JPH09243964A - 露光照明装置 - Google Patents

露光照明装置

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JPH09243964A
JPH09243964A JP8057401A JP5740196A JPH09243964A JP H09243964 A JPH09243964 A JP H09243964A JP 8057401 A JP8057401 A JP 8057401A JP 5740196 A JP5740196 A JP 5740196A JP H09243964 A JPH09243964 A JP H09243964A
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JP
Japan
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exposure
speckle
margin
harmonic
light
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JP8057401A
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English (en)
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Hiroshi Suganuma
洋 菅沼
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】露光照明装置に関し、露光照明用パルスレーザ
光のパルス数およびパルス幅を最適化することにより、
露光時間の短縮化と低消費電力化を実現する。 【解決手段】光源に個体レーザが発振出射するn次高調
波(n≧4、5、・・・)を用い、パルス数Nとパルス
幅τとを、 (τn-1/kn)(EEXP−EM)<N<(τn-1/kn
(EEXP+EM) [kn:n次高調波を表す定数、EEXP:最適露光エネル
ギー、EM:露光エネルギーマージン] (3/a)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2<N<(3/
b)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2 [ν:回転拡散板の回転速度、ρ0:回転拡散板の移動
量、a:スペックルマージンの上限を規定する定数、
b:同じく下限を規定する定数]を満たす値にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光照明装置に関
する。詳しくは、露光照明用パルスレーザ光のパルス数
およびパルス幅を最適化することにより、露光作業時間
の短縮化、低消費電力化並びに低スペックルノイズ化を
実現した露光照明装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置や液晶表示装置などの
電子デバイスの高密度化・高集積化に伴って、ますます
微細なパターンを基板上に形成することが求められてい
る。基板上に微細なパターンを形成するための鍵を握っ
ているのが露光装置である。
【0003】従来、半導体装置や液晶表示装置などの電
子デバイス製造用露光装置の光源には、水銀ランプのi
線(波長365nm)が用いられていた。
【0004】露光装置の解像度は、露光照明光の波長に
比例し、レンズの開口数(N.A.)に反比例する。し
たがって、解像度を高めるには、露光照明光を短波長
化する、N.A.の大きなレンズを使用する、という
2つの方法が考えられる。
【0005】しかし、N.A.を大きくすると焦点深度
が浅くなり位置合わせが困難になるから、前記の方法
による解像度の向上には限界がある。その結果、解像度
を高める方法としては、前記に示したように、露光照
明光を短波長化する方法が残る。
【0006】露光照明光の短波長化に対応した露光装置
として、現在、エキシマレーザを用いた露光装置の開発
が活発化しており、次世代DRAMの試作ラインへの導
入が始まっている。
【0007】エキシマレーザ露光装置を図5を参照して
説明する。光源51にはKrFエキシマレーザ(波長2
48nm)を用いる。光源51から出射された光ビーム
はコリメータレンズ52によって平行光化され、ミラー
53a,53bによりフライアイレンズ54に導かれ
る。
【0008】フライアイレンズ54からの出射光をコン
