JPH09242493A - 防水工法 - Google Patents

防水工法

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JPH09242493A
JPH09242493A JP8085768A JP8576896A JPH09242493A JP H09242493 A JPH09242493 A JP H09242493A JP 8085768 A JP8085768 A JP 8085768A JP 8576896 A JP8576896 A JP 8576896A JP H09242493 A JPH09242493 A JP H09242493A
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JP
Japan
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waterproof
lining
polyurethane composition
synthetic short
construction method
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Application number
JP8085768A
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English (en)
Inventor
Satoru Nishioka
哲 西岡
Nozomi Takakura
望 高倉
Ikutami Yamashiro
育民 山代
Hiroshi Miyashita
洋 宮下
Koji Nasu
厚二 奈須
Naotane Minamida
尚胤 南田
Hisashi Yamazaki
久史 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N M B KK
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Tokyu Construction Co Ltd
Original Assignee
N M B KK
Tokyu Construction Co Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来、トンネル工事をNATM工法で行なう場
合、一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリートの間
に樹脂の吹付けによって防水層を成形させる防水工法が
提案されているが、樹脂の吹付け時垂れの現象が起こ
り、厚塗りが困難な上、得られる防水層の強度も充分で
はなかった。 【解決手段】本発明によれば、掘削面にまず急結セメン
ト組成物(a)による一次覆工を行ない、ついで超速硬
化型ポリウレタン樹脂(b)と合成短繊維(c)による
防水覆工を行なうことにより、垂れの現象を伴うことな
く十分な防水に必要な厚塗りを可能とし、強靭且つ完璧
な防水層を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下道やトンネル
等の掘削工事における掘削面の防水工法、特にNATM
工法における防水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下道やトンネルの施工技術は、古くか
ら行われていた木製や鋼製支保工による掘削方法から、
近年では、吹付コンクリートとロックボルトを使用する
NATM工法などに代わりつつある。このNATM工法
は、掘削直後に掘削面にモルタルやコンクリートを吹付
けて一次覆工を行った後、二次覆工コンクリートを打設
することによってトンネルを安定させるものである。一
般には、二次覆工コンクリートにクラックが発生するの
を防止するために、一次覆工と二次覆工の間に、防水や
絶縁(アイソレーション)を目的とする防水シートの使
用が広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この防
水シートの取り付け工事は、円弧形で凸凹の激しい形状
の一次覆工面に対して釘打ちによるシートの固定やシー
ト重ね合わせ部の熔接作業などを通常手作業で行わねば
ならず、その作業条件は極めて苛酷であり、また手間と
労力を要し不経済である。この問題を解決するためシー
トに代わる樹脂の吹き付けなど種々の提案がなされてい
るが、防水材の垂れや、防水層の強度などにまだ問題が
あり、充分な解決策がないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題に鑑み、地下道やトンネルなどの掘削工事において、
急結性セメント組成物による一次覆工の後、超速硬化型
ポリウレタン防水材および合成短繊維を用いる防水覆工
を試みたところ、極めて良好な結果を得、さらに研究を
重ねて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、 1)地下道やトンネルの掘削工事において、掘削面に急
結性セメント組成物(a)による一次覆工を施した後、
超速硬化型ポリウレタン組成物(b)と合成短繊維
(c)による防水覆工を施すことを特徴とする防水工
法、 2)急結性セメント組成物(a)が、少なくとも、セメ
ント、水および急結剤を含有するものであり、吹付け機
械を用いて一次覆工する1)記載の防水工法、 3)超速硬化型ポリウレタン組成物(b)が、末端にイ
ソシアネート基を有するプレポリマーおよび活性水素化
合物を含有してなる二成分型ポリウレタン組成物であ
り、吹付け機械を用いて防水覆工する1)記載の防水工
法、 4)活性水素化合物がポリオールおよび/またはポリア
ミンである3)記載の防水工法、 5)合成短繊維(c)が、直径5〜500μ、長さ0.
