JPH09241885A - 錫−コバルト合金メッキ浴 - Google Patents

錫−コバルト合金メッキ浴

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JPH09241885A
JPH09241885A JP5300796A JP5300796A JPH09241885A JP H09241885 A JPH09241885 A JP H09241885A JP 5300796 A JP5300796 A JP 5300796A JP 5300796 A JP5300796 A JP 5300796A JP H09241885 A JPH09241885 A JP H09241885A
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cobalt
acid
plating bath
tin
compound
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JP5300796A
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Yukio Nishihama
幸男 西浜
Shuichi Yoshikawa
修一 吉川
Yoshiyo Kondo
佳代 近藤
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】毒性が無く廃水処理が容易で、しかも安定性の
良好なメッキ浴であって、外観、物性共に良好な錫−コ
バルト合金メッキ皮膜を形成し得る錫−コバルト合金メ
ッキ浴を提供する。 【解決手段】スズ酸アルカリをスズ金属として10〜8
0g/l、有機コバルト塩をコバルト金属として0.1
〜10g/l、及びオキシカルボン酸化合物を50〜6
00g/l含有する水溶液からなる錫−コバルト合金メ
ッキ浴。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錫−コバルト合金
メッキ浴に関する。
【0002】
【従来の技術】錫−コバルト合金メッキ浴としては、フ
ッ化第一錫、酸性フッ化ソーダ等のフッ化物を必須成分
として含有するフッ化物浴(特公昭48−27581号
公報等)、ピロリン酸のアルカリ金属塩を必須成分とし
て含有するピロリン酸浴(特公昭54−44653号公
報等)、燐酸エステル化合物を必須成分として含有する
燐酸エステル浴(特開平1−149987号公報等)な
どの各種のメッキ浴が知られている。
【0003】これらのメッキ浴の内で、フッ化物浴につ
いては、使用するフッ化物が毒性を有するため、設備の
維持、排水、排気等が困難であり、公害、労働衛生面か
ら見てもその使用は好ましくない。又、ピロリン酸浴に
ついては、メッキ浴を長期間使用するとオルソリン酸が
蓄積して浴中に沈殿物が生じ、安定した合金皮膜を得る
ことが困難になるという欠点がある。更に、フッ化物浴
やピロリン酸浴は、錫化合物として第1錫塩を用いるも
のであり、錫イオンが酸化され易く、連続して作業を行
うと、第2錫塩となって浴中に蓄積し、浴が不調となっ
て安定な合金皮膜を得難くなるという問題点がある。
【0004】又、特開平1−149987号公報に記載
の燐酸エステル浴は、錫塩として第2錫塩を含有するも
のであり、沈殿物の発生は少ないが、形成される合金皮
膜は、応力が高くクラックが発生し易いという欠点があ
る。さらにピロリン酸浴、燐酸エステル浴等は、浴成分
中にリン化合物を含んでおり、排水が河川、湖沼ヘ流入
にすることによる汚染問題が考えられるため、公害防止
の観点からその使用は好ましくない。
【0005】特開昭50−101235号公報には、錫
化合物として第2錫塩を含有し、コバルト化合物として
無機コバルト塩を含有する錫−コバルト合金メッキ浴が
記載されているが、このメッキ浴には無機コバルト塩の
錯化剤および電解電位調整剤としてエチレンジアミン4
酢酸塩が多量に含まれており、形成されるコバルト錯体
の安定性が高すぎるために、pH調整や市販の金属凝集
