JPH09247388A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JPH09247388A
JPH09247388A JP8052748A JP5274896A JPH09247388A JP H09247388 A JPH09247388 A JP H09247388A JP 8052748 A JP8052748 A JP 8052748A JP 5274896 A JP5274896 A JP 5274896A JP H09247388 A JPH09247388 A JP H09247388A
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JP
Japan
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image
reading
scanning
sensor
lens system
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JP8052748A
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English (en)
Inventor
Yoshiya Imoto
善弥 伊本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿画像を斜め方向から読み取る際の不都合
(ピンボケ,画像歪み)を、画質を劣化させることなく
解消できる画像読取装置を提供する。 【解決手段】 原稿面に記録された画像を斜め方向から
光学的に読み取る画像読取装置において、原稿面で反射
した光を結像させる結像レンズ系4と、この結像レンズ
系4によって結像された光を主走査方向に読み取るCC
Dセンサ5と、このCCDセンサ5と原稿面とを副走査
方向に相対的に走査させる走査機構8と、この走査機構
8による走査に同期して結像レンズ系4の焦点距離を変
更する焦点距離変更手段(6,7,12〜19)とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿上の画像を光
学的に読み取る画像読取装置に関し、特に、原稿を斜め
方向から読み取る際に用いて好適な画像読取装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】画像読取装置の代表的なものとして、透
明ガラスからなる原稿台の上に原稿を載せ、原稿台の下
方に組み込んだ露光ランプ、ミラー、結像レンズ、セン
サ等からなる光学走査系によって原稿画像を読み取る方
式があり、これはフラッドベッド型と呼ばれている。と
ころが、この方式では、原稿サイズ以上の装置設置面積
が必要になることから、オフィスのデスク上に常時置い
ておくには大き過ぎてデスクワークの邪魔になるという
不都合があった。一方、カメラの撮影台の形式で、原稿
の画像を真上から読み取る方式も提案されているが、こ
の方式では原稿セット位置の真上に読取部を配置する必
要があるため、読取部を支持するアーム機構まで考慮す
ると、装置全体が非常に大掛かりなものとなってしま
う。
【0003】このように画像読取装置の設置スペースの
問題から、マルチメディア化によって様々な画像情報が
パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称)等で
手軽に扱えるようになったにもかかわらず、画像読取装
置をパソコンオペレータのデスク上にコンパクトに設置
し得る環境になっていない。これに対して、ワークステ
ーションやパソコンをテレビ電話のように使用するた
め、パソコン等のCRT(陰極線管)の上にモニタカメ
ラを設置し、オペレータを撮影する方式も知られてお
り、この方式を利用して、デスク上に置かれた原稿を撮
影する提案もなされている。例えば、特開平7−140
373号公報(以下、従来公報という)では、CRT上
に2次元CCDセンサを内蔵したカメラを設置し、デス
ク上に置かれた原稿を斜め上方から撮影する方式が開示
され、これによって画像読取装置の設置スペースの問題
を解消している。ところが、このように原稿を斜めから
撮影する方式では、カメラの撮像光学系の光軸と被写体
である原稿面とが垂直にならないので、原稿両端での焦
点距離のズレによってフォーカス状態が変わり、いわゆ
るビンボケが発生する。また、遠近法の関係で、例えば
長方形の原稿が台形に写ってしまうなどの画像歪みも発
生する。そこで、上記従来公報では、ピンボケの問題に
対しては、カメラ光軸に対し傾いた原稿面の像が結像さ
れる結像面を2次元センサ面と一致するように、センサ
面の傾きを補正することで対処している。さらに、画像
歪みの問題に対しては、見掛け上の原稿幅が同一になる
よう、画像読取後に解像度変換処理を行って対処してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、解像度
変換処理の場合は、隣接画素のデータの内分比によっ
て、その隣接画素間に新たな画素データを作り出すこと
になるため、実質的にはボカシ処理となる。一例とし
て、400spiの解像度で画像データを変換出力する
場合を考えてみる。このとき、処理前の画像データをx
〔i〕、処理後の画像データをx’〔i〕として、解像
