JPH09241529A - 微粒子複合酸化物ブラック顔料及びその製造方法 - Google Patents

微粒子複合酸化物ブラック顔料及びその製造方法

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JPH09241529A
JPH09241529A JP7537396A JP7537396A JPH09241529A JP H09241529 A JPH09241529 A JP H09241529A JP 7537396 A JP7537396 A JP 7537396A JP 7537396 A JP7537396 A JP 7537396A JP H09241529 A JPH09241529 A JP H09241529A
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    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
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  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の同種顔料よりも粒子径が小さく、且つ
黒度、着色力及び鮮映性に優れた微粒子複合酸化物ブラ
ック顔料を得ること。 【解決手段】 コバルト、鉄、クロム及び必要に応じマ
ンガンの酸化物からなり、BET比表面積が50m2
g以上100m2/g以下であることを特徴とする微粒
子複合酸化物ブラック顔料、及びコバルト塩、2価の鉄
塩、3価のクロム化合物及び必要に応じ2価のマンガン
塩の3ないし4成分の混合溶液に、沈澱剤として過剰の
アルカリ水溶液を用いて各塩を共沈後、50℃以下の温
度範囲で空気を吹き込み、酸化反応終了後、乾燥及び焼
成することを特徴とする微粒子複合酸化物ブラック顔料
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微粒子複合酸化物ブ
ラック顔料及びその製造方法に関するもので、従来の同
種顔料に比べて一次粒子が極めて小さく、且つ黒度、着
色力、鮮映性、発色性及び耐熱性に優れているために、
塗料、薄膜、印刷インキ等に有用な顔料及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合酸化物ブラック顔料は、耐熱
性、色分かれ性、耐久性等に優れた無機顔料として広く
知られ、例えば、塗料や耐熱インキの着色剤、窯業用着
色剤として幅広く使用されている。上記のブラック顔料
のなかには、Cu−Cr系、Cu−Cr−Mn系、Cu
−Mn系、Cu−Fe−Mn系等があり、その構造は一
般にはスピネル構造である。これらの顔料の製造方法は
主として乾式法であって、各成分の酸化物や炭酸塩の混
合、焼成及び粉砕によって顔料が製造されている。
【0003】一方、銅を含まない複合酸化物ブラック顔
料は種類が多くなく、Co−Fe−Cr系のいわゆるコ
バルトブラック顔料が知られる程度である。その製造方
法は銅を含むブラック顔料と同様に乾式法である。しか
しながら、上記の乾式法は、焼結体である粗顔料の粉砕
に大きなエネルギーを要するという欠点があり、又、焼
結体である粗顔料を粉砕するために微粒子の顔料が得ら
れないというのが現状である。又、各構成元素の水溶液
を利用した湿式法においては、微粒子の顔料が得られる
可能性があるが、Co−Fe−Cr系顔料では、湿式法
による製造方法は全く報告及び提案が為されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、実施されている
乾式法は、コバルト、鉄及びクロムの酸化物又は炭酸塩
等を混合し、時には鉱化剤を併用し、高温にて焼成した
後、焼結した粒子を強力な粉砕機によって粉砕し、顔料
化する方法であるが、各構成成分が微粒子でない限り、
焼成後の製品も透明な微粒子にはなりにくく、仮にその
ような微粒子があったとしても、これらの微粒子は焼成
時に焼結してしまい、その微粉砕により大きなエネルギ
ーを必要とした。
