JPH09241760A - 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法 - Google Patents

材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH09241760A
JPH09241760A JP8081035A JP8103596A JPH09241760A JP H09241760 A JPH09241760 A JP H09241760A JP 8081035 A JP8081035 A JP 8081035A JP 8103596 A JP8103596 A JP 8103596A JP H09241760 A JPH09241760 A JP H09241760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
corrosion resistance
steel
earring
annealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8081035A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Tanigawa
克己 谷川
Yoshihiro Hosoya
佳弘 細谷
Katsumi Kojima
克己 小島
Takashi Awaya
敬 粟屋
Hirohide Furuya
博英 古屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP8081035A priority Critical patent/JPH09241760A/ja
Publication of JPH09241760A publication Critical patent/JPH09241760A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/50Current conducting connections for cells or batteries
    • H01M50/543Terminals
    • H01M50/545Terminals formed by the casing of the cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/10Primary casings; Jackets or wrappings
    • H01M50/116Primary casings; Jackets or wrappings characterised by the material
    • H01M50/124Primary casings; Jackets or wrappings characterised by the material having a layered structure
    • H01M50/126Primary casings; Jackets or wrappings characterised by the material having a layered structure comprising three or more layers
    • H01M50/128Primary casings; Jackets or wrappings characterised by the material having a layered structure comprising three or more layers with two or more layers of only inorganic material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/10Primary casings; Jackets or wrappings
    • H01M50/116Primary casings; Jackets or wrappings characterised by the material
    • H01M50/117Inorganic material
    • H01M50/119Metals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/10Primary casings; Jackets or wrappings
    • H01M50/14Primary casings; Jackets or wrappings for protecting against damage caused by external factors
    • H01M50/145Primary casings; Jackets or wrappings for protecting against damage caused by external factors for protecting against corrosion
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板幅方向、長手方向で均一且つ優れたイヤ
リング性を有し、且つ加工部の耐食性にも優れた電池外
筒用鋼板を製造すること 【解決手段】 C:0.015〜0.025%、sol.Al:0.010
〜0.10%、B:0.0003%以上で且つ0.3≦B/N≦1.2、
Cr:0.03〜0.10%を含有し、N:0.0025%以下の鋼組
成を有するスラブを、仕上温度:860℃以上、巻取温
度:540〜680℃で熱間圧延し、酸洗後、82〜90%の冷圧
率で冷間圧延し、次いで600〜700℃の温度でバッチ焼鈍
した後、調質圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DI(Draw and I
roning)成形等によって製造される電池外筒用鋼板、特
に2ピース電池外筒缶に好適な材質均一性と耐食性の優
れた電池外筒用鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、アルカリ乾電池やリチウム電池等
