JPH0924785A - 車室内の衝撃エネルギ吸収構造 - Google Patents

車室内の衝撃エネルギ吸収構造

Info

Publication number
JPH0924785A
JPH0924785A JP7179213A JP17921395A JPH0924785A JP H0924785 A JPH0924785 A JP H0924785A JP 7179213 A JP7179213 A JP 7179213A JP 17921395 A JP17921395 A JP 17921395A JP H0924785 A JPH0924785 A JP H0924785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pillar
trim
impact
side edge
impact energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7179213A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikumasa Moriyasu
郁雅 森安
Naoyuki Suzuki
直幸 鈴木
Hajime Tsuchihara
哉 土原
Ryosuke Yamamoto
亮介 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP7179213A priority Critical patent/JPH0924785A/ja
Priority to US08/793,537 priority patent/US6050631A/en
Priority to EP95929218A priority patent/EP0776792B1/en
Priority to PCT/JP1995/001678 priority patent/WO1996005984A1/ja
Priority to KR1019950706059A priority patent/KR100237663B1/ko
Priority to DE69526736T priority patent/DE69526736T2/de
Publication of JPH0924785A publication Critical patent/JPH0924785A/ja
Priority to US09/433,022 priority patent/US6126231A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車室内の乗員のピラー部分への衝
撃に対する保護を行なう車室内の衝撃エネルギ吸収構造
に関し、ピラー部の拡幅を抑制しピラー部近傍の開口幅
の確保や車両の良好な外観を確保しながら、衝突時の衝
撃エネルギを吸収しながら乗員を保護できるようにしよ
うとするものである。 【解決手段】 インナ部材2とアウタ部材3とを側縁で
結合してなるフランジ部4,5を有するピラー1と、正
面部分10Aと側縁部分10B,10Cとをそなえピラ
ー1の車室内側を被覆するトリム部材10と、インナ部
材2側のフランジ部4,5の基部に近接した車室内側に
トリム部材10の側縁部分10B,10Cに向かうよう
に形成された側縁壁部22,23と、側縁壁部22,2
3とトリム部材10の側縁部分10B,10Cとの間
に、側縁部分10B,10C表面からフランジ部4,5
近傍に向かった浅い角度で加えられた衝撃エネルギを吸
収しうる縁部衝撃吸収用リブ13とをそなるように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の衝突時等
に、車室内の乗員のピラー部分への衝撃エネルギを吸収
して、該乗員を保護できるようにするために用いて好適
の、車室内の衝撃エネルギ吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車社会の熟成に伴うように、
乗員に対する安全対策に関する要請が高まっている。特
に、自動車の衝突時に対する乗員の保護対策として、種
々の技術が開発されている。
【0003】例えば、衝突時に車室(キャビン)を保護
するための対策として、衝突時の前後方向からの衝撃に
対して、車体自体が潰れながら衝撃エネルギを吸収でき
るようにした、車体の前後の衝撃吸収構造は広く普及し
てきている。また、衝突時に乗員の身体を直接的に保護
するための対策として、ヘッドレストやシートベルトの
他、エアバッグ等の開発も進められている。
【0004】つまり、衝突の形態として自動車が後方か
ら追突される場合があるが、このように後方からの衝突
の際には、乗員が慣性力等から後向きに強い力を受け
る。これに対しては、ヘッドレストがシートバックとと
もに乗員の背部及び頭部を支持しているので、乗員はシ
ートバックやヘッドレストに支えられながら、後方への
衝突を免れる。
【0005】また、例えば前方からの衝突に対しては、
乗員が慣性力等から前向きに強い力を受ける。これに対
しては、シートベルトが乗員の前方への移動を阻止する
ので乗員は前方への衝突を免れることができる。また、
乗員が前向きに極めて強い力を受けた場合には、エアバ
ッグにより、乗員の前方への衝撃エネルギを弾性的に吸
収するので乗員は前方のハンドルやダッシュパネルやウ
インドゥ等への衝突を免れることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車の衝
突の形態としては、その代表的なものが前後からの衝突
であるが、衝突形態の研究に伴って自動車が側方から衝
突を受ける形態も少なくないことがわかってきたため、
このような側方からの衝突への対策として、例えばドア
パネルに補強材を追加するなどして、ドアの強度を高め
ることにより、車室を保護する対策も開発されている。
【0007】また、自動車の衝突時には、車室内の乗員
に働いている慣性力などによって、乗員が車室内の側面
に衝突するような力を受ける場合も考えられる。すなわ
ち、上述のように、衝突時に乗員に車体の前後方向への
力が加わった際には、シートバックやヘッドレスト及び
シートベルトやエアバッグ等により、乗員の車室内前部
後部への衝突を回避することができるが、乗員が車室内
の側面に向かうような力を受けると、乗員が車室内の側
面に衝突するおそれがある。
【0008】そこで、特に、乗員が車室内の側面の強度
の高い部位に衝突することを回避できるようにしたい。
この車室内側面の強度の高い部位の代表的なものは、ピ
ラーである。例えば、図9は乗員を保護するためにピラ
