JPH09244348A - 帯電部材 - Google Patents

帯電部材

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JPH09244348A
JPH09244348A JP4571996A JP4571996A JPH09244348A JP H09244348 A JPH09244348 A JP H09244348A JP 4571996 A JP4571996 A JP 4571996A JP 4571996 A JP4571996 A JP 4571996A JP H09244348 A JPH09244348 A JP H09244348A
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JP
Japan
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charging member
charging
conductive
charged
hardness
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JP4571996A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kataoka
弘之 片岡
Hideko Tanaka
英子 田中
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09244348A publication Critical patent/JPH09244348A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザに不快な帯電音を感じさせるようなこ
とのない耐久性に優れた帯電部材を提供する。 【解決手段】 本発明の帯電部材は、感光体等の被帯電
体表面に押圧させた状態で電圧を印加して、被帯電体を
帯電する帯電部材に関する。この帯電部材1は、少なく
とも導電性支持体1aに固定された導電性弾性体層1b
からなり、必要に応じて弾性体層1bを被覆する表面層
1cを設けることができる。また、帯電部材1は、硬度
がアスカーCで35°以下であり、かつ圧縮永久歪み率
が3%以下である。上記導電性弾性体層1bを構成する
ゴム成分としては、アルケニル基置換ポリシロキサンを
ベースポリマーとして、ポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンを架橋剤とする液状シリコーンゴムの加硫物が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機,
プリンター,ファクシミリ,これらの複合OA機器等の
電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置におけ
る帯電部材に関する。より詳しくは、感光体や誘電体等
の被帯電体表面に押圧して、被帯電体表面を均一に帯電
処理する帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置等の画像形
成装置では、感光体や誘電体等の被帯電体表面を均一に
帯電処理することが行われている。帯電処理手段として
は、一般に金属ワイヤに高電圧を印加して発生するコロ
ナにより帯電を行う方式が採用されている。しかし、こ
のコロナ放電による方法では、帯電時に発生するオゾン
や酸化窒素(NOx )等のコロナ生成物が感光体表面を
変質させてしまい、感光体の劣化や画像ボケの原因にな
ったり、ワイヤの汚れが画質に影響し、画像白抜けや黒
筋が発生する。そのため、付加的手段や機構を必要と
し、装置の大型化やコストの増大を招くという問題があ
った。このような欠点を解消するために、近年では帯電
部材を被帯電体に接触させて帯電を行う接触帯電方法が
検討され、一部実用化されている。
【0003】接触帯電方法は、1〜2kV程度の直流電
圧または直流と交流の重畳電圧等の電圧を印加した帯電
部材を被帯電体に所定の押圧力で当接させて被帯電体を
所定の電位に帯電させるものである。例えば、重畳電圧
の場合は、直流電圧を帯電部材に印加したときの帯電開
始電圧の2倍以上のピーク間交流電圧を帯電部材と被帯