の電池外筒缶の軽量化、製造工程の簡略化、素材および
製造コスト低減、さらには側胴部の薄肉化による充填剤
の容量増加等の観点から、電池の端子部と側胴部を一体
成形した所謂2ピース電池外筒缶が開発され(例えば特
公平7−99686号公報)、既に実用化されている。
このような電池外筒缶は、板厚0.4〜0.5mm程度
の鋼板を円形ブランクに打ち抜いた後に円筒状に深絞り
成形する工程と、この円筒パーツを複数のしごきダイに
よってしごき加工する工程とからなる、所謂DI成形に
よって製缶される。このDI成形は側胴部の胴長を稼ぐ
と同時に缶壁厚を薄くするもので、側胴部の缶壁は最終
的に0.15mm程度の厚さまで薄肉化される。
【0003】2ピース電池缶は端子部等の加工部が特に
腐食し易いことから、素材鋼板には成形性だけでなく優
れた耐食性も要求され、このため2ピース電池外筒缶用
鋼板には耐食性を確保するためにNiめっきが施される
のが一般的である。従来、2ピース電池外筒缶に使用さ
れる鋼板及びその製造方法に関して次のような提案がな
されている。
【0004】 電池特性および耐食性を考慮して、D
I成形時に缶体表面に形成される微小な割れが電池性能
に有効であるとする技術(特開平5−21044号公
報) 熱延及び冷延条件を調整して最終的な鋼板のr値と
Δr値を規定するとともに、ワークロールシフトにより
鋼板幅方向の板厚を均一にする技術(特開平6−344
003号公報) 2ピース電池外筒缶用途の鋼板を連続焼鈍で製造す
るために、鋼中炭素量を0.009wt%以下(実質的
には0.002〜0.003wt%)にする技術(特開
平6−346150号公報) DI成形時の型寿命を延ばすために鋼板の表面粗さ
を規定した技術(特開平6−346282号公報) 電池缶の耐食性の観点から、Niめっき層の膜厚お
よび形態を制御する技術(特開平6−346284号公
報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなDI成形
或いは複数回の深絞り成形により製造される2ピースの
電池外筒缶では、円筒加工後の円周方向の成形高さが不
揃いとなること、すなわちイヤリングの発生がしばしば
問題となる。このイヤリングが大きい場合にはトリム代
が大きくなるため、材料歩留が低下して製造コストの増
大を招く。特に、電池用の外筒缶の場合には、同様な成
形方法で製缶される食缶や飲料缶に較べ円形ブランクの
直径が小さいために、鋼板の幅方向中央部から切り出さ
れたブランクについてはイヤリング性が良好であって
も、鋼板のエッジ部近傍から切り出されたブランクでは
イヤリング性が劣る傾向がある。また、コイルの長手方
向で比較した場合にも、コイル長手方向のトップ部(以
下、T部という)やボトム部(以下、B部という)から
切り出されたブランクは、長手方向中間部(以下、M部
という)から切り出されたブランクに較べイヤリング性
が劣る傾向がある。
【0006】DI成形におけるイヤリング発生を防止す
る技術に関しては、先に挙げた特開平6−344003
号公報に、冷圧率を鋼種に応じて適宜設定すること、熱
間圧延後コイルに巻き取るまでの間に鋼板幅方向の両側
を加熱して金属組織を等軸粒とすること、冷間圧延時に
ワークロールをシフトさせることで鋼板の板厚を幅方向
に均一化すること等が述べられているが、これらの技術
を用いても鋼板幅方向端部や長手方向端部でのイヤリン
グ性の劣化を完全に抑えることは困難である。また、先
に挙げたその他の提案もこのようなイヤリング性の問題
を解決し得るものではなく、現状では鋼板幅方向端部や
長手方向端部でのイヤリング性の劣化を抑制し、鋼板全
体で均一且つ優れたイヤリング性を確保するための有効
な解決策は見い出されていない。
【0007】したがって本発明の目的は、上記した従来
技術の課題を解決し、鋼板幅方向及び長手方向で均一且
つ優れたイヤリング性を有し、しかも加工部の耐食性に
も優れた電池外筒用鋼板の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2ピース
電池缶に供される電池外筒用鋼板のコイル幅方向及び長
手方向端部でのイヤリング性の劣化を抑制し、且つ加工
部の耐食性を向上させる方法について鋭意検討を重ねた
結果、C量が0.02wt%前後の低炭素鋼に適量のB
とCrを添加した鋼を用い、且つ特定の熱間圧延条件、
冷間圧延条件及び再結晶焼鈍条件を選択すること、さら
に好ましくはバッチ焼鈍時の雰囲気ガス中の水素濃度を
高めることにより上記課題を解決し得ることを見い出し
た。本発明はこのような知見に基づきなされたもので、
その特徴とする構成は以下の通りである。
【0009】(1) C:0.015wt%〜0.025
wt%、sol.Al:0.010〜0.10wt%、
B:0.0003wt%以上で且つ0.3≦B/N≦
1.2、Cr:0.03〜0.10wt%を含有し、
N:0.0025wt%以下(但し、無添加の場合を含
む)からなる鋼組成を有するスラブを、仕上温度:86
0℃以上、巻取温度:540〜680℃で熱間圧延し、
酸洗後、82〜90%の冷圧率で冷間圧延し、次いで6
00〜700℃の温度でバッチ焼鈍した後、調質圧延す
ることを特徴とする材質均一性と耐食性の優れた電池外
筒用鋼板の製造方法。
【0010】(2) 上記(1)の製造方法において、バッチ
焼鈍時の雰囲気ガス中の水素濃度を25〜100vol
%とすることを特徴とする材質均一性と耐食性の優れた
電池外筒用鋼板の製造方法。 (3) 上記(1)または(2)の製造方法により製造された鋼
板の両面に、少なくともNiめっき層および/またはF
e−Ni合金化めっき層を形成することを特徴とする材
質均一性と耐食性の優れた電池外筒用めっき鋼板の製造
方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に至った経緯と本発
明の詳細及び限定理由について説明する。本発明者らは
イヤリング性の鋼板コイル幅方向及び長手方向での均一
性を高める方法、すなわち鋼板コイル幅方向端部及び長
手方向端部でのイヤリング性の劣化を抑制する方法につ