ー部分に要求される衝撃吸収構造が基準を満たしている
か検査する試験範囲及び衝撃方向範囲の一例を示す図で
ある。ここではセンタピラーに関して示しているが、ピ
ラー(センタピラー)1の車室内側に設けられたピラー
インナ2の所要の高さ範囲において、ハッチングを付し
て示すような範囲及び方向から衝撃吸収試験を行なう。
つまり、ピラーインナ2がピラーアウタ3と結合する前
側フランジ部4から後側フランジ部5に亘ったピラー1
の全範囲においてそれぞれ対応する方向から、乗員を模
した物体で所定の衝撃荷重を加えて、衝撃吸収が十分に
行なわれるかを試験するのである。
【0009】ピラー部分の車内側に衝撃吸収構造を設け
た場合、このような領域で所要の方向から所定の衝撃荷
重を与えても、上記物体がピラーインナ2に直接達する
前に衝撃が吸収されてしまえば、衝撃吸収構造に問題が
ない判断できる。なお、図9中の符号6,7は一般にフ
ランジ部4,5に装着されるフランジトリムである。
【0010】このような衝撃荷重を加える態様の代表的
なものは、ピラーインナ2の正面の中心部分に向けてa
方向からの衝撃試験と、ピラーインナ2の側部に向けて
b,b′方向からからの衝撃試験と、ピラーインナ2の
縁部のフランジ部4,5に向けてc,c′方向からの衝
撃試験である。このように各方向から衝撃吸収試験を行
なうのは、ピラー1に対して乗員が衝突する可能性の考
えられるあらゆる方向を考慮したもので、逆に言えば、
乗員がピラー1にどの様な方向から衝突しようとして
も、これらの各方向からの衝撃エネルギを確実に吸収し
て乗員を保護できるような衝撃吸収構造を実現したいの
である。
【0011】一般に乗用車には、ピラーインナ2をトリ
ムで覆ったものが広く存在するが、このようなトリム
は、車室内の見栄えを向上させたり、また、乗員がピラ
ー部分に接触したときの触感を良好にする程度のもので
ある。このような従来のトリムとしては、例えば図10
に示すような構成のものが一般的である。つまり、図1
0に示すように、ピラーインナ2とトリム8との間に
は、特に目的とするような衝撃吸収を行なえる部材は介
装されてはおらず、また、ピラーインナ2とトリム8と
の隙間dも小さく、トリム8に衝撃を加えると、ピラー
インナ2にすぐに底当たりする。
【0012】そこで、図11,図12に示すように、内
部に衝撃吸収用リブ11をそなえたトリム10を開発し
た。このトリム10では、衝撃吸収用リブ11は、この
トリム10及び衝撃吸収用リブ11はいずれも樹脂製で
あり、特に、衝撃吸収用リブ11はトリム10と一体成
形されている。なお、図12では、図9とは反対に、ピ
ラーインナ2が上方にピラーアウタ3が下方になるよう
に描かれている。
【0013】トリム10は、図12に示すように、ピラ
ーインナ2の幅方向中央に上下に延在する車室内側面2
Aに対応した中央平面部10Aと、ピラーインナ2の縁
部に形成されたフランジ部4,5を覆うように中央平面
部10Aの両側縁から滑らかに彎曲形成された側縁彎曲
部10B,10Cとをそなえている。側縁彎曲部10
B,10Cの端縁10b,10cはフランジ部4,5の
位置よりもやや車体外方まで達している。また、フラン
ジ部4,5には、フランジトリム6,7が装着さてい
る。
【0014】衝撃吸収用リブ11は、図11に示すよう
に、トリム10の中央平面部10Aの裏面に形成された
中央部用リブ12と、トリム10の側縁彎曲部10B,
10Cの裏面に形成された側縁部用リブ13とをそなえ
ている。中央部用リブ12は、ピラー1の長手方向へ延
びるように所要間隔で並んだ複数の縦方向リブ14A,
14B,14Cと、ピラー1の幅方向へ延びるように所
要間隔で並んだ複数の横方向リブ15とが互いに結合す
ることにより構成されており、これらの縦方向リブ14
A,14B,14Cと複数の横方向リブ15とにより、
4角形セルの配列したハニカム構造に形成されている。
【0015】なお、縦方向リブ14A,14B,14C
のうちリブ14A,14Bと複数の横方向リブ15は、
ピラーインナ2にトリム10を装着したときに先端がピ
ラーインナ2の車室内側面2Aに当接又は接近するよう
に長さを設定されている。一方、側縁彎曲部10C側に
位置する縦方向リブ14Cは、ピラー1のフランジ部
4,5の端面を覆うように、トリム10の側縁彎曲部1
0B,10Cの端縁10b,10cの位置まで延長され
ており、この縦方向リブ14Cで、フランジトリム6,
7を装着されたフランジ部5を挟持するようなかたちに
なっている。
【0016】側縁部用リブ13は、横方向リブ15と平
行になるようにピラー1の幅方向へ所要間隔で複数延設
されたもので、その側縁13aはトリム10の側縁彎曲
部10Cの端縁10cまで形成されている。また、その
先端部13bは縦方向リブ14Cに結合しており、略4
角形のセルの配列した一種のハニカム構造に形成されて
いる。ここでは、トリム10の側縁彎曲部10Cには衝
撃吸収上比較的大きな剛性が要求されるので、側縁部用
リブ13は横方向リブ15よりも高密度に設けられてい
る。
【0017】このような構成により、乗員がピラー1回
りに衝突しようとした際、a方向からの衝撃には主とし
てリブ14B,15が衝撃エネルギに応じて座屈変形し
たり破壊したりしながら衝撃エネルギを吸収し、b方向
からの衝撃には主としてリブ13,14Cが座屈変形し
たり破壊したりしながら衝撃エネルギを吸収し、c方向
から衝撃が加わると主としてリブ13,14Cが座屈変
形したり破壊したりしながら衝撃エネルギを吸収する。
【0018】ところで、上述の衝撃エネルギの吸収は、
トリム10がピラーインナ2に達する前に完了しなけれ
ばならないので、トリム10からピラーインナ2までの
距離(各リブの長さにも対応する)、即ち、エネルギ吸
収ストロークを十分に確保する必要がある。しかしなが
ら、このように、エネルギ吸収ストロークを十分に確保
しようとすると、トリム10が車室内側へ大きく突出し
て不具合を生じる。特に、トリム10の側縁彎曲部10
B,10Cからにフランジ部5に向かうような衝撃、即
ち、c′方向やc方向からの衝撃に対してエネルギ吸収
ストロークを確保しようとすると、トリム10の幅(車
長方向の外形長さ)を大きくしなくてはならず、ピラー
部分(トリム10を含んだピラー部全体)の幅が拡幅す
ることになり、ドア開口幅を縮小させて乗降性を低下さ
せる不具合や、車両の外観(見栄え)を悪化させる不具
合などを招くことになる。
【0019】例えば図13に示すように、トリム10の
側縁彎曲部10Cからc方向に向かう衝撃に対しては、
主としてリブ13が変形し破壊しながら衝撃エネルギを
吸収するが、トリム10表面とフランジ部5の端縁との