度を1.1倍に高くする場合は、以下のような数式に従
って解像度変換処理が行われる。 x’
〔0〕=x
〔0〕 x’〔1〕=x
〔0〕×(1/11)+x〔1〕×(10/11) ・ ・ x’〔i〕=x〔i−1〕×(i/11)+x〔i〕×{(11−i)/11} ・ ・ x’〔10〕=x
〔9〕×(10/11)+x〔10〕×{1/11} x’〔11〕=x〔10〕 ・ ・
【0005】ここで、実際に読取解像度を10パーセン
トずつ変えて、51本/mmの空間周波数の原稿画像を
読み取り、これをデジタル的な解像度変換処理を行って
400spiに変換した場合の読取画像データを図18
に示す。図18において、(a)は360spiの読取
解像度で原稿画像を読み取ったのち、400spiに解
像度変換して出力された画像データ、(b)は400s
piの読取解像度で原稿画像を読み取り、そのまま解像
度変換せずに出力された画像データ、(c)は440s
piの読取解像度で原稿画像を読み取ったのち、400
spiに解像度変換して出力された画像データである。
この図18の結果から、読取解像度が400spiより
高くても低くても、解像度変換処理によって読取画像の
モジュレーションが低下し、画質が劣化していることが
分かる。
【0006】さらに従来公報においては、2次元センサ
を採用することを前提としているが、一般に2次元セン
サの解像度は、フラットベッド型の読取装置に採用され
る1次元センサの解像度に比べて低いものとなってい
る。また最近では、2次元センサでも1000画素×1
000画素程度の高解像度を有するものも実用化されて
いるが、これを採用すると装置コストが格段に高くなっ
てしまう。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、その主たる目的は、原稿画像を斜め方向か
ら読み取る際の不都合(ピンボケ,画像歪み)を、画質
を劣化させることなく解消できる画像読取装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、原稿面に記録された画像
を斜め方向から光学的に読み取る画像読取装置におい
て、原稿面で反射した光を結像させる結像レンズ系と、
この結像レンズ系によって結像された光を主走査方向に
読み取る読取手段と、この読取手段と原稿面とを副走査
方向に相対的に走査させる副走査手段と、この副走査手
段による走査に同期して結像レンズ系の焦点距離を変更
する焦点距離変更手段とを備えた構成を採用している。
【0009】上記構成からなる画像読取装置では、原稿
面に記録された画像を副走査手段によって副走査方向に
走査しつつ読取手段で読み取る際に、副走査手段による
走査に同期したかたちで結像レンズ系の焦点距離が焦点
距離変更手段により変更される。これにより、副走査方
向での原稿読取位置に応じて結像レンズ系での結像倍率
が連続的に変化するようになるため、読取手段側では原
稿画像を一定の結像倍率をもって読み取ることが可能と
なる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明に係わる画
像読取装置の一実施形態を示す概略構成図であり、図2
はその画像読取装置の設置状態を示す側面概略図であ
る。図示した画像読取装置の構成においては、ベースプ
レート1上に所定の間隔をあけて一対の支持アーム2が
取り付けられている。また、これら支持アーム2の先端
部には、装置本体となる球形筐体3が回動自在に支持さ
れている。この球形筐体3の内部には、装置構成上の主
要部として、原稿面で反射した光を結像させる結像レン
ズ系4と、この結像レンズ系4によって結像された光を
主走査方向に読み取るラインセンサ等の1次元CCDイ
メージセンサ(以下、単にCCDセンサという)5と、
結像レンズ系4のピント調整を行うためのオートフォー
カス用モータ(以下、AF用モータという)6と、結像
レンズ系4の倍率調整を行うためのズーム用モータ7
と、原稿面とCCDセンサ5とを副走査方向に相対的に
走査させるべく、図2の矢印方向に球形筐体3を回転走
査させる走査機構8と、結像レンズ系4の光軸に対して
CCDセンサ5のセンサ面の傾きを調整する傾き調整機
構9とが組み込まれている。
【0011】このうち、結像レンズ系4は、図3にも示
すように、凸レンズを構成する第1レンズ群10と、凹
レンズを構成する第2レンズ群11とから成るもので、
これらのレンズ群10,11は大小異なる円筒形のケー
スガイド部12,13に収められている。また、焦点距
離可変手段のメカ構成として、各ケースガイド部12,
13には、その軸方向に沿って所定幅のスリット14,
15が形成されており、これらのスリット14,15に
レンズ移動用のアーム16,17が摺動自在に係合され
ている。このうち、一方のアーム16は第1レンズ群1
0に連結され、もう一方のアーム17は第2レンズ群1
1に連結されている。また、第1レンズ群10側のアー
ム16には、上記AF用モータ6の出力軸となるスクリ
ューシャフト18が螺合され、また第2レンズ群11側
のアーム17には、上記ズーム用モータ7の出力軸とな
るスクリューシャフト19が螺合されている。
【0012】この焦点距離可変手段のメカ構成において
は、図3(a),(b)に示すように、AF用モータ6
を駆動すると、スクリューシャフト18の回転によって
アーム16がスリット14に沿って摺動し、これと一体