デンサレンズ55によってマスク56上に集光させる
と、マスク56はほぼ均一化された光強度分布を持った
光で照明される。このマスク56上に形成された回路な
どのパターンを投影レンズ57によりウェハ58上に縮
小投影露光して転写する。ウェハ58はX−Yステージ
59上に載置されており、一回の露光が終わるごとにX
−Yステージ59は所定距離だけ平行移動する。X−Y
ステージ59の移動に伴ってウェハ58も移動するか
ら、ステップ・アンド・リピート(逐次移動式)の繰り
返し露光が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図5に示したエキシマ
レーザ露光装置では、光源51のKrFエキシマレーザ
装置は巨大で装置自体が高価格の上、保守や維持のため
の費用がかさむ。さらに、レーザ媒質として毒性を持っ
たガスを使用し、発生する熱を放散させるために水冷装
置を必要とする。このため毒性を持ったガスや冷却水な
どを処理するための処理設備を必要とする。したがっ
て、エキシマレーザ露光装置には、装置が大型なので設
置場所に広い面積を必要とし、さらに装置自体が高価で
あり、保守や維持に手間と費用がかかるという問題があ
った。
【0010】また、エキシマレーザ光は本来スペクトル
幅が広いが、スペクトル幅が広いと色収差が強くあらわ
れる。これを避けるために、エキシマレーザでは光のス
ペクトル幅を狭帯域化しているので、スペックルが生じ
やすくなっている。したがって、エキシマレーザの出射
光の空間的強度分布(光軸に対する垂直面内での強度分
布)が均一にはならず、このため何らかの対策を施さな
いとウェハ58上で露光むらが生じてしまうという問題
があった。
【0011】このようなエキシマレーザを光源とする露
光照明装置の問題点を解決するものとして、ガスや冷却
水などの処理設備が不要で、小型かつ安価、さらに保守
・維持に手間や費用のかからない固体レーザが注目され
るようになった。しかし、実用化されている固体レーザ
が発振出射するレーザ光の波長は、例えば半導体装置の
露光には長過ぎてそのままでは使えない。そこで固体レ
ーザが発振出射するレーザ光を波長変換したn次高調波
パルスレーザ光(短波長レーザ光)を光源として用いる
露光照明装置が提案されている。
【0012】しかしながら、この露光照明装置にあって
は、スペックルを平均化するためにパルス数を多くする
必要があるため、露光過剰になり、マスクパターンを基
板に正確に転写することができない。その結果、製品不
良が生じ、歩留りが低下するという問題があった。
【0013】パルス当りのエネルギーを減じてパルス数
を多くすることも考えられるが、露光作業に時間がかか
り過ぎ、現実的ではない。
【0014】この相互に矛盾する問題点を解決するため
に従来では固体レーザの出力(基本波のパワー)を落と
し、かつパルス数を増やしながら実用に支障のない程度
までスペックルを均一化できる最適条件を暗中模索して
いるのが実状である。したがって、最適条件を最初に捜
し出すのに手間がかかり、露光作業時間が長くなるから
生産性は上がらない。
【0015】このように、エキシマレーザが抱えている
問題点を解決するために提案されたこの固体レーザ使用
の露光照明装置にも、上記のような問題点があるのが現
状である。
【0016】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、固体レーザが発振出射するパルスレーザ光を
波長変換したn次高調波パルスレーザ光を使用すると共
に、そのパルス数およびパルス幅を最適化することによ
り、露光時間の短縮化と低消費電力化を実現した露光照
明装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】実際の露光に使うのはn
次高調波パルスであって、このn次高調波のピークパワ
ーは固体レーザのパルス光のピークパワーのn乗に比例
する。固体レーザのパルス光の1パルス当りのエネルギ
ーは一定のため、ピークパワーを上げるにはパルス幅を
小さくすればよい。
【0018】このようにするとn次高調波パルス光のピ
ークパワーがn乗倍のペースで上昇するが、その割には
パルス幅の減少分が少ない。すなわち同じ消費電力でn
次高調波1パルス当りのエネルギーはパルス幅を狭くす
る前よりも増大する。
【0019】そこで、できるだけパルス幅を狭くしてn
次高調波パルスのエネルギーをかせげば消費電力を節約
でき、露光時間を短くできるが、この場合でも、露光時
間を短くし過ぎればスペックルには悪い方向に働いてし
