JP4102559B2 - セメント下地材用プライマー組成物および舗装方法 - Google Patents

セメント下地材用プライマー組成物および舗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント下地材用プライマー組成物および舗装方法、詳しくは、コンクリートやモルタルなどからなる床や道路などのセメント下地材を舗装するための舗装材のプライマーとして用いられるセメント下地材用プライマー組成物、および、そのセメント下地材用プライマー組成物が用いられる舗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の床や道路などの下地材は、通常、コンクリートやモルタルなどからなるセメント下地材であり、このセメント下地材の上に、樹脂からなる舗装材を施工して、舗装床や舗装路などを形成することが広く実施されている。
このような舗装において、セメント下地材を打設した直後には、その表面に多量の水分が含まれているので、そのような湿潤面に直ちに舗装材を施工しても接着性能が低いため、通常、セメント下地材の打設後には、一定の養生期間を設けて、その表面を乾燥させた後に、プライマーを塗布し、その上に、舗装材を施工するようにしている。
【0003】
また、例えば、食品工場の床などを改修する場合などにも、セメント下地材の表面が湿潤状態となっている場合があり、一定の養生期間を設けるか、あるいは、バーナーなどによってその表面をあぶるなどして、乾燥させた後に、プライマーを塗布し、その上に、舗装材を施工するようにしている。
しかるに、このように、一定の養生期間を設けたり、バーナーなどによってその表面をあぶるなどして、セメント下地材の表面を乾燥させると、工期の大幅な遅延や煩雑な作業の手間を生じるため、例えば、特開平7−277857号公報では、一液湿気硬化型ウレタンプレポリマーに水硬性セメントが配合されてなる下地調整材組成物をプライマーとして用いれば、セメント下地材の湿潤面に直ちに塗布しても、セメント下地材と舗装材とを良好に接着できることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−277857号公報に記載されている下地調整材組成物は、例えば、セメント下地材と舗装材とを下地調整材組成物を介して接着した後に、それを水に浸漬すると、セメント下地材と舗装材との界面で剥離するなど、水分の多い湿潤面に対する接着性能が十分ではなく、セメント下地材の湿潤面に対する十分な接着性能を発現し得るプライマーの開発が望まれている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、水分の多いセメント下地材の湿潤面に対しても、十分な接着性能を発現し得る、セメント下地材用プライマー組成物、および、そのセメント下地材用プライマー組成物が用いられる舗装方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、ポリイソシアネートを含む主剤と、活性水素基含有化合物を含む硬化剤とから調製される二液型ポリウレタン樹脂酸化アルミニウム粉末を含有し(水硬性セメントを除く。)、前記ポリイソシアネートおよび前記活性水素基含有化合物の総量100重量部に対して前記酸化アルミニウム粉末13〜53重量部を含有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、セメント下地材の湿潤面、とりわけ、6重量%以上の水分を含んでいるセメント下地材の湿潤面に好適に施工することができる。
さらに、本発明は、セメント下地材の湿潤面上に、上記した本発明のセメント下地材用プライマー組成物を施工する工程、セメント下地材用プライマー組成物が施工されたセメント下地材の湿潤面上に、舗装材を施工する工程を備えている舗装方法をも含むものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、ポリウレタン樹脂および酸化アルミニウム粉末を含有している。
本発明において、ポリウレタン樹脂は、二液型ポリウレタン樹脂である。
二液型ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートを含む主剤と、活性水素基含有化合物を含む硬化剤とをそれぞれ個別に調製して、施工現場にて混合して硬化させるタイプのポリウレタン樹脂である。
【0009】
ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)およびその混合物、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、特公昭38−4576号公報などに記載の従来公知の種々の方法で液状化した液状ジフェニルメタンジイソシアネート(液状MDI)、トリレンジイソシアネートの粗製物(クルードTDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)などの芳香族ポリイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(H12MDI)などの脂環族を含む脂肪族ポリイソシアネート、例えば、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0010】
これらは単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。好ましくは、芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましくは、2,4または2,6−トリレンジイソシアネート (TDI)およびその混合物、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、液状ジフェニルメタンジイソシアネート(液状MDI)、トリレンジイソシアネートの粗製物(クルードTDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)の単体(モノマー)あるいはこれらが用いられるウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0011】
