JPH09243850A

JPH09243850A - 光ファイバアレイ

Info

Publication number: JPH09243850A
Application number: JP7952296A
Authority: JP
Inventors: Fumio Matsumura; 文雄松村
Original assignee: Toyo Communication Equipment Co Ltd
Current assignee: Toyo Communication Equipment Co Ltd
Priority date: 1996-03-07
Filing date: 1996-03-07
Publication date: 1997-09-19

Abstract

(57)【要約】【課題】従来の光ファイバアレイでは平板段差固定板
を用いる構造においては、一枚の板で２つの板厚を精度
よく加工するのは難しく、且つファイバ線の左右方向の
心ずれを起こす虞があり、またＶ溝加工の固定板を用い
る構造においては、一枚の板の同一面上に２つの異なる
深さの溝を加工するのは難しいと云う問題があった。本
発明は上記課題を解決するためになされたもので低コス
トの光ファイバアレイを多量に提供することを目的とす
る。【解決手段】第１の光ファイバと第２の光ファイバを
相互接続するべく押さえ板部材と固定部材との間に前記
光ファイバを挟み込み接着剤にて接着固定する光ファイ
バアレイ構造において、前記固定部材を独立した２つの
固定部材とした光ファイバアレイである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は光導波路カプラ等の
構成に必要な光ファイバアレイに関し、特に単純な機械
加工及び化学的エッチング加工で作製された部材を用い
て構成した光ファイバアレイに関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の光通信の増大に伴い光通信装置は
勿論のこと光コネクタや光導波路デバイスの接続等に各
種の光ファイバアレイが多量に用いられている。光ファ
イバ同士を相互接続する際には、軸ずれ、傾き及び端面
間の空隙等の不具合が発生し易く、これを解決するため
に従来より種々の工夫が成されてきた。光ファイバの接
続法としては、軸合わせ方法で分類すると（１）Ｖ溝接
続法（案内溝接続法）、（２）スリーブ接続法、（３）
３ロッド接続法等があり、接着方法で分類すると（イ）
接着剤による接続、（ロ）融着接続法、（ハ）圧力固定
接続法等がある。これらの組み合わせの中で（１）−
（イ）Ｖ溝接続法、（２）−（イ）スリーブ接続法及び
（１）−（ロ）融着接続法が一般に用いられている。
光ファイバアレイは光デバイスと光ファイバとを接続す
る一種のコネクタであり、単心から多心まで種々ありま
た、線径も多種に亘る。

【０００３】従来の光ファイバアレイ構造の一例として
図３に示すような構造がある。図３（ａ）は光ファイバ
アレイ構造の中で最も重要な一体型光ファイバ固定板
（以下、固定板１１と云う）の斜視図であり、Ａ１及び
Ａ２面は平面加工を施されて、Ａ１とＡ２の段差ｔはこ
の上に載せる光ファイバ素線と光ファイバ心線の半径の
差に相当する。従って光ファイバ素線と光ファイバ心線
との接合精度は段差ｔの加工精度に依存することにな
る。図３（ｂ）は前記固定板をもちいた完成品の長手方
向の中心における断面図を示し、固定板１１とその上
に、光ファイバ素線１２とこれと対向する光ファイバ心
線１３、これらを接着する接着剤１４、および光ファイ
バ素線１２と光ファイバ心線１３を固定板１１と共に押
さえて固定する光ファイバ押さえ板１５からなる。光フ
ァイバ素線１２と光ファイバ心線１３とを一体構造の固
定板１１と押さえ板１５により上下から挟み込んで、光
ファイバ素線１２と光ファイバ心線１３が互いの端面を
密着するように保持し、接着剤１４により固定される構
造のものである。

【０００４】光ファイバ素線１２は固定板１１のＡ１面
で保持され、光ファイバ心線１３は固定板１１のＡ２面
で保持され、接着剤１４で固定板１１と押さえ板１５と
に固定される。尚、固定板１１は上述したように光ファ
イバ素線１２と光ファイバ心線１３との半径差を考慮し
て精密に加工されなければならない。ここで、ファイバ
の線径の一例を挙げると光ファイバ素線１２は１２５μ
ｍ、光ファイバ心線１３は２５０μｍが一般的に用い
られている。図３（ｂ）に示した光ファイバアレイのＢ
−Ｂにおける断面図を図３（ｃ）に示す。固定板１１の
段差ｔは、夫々の線径を勘案して精密に加工するが押さ
え板１５は単純加工で平面であればよい。段差を利用し
て線径の異なる光ファイバ線を固定板１１と押さえ板１
５に適当な圧力を加え接着剤で固定して仕上げる構造と
なっている。この場合図３（ｃ）の左右方向のずれを抑
えるために治具が必要になる。