剤では金属の除去が困難であり、廃水処理が繁雑になる
という欠点がある。更に、このメッキ浴は、浴の安定
性、得られるメッキ皮膜の外観なども満足のいくもので
はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
毒性が無く廃水処理が容易で、しかも安定性の良好なメ
ッキ浴であって、外観、物性共に良好な錫−コバルト合
金メッキ皮膜を形成し得る錫−コバルト合金メッキ浴を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、錫化合物と
して4価の錫化合物である錫酸アルカリを用い、コバル
ト化合物として有機コバルト塩を用いた特定の配合のメ
ッキ浴に、更に、錫及びコバルトの錯化剤として、オキ
シカルボン酸化合物を配合したメッキ浴は、毒性がな
く、長期間保存した場合や連続的に使用した場合にもメ
ッキ液の分解や沈殿の生成による性能の劣化のない安定
性に優れたメッキ浴であって、しかも通常の市販の金属
凝集剤を用いて比較的簡単に金属分を除去できるために
廃水処理が容易であり、形成されるメッキ皮膜は平滑で
良好な外観を有し、クラックの少ない優れた物性を有す
るものとなることを見出した。更に、斯かる組成のメッ
キ浴に、光沢剤として、エチレンアミン化合物及びアミ
ノカルボン酸化合物から選ばれた少なくとも一種の成分
を少量配合したメッキ浴は、上記した優れた特性をその
まま維持した上で、広い電流密度範囲において良好な光
沢の錫−コバルト合金メッキ皮膜を形成できることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、スズ酸アルカリをスズ金
属として10〜80g/l、有機コバルト塩をコバルト
金属として0.1〜10g/l、及びオキシカルボン酸
化合物を50〜600g/l含有する水溶液からなる錫
−コバルト合金メッキ浴、並びに、該メッキ液に、更
に、エチレンアミン化合物及びアミノカルボン酸化合物
から選ばれた少なくとも1種類の化合物を、0.5mg
/l〜10g/lの範囲内の配合量であって、エチレン
アミン化合物の配合量が100mg/l以下となるよう
に配合してなる錫−コバルト合金メッキ浴に係る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の錫−コバルト合金メッキ
浴では、錫化合物として、4価の錫化合物である錫酸ア
ルカリを用いることが必要である。錫酸アルカリとして
は、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム等を用いることがで
き、特に、経済性の点で錫酸ナトリウムが好ましい。こ
の様な4価の錫化合物である錫酸アルカリを配合するこ
とによって、従来のメッキ浴における問題点である錫イ
オンの酸化による沈殿の発生を防止して、メッキ浴を長
期間安定に使用することが可能となる。
【0010】本発明のメッキ浴では、錫酸アルカリは、
一種単独で又は2種以上混合して用いることができ、そ
の配合量は、スズ金属として10〜80g/l程度とす
ることが適当であり、20〜50g/l程度とすること
が好ましい。錫酸アルカリの配合量がこの範囲外では、
平滑で良好なメッキ皮膜が形成され難くなるので好まし
くない。
【0011】本発明のメッキ浴では、コバルト化合物と
しては有機コバルト塩を用いることが必要である。有機
コバルト塩を上記した錫酸アルカリと組み合わせて用い
ることによって、無機コバルト塩を用いた場合と比べ
て、メッキ浴の安定性が向上し、形成されるメッキ皮膜
の外観も良好になる。有機コバルト塩としては、特に限
定はなく、水溶性の有機コバルト塩であればいずれも用
いることができ、その具体例としては、酒石酸コバル
ト、酢酸コバルト、シュウ酸コバルト、クエン酸コバル
ト、グルコン酸コバルト、サリチル酸コバルト等を挙げ
ることができる。有機コバルト塩は、一種単独で又は2
種以上混合して用いることができ、その配合量は、コバ
ルト金属として0.1〜10g/l程度とすることが適