また、活性水素基含有化合物は、2つ以上の活性水素基(例えば、水酸基、アミノ基など)を有する有機化合物であって、例えば、ポリオールやポリアミンなどが挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類、グリセリンなどのトリオール類などの低分子量ポリオール類が挙げられる。また、例えば、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレンプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(カプロラクトン)ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)ポリオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ポリオール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(プロピレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサンアジペート)ジオール、ビスフェノール化合物(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)との反応物からなるビスフェノール系ジオール、ひまし油系ポリオールなどの高分子量ポリオール類などが挙げられる。
【0012】
また、ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ポリ(オキシアルキレン)ポリアミンなどの脂肪族ポリアミン、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
【0013】
これら活性水素基含有化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。好ましくは、ポリオール、さらに好ましくは、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレンプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリブタジエンポリオール、ビスフェノール系グリコール、ひまし油系ポリオールが挙げられ、数平均分子量200〜6000、平均官能基数2〜6のものが好ましい。
【0014】
硬化剤には、必要により、充填材、可塑剤、その他の添加剤が含まれていてもよい。
充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、タルク、バライト、無水石膏、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイカ、亜鉛華、鉛白、リトポン、硫化亜鉛などの体質顔料が挙げられる。また、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、クロム酸鉛、酸化クロム、ウルトラマリン、コバルトブルー、シアニンブルー、シアニングリーン、レーキレッド、キナクリドンレッドなどの着色顔料が挙げられる。
【0015】
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸エステル類、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどの脂肪族二塩基酸エステル類、例えば、ジエチ レングリコールジベンゾエート、ジペンタエリスリトールヘキサエステルなどのグリコールエステル類、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチルなどのリン酸エステル類、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチルなどのエポキシ系可塑剤などが挙げられる。
【0016】
その他の添加剤としては、例えば、触媒、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、色分れ防止剤、安定剤などが挙げられる。
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルトなどの有機金属系触媒などが挙げられる。
【0017】
硬化剤中の、活性水素基含有化合物、充填材、可塑剤、添加剤の配合割合は、例えば、活性水素基含有化合物100重量部に対して、充填材が0.1〜120重量部、好ましくは、0.1〜80重量部、可塑剤が0.1〜60重量部、好ましくは、0.1〜50重量部、添加剤が0.1〜20重量部、好ましくは、0.1〜10重量部である。
【0018】
そして、二液型ポリウレタン樹脂において、主剤と硬化剤との配合割合は、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中の活性水素基との当量比(NCO/H比)が、0.5〜2.0、好ましくは、0.8〜1.2の範囲となるように処方される。
なお、主剤および/または硬化剤は、溶媒で希釈することにより、主剤および硬化剤の混合後の粘度が最終的に、1000mPa・s(25℃)以下、さらには、500mPa・s(25℃)以下となるように調整されることが好ましい。粘度がこれを超えると施工時の作業性が低下する場合がある。
【0019】
溶媒としては、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、メチルカルビトールアセテートなどのエステル系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。