いて、本質的な冶金的要因を考慮して以下のような検討
を行った。イヤリングの大小は鋼板の面内異方性の大小
に起因するものであり、面内異方性は鋼板の集合組織に
より変化する。すなわち、イヤリング性の鋼板コイル幅
方向及び長手方向での不均一性は鋼板の集合組織の不均
一性に起因するものである。そして、鋼板の集合組織は
鋼組成と製造条件の影響を受け、これらの条件の組み合
わせにより変化する。
【0012】そこで、まず本発明者らは鋼組成、特にN
と熱延巻取温度がイヤリング性に及ぼす影響について調
査及び検討を行い、その結果Al、Nを含有する低炭素
鋼のバッチ焼鈍材において鋼板幅方向のイヤリング性の
均一性を高めるためには、熱延段階でのAlN(アルミ
ナイトライド)の固溶、析出状態を制御することが重要
であることが判明した。すなわち、熱延板の幅方向、長
手方向位置によってAlNの固溶、析出状態が異なる場
合には、冷間圧延後のバッチ焼鈍の加熱中に析出するA
lNの量が鋼板幅方向、長手方向位置によって異なるた
め、再結晶集合組織の形成状態が鋼板幅方向、長手方向
位置によって異なることになり、この結果イヤリング性
も鋼板幅方向、長手方向位置によって異なってしまう。
このような熱延段階でのAlNの固溶、析出状態に起因
した不均一性は、その後の冷圧率や焼鈍温度等を制御し
ても解消することは困難となる。
【0013】したがって、このような不均一性を解消す
るためには、焼鈍前の熱延段階でNをほぼ全量析出固定
させるか或いはほぼ全量固溶状態にさせておく必要があ
る。しかし、AlNの析出は巻取温度感受性が強いた
め、sol.Al量、N量に応じて巻取温度を厳密に制
御する必要があり、実操業では大きな困難が伴う。そこ
で、本発明者らはNとの結合力の強いBに着目し、Nを
BNとして析出固定させることを検討した。その結果、
鋼板幅方向及び長手方向でのイヤリング性の均一性を高
めるためには、鋼中に適量のBを添加し、熱延段階でN
をBNとして析出させることが有効であることが判明し
た。
【0014】図1に鋼板中に添加したBがイヤリング性
に及ぼす影響について調査した結果を示す。この調査で
は、C:0.020wt%、sol.Al:0.050
wt%、N:0.0022wt%を含有する低炭素鋼に
0〜0.0015wt%の範囲でBを添加した鋼板につ
いて、板幅方向でのイヤリング率の変化を調べた。この
調査では、スラブを熱間圧延(仕上温度:870℃、巻
取温度:600℃)及び酸洗後、85%の冷圧率で冷間
圧延した後、バッチ焼鈍(640℃、雰囲気ガス:5%
2−残N2)及び調質圧延を行なって板厚0.4mmの
電池外筒用鋼板コイルを製造し、このコイルのM部の板
幅方向各部(エッジ部及びその近傍部、1/4幅部、幅
中央部)から図3に示すようにして45mmφの円形ブ
ランクを打ち抜き、絞り比2.15でカップ状に深絞り
成形し、その際のイヤリング率を測定した。イヤリング
率は円周方向各位置の側壁部の成形高さを測定し、成形
高さの最大値と最小値の差を高さ最小値で割った百分率
で表した。
【0015】図1によれば、B無添加の鋼板は板幅中央
部、1/4幅部ではイヤリング率は良好であるが、最エ
ッジ部からブランキングしたものはイヤリング率が8%
を超えており、幅中央部に較べてイヤリング性が著しく
劣っていることが判る。これに対し、Bを添加した鋼板
はエッジ部でのイヤリング性が効果的に改善され、特に
B添加量が0.0010wt%、0.0015wt%の
鋼板では、エッジ部でのイヤリング性の劣化はほとんど
認められず、鋼板幅方向全域にわたって良好なイヤリン
グ性が得られている。なお、図1では鋼板幅方向の片側
のみを示しているが、幅方向の他側についても同様の結
果が得られた。また、上記鋼板をNiめっきしたものに
つても同様の調査を行なったが、図1とほぼ同様の結果
が得られた。
【0016】次に、B添加量が鋼板エッジ部のイヤリン
グ性に及ぼす影響について調査を行った。その結果を図
2に示す。この調査では、C:0.020wt%、so
l.Al:0.040wt%、N:0.0020wt%
の低炭素鋼を用いてB/N:0.1〜2.0に調整し、
図1に関する調査と同様の条件で鋼板コイルを製造し、
イヤリング率を測定した。製造された鋼板コイルのT部
とB部の最エッジ部(図3の最もエッジ部寄りの部位)
から円形ブランクを採取し、図1に関する調査と同様の
条件で成形及びイヤリング率の測定を行った。
【0017】図2はB/Nがエッジ部のイヤリング率に
及ぼす影響を示しており、同図によれば、Bを添加した
場合にはB無添加の場合(B/N=0.0)に較べエッ
ジ部のイヤリング性が改善されるが、B/Nを0.3以
上とすることによりその効果が顕著となり、T部のエッ
ジ部においてもイヤリング率が3%以下となる。一方、
B添加量が多くなり、B/Nが1.2を超えると却って
イヤリング率が劣化している。なお、上記鋼板をNiめ
っきしたものにつても同様の調査を行なったが、図2と
ほぼ同様の結果が得られた。以上の結果から、鋼板中に
Bを0.3≦B/N≦1.2の範囲で添加することによ
り、鋼板幅方向及び長手方向で均一且つ優れたイヤリン
グ性が得られることが判った。
【0018】電池外筒用鋼板は、イヤリング性のみなら
ず良好な耐食性を有していることが要求され、このため
電池外筒用鋼板にはNiめっきが施され、めっきままで
または熱拡散処理によって鋼板とNiめっき層の界面を
Fe−Ni合金層とした状態でDI成形に供されるのが
通常である。しかし、めっき鋼板に絞りや曲げ等の厳し
い加工が行なわれた場合、表層のNiめっき層またはF
e−Ni合金層に微細なクラックが生じて鉄地界面が露
出する場合があり、このような状態ではNiめっきによ
る耐食性向上効果が十分に発揮できなくなる。そこで本
発明では、Niめっき処理およびこのめっき層の熱拡散
処理による基本的な耐食性向上対策に加え、加工条件に
よってめっき層に微小なクラックが不可避的に生じる場
合を想定して、地鉄自体に耐食性を付与することを検討
し、その結果適量のCr添加が耐食性向上に効果的であ
ることを見い出した。
【0019】C:0.018wt%、sol.Al:
0.020wt%、N:0.0021wt%、B:0.