まう。
【0020】そこで、本発明に係る露光照明装置は、半
導体装置や液晶表示装置などの電子デバイスの製造工程
においてマスク上に形成された回路などのパターンを基
板上に露光する際に使用される露光装置などの照明用光
源装置として用いられる露光照明装置であって、固体レ
ーザが発振出射するパルスレーザ光を波長変換したn
(nは2以上の自然数)次高調波パルスレーザ光を出射
する光源と、該光源が出射するn次高調波パルスレーザ
光のスペックルを平均化する回転拡散板とを備え、n次
高調波パルスレーザ光のパルス数Nとパルス幅τとが次
の式(1)および式(2)、すなわち、 (τn-1/kn)(EEXP−EM)<N<(τn-1/kn)(EEXP+EM) ・・・(1) ここで、kn:n次高調波を表す定数 EEXP:最適露光エネルギー EM:露光エネルギーマージン (3/a)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2<N <(3/b)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2 ・・・(2) ここで、ν:拡散板の照射部の速度(回転中心までの距
離×角速度) ρ0:スペックルパターンの相関が1/e(eは指数)
になる回転拡散板の移動量 a:スペックルマージンの上限を規定する定数 b:スペックルマージンの下限を規定する定数 を満たすように構成する。
【0021】本発明に係る露光照明装置は、半導体装置
や液晶表示装置などの電子デバイスの製造工程において
マスク上に形成された回路などのパターンを基板上に露
光する際に使用される露光装置などの照明用光源として
用いられるものである。光源には固体レーザが発振出射
するパルスレーザ光を波長変換したn次高調波パルスレ
ーザ光を用い、この光源が出射するn次高調波パルスレ
ーザ光を回転拡散板に照射してスペックルを平均化す
る。
【0022】n次高調波パルスレーザ光のパルス数Nお
よびパルス幅τは、式(1)および式(2)を満足する
ように選定する。式(1)および式(2)を満足するパ
ルス数Nとパルス幅τとによって、縦軸にパルス数Nを
取り横軸にパルス幅τを取った2次元座標空間(N−τ
空間)中に最適化領域を形成する。
【0023】この最適化領域は露光光量に対する露光エ
ネルギーマージンEM、スペックルマージンの上限を規
定する定数a、およびスペックルマージンの下限を規定
する定数bの値で定まる。実稼働装置では最適露光光量
が得られるように装置を維持することはできないから、
最適露光エネルギーEEXPに露光エネルギーマージンEM
を見込んで設計する。
【0024】またスペックルの均一化にも、パルス数N
の増大および回転拡散板の回転速度の点から限界がある
から、スペックルマージンを見込んで設計する。スペッ
クルマージンの上限を規定する定数がaであり、スペッ
クルマージンの下限を規定する定数がbである。
【0025】上記N−τ空間に形成された最適化領域内
に属する点(τ,N)が、露光に最適なパルス幅τおよ
びパルス数Nを与える。したがってパルス幅τおよびパ
ルス数Nを最適化領域内に属する値に設定して露光する
ことにより、露光時間が短縮すると共に、スペックルが
均一化された露光が実現する。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る露光照明装置は、固
体レーザが発振出射するパルスレーザ光の基本波ω1
波長変換したn次高調波パルスレーザ光ωnを露光照明
光として用い、そのパルス数Nとパルス幅τとを露光目
的に適合した最適値に設定することにより最適な露光を
実現する。以下では最適露光を実現するためのパルス数
Nとパルス幅τとの関係を、露光エネルギーおよびスペ
ックル平均化の双方から求める。
【0027】まず、 Eexp;最適露光量 EM ;露光エネルギーマージン N ;パルス数 en ;n倍波1パルス分のエネルギー であって、最適露光量Eexpをn次高調波の出射端で計
ったときでN個のn次高調波パルスによる理想的な総露
光エネルギーとするときには、N,enとEexpの関係
は、(3)式のようになる。 Eexp−EM<Nen<Eexp+EM ・・・(3)
【0028】ここで、基本波とn次高調波の各ピークパ