に第1レンズ群10が光軸方向に前後移動する。また、
ズーム用モータ7を駆動すると、スクリューシャフト1
9の回転によってアーム17がスリット15に沿って摺
動し、これと一体に第2レンズ群11が光軸方向に前後
移動する。ここで、結像レンズ系4でのピント調整とズ
ーム倍率調整は、上記二つのレンズ系の相対的な位置関
係によって決まるものであるが、ここでは各レンズ系の
調整による効果の度合いから、便宜的に、第1レンズ群
10を移動させるための駆動源をAF用モータ6と呼
び、第2レンズ群11を移動させるための駆動源をズー
ム用モータ7と呼んでいる。
【0013】一方、走査機構8の構成においては、支持
アーム2の先端部分に円板型のベースギヤ20が固定さ
れている。このベースギヤ20の側面周縁部には図示せ
ぬ歯が形成されており、その歯にウォームギア21が噛
み合っている。また、ウォームギア21はシャフト22
を介してウォームホイール23に連結されている。これ
に対して、球形筐体3の回転駆動源となる走査用モータ
24の出力軸にはウォームギヤ25が取り付けられてお
り、このウォームギヤ25に上記ウォームホイール23
が噛み合っている。
【0014】上記構成からなる走査機構8では、走査用
モータ24を駆動すると、ウォームギヤ25とウォーム
ホイール23との噛み合いによってシャフト22が回転
する。そうすると、シャフト22と一体にウォームギヤ
21も回転するため、このウォームギヤ21の回転方向
および回転量(回転速度)に従って、図2に示すように
球形筐体3が回転する。この球形筐体3の回転により、
結像レンズ系4の光軸上に位置するCCDセンサ5の画
像読取ラインを、原稿面に対して副走査方向に走査させ
ることが可能となる。
【0015】さらに、傾き調整機構9の構成において
は、CCDセンサ5が結像レンズ系4の光軸上に位置し
てセンサ基板26に実装されている。このセンサ基板2
6の両端は、CCDセンサ5の画素配列方向(主走査方
向)の軸(不図示)を中心に回転自在に支持され、その
回転軸が球形筐体3に固定されている。また、センサ基
板26の一端側には、該センサ基板26に対して回転規
制されたプーリ27が取り付けられている。これに対し
て、支持アーム2先端の球形筐体3の回転軸部分には、
その支持アーム2に対して回転規制されたプーリ28が
同軸状態で取り付けられている。これら二つのプーリ2
7,28は、互いのプーリ径が等しく設定されており、
そのプーリ27,28間にベルト29が架け渡されてい
る。
【0016】図4は本発明に係わる画像読取装置の制御
系の機能ブロック図である。図4において、画像読取装
置は、パソコン等のホストコンピュータとの間で、互い
のインターフェース回路(I/F回路)30,31を介
して通信可能となっている。ホストコンピュータのメモ
リには、画像読取装置の動作を制御するための制御プロ
グラム32が格納されており、そのプログラム内容をホ
スト側のCPUが読み取って、制御コマンドを画像読取
装置側のCPU33に送り、このコマンドに基づいてC
PU33が走査モータ制御回路34、ズームモータ制御
回路35およびAF用モータ制御回路36に制御信号を
与える構成になっている。また、CCDセンサ5から
は、実際に読み取った原稿の画像信号(アナログ信号)
が出力され、この出力された画像信号がビデオ回路37
に送られて、デジタルビデオ信号に変換されるようにな
っている。
【0017】ここで、上記構成からなる画像読取装置を
図2に示すようにパソコンのCRT38上に設置し、上
記走査機構8の動作に伴う球形筐体3の回転により、デ
スク上に置かれた原稿39の画像を読み取る場合、つま
り原稿39を斜め上方から読み取る場合を考えると、結
像レンズ系4の光軸は原稿39の両端でθ分の角度差を
生じることになる。具体例として、図5に示すように、
球形筐体3の回転中心P1から原稿面39aと同一平面
に垂直に下ろした定点P2までの高さを600mmと
し、その定点P2を始点に図中左側120mm〜420
mmの位置にA4サイズの原稿39がセットされている
と仮定する。そうした場合、球形筐体3の回転中心P1
から原稿39の読取位置までの距離は、原稿面39aに
対する結像レンズ系4の光軸の角度θに応じて612〜
732mmの範囲で変化する。したがって、原稿39を
斜め方向から読み取る場合は、上述した距離の変化によ
って画像読取装置でのピント状態と結像倍率とが変化す
ることになる。このうち、ピント状態については、1次
元センサを使用しているので、読取角度θに対応してC
CDセンサ5へのピント状態を修正することで容易に対
処できるが、これだけでは結像倍率が大きく変化して従
来同様に画像歪みを生じてしまう。
【0018】例えば、結像レンズ系の2主点間の距離を
0(ゼロ)と近似すると、原稿面と結像面との離間距離
(原稿面上の読取位置を物点とし、センサ側の結像面を
像点とした共役距離)t1は次の(1)式のように表さ
れる。 t1=(2+β+1/β)×f …(1) ここで、βは結像倍率、fは結像レンズ系の焦点距離で
ある。この(1)式の関係から、結像レンズ系の焦点距
離fが決まると、原稿面と結像面の離間距離t1によっ
てピントの合った状態の結像倍率βが変化してしまうこ
とが分かる。CCDセンサ5の読取画素の配列ピッチが
10μmで、原稿面39aの読取走査密度が1/16m
mである場合を考えると、本来の結像倍率は約1/6.