電体との間に印加することにより、帯電部材の表面特性
にさほどの影響を受けることなく被帯電体を均一に帯電
処理することができる。この接触帯電方法によれば、オ
ゾンの発生がコロナ帯電方法に比べて大幅に減少するこ
とから、コロナ帯電方法では不可欠な付加的手段や機構
が不要であるという利点がある。しかしながら、例えば
感光体にライン走査で静電潜像を形成する画像成形装置
の帯電部材として上記のような接触帯電方法を適用した
場合、交流電圧の印加時に“帯電音”と呼ばれる振動音
が発生する。この振動音により、オフィス環境等におい
て、プリンター等の画像成形装置の動作時に耳障りな騒
音が発生するという問題がある。このような振動音は、
帯電部材と被帯電体とが当接した状態で交流電圧が印加
されるため、交流電圧の加振力によって発生する振動が
原因である。これは、交流電圧の周波数および電界力と
弾性体の復元力とにより、帯電部材が被帯電体を叩くこ
とによって発生するものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】振動音を低減させるた
めには、帯電部材の導電性弾性体を低硬度にする方法が
一般的に採用されている。導電性弾性体の硬度を下げる
には、弾性体に多量の軟化剤や可塑剤を含有させる方法
がある。例えば、軟化剤を含有した導電性弾性体層、内
面膜層および表面膜層が順次形成された接触帯電用導電
性ローラーが、特開平6−250469号公報に提案さ
れている。しかし、この方法では、軟化剤や可塑剤のブ
リードによる感光体汚染の問題が生じやすいので、軟化
剤等の含有量が自ずと制限され、それ故に硬度の低下に
は限度がある。また、経済性や汎用性の面から、導電性
弾性体をEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)の
発泡体で構成する方法がある。例えば、導電性粉体を分
散させたEPDM等の発泡部材と、厚みが5μm〜1m
mでカーボンブラック分散のEPDM導電性ゴム材を表
面層とした帯電層とからなる接触帯電部材が、特開平5
−210281号公報に提案されている。しかし、EP
DMは、圧縮歪み回復性に劣るだけでなく、少量ではあ
るが発生するオゾンや長期にわたる加熱雰囲気下での熱
のかかり具合等により劣化していく。そのため、硬度が
経時的に上昇し、振動音が初期には小さくても、経時的
に大きくなるという問題がある。硬度の経時的な上昇を
防止する方法として、導電性弾性層を耐候性、耐熱性が
特に優れているシリコーンゴム発泡体で構成した帯電部
材が、特開平6−230651号公報に提案されてい
る。しかし、シリコーンゴム発泡体は、機械的強度が劣
るため、帯電部材を被帯電体表面に常時当接させた場
合、帯電部材が永久変形するという問題がある。したが
って、長期にわたって被帯電体の帯電不良を防止するた
めには、画像成形装置の動作時のみに帯電部材を被帯電
体に当接させる等の付加的手段や機構を必要とする。そ
れ故に、装置の大型化やコストの増大に繋がるという問
題点を有する。
【0005】このように、従来の接触帯電部材では、硬
度の経時的な上昇による振動音の発生や、帯電部材の永
久変形による被帯電体の帯電不良が生じるという問題が
あった。そこで、本発明の目的は、上述の問題点を解決
しようとするものであって、ユーザに不快な帯電音を感
じさせるようなことのない耐久性に優れた帯電部材を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、被帯電体
表面に押圧する帯電部材の電圧印加時における振動音の
発生を極力低下すべく鋭意研究を重ねてきたところ、硬
度の低い帯電部材を用いて圧縮永久歪み率を所定の値よ
り小さくすることにより、振動音を無視し得るレベルに
まで低下できると共に、安定した帯電処理が行えること
を見い出したものである。すなわち、本発明の帯電部材
は、被帯電体表面に押圧させた状態で電圧を印加して被
帯電体を帯電する導電性部材であって、該導電性部材
は、少なくとも導電性支持体に固定された導電性弾性体
層から構成され、硬度がアスカーCで35°以下であ
り、かつ圧縮永久歪み率が3%以下であることを特徴と
する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の帯電部材は、帯電ロールとして使用する場合、