ワーP1,Pnの関係は次のようになる。 P1×τ=一定 ・・・(4) としたとき、 P1=k1/τ ・・・(5) Pn=k×P1 n ・・・(6) となるから、 Pn=k×(k1/τ)n =kn/τn ・・・(7) ここに、Pn ;n倍数(略三角波)のピークパワー P1 ;基本波(略三角波)のピークパワー k,k1,kn;定数 τ ;n倍数、基本波のパルス幅(共通) ∴Pexp=N×Pn×τ=N×kn/τn-1 ・・・(8) ところで、 en=Pn×τ=kn/τn-1 ・・・(9) したがって露光に要するパルス数Nは ∴τn-1/kn(Eexp−EM)<N<τn-1/kn(Eexp+EM)・・・(10) 式(10)は式(1)と同一である。
【0029】この式(10)をパルス数N−パルス幅τ
空間に図示すると、図2に示す最適露光光量曲線Lとな
る。
【0030】実稼働装置では最適露光エネルギーEEXP
=一定に設定するから、式(10)からパルス幅τが短
い方がパルス数Nは少なくて済むことが分かる。また、
パルス幅τが短いとピークパワーP1の高いパルスが得
られるから、光源の波長変換効率も高くなる。その結
果、光源のエネルギー利用効率が高まり、装置を低消費
電力化することができる。
【0031】しかしながら、実稼働装置では最適露光エ
ネルギーEexpを常に満足するように装置を維持するの
は困難であるから、式(10)のように露光エネルギー
マージンEMを考慮したものとなっている。したがって
式(10)を満足するN個のパルス数で露光を行えば最
適な露光となる。
【0032】式(10)をN−τ空間に図示すると、図
2に示すように、最適露光光量の下限を規定する曲線L
1と同じく上限を規定する曲線L2とで挟まれた、最大で
露光マージンLmの幅を持った漸増する帯状の開放領域
となる。図中、曲線L2の上側Lfは露光過剰領域であ
り、曲線L1の下側Luは露光不足領域である。
【0033】以上、実稼働露光装置を用いて最適な露光
を行う際に必要とされるパルス数Nとパルス幅の範囲が
露光エネルギーの面から求められた。
【0034】一方、露光照明光はスペックルが平均化さ
れている必要がある。スペックルが不均一な露光照明光
で露光を行うとスペックルパターンがフォトレジストに
乗ってしまい、エッチング工程を経た基板にマスクパタ
ーンが正確に転写されなくなり、製品不良が発生し、歩
留まりが低下するからである。
【0035】スペックルはレーザ光のようなコヒーレン
ト光の被照射物におけるランダムな干渉現象に起因する
統計的に現れるノイズであるから、スペックルを平均化
するためにはパルス数Nを多くする必要がある。理由
は、パルス数Nを多くすることは統計上の母集団を大き
くすることであるから、小さな母集団から抽出された標
本中で偏在の度合いの大きな事象(スペックルの不均
一)も、大きな母集団から抽出された同規模の標本中で
は偏在度合いが小さくなり、結果的にスペックルが均一
化されるからである。
【0036】しかし、スペックルを均一化するためにパ
ルス数Nを多くすると、トータルエネルギー=パルス数
N×1パルス当りのエネルギーであるから、露光エネル
ギーが図2に示すN−τ空間中でLf領域に入ってしま
い露光過剰となる。露光過剰はマスクパターンの基板へ
の正確な転写を妨げるから、製品不良を発生させ、歩留
まりの低下を招く。
【0037】これを回避するために本発明では、光源が
出射するn次高調波パルスレーザ光を回転拡散板に照射
してスペックルの均一化を図っている。回転拡散板は、
例えばすりガラスから成る円盤で中心軸を中心に高速で
回転しており、その粗面にレーザ光を照射して散乱させ
ることによりスペックスの発生しにくい光を得ている。
【0038】n次高調波パルスレーザ光ωnのパルス幅
をτ、照射部の拡散板の速度(回転中心までの距離×角
速度)をν、遠視野でのスペックルパターンの相関が1
/e(eは指数)になる拡散板の移動量をρ0とする
と、正規化された単パルスの遠視野におけるスペックル
ノイズの分散σは、 σ={1+τ2(ν/ρ02-1/4 ・・・(11) で与えられる(要すれば、W.Partlo and
W.Oldham,APPLIED OPTICS,V
ol.32,No.16(1993),p.3012の
式(28)を参照)。
【0039】拡散板で生じる円錐状の散乱光の強度が、
中心強度の1/e(eは指数)となる角度ρ0とする
と、 ρ0={λ×((α2+1)/(2×α2))1/2}/π×θ0 ・・・(12) ここに、λ ;波長 α ;拡散板の枚数によるパラメータ(1枚でSQR
(3)) θ0;散乱光の作る円錐の頂角 Nパルス時のスペックルノイズ(強度)の分散σ’は σ’=σ/(N−1)1/2 ・・・(13) 遠視野におけるσ’の3シグマがaより小(3σ’<