【0005】一方、湿式法によってもコバルトブラック
複合酸化物ブラック顔料は得られることが予想される
が、この場合、単純な各構成元素の塩の溶液を混合沈澱
する方法、即ち、コバルト、2価ないし3価の鉄及び3
価のクロムの塩を溶かした混合金属塩溶液を、沈澱剤と
してカセイソーダ等のアルカリを用いて共沈し、水洗、
乾燥した後、焼成する方法が考えられる。しかし、この
方法では、沈澱時の温度が低いとあまりにも微細な粒子
が生成し、顔料としての適性がなくなる。又、高温下で
は酸化鉄のみの粒成長が激しく、微粒子の顔料は得難
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の要望
に応えるべく鋭意研究の結果、コバルト、鉄、クロム及
び必要に応じてマンガンからなる微粒子複合酸化物ブラ
ック顔料(コバルトブラック)の製造において、湿式沈
澱反応後、50℃以下の条件下で沈殿物を空気酸化させ
ることにより、要望される微粒子顔料が得られることを
確認した。
【0007】即ち、本発明は、コバルト、鉄、クロム及
び必要に応じマンガンの酸化物からなり、BET比表面
積が50m2/g以上100m2/g以下であることを特
徴とする微粒子複合酸化物ブラック顔料、及びコバルト
塩、2価の鉄塩、3価のクロム化合物及び必要に応じ2
価のマンガン塩の3ないし4成分の混合溶液に、沈澱剤
として過剰のアルカリ水溶液を用いて各塩を共沈後、5
0℃以下の温度範囲で空気を吹き込み、酸化反応終了
後、乾燥及び焼成することを特徴とする微粒子複合酸化
物ブラック顔料の製造方法である。
【0008】本発明によれば、微粒子複合酸化物ブラッ
ク顔料(コバルトブラック)を構成する金属の塩をアル
カリ沈澱剤により、それら金属の水酸化物として混合析
出させ、この析出物を液相空気酸化処理をすることによ
り、その後の焼成温度を極めて低くすることが可能にな
り、微粒子状で単一スピネル相を有する黒度、着色力及
び鮮映性に優れた微粒子複合酸化物ブラック顔料が得ら
れる。更にこのようにして得られたブラック顔料は非常
に微粒子であるにも拘わらず、ソフトで分散性にも優れ
ている。
【0009】本発明の重要なポイントである、微粒子コ
バルトブラック顔料の各構成金属塩をアルカリで水酸化
物として沈澱後の酸化反応は、鉄及びマンガンを酸化さ
せるのが目的であり、その過程で微細な粒子が形成され
る。そのために、使用する酸化剤としては、鉄及びマン
ガンを酸化させる能力がある酸化剤であれば何でもよい
が、例えば、過酸化水素等のような強力な酸化剤は、3
価のクロムを6価に酸化させるので、本発明の製造方法
には使用することができない。又、酸化反応によって残
存不溶性物が生成する酸化剤は、得られる顔料に悪影響
を及ぼすために望ましくはない。そのために空気による
酸化はクロムの6価への酸化を防ぎつつ、鉄及びマンガ
ンをマイルドな条件で酸化させることができるために、
得られる顔料粒子の大きさを適当に制御させることがで
き、本発明の製造方法において最もふさわしい酸化方法
である。
【0010】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。本発明で使用する構成元
素の塩は、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩等、従来複
合酸化物ブラック顔料を製造するときに使用されている
ものはすべて使用することができる。
【0011】本発明の顔料における各成分の構成割合
は、金属のモル比でコバルト:鉄:クロム=1:0.
9:1.1が最も好ましく、又、本発明の顔料がマンガ
ンを含有する場合は、金属のモル比でコバルト:鉄:ク
ロム:マンガン=1:1:1.2:0.25が最も好ま
しく、この割合において、黒度及び着色力に優れたブラ
ック顔料を得ることができる。
【0012】更に本発明者の研究の結果によれば、構成
成分であるコバルト(Co)、鉄(Fe)及びクロム
(Cr)、マンガン(Mn)のモル比が、マンガンを含
まない場合は、コバルト1に対して鉄0.5〜1.2及
びクロム0.8〜1.4の範囲での組成変化、又、本発
明の顔料がマンガンを含有する場合は、コバルト1に対