【０００５】また、図４は従来の他の光ファイバアレイ
の例である。図４（ａ）は固定板１６の斜視図であっ
て、前記の固定板１１と異なりファイバ素線とファイバ
心線の上下及び左右のずれを防止するためそれぞれの径
に合ったＶ溝加工を施しているのが特徴である。図４
（ｂ）は上記固定板１６を用いた完成品であって、長手
方向の中心における断面図を示す。同図のＣ−Ｃにおけ
る断面図は図４（ｃ）に示すように光ファイバ素線１７
と光ファイバ心線１８の径を勘案して、固定板１６に各
ファイバ線径に合わせてＶ溝を精密に切削加工し、各フ
ァイバ線を夫々のＶ溝に埋設し僅かの力で押さえれば各
ファイバ線の中心が密着するように構成されている。光
ファイバ素線１７と光ファイバ心線１８に接着剤を塗布
して接合し、固定板１６と押さえ板２０とで挟み込むよ
うに圧力をかけ、接着剤１９で固定している。この場
合、押さえ板２０にも溝加工が施されている場合が多
い。上記二例は説明を簡潔にするため、いずれも光ファ
イバの単線の例を示して説明したが通常は多線の使用が
多い。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の平
板段差固定板を用いる構造においては、一枚の板で２つ
の板厚を精度よく加工するのは難しく、且つファイバ線
の左右方向の心ずれを起こす虞があり、またＶ溝加工の
固定板を用いる構造においては、一枚の板の同一面上に
２つの異なる深さの溝加工するのは難しく、且つＶ溝の
加工にコストが掛かり過ぎると云う問題があった。本発
明は上記課題を解決するためになされたものであって光
ファイバ素線部と光ファイバ心線部との固定板を分離す
ることにより簡単な機械加工と化学的エッチング加工の
みで光ファイバアレイの固定部材を製作可能とし低コス
トの光ファイバアレイを多量に提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第１の光ファイバと第２
の光ファイバを相互接続するべく押さえ板部材と固定部
材との間に前記光ファイバを挟み込み接着剤にて接着固
定する光ファイバアレイ構造において、前記固定部材を
独立した２つの固定部材とした光ファイバアレイであ
る。また、前記２つの固定部材の一方には前記第１の光
ファイバの直径に基づく溝加工を、他の固定部材には前
記第２の光ファイバの直径に基づく溝加工をそれぞれ施
した上記内容の光ファイバアレイである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下本発明を添付図面に示した実
施の形態に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係
る光ファイバアレイの構造を示す図であり、同図（ａ）
は光ファイバアレイの中で重要な部品である固定板の斜
視を示す。従来品と異なり２つの部分、固定板１と固定
板２に分割しそれぞれにファイバ素線及びファイバ心線
の径に合ったＶ溝加工を施すのみで、この後１及び２の
板厚加工を行えばよい。板厚加工は極めて簡単であり種
々の手法が使えが、１と２の裏面をフライス盤で研削し
てもよいしまた、ラッピング加工で研磨してもよい。い
ずれの手段を用いても精度よくまた短時間に低コストに
仕上げることができる。図１（ｂ）は２つの固定板１
と２とを精度よく接合し、接合した固定板の上に光ファ
イバ素線と光ファイバ心線を載せ光ファイバアレイを組
み立てるための治具である。図１（ｃ）は本発明の光フ
ァイバアレイの完成品の基本構造であって、その長手方
向の中心における断面図であり、光ファイバ素線固定板
１、光ファイバ心線固定板２の上に夫々光ファイバ素線
３及び光ファイバ心線４を載せ接着剤で互いの端面を接
合し、光ファイバ押さえ板６で押さえながら接着剤５を
用いて全体を固定する構造になっている。ここで、固定
板１と２の厚さは、同一としＶ溝の深さはそれぞれの線
径に応じて変えることとする。また、押さえ板６は光フ
ァイバの長手方向に一様な平面とし光ファイバ素線３と
光ファイバ心線４とに接着剤５を介して一様な圧力が加
わるようにする。このように、光ファイバ素線３と光フ
ァイバ心線４とを同じ厚さの固定板１及び２に載せ上部
から均一厚みの押さえ板６により押さえて保持し接着剤
５により固定した例である。