a)とすると、 3×σ/(N−1)1/2<a ∴(3/a)2/(1+τ2(ν/ρ021/2<N−1 ・・・(14) N>>1であるから ∴(3/a)2/(1+τ2(ν/ρ021/2<N ・・・(15) 遠視野におけるσ’の3シグマがbより大(3σ’>
b)とすると、同様に、 N<(3/b)2/(1+τ2(ν/ρ021/2 ・・・(16) となるため、最終的には、 (3/a)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2<N <(3/b)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2 ・・・(17) が得られる。式(17)は式(2)と同一である。
【0040】式(17)をN−τ空間に図示するとスペ
ックルマージンの下限を規定する曲線S1と同じく上限
を規定する曲線S2とで挟まれ、スペックルマージンSm
の幅を持った帯状の開放領域となる。図中、最適スペッ
クル均一化曲線Sの上側Sfはスペックル均一化が十分
の領域であり、曲線Sの下側Suはスペックル均一化が
不十分の領域である。
【0041】以上、n次高調波パルスレーザ光を光源と
する露光照明装置のパルス数Nとパルス幅τとを最適値
に設定するための条件を、露光エネルギーおよびスペッ
クル均一化の双方から求めた。結果をまとめると、上述
した式(1)および(2)を満たすようにパルス数Nと
パルス幅τを選択することにより最適の露光照明光が得
られる。
【0042】ここで、実稼働装置では、露光エネルギー
マージンは±2%程度が許容範囲であるから、式(1
0)で露光エネルギーマージンEMを |EM/EEXP|<0.02 ・・・(18) の範囲に設定し、式(17)におけるスペックルマージ
ンの上限を規定する定数a、同じく下限を規定する定数
bは、経験則によると、 0.96<a,b<1.0 ・・・(19) の範囲に設定すれば十分である。
【0043】以上のように、本発明に係る露光照明装置
は、最適露光が行えるようにパルス数Nおよびパルス幅
τを最適化したものである。したがって 1)露光時間が短く、スループットが高いから、生産性
が向上する。 2)光源エネルギーの利用効率が高いから、装置の低消
費電力化が実現する。 3)スペックルが均一化しているから、均一でむらのな
い露光が実現する。
【0044】次に、本発明に係る露光照明装置を露光装
置に適用した例を図1を参照しながら説明する。本例の
露光装置は、光源1(31)が出射するn次高調波レー
ザ光の光軸上に順次、回転拡散板2、コリメータレンズ
3、フライアイレンズ4、コンデンサレンズ5、マスク
6、投影レンズ7、および被露光体8が配置されてい
る。
【0045】光源1(31)は固体レーザが発振出射す
るパルスレーザ光を波長変換したn次高調波を出射し、
パルス数Nとパルス幅τとが最適露光を実現する値に選
定されているものであるが、詳しくは後述する。
【0046】回転拡散板2は回転軸2aを中心に回転し
ており、光源1(31)が出射するn次高調波パルスレ
ーザ光が照射され、そのレーザ光のスペックルを均一化
する。コリメータレンズ3は入射光を平行光にする。フ
ライアイレンズ4は同形のロッドレンズをエレメントと
して多数個集積したもので、各エレメントに入射する多
数の同一像(光束)を1個の像(光束)として瞳の位置
に結像する特性を持っている。したがってフライアイレ
ンズ4からの出射光をコンデンサレンズ5によってマス
ク6上に集光させると、マスク6はほぼ均一化された強
度分布を持った光で照明される。
【0047】マスク6には半導体装置や液晶表示装置な
どの回路パターン6aが等倍あるいは拡大されて刻まれ
ている。被露光体8はSiなどの半導体基板やプリント
配線基板などであり、この上に塗布されたフォトレジス
トにマスク6のパターンが転写される。
【0048】続いて図1に示す本例装置の動作を説明す
る。光源1(31)が出射するn次高調波パルスレーザ
光は回転軸2aを中心に1000〜10000rpmの
速度で回転している回転拡散板2に入射し、スペックル
を均一化したのち、散乱光になって出射する。この散乱
光はコリメータレンズ3によって平行になされたのち、
フライアイレンズ4、コンデンサレンズ5を経てマスク
6を照射する。
【0049】上述したようにフライアイレンズ4には光
強度分布を均一化する作用があるから、マスク6はスペ
ックルが均一化され、均一化された光強度分布の光で照
明される。この照明光はマスク6に形成されたパターン
6aを投影レンズ7を通して被露光体8に転写して転写