0012wt%を含有し、これにCrを0〜0.16w
t%の範囲で添加した鋼片を、本発明条件に従って熱間
圧延(仕上温度:880℃、巻取温度:620℃)、酸
洗、冷間圧延(冷圧率:86%)、バッチ焼鈍(630
℃、雰囲気ガス:7%H2−残N2)及び調質圧延した
後、厚さ3μのNiめっきを施して電池外筒用めっき鋼
板を製造し、このめっき鋼板を2ピース電池外筒缶相当
の円筒成形缶に成形して、その端子部の耐食性に及ぼす
Cr添加量の影響を調査した。その結果を図4に示す。
この調査では、Niめっき後の熱拡散処理によるFe−
Ni合金層を有するめっき鋼板とこのようなFe−Ni
合金層のないめっき鋼板の両方について耐食性の評価を
行なった。耐食性は、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試
験(35℃、NaCl:5%)により、端子加工部に腐
食欠陥が発生しない最長試験時間で評価した。
【0020】図4によれば、鋼板に0.03wt%以上
のCrを添加することにより、Fe−Ni合金層の有無
に拘りなく耐食性が顕著に向上していることが判る。し
かし、Crを0.10wt%を超えて添加すると却って
耐食性が劣化している。これは、Crを過剰に添加する
と下地鋼板の極表層に緻密なCrの酸化皮膜が形成され
ることによりNiめっき性が劣化し、これに起因した耐
食性の劣化が顕在化するためであると考えられる。以上
の結果から、鋼板中に0.03〜0.10wt%のCr
を添加することにより、電池外筒用鋼板の耐食性を効果
的に改善できることが判った。
【0021】さらに、本発明では材質(特に、イヤリン
グ性)の均一性と加工部の耐食性をより一層向上させる
ために、バッチ焼鈍を水素濃度が25〜100vol%
の雰囲気ガス中で実施することが有効であることを見い
出した。まず、本発明ではバッチ焼鈍時の雰囲気ガス組
成が鋼板のイヤリング性に及ぼす影響を調査した。C:
0.023wt%、sol.Al:0.050wt%、
N:0.0018wt%、B:0.0015wt%、C
r:0.04wt%の鋼片を本発明条件に従って熱間圧
延(仕上温度:880℃、巻取温度:580℃)、酸
洗、冷間圧延(冷圧率:85%)、バッチ焼鈍(640
℃)及び調質圧延して電池外筒用鋼板コイルを製造し
た。バッチ焼鈍は、雰囲気ガスを一般的に用いられてい
るHNXガス(H2:3〜10%、N2:残部)とした場
合と100%水素ガスとした場合について実施した。上
記鋼板コイルの内周部、中央部及び外周部の各両エッジ
部(バッチ焼鈍時の上側エッジ部及び下側エッジ部)及
び幅方向中央部から円形ブランクを採取し、図1に関す
る調査と同様の条件で成形及びイヤリング率の測定を行
なった。その結果を図5に示す。
【0022】図5によれば、100%水素雰囲気でバッ
チ焼鈍した場合には、コイル内周部、中央部、外周部の
いずれにおいても鋼板幅方向でのイヤリング率はほぼ一
定であり、雰囲気ガスとしてHNXガスを用いた通常焼
鈍に較べてイヤリング率がさらに改善され且つ均一化さ
れていることが判る。これは雰囲気ガスの水素濃度が高
いために、通常のHNXガスに較べて雰囲気ガスの熱伝
導率が向上する結果、バッチ焼鈍時にコイル内の各部位
が均一に加熱され、温度分布が小さくなるためであると
考えられる。
【0023】次に、バッチ焼鈍の雰囲気ガス中の水素濃
度がめっき鋼板の耐食性に及ぼす影響を調査した。図5
に関する調査と同様の組成の鋼片を、本発明条件に従っ
て熱間圧延(仕上温度:870℃、巻取温度:640
℃)、酸洗、冷間圧延(冷圧率:85%)した後、雰囲
気ガス中の水素ガス濃度を種々変化させてバッチ焼鈍
(650℃)を行ない、調質圧延後、めっき厚4μmの
Niめっきを施して電池外筒用めっき鋼板を製造し、こ
のめっき鋼板を2ピース電池外筒缶相当の円筒缶に成形
し、端子部の耐食性に及ぼす焼鈍雰囲気ガス中の水素濃
度の影響を調査した。その結果を図6に示す。この調査
では、Niめっき後の熱拡散処理によるFe−Ni合金
層を有するめっき鋼板とこのようなFe−Ni合金層の