間(距離D1)には、トリム10の他に、リブ13の内
端の当接するリブ14C,フランジトリム7が介在し
て、これに、リブ13等の潰れ残り20が介在すること
になるので、有効なエネルギ吸収ストロークSとして
は、トリム10表面とフランジ部5の端縁との距離(出
っ張り量)D1よりもこれらの介在物の厚みD2分だけ
減少する(S=D1−D2)。
【0020】したがって、頭部を模した衝撃体Hを衝突
させた場合に、最も理想的には、衝撃体Hが符合H1で
示すようにフランジ部5の端縁に当接する直前まで衝撃
エネルギを吸収し続けられればよいが、実際には、衝撃
体HがH2の位置からH3の位置まで進むまでの間に衝
撃吸収を行なわなければならない。厚みD2分のトリム
10の張り出しによって、ピラー部分の幅が拡幅するこ
とになり、ドア開口幅を縮小させて乗降性を低下させる
不具合や、車両の外観(見栄え)を悪化させる不具合な
どを招くのである。
【0021】ところで、実開平3−37040号公報に
はピラーガーニッシュ取付構造が開示さているが、この
技術はピラーガーニッシュの取付位置を調整可能とした
もので、上述のようにピラーに加わる衝撃に対しては考
慮されておらず、上述の課題を解決しうるものではな
い。また、実開平3−25349号公報や実開平3−6
8149号公報にはピラートリムの取付構造が開示さて
いるが、これらの技術はピラートリムの変形を防止しよ
うとするものでやはり上述のようにピラーに加わる衝撃
に対しては考慮されておらず、やはり、上述の課題を解
決しうるものではない。
【0022】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、乗員が頭部をピラーの車室内側に衝突しても、こ
の衝突時の衝撃エネルギを吸収しながら乗員を保護でき
るようにするとともに、この保護に伴うピラー部の拡幅
を抑制してピラー部近傍の開口幅の確保や車両の良好な
外観を確保できるようにした、車室内の衝撃エネルギ吸
収構造を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車室内の衝撃エネルギ吸収構造は、自動車に
設けられインナ部材とアウタ部材とを側縁のフランジ部
で互いに結合されてなるピラーと、該ピラーの車室内側
正面部に対応した正面部分と該ピラーの車室内側縁部に
対応した側縁部分とをそなえ該ピラーの車室内側を被覆
するトリム部材と、該インナ部材における該フランジ部
の基部に近接した車室内側縁部に該トリム部材の該側縁
部分に向かうように形成された側縁壁部と、該ピラーの
該側縁壁部と該トリム部材の該側縁部分との間に、該ト
リム部材の該側縁部分表面から該フランジ部近傍に向か
った浅い角度で加えられた衝撃エネルギを吸収しうる縁
部衝撃吸収用リブとをそなえていることを特徴としてい
る。
【0024】これにより、トリム部材の側縁部分表面か
らフランジ部近傍に向かって浅い角度で衝撃が加えられ
ると、この衝撃エネルギは、縁部衝撃吸収用リブによっ
て吸収される。このとき、縁部衝撃吸収用リブは、変形
したり破壊したりしながら、ピラーの側縁壁部に支持さ
れながら側縁壁部とトリム部材の側縁部分との間で衝撃
エネルギの吸収を行なうが、これに伴って、縁部衝撃吸
収用リブの一端側の該トリム部材の側縁部分も、ピラー
の側縁壁部に向かう。
【0025】ピラーの側縁壁部は、フランジ部よりも車
室内側に位置しているので、トリム部材の側縁部分を、
フランジ部を回避するようにして、フランジ部よりも車
室内側へ案内することが可能になる。これにより、トリ
ム部材の側縁部分をピラーのフランジ部へ当接しないよ
うな位置に案内することで、トリム部材の変形がピラー
の側縁端部によって規制されなくなって、トリム部材の
衝撃エネルギ吸収ストロークが増大する。
【0026】請求項2記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造は、請求項1記載の構成において、該側縁
壁部が、該インナ部材に形成されていることを特徴とし
ている。これにより、縁部衝撃吸収用リブの衝撃エネル
ギ吸収時に、インナ部材に形成された側縁壁部が、縁部
衝撃吸収用リブの一体を支持する。
【0027】請求項3記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造は、請求項1記載の構成において、該側縁
壁部が、該インナ部材に装備されたシートベルト用部材
に形成されていることを特徴としている。これにより、
縁部衝撃吸収用リブの衝撃エネルギ吸収時に、シートベ
ルト用部材に形成された側縁壁部が、縁部衝撃吸収用リ
ブの一体を支持する。
【0028】請求項4記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成
において、該縁部衝撃吸収用リブ及び該トリム部材が樹
脂材料により一体形成されていることを特徴としてい
る。これにより、該衝撃吸収用リブを該トリム部材と協
働させながら該衝撃エネルギの吸収を行ない易くなる。
また、部品点数を削減でき、型成形等により該衝撃吸収
用リブ及び該トリム部材を極めて容易に製造することも
できる。
【0029】請求項5記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成
において、該ピラーの車室内側正面部と該トリム部材の
該正面部分との間に、該トリム部材に車室内側正面から
加えられた衝撃エネルギを吸収しうる正面衝撃吸収用リ
ブとをそなえていることを特徴としている。これによ
り、正面衝撃吸収用リブが、ピラーの車室内側正面部と
トリム部材の正面部分との間で、トリム部材に車室内側
正面から加えられた衝撃エネルギを吸収する。
【0030】請求項6記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成
において、該縁部衝撃吸収用リブ及び該正面衝撃吸収用
リブが、該トリム部材に対してほぼ垂直な方向へ向けら
れたハニカム構造に形成されていることを特徴としてい
る。これにより、ピラーに対する車室内側正面側からの
衝撃荷重成分に対しては、ハニカム構造を形成する正面
衝撃吸収用リブが主体となって縁部衝撃吸収用リブと協
働しながらエネルギ吸収を行ない、ピラーに対する車室
前後方向からの衝撃荷重成分に対しては、該縁部衝撃吸
収用リブ主体となって正面衝撃吸収用リブと協働しなが
らエネルギ吸収を行なう。
【0031】請求項7記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造は、請求項6記載の構成において、該正面
