JPH09248190A - 新規ホスホリパーゼ及びそれをコードするdna - Google Patents
新規ホスホリパーゼ及びそれをコードするdnaInfo
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- JPH09248190A JPH09248190A JP8086022A JP8602296A JPH09248190A JP H09248190 A JPH09248190 A JP H09248190A JP 8086022 A JP8086022 A JP 8086022A JP 8602296 A JP8602296 A JP 8602296A JP H09248190 A JPH09248190 A JP H09248190A
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Abstract
ーゼ活性及びリパーゼ活性を併有し、図1に示す構造を
有する蛋白質、又はその第二反復配列を含んで成る酵素
活性断片、並びにそれをコードする遺伝子系及び該蛋白
質の製造方法。
Description
ゼ、該ホスホリパーゼをコードする遺伝子系、及び該ホ
スホリパーゼの製造方法に関する。本発明のホスホリパ
ーゼはホスホリパーゼ活性及びリパーゼ活性を併せ持
ち、膵臓ホスホリパーゼ補充療法剤、ホスホリパーゼB
/リパーゼ測定用試薬等として有用である。
る酵素の総称であり、リン脂質(グリセロールリン脂
質)は、グリセロールの末端及び中央のヒドロキシル基
に脂肪酸がエステル結合しており、他方の末端のヒドロ
キシル基にリン酸基を介してコリン、エタノールアミン
等が結合している化合物である。グリセロールリン脂質
中のグリセロール基のsn−1位の脂肪酸エステル結合
を加水分解するホスホリパーゼをホスホリパーゼA1 と
称し、グリセロール基のsn−2位の脂肪酸エステル基
を加水分解するホスホリパーゼをホスホリパーゼA2 と
称し、また、ホスホリパーゼA1 活性及びホスホリパー
ゼA2 活性を併有するホスホリパーゼをホスホリパーゼ
Bと称する。
アシル基の内一方が除去されたリン脂質をリゾリン脂質
と称し、リゾリン脂質に作用して残っている脂肪酸エス
テル結合を加水分解する酵素も、分解生成物が前記ホス
ホリパーゼBの場合と同じであるため、ホスホリパーゼ
Bに含められる。他方、リン脂質のグリセロール基とリ
ン酸基との間のエステル結合を加水分解するホスホリパ
ーゼをホスホリパーゼCと称し、リン酸基とコリンやエ
タノールアミン等との間の結合を加水分解するホスホリ
パーゼをホスホリパーゼDと称する。他方、脂肪酸のグ
リセリンエステルのアシル基を加水分解する酵素をリパ
ーゼと称する。従来、ホスホリパーゼB活性とリパーゼ
活性とを併有する酵素は知られていない。
スホリパーゼB活性とリパーゼ活性とを併有する新規な
酵素を提供しようとするものである。
リパーゼB活性及びリパーゼ活性を共に有し、配列番
号:1に示すアミノ酸配列中の少なくとも第367位の
アミノ酸Lysから第712位のアミノ酸Asnまでの
アミノ酸配列、又は該アミノ酸配列に対して1個又は数
個のアミノ酸の置換、欠失又は付加により修飾されてい
るアミノ酸配列を有する蛋白質、並びに配列番号:1に
示す塩基配列とハイブリダイズすることができるDNA
によりコードされており、且つホスホリパーゼB活性及
びリパーゼ活性を併有する蛋白質を提供する。
るDNA、該DNAを含んで成る組換えベクター、特に
発現ベクター、及び該ベクターにより形質転換された宿
主に関する。本発明はまた、上記の宿主を培養し、該培
養物から、ホスホリパーゼB活性及びリパーゼ活性を併
有する酵素を採取することを特徴とする該酵素の製造方
法に関する。
(リゾホスホリパーゼ活性を含めて)及びリパーゼ活性
を有する多機能酵素である。例えば、ラットの小腸から
精製した酵素は、ラット小腸膜分画から自己消化によっ
て可溶化され、SDS−PAGEにより測定した分子量
は非還元条件下で約35kDa であり、還元条件下では1
4kDa 及び21kDa の2本のバンドとして示される。ラ