3となる。一方、図5において、球形筐体3の回転中心
P1から30mmの位置にCCDセンサ5が組み込まれ
ている場合、原稿手前側でのθ=35.0deg の読取角
度ではt1=762(732+30)mmとなり、さら
に結像倍率を本来の1/6.3とすると、結像レンズ系
の焦点距離は上記(1)式からf=90.1mmと算出
されるこれに対して、原稿奥側でのθ=11.3deg の
読取角度ではt1=642(612+30)mmとなる
ため、この原稿読取位置で焦点距離f=90.1mmの
結像レンズ系を使用して画像を読み取ると、結像倍率は
4.9となる。つまり、結像レンズ系の焦点距離を固定
すると、主走査方向の原稿走査密度(結像倍率)が原稿
39の前後端で30パーセントも変動してしまうことに
なる。
【0019】そこで本出願人は、副走査方向での走査に
同期して結像レンズ系4の焦点距離を変更すべく、結像
レンズ系4を第1レンズ群10と第2レンズ群11とに
よって構成し、さらに各々のレンズ系の相対位置をAF
用モータ6とズーム用モータ7によって可変し得る構成
を採用した。また、AF用モータ6とズーム用モータ7
には、回転制御が容易なステッピングモータを採用し
た。
【0020】以下に、原稿面39aでの読取位置によら
ず、CCDセンサ5での結像倍率を一定にする原理を図
6に基づいて説明する。この図6においては、結像レン
ズ系4の構成上、第1レンズ群10が焦点距離f=65
mmの凸レンズを構成し、第2レンズ群11が焦点距離
f=−100mmの凹レンズを構成するものとして、そ
れぞれの原稿読取位置でのレンズ相対位置を示してい
る。また、一定にすべき結像倍率についてはβ=1/
6.3としている。先ず、図6(a)に示すように、結
像面から原稿面までの距離が612mmの場合は、結像
面から第2レンズ群11の主点までの距離を36.5m
mとし、さらに第1レンズ群10と第2レンズ群11と
の主点間の距離を47.4mmに設定する。一方、図6
(b)に示すように、結像面から原稿面までの距離が7
32mmの場合は、結像面から第2レンズ群11の主点
までの距離を68.5mmとし、さらに第1レンズ群1
0と第2レンズ群11との主点間の距離を31.8mm
に設定する。これにより、結像面から原稿面までの距離
が変化する場合であっても、それぞれピントを合わせた
状態で、結像倍率を一定(β=1/6.3)にすること
ができる。
【0021】このように本実施形態の画像読取装置にお
いては、AF用モータ6およびズーム用モータ7を駆動
源としたレンズ駆動機構によって結像レンズ系4の焦点
距離を可変としているため、球形筐体3の回転による副
走査方向の読取走査に同期したかたちで、CCDセンサ
5の結像面から原稿読取位置までの距離に応じてAF用
モータ6およびズーム用モータ7を駆動制御し、これに
よって結像レンズ系4のピント調整とズーム調整を行う
ことにより、原稿画像を斜め方向から読み取る場合で
も、最適なピント状態にて結像倍率を一定にすることが
できる。
【0022】続いて、上記制御用CPU33による第1
レンズ群10と第2レンズ群11の位置設定処理につい
て図7および図8のフローチャートに従って説明する。
なお、以下に述べる位置設定処理は、画像読取装置をパ
ソコン等のCRT上に設置した段階で行われるもので、
原稿画像を読み取るごとに行う必要はない。また、ここ
ではラダー原稿等の基準原稿をデスク上の読取位置にセ
ットし、この基準原稿を用いて各レンズの位置設定処理
を行うものとする。
【0023】先ず、図7のフローチャートにおいて、オ
ペレータにより走査データ取得モードが選択されると
(ステップ:S1)、ホストコンピュータ側から読み取
った制御プログラムに従って10通りの読取角度θi
(i =1〜10)を設定し、それぞれの読取角度θi に
おいて、所望の結像倍率、例えば1/6.3で最適ピン
トに設定するための、第1レンズ群10の位置AFi お
よび第2レンズ群11の位置ZMi と、読取装置と原稿
間の距離zi を測定する(S2)。
【0024】ここで、上記ステップS2の処理内容を図
8のフローチャートを用いてさらに詳しく説明する。先
ず、ステップS2の処理では、走査用モータ24の駆動
により球形筐体3を回転させて、読取装置側の読取角度
をθiに設定する(S21)。次に、ズーム用モータ7
の駆動により第2レンズ群11を移動させて、予め設定
された標準位置に第2レンズ群11を配置する(S2
2)。続いて、AF用モータ6の駆動により第1レンズ
群10の位置を調整しつつ、CCDセンサ5から得られ
るセンサ出力のモジュレーションから最適ピント位置を
探す(S23)。具体的には、AF用モータ6の駆動に
より第1レンズ群10の位置を設定したら、ラダー原稿
の1ライン分の読取データをCCDセンサ5により取り
込み、これをホストコンピュータ側のCPUに送信し
て、そのモジュレーションの大きさを求める。そして、
これを第1レンズ群10の位置設定ごとに繰り返し、最
もモジュレーションの大きいところを第1レンズ群10
の最適ピント位置とする。
【0025】ここで、ホストコンピュータ側では、第2
レンズ群11を標準位置に設定した場合の、第1レンズ
群10の最適ピント位置と、読取装置−原稿間の距離
(z)との相関データを制御プログラム内のテーブルA
に持っている。したがって、次のステップS24では、
先に求めた第1レンズ群10の最適ピント位置に対応し
た距離情報をテーブルAから呼び出すことで、それぞれ
の読取角度θi に対応した読取装置−原稿間の距離zi
を求める。続いて、上述のごとく求めた距離情報zi に
対応したレンズ位置情報を、制御プログラム内のテーブ
ルBおよびテーブルCから呼び出し、これによって結像
倍率が一定(この場合は1/6.3)となるように第1
レンズ群10および第2レンズ群11の位置を設定する