当であり、0.5〜5g/l程度とすることが好まし
い。有機コバルト塩の配合量がこの範囲外では、平滑で
良好なメッキ皮膜が形成され難くなるので好ましくな
い。
【0012】本発明のメッキ浴には、更に、オキシカル
ボン酸化合物を配合することが必要である。本発明のメ
ッキ浴において、オキシカルボン酸化合物は、電導性の
付与の働きと共に、錫イオン及びコバルトイオンの錯化
剤としての働きをするものと考えられ、この様な錯化剤
を配合したメッキ浴は、安定性が良好であって、通常の
市販の金属凝集剤を用いて比較的簡単に金属分を除去で
きるために廃水処理が容易であり、形成されるメッキ皮
膜は、平滑で良好な外観を有し、応力が低くクラック等
の生じ難いものとなる。オキシカルボン酸化合物として
は、オキシカルボン酸及びその塩から選ばれた少なくと
も一種の化合物を用いればよい。オキシカルボン酸とし
ては、グルコヘプトン酸、グルコン酸、酒石酸、クエン
酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、マン
デル酸を挙げることができ、オキシカルボン酸の塩とし
ては、上記したオキシカルボン酸のカリウム塩、ナトリ
ウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を挙げる
ことができる。本発明では、オキシカルボン酸化合物
は、一種単独で又は2種以上混合して用いることができ
る。オキシカルボン酸化合物の配合量は、50〜600
g/l程度とすることが適当であり、80〜250g/
l程度とすることが好ましい。オキシカルボン酸化合物
の配合量が少なすぎると浴の安定性が低下し、形成され
るメッキ皮膜が粗雑なものとなり易く、一方配合量が多
くなり過ぎると浴比重、粘性などが増大して、汲み出し
量の増大、浴コストの上昇などが生じるので好ましくな
い。
【0013】本発明のメッキ浴は、上記した錫酸アルカ
リ、有機コバルト塩、及びオキシカルボン酸化合物を必
須成分として含有するものであり、浴安定性が良好で、
形成される合金メッキ皮膜は外観、物性共に優れたもの
となる。
【0014】更に、本発明のメッキ浴には、必要に応じ
て、光沢剤として、エチレンアミン化合物及びアミノカ
ルボン酸化合物の少なくとも一種を配合することができ
る。これらの光沢剤を配合することによって、形成され
るメッキ皮膜は、広い電流密度範囲においてレベリング
が良好で優れた光沢を有するものとなる。エチレンアミ
ン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのエチレンアミ
ン類;エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン
5酢酸、トリエチレンテトラミン6酢酸、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン3酢酸等のエチレンアミン類の酢
酸誘導体;上記エチレンアミン類の酢酸誘導体のナトリ
ウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム
塩等を用いることができる。また、アミノカルボン酸化
合物としては、グリシン、システイン、グルタミン酸、
リジン、フェニルアラニン、ヒスチジン等のアミノカル
ボン酸;これらのアミノカルボン酸のナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、塩酸塩等を用いることが
できる。これらの内で、好ましいものとしては、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリア
ミン5酢酸、トリエチレンテトラミン6酢酸等のエチレ
ンアミン化合物、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、
L−ヒスチジン塩酸塩,L−システイン、L−リジン塩
酸塩等のアミノカルボン酸化合物などを挙げることがで
きる。これらの内で、アミノカルボン酸化合物を用いる
場合には、配合量の幅が大きいので浴管理が容易であ