衝撃吸収用リブが、該ピラーの長手方向へ延びた複数の
縦方向リブと、該ピラーの幅方向へ延びた複数の横方向
リブとが互いに結合することにより形成されて、該正面
衝撃吸収用リブ自体が該ハニカム構造を形成しているこ
とを特徴としている。
【0032】これにより、該正面衝撃吸収用リブが、複
数の縦方向リブと複数の横方向リブとからハニカム構造
を形成しているので、衝撃エネルギが多数のリブに分担
されるようになる。請求項8記載の本発明の車室内の衝
撃エネルギ吸収構造は、請求項1〜7のいずれかに記載
の構成において、該トリム部材の側縁端が、該ピラーの
縁部に形成されたフランジ部よりも車室内側に位置する
ように構成されていることを特徴としている。
【0033】これにより、トリム部材の側縁端が、ピラ
ーの縁部に形成されたフランジ部よりも車室内側に位置
するので、衝撃エネルギの吸収時に、トリム部材の側縁
部分がフランジ部を回避するようにフランジ部に当接し
ない車室内側へ案内することができ、トリム部材の変形
がピラーの側縁端部によって規制されなくなって、トリ
ム部材の衝撃エネルギ吸収ストロークが増大する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。まず、図1〜図4を参照し
て、本発明の第1実施形態を説明する。なお、この実施
形態では、衝撃エネルギ吸収構造がセンタピラーに設け
られているものを例として説明する。
【0035】図1に示すように、ピラー(センタピラ
ー)1のピラーインナ(インナ部材)2の車室内側面2
Aを被覆するように、トリム(トリム部材)10が装備
されている。このトリム10の内側には、衝撃吸収用リ
ブ11及びピラー当接部16が設けられ、ピラー当接部
16がピラーインナ2に当接するようにトリム10をピ
ラーインナ2に装着することで、ピラーインナ2の車室
内側面2Aとトリム10との間に、この衝撃吸収用リブ
11が介在するようになっている。
【0036】本実施形態では、トリム10及び衝撃吸収
用リブ11はいずれも樹脂製であり、特に、衝撃吸収用
リブ11はトリム10と一体成形により形成されてい
る。なお、3はピラーアウタ(アウタ部材)であり、ピ
ラーインナ2及びピラーアウタ3はそれぞれ両縁部にフ
ランジ部分をそなえ、対応する各フランジ部分で溶接等
により互いに結合し、フランジ結合部(以下、フランジ
部という)4,5を形成している。
【0037】そして、ピラーインナ2は、車内側正面
(車幅方向)に向いた正面壁部21と、車内側前方(車
長方向)及び車内側後方(車長方向)に向いた側縁壁部
22,23とをそなえている。正面壁部21は、ピラー
インナ2の車幅方向中央に上下に延在し、側縁壁部2
2,23は、ピラーインナ2の正面壁部21の両側に上
下に延在する。また、フランジ部4,5は、側縁壁部2
2,23の外側に形成される。さらに、側縁壁部22,
23は正面壁部21とは略垂直方向に向けられている。
【0038】トリム10は、図1,図2に示すように、
ピラーインナ2の幅方向中央に上下に延在する正面壁部
21に対応した正面部10Aと、正面部10Aの両側縁
から滑らかに彎曲形成された側縁彎曲部10B,10C
とをそなえている。側縁彎曲部10B,10Cは、ピラ
ーインナ2の縁部に形成された側縁壁部22,23及び
フランジ部4,5を車室内側から覆っており、また、側
縁彎曲部10B,10Cの端縁10b,10cはフラン
ジ部4,5の位置よりもやや車体内方に位置している。
【0039】そして、トリム10のピラー当接部16
は、ピラーインナ2の正面壁部21に当接する正面部1
6Aと、側縁壁部22,23に当接する側縁部16B,
16Cとをそなえている。衝撃吸収用リブ11は、この
ようなトリム10の裏面に形成されるが、図1,図2に
示すように、トリム10の正面部10Aの裏面に形成さ
れた正面衝撃吸収用リブ(以下、正面リブという)12
と、トリム10の側縁彎曲部10B,10Cの裏面に形
成された縁部衝撃吸収用リブ(以下、縁部リブという)
13とをそなえている。
【0040】正面リブ12は、ピラー1の長手方向へ延
びるように所要間隔で並んだ複数の縦方向リブ14A,
14Bと、ピラー1の幅方向へ延びるように所要間隔で
並んだ複数の横方向リブ15とが互いに結合することに
より構成されており、これらの縦方向リブ14A,14
Bと複数の横方向リブ15とにより、4角形セルの配列
されたハニカム構造に形成されている。
【0041】なお、縦方向リブ14A,14Bの各先端
14a,14b及び横方向リブ15の各先端15aはい
ずれもピラー当接部16の正面部16Aに結合してお
り、正面方向(a方向)からの衝撃に対して、正面部1
6Aを介してピラーインナ2の正面壁部21との間で適
度な剛性を発揮しながら、衝撃エネルギを吸収しうるよ
うになっている。
【0042】縁部リブ13は、横方向リブ15と平行に
なるようにピラー1の幅方向へ所要間隔で複数延設され
たもので、その側縁13aはトリム10の側縁彎曲部1
0B,10Cの端縁10b,10cまで形成されてい
る。また、その先端13bは縦方向リブ14A,14B
の外面及びピラー当接部16の側縁部16B,16Cに
結合しており、略4角形のセルの配列した一種のハニカ
ム構造に形成されている。ここでは、トリム10の側縁
彎曲部10B,10Cには衝撃吸収上比較的大きな剛性
が要求されるので、縁部リブ13は横方向リブ15より
も高密度に設けられている。
【0043】また、ピラー当接部16の側縁部16B,
16C及び縁部リブ13の側縁13aは、トリム10の
側縁彎曲部10B,10Cの端縁10b,10cと同様
に、フランジ部4,5のフランジトリム6,7の内側に
位置しており、例えば、トリム10の側縁彎曲部10
B,10Cにc′方向又はc方向といった浅い角度から
斜めに衝撃が加わった場合に、トリム10の側縁彎曲部
10B,10Cはフランジ部4,5に妨げられることな
く、変位できるようになっている。
【0044】なお、トリム10自体や各リブ13,14
A,14B,15は所要の剛性が得られるように、各厚
みや間隔を所要の大きさに設定されている。つまり、ト
リム10の表面から所要の大きさの衝撃荷重が加わる
と、各リブ13,14A,14B,15が座屈してさら
に破壊しながら衝撃エネルギを吸収していくが、この時
には、衝撃荷重として加わった衝撃体に対して抗力を与
えながら、衝撃体の速度を減じて衝撃体を停止させるこ
とになる。この時に、衝撃体に与える抗力が大き過ぎれ
ば、十分な緩衝にはならいので、有効な緩衝状態が得ら
れるように各リブ13,14A,14B,15の剛性が
高くなり過ぎないように抑える必要がある。逆に、各リ