(S25)。ここで、制御プログラム内のテーブルBに
は、所望の結像倍率1/6.3で結像させるための第1
レンズ群10の位置データが距離zi に対応して格納さ
れ、またテーブルCには、所望の結像倍率1/6.3で
結像させるための第2レンズ群11の位置データが距離
zi に対応して格納されている。ただし、テーブルBお
よびテーブルCの位置データは、予め理論的に求められ
たデータであるため、それぞれの位置データに基づいて
第1,第2レンズ群10,11の位置を設定しても、厳
密には上記距離zi を求める際の誤差等によって最適ピ
ント状態にはならない。
【0026】そこで本実施形態では、制御プログラム内
のテーブルDに、結像倍率(β=1/6.3)を変えず
に、ピント状態を微小変更するための各レンズ群の移動
距離の比が格納されている。例えば、第1レンズ群10
を0.2mm移動したときに、結像倍率を不変とする第
2レンズ群11の移動距離が0.3mmであった場合、
テーブルDは、結像倍率を一定に保つための各レンズ群
の移動距離の比として1.5の値を持つことになる。
【0027】このようなデータをもつテーブルDに基づ
き、ステップS26では、結像倍率を一定に保つ距離の
比をもって第1,第2レンズ群10,11を移動しつ
つ、距離zi に対応する第1,第2レンズ群10,11
の最適ピント位置を探す。さらにステップS27では、
上記同様にテーブルDに基づく移動距離の比をもって第
1,第2レンズ群10,11を移動しつつ、読取角度θ
に対応する第1,第2レンズ群10,11の最適ピント
位置を探す。そして、これにより求めた第1,第2レン
ズ群10,11の設定位置を、AFi 、ZMi としてメ
モリ等に記憶する(S28)。
【0028】ちなみに、ここで求めた第1,第2レンズ
群10,11の設定位置:AFi 、ZMi については、
予め規定したレンズ原点位置を基点に、AF用モータ6
およびズーム用モータ7を駆動するパルス数に対応した
レンズ移動距離により決定している。また、上述したレ
ンズ原点位置の規定方式としては、レンズを支持する支
持アーム16,17(図1参照)の位置を図示せぬセン
サにより検知することで規定したり、あるいは各レンズ
群10,11をいずれか一方の端まで移動させたところ
で規定するなど、種々の手段が考えられる。なお、上記
実施形態においては、ピント状態のみを検知して、レン
ズの位置設定の関係式を求めるようにしたが、他の実施
形態として、例えば基準チャートに倍率測定が可能な原
稿(記録線ピッチが既知の原稿等)を用いるようにすれ
ば、ピント状態と結像倍率の両方を実測することも可能
である。
【0029】このようにステップS2において、読取角
度θi ( i =1〜10) に対応した距離zi ,第1レンズ群
10の位置データAF i,第2レンズ群11の位置デー
タZMi を求めたら、これらのデータを基にして、例え
ば2乗回帰の近似法則により、読取角度θと、第1レン
ズ群位置AFおよび第2レンズ群位置ZMとの関係式、
すなわちz=f1 (θ)、AF=f2 (θ)、ZM=f
3 (θ)の多項式を求める(S3)。そして最後に、z
=f1 (θ)の式から、球形筐体3の回転中心を原点と
した副走査方向の回転走査速度Δθ/Δt=f4 (θ)
を求める(S4)。これにより、任意の読取角度θにお
ける第1,第2レンズ群10,11の設定位置が求まる
ため、それぞれの読取角度θ(走査用モータ24による
球形筐体3の回転角度)に対応したレンズ位置情報に基
づいてAF用モータ6およびズーム用モータ7を駆動制
御することにより、CCDセンサ5での結像倍率を変え
ることなく、原稿画像を最適ピント状態で読み取ること
が可能となる。
【0030】ところで、原稿画像を歪みなく読み取るた
めには、原稿面上での副走査方向の走査速度を一定に制
御する必要があるが、上述した回転走査速度、つまり画
像読取時における球形筐体3の回転速度を一定にした場
合は、たとえ原稿面が平面であったとしても、原稿の前
後端での走査速度に差が生じ、副走査方向での読取走査
密度が変化してしまう。そこで、こうした不具合への対
応として、上記ステップS4における回転走査速度の求
め方について以下に詳しく述べる。
【0031】先ず、図9に示すように、球形筐体3の回
転中心P1を原点として、直交座標y,hと極座標z,
θを設定する。この設定条件では、h=z・cosθ、
y=z・sinθとなる。ここで原稿面39aを一般的
な曲面(例えば、厚手の本を開いた状態)と考えると、
原稿面39aに沿った微小な走査距離Δsは、以下の
(2)式で表される。 Δs=(Δh2 +Δy2 1/2 … (2) この(2)式に以下の(3−1)(3−2)を代入する
と、原稿面上での走査距離Δsは(4−1)(4−2)
式のように表される。 Δh=Δz・cosθ−z・sinθ・Δθ … (3−1) Δy=Δz・sinθ+z・cosθ・Δθ … (3−2) Δs=(Δz2 +z2 ・Δθ2 1/2 … (4−1) ={(Δz/Δθ)2 +z2 1/2 ・Δθ … (4−2)
【0032】上記(4−1)(4−2)式において、原
稿面上の走査速度を例えば100mm/secで一定に
しようとした場合は、Δs/Δt=100mm/sec
とする必要がある。そうした場合、ステップS4では、
Δθ/Δt={(Δz/Δθ)2 +z2 -1/2・100
(mm/sec)となるように、z=f1 (θ)の式か
ら、読取角度θによる回転走査速度の式:Δθ/Δt=
f4 (θ)を求めるようにしている。
【0033】ちなみに、上述した関係式は、原稿面が平
面でz=f1 (θ)=h0 /cosθで表せる場合は、
曲面の場合に比べて解析的に簡単に求まり、Δz/Δθ
=h0 tanθ/cosθを代入して、Δθ/Δt=
(cos2 θ/h0 )・100(mm/sec)とな
る。ただし、原稿面が平面であっても、パソコン等のC