ットの近位回腸からのcDNAによりコードされている
蛋白質は配列番号:1に示す1位のアミノ酸Metから
1443位のアミノ酸Glnまでのアミノ酸配列を有す
る。
−末端に、1位のMetから第30位のGlyまでのア
ミノ酸配列を有するシグナルペプチドを有し、C−末端
に1421位のLeuから第1443位のTrpまでの
アミノ酸配列を有する膜結合ドメインを有し、これらの
間に4個の反復配列、すなわち第43位のLeuから第
352位のAsnまでの第一反復配列、第367位のL
ysから第712位のAsnまでの第二反復配列、第7
14位のGlyから第1059位のAsnまでの第三反
復配列、及び第1070位のAsnから第1408位の
Glnまでの第四反復配列が存在し、この内図4に示す
ごとく、第二反復配列にホスホリパーゼB活性、リゾホ
スホリパーゼ活性及びリパーゼ活性が存在する。
1に示すアミノ酸配列の内、少なくとも第二反復配列に
相当する第367位のLysから712位のAsnまで
のアミノ酸配列を有し、このアミノ酸配列のN−末端及
び/又はC−末端に更なるアミノ酸又はアミノ酸配列が
付加されていてもよい。一般に、天然型酵素のアミノ酸
配列中で少数のアミノ酸を変更しても本来の酵素活性が
維持されることが知られている。
配列において1個〜数個、例えば10個以下のアミノ酸
が付加、欠失及び/又は他のアミノ酸による置換によっ
て修飾されたアミノ酸配列を有していてもよい。本発明
はさらに、配列番号:1に示す塩基配列を有するDNA
と所定のストリンジェンシー条件下、例えば65℃、1
6時間(5×SSPE、0.5%SDS、1×Dend
ardt溶液、20μg/mlサケ精子DNA)において
ハイブリダイズするDNAによりコードされており、且
つホスホリパーゼB活性(リゾホスホリパーゼ活性を含
む)とリパーゼ活性とを併有する酵素をも包含する。
素の製造のために有用な遺伝子系すなわち、前記の種々
のアミノ酸配列をコードするDNA、該DNAを含んで
成る組換えベクター、特に発現ベクター、及び該ベクタ
ーにより形質転換された宿主に関する。本発明のDNA
の塩基配列は、前記の種々のアミノ酸配列をコードする
ものであればよいが、一例として、配列番号:1に示す
コード領域の塩基配列又はその一部分から成るものが挙
げられる。
ーから選択されたcDNA、またはゲノミックDNAラ
イブラリーから選択されたDNAであってもよい。cD
NAやゲノミックDNAの選択は、例えば、本発明の酵
素の部分アミノ酸配列に基いて設計されたDNAプロー
ブを用いて行うことができ、あるいはそのようにして設
計されたDNAをプライマーとして用いてPCR法によ
り増幅してもよい。
素をコードするDNAは、前記のDNAライブラリーの
スクリーニング又はPCR法により得た、生来の塩基配
列を有するDNAを基礎にして、常用の部位特定変異誘
発やPCR法を用いて合成することができる。例えば、
修飾を導入したい部位を含むDNA断片を、上記により
得られたcDNA又はゲノミックDNAの制限酵素消化
により得、これを鋳型にして、所望の変異を導入したプ
ライマーを用いて部位特定変異誘発又はPCR法を実施
し、所望の修飾を導入したDNA断片を得、これを、目
的とする酵素の他の部分をコードするDNAに連結すれ
ばよい。
有する酵素をコードするDNAを得るには、例えば目的
とするアミノ酸配列より長いアミノ酸配列、例えば全長
アミノ酸配列をコードするDNAを、所望の制限酵素に
より切断し、得られたDNA断片が目的とするアミノ酸
配列の全体をコードしていない場合には、不足部分を合
成DNAを連結することにより補えばよい。
組換えベクター、特に発現ベクター、及び該ベクターに
より形質転換された宿主に関する。宿主としては、原核
生物又は真核生物を用いることができる。原核生物とし
ては、細菌、例えばエシェリヒア(Escherichia )属に
属する細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)、バ
シルス(Bacillus)属微生物、例えばバシルス・ズブチ
リス(Bacillus subtilis)、等常用の宿主を用いるこ