パターン8aを形成する。被露光体8が半導体基板など
の場合には、被露光体8はX−Yステージ上に載置され
ている。1回の露光が終了するごとにX−Yステージは
所定距離だけ平行移動するから、X−Yステージの移動
に伴って被露光体8も移動する。これによりステップ・
アンド・リピート(逐次移動式)の繰り返し露光が行わ
れる。
【0050】次に本発明の実施に好適な光源の第1例を
図3を参照して説明する。本例の光源1は固体レーザの
第4高調波(4次高調波)を出射するもので、半導体レ
ーザ21、この半導体レーザ21によって励起されパル
スレーザ光を出力する固体レーザ22、第1共振器2
4、および第2共振器25から構成される。同図に示す
ように、固体レーザ22は半導体レーザ21が発振出射
する例えば波長860nmのレーザ光で励起され所定波
長のパルスレーザ光を発振出射する。
【0051】半導体レーザ21の発振を制御することに
より固体レーザ22が発振出射するパルスレーザ光のパ
ルス数Nとパルス幅τとを図2に示す最適化領域Rに属
する最適な値に制御する。
【0052】固体レーザ22としてYAGレーザを用い
ると波長1064nmのレーザ光が出射される。この波
長1064nmのレーザ光を基本波ω1として使用す
る。
【0053】YAGレーザ22は、レーザ媒質としてイ
ットリウム(Y)、アルミニウム(A)、ガーネット
(G)から成る結晶にネオジウムをドープしたレーザ媒
質22bが使用され、これを挟んで2枚の反射鏡22
a,22cが配置された共振器によって構成される。
【0054】YAGレーザ22が出射する波長1064
nmの基本波ω1は第1共振器24に入射する。第1共
振器24はLBOやKTPなどが非線形光学媒質24b
として使用され、この媒質24bを挟んで2枚の反射鏡
24a,24cが配置され、第1共振器24に入射した
波長1064nmの基本波ω1が波長532nmの第2
高調波(2次高調波)ω2に波長変換されて出射され
る。
【0055】第1共振器24から出射された波長532
nmの第2高調波ω2は第2共振器25に入射する。第
2共振器25はCLBOやBBOを非線形光学媒質25
bとし、この媒質25bを挟んで2枚の反射鏡25a,
25cを配置して構成され、波長266nmの第4高調
波ω4に波長変換して出射する。本発明に係る露光照明
装置の光源1は、この波長266nmの第4高調波ω4
を露光照明光として用いる。本例の光源1は、この第4
高調波ω4を露光照明光とする。
【0056】次に本発明の実施に好適な光源の第2例を
図4を参照して説明する。本例の光源31としては固体
レーザの第5高調波(5次高調波)を利用するもので、
半導体レーザ21、この半導体レーザ21によって励起
されパルスレーザ光を出力する固体レーザ22、第1共
振器24、第2共振器25、ミラー23,26,27,
28、および非線形光学素子29で構成されている。半
導体レーザ21、固体レーザ22、第1共振器24、お
よび第2共振器25は図3に示した第4高調波を出射す
る第1の光源1と同じであるので、同一符号を付して詳
細な説明は割愛する。
【0057】半導体レーザ21の発振を制御することに
より固体レーザ22が発振出射するパルスレーザ光のパ
ルス数Nとパルス幅τとを図2に示す最適化領域Rに属
する最適な値に制御する点も、図3に示した第4高調波
を出射する第1の光源1と同じである。
【0058】固体レーザであるYAGレーザ22から出
射する波長1064nmの基本波ω 1はダイクロイック
ミラー23にて透過光と反射光とに分光される。透過光
は第1共振器24に入射し、反射光はミラー27に向か
う。第1共振器24に入射した波長1064nmの基本
波ω1は波長532nmの第2高調波ω2に波長変換され
て出射される。この第2高調波ω2は第2共振器25に
入射し、波長266nmの第4高調波ω4に波長変換さ
れて出射される。
【0059】第4高調波ω4はミラー26で反射され、
ミラー27で反射された基本波ω1とダイクロイックミ
ラー28によって合成された後、BBOやCLBOなど
の非線形光学媒質から成る非線形光学素子29に入射す
る。
【0060】非線形光学素子29に入射した基本波ω1
と第4高調波ω4とから、波長213nmの第5高調波
ω5が合成出射される。この波長213nmの第5高調
波ω5を露光照明光として用いる。
【0061】露光照明装置が使用する波長は露光目的に
応じて選択されるもので、第5高調波ω5以上のn次高
調波(n≧6,7,・・・)も使用することができる。
6次以上のn次高調波を用いる場合には、光源の構成