5〜30mmのものである1)記載の防水工法、 6)合成短繊維がビニロン、ナイロンおよびアクリル樹
脂から選ばれた少なくとも1種である1)記載の防水工
法、 7)合成短繊維がビニロン樹脂である1)記載の防水工
法、 8)防水覆工により形成される層の厚みが3〜30mm
である1)記載の防水工法、 9)防水覆工における超速硬化型ポリウレタン組成物
(b)対合成短繊維(c)の使用割合が重量比で100
対0.1〜30である請求項1記載の防水工法、 10)防水覆工において超速硬化型ポリウレタン組成物
(b)と合成短繊維(c)を別々のノズルから吹き付け
る3)記載の防水工法、 11)防水覆工において超速硬化型ポリウレタン組成物
(b)と合成短繊維(c)を混合した後ノズルから吹き
付ける3)記載の防水工法、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる急結性セメン
ト組成物(a)は、少なくとも、セメント、水および急
結剤を含有し、必要によりそのほかの混和剤、混和材、
骨材などを配して用いられる。この急結性セメント組成
物(a)による一次覆工は、通常水以外のすべての材料
を空練りしたコンクリートを吹付機械により圧送し、吹
付ノズルの手前で別系統で送られてきた水と合流させて
吹付ける乾式工法、あるいは、急結剤を除くすべての材
料を混練したコンクリートを、吹付ノズルの手前で急結
剤を加えて吹付ける乾式工法などにより施工される。セ
メントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、
早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメン
ト、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセ
メント、混合セメント、高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント、アルミナセメントなどが
挙げられる。急結剤としては、例えば、アルミン酸ナト
リウム、アルミン酸カリウムなどのアルミン酸アルカリ
金属塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アル
カリ金属塩、けい酸ナトリウム、けい酸カリなどの無機
アルカリ金属塩系急結剤、アルミン酸カルシウム、カル
シウムサルフォアルミネートなどのセメント鉱物系急結
剤、グリセリン、トリエタノールアミンなどの有機系急
結剤など自体公知のものが挙げられる。これらは、凝結
速度、水和反応促進性、作業性などを調整するため2種
以上を適宜組み合わせて使う場合が多い。
【0006】混和剤としては、例えば、AE剤、減水
剤、AE減水剤、流動化剤、防錆剤などが挙げらる。混
和材としては、たとえばポゾラン、膨脹材、シリカフュ
ームなどが挙げられる。骨材としては、例えば砂、砂
利、砕砂、砕石、軽量骨材、重量骨材、人口骨材などが
挙げられる。上記の急結性セメント組成物は、乾式工法
あるいは湿式工法などの施工方法、急結剤の種類や添加
方法が異なっても、吹き付けられたコンクリートは瞬間
的に凝固硬化し、一次覆工ができる。本発明に用いられ
る超速硬化型ポリウレタン組成物(b)は、末端にイソ
シアネート基を有するプレポリマー(主剤)と、活性水
素化合物(硬化剤)を含有してなるが、さらに従来から
用いられている自体公知の可塑剤、充填材、顔料、難燃
剤、触媒、安定剤などが適宜配合されていてもよい。末
端にイソシアネート基を有するプレポリマーは、有機ポ
リイソシアネートと2個以上の活性水素基を有するポリ
オール類とをイソシアネート基過剰の条件で反応させる
ことにより得られる。有機ポリイソシアネートとして
は、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジ
フェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(MD
I)、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート
(2,4′−MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネート(クルードMDI)、公知の技術で液状
化した液状ジフェニルメタンジイソシアネート(液状化
MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(N
DI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレン
ジイソシアネート(TODI)などの芳香族ポリイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XD
I)、ジシクロヘキシル4,4′−ジイソシアネート
(H12MDI)などの脂環族を含む脂肪族ポリイソシア
ネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(T
MXDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)な
どの芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
これらは一種または二種以上を混合して用いられる。
【0007】本発明においては、これらの有機ポリイソ
シアネートの中で特に、ジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−2,