RT上に必ずしも画像読取装置が水平に設置されるとは
限らないので、上記Δθ/Δtについては、測定データ
から求めた方が好適である。
【0034】このように原稿面上での走査速度が一定と
なるように、読取角度θによる回転走査速度(副走査方
向の走査速度)Δθ/Δtを設定し、その設定データを
基に走査用モータ24を駆動制御しつつ、それぞれの読
取角度θに応じてAF用モータ6およびズーム用モータ
7を駆動制御することにより、副走査方向の読取走査密
度を一定としたうえで、結像倍率を変えずに最適ピント
状態で原稿画像を読み取ることが可能となる。
【0035】ところで従来のフラットベッド型の画像読
取装置では、原稿照明用のランプを装置内に内蔵させる
ことで、理想的な照明光を得るようにしているが、本実
施形態のごとく原稿を斜め方向から読み取る形式の画像
読取装置では、オフィス等の環境照明ををそのまま流用
することになる。しかし、オフィスで使用されている蛍
光ランプは、商用交流周波数(50Hz/60Hz)で
点灯させているため、その2倍の周期(50Hzの場合
は100Hz)で照明光量が大きく変動する、いわゆる
フリッカが発生する。こうした照明光の下で実際に原稿
画像を読み取ると、フリッカに起因する読取画像の濃度
ムラが生じるなど、読取画像に与える影響が問題とな
る。
【0036】そこで2次元センサを内蔵したビデオカメ
ラの場合には、上述のフリッカ対策として、2次元セン
サの露光周波数をフリッカの周波数に同期させる手段が
講じられている。ところが、こうした方式を1次元セン
サを用いた画像読取装置に適用すると、以下のような不
具合が発生する。例えば、A4サイズの原稿をその長手
方向に400spiの解像度で読み取る場合、フリッカ
周波数の100Hzに同期して1次元センサの露光周波
数を設定すると、1枚のA4原稿を読み終えるまでに約
48秒もかかってしまう。この所要時間は、コンピュー
タネットワークを使用した遠隔会議等を想定すると、会
議中に画像読取装置を用いて原稿データの送受信を行う
場合、原稿画像を読み取っている間の待ち時間が煩わし
いものとなり、会議そのものに支障を来す虞れがある。
【0037】この対策として本実施形態では、タイムデ
ィレイ・インテグレーション(timedelay & integrat
ion:TDI)タイプのラインセンサをCCDセンサ5
に採用している。このTDIタイプのラインセンサは、
複数(一般的には10〜20ライン程度)の読取画素列
をもつもので、その構造原理を図10を用いて概略説明
する。図10においては、複数ラインからなる読取画素
列1〜4に対応して、それぞれシフトゲート1〜4が設
けられている。また、最端のシフトゲート1に隣接して
読出転送電極(主走査方向転送電極)が設けられてい
る。このTDIセンサ構成では、センサ上を原稿像が走
査移動されるのに同期して、各ラインの読取信号電荷を
副走査方向に順次転送し、これをライン数だけ繰り返す
ことにより、1回の露光動作で複数ライン分の読取信号
電荷を読出転送電極から取り出すことができる。
【0038】したがって、例えば16ラインの読取画素
列をもつTDIタイプのラインセンサを採用した場合
は、1読取ラインに対して、16露光期間分の露光時間
が確保されることになる。そのため、1露光期間に対応
する露光周波数を1600Hzに設定したとしても、上
述のごとく16期間分の露光時間が確保されて100H
z相当となるため、商用周波数50Hzのフリッカ周期
と同一になる。したがって、1ラインしか読取画素列を
もたないセンサとの比較では、フリッカによる読取濃度
ムラをキャンセルしつつ、原稿読取速度を16倍に速め
ることができる。これにより、画像の読取所要時間が大
幅に短縮されるため、画像読取時における待ち時間の煩
わしさが解消され、インターネットワークを使用した遠
隔会議等では原稿データの送受信を円滑に行うことが可
能となる。
【0039】ところで、上記TDIタイプのように複数
の読取画素列をもつラインセンサを採用した場合は、原
稿を斜め方向から読み取るにあたり、原稿面の傾きに起
因するセンサ面への結像歪みが問題となる。以下に、結
像歪みの原理につき、図11および図12を用いて説明
する。先ず、図11に示すように、幾何光学の性質上、
原稿面39aから光軸(図中z軸)に対して角度Φで前
側主平面に入射した光線は、後側主平面から同じ角度Φ
で出射され、CCDセンサ5のセンサ面に投射される。
この関係を立体的に示したのが図12であり、この図1
2では原稿画像として、原稿中心から主走査方向(図中
x軸方向:原稿面の回転軸))に長く、かつ副走査方向
(図中y方向)にx軸から僅かにずれた直線像(矢印)
を想定している。この原稿画像の場合、原稿面39aが
傾いていない状態(図中破線で示す)では、像歪みを生
じることなくセンサ面上に結像される。ところが、原稿
面39aをθ分だけ傾けた状態(図中実線で示す)で
は、同じ向きのセンサ面に同じ大きさで結像される原稿
面上の直線像が、傾ける前の光軸に対してΨ分だけ傾い
た光線上に存在する。このセンサ面上の同じ大きさの像
に対応する原稿面上の直線像は、図12に示すように、
原稿面39aに対してΔz分だけ前側に存在する。この
Δzの大きさは、図11に示すようにΔz=Δy・ta
nθで表される。この式から、原稿面39a上の直線像
は、傾ける前の大きさに対して(z−Δz)/zの割合
で小さいものが、センサ面に同じ大きさで投影されるこ
とになる。言い換えると、原稿面上の同じ大きさの画像
データは、z/(z−Δz)の割合で拡大されて投影さ
れ、その像のずれ分はΔz/zとなる。
【0040】ここで、センサ面から原稿面までの距離を
z=600mm、y軸方向のずれ量をΔy=16×10
-3×6.3=1mm、原稿面の傾き角度をθ=35de
gとした場合、センサ面上での像ずれはΔz/z=0.