ブ13,14A,14B,15の剛性が低過ぎれば、衝
撃体を停止させるまでに大きな距離が必要になるため、
各リブ13,14A,14B,15の剛性は低過ぎても
いけない。
【0045】また、トリム10とピラーインナ2との距
離d1,d2も、各リブ13,14A,14B,15の
剛性に対応するように設定されており、トリム10の表
面から所要の大きさの衝撃荷重が加わった際に、各リブ
13,14A,14B,15が座屈してさらに破壊しな
がらトリム10がピラーインナ2側に当接する前に、衝
撃エネルギを全て吸収しうるようになっている。
【0046】なお、図3は、トリム10の変形量に対す
る発生荷重を示すもので、対変形量の発生荷重が例えば
図中斜線で示すような範囲内にくるように設定したい。
特に、発生荷重をL1〜L2の範囲内になるようにした
いが、このとき、できるだけ変形量は小さくしたい。そ
こで、図4に示すように、有効格子点数を変化させてい
って荷重特性を試験すると、形状にもよるが、ほぼ曲線
B1のような特性となり、適当な有効格子点数で荷重を
L1〜L2の範囲内に設定することができる。なお、図
4中に示す各点は、実験データであり、各サンプル毎に
点の形状をかえている。
【0047】また、有効格子点数とは、図2に符号Kで
示すような縦方向リブと横方向リブとが交差する点(格
子点)のうち、衝撃体に作用する格子点の数であり、リ
ブの厚さをほぼ一定として得られた特性である。本発明
の第1実施形態としての車室内の衝撃エネルギ吸収構造
は、上述のように構成されているので、乗員がピラー1
回りに衝突しようとした際に、以下のようにして、緩衝
して乗員を保護する。
【0048】つまり、例えば図1中に示すように、トリ
ム10の正面部10Aにa方向から衝撃が加わると、主
として横方向リブ15及び縦方向リブ14A,14Bが
この衝撃を負担し、これらのリブ14A,14B,15
が衝撃エネルギに応じて座屈変形したり破壊したりしな
がら、トリム10の正面部10Aがピラーインナ2に達
する前に、この衝撃エネルギを吸収する。したがって、
乗員がトリム10の正面部10Aにa方向から衝突して
も衝撃が一定レベル以下に緩衝され、乗員を保護するこ
とができる。
【0049】また、例えば図1中に示すように、トリム
10の正面部10Aと側縁彎曲部10B,10Cとのつ
ながり部分にb′方向又はb方向から衝撃が加わると、
主として縁部リブ13及びリブ14A又は14Bがこの
衝撃を負担し、これらのリブ13,リブ14A又は14
Bが衝撃エネルギに応じて座屈変形したり破壊したりし
ながら、トリム10がピラーインナ2の角部に達する前
に、この衝撃エネルギを吸収する。したがって、乗員が
トリム10にb方向から衝突しても衝撃が一定レベル以
下に緩衝され、乗員を保護することができる。
【0050】また、例えば図1中に示すように、トリム
10の側縁彎曲部10B,10Cにc′方向又はc方向
から衝撃が加わると、この場合も、主として縁部リブ1
3がこの衝撃を負担し、リブ13が衝撃エネルギに応じ
て座屈変形したり破壊したりしながら、トリム10がピ
ラー1のフランジ部4,5が露出する位置に達する前
に、この衝撃エネルギを吸収する。したがって、乗員が
トリム10にb方向から衝突しても衝撃が一定レベル以
下に緩衝され、乗員を保護することができる。
【0051】特に、このc′方向又はc方向から衝撃が
加わった際には、リブ13の変形や破壊とともに、トリ
ム10の側縁彎曲部10B,10Cが変位するが、本構
造では、側縁彎曲部10Cについて鎖線で示すように、
側縁彎曲部10B,10Cはフランジ部4,5に妨げら
れることなく変位できるため、リブ13等の潰れ残り2
0があっても、トリム10表面とフランジ部5の端縁と
の距離(出っ張り量)D1の全てを有効なエネルギ吸収
ストロークSとすることができる。
【0052】すなわち、トリムやリブの厚みやリブ等の
潰れ残りなどの影響が解消されて、乗員を模した衝撃体
Hを衝突させた場合には、図13に示すように、衝撃体
Hが符合H1で示すようにフランジ部5の端縁に当接す
る直前まで衝撃エネルギを吸収し続けることができる。
したがって、トリム10表面とフランジ部5の端縁との
距離D1(図13参照)を全て衝撃エネルギの吸収スト
ロークSとして有効に利用することができるのである。
【0053】この結果、吸収ストロークSを十分に確保
できるようにしながらもピラー部分の幅の拡幅を抑制す
ることができ、ドア開口幅の縮小を回避して、乗降性を
確保することや、車両の外観(見栄え)を良好にするな
どの効果を得ることができる。また、トリム10の側縁
彎曲部10B,10Cは、フランジ部4,5を車室内側
から被覆するように配設されているので、ピラー部近傍
の車室内側の外観が向上する。
【0054】なお、図5に示すように、トリム10のピ
ラー当接部16を省略して、リブ14A,14Bの先端
部内側をピラーインナ2の側縁壁部22,23に接合さ
せるようにして、且つ、リブ15の先端15aをピラー
インナ2の正面壁部21に当接させるように構成しても
よい。この場合、リブ14A,14Bの各先端14a,
14bは、いずれも縁部リブ13の側縁13a及びトリ
ム10の側縁彎曲部10B,10Cの端縁10b,10
cまで延設する。
【0055】次に、図6〜図8を参照して本発明の第2
実施形態を説明すると、図6に示すように、この実施形
態の衝撃エネルギ吸収構造もセンタピラーに関している
が、本実施形態では、衝撃対称箇所にシートベルトアン
カハイトアジャスタレール30がそなえられたものを対
象としている。アジャスタレール30は、図8に示すよ
うに、シートベルトアンカ31の高さ調整をするもの
で、一般に、車両に乗車した乗員の衝突しうる箇所にそ
なえられている。アジャスタレール30の両縁部には、
図6に示すように、車両前後方向にそれぞれ向いた壁面
(側縁壁部)32A,32Bがそなえられており、トリ
ム10のアジャスタレール30に対応する箇所には、長
穴33が形成されている。
【0056】また、トリム10は、第1実施形態と略同
様に、正面部10Aと側縁彎曲部10B,10Cとをそ
なえ、トリム10の内側には、衝撃吸収用リブ11が設
けられている。また、トリム10及び衝撃吸収用リブ1
1はいずれも樹脂製であって、一体成形により形成され
ている。衝撃吸収用リブ11は、図6,図7に示すよう
に、トリム10の正面部10Aの裏面に形成された正面
リブ12と、トリム10の側縁彎曲部10B,10Cの
裏面に形成された縁部リブ13とをそなえ、正面リブ1
2は、ピラー1の長手方向へ延びるように所要間隔で並
んだ複数の縦方向リブ14A,14B,14C,14D
と、ピラー1の幅方向へ延びるように所要間隔で並んだ