【０００９】図１（ｃ）の本発明に係る単心光ファイバ
アレイのＡ−Ａにおける断面図を同（ｄ）に示す。同図
において光ファイバ素線３と光ファイバ心線４の接合に
おいて上下及び左右方向のずれは固定板１及び２を同じ
厚みに加工し、溝をそれぞれの径に合わせて加工してあ
るのでそれぞれファイバの上から僅かの力を加えればフ
ァイバ線の中心同士がずれることなく密着する。ここ
で、固定板１、２は単純な平板加工で板厚精度を出した
後、それぞれの線径に応じて溝加工を行う。溝加工は機
械加工でもあるいは化学的なエッチングでもよい。ま
た、図１（ｃ）において押さえ板６と光ファイバ素線３
との間に隙間が生じるが、接着剤を十分に充填した上で
押さえ板で挟み込めば細径の光ファイバは固定板１と押
さえ板６の間に固定することができる。

【００１０】図２（ａ）は光ファイバ線が多心になった
場合の固定板７と８の斜視図であり、７は光ファイバ線
素線用であり８は光ファイバ線心線用である。それぞれ
の固定板とも光ファイバ素線及び光ファイバ心線の径に
合ったＶ溝を必要な数だけ加工し、図２（ｂ）に示した
治具ｂ−２上で接合し、接合した固定板の上に光ファイ
バ素線及び光ファイバ心線を載せ、対向する光ファイバ
素線と心線の互いの端面に接着剤を塗布し、更に、押さ
え板で上から押さえながら接着剤で固定し、同時に固定
板７と８及び押さえ板も接着固定する構造である。

【００１１】この実施例によれば固定板７と固定板８を
別々に平板加工した後に単純溝加工を施すことにより容
易に光ファイバ単線から複数本の光ファイバまで容易に
固定板に配列固定することができる。また、固定板１、
２の下に補助板を設けて固定板１、２の下端の平面度を
確保することもできる。固定板１、２及び押さえ板６と
して金属以外に各種ガラス、各種セラミック及びシリコ
ン板等が利用可能である。

【００１２】上の記述では説明を簡単にするために固定
板１と２の板厚を同一として説明してきたが、かなずし
も同一である必要はなく溝の深さに応じて板厚を調整し
てもよい。光ファイバの固定溝としてはＶ溝、矩形溝及
び円弧溝加工等が利用でき、機械切削加工と化学的エッ
チング加工だけでなくプレス加工も応用できる。また、
上記光ファイバアレイに用いる接着剤としては紫外線硬
化剤や二液性エポキシ接着剤等が利用できる。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、本発明による光ファイバアレイは光ファイバの固
定板を光ファイバ素線部と光ファイバ心線部とで分離す
ることにより低コスト化が可能となり、低コストの光フ
ァイバアレイを多量に製造出来るという著しい効果を発
揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明に係る固定板の斜視図を示し、
（ｂ）は固定板の接合用治具、（ｃ）は光ファイバの基
本構成の長手方向の中心における断面図を示す図、
（ｄ）は図（ｃ）のＡ−Ａに於ける断面図を示す図であ
る。

【図２】（ａ）は本発明に係る多心用の固定板の斜視図
を示し、（ｂ）は固定板の接合用治具の斜視図である。

【図３】（ａ）は従来の一体型固定板の示す斜視図、
（ｂ）は従来の光ファイバアレイの長手方向の中心にお
ける断面図を示す図、（ｃ）はＢ−Ｂに於ける断面図を
示す図である。

【図４】（ａ）は従来の他の一体型固定板の示す斜視
図、（ｂ）は従来の他の光ファイバアレイの長手方向の
中心における断面図を示す図、（ｃ）はＣ−Ｃに於ける
断面図を示す図である。

【符号の説明】

１、７光ファイバ素線固定板２、８光ファイバ心線固定板３光ファイバ素線４光ファイバ心線５接着剤６光ファイバ押さえ板ｂ−１、２固定板接合用治具Ｒ１光ファイバ素線の線径Ｒ２光ファイバ心線の線径

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】第１の光ファイバと第２の光ファイバを
相互接続するべく押さえ板部材と固定部材との間に前記
光ファイバを挟み込み接着剤にて接着固定する光ファイ
バアレイ構造において、前記固定部材を独立した２つの
固定部材としたことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項２】前記２つの固定部材の一方には前記第１
の光ファイバの直径に基づく溝加工を、他の固定部材に
は前記第２の光ファイバの直径に基づく溝加工をそれぞ
れ施したことを特徴とする請求項１記載の光ファイバア
レイ。