4′−ジイソシアネート(2,4′−MDI)、ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMD
I)、公知技術で液状化した液状ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(液状化MDI)が好ましい。また、有機
ポリイソシアネートと組み合わせて用いる2個以上の活
性水素基を有するポリオールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコールな
どのグリコール類や、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン等のトリオール類等の低分
子ポリオール類、ポリ(オキシプロピレン)ポリオー
ル、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキシ
エチレンプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシテトラ
メチレン)グリコール、ポリ(カプロラクトン)ポリオ
ール、ポリブタジエンポリオール、ポリ(ブチレンカー
ボネート)ポリオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネ
ート)ポリオール、ポリ(エチレンアジペート)ジオー
ル、ポリ(プロピレンアジペート)ジオール、ポリ(ブ
チレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサンアジペー
ト)ジオール等の高分子ポリオール類などが挙げられ
る。これらは一種または二種以上の混合物として用いら
れる。これらの中ではポリ(オキシプロピレン)ポリオ
ール、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキ
シエチレンプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシテト
ラメチレン)グリコール、ポリ(カプロラクトン)ポリ
オール、ポリブタジエンポリオールなどが好ましく、こ
れらは通常、平均分子量400〜8000で平均官能基
数2〜6の範囲にあるものがさらに好ましい。
【0008】本発明に用いられる末端にイソシアネート
基を有するプレポリマーは、有機ポリイソシアネートの
イソシアネート基(−NCO)が、ポリオールの活性水
素基(−OH、−NHなど)に対し、例えば、NCO/
H当量比が、1.2〜10となる割合で、反応温度約4
0〜130℃で4〜10時間反応させて製造することが
できる。この反応は、従来公知の触媒、溶媒等を用いて
もよく、さらに、ベンゾイルクロライド、ジブチルヒド
ロキシトルエン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、トリフェニルフォス
ファイトなどの安定剤などを添加してもよい。活性水素
化合物としては、たとえば活性水素基を有するポリオー
ルおよびポリアミンがあげられる。ポリオール類として
は、前述のポリオールが挙げられ、その中でもポリ(オ
キシプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレン)
ポリオール、ポリ(オキシエチレンプロピレン)ポリオ
ール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ
(カプロラクトン)ポリオール、ポリブタジエンポリオ
ールなどが好ましく、これらは通常、平均分子量400
〜8000で平均官能基数2〜6の範囲にあるものが好
ましい。また、ポリアミンとしては、例えば、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ポリ(オキシアルキレン)ポリアミン等の脂肪族ポ
リアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキ
サン等の脂環族ポリアミン、2,4−トリレンジアミ
ン、2,6−トリレンジアミン、4,4′−ジフェニル
メタンジアミン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノ
ベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼ
ン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、
1,3−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4
−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイ
ソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブ
チル−2,5−ジアミノベンゼン、3,5−ジエチル−
2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6
−ジアミノトルエン、1,3,5−トリエチル−2,6
−ジアミノベンゼン、4,4′−ジアミノ−3,3′−
ジクロロジフェニルメタン、2,4′−ジアミノ−3,
3′−ジクロロジフェニルメタンおよびその混合物等の
芳香族アミン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼン等の芳香脂
肪族アミンなどが挙げられる。
【0009】本発明に用いられるこれらのポリオールや
ポリアミンなどの活性水素化合物は、要求される塗膜性
能や施工時の作業性などによって、一種および二種以上