複数の横方向リブ15A,15Bとが互いに結合するこ
とにより構成されており、これらの縦方向リブ14A,
14B,14C,14Dと複数の横方向リブ15A,1
5Bとにより、4角形セルの配列されたハニカム構造に
形成されている。
【0057】縁部リブ13は、横方向リブ15A,15
Bと平行になるようにピラー1の幅方向へ所要間隔で複
数延設されたもので、その側縁13aはトリム10の側
縁彎曲部10B,10Cの端縁10b,10cまで形成
されている。また、その先端13bは縦方向リブ14
A,14Bの外面に結合しており、略4角形のセルの配
列した一種のハニカム構造に形成されている。ここで
は、トリム10の側縁彎曲部10B,10Cには衝撃吸
収上比較的大きな剛性が要求されるので、縁部リブ13
は横方向リブ15よりも高密度に設けられている。
【0058】特に、乗員の衝突する可能性ある箇所、即
ち、アジャスタレール30の両側では、浅い角度(例え
ばc方向やc′方向)の衝撃を受けた際に、縦方向リブ
14A,14Bが壁面32A,32Bに当接しうるよう
に接近して配設されている。なお、トリム10の正面部
10Aの長穴33形成部分には、凹み10Dが形成され
いてる。
【0059】本発明の第2実施形態としての車室内の衝
撃エネルギ吸収構造は、上述のように構成されているの
で、トリム10の正面部10Aにa方向から衝撃が加わ
ると、主として横方向リブ15A,15B及び縦方向リ
ブ14A,14B,14C,14Dが衝撃エネルギに応
じて座屈変形したり破壊したりしながら、トリム10の
正面部10Aがピラーインナ2に達する前に、この衝撃
エネルギを吸収する。また、b′方向又はb方向から衝
撃が加わると、主として縁部リブ13及びリブ14A又
は14Bが衝撃エネルギに応じて座屈変形したり破壊し
たりしながら、トリム10がピラーインナ2の角部に達
する前に、この衝撃エネルギを吸収する。したがって、
乗員がトリム10にb方向から衝突しても衝撃が一定レ
ベル以下に緩衝され、乗員を保護することができる。そ
して、c′方向又はc方向から衝撃が加わると、主とし
て縁部リブ13が衝撃エネルギに応じて座屈変形したり
破壊したりしながら、トリム10がピラー1のフランジ
部4,5が露出する位置に達する前に、この衝撃エネル
ギが吸収される。したがって、乗員がトリム10にb方
向から衝突しても衝撃が一定レベル以下に緩衝され、乗
員を保護することができる。
【0060】特に、このc′方向又はc方向から衝撃が
加わった際には、リブ13の変形や破壊とともに、トリ
ム10の側縁彎曲部10B,10Cが変位するが、本構
造では、側縁彎曲部10Cについて鎖線で示すように、
側縁彎曲部10B,10Cはフランジ部4,5に妨げら
れることなく変位できるため、リブ13等の潰れ残り2
0があっても、トリム10表面とフランジ部5の端縁と
の距離(出っ張り量)D1の全てを有効なエネルギ吸収
ストロークSとすることができる。
【0061】これにより、第1実施形態と同様な効果を
得ることができる。なお、各実施形態では、リブ11を
トリム10と一体成形しているが、これらは別体でもよ
く、また、このリブ11のように、正面方向(a方向)
や斜め方向(b,b′方向)からの衝撃エネルギを吸収
する部材を、樹脂以外の金属等を用いてその弾性変形や
塑性変形を利用するようにしてもよい。さらには、これ
らとともに、ゴムやウレタン等のクッション材などを利
用してもよい。
【0062】さらに、上述の各実施形態は、センタピラ
ーに関しているが、本構造はフロントピラーやリヤピラ
ーなど他のピラーにも適用できる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車室内の衝撃エネルギ吸収構造によれば、自動車
に設けられインナ部材とアウタ部材とを側縁のフランジ
部で互いに結合されてなるピラーと、該ピラーの車室内
側正面部に対応した正面部分と該ピラーの車室内側縁部
に対応した側縁部分とをそなえ該ピラーの車室内側を被
覆するトリム部材と、該インナ部材における該フランジ
部の基部に近接した車室内側縁部に該トリム部材の該側
縁部分に向かうように形成された側縁壁部と、該ピラー
の該側縁壁部と該トリム部材の該側縁部分との間に、該
トリム部材の該側縁部分表面から該フランジ部近傍に向
かった浅い角度で加えられた衝撃エネルギを吸収しうる
縁部衝撃吸収用リブとをそなえるという構成により、該
トリム部材の側縁部からピラーに向かう衝撃を吸収する
際に要する吸収ストロークを、トリム部材(即ち、ピラ
ー部分)の幅を拡張しないでも、確保することができる
ようになり、ピラーへの車室内側からの衝撃エネルギを
吸収して乗員を保護できるようにしながら、この保護に
伴うピラー部の拡幅を抑制してピラー部近傍の開口幅の
確保や車両の良好な外観を確保できるようになる効果が
ある。
【0064】請求項2記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造によれば、請求項1記載の構成において、
該側縁壁部が、該インナ部材に形成されるという構成に
より、衝撃エネルギの吸収を確実に行なえ、エネルギの
吸収ストロークも効率よく得ることができる。請求項3
記載の本発明の車室内の衝撃エネルギ吸収構造によれ
ば、請求項1記載の構成において、該側縁壁部が、該イ
ンナ部材に装備されたシートベルト用部材に形成される
という構成により、シートベルト用部材を領しながら、
衝撃エネルギの吸収を確実に行なえ、エネルギの吸収ス
トロークも効率よく得ることができる。
【0065】請求項4記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造によれば、請求項1〜3のいずれかに記載
の構成において、該縁部衝撃吸収用リブ及び該トリム部
材が樹脂材料により一体形成されるという構成により、
衝撃エネルギの吸収を行ない易くなり、また、部品点数
を削減でき、型成形等により該衝撃吸収用リブ及び該ト
リム部材を極めて容易に製造することもでき、コスト低
減効果もある。
【0066】請求項5記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造によれば、請求項1〜4のいずれかに記載
の構成において、該ピラーの車室内側正面部と該トリム
部材の該正面部分との間に、該トリム部材に車室内側正
面から加えられた衝撃エネルギを吸収しうる正面衝撃吸
収用リブとをそなえるという構成により、請求項6記載
の本発明の車室内の衝撃エネルギ吸収構造によれば、請
求項1〜5のいずれかに記載の構成において、該縁部衝