ないめっき鋼板の両方について、図4に関する調査と同
様の試験条件及び評価法で耐食性の評価を行なった。
【0024】図6によれば、通常の焼鈍雰囲気である7
vol%程度の水素濃度の場合に対し、雰囲気中の水素
濃度を25vol%以上とすることにより耐食性が大き
く向上していることが判る。これは水素濃度を高めるこ
とによりSi、Mn、O、C等の元素の鋼板表層への濃
化が極めて少なくなるために鋼板表面の清浄性が向上
し、この結果Niめっきの密着性が向上したこと、また
Fe−Ni合金層を有する場合にはそのFe−Ni合金
層の厚みが大きくなるとともにめっき密着性も向上した
ことによるものと考えられる。
【0025】以下、本発明の鋼組成及び製造条件の限定
理由について具体的に説明する。まず、鋼組成の限定理
由は以下の通りである。 C:Cが0.015wt%未満では熱延鋼板の組織が粗
粒化し易くなり、イヤリング性が劣化する。また、冷間
圧延及び焼鈍後の組織も粗粒化してDI成形後に表面肌
荒れが発生しやすくなる、電池外筒缶として必要な強度
を得ることが困難となる等の弊害が発生する。一方、C
含有量が0.025wt%を超えると、結晶粒内に炭化
物が微細に析出するようになり、Niめっき後にFe−
Ni合金層を形成させるために熱拡散処理を行なった場
合に、これらの微細炭化物が再固溶して時効性を劣化さ
せるようになる。このため本発明では、C量は0.01
5〜0.025wt%とする。
【0026】sol.Al:sol.Alは脱酸のため
には0.010wt%以上の添加を必要とする。一方、
多量のAlを添加するとAl23系介在物が残留し、D
I成形時に介在物起因の割れが発生し易くなるため加工
性が劣化する。このため本発明ではsol.Al量の下
限を0.010wt%とし、また、実用上加工性を劣化
させない限度として、sol.Al量の上限を0.10
wt%とする。 N:Nは本発明においては極力低減することが好まし
い。N量が多い場合には固溶Nが残留しやすくなり、時
効性が低下するとともに、集合組織が変化してイヤリン
グ率の増大をもたらすことになるために、多量のBの添
加が必要になる。また、N量が多いとBを添加してもA
lNとなる量が増えるため、イヤリング性の鋼板位置に
よる不均一性を完全に解消することが困難となる。これ
らの悪影響を回避するため、本発明ではNを0.002
5wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
【0027】B:Bは本発明において最も重要な元素で
あり、イヤリング性の鋼板幅方向及び長手方向の均一性
を高めるために添加する必須元素である。B添加量が
0.0003wt%未満ではB添加によるイヤリング性
の鋼板幅方向及び長手方向での均一性を高める効果が十
分に発揮されない。このためB量は0.0003wt%
を下限とする。さらに、B添加量はN量との関係、すな
わちB/Nの値によっても規制される。図2に示したよ
うにB添加量がB/N<0.3ではその効果が十分に発
揮されず、鋼板エッジ部のイヤリング性改善効果が小さ
く、一方、B/N>1.2となるような過剰なB添加を
行なうと、固溶Bが残留し易くなるためイヤリング性が
劣化する傾向があり、また深絞り性そのものも低下し、
DI成形時の成形性の劣化が顕在化してくる。このため
本発明ではBを0.3≦B/N≦1.2の範囲で添加す
ることを条件とする。
【0028】Cr:Crは本発明において鋼板の耐食性
を一層向上させるために添加する必須元素である。図4
に示したように0.03〜0.10wt%のCrを添加
することによりめっき鋼板の加工後の耐食性が向上する
ため、本発明ではCr量を0.03〜0.10wt%と
する。
【0029】本発明ではその他の元素については特に限
定しないが、Si、Mn、P、Sについては、それぞれ
以下の範囲とすることが望ましい。 Si:Siは意図的な添加を行わない場合でも不純物成
分として鋼中に残留し、鋼板の耐食性及びNiめっき等
の密着性を劣化させる。しがって、良好な耐食性を確保
するためには、その含有量を0.02wt%以下(但