る。
【0015】本発明では、光沢剤としては、エチレンア
ミン化合物及びアミノカルボン酸化合物から選ばれた化
合物を一種単独で又は2種以上混合して用いることがで
き、その配合量は、0.5mg/l〜10g/l程度の
範囲とすることが好ましく、1mg/l〜10g/l程
度の範囲とすることがより好ましい。この範囲の配合量
とすることによって、良好な外観のメッキ皮膜を形成で
きる。尚、上記範囲を上回る量の光沢剤を配合すること
も可能であるが、より光沢が向上することはないので、
不経済である。尚、エチレンアミン化合物については、
アミノカルボン酸化合物との合計量としては10g/l
まで配合することができるが、エチレンアミン化合物の
量としては、100mg/l程度以下とすることが必要
である。エチレンアミン化合物の含有量が多くなりすぎ
ると、メッキ浴中のコバルトと錯体を形成する可能性が
生じて廃水処理が煩雑になり、更に、形成されるメッキ
皮膜の外観も劣るものとなるので好ましくない。
【0016】本発明のメッキ浴では、pH範囲は特に限
定されるものではないが、6.5〜10程度の範囲とす
ることが好ましく、この範囲内では、浴の安定性が良好
でメッキ皮膜の均一性も優れたものとなる。pHの調整
は必要に応じて硫酸、塩酸、酢酸などの無機酸、有機
酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化ア
ルカリ等を用いて行えばよい。
【0017】更に、本発明のメッキ浴には、必要に応じ
て、一般にピット防止剤として用いられているラウリル
硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を配合する
ことができる。
【0018】本発明のメッキ浴を用いて錫−コバルト合
金メッキを行なう場合には、メッキ浴の浴温は25〜7
0℃程度の広い範囲とすることができ、40〜60℃程
度とすることが好ましい。又、陰極電流密度は、0.1
〜5A/dm2程度の範囲とすることが適当である。
【0019】陽極材料としては、通常、カーボン、チタ
ン−白金等の不溶性陽極を用いることが望ましい。
【0020】本発明のメッキ浴によれば、浴中の組成、
浴温等を調整することによって、錫−コバルト合金メッ
キ皮膜の合金組成、色調などを広い範囲で変化させるこ
とが可能である。例えば、錫塩とコバルト塩の濃度を変
化させることにより析出物の合金比、色調などを変える
ことが可能であり、コバルト塩の濃度を上げることによ
って、合金皮膜中のコバルトの割合を増加させることが
できる。また、浴温を変化させることにより析出物の合
金比、色調を変化させることができ、浴温が高くなる
と、錫の合金比が上昇する傾向となる。
【0021】
【実施例】以下の実施例により本発明をより詳細に説明
する。
【0022】実施例1 錫酸ナトリウム50g/l、酢酸コバルト4.5g/
l、ロッセル塩120g/l及びクエン酸アンモニウム
15g/lを含有するpH7.5のメッキ液中で、被め
っき物として面積1dm2の真鍮板を用い、陽極材料と
してチタン−白金陽極を用いて、浴温55℃、陰極電流
密度1.0A/dm2で15分間メッキを行った。その
結果、平滑なメッキ皮膜が形成され、析出皮膜の組成は
錫68%及びコバルト32%であった。このめっき浴を
上記作業条件で50時間電解後、室温にて30日間放置
したところ、電解中及び放置後のいずれの場合において
も、メッキ浴に濁りが生じることがなく、安定であっ
た。
【0023】実施例2 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム45g/l、酒石酸100g/l、酒石酸コバル
ト3g/l、グルタミン酸ソーダ8g/l及びL−リジ
ン塩酸塩0.05g/lを含有するpH8.0のめっき
浴中で、浴温50℃、陰極電流密度1A/dm2で15
分間メッキを行った。その結果、全面が良好な光沢を有
するメッキ皮膜が形成され、析出皮膜の組成は錫58%
及びコバルト42%であった。このめっき浴を上記作業