撃吸収用リブ及び該正面衝撃吸収用リブが、該トリム部
材に対してほぼ垂直な方向へ向けられたハニカム構造に
形成されるという構成により、リブの厚みやトリム部材
の大きさを抑制しながら効率よく衝撃エネルギの吸収を
行なえ、乗員保護効果が高まる。
【0067】請求項7記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造によれば、請求項6のいずれかに記載の構
成において、該正面衝撃吸収用リブが、該ピラーの長手
方向へ延びた複数の縦方向リブと、該ピラーの幅方向へ
延びた複数の横方向リブとが互いに結合することにより
形成されて、該正面衝撃吸収用リブ自体が該ハニカム構
造を形成するという構成により、リブの厚みやトリム部
材の大きさを抑制しながら効率よく衝撃エネルギの吸収
を行なえ、乗員保護効果が高まる。
【0068】請求項8記載の本発明の車室内の衝撃エネ
ルギ吸収構造によれば、請求項1〜7のいずれかに記載
の構成において、該トリム部材の側縁端が、該ピラーの
縁部に形成されたフランジ部よりも車室内側に位置する
ように構成されることにより、トリム部材の変形のピラ
ーの側縁端部による規制を確実に防止でき、トリム部材
の衝撃エネルギ吸収ストロークを確実に増大させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造を示すピラー部分の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造を有するトリムの裏面を示す正面図であ
る。
【図3】本発明の第1実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造の発生加重に関して示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造の発生加重の設定に関して示す図であ
る。
【図5】本発明の第1実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造の変形例を示すピラー部分の断面図であ
る。
【図6】本発明の第2実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造を示すピラー部分の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造を有するトリムの裏面を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明の第2実施形態としての車室内の衝撃エ
ネルギ吸収構造を有するトリムの表面を示す斜視図であ
る。
【図9】本発明の車室内の衝撃エネルギ吸収構造の対象
として考えられる衝撃荷重に関して説明するピラー部分
の断面図である。
【図10】従来よりピラー部分に装備されるトリムを示
す斜視図である。
【図11】本発明の案出過程で提案された技術を示すト
リム裏面の斜視図である。
【図12】本発明の案出過程で提案された技術を示すピ
ラー部分の断面図である。
【図13】本発明の課題を説明するピラー部分の要部断
面図である。
【符号の説明】
1 ピラー(センタピラー) 2 ピラーインナ(インナ部材) 2A ピラーインナ2の車室内側面 3 ピラーアウタ(アウタ部材) 4,5 ピラー1のフランジ結合部(フランジ部) 6,7 フランジトリム 10 トリム(トリム部材) 10A トリム10の正面部 10B,10C トリム10の側縁彎曲部 10D 凹み 10b 側縁彎曲部10Bの端縁 10c 側縁彎曲部10Cの端縁 11 衝撃吸収用リブ 12 正面リブ(正面衝撃吸収用リブ) 13 縁部リブ(縁部衝撃吸収用リブ) 13a 縁部リブ13の側縁 13b 縁部リブ13の先端 14A,14B,14C,14D 縦方向リブ 14a 縦方向リブ14Aの先端 14b 縦方向リブ14Bの先端 15,15A,15B 横方向リブ 16 ピラー当接部 16A ピラー当接部16の正面部 16B,16C ピラー当接部16の側縁部 21 ピラーインナ2の正面壁部 22,23 ピラーインナ2の側縁壁部 30 シートベルトアンカハイトアジャスタレール 31 シートベルトアンカ 32A,32B 壁面(側縁壁部) 33 長穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 亮介 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車に設けられインナ部材とアウタ部
    材とを側縁のフランジ部で互いに結合されてなるピラー
    と、 該ピラーの車室内側正面部に対応した正面部分と該ピラ
    ーの車室内側縁部に対応した側縁部分とをそなえ該ピラ
    ーの車室内側を被覆するトリム部材と、 該インナ部材側における該フランジ部の基部に近接した
    車室内側縁部に該トリム部材の該側縁部分に向かうよう
    に形成された側縁壁部と、 該側縁壁部と該トリム部材の該側縁部分との間に、該ト
    リム部材の該側縁部分表面から該フランジ部近傍に向か
    った浅い角度で加えられた衝撃エネルギを吸収しうる縁
    部衝撃吸収用リブとをそなえていることを特徴とする、
    車室内の衝撃エネルギ吸収構造。
  2. 【請求項2】 該側縁壁部が、該インナ部材に形成され
    ていることを特徴とする、請求項1記載の車室内の衝撃
    エネルギ吸収構造。
  3. 【請求項3】 該側縁壁部が、該インナ部材に装備され
    たシートベルト用部材に形成されていることを特徴とす
    る、請求項1記載の車室内の衝撃エネルギ吸収構造。
  4. 【請求項4】 該縁部衝撃吸収用リブ及び該トリム部材
    が樹脂材料により一体形成されていることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の車室内の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  5. 【請求項5】 該ピラーの車室内側正面部と該トリム部
    材の該正面部分との間に、該トリム部材に車室内側正面
    から加えられた衝撃エネルギを吸収しうる正面衝撃吸収
    用リブとをそなえていることを特徴とする、請求項1〜
    4のいずれかに記載の車室内の衝撃エネルギ吸収構造。
  6. 【請求項6】 該縁部衝撃吸収用リブ及び該正面衝撃吸
    収用リブが、該トリム部材に対してほぼ垂直な方向へ向