とができる。
ば真核性微生物、例えば真菌である酵母又は糸状菌が使
用できる。酵母としては、例えばサッカロミセス(Sacc
haromyces )属微生物、例えばサッカロミセス・セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)等が挙げられ、ま
た糸状菌としてはアスペルギルス(Aspergillus )属微
生物、例えばアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus
oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
ger )、ペニシリウム(Penicillium )属微生物等が挙
げられる。さらに、動物細胞又は植物細胞が使用でき、
動物細胞としては、マウス、ハムスター、サル、ヒト等
の細胞系が使用される。さらに、昆虫細胞、例えばカイ
コの細胞、又はカイコの成虫それ自体も宿主として使用
される。
べき宿主の種類に依存して発現制御領域、例えばプロモ
ーター及びターミネーター、複製起点等を含有する。細
菌用発現ベクターのプロモーターとしては、常用のプロ
モーター、例えばlac,T7,trp等が使用され、
酵母用プロモーターとしては、例えばADH1,PHO
5等が使用され、糸状菌用プロモーターとしては例え
ば、グルコアミラーゼ遺伝子、α−アミラーゼ遺伝子等
のプロモーターが使用される。また、動物細胞宿主用プ
ロモーターとしてはウイルス性プロモーター、例えばS
V40、単純ヘルペス、チミジンキナーゼ(TK)、プ
ロモーター等が使用される。
ゼ等を用いて常法に従って行うことができる。また、発
現ベクターによる宿主の形質転換も、常法に従って行う
ことができる。本発明はまた、ホスホリパーゼB活性及
びリパーゼ活性を併有する前記蛋白質の製造方法に関す
る。前記の発現ベクターにより形質転換された宿主を培
養又は飼育し、培養物等から常法に従って、例えば、濾
過、遠心分離、細胞の破砕、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー等により目的とする
蛋白質を回収、精製することができる。本発明の酵素は
また、それを含有する組織又は器官、例えばラット小腸
から上記のようにして回収、精製することもできる。本
発明の酵素は、例えば膵臓リパーゼ補充療法剤、小腸疾
患の診断薬としてのホスホリパーゼ/リパーゼ測定系の
試薬等として有用である。
に説明する。実施例1 .ホスホリパーゼB/リパーゼの精製 ラット小腸刷子縁膜からのホスホリパーゼB/リパーゼ
の精製を以下のように行なった。ペントバルビタール麻
酔下に切除したラット小腸を−35℃で約2カ月間保存
すると、その間にホスホリパーゼB/リパーゼは限定分
解により刷子縁膜から可溶化された。
ルセファロース、QAE−トヨパール、ヒドロキシアパ
タイト、ConA−セファロース及びコスモゲルQAの
各クロマトグラフィーを用いて、約8200倍に精製し
た。精製標品は非還元条件のSDS−電気泳動において
35kDa の位置に単一バンドとして泳動され、このバン
ドに一致してホスホリパーゼA2 活性、リゾホスホリパ
ーゼ活性及びリパーゼ活性が認められた。
5kDa のバンドは消失し、代りに21kDa と14kDa の
二本のバンドが見られたが酵素活性は検出できなかっ
た。本酵素の至適pHは、ホスホリパーゼA2 活性、リゾ
ホスホリパーゼ活性及びリパーゼ活性ともに9付近であ
った。1−アルキル−ホスファチジルコリン、ジアシル
−ホスファチジルコリン及びジアシル−ホスファチジル
エタノールアミンに対する反応性は、デオキシコール酸
との混合ミセルを基質とした場合、大差はなかった。ジ
ラジルリン脂質リポソームに対する反応性は低いが、胆
汁酸/ジラジルリン脂質混合ミセル及びリゾアルキルミ
セルに対する反応性は高い。したがってホスホリパーゼ
A2 /リゾホスホリパーゼ活性比は、基質の存在様式に
より異なる。
部分アミノ酸配列の決定 精製された酵素を還元カルボキシメチル化し、逆相HP
LCで分離して14kDa と21kDa の二種類のポリペプ