条件で50時間電解後、室温にて30日間放置したとこ
ろ、電解中及び放置後のいずれの場合においても、メッ
キ浴に濁りが生じることがなく、安定であった。
【0024】実施例3 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム50g/l、クエン酸コバルト7g/l、50%
乳酸20g/l、グリコール酸50g/l、及びトリエ
チレンテトラミン6酢酸50mg/lを含有するpH
6.8のめっき浴中で浴温50℃、陰極電流密度1A/
dm2で15分間メッキを行った。その結果、全面光沢
のメッキ皮膜が形成され、析出皮膜の組成は錫54%及
びコバルト46%であった。このめっき浴を上記作業条
件で50時間電解後、室温にて30日間放置したとこ
ろ、電解中及び放置後のいずれの場合においても、メッ
キ浴に濁りが生じることがなく、安定であった。
【0025】実施例4 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム40g/l、酢酸コバルト5.8g/l、ロッセ
ル塩60g/l、グルコン酸ソーダ180g/l、L−
システイン2g/l及びジエチレントリアミン60mg
/lを含有するpH9.0のめっき浴中で浴温40℃、
陰極電流密度4A/dm2で5分間メッキを行った。そ
の結果、全面光沢のメッキ皮膜が得られ、析出皮膜の組
成は錫38%及びコバルト62%であった。このめっき
浴を上記作業条件で50時間電解後、室温にて30日間
放置したところ、電解中及び放置後のいずれの場合にお
いても、メッキ浴に濁りが生じることがなく、安定であ
った。
【0026】実施例5 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム70g/l、酢酸コバルト5g/l、ロッセル塩
180g/1、グルコン酸ソーダ40g/l、L−ヒス
チジン塩酸塩0.02g/l及びラウリル硫酸ナトリウ
ム50mg/lを含有するpH7.5のめっき浴中で、
浴温55℃、0.5A/dm2で60分間メッキを行っ
た。その結果、全面光沢のメッキ皮膜が得られ、析出皮
膜の組成は錫78%及びコバルト22%であった。この
めっき浴を上記作業条件で50時間電解後、室温にて3
0日間放置したところ、電解中及び放置後のいずれの場
合においても、メッキ浴に濁りが生じることがなく、安
定であった。
【0027】実施例6 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム95g/l、酢酸コバルト6g/l、シュウ酸コ
バルト5.5g/l、酒石酸ナトリウム80g/l、シ
ュウ酸40g/l及びエチレンジアミン80mg/lを
含有するpH8.5のめっき浴中で、浴温45℃、陰極
電流密度0.7A/dm2で40分間メッキを行った。
その結果、全面光沢のメッキ皮膜が得られ、析出皮膜の
組成は錫62%及びコバルト38%であった。このめっ
き浴を上記作業条件で50時間電解後、室温にて30日
間放置したところ、電解中及び放置後のいずれの場合に
おいても、メッキ浴に濁りが生じることがなく、安定で
あった。
【0028】実施例7 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム70g/l、酢酸コバルト5g/l、ロッセル塩
180g/l、グルコン酸ソーダ40g/l及びL−ヒ
スチジン塩酸塩0.02g/lを含有するpH7.5の
めっき浴中で、浴温50℃、陰極電流密度0.5A/d
2で50分間メッキを行った。その結果、全面光沢の
メッキ皮膜が得られ、析出皮膜の組成は錫78%及びコ
バルト22%であった。このめっき浴を上記作業条件で
50時間電解後、室温にて30日間放置したところ、電
解中及び放置後のいずれの場合においても、メッキ浴に
濁りが生じることがなく、安定であった。
【0029】実施例8 実施例1と同様の被めっき物及び陽極を用い、錫酸ナト
リウム60g/l、酢酸コバルト5g/l、ロッセル塩
170g/l、クエン酸アンモニウム20g/l及びラ
ウリル硫酸ナトリウム20mg/lを含有するpH6.