して鉄0.6〜1.3、クロム0.9〜1.5及びマン
ガン0.1〜1.0の範囲での組成変化であれば、得ら
れる顔料において黒度及び着色力に大きな影響は受けな
いことが認められた。又、顔料中の鉄の割合が増すに従
い、得られる顔料は赤味になり、鉄がモル比で1.2を
越えると得られる顔料の黒度の低下が著しい。一方、ク
ロムが多くなると得られる顔料の赤味が減り、やや緑味
になる傾向にある。又、マンガンを含有すると得られる
顔料の黒度が増加するが、マンガンがモル比で0.5を
越えると得られる顔料の黒度が低下し、マンガンがモル
比で1.0を越えると得られる顔料が赤味になる。
【0013】以上の如き各構成元素の全金属塩を、水に
溶かして混合塩水溶液を形成する。その際の金属塩の濃
度は上記の如きモル比で全体として約5〜50重量%程
度の濃度とするのが適当である。この混合溶液を、沈澱
剤としてカセイソーダ等のアルカリ水溶液とともに、予
め用意した沈澱媒体中に同時に滴下する。この際の反応
物の濃度は沈澱生成物に対して特に悪い影響を及ぼすと
いう程ではないが、作業性及びその後の空気等による酸
化工程等を考えると、好ましくは0.05モル/リット
ル〜0.2モル/リットルが適当であり、傾向としては
反応物の濃度の薄い方が、得られる顔料の粒子が小さく
なる傾向にある。
【0014】又、粗顔料の合成温度は、通常行う範囲、
即ち0℃〜100℃の範囲であれば、その効果を十分発
揮できるが、合成温度が50℃を超えると、析出粒子
(粗顔料)の成長が大きく、得られる顔料の着色力がや
や損なわれる傾向にある。又、この粗顔料合成時のpH
は8以上のアルカリ側であれば、いずれのpH領域でも
大きくは影響しない。しかしながら、一般的傾向とし
て、低いpHでは析出粒子が大きくなる傾向があり、
又、pHが高くなると小さな析出粒子が得られ易い。
【0015】以上の理由で、粗顔料合成時のpHは、そ
の後の生成物の扱い易さ、又、最終生成物である顔料の
黒度及び着色力に微妙に影響する。過剰のアルカリは沈
澱生成後に加えられる。この際のアルカリ過剰量は沈澱
に必要なアルカリモル数に対し1.1〜1.5倍の範
囲、望ましくは1.1倍前後が、得られる顔料において
黒度及び着色力共に最も良好である。アルカリ過剰量の
少ない場合は、析出粒子の成長が抑制され、顔料の微粒
子化には優れる半面、得られる顔料の黒度が不足する傾
向がある。又、アルカリ過剰量の多い場合は析出粒子の
成長が激しく、微粒子の顔料が得られがたく、過剰のア
ルカリにクロムが溶解し、得られる顔料の組成変動の原
因になったり、後の処置に悪影響を及ぼす。このように
して30分間〜1時間かけて反応混合物を撹拌しながら
沈澱を生成させた後、5〜20分間程度熟成を行い沈澱
反応を完了させる。
【0016】次に共沈物を含む反応液に対して、撹拌し
ながら空気を吹き込み、2価の鉄及びマンガンを完全に
酸化させる。この際の空気量は、最終生成量50gに対
し1.0〜2.0リットル/min.の範囲であればそ
れ程大きな品質上の影響はない。但し吹き込み空気量が
少ないと反応終結に長時間がかかると同時に、析出粒子
がやや大きく、着色力不足の顔料が得られ、一方、吹き
込み空気量が多すぎる場合は、析出粒子が小さすぎて、
得られる顔料の色調が赤ぐすみとなり、分散性の悪い顔
料が得られる。又、酸化時の温度は50℃以下が、望ま
しくは20〜30℃の範囲で行うのが良い。高い温度で
は析出粒子の成長が著しく、微細な顔料が得難い。
【0017】以上の反応条件下では、空気吹き込み時間
は大体3時間〜4時間で終了する。反応の終結は溶液の
酸化還元電位を測定することで知ることができる。即
ち、本条件下では反応開始時、+600〜+500mV
である電位が反応終了時には+50mV前後に低下す
る。尚、この条件下では、3価のクロムが6価に酸化さ
れることは殆どなく、あってもごく僅かである。
【0018】次に、得られた析出粒子を、濾過し、水洗
し、100℃〜120℃程度の温度で乾燥する。得られ
た乾燥物を酸化性雰囲気下で600℃〜800℃の温度
で30分間〜1時間焼成することにより、本発明の微粒
子複合酸化物ブラック顔料、即ち微粒子コバルトブラッ