チド鎖を得た。それぞれのN末端からのアミノ酸配列を
シークエンサーで決定した。その結果、14kDa のポリ
ペプチド及び21kDa のポリペプチドからそれぞれ次の
アミノ酸配列が得られた。 (1)Glu Gly Thr Lys Phe Thr Cys Pro Asp Lys Asp
Pro Ser Asp Ser Ile Pro (配列番号:2) (2)Phe Ser Pro Gln Thr Phe Thr Asp Asn Ile Lys
Thr Ala Leu Asp Ile Leu His Ala Glu Val Pro Arg Al
a Phe Val Asn Met Val Ser (配列番号:3)
ミノ酸に基いて下記のプライマーKF及びQTを設計
し、常法に従って合成した。なお、プライマーKFの
5′−末端の8塩基は人為的に付加したBamHI認識
配列である。 プライマーKF:ccggatccAA(A/G)TT(C/T)ACITG(C/T)CC
IGA(C/T)AA(A/G)GA(C/T)CC(配列番号:4) プライマーQT:GCIGT(C/T)TTIAT(A/G)TT(A/G)TCIGT(A
/G)AANGT(C/T)TG (配列番号5)
DNAライブラリーを用いて、DNA断片をクローニン
グした。ラットcDNAライブラリーは次のようにして
作製した。常法により回腸から抽出した1μgのRNA
を鋳型として、200Uの逆転写酵素(Super S
cript RT)によりcDNAを合成した。1/2
量の合成cDNAと上記プライマーKFとプライマーQ
T(各100pmol)を用いPCR法によりホスホリパー
ゼB/リパーゼcDNA断片を増巾した。PCR1サイ
クルの条件は、94℃、40秒;54℃、1分;72
℃、1分であり、これを30サイクル行なった。
上単一バンド(540bp)であったため、pCRIIプラ
スミドベクターに直接挿入した。こうして、540bpの
DNA断片を得た。この断片は、ホスホリパーゼB/リ
パーゼの一部分をコードしており、全長をコードしてい
ないので、このcDNA断片をプローブとして、ラット
近位回腸から、λMOSEloxクローニングベクター
(Amersham)を用いて、cDNAライブラリー
を作製した。このcDNAライブラリーは、次の様にし
て作製した。
A6μgを用いて、常法により2本鎖cDNAを合成し
た。cDNAの両端を平滑化後ECORIアダプターを付
加し、500bpより長いcDNAをスパンカラムにより
集めた。このcDNAをλMOSEloxのECORI部
位に挿入した。このベクターを用い常法によりinvi
troパッケージング反応を行なってライブラリーを完
成させた。
ションは次の様にして行った。上記の540bpcDNA
を32Pでラベルした。ラベル化プローブ(5×107 cp
m )を100mlの5×SSPE、0.5%SDS、1×
Denhardt溶液、20μg/ml変性サケ精子DN
Aを含む緩衝液中で65℃16時間ナイロンフィルター
上のレプリカと反応させた。未反応のプローブは、65
℃0.2×SSPE、0.1%SDS中で洗浄した。
の1つをpMOS−RIPLBと称し、その全塩基配列
をサンガー法により決定した。その結果を配列番号:1
に示す。このDNAは、全長4613bpのcDNAであ
り、1450個のアミノ酸から成るアミノ酸配列をコー
ドする1個のオープンリーディングフレーム(ORF)
を含有し、そのN−末端には約30残基のシグナル配列
を含んでいた。このアミノ酸配列において、成熟蛋白質
部分は4回の相同な繰り返し配列と、C−末端側の疎水
性の膜結合部位とから構成されていた。この構成を図1
に模式的に示す。なお、配列番号:1において、プライ
マーKFは第371位から第379位までのアミノ酸に
対応し、プライマーQTは第532位のアミノ酸から第
541位のアミノ酸までに対応した。
明らかにするため図2に示すように、全長蛋白質の発現
プラスミドpSVL−RIPLBに加えて、膜結合ドメ
インのみを除去した蛋白質(配列番号:1中、第1位の
Metから第1408位のGlnまでのアミノ酸配列を