を混合して用いてもよい。一般には、ポリ(オキシプロ
ピレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレン)ポリオー
ル、ポリ(オキシエチレンプロピレン)ポリオール、ポ
リ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(カプロ
ラクトン)ポリオール、ポリブタジエンポリオールなど
高分子ポリオールと1,3−ジメチル−2,4−ジアミ
ノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベン
ゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、
1,3−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4
−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイ
ソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン−1,4−ジブ
チル2,5−ジアミノベンゼン、3,5−ジエチル−
2,6−ジアミノトルエン、1,3,5−トリエチル−
2,6−ジアミノベンゼンなどの芳香族アミンの一種ま
たは二種以上を混合して好適に用いられる。可塑剤とし
ては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸2−ジエチルヘキシル、フタル酸ジ
オクチル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジイソ
デシル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチ
ル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、セ
バシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類、ジ
エチレングリコールジベンゾエート、ジペンタエリスリ
トールヘキサエステル等のグリコールエステル類、リン
酸トリクレジル、リン酸トリオクチル等のリン酸エステ
ル類などが挙げられる。
【0010】充填材としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、タルク、バライト、
無水石膏、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マ
イカなど、顔料としては、亜鉛華、鉛白、リトポンなど
の体質顔料が主として用いられる。また上記以外に、例
えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、クロム
酸鉛、ウルトラマリン、コバルトブルー、シニアンブル
ー、シニアングリーン、レーキレッド、キナクリドンレ
ッドなどの着色顔料も用いることができる。触媒として
は、錫オクトエート、錫2−エチルヘキソエート、錫ラ
ウレート、錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジ
オクチル錫ジラウレート、鉛オクトエート、鉛2−エチ
ルヘキソエート、鉛ナフテート、ビスマスオクトエート
などの有機金属触媒などがあげられ、これらは一種また
は二種以上を混合して用いてもよい。触媒の使用量は超
速硬化ポリウレタン樹脂に対して0.01〜5重量%が
好ましい。難燃剤としては、第一燐酸アンモニウム化合
物、水酸化アルミニウムなどの無機系やクロロプレンゴ
ム、塩素化ポリエチレンなどのハロゲン化ポリマーやハ
ロゲン化燐酸エステル化合物などの有機系が挙げられる
が、ウレタン樹脂との相溶性が良好なことから、トリス
(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロ
ロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモ
プロピル)ホスフェートなどのハロゲン化燐酸エステル
化合物が好適に用いられる。
【0011】安定剤としては、ベンゾイルクロライド、
ジブチルヒドロキシトルエン、2−(2′−ヒドロキシ
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、トリフ
ェニルホスファイトなどが好適に使用される。本発明に
用いられる合成短繊維(c)としては、例えば、ビニロ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ル、塩化ビニル、ビニリデン、フェノール、アラミド樹
脂などの合成樹脂製短繊維が挙げられるが、ビニロン、
ナイロン、ポリエステル繊維が強度、柔軟性、主剤のウ
レタン樹脂との接着性などの点から望ましく、特にビニ
ロン繊維が好ましい。合成短繊維の直径は5〜500
μ、好ましくは10〜100μ、さらに好ましくは25
〜50μ程度であり、長さは0.5〜30mm、好まし
くは1〜15mm、さらに好ましくは2〜10mmであ
る。この合成短繊維(c)は、超速硬化ポリウレタン組
成物(b)からなる防水層の中に均一かつ三次元にラン
ダム状態で存在するため、強靭で抗張積の大きい防水層
を提供することができる。また、合成短繊維(c)を混
入することにより、ポリウレタン組成物の揺変性が向上
し、吹付け作業時の防水材の垂れが大幅に改善される。
特に垂直面や天井面の吹付作業が容易となり、防水機能
に最も重要な膜厚を十分に確保できる。
【0012】合成短繊維(c)を超速硬化ポリウレタン