図1A,Bに示すように、中実円柱状または中空円筒状
の導電性支持体1a外周面に、導電性弾性体層1bが固
定された導電性部材から構成される。さらに、図1C,
Dに示すように、弾性体層1bの表面全体を表面層1c
で被覆してもよい。また、帯電部材1の導電性支持体1
aと被帯電体(例えば図4に示す感光体11)との間に
は、電圧が印加される。導電性支持体は、帯電部材の電
極および支持部材として機能するもので、例えば、アル
ミニウム,銅合金,ステンレス鋼等の金属または合金、
クロム,ニッケル等で鍍金処理を施した鉄,機械的強度
の高い絶縁性無機物質,合成樹脂などの導電性の材質で
構成される。導電性支持体の外径は通常4〜12mmの
範囲にある。
【0008】導電性弾性体層は、帯電部材が適切なニッ
プ幅ないしニップ圧でもって被帯電体表面に押圧して被
帯電体表面を均一に帯電できるよう、適切な硬度および
電気抵抗値を有する。この弾性体層はゴム材中に導電性
粒子を分散させることによって形成される。ゴム材とし
ては、シリコーンゴム,発泡ウレタンゴム,これらのブ
レンドゴム等が挙げられる。中でも、液状シリコーンゴ
ムから低硬度の弾性体が得られるシリコーンゴムの加硫
物が好ましい。液状シリコーンゴムとしては、アルケニ
ル基置換ポリシロキサンをベースポリマーとするA液
と、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを架橋剤と
するB液とからなる二液性のものが好ましく用いられ
る。また、B液中に上記ベースポリマーを含有させるこ
ともできる。そして、二液性シリコーンゴムは、白金系
触媒の存在下に架橋反応が進行し、ベースポリマー中の
アルケニル基にB液中に存在する水素原子が付加して上
記シリコーンゴム加硫物が生成する。
【0009】アルケニル基置換ポリシロキサンは、末端
または側鎖に2個以上のアルケニル基が置換していれば
よい。アルケニル基としては、ビニル基,アリル基,α
−プロペニル基等が挙げられる。その具体例としては、
両末端がビニル基で封鎖されたポリジメチルシロキサ
ン,ポリメチルフェニルシロキサン,ジメチルシロキサ
ン−メチルフェニルシロキサン共重合体,ジメチルシロ
キサン−メチルビニルシロキサン共重合体,メチルフェ
ニルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体,ジ
メチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−ジメチル
ロキサン共重合等;両末端がトリメチル基で封鎖された
ポリメチルビニルシロキサン,ポリフェニルビニルシロ
キサン,ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン
共重合体,メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシ
ロキサン共重合体,ジメチルシロキサン−メチルビニル
シロキサン−ジメチルロキサン共重合などが挙げられ
る。このうち、末端が後者のトリメチル基で封鎖された
ものが好ましい。これらのポリシロキサン類は、分子量
が1000〜9000の範囲にあることが好ましい。分
子量が1000未満であると、架橋後のシリコーンゴム
加硫物が粘着性を帯び適当でない。一方、分子量が90
00より高くなると、シリコーンゴム加硫物の圧縮永久
歪み率が3%を越えるようになり適当でない。
【0010】前記ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンは、分子中に2個以上のヒドロシリル基(Si−H)
を有する必要がある。その具体例としては、両末端にジ
メチルハイドロジェンシロキシ基を有するポリジメチル
シロキサン,ポリメチルフェニルシロキサン,ジメチル
シロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体,メチ
ルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重
合体,メチルハイドロジェンシロキサン−メチルフェニ
ルシロキサン共重合体,ジメチルシロキサン−メチルハ
イドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体
等;両末端がトリメチル基で封鎖されたポリメチルハイ
ドロジェンシロキサン,ポリフェニルハイドロジェンシ
ロキサン,メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチル
シロキサン共重合体,メチルハイドロジェンシロキサン
−メチルフェニルシロキサン共重合体,ジメチルシロキ
サン−メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロ
キサン共重合体などが挙げられる。これらのポリシロキ
サン類において、ベースポリマー中のアルケニル基およ
び架橋剤中の水素原子は10〜20の範囲にあることが
特に好ましい。すなわち、架橋点が上記範囲にあれば、
硬度および圧縮永久歪み率とも満足すべきシリコーンゴ
ム加硫物が得られる。
【0011】ゴム材中には、導電性粒子および前記白金
系触媒を必須成分とし、非導電性充填剤等が適宜配合さ
れる。導電性粒子としては、カーボンブラック、グラフ
ァイト、アルミニウム,銅,錫,ステンレス鋼等の各種
導電性金属または合金、酸化錫,酸化亜鉛,酸化インジ
ウム,酸化チタン,酸化錫−酸化アンチモン固溶体,酸
化錫−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化
物、これらの導電性材料で被覆された絶縁性物質などの
微粉末を用いることができる。例えば、カーボンブラッ
クを用いる場合は、所望の体積抵抗値が得られるよう、
ゴム材に対して30〜50重量%配合される。前記白金
系触媒としては、担体に担持された白金や白金ブラッ
ク,塩化白金酸,アルコールやケトンに溶解した塩化白
金酸,オレフィン類やジケトン類と塩化白金酸との錯化
合物等が挙げられる。白金系触媒は、液状シリコーンゴ
ムに対して白金金属換算で1〜1000ppmの範囲で
添加される。非導電性充填剤としては、珪藻土,石英粉
末,乾式シリカ,湿式シリカ,酸化チタン,酸化亜鉛,
アルミノケイ酸,炭酸カルシウム等が挙げられる。前記
A液およびB液のいずれか一方または双方には、少なく
とも上記導電性粒子および白金系触媒が配合され、その
他非導電性充填剤等が適宜配合される。A液とB液の混
合比は、重量比で1:0.8〜1.2の範囲、好ましくは
1:1で用いるため、通常B液中に前記ベースポリマー
を含有させる。
【0012】本発明においては、被帯電体との固着を防
止する保護層として、また帯電部材を必要に応じて所定
の電気抵抗値に調整するために、表面層を設けることが
できる。例えば、弾性体層のゴム成分を発泡ウレタンゴ
ムで構成する場合は、被帯電体とのニップ均一性を確保
するために、表面層を設ける必要がある。表面層は、薄
膜状の樹脂から形成され、帯電部材の電気抵抗を調整す
るために樹脂中に前記したような導電性粒子を分散させ
てもよい。樹脂としては、特に限定されるものではない
が、ポリウレタン,ポリアミド,ポリエステル等の樹脂
が好適である。また、導電性粒子として例えばカーボン
ブラックを用いる場合、その配合量は多くて樹脂に対し
30重量%までである。また、表面層の膜厚が50μm
より厚くなると、帯電部材の硬度が必要以上に上昇する
ので、膜厚はそれ以下さらには35μm以下であること
が好ましい。
【0013】帯電部材の体積抵抗値は、105〜109Ω
cmの範囲にあることが好ましい。場合によっては、導電
性弾性体層の体積抵抗値と表面層の体積抵抗値および膜
厚とを適宜組み合わせることによって、上記範囲内に調
整することも可能である。なお、必要に応じて形成され
る表面層の体積抵抗値は、帯電部材と同じオーダーにあ
ることが好ましい。帯電部材の体積抵抗値が105 Ωcm
未満であると、被帯電体表面に過剰電流が流れたとき、
被帯電体表面にピンホールが存在するような場合リーク
が発生しやすい。一方、体積抵抗値が109 Ωcmより大
きくなると、低電圧での被帯電体への帯電が困難とな
り、帯電量の不足により画質欠陥が生じるようになる。
前記導電性弾性体層の厚さは、1.5〜6.0mmの範囲
にあればよく、2〜5mmの範囲にあることが好まし
い。厚さが1.5mmより薄くなると、均一なニップを
確保することが困難になる。一方、厚さを6.0mmよ