8のメッキ浴中で、浴温45℃、0.5A/dm2で3
0分間メッキを行った。その結果、平滑なメッキ皮膜が
得られ、析出皮膜の組成は錫58%及びコバルト42%
となった。このめっき浴を上記作業条件で50時間電解
後、室温にて30日間放置したところ、電解中及び放置
後のいずれの場合においても、メッキ浴に濁りが生じる
ことがなく、安定であった。
【0030】比較例1 実施例1と同様の被めっき物を用い、ピロリン酸カリウ
ム250g/l、ピロリン酸第1錫13g/l、塩化コ
バルト30g/l、1,3−プロパンジアミン3ml/
l及び4,1,2−トリアゾール0.8g/lを含有す
るpHl0のめっき浴中で、カーボン陽極を用いて陰極
電流密度0.5A/dm2、浴温55℃で30分間メッ
キめっきを行ったところ、粗雑な乳白色の皮膜が形成さ
れた。又、このめっき液を上記作業条件で50時間電解
後、室温にて30日間放置したところ、メッキ浴に濁り
が生じた。
【0031】比較例2 実施例1と同様の被めっき物を用い、沸化第1錫50g
/l、酸性フッ化ソーダ30g/l、塩化コバルト40
0g/l及びアセチルチオ尿素0.1g/lを含有する
pH2.0のめっき浴中で、カーボン陽極を用いて陰極
電流密度1A/dm2、浴温65℃で20分間メッキを
行った。その結果、粗雑な白色の皮膜が形成された。
【0032】比較例3 実施例1と同様の被めっき物を用い、1−ヒドロキシエ
タン−1,1ホスホン酸50g/l、錫酸ナトリウム7
5g/l、塩化コバルト20g/l、メタンスルホン酸
30g/l及び塩化ナトリウム20g/lを含有するp
H8.5のめっき浴中で、錫陽極を用いて陰極電流密度
2A/dm2、浴温55℃で10分間メッキを行った。
その結果、粗雑な灰色皮膜が形成された。
【0033】比較例4 実施例1と同様の被めっき物を用い、錫酸ナトリウム7
0g/l、硫酸コバルト100g/l、酒石酸ナトリウ
ム150g/l及びEDTA−4Na200g/lを含
有するpH13のメッキ浴中で、カーボン陽極を用い
て、陰極電流密度0.5A/dm2、浴温70℃で60
分間メッキを行ったところ、粗雑な灰色皮膜が形成され
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スズ酸アルカリをスズ金属として10〜8
    0g/l、有機コバルト塩をコバルト金属として0.1
    〜10g/l、及びオキシカルボン酸化合物を50〜6
    00g/l含有する水溶液からなる錫−コバルト合金メ
    ッキ浴。
  2. 【請求項2】更に、エチレンアミン化合物及びアミノカ
    ルボン酸化合物から選ばれた少なくとも1種類の化合物
    を、0.5mg/l〜10g/lの範囲内の配合量であ
    って、エチレンアミン化合物の配合量が100mg/l
    以下となるように含有する請求項1に記載の錫−コバル
    ト合金メッキ浴。
  3. 【請求項3】メッキ浴のpHが6.5〜10である請求
    項1又は2に記載の錫−コバルト合金メッキ浴
  4. 【請求項4】有機コバルト塩が、酒石酸コバルト、酢酸
    コバルト、シュウ酸コバルト、クエン酸コバルト、グル
    コン酸コバルト及びサリチル酸コバルトから選ばれた少
    なくとも1種の化合物である請求項1乃至3のいずれか
    に記載の錫−コバルト合金メッキ浴。
  5. 【請求項5】オキシカルボン酸化合物が、グルコヘプト
    ン酸、グルコン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、グリ
    コール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、マンデル酸、
    及びこれらのオキシカルボン酸の塩から選ばれた少なく
    とも1種の化合物である請求項1乃至4のいずれかに記
    載の錫−コバルト合金めっき浴。
  6. 【請求項6】エチレンアミン化合物が、エチレンジアミ
    ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
    テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
    ン、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5
    酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸、トリエチレ
    ンテトラミン6酢酸、及びこれらのエチレンアミン類の
    酢酸誘導体の塩から選ばれた少なくとも1種の化合物で
    あり、アミノカルボン酸化合物が、グリシン、システイ
    ン、グルタミン酸、リジン、フェニルアラニン、ヒスチ
    ジン、及びこれらのアミノカルボン酸の塩から選ばれた
    少なくとも1種の化合物である請求項2乃至5のいずれ
    かに記載の錫−コバルト合金メッキ浴。
JP5300796A 1996-03-11 1996-03-11 錫−コバルト合金メッキ浴 Pending JPH09241885A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013175591A1 (ja) * 2012-05-23 2013-11-28 株式会社Kanzacc メッキ構造及び被覆方法
WO2020039791A1 (ja) 2018-08-21 2020-02-27 ディップソール株式会社 すず合金電気めっき浴及びそれを用いためっき方法

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WO2013175591A1 (ja) * 2012-05-23 2013-11-28 株式会社Kanzacc メッキ構造及び被覆方法
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