組成物(b)の防水膜に分散させる方法としては、
(イ)超速硬化ポリウレタン組成物の主剤あるいは/お
よび硬化剤に、合成短繊維(c)をあらかじめ均一に混
入しておき、、吹付け機械を用いて吹付け施工する方
法、(ロ)合成短繊維(c)を別系列で移送し、吹付け
機械のノズル口先端で噴出混合しながら吹付け施工する
方法などがある。一般に繊維の長さの短い場合(たとえ
ば、2mm以下の場合)は、(イ)の方法で、たとえば
2mm以上の比較的長い場合は、(ロ)の方法吹き付け
作業が行われる。本発明における超速硬化型ポリウレタ
ン組成物(b)に対する合成短繊維(c)の使用量は、
(b)100重量部に対し(c)が通常0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましく
は1〜5重量部である。本発明の防水覆工において用い
られる超速硬化型ポリウレタン組成物(b)は通常5秒
以内に垂れの現象が起こらない程度まで硬化するが、本
発明においてはさらに合成短繊維(c)が配合されてい
るので、吹付け直後の塗膜は高い揺変性を示し、吹付け
による厚塗りをしても塗膜に垂れの現象が生じない。防
水覆工層の厚みは通常3〜30mm、好ましくは4〜2
0mm、特に好ましくは5〜15mmである。このよう
に本発明においては、防水覆工層を厚くすることが可能
であるので、さらにセメント等による二次覆工を省略す
ることもできる。
【0013】このように本発明においては、急結性セメ
ント組成物(a)を吹付装置を用いて掘削面に吹付けた
後、超速硬化ポリウレタン組成物(b)および合成短繊
維(c)を吹付けることにより、極く短時間で強靭な塗
膜防水層が得られ、目的とする防水工事が可能となる。
急結性セメント組成物(a)と超速硬化型ウレタン組成
物(b)および合成短繊維(c)の吹付ける時間的間隔
は、急結性セメント組成物の層を通して背面水の湧出が
ない限り、特に限定されるものではない。また、湧水等
により掘削面が湿潤状態になっている場合には、本発明
の効果を十分に発揮するために、当該掘削面に止水処理
を施した後に、本発明の防水工法を施工することが好ま
しい。この止水処理としては、吹付け工法により、セメ
ント、砂、補強繊維、鉱物質微粉末、膨張材、減水剤お
よび水を配合したモルタルに、アルミン酸塩系の液状急
結剤を吹付ノズルにおいて混入させた吹付材(例えば、
株式会社エヌエムビー社製ショットパッチ(商品名))で
瞬時に固着止水する方法などがあげられる。本発明の急
結性セメント組成物(a)と超速硬化型ポリウレタン組
成物(b)および合成短繊維(c)からなる複層の防水
層は、強靭な耐久性を有し地下道、トンネルなどの防水
工法として有効である。また、さらに三次覆工する場合
も、特に制限はなく従来の工法を用いることができ、シ
ート防水工法と同様にアイソレーション効果も有する。
【0014】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。尚、実施例および比較例中の「部」は重量部
を、「%」は重量%を示す。 実施例1 A.急結性セメント組成物の吹き付け A−1.(乾式法) 普通ポルトランドセメント(秩父小野田セメント社製)
100部、水(上水道水)50部、細骨材(大井川水系
陸砂)300部、セメント鉱物系急結剤QP−55(エ
ヌエムビー社製)6部からなる急結性セメント組成物を
予め空練りした粉体を吹付機械(リードガン:日本プラ
イブリコ社)により圧送し、吹付ノズルの手前で水(上
水道水)50部と混合しながら垂直に立てかけたスレー
ト板に吹付けを行い、急結性セメント組成物の硬化物を
得た。 A−2.(湿式法) 普通ポルトランドセメント(秩父小野田セメント社製)
100部(上水道水)55部、細骨材(大井川水系陸
砂)300部、セメント鉱物系急結剤QP−55(エヌ
エムビー社製)6部からなる急結性セメント組成物を使
用した。普通ポルトランドセメント、細骨材および水を
予め混合した流動体を吹付機械(リードガン:日本プラ
イブリコ社)により圧送し、吹付ノズルの手前で急結剤
を加えて垂直に立てかけたスレート板に吹付けを行い、
急結性セメント組成物の硬化物を得た。
【0015】B.超速硬化ウレタン組成物の製造 B−1.末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
(主剤)の製造 ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(タケダ
バディッシェ社製)392部、分子量2,000のポリ
(オキシプロピレン)ジオール(武田薬品工業社製)3
26部、分子量3,000のポリ(オキシプロピレン)
トリオール(武田薬品工業社製)82部、トリクレジル
フォスフェート(大八化学社製)200部、を反応装置
に仕込み、窒素気流下70〜80℃で8時間ウレタン化
反応を行った。50℃に冷却し、ベンゾイルクロライド
(ナカライテクス社製)0.05部を添加して末端にイ
ソシアネート基を有するプレポリマー(主剤)を得た。
このプレポリマーは、粘度が600cps/25℃、比
重が1.15であった。 B−2.活性水素化合物(硬化剤)の製造 ジエチルジアミノトルエン(3,5−ジエチル−2,4
−ジアミノトルエン/3,5−ジエチル−2,6−ジアミ
ノトルエン=80/20エチル社製)187部、分子量
2,400のポリ(オキシエチレンプロピレン)ジオー
ル(武田薬品工業社製)752部、トナー(顔料/ジオ
クチルフタレート=50/50 エムシー工業社製)4
0部、オクチル酸鉛(20%鉛 東栄化学工業社製)1
0部、消泡剤BYK−065(ビッタケミ社製)1部、
安定剤チヌビン5353(日本チバガイギー社製)10