り厚くしても、帯電性能の向上に繋がらないだけでな
く、シリコーンゴムの成形コストが上昇しコスト的に不
利である。
【0014】本発明において、帯電部材の硬度はアスカ
ーCで35°以下であり、導電性弾性体層についてみれ
ば30°以下であることが好ましい。すなわち、帯電部
材の硬度(以下、アスカーC硬度をいう)が35°以下
であれば、被帯電体とのニップ均一性が非常に良好であ
る。帯電部材の硬度は一般に低いほど好ましいが、弾性
体層を発泡体で構成しない限り、硬度5°がその製造の
限界点となる。しかし、弾性体層に導電性粒子を含有さ
せたりあるいは表面層で被覆したりすると帯電部材の硬
度は上昇し、20°以上あれば弾性復元性等の歪み特性
が良好である。帯電部材は、常に被帯電体に押圧されて
変形しているため、経時的に硬度が上昇して永久歪みが
生じやすい傾向にある。しかるに、本発明において、上
記低硬度と相俟って圧縮永久歪み率が3%以下の帯電部
材を実現させたことにより、被帯電体とのニップが長期
にわたり均一に保たれるため、永久変形による帯電不良
の恐れがなく、良好な画像が安定して得られる。なお前
述のように、帯電部材と被帯電体との間には直流および
交流の重畳電圧が印加される。直流電圧は200〜15
00Vの範囲に、ピーク間交流電圧は1〜4kVの範囲
にあることが好ましい。
【0015】本発明の帯電部材を例えば液状シリコーン
ゴムを用いて製造するには、次のような方法が挙げられ
る。まず、A液およびB液を充分に攪拌・混合し、圧縮
成型法,射出成型法,トラスファー成型法,押出成型法
等により、適宜プライマー処理された導電性支持体(1
a)を中心に支持した金型内にゴム組成物を注入する。
次いで、液状シリコーンゴム組成物を100〜200℃
で5〜90分間加熱してゴム成分を架橋させ、更に15
0〜230℃で30分〜6時間程度加熱して二次加硫を
行う。その後、導電性粒子を含有した弾性体層(1b)
が、支持体(1a)の外周に固着された状態で金型内から
取り出される。導電性弾性体層(1b)は、必要に応じて
表面が研磨処理される。導電性弾性体層(1b)のゴム成
分が発泡体からなる場合は、上記ゴム組成物に予め発泡
剤を配合するかあるいは気体混入法により不活性ガスを
混入させて、圧縮成型法等により発泡弾性体層(1b)を
形成することができる。表面層(1c)を形成する場合
は、樹脂成分および導電性粒子等の適宜の配合剤を有機
溶剤に添加し、充分に混合して表面層形成用塗布液を調
製する。次いで、浸漬法、エアスプレー法等の適宜の塗
布方法により、上記塗布液を前記導電性弾性体層(1b)
表面に塗布した後、常温でまたは加熱乾燥すればよい。
【0016】以上、ロール状帯電部材(帯電ロール)に
ついて説明してきたが、本発明の帯電部材の形態は、ブ
ロック状やブレード状であってもよい。ブロック状また
はブレード状の帯電部材は、図2に示すように、厚さ方
向に関して、帯電部材2,3が押圧配置される被帯電体
とは反対側面の導電性弾性体層2b,3bが、板状の導
電性支持体2a,3aに接着・固定される。また、弾性
体層2b,3bを前記した表面層で被覆してもよい。こ
のような帯電部材は例えば次のようにして製造される。
前記ゴム組成物中のゴム成分を架橋させ、得られる導電
性弾性体を所望の寸法に切断する。次いで、この弾性体
の一面に導電性支持体を接着することにより製造され
る。表面層を設ける場合は、上記弾性体層の接着面以外
の面に前記塗布液を塗布し、乾燥すればよい。本発明の
帯電部材は、帯電器以外にも転写器や除電器等に適用す
ることができる。転写器における帯電部材として使用す
る場合は、帯電部材が用紙等の転写材を介して感光体等
の被帯電体に押圧され、その体積抵抗値は 107〜10
10Ωcmの範囲に調整される。また、除電器における帯電
部材として使用する場合は、帯電部材が被帯電体に直接
接触し、その体積抵抗値は102〜104Ωcmの範囲に調
整される。
【0017】(発明の作用)本発明によれば、帯電部材
の硬度を35°以下かつ圧縮永久歪み率を3%以下とし
たものである。したがって、低ニップ圧で均一なニップ
幅が得られ、長期にわたって被帯電体の帯電不良が発生
しないので、良質の安定した画像が得られる。のみなら
ず、弾性体の復元力が小さいので、帯電音の発生を低レ
ベルに抑えることができる。しかも、導電性弾性体層を