有する)をコードする発現プラスミドpSVL−ΔC、
シグナルペプチドと第一反復配列とで構成される蛋白質
(配列番号:1中、第1位のMetから第357位のG
lnまでのアミノ酸配列を有する)をコードする発現プ
ラスミドpSVL−#1、
成される蛋白質(配列番号:1中、第1位のMetから
第40位のPheまでのアミノ酸配列と、第366位の
Metから第712位のAsnまでのアミノ酸配列を有
する)をコードする発現プラスミドpSVL−#2、シ
グナルペプチドと第三反復配列とから構成される蛋白質
(配列番号:1中、第1位のMetから第40位のPh
eまでのアミノ酸配列と、第712位のAsnから第1
059位のAsnまでのアミノ酸配列を有する)をコー
ドする発現プラスミドpSVL−#3、及びシグナルペ
プチドと第四反復配列とから構成される蛋白質(第1位
のMetから第40位のPheまでのアミノ酸配列と、
第1068位のIleから第1408位のGlnまでの
アミノ酸配列とを有する)をコードする発現プラスミド
pSVL−#4を、次の様にして作製した。なお、この
作製過程を図3及び4に示す。
して、cDNAをアガロース電気泳動で回収し、発現用
ベクターpSVLのBamHI部位に挿入した。このベ
クターをpSVL−RIPLBと名づけた。シグナル配
列部分をそれぞれの反復配列cDNAに連結するため、
まず、第1位Metから第40位Pheまでをコードす
るcDNAとその3′末端にNheI,DraI、スト
ップコドン、BamHIの順序のクローニングサイトを
連結したDNA断片をPCR法により合成した。この
際、プライマーとしてU18とNrevを用い、鋳型と
してpSVL−RIPLBを用いた。
入し、pMOS−headと名付けた。次にpMOS−
headをApaIとBamHIで切断したcDNA断
片と、pSVL−RIPLBを同様に切断したプラスミ
ッド側断片を回収し、お互いにつなぎ合わせてpSVL
−headを作成した。pSVL−headには、Nh
eI,DraI,MluI,BamHIのクローニング
サイトが存在するので、これを利用してpSVL−#
1,pSVL−#2,pSVL−#3,pSVL−#
4,pSVL−ΔCを作成した。
RIPLBからApaIとPuvIIで切り出したcDN
A断片と、pSVL−headからApaIとDraI
で切断したプラスミッド側断片を連結して、pSVL−
#1を作成した。 (2)pSVL−#2,−#3,−#4の作成:5′末
端にNheI配列のあるセンス方向のプライマー(F
2,F3,F4)と5′末端にMluIとストップコド
ンのあるアンチセンス方向のプライマー(R2,R3,
R4)、鋳型としてpSVL−RIPLBを用いてPC
R法により第2、第3および第4反復配列部分cDNA
を合成した。これらのPCR産物を、pSVL−hea
dをNheIとMluIで切断したプラスミッド側断片
にクローニングして、pSVL−#2,−#3および−
#4を作成した。 (3)pSVL−ΔCの作成:pSVL−RIPLBを
BamHIで切断して作成したプラスミッド側断片にp
SVL−#4のBamHI断片を挿入してpSVL−Δ
Cを作成した。
COS細胞を形質転換した後、形質転換されたCOS細
胞をダルベコ・改変イーグル培地中で37℃にて72時
間培養し培養上清を採取後、細胞を剥離し、600μl
のHEPES緩衝生食水に浮遊させた。細胞浮遊液を3
0秒2回超音波破砕し、1000g10分間4℃で遠心
して上清を回収した。さらに上清を4℃で100,00
0g、45分間遠心し上清と沈殿に分離した。沈殿画分
はHEPES生食200μlに分散させた。
(ホスホリパーゼA2 活性、リゾホスホリパーゼ活性、
及びリパーゼ活性)を次のようにして測定した。酵素活
性は、基質(1mM)としてホスホリパーゼA2 反応に
は、1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジ
ルコリン(POPC)、リパーゼ反応にはトリオレオイ
ルグリセロール(TOG)、リゾホスホリパーゼ反応に
は、1−パルミトイル−グリセロホスホコリン(LP
C)を用い、0.1M Tris−HCl(pH8.