し、無添加の場合を含む)とすることが好ましい。 Mn:Mnは鋼中SをMnSとして析出させることによ
ってスラブの熱間割れを防止する。Sを析出固定するた
めにはMnを0.1wt%以上添加することが好まし
い。一方、Mnを多量に添加するとSiと同様に鋼板の
耐食性及びNiめっき等の密着性を劣化させるため、
0.6wt%以下とすることが好ましい。
【0030】P:Pはフェライト粒界に偏析して粒界を
脆化させ、DI成形時の加工性を低下させるとともに、
Niめっき等の密着性を低下させる元素であるため、そ
の含有量は極力少ない方が望ましく、0.02wt%以
下(但し、無添加の場合を含む)とすることが好まし
い。 S:Sはスラブの熱間割れ防止の観点から極力少ない方
が望ましく、0.02wt%以下(但し、無添加の場合
を含む)とすることが望ましい。 残部:実質的にFeからなるが、上述した本発明の効果
が損なわれない限度で他の元素を含有することを妨げな
い。
【0031】次に本発明の製造条件について説明する。
一般に上述した組成の鋼を転炉溶製し、これを連続鋳造
することによりスラブを得る。このスラブの熱間圧延
は、粗圧延した後仕上圧延するか若しくは粗圧延をする
ことなく熱間仕上圧延機に相当する圧延機に直接装入し
て熱間圧延を行う。スラブ加熱温度は特に限定する必要
はなく、通常行われる加熱温度の範囲である1050〜
1250℃程度とすればよい。また、所謂直送圧延(鋳
造後のスラブを直接熱間圧延機に装入して圧延する方
式、または鋳造後のスラブを常温まで冷却することなく
再加熱した後、熱間圧延機に装入して圧延する方式)に
よる製造も可能である。材質の均一性をさらに高めるた
めには、スラブエッジヒータ、保温カバー、粗バーエッ
ジヒータ等の併用も有効である。
【0032】熱延仕上温度が860℃を下回ると、熱延
鋼板に集合組織が形成されるとともに、巻取温度に応じ
て表層結晶粒が粗大化したり或いは加工組織が残存する
場合があり、冷間圧延、焼鈍後のイヤリング性が劣化す
るため、仕上温度は860℃以上とする。また、巻取温
度が540℃未満の低温巻取では鋼板が硬質化してDI
成形性が低下する。一方、巻取温度が680℃を超える
と熱延鋼板の組織が粗粒化し、イヤリング性が劣化す
る。また、酸洗性が低下することによりNiめっきの密
着性が低下し、耐食性も劣化する。このため巻取温度は
540〜680℃、より好ましくは560〜660℃と
する。
【0033】このようにして得られた熱延鋼板を酸洗、
冷間圧延した後、バッチ焼鈍による再結晶焼鈍を行い、
しかる後調質圧延を行うことにより電池外筒用鋼板が製
造される。冷間圧延における冷圧率はイヤリング性を制
御するために重要な条件であり、イヤリング率を安定し
て小さくするために82〜90%に限定する。再結晶焼
鈍は、これを連続焼鈍で行った場合には時効性、イヤリ
ング性、DI成形性が劣るため、バッチ焼鈍で行なう。
バッチ焼鈍の焼鈍温度が600℃未満では未再結晶組織
が残るためイヤリング性が劣化し、またイヤリング性の
均一性も低下する。一方、焼鈍温度が700℃を超える
と過度の粒成長により組織が粗粒化するためイヤリング
性が劣化する。このためバッチ焼鈍の焼鈍温度は600
〜700℃とする。なお、バッチ焼鈍の焼鈍時間はコイ
ル各部が上記焼鈍温度に達すればよいため特に限定しな
い。一般的には均熱時間で10時間程度を限度に実施す
ることが好ましい。
【0034】また、より一層良好な材質均一性(特に、
イアリング性の均一性)と耐食性を得るためには、図5
及び図6に示すようにバッチ焼鈍の雰囲気ガス中の水素
濃度を25〜100vol%とすることが好ましい。ま
た、100%水素ガス雰囲気中でバッチ焼鈍を行うこと
により、加熱時間、冷却時間を短縮することが可能とな
り、生産性も向上する。調質圧延の伸長率は特に限定し
ないが、通常0.5〜2%程度が望ましく、ブライト仕
上とすることが好ましい。
【0035】通常、電池外筒用鋼板の両面には、製缶し
た後の耐食性を確保するためのめっき層および/または
合金化めっき層等の耐食被覆層が形成される。適用され