構成するゴム成分の劣化がなく耐久性に優れているの
で、帯電部材の硬度の経時的な上昇がなく、帯電音の経
時的な上昇を防止することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (画像形成装置)図3は図1に示す本発明のロール状帯
電部材が組み込まれた画像形成装置の全体説明図であっ
て、中央部左右方向の縦断面図である。図3において、
画像形成装置U本体内部には、矢印方向に回転する円筒
状の感光体(ドラム)11が配置されていて、静電潜像
担持体として機能する。画像形成装置U本体内部の一側
部には、感光体11表面に静電潜像を書き込むレーザ書
込装置12が配置されている。円筒状の感光体11の周
囲には、その回転方向に沿って、順次感光体11表面を
一様に帯電する帯電器13、上記静電潜像を顕像化する
現像器14、顕像化されたトナー像を用紙(転写材)に
転写させる転写器15、および感光体11上の残留トナ
ーを除去するクリーニング装置16が、それぞれ配置さ
れている。上記現像器14はトナーを収納する容器14
aを備えている。この容器14a内には、トナーを撹拌
する撹拌部材14b,14bと、回転可能な現像剤担持
体14cと、担持体14cにトナーを供給するトナー供
給ローラ14dとが設けられている。現像剤担持体14
cは、容器14aの開口部に臨んでいて、感光体11表
面と僅かな間隙を介して容器14aに支持されている。
また、上記クリーニング装置16はケーシング16aを
備えている。このケーシング16aには金属製のブレー
ドホルダ16bが固定されていて、その先端部にはシー
ト状のクリーニングブレード16cが固着されている。
クリーニングブレード16cは、その先端のエッジ部が
感光体11表面に当接している。
【0019】画像形成装置U本体の下部には、用紙を収
容する給紙トレイ17が配置されている。給紙トレイ1
7の上面端部には給紙トレイ17から用紙を一枚ずつ取
り出す用紙取出ローラ18が配置されている。用紙取出
ローラ18の側部上方には、一対の用紙搬送ローラ19
によって搬送される用紙をガイドする一対の用紙ガイド
20が配置されている。画像形成装置U本体内部の他側
部上部には、加熱ローラ21aおよび加圧ローラ21b
を有する定着装置21が配置されていて、定着装置21
と前記転写器15との間にはトナー像が転写された用紙
を搬送する搬送路22が設けられている。また、定着装
置21の上方には、一対の排出ローラ23と、トナー像
が定着された用紙を定着装置21から排出ローラ23ま
でガイドする搬送路24が設けられている。そして、画
像形成装置U本体の上面には、上記排出ローラ23から
排出される用紙を載置する排出トレイ25が形成されて
いる。
【0020】(帯電器)図4は図3の要部拡大図であっ
て前記帯電器の構造を示す。図4において、帯電器13
は図1A,Bに示すロール状帯電部材1を備えている。
帯電部材1は、その導電性支持体1aの両端部がクリー
ニング装置16の前記ケーシング16aに固定された支
持部材31により支承されている。また、一端が支持部
材31に他端が支持体1aの端部にそれぞれ固定された
2つの加圧スプリング32の付勢力によって、帯電部材
1は感光体11表面に押圧され接触している。上記支持
部材31には金属製のパッドホルダ33が固定されてい
て、その先端部に固着されたシート状のクリーニングパ
ッド34により、帯電部材1表面にトナーが極く僅かに
付着してもこれを取り除くようになっている。さらに、
帯電部材1の支持体1aには、直列に接続した直流電源
35および交流電源36から重畳振動電圧が印加され
る。したがって、帯電部材1は、支持体1aを介して導
電性弾性体層1bによって、同弾性体層1bと接触しな
がら所定の方向に回転する感光体11表面を一様に帯電
処理することができる。
【0021】本発明における画像形成装置Uの作用は、
従来のものと同様であり、簡単に説明すると次のとおり
である。上述のように、重畳振動電圧が印加された帯電
部材1によって、矢印方向に回転する感光体11はその
表面が一様に帯電される。一様に帯電された感光体11
はレーザ書込装置12により静電潜像が書き込まれる。
感光体11上の静電潜像は現像器14によりトナー像に
現像される。トナー像は転写器15により給紙トレイ1