【0020】
また、酸化アルミニウム粉末は、Alで表せるアルミナやAl・nHOで表せるアルミナ水和物などが挙げられる。アルミナやアルミナ水和物は、その結晶形からα、β、γ、δ、ε、ζ、χ、ρなど多くの種類が認められており、また、その結晶化度により性質が大きく異なる。本発明において有効な酸化アルミニウム粉末は、ρアルミナを含有している活性アルミナで、水硬性アルミナが好適である。また、これら酸化アルミニウム粉末の平均粒子径は、300μm以下、さらには、150μm以下であることが好ましい。
【0021】
そして、本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との総量充填材、可塑剤、添加剤および溶媒を除くポリウレタン樹脂の固形分)100重量部に対して、酸化アルミニウム粉末を、1353重量部、さらには、20〜53重量部の割合で配合させることにより調製することができる。酸化アルミニウム粉末の配合割合が、これより少ないと、接着力が低下する場合があり、これより多いと、作業性が低下する場合がある。
【0022】
より具体的には、例えば、酸化アルミニウム粉末を予め硬化剤に配合して調製しておいてもよく、また、施工現場にて、酸化アルミニウム粉末と主剤および硬化剤とを混合してもよい。
なお、本発明のセメント下地材用プライマー組成物には、さらに、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ゼオライト、ポルトランドセメント、アルミナセメント、アーウインセメントなどの脱水剤を、酸化アルミニウム粉末と同じ態様および配合量で配合させてもよい。なお、本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、水硬性セメントを含有しない。
【0023】
次に、本発明のセメント下地材用プライマー組成物を用いて、建物の床や道路などのセメント下地材の上に舗装をするための本発明の舗装方法を説明する。
この方法では、まず、セメント下地材を打設する。セメント下地材は、セメント、水、砂、砂利が混練されるコンクリートや、セメント、水、砂が混練されるモルタルなどからなり、公知の方法によって、建物の床や道路などの下地として打設される。
【0024】
次いで、その打設後、本発明のセメント下地材用プライマー組成物を、セメント下地材の多量の水分が含まれている湿潤面に、施工(塗工)する。セメント下地材の打設直後あるいは降雨にさらされた直後では、通常、その表層部分(湿潤面)に水分が6重量%以上、さらには、10〜30重量%含まれており、本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、このように多量に水分を含む湿潤面に施工される。施工は、鏝、ローラー、レーキ、スプレーガンを用いる公知の方法により実施することができ、その施工量は、例えば、0.05〜0.5kg/m、好ましくは、0.1〜0.3kg/mである。
【0025】
なお、湿潤面の水分量は、例えば、セメント下地材から所定の面積を深さ1cmで切り取り、その切り取った直後のサンプルの重量から、乾燥後のサンプルの重量を測定した減量分から求めることができる。
次いで、本発明のセメント下地材用プライマー組成物が施工されたセメント下地材の湿潤面上に、舗装材を施工(塗工)する。
【0026】
舗装材としては、例えば、ウレタン系舗装材、エポキシ系舗装材、アクリル系舗装材、ビニルエステル系舗装材などの公知の舗装材が挙げられる。舗装材を、床や道路に施工するには、施工条件に応じて、鏝、ローラー、レーキ、スプレーガンなどを用いる公知の方法が用いられ、その施工量は、例えば、0.5〜5kg/m、好ましくは、0.7〜3kg/mである。
【0027】
そして、本発明のセメント下地材用プライマー組成物は、多量の水分が含まれている湿潤面に施工しても、セメント下地材と舗装材との間の十分な接着性能を発現することができるので、このような舗装方法により、湿潤面を乾燥させるための期間や手間を省いて、短時間で良好なセメント下地材の舗装を実現することができる。
【0028】
なお、本発明の舗装方法は、例えば、道路を補修や改修する場合にも適用できる。すなわち、道路の補修や改修は、通常、舗装材を水を散布しながら剥ぎ取った後に、新しい舗装材を舗装するが、舗装材を剥ぎ取った後のセメント下地材の表面は、多量の水が散布された湿潤面となる。また、舗装材を剥ぎ取った後に、降雨があった場合や道路が保水して湿潤状態となっている場合にも、セメント下地材の表面は、多量の水が散布された湿潤面となる。そのため、本発明のセメント下地材用プライマー組成物を、その湿潤面に施工して、その上に、舗装材を施工すれば、湿潤面を乾燥させるための期間や手間を省いて、短時間で良好な道路の補修や改修を実現することができる。
【0029】
また、上記の説明においては、ポリウレタン樹脂および酸化アルミニウム粉末を配合して、本発明のセメント下地材用プライマー組成物を調製した後に、それを、セメント下地材の湿潤面に施工するようにしたが、例えば、セメント下地材の湿潤面に、ポリウレタン樹脂と酸化アルミニウム粉末とをそれぞれ直接施工して、本発明のセメント下地材用プライマー組成物の調製および施工を同時に行なってもよい。
【0030】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
[一液型ポリウレタン樹脂Aの調製]
ポリメチレンポリフェニルポリイソアネート360重量部に、キシレン450重量部、酢酸エチル100重量部およびジブチル錫ジラウレート0.02重量部を添加した。これに、ポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量315)を徐々に添加し、80℃で3時間反応させることにより、粘度80mPa・sの一液型ポリウレタン樹脂Aを得た。
【0031】
[二液型ポリウレタン樹脂Bの調製]