5)、0.1M NaCl、胆汁酸(ホスホリパーゼA
2 反応では6mMコール酸、リパーゼ反応では、6mMデオ
キシコール酸、リゾホスホリパーゼ反応では無添加)、
10mMEDTAを含む溶液50μl中37℃で測定し
た。反応はDole試薬(n−ヘプタン/2−プロパノ
ール/2NH2 SO4 、10:40:1v/v)200
μlを加え停止し、さらにn−ヘプタン120μl、水
70μl、内部標準物質マルガリン酸5nmolを加え、反
応産物の脂肪酸をn−ヘプタン層に抽出した。抽出した
脂肪酸を9−アントリルジアゾメタンで誘導体化後、逆
相HPLC(98%アセトニトリル/2%H2 O、アイ
ソクラティツク溶出)で分離、定量した。検出は、25
4nmのUV吸収を用いて行った。
素活性も、全長蛋白質(プラスミドpSVL−RIPL
Bから発現)及び第二反復配列(及びシグナル配列)か
ら成る蛋白質(プラスミドpSV−#2から発現)にお
いて認められ、酵素活性部位が第二反復配列中に存在す
ることが確認された。さらに、前記の試料をイムノブロ
ッティング法により分析し、また前記培養細胞中のRN
Aについてノーザンブロッティング法による分析を行っ
た。
VL−RIPLBで形質転換された細胞の場合は膜画
分、それ以外のベクターを導入した細胞の場合には、培
養上清を用いた。10%SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル各レーンに20μgの蛋白質量をのせた。泳動後PV
DF膜にブロットした。1次抗体として、ホスホリパー
ゼB/リパーゼの第450〜1450番目のアミノ酸配
列に対応する蛋白質に対するウサギポリクローナル抗体
を用い、2次抗体としてペルオキシダーゼラベル化抗ウ
サギIgG抗体を用いた。コニカイムノステインHRP
キットにより発色させた。
グアニジニウム−チオシアネート−フェノール−クロロ
ホルム抽出法により全RNA画分を調製<各レーンに3
0μgの全DNAをのせた。>した。32Pラベル化全長
RIPLBcDNAをプローブとして5×SSPE、5
×Denhardt溶液、0.5%SDS、20μg/
ml精子DNA溶液中、42℃、16時間ハイブリダイズ
させた。洗浄は65℃で行なった。その結果を図6に示
す。
#1,pSVL−#2,pSVL−#3,pSVL−#
4を導入したCOS細胞では、それぞれのcDNAに対
応する大きさのmRNAが発現していたが、cDNAを
含まないpSVLのみを導入した細胞では本酵素のmR
NAの発現は見られなかった。pSVL−RIPLB導
入細胞では膜分画に200kDa の酵素が検出されたが
(C−末端疎水領域を欠くpSVL−ΔC導入細胞では
培養上清に酵素が検出された。この結果、C−末端疎水
性ドメインが膜結合に関与することが明らかとなった。
また、第2、第4反復配列に対応する酵素は、培養上清
に検出されたが第1、第3反復配列に対応する酵素は検
出できなかった。本実験に用いた抗体の反応性が各々の
反復配列部分で異なっていることが示唆される。
生体内分布 ホスホリパーゼB/リパーゼ酵素の生体内分布を調べる
ため、ラットの小腸、脳、肺、食道、胃、十二指腸、回
腸、盲腸、結腸、心臓、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、胸
腺、精巣及び卵巣からRNAを抽出し、前記のcDNA
をプローブとして用いて、ノーザンブロット法により、
ホスホリパーゼB/リパーゼ酵素をコードする遺伝子の
分布を観察した。その結果、図7に示すように、小腸の
ほかに、食道及び精巣にも、小腸からのmRNAと同じ
長さであり、且つプローブcDNAとハイブリダイズす
るmRNAが存在することが明らかとなり、本酵素が消
化以外の役割を担っている可能性が示された。また、十
二指腸、空腸、回腸(上部)及び回腸(下部)の粘膜、
並びに食道の粘膜及び筋肉からの抽出したRNAの結果
を図8に示す。
よりも肛門側の回腸とりわけ上部回腸粘膜に豊富に存在
していた。したがって、食物中の脂質は、まず、小腸上
部の管腔内で膵臓から分泌されたリパーゼやホスホリパ
ーゼA2 の作用で分解され、その後、回腸の本酵素によ
り経末消化を受けることが示唆された。食道上皮は、小
腸上皮と異なり刷子縁を持たない偏平上皮細胞から成る
ので本酵素の分布を上皮と固有筋層に分けて検討した。
食道においても本酵素は上皮細胞に存在していた。
酵素の全長構造を示す模式図である。
ラスミドの挿入部の構造を示す模式図である。
の作製の工程を示す図である。
の作製の工程を示す図である。