7から搬送されてくる用紙に転写される。転写されたト
ナー像が定着装置21により定着された後、用紙は排出
ローラ23により排出トレイ25上に排出される。ま
た、上記トナー像が用紙に転写された後、感光体11表
面に残留していたトナーはクリーニング装置のブレード
16cにより除去され、次の電子写真プロセスに備え
る。
【0022】実施例1 下記の組成からなるA液とB液の重量割合が1:1の二
液性液状シリコーンゴムを攪拌し、真空脱泡してゴムコ
ンパウンドを調製した。なお、下記組成物における
「部」は「重量部」を意味し、以下の各実施例および比
較例も同様である。 A液 側鎖にビニル基が置換した 末端トリメチル基封鎖のポリジメチルシロキサン 100部 カーボンブラック 40部 乾式シリカ 5部 塩化白金酸のイソプロパノール溶液(白金含有量3重量%) 0.1部 B液 上記ポリジメチルシロキサン 100部 カーボンブラック 40部 メチルハイドロジェンシロキシ基含有のポリシロキサン 0.5部 次いで、予めプライマー処理された外径8mmのSUS
製支持体(1a)を内径14mmの円筒状金型の中心に同
心状に挿入・支持した。この金型のキャビティ内に上記
ゴムコンパウンドを射出成型法により充填し、120℃
で30分間加熱して液状シリコーンゴムを架橋した。得
られた成型体を金型から取り出した後、加熱オーブン中
で更に200℃で4時間加熱して二次加硫を行った。こ
のようにして、厚さ3mmのカーボンブラック含有シリ
コーンゴムを導電性弾性体層(1b)とする帯電部材(1)
を製造した。この帯電部材(1)の硬度を測定したところ
28°であった。
【0023】実施例2 下記組成物をボールミルで混合して樹脂溶液中にカーボ
ンブラックが均一に分散した塗布液を調製した。得られ
た塗布液に実施例1で形成された導電性弾性体層(1b)
を浸漬塗布した後、加熱・乾燥し、膜厚20μmの表面
層(1c)を形成して帯電部材(1)を製造した。この帯電
部材(1)の硬度を測定したところ31°であった。 ウレタン樹脂(DF−407:大日本インキ工業社製) 100部 カーボンブラック 15部 2−ブタノン 100部
【0024】実施例3 ポリアミド樹脂およびメタノールを攪拌溶解して得られ
る樹脂溶液に酸化錫を添加し、ボールミルで混合して下
記組成の分散液を調製した。得られた分散液を実施例1
で形成された弾性体層(1b)上にスプレー塗布した後、
加熱・乾燥し、膜厚20μmの表面層(1c)を形成して
帯電部材(1)を製造した。この帯電部材(1)の硬度を測
定したところ32°であった。 ポリアミド樹脂(CM8000:東レ社製) 100部 酸化錫被覆の微粒状硫酸バリウム 600部 (パストラン:三井金属社製) メタノール 300部
【0025】比較例1 下記のゴム組成物をオープンロールで充分に混練し、押
出成形法により、外径8mmのSUS製支持体(1a)が
中心に支持された外径11mmのロールを成形した。成
形されたロールを内径14mmの金型内に挿入し、18
0℃で90分間加熱してシリコーンゴムを発泡させた
後、200℃で4時間加熱して二次加硫を行った。次い
で、発泡弾性体表面を研磨して、厚さ3mmのカーボン
ブラック含有発泡シリコーンゴムを弾性体層(1b)とす
る帯電部材(1)を製造した。この帯電部材(1)の硬度を
測定したところ30°であった。 ミラブル型導電性シリコーンゴム 100部 (DY32−5048U:東レ・ダウコーニングシリコーン社製) α,α′−アゾビスイソブチロニトリル 6部 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 1部 加硫促進剤(RD−24:東レ・ダウコーニングシリコーン社製) 1部 比較例2 比較例1で形成された発泡弾性体層(1b)上に、実施例
2と同じカーボンブラック含有ポリウレタンで構成され
た表面層(1c)を形成して、帯電部材(1)を製造した。
この帯電部材(1)の硬度を測定したところ33°であっ
た。
【0026】(画像評価試験)以上ようにして製造され
た各ロール状帯電部材を複写機(Able3221:富
士ゼロックス社製)における帯電器(13)に装着した。
直列接続された直流電源(35)と交流電源(36)との重
畳振動電圧を帯電部材の支持体(1a)に印加し、帯電部