    けられたハニカム構造に形成されていることを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の車室内の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  7. 【請求項7】 該正面衝撃吸収用リブが、該ピラーの長
    手方向へ延びた複数の縦方向リブと、該ピラーの幅方向
    へ延びた複数の横方向リブとが互いに結合することによ
    り形成されて、該正面衝撃吸収用リブ自体が該ハニカム
    構造を形成していることを特徴とする、請求項6記載の
    車室内の衝撃エネルギ吸収構造。
  8. 【請求項8】 該トリム部材の側縁端が、該ピラーの縁
    部に形成されたフランジ部よりも車室内側に位置するよ
    うに構成されていることを特徴とする、請求項1〜7の
    いずれかに記載の車室内の衝撃エネルギ吸収構造。
JP7179213A 1994-08-25 1995-07-14 車室内の衝撃エネルギ吸収構造 Pending JPH0924785A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7179213A JPH0924785A (ja) 1995-07-14 1995-07-14 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
US08/793,537 US6050631A (en) 1994-08-25 1995-08-24 Impact energy absorbing structure for vehicle cabin
EP95929218A EP0776792B1 (en) 1994-08-25 1995-08-24 Impact energy absorption structure for interior of vehicle
PCT/JP1995/001678 WO1996005984A1 (fr) 1994-08-25 1995-08-24 Structure d'absorption d'energie d'impact pour l'interieur d'un vehicule
KR1019950706059A KR100237663B1 (ko) 1994-08-25 1995-08-24 차실내의 충격에너지흡수구조
DE69526736T DE69526736T2 (de) 1994-08-25 1995-08-24 Aufprallenergieabsorbierende struktur für einen fahrzeuginnenraum
US09/433,022 US6126231A (en) 1994-08-25 1999-11-03 Impact energy absorbing structure for vehicle cabin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7179213A JPH0924785A (ja) 1995-07-14 1995-07-14 車室内の衝撃エネルギ吸収構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0924785A true JPH0924785A (ja) 1997-01-28

Family

ID=16061918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7179213A Pending JPH0924785A (ja) 1994-08-25 1995-07-14 車室内の衝撃エネルギ吸収構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0924785A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6126231A (en) Impact energy absorbing structure for vehicle cabin
US6361092B1 (en) Automotive frame bumper interface for discriminated deceleration response
US6474724B2 (en) Vehicle pillar having an interior protuberance at the roof headliner
US6312008B1 (en) Airbag system with energy absorption bracket
JPH11129840A (ja) 衝撃吸収部材
CN101857002B (zh) 汽车的车室侧壁结构
JP3320213B2 (ja) 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
JP2985676B2 (ja) 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
JPH0924785A (ja) 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
JP3493755B2 (ja) ピラー用頭部衝撃吸収保護カバー
JP2979970B2 (ja) 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
JP3457890B2 (ja) 車両用ドアの衝撃吸収構造
JPH09254728A (ja) 自動車用車体構造
JP2001206177A (ja) 車体側部のエネルギー吸収構造
JP2979971B2 (ja) 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
JPH0872644A (ja) 車室構造部材の衝撃エネルギ吸収構造
JPH0924786A (ja) 車室内の衝撃エネルギ吸収構造
Kiuchi et al. Air Bag System for Side Impact Occupant Protection 916020
JPH04128912U (ja) 自動車用ドア
JP3301301B2 (ja) 自動車用車体構造
JP3433078B2 (ja) 車両用内装部品の衝撃吸収構造
JPH0750254Y2 (ja) ドア・パネル構造
JP3158827B2 (ja) 車体側部のエネルギー吸収構造
JP3361759B2 (ja) 自動車の車体上部乗員保護構造
JPH05238260A (ja) 自動車の乗員保護装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020716