単で、且つ、不要な面でのビ
ーム反射によるレーザエネルギの低減できるという効果
がある。
【0115】請求項12の発明によれば、請求項1ない
し6のいずれかにおいて、干渉縞パターンを形成したホ
ログラムの基板面に、厚みが厚い領域と薄い領域を複数
形成し、これら領域を透過するレーザビーム間に位相差
発生させて空間的なコヒーレンスを低下させるた位相面
を形成したので、安定したレーザ加工を行うことができ
ると共に、位相板とホログラムを単独に光路中に配置し
た場合と比較して、構成が簡単で、且つ、不要な面での
ビーム反射によるレーザエネルギの低減できるという効
果がある。
【0116】請求項13の発明によれば、請求項1ない
し6のいずれかにおいて、干渉縞パターンを形成したホ
ログラムの基板面に、微細凹凸処理を施し、透過するレ
ーザビームを拡散して空間的なコヒーレンスを低下させ
るた拡散面を形成したので、安定したレーザ加工を安価
に行うことができると共に、拡散板とホログラムを単独
に光路中に配置した場合と比較して、構成が簡単で、且
つ、不要な面でのビーム反射によるレーザエネルギの低
減できるという効果がある。
【0117】請求項14の発明によれば、レーザ発振器
より発せられたレーザビームを集光レンズで集光し、こ
の集光されたレーザービームを、被加工物に対する加工
パターンに合わせて開口したマスクの開口部を透過さ
せ、この透過したマスクパターン像を転写レンズにて前
記被加工物に転写する際に、前記マスクに透過させるレ
ーザビームを前記加工パターンに合わせて干渉縞パター
ンを形成したホログラムで透過させて複数に分割するよ
うにしたので、マスク遮光部分を照射するビームを低減
することができるので、マスクによって消費されるレー
ザエネルギは殆どなくなり、エネルギ利用効率の高い、
高効率なレーザ加工を行えるという効果がある。
【0118】請求項15の発明によれば、請求項14に
おいて、ホログラムによって分割された多数のレーザビ
ームが、マスク上で互いに部分的に重なりあって、一定
の範囲内に任意の強度分布を持つ照射領域を作り出すよ
うにしたので、マスク上でビームの強度分布が均一にな
るという効果がある。
【0119】請求項16の発明によれば、請求項14に
おいて、ホログラムによって分割され、マスク上で重ね
合わされるレーザビームの重ね合わせの間隔をホログラ
ムによって分割されたそれぞれのレーザビームのスポッ
ト径(半値幅)以下にしたので、加工面に任意の強度分
布、任意のパターンのビームを照射してレーザ加工でき
るという効果がある。
【0120】請求項17の発明によれば、請求項14に
おいて、マスク上で重ね合わされるレーザビームの重ね
合わせの間隔に対するスポット径の半値幅の割合をFP
%とし、マスク上での所望の均一度を±Er%とした場
合、Er≧1.12√FPの条件を満たすようにFPを
設定するするようにしたので、ビームの強度に10%程
のばらつきがあっても強度の均一度を所定の範囲内に抑
えることができるという効果がある。
【0121】請求項18の発明によれば、請求項14な
いし17のいずれかにおいて、ホログラムに入射するレ
ーザビームのレーザビーム幅dと、上記集光レンズの焦
点距離fと、転写レンズの入射側NAが(d/2)≦f
・NAの関係を満たすようにしたので、転写レンズに入
射したビームのすべてを有効利用できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るレーザ転写加
工装置の構成図である。
【図2】 加工パターンを示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係るレーザ転写加
工装置の構成図である。
【図4】 実施の形態3においてホログラムで回折され
集光レンズによって集光されるビームを示す図である。
【図5】 実施の形態4においてホログラムで回折され
たそれぞれのビームの強度のばらつきが5%及び10%
の場合のマスク面上でのビームのスポット径に対する重
ね合わせの間隔と全体の均一度の関係を示す図である。
【図6】 実施の形態5において集光スポット径を変化
させたときのマスク面上でのレーザ強度分布を示す図で
ある。
【図7】 この発明の実施の形態6に係るすレーザ転写
加工装置のマスク照射光学系を表す図である。