部を拡販装置付きの容器に仕込み、30分均一に混合
し、活性水素基を有する混合物(硬化剤)を得た。この
混合物は、粘度が500cps/25℃、比重が1.0
4であった。
【0016】C.超速硬化ウレタン組成物の吹付け B−1.で製造した主剤105部、B−2.で製造した
硬化剤95部および直径40μ、長さ6mmkビニロン
短繊維(クラレ社製)の〔表1〕に示す量を混合し、吹
付機(UNIPREG41/2D;UNIPRE社製)
にセットして、吐出量約3〜5kg/分で前記A−1ま
たはA−2で得られた急結性セメント組成物の硬化物の
上に5〜7mmの厚さとなるように吹き付けた。
【0017】D.層間付着強度の測定 得られた硬化物層の層間付着強度を測定し、その結果を
〔表1〕に示す。
【表1】
【0018】E.ウレタン膜の強度測定 C.の方法に準じて調製した、直径40μ、長さ6mm
のビニロン短繊維(クラレ社製)を混入した超速硬化ウ
レタン組成物を、ポリプロピレン板上に厚さ4〜5mm
になるように吹付け、3日間養生した後、剥離したウレ
タン膜の強度を測定した。その結果を〔表2〕に示す。
【表2】 F.垂直面の塗装試験 直径40μ、長さ6mmのビニロン短繊維を配した前記
Cの超速硬化ウレタン組成物を、前記吹付機を用いて、
垂直に立てたスレート板上に塗布し、たれ性を観察し
た。その結果を〔表3〕に示す。
【0019】
【表3】 なお、表中、○、△、×はそれぞれ次ぎの意味を有す
る。 ○:全く垂れが認められない。 △:やや波立つ部分が認められるが、垂れは認められな
い。 ×:垂れが認められる。
【0020】
【発明の効果】本発明の防水工法においては、超速硬化
型ポリウレタン組成物からなる防水層の中に、合成短繊
維が均一かつ三次元にランダム状態で存在するので、強
靭で抗張積の大なる防水層を形成させることができる。
また、合成短繊維の混入によりポリウレタン組成物の揺
変性が向上し、吹付け作業時の防水材の垂れが大幅に改
善される。したがって垂直面や天井面の吹付け作業が容
易しなり、防水機能に最も重要な膜厚を十分に確保でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高倉 望 神奈川県横浜市青葉区すみよし台15−21 エミネンスすみよし台105 (72)発明者 山代 育民 東京都江戸川区中葛西3丁目15番7号 メ ゾン・ド・リプレット703号 (72)発明者 宮下 洋 神奈川県高座郡寒川町一之宮1−7−36 (72)発明者 奈須 厚二 兵庫県西宮市大森町6−13 (72)発明者 南田 尚胤 奈良県大和郡山市田中町276 (72)発明者 山崎 久史 神奈川県藤沢市村岡東4−24−4 205

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地下道やトンネルの掘削工事において、掘
    削面に急結性セメント組成物(a)による一次覆工を施
    した後、超速硬化型ポリウレタン組成物(b)と合成短
    繊維(c)による防水覆工を施すことを特徴とする防水
    工法。
  2. 【請求項2】急結性セメント組成物(a)が、少なくと
    も、セメント、水および急結剤を含有するものであり、
    吹付け機械を用いて一次覆工する請求項1記載の防水工
    法。
  3. 【請求項3】超速硬化型ポリウレタン組成物(b)が、
    末端にイソシアネート基を有するプレポリマーおよび活
    性水素化合物を含有してなる二成分型ポリウレタン組成
    物であり、吹付け機械を用いて防水覆工する請求項1記
    載の防水工法。
  4. 【請求項4】活性水素化合物がポリオールおよび/また
    はポリアミンである請求項3記載の防水工法。
  5. 【請求項5】合成短繊維(c)が、直径5〜500μ、
    長さ0.5〜30mmのものである請求項1記載の防水
    工法。
  6. 【請求項6】合成短繊維がビニロン、ナイロンおよびア
    クリル樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1
    記載の防水工法。
  7. 【請求項7】合成短繊維がビニロン樹脂である請求項1
    記載の防水工法。
  8. 【請求項8】防水覆工により形成される層の厚みが3〜
    30mmである請求項1記載の防水工法。
  9. 【請求項9】防水覆工における超速硬化型ポリウレタン
    組成物(b)対合成短繊維(c)の使用割合が重量比で
    100対0.1〜30である請求項1記載の防水工法。
  10. 【請求項10】防水覆工において超速硬化型ポリウレタ
    ン組成物(b)と合成短繊維(c)を別々のノズルから
    吹き付ける請求項3記載の防水工法。
  11. 【請求項11】防水覆工において超速硬化型ポリウレタ
    ン組成物(b)と合成短繊維(c)を混合した後ノズル
    から吹き付ける請求項3記載の防水工法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010024681A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd トンネル防水構造及びその施工方法
KR101219793B1 (ko) * 2012-10-09 2013-01-09 (주)새론테크 수용성 폴리우레아 수지 및 비닐 아세테이트 에멀전 수지를 이용한 컬러 투수 콘크리트 수지 조성물 및 이를 이용한 시공방법

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