(共振器の数やミラーの数など)は、それ相応のものと
なる。
【0062】このように構成された本発明に係る露光照
明装置では、 1)光源に固体レーザを用いているから、 a)装置を小型化できる。 b)保守が容易である。 c)装置価格を安価にできると共に、維持費も低く抑え
ることができる。 2)n次高調波を用いているから、露光照明光の波長を
短くすることができ、高解像度の露光が実現する。 3)最適露光を行えるようにパルス数Nおよびパルス幅
τを最適値に設定しているから、 a)露光時間が短く、スループットが高い。その結果、
生産性が向上する。 b)n次高調波を用いているため、光源エネルギーの利
用効率が高い。その結果、装置に低消費電力化が実現す
る。 c)スペックルが均一化している。その結果、均一でむ
らのない最適な露光が実現する。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、半
導体装置や液晶表示装置などの電子デバイスの製造工程
においてマスク上に形成された回路などのパターンを基
板上に露光する際に使用される露光装置などの照明用光
源装置として用いられる露光照明装置において、露光用
パルスレーザ光のパルス数およびパルス幅を最適化する
ことができるから、露光時間を短縮することができ、生
産性が向上する。また光源のエネルギー利用効率が高ま
るから、装置の低消費電力化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光装置の構成例を示す図であ
る。
【図2】パルス数N−パルス幅τの関係を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施に用いられる光源の第1例を示す
図である。
【図4】本発明の実施に用いられる光源の第2例を示す
図である。
【図5】エキシマレーザ露光装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・光源、2・・・回転拡散板、3・・・コリメー
タレンズ、4・・・フライアイレンズ、5・・・コンデ
ンサレンズ、6・・・マスク、7・・・投影レンズ、8
・・・被露光体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/109 H05K 3/00 H // H05K 3/00 G02B 27/00 V

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体装置や液晶表示装置などの電子デバ
    イスの製造工程においてマスク上に形成された回路など
    のパターンを基板上に露光する際に使用される露光装置
    などの照明用光源装置として用いられる露光照明装置で
    あって、 固体レーザが発振出射するパルスレーザ光を波長変換し
    たn(nは2以上の自然数)次高調波パルスレーザ光を
    出射する光源と、 該光源が出射するn次高調波パルスレーザ光のスペック
    ルを平均化する回転拡散板とを備え、 n次高調波パルスレーザ光のパルス数Nとパルス幅τと
    が次の式(1)および式(2)、すなわち、 (τn-1/kn)(EEXP−EM)<N<(τn-1/kn)(EEXP+EM) ・・・(1) ここで、kn:n次高調波を表す定数 EEXP:最適露光エネルギー EM:露光エネルギーマージン (3/a)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2<N <(3/b)2{1+τ2(ν/ρ02-1/2 ・・・(2) ここで、ν:拡散板の照射部の速度(回転中心までの距
    離×角速度) ρ0:スペックルパターンの相関が1/e(eは指数)
    になる回転拡散板の移動量 a:スペックルマージンの上限を規定する定数 b:スペックルマージンの下限を規定する定数 を満たすことを特徴とする露光照明装置。
  2. 【請求項2】式(1)で、露光エネルギーマージンEM
    を |EM/EEXP|<0.02 の範囲に設定し、かつ、 式(2)で、スペックルマージンの上限を規定する定数
    a、およびスペックルマージンの下限を規定する定数b
    を、 0.96<a,b<1.0 の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載の露光
    照明装置。
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