7/600=0.0012となる。したがってCCDセ
ンサ5の中心から主走査方向に1600画素分だけ離れ
たところの画像データでは、1.9画素分の像ずれが発
生することになる。そのため、主走査方向xに直交する
方向で描かれた直線像の場合は、光軸に対して原稿面が
傾くことにより、図13に示すように、センサの中心部
では傾きなく結像されるが、センサ周辺部では1.9画
素分だけ傾いて結像される。この直線像を、順次ズーム
をかけて中心部の結像倍率が同じになるように画像の読
み取りを行うと、TDIタイプのセンサ周辺部には常に
1600画素目付近に1.9画素分だけ傾いた直線像が
投影されることになる。よって、直線像の幅が1画素分
に相当するとしても、副走査方向への読取位置の移動と
これに合わせたズーム調整によらず同じ位置に傾いて結
像されている直線像では、16ラインの読取画素列をも
つTDIタイプのセンサの露光動作によって、図13に
示すように、隣接する複数画素にまたがったセンサ出力
信号として読み取られ、いわゆるボケた読取像となって
しまう。
【0041】また、原稿面が光軸に対して傾くことで、
センサ面に結像される原稿画像は副走査方向に縮んでし
まうため、副走査方向の読取画素列間隔で同方向の読取
走査密度が固定されるTDIタイプのセンサを採用した
場合は、原稿面で換算すると副走査方向の読取走査密度
が原稿読取角度によって変わってしまう。こうした不具
合は、読取画素列を一つしかもたないラインセンサで
は、先述のごとく読取角度に応じて回転走査速度を変更
することにより対応できるが、複数の読取画素列をもつ
ラインセンサでは、副走査方向の読取画素列間隔で走査
密度が決定してしまうため、この方式で対処することは
できない。
【0042】そこで本実施形態においては、先の図1に
示したように、センサ基板26、一対のプーリ27,2
8およびベルト29からなる傾き調整機構9によってC
CDセンサ5を支持し、これによって球形筐体3の回転
に伴う結像レンズ系4の光軸の傾きによらず、CCDセ
ンサ5のセンサ面が常に原稿面と平行になるようにして
いる。この傾き機構9の動作においては、図14に示す
ように、ウォームギア21を介して伝達される走査用モ
ータ24(図1)の駆動力により球形筐体3が回転する
と、その回転軸の廻りをCCDセンサ5が周回移動す
る。このとき、中央側のプーリ28は、球形筐体3の回
転軸と同軸状態で支持アーム2の先端部に固定されてい
ることから、外側のプーリ27と一体に移動するCCD
センサ5のセンサ面は、球形筐体3が回転しても常に一
定の向きに保持される。したがって、画像読取装置を設
置した状態で、CCDセンサ5のセンサ面が原稿面(デ
スクの平面)と平行になるようにセンサ基板26(図
1)の向きを予め調整しておけば、たとえ画像の読み取
りに際して図15に示すように読取角度(結像レンズ系
4の光軸の傾き角度)が変化しても、CCDセンサ5の
センサ面と原稿面39とを常に平行に維持することが可
能となる。
【0043】このようにCCDセンサ5のセンサ面と原
稿面39aとを常に平行に維持した状態で原稿画像を読
み取ることにより、複数の読取画素列をもつラインセン
サを採用した場合のセンサ上での像歪みを回避すること
ができる。すなわち、図16に示すように、「光軸」−
「原稿面39a」−「光軸に対してΦ分だけ傾いた光
線」で区画される三角形の領域E1と、「光軸」−「セ
ンサ面」−「光軸に対してΦ分だけ傾いた光線」で区画
される三角形の領域E2とは、二つの内角が等しいこと
から相似形となる。このとき、双方の相似比は、「原稿
面39aと光軸の交点」から前側主平面までの距離z
と、後側主平面から「センサ面と光軸の交点」までの距
離zdとの比となる。この相似比(z:zd)の関係
は、図示のごとくCCDセンサ5のセンサ面と原稿面3
9aが平行であれば、各々の読取画素列ごとに主走査方
向で同一になる。そのため、センサ面への結像倍率は、
その中心部から周辺部にわたっていずれもzd/zとな
り、像歪みなく結像される。したがって、上述のごとく
傾き調整機構9によってCCDセンサ5のセンサ面を原
稿面と略平行に保持することで、複数の読取画素列をも
つラインセンサを採用した場合の不具合(画像周辺部で
のボケの問題、副走査方向で読取走査密度が変化する問
題等)を一挙に解消することができる。
【0044】なお、本実施形態では、原稿39がデスク
面と平行に置かれる場合を想定して傾き調整機構9を構
成しているが、例えば原稿が厚手の本である場合は先の
図9に示したように原稿面39aが曲面になる場合も考
えられる。こうした曲面をなす原稿面39aへの対応と
しては、傾き調整機構9の構成として、例えばCCDセ
ンサ5が実装されるセンサ基板26(図1)の回転軸
に、ギア列等を介してモータ(ステッピングモータ等)
を連結し、画像読取時の読取角度に応じて傾き調整用の
モータを駆動制御することにより、原稿面の曲面形状に
合わせてCCDセンサ5のセンサ面の傾きを調整するこ
とできる。これにより、原稿面39aの表面形状(平面
または曲面)にかかわらず、CCDセンサ5のセンサ面
を原稿面を略平行に保持することが可能となる。
【0045】ちなみに、上述のごとくCCDセンサ5の
センサ面を原稿面39aと平行になるように調整する
と、センサ面が理想結像面からずれることでのデフォー
カスが生じる。すなわち、図17に示すように、原稿面
の傾きに合わせてセンサ面を光軸からΦ分だけ傾けた場
合、理想結像面としては、それと逆方向に上述の傾き角
Φに結像倍率(本例ではβ=1/6.3)を乗じたβ・
Φ分だけ傾いた状態となり、これによって光軸と平行方
向のデフォーカスδfが生じる。このとき、副走査方向
におけるCCDセンサの読取画素列の広がりを±80μ
mとすると、上述したデフォーカスδfは以下の(5)
式のように表される。 δf=80(μm)× sinΦ+80(μm)× cosΦ× tan(β・Φ)…(5) この(5)式にA4サイズ原稿を想定してΦ=35de
g、β=1.63を代入すると、原稿端を読み取る際の