ポリメチレンポリフェニルポリイソアネート75重量部に、酢酸エチル25重量部を添加して、主剤を得た。
ポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量1000)250重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(BPX−33、旭電化社製)160重量部、炭酸カルシウム100重量部、消泡剤0.5重量部を添加して、高速分散させることにより、硬化剤を得た。
【0032】
比較例1
一液型ポリウレタン樹脂A100重量部(ウレタンプレポリマー(すなわち、充填材、添加剤および溶媒を除く一液型ポリウレタン樹脂A、以下同じ。)として40重量部)、活性アルミナ(BK−112、住友化学工業社製)100重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
【0033】
比較例2
一液型ポリウレタン樹脂A100重量部(ウレタンプレポリマーとして40重量部)、活性アルミナ(BK−112、住友化学工業社製)200重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
実施例
二液型ポリウレタン樹脂Bの主剤20重量部、硬化剤28重量部(二液型ポリウレタン樹脂Bとして48重量部(ポリイソシアネートおよび活性水素基含有化合物の総量(すなわち、充填材、添加剤、溶媒を除く二液型ポリウレタン樹脂B、以下同じ。)として38重量部))、活性アルミナ(BK−112、住友化学工業社製)5重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
【0034】
実施例
二液型ポリウレタン樹脂Bの主剤20重量部、硬化剤28重量部(二液型ポリウレタン樹脂Bとして48重量部(ポリイソシアネートおよび活性水素基含有化合物の総量として38重量部))、活性アルミナ(BK−112、住友化学工業社製)12重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
【0035】
実施例
二液型ポリウレタン樹脂Bの主剤20重量部、硬化剤28重量部(二液型ポリウレタン樹脂Bとして48重量部(ポリイソシアネートおよび活性水素基含有化合物の総量として38重量部))、活性アルミナ(BK−112、住友化学工業社製)20重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
【0036】
比較例
一液型ポリウレタン樹脂A100重量部(ウレタンプレポリマーとして40重量部)、ポルトランドセメント100重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
比較例
二液型ポリウレタン樹脂Bの主剤20重量部、硬化剤28重量部(二液型ポリウレタン樹脂Bとして48重量部(ポリイソシアネートおよび活性水素基含有化合物の総量として38重量部))、ポルトランドセメント12重量部を配合し、高速分散させることによりプライマー組成物を得た。
【0037】
評価
セメント板を24時間水に浸漬した後、取り出して表面の水分を拭き取った。その後、直ちに、このセメント板の表面に、調製された直後の各実施例および各比較例を、0.2kg/mとなるようにそれぞれ塗布し、30分後に速硬化型ウレタン樹脂系舗装材(リムスプレーR2000(三井武田ケミカル社製))をそれぞれ塗布した。その6時間後に、水に24時間浸漬した後、取り出して接着力(JIS A 6916−1998に準拠)を測定するとともに破壊状況を観察した。その結果を表1に示す。なお、表1には、セメント板に対する各実施例および各比較例の塗布時の作業性を併せて示す。
【0038】
また、セメント板の表面の水分を拭き取った後の表面の水分量は、およそ10重量%であった。なお、表面(湿潤面)の水分量は、セメント板の表面の水分を拭き取った後、縦1cm×横1cm×深さ1cmの大きさでセメント板の表面を切り取り、その切り取った直後のサンプルの重量を測定した後、110℃で2時間乾燥させ、乾燥後のサンプルの重量を測定した減量分から求めた。
【0039】
【表1】
Figure 0004102559
【0040】
表1から、実施例1〜3のプライマー組成物は、比較例3および4のプライマー組成物に比べて、接着力が高く、かつ、良好に破壊していることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のセメント下地材用プライマー組成物によれば、多量の水分が含まれている湿潤面に施工しても、セメント下地材と舗装材との間の十分な接着性能を発現することができる。そのため、本発明の舗装方法によれば、湿潤面を乾燥させるための期間や手間を省いて、短時間で良好なセメント下地材の舗装を実現することができる。

Claims (4)

  1. ポリイソシアネートを含む主剤と、活性水素基含有化合物を含む硬化剤とから調製される二液型ポリウレタン樹脂酸化アルミニウム粉末を含有し(水硬性セメントを除く。)、
    前記ポリイソシアネートおよび前記活性水素基含有化合物の総量100重量部に対して前記酸化アルミニウム粉末13〜53重量部を含有することを特徴とする、セメント下地材用プライマー組成物。
  2. セメント下地材の湿潤面に施工することを特徴とする、請求項1に記載のセメント下地材用プライマー組成物。
  3. セメント下地材の湿潤面が6重量%以上の水分を含んでいることを特徴とする、請求項に記載のセメント下地材用プライマー組成物。
  4. セメント下地材の湿潤面上に、請求項1に記載のセメント下地材用プライマー組成物を施工する工程、
    セメント下地材用プライマー組成物が施工されたセメント下地材の湿潤面上に、舗装材を施工する工程
    を備えていることを特徴とする、舗装方法。
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