るめっき層、合金化めっき層としては、耐食性を確保で
きるものであればその種類に特別な制約はなく、単層ま
たは複層のめっき層および/またはこのめっき層を熱拡
散処理して得られた合金化めっき層を鋼板の両面に形成
すればよい。但し、特に優れた耐食性を得るためには、
少なくともNiめっき層またはFe−Ni合金化めっき
層を設けることが好ましい。このFe−Ni合金化めっ
き層はNiめっき層を熱拡散処理して得られるもので、
Niめっき層の全部を合金化(Fe−Ni)させたもの
でもよいし、下地鋼板とNiめっき層との界面のみを合
金化させたものでもよい。このような合金層を生成させ
ることにより、耐食性はさらに向上する。
【0036】いずれにしても、本発明条件により付与さ
れる耐食性と複合化させることで特に優れた耐食性を確
保するためには、鋼板両面にそれぞれ、少なくとも1層
のNiめっき層および/またはFe−Ni合金化めっき
層を設けることが好ましい。また、Niめっき層および
/またはFe−Ni合金化めっき層の上層にSnめっき
層を設け、さらに耐食性を高めることもできる。Niめ
っき厚は特に限定しないが、両面ともに1〜5μm程度
の厚さとするのが望ましく、両面等厚めっき、差厚めっ
きのいずれでもよい。また、Niめっき層を熱拡散処理
する際の加熱条件も特に限定しないが、600〜700
℃で30秒〜3分程度加熱することが好ましい。また、
この熱拡散処理後にさらに0.5〜2%程度の調質圧延
を行い表面粗さを調整することが望ましい。この2回目
の調質圧延後に再度Niめっきを行うことにより、耐食
性は一段と向上する。なお、本発明法により製造される
鋼板はDI成形用途に限定されるものではなく、絞り成
形用途にも適用することができる。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〕表1及び表2に示す組成の鋼を転炉溶製し
た後、連続鋳造によりスラブとし、このスラブを120
0℃に加熱後、仕上温度870℃で熱間圧延した。巻取
温度は表3及び表4に示す温度とし、鋼番1〜21は板
厚2.6mm、鋼番22〜35は板厚3.0mmの熱延
鋼板とした。これらの熱延鋼板を酸洗後、それぞれ0.
40mm、0.45mmまで冷圧率84.6%、85%
でそれぞれ冷間圧延し、次いでバッチ焼鈍炉(炉内雰囲
気ガス:HNXガス,7%H2−残N2)にて650℃で
再結晶焼鈍を行った。焼鈍後の鋼板に伸長率1.3%の
調質圧延を行った後、鋼板の両面に厚さ4μのNiめっ
きを行い、650℃で1分の熱拡散処理を施した後、さ
らに伸長率1%の調質圧延を行った。但し、鋼番22〜
35については熱拡散処理を行なわずにNiめっきまま
の状態とした。
【0038】これらのめっき鋼板コイルのT部及びM部
の幅方向中央部と最エッジ部から、45mmφの円形ブ
ランクを打ち抜き、絞り比2.15でカップ状に深絞り
成形し、成形後のイヤリング率を測定した。イヤリング
率は円周方向各位置の側壁部の成形高さを測定し、成形
高さの最大値と最小値の差を高さ最小値で割った百分率
で表した。さらに、この深絞り後のカップをDI成形に
よりプラス端子を有する単3電池外筒缶相当の円筒缶に
加工し、耐食性を評価した。耐食性は、JIS Z 2371に準
拠して塩水噴霧試験(35℃、NaCl:5%)を行
い、端子加工部に腐食欠陥が発生しない最長試験時間に
より評価した。これらの評価結果を表3及び表4に示
す。これによれば、本発明法により製造された鋼板は、
比較例の鋼板に較べてイヤリング性の幅方向、長手方向
の均一性と耐食性がともに優れていることが判る。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】〔実施例2〕表1及び表2の鋼番2、7、
11、17、23、28の6鋼種について転炉溶製した
後、連続鋳造によりスラブとし、このスラブを1230
℃に加熱後、仕上温度:870℃、巻取温度:600℃
で熱間圧延し、板厚2.7mmの熱延鋼板とした。これ
らの熱延鋼板を酸洗後、板厚0.4mmに冷圧率85.