【図8】 実施の形態7に示されるレーザ転写加工装置
のマスク照射光学系を表す図である。
【図9】 この発明の実施の形態9に係るレーザ転写加
工装置の構成図である。
【図10】 実施の形態9に示されるレーザ転写加工装
置に用いる位相板の正面図である。
【図11】 この発明の実施の形態10に係るレーザ転
写加工装置の構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態11に係るレーザ転
写加工装置の構成図である。
【図13】 実施の形態11に示されすレーザ転写加工
装置に用いる拡散板の正面図と断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態12に係るレーザ転
写加工装置の構成図である。
【図15】 実施の形態12に示されるレーザ転写加工
装置に用いる位相面(表面)とホログラム面(裏面)で
ある。
【図16】 この発明の実施の形態13に係るレーザ転
写加工装置の構成図である。
【図17】 実施の形態13に示されるレーザ転写加工
装置に用いる拡散面(表面)とホログラム面(裏面)で
ある。
【図18】 実施の形態14に示される位相ホログラム
の正面図である。
【図19】 この発明の実施の形態8に係るレーザ転写
加工装置の構成図である。
【図20】 従来のレーザ転写加工装置の概略構成を示
す構成図である。
【図21】 ホログラムを用いた従来の加工光学系の概
略構成を示す図である。
【図22】 ホログラムを用いた従来の加工光学系の構
成図である。
【図23】 スペイシャルフィルタの概略な構成図であ
る。
【符号の説明】
1 レーザ発振器、2 偏向ミラー、4 レーザ発振器
により射出されたビーム、6 マスク、4a ホログラ
ムにより分割されたビーム、8 ターゲット(被加工
物)、9 ホログラム、9A 位相ホログラム、9B
拡散ホログラム、10 集光レンズ、14 縮小光学
系、15 マスク面に集光されるビームのスポット、1
6 位相板、17 位相板の光学的に厚い部分、18
位相板の光学的に薄い部分、19 拡散板、20 ラン
ダムな位相面、21 ホログラム面、22 拡散面、2
3 ランダムな位相板を重ねたホログラム。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レ−ザ発振器と、このレーザ発振器より
    発せられたレーザビームを集光する集光レンズと、集光
    されたレーザービームを、被加工物に対する加工パター
    ンに合わせて開口した開口部を透過させるマスクと、こ
    のマスクを透過したマスクパターン像を前記被加工物に
    転写する転写レンズとを備え、前記レーザ発振器のビー
    ム射出側より前記マスクに至る光路の何れかの箇所に、
    前記加工パターンに合わせて干渉縞パターンを形成した
    ホログラムを配置したことを特徴とするレーザ転写加工
    装置。
  2. 【請求項2】 ホログラムを、レーザ発振器と集光レン
    ズ間の光路中に配置したことを特徴とする請求項1に記
    載のレーザ転写加工装置。
  3. 【請求項3】 ホログラムを、集光レンズとマスク間の
    光路中に配置したことを特徴とする請求項1に記載のレ
    ーザ転写加工装置。
  4. 【請求項4】 ホログラムに入射されるレーザビームの
    径を縮小する縮小光学系を、ホログラムの前方に配置し
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のレーザ転写加工装置。
  5. 【請求項5】 縮小光学系に、レーザ発振器のガス流方
    向と放電方向のそれぞれの方向に対応させたシリンドリ
    カルレンズとシリンドリカルミラーの少なくとも一方を
    使用したことを特徴とする請求項4に記載のレーザ転写
    加工装置。
  6. 【請求項6】 ホログラムは、光路と平行に可動するよ
    うにしたことを特徴とする請求項2または3に記載のレ
    ーザ転写加工装置。
  7. 【請求項7】 レーザ発振器から被加工物に至る光路中
    に、レーザビームの空間的なコヒーレンスを低下させる
    コヒーレンス低下手段を配置したことを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれかに記載のレーザ転写加工装置。