材(1)と接触する外径30mmの感光体(11)表面を一
様に−420Vに帯電処理した。上記重畳振動電圧は−
420Vの直流成分およびピーク間電圧(VP-P)1.5
kVの交流成分とからなる。また、帯電処理後のプロセ
スは常法に従って用紙上に画像を形成した。上記複写機
を作動させて1万枚の耐刷テストを行ったところ、各実
施例とも初期から1万枚まで鮮明な画像が得られた。ま
た、この間帯電部材から発せられる振動音を測定したと
ころ、実施例1では45dB、実施例2では47dB、
実施例3では48dBといずれも50dB以下であり、
ユーザにとって不快なレベルではなかった。比較例1,
2においても、同様に鮮明な画像が得られ、振動音はそ
れぞれ45dB,47dBであった。
【0027】次に、各ロール状帯電部材を33%圧縮で
60時間常温で放置した後に、帯電部材の圧縮永久歪み
率を測定したところ、実施例1では2.8%、実施例2
では2.2%、実施例3では2.1%と、いずれも3%
以下であった。また、上記条件下に圧縮した後の帯電部
材を用いて実機評価を行った結果、得られた画像は良好
であった。一方、比較例1,2の帯電部材では、圧縮永
久歪み率がそれぞれ30.0%,28.0%であった。
また、圧縮後の帯電部材を用いて実機評価を行った結
果、得られた画像には帯電不良に起因する画質欠陥が発
生した。
【0028】各ロール状帯電部材についての硬度、振動
音、圧縮永久歪み率および圧縮後の画像評価をまとめて
下記の表1に示す。
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の帯電部材は、硬度が35°以下
でかつ圧縮永久歪み率が3%以下であるため、長期にわ
たって被帯電体の帯電不良を防止することができる。し
かも、帯電音の発生を低レベルに抑えることができ、導
電性弾性体層を構成するゴム成分の劣化がなく耐久性に
優れている。したがって、帯電部材の硬度の経時的な上
昇がなく、帯電音の経時的な上昇を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例として示す層構造が異なる帯電
部材の説明図であって、図1Aは単層構造の帯電部材の
斜視図であり、図1Bはその断面図である。さらに、図
1Cは導電性弾性体層上に表面層を設けた帯電部材の斜
視図であり、図1Dはその断面図である。
【図2】 本発明の別の例として示す帯電部材の説明図
であって、図2Aおよび図2Bはそれぞれ異なるタイプ
の帯電部材の断面図である。
【図3】 本発明の帯電部材が組み込まれた画像形成装
置の全体説明図である。
【図4】 帯電器の構造を示す図3の要部拡大図であ
る。
【符号の説明】
1〜3…帯電部材、1a〜3a…導電性支持体、1b〜
3b…導電性弾性体層、11…被帯電体(感光体)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体表面に押圧させた状態で電圧を
    印加して被帯電体を帯電する導電性部材であって、該導
    電性部材は、少なくとも導電性支持体に固定された導電
    性弾性体層から構成され、硬度がアスカーCで35°以
    下であり、かつ圧縮永久歪み率が3%以下であることを
    特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 前記導電性弾性体層を構成するゴム成分
    が、液状シリコーンゴムの加硫物からなる請求項1記載
    の帯電部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007131665A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Bridgestone Corp ゴム架橋物
CN100354539C (zh) * 2003-07-25 2007-12-12 佳能株式会社 电子照相感光体、处理盒和电子照相装置
WO2012046862A1 (ja) 2010-10-04 2012-04-12 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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