デフォーカス量はδf=52μmとして算出される。こ
のレベルのデォーカス量は、例えばF8程度のレンズを
使用した場合、充分に焦点深度の範囲に含まれるため、
実用上問題にならない。
【0046】なお、上記実施形態においては、複数の読
取画素列をもつリニアセンサとしてTDIタイプのセン
サ構造を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、例えば3ラインカラーセンサなど、複数の読取画素
列をもつリニアセンサであれば、いずれのセンサ形態に
適用しても上記同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の画像読取装
置によれば、読取手段と原稿面とを副走査手段により副
走査方向に相対的に走査させるのに同期したかたちで、
結像レンズ系の焦点距離を焦点距離変更手段によって変
更するようにしたので、原稿画像を斜め方向から読み取
る際に、最適なピント状態にて読取手段側での結像倍率
を一定にすることができる。その結果、従来のごとく解
像度変換処理によって画質の劣化を招くことなく、画像
歪み等の不具合を解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像読取装置の一実施形態を示す概略構成図
である。
【図2】 画像読取装置の設置状態を示す側面概略図で
ある。
【図3】 焦点距離可変手段のメカ構成を説明する図で
ある。
【図4】 画像読取装置の制御系の機能ブロック図であ
る。
【図5】 画像読取装置と原稿との位置関係を示す図で
ある。
【図6】 結像倍率を一定にする原理を説明する図であ
る。
【図7】 レンズ位置設定処理のフローチャート(その
1)である。
【図8】 レンズ位置設定処理のフローチャート(その
2)である。
【図9】 副走査速度の設定条件を説明する図である。
【図10】 TDIセンサの構造原理の説明図である。
【図11】 TDIセンサでの不具合を説明する図(そ
の1)である。
【図12】 TDIセンサでの不具合を説明する図(そ
の2)である。
【図13】 原稿面の傾きによるセンサ出力の説明図で
ある。
【図14】 傾き調整機構の動作説明図である。
【図15】 傾き調整機構によるセンサ面の保持状態を
説明する図である。
【図16】 傾き調整機構による不具合解消の説明図で
ある。
【図17】 傾き調整機構によって生じるデフォーカス
の説明図である。
【図18】 解像度変換処理による読取画像データの比
較図である。
【符号の説明】
3 球形筐体 4 結像レンズ系 5 1次元CCDイメージセンサ 6 AF用モータ 7 ズーム用モータ 8 走査機構 9 傾き調整機構 33 制御用CPU

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿面に記録された画像を斜め方向から
    光学的に読み取る画像読取装置において、 前記原稿面で反射した光を結像させる結像レンズ系と、 前記結像レンズ系によって結像された光を主走査方向に
    読み取る読取手段と、 前記読取手段と前記原稿面とを副走査方向に相対的に走
    査させる副走査手段と、 前記副走査手段による走査に同期して前記結像レンズ系
    の焦点距離を変更する焦点距離変更手段とを備えたこと
    を特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記副走査手段は、前記原稿面に対する
    前記結像レンズ系の光軸の傾きを可変とした傾き可変機
    構によって構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記読取手段は、複数の読取画素列をも
    つラインセンサによって構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記傾き可変機構による前記結像レンズ
    系の光軸の傾き角に対応して、前記読取手段から前記原
    稿面までの距離を測定する測定手段と、前記測定手段に
    よって測定された距離情報に基づいて前記焦点距離変更
    手段を駆動制御する制御手段とを具備したことを特徴と
    する請求項2記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記ラインセンサのセンサ面を前記原稿
    面と略平行に保持する傾き調整機構を有することを特徴
    とする請求項3記載の画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記ラインセンサは、タイムディレイ・
    インテグレーションタイプのセンサであることを特徴と
    する請求項5記載の画像読取装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011146924A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Mitsubishi Electric Corp イメージセンサおよびそれを用いた撮像装置
EP3085075B1 (en) * 2013-12-16 2017-08-30 Koninklijke Philips N.V. Scanning imaging system with a novel imaging sensor with gaps for electronic circuitry

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JP2011146924A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Mitsubishi Electric Corp イメージセンサおよびそれを用いた撮像装置
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