  8. 【請求項8】 コヒーレンス低下手段は、レーザビーム
    が透過する透明な基板面に光学的な厚みが厚い領域と薄
    い領域を順序不同に複数形成した位相板であること特徴
    とする請求項7に記載のレーザ転写加工装置。
  9. 【請求項9】 コヒーレンス低下手段は、レーザビーム
    が透過する透明な基板面に微細凹凸処理を施した拡散板
    であること特徴とする請求項7に記載のレーザ転写加工
    装置。
  10. 【請求項10】 一面に干渉縞パターンを形成したホロ
    グラムの基板の反対面に、光学的な厚みが厚い領域と薄
    い領域を順序不同に複数形成し、これら領域を透過する
    レーザビーム間に位相差発生させて空間的なコヒーレン
    スを低下させるた位相面を形成したことを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ転写加工装
    置。
  11. 【請求項11】 一面に干渉縞パターンを形成したホロ
    グラムの基板の反対面に微細凹凸処理を施し、透過する
    レーザビームを拡散して空間的なコヒーレンスを低下さ
    せるた拡散面を形成したことを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれかに記載のレーザ転写加工装置。
  12. 【請求項12】 干渉縞パターンを形成したホログラム
    の基板面に、光学的な厚みが厚い領域と薄い領域を順序
    不同に複数形成し、これら領域を透過するレーザビーム
    間に位相差発生させて空間的なコヒーレンスを低下させ
    る位相面を同時に形成したことを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれかに記載のレーザ転写加工装置。
  13. 【請求項13】 干渉縞パターンを形成したホログラム
    の基板面に、微細凹凸処理を施し、透過するレーザビー
    ムを拡散して空間的なコヒーレンスを低下させるた拡散
    面を形成したことを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れかに記載のレーザ転写加工装置。
  14. 【請求項14】 レーザ発振器より発せられたレーザビ
    ームを集光レンズで集光し、この集光されたレーザービ
    ームを、被加工物に対する加工パターンに合わせて開口
    したマスクの開口部を透過させ、この透過したマスクパ
    ターン像を転写レンズにて前記被加工物に転写する際
    に、前記マスクに透過させるレーザビームを前記加工パ
    ターンに合わせて干渉縞パターンを形成したホログラム
    で透過させて複数に分割することを特徴とするレーザ転
    写加工方法。
  15. 【請求項15】 ホログラムによって分割された多数の
    レーザビームが、マスク上で互いに部分的に重なりあっ
    て、一定の範囲内に任意の強度分布を持つ照射領域を作
    り出すことを特徴とした請求項14に記載のレーザ転写
    加工方法。
  16. 【請求項16】 ホログラムによって分割され、マスク
    上で重ね合わされるレーザビームの重ね合わせの間隔を
    ホログラムによって分割されたそれぞれのレーザビーム
    のスポット径(半値幅)以下にしたことを特徴とする請
    求項14に記載のレーザ転写加工方法。
  17. 【請求項17】 マスク上で重ね合わされるレーザビー
    ムの重ね合わせの間隔に対するスポット径の半値幅の割
    合をFP%とし、マスク上での所望の均一度を±Er%
    とした場合、Er≧1.12√FPの条件を満たすよう
    にFPを設定したことを特徴とする請求項14に記載の
    レーザ転写加工方法。
  18. 【請求項18】 ホログラムに入射するレーザビームの
    レーザビーム幅d、上記集光レンズの焦点距離f及び転
    写レンズの入射側NAが(d/2)≦f・NAの関係を
    満たすことを特徴とする請求項14ないし17のいずれ
    かに記載のレーザ転写加工方法。
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