タンパク質の酵素活性を示すグラフである。
蛋白質のイムノブロット図、及び各種発現プラスミドに
より形質転換された動物細胞宿主において転写されたm
RNAのノーザンブロット図であり、電気泳動の結果を
表わす図面代用写真である。
NAを、ホスホリパーゼB/リパーゼをコードするcD
NAをプローブとして検出した結果を示すノーザンブロ
ット図であり、電気泳動の結果を示す図面代用写真であ
る。
したRNAを図6と同様にして検出した結果を示すノー
ザンブロット図であり、電気泳動の結果を示す図面代用
写真である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ホスホリパーゼB活性及びリパーゼ活性
を共に有し、配列番号:1に示すアミノ酸配列中少なく
とも第367位のアミノ酸Lysから第712位のアミ
ノ酸Asnまでのアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列に
対して1個又は数個のアミノ酸の置換、欠失又は付加に
より修飾されているアミノ酸配列を有する蛋白質。 - 【請求項2】 配列番号:1の第367位のアミノ酸L
ysから第712位のアミノ酸Asnまでのアミノ酸配
列、又は該アミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸
の置換、欠失又は付加により修飾されているアミノ酸配
列を有する、請求項1に記載の蛋白質。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の蛋白質をコード
するDNA。 - 【請求項4】 配列番号:1に記載の塩基配列を有する
DNAとハイブリダイズし、且つホスホリパーゼB活性
及びリパーゼ活性の両方を有する蛋白質をコードするD
NA。 - 【請求項5】 請求項4に記載のDNAによりコードさ
れている蛋白質。 - 【請求項6】 請求項3又は4に記載のDNAを含んで
成るベクター。 - 【請求項7】 請求項6に記載のベクターにより形質転
換された宿主。 - 【請求項8】 請求項7に記載の宿主を培養し、そして
培養物から、ホスホリパーゼB活性及びリパーゼ活性を
有する蛋白質を採取することを特徴とする、ホスホリパ
ーゼ蛋白質の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08602296A JP3785602B2 (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 新規ホスホリパーゼ及びそれをコードするdna |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08602296A JP3785602B2 (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 新規ホスホリパーゼ及びそれをコードするdna |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09248190A true JPH09248190A (ja) | 1997-09-22 |
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JP (1) | JP3785602B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002031161A3 (en) * | 2000-10-10 | 2003-02-27 | Bayer Ag | Regulation of human phospholipase-like enzyme |
-
1996
- 1996-03-15 JP JP08602296A patent/JP3785602B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2002031161A3 (en) * | 2000-10-10 | 2003-02-27 | Bayer Ag | Regulation of human phospholipase-like enzyme |
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Publication number | Publication date |
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