2%で冷間圧延し、次いでバッチ焼鈍炉にて630℃で
再結晶焼鈍を行った。その際、焼鈍雰囲気ガス中の水素
濃度を表5に示す種々の濃度に変化させた。焼鈍後の鋼
板に伸長率1.3%の調質圧延を行った後、鋼板の両面
に厚さ3μのNiめっきを行い、650℃で1分の熱拡
散処理を施した後、さらに伸長率1%の調質圧延を行な
った。これらのめっき鋼板のイヤリング率と耐食性を実
施例1と同様の方法で評価した。その評価結果を表5に
示す。これによれば、バッチ焼鈍の雰囲気ガス中の水素
濃度を高めることにより、イヤリング性の鋼板幅方向、
長手方向での均一性および耐食性がさらに一段と向上し
ていることが判る。
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、電池
外筒用鋼板、とりわけDI成形により製缶される2ピー
ス電池外筒用鋼板に関して、優れたイヤリング性が鋼板
幅方向及び長手方向で均一に得られ、しかも耐食性にも
優れた鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bを0〜0.0015wt%添加した鋼板の板
幅方向各部のイヤリング率を示すグラフ
【図2】鋼板中のB/Nが鋼板エッジ部のイヤリング性
に及ぼす影響を示すグラフ
【図3】鋼板幅方向の各部から円形ブランクを打ち抜く
際のブランク採取位置を示した説明図
【図4】鋼板中のCr添加量が鋼板の耐食性に及ぼす影
響を示すグラフ
【図5】バッチ焼鈍の雰囲気を100%水素ガスとした
場合とHNXガスとした場合について、鋼板コイルの幅
方向及び長手方向のイヤリング率を示すグラフ
【図6】バッチ焼鈍の雰囲気ガス中の水素濃度が鋼板の
耐食性に及ぼす影響を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粟屋 敬 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 古屋 博英 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.015〜0.025wt%、s
    ol.Al:0.010〜0.10wt%、B:0.0
    003wt%以上で且つ0.3≦B/N≦1.2、C
    r:0.03〜0.10wt%を含有し、N:0.00
    25wt%以下(但し、無添加の場合を含む)からなる
    鋼組成を有するスラブを、仕上温度:860℃以上、巻
    取温度:540〜680℃で熱間圧延し、酸洗後、82
    〜90%の冷圧率で冷間圧延し、次いで600〜700
    ℃の温度でバッチ焼鈍した後、調質圧延することを特徴
    とする材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 バッチ焼鈍時の雰囲気ガス中の水素濃度
    を25〜100vol%とすることを特徴とする請求項
    1に記載の材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の製造方法により製造
    された鋼板の両面に、少なくともNiめっき層および/
    またはFe−Ni合金化めっき層を形成することを特徴
    とする材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用めっき鋼
    板の製造方法。
JP8081035A 1996-03-08 1996-03-08 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法 Pending JPH09241760A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8081035A JPH09241760A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8081035A JPH09241760A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241760A true JPH09241760A (ja) 1997-09-16

Family

ID=13735208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8081035A Pending JPH09241760A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241760A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5570078B2 (ja) * 2009-06-09 2014-08-13 東洋鋼鈑株式会社 Niめっき鋼板及びそのNiめっき鋼板を用いた電池缶の製造方法
CN110541123A (zh) * 2019-09-05 2019-12-06 首钢集团有限公司 一种电池壳用冷轧带钢及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5570078B2 (ja) * 2009-06-09 2014-08-13 東洋鋼鈑株式会社 Niめっき鋼板及びそのNiめっき鋼板を用いた電池缶の製造方法
CN110541123A (zh) * 2019-09-05 2019-12-06 首钢集团有限公司 一种电池壳用冷轧带钢及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2128289B2 (en) Steel sheet for cans, hot-rolled steel sheet to be used as the base metal and processes for production of both
JP5482883B2 (ja) イヤリング性に優れた冷延鋼板およびその製造方法
JP3377825B2 (ja) 缶用鋼板およびその製造方法
JP2017190469A (ja) 絞り缶用冷延鋼板及びその製造方法
JP3900640B2 (ja) 封口部密封性の優れた2ピース電池缶用鋼板およびその製造方法
JPS5938338A (ja) 高い降伏強度で絞り加工性に優れた缶用極薄鋼板の製造方法
JP3292033B2 (ja) 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法
JPH09241760A (ja) 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法
JP3814865B2 (ja) 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法
JPH0341529B2 (ja)
JPH1081919A (ja) ノンイヤリング性および耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法
JP3292034B2 (ja) 材質均一性と耐食性の優れた電池外筒用鋼板の製造方法
JP3900639B2 (ja) 深絞り加工によって形成される2ピース電池缶用鋼板およびその製造方法
JP3707260B2 (ja) 面内異方性および面内異方性のコイル内均一性に優れた2ピース缶用極薄鋼板の製造方法
JPH1112686A (ja) 均質性に優れた缶用鋼板およびその製造方法
JPH093547A (ja) 高強度缶用鋼板の製造方法
JP2002088446A (ja) 異方性の優れた電池外筒成形用鋼板及びその製造方法
JP3852138B2 (ja) 冷延−焼鈍後の耐リジング性及び深絞り性に優れる缶用鋼板用素材の製造方法
JP3341578B2 (ja) 巻締め部のシール性に優れた2ピース乾電池缶用鋼板の製造方法
JP3257390B2 (ja) 面内異方性の小さい2ピース缶用鋼板の製造方法
JPH10505882A (ja) 引抜き・アイヨニング缶および深絞り容器用連続焼鈍・軟質焼戻し黒板とその製造方法
JPH08120348A (ja) 面内異方性の小さい硬質缶用鋼板の製造方法
JP2000087145A (ja) 面内異方性のコイル内均一性に優れた2ピース缶用鋼板の製造方法
JPH08283863A (ja) 材質均一性に優れた硬質缶用鋼板の製造方法
JPH08311609A (ja) 耐圧強度とネック加工性に優れたdi缶用鋼板およびその製造方法