クを得ることができる。
【0019】このようにして得られた本発明の微粒子複
合酸化物ブラック顔料は、従来の乾式法により得られる
顔料に比べて、黒度、着色力及び鮮映性に優れ、BET
比表面積を50〜100m2/gの範囲に調整すること
で、顔料微粒子の大きさを整えれば、塗料系への顔料分
散も良好である。
【0020】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 塩化コバルト6水塩57.1部、硫酸第一鉄7水塩6
2.5部及び40%硫酸クロム溶液124部を計りと
り、水を加えて、これを完全に溶かして全体を約500
部とする。次に沈澱剤としてカセイソーダ69部を計り
とり、水を加えて約500部とする。
【0021】予め用意しておいた沈澱媒体である水約
1,000部をガスバーナーや電熱器等で約25℃の温
度に調整し、ここに混合塩水溶液とカセイソーダ水溶液
とを同時に滴下し、約30分間から1時間かけて沈澱反
応を完了させる。この際のpHは11前後になるように
注意し、混合塩水溶液の滴下が終了したら、過剰のカセ
イソーダ水溶液を続けて加えた後20分間ほど熟成す
る。
【0022】次に、先の細いキャピラリー状に加工した
ガラス管を用意し、上記沈澱生成物の底部から1.2リ
ットル/min.流量の空気を吹き込む。この間、撹拌
は続けて行い、撹拌羽根の回転速度は300rpm前
後、温度は25℃に調節し、空気の吹き込みを約3時間
続けた。初めの緑味の灰色沈澱物は、終わりには赤み茶
色沈澱物に変化する。
【0023】次に、生成物を取り出しデカンテーション
により充分に水洗し残塩を洗い流し、濾過を行う。次い
で100℃〜120℃の温度にて12時間以上乾燥させ
る。この乾燥物を700℃で1時間酸化雰囲気にて焼成
後、冷却した。このようにして得られた顔料は粒子が細
かく、BET比表面積が75m2/gであり、黒度が高
く、鮮映性に優れ、着色力も高く、且つ分散性も良好な
微粒子複合酸化物ブラック顔料(微粒子コバルトブラッ
ク)であった。
【0024】この微粒子複合酸化物ブラック顔料をペイ
ントコンディショナー(レッドデビル社製)でメラミン
/アルキッド樹脂(PHR30)にて十分に分散させ
る。そして黒帯付のアート紙に6ミルのアプリケーター
にて展色し色調を観察した。又、酸化チタンで薄めたも
のについて着色力を観察した。
【0025】実施例2 塩化コバルト6水塩53.7部、硫酸第一鉄62.5
部、40%硫酸クロム溶液125部及び硫酸マンガン
9.0部を計りとり、水を加えて約500部とする。次
に沈澱剤としてカセイソーダ70部を計りとり、水を加
えて300部とする。以下実施例1と同様の方法にて得
られた顔料は、実施例1と同様に粒子が細かく、BET
比表面積が70m2/gであり、実施例1の顔料より
も、更に黒度が高く、鮮映性に優れ、着色力も高く、且
つ分散性の良好なものであった。
【0026】実施例3 金属のモル比でコバルト:鉄:クロム=1:0.9:
1.1とした以外は実施例1と同様にして本発明の顔料
を得た。この顔料のBET比表面積が75m2/gであ
り、実施例1の顔料よりも、更に黒度が高く、鮮映性に
優れ、着色力も高く、且つ分散性の良好なものであっ
た。
【0027】実施例4 金属のモル比でコバルト:鉄:クロム:マンガン=1:
1:1.2:0.25とした以外は実施例2と同様にし
て本発明の顔料を得た。この顔料のBET比表面積が7
5m2/gであり、実施例2の顔料よりも、更に黒度が
高く、鮮映性に優れ、着色力も高く、且つ分散性の良好
なものであった。
【0028】比較例1 塩化コバルト6水塩57.1部、硫酸第一鉄7水塩6
2.5部及び40%硫酸クロム溶液124部を計り、水
を加えて、これを完全に溶かして全体を約500部とす
る。次に沈澱剤としてカセイソーダ69部を計りとり、
水を加えて約500部とする。
【0029】予め用意しておいた沈澱媒体である水約
1,000部をガスバーナーや電熱器等で約25℃に調
整し、ここに混合塩水溶液とカセイソーダ水溶液とを同
時に滴下し、約30分間から1時間かけて沈澱反応を完
了させる。この際のpHは11前後になるように注意
し、混合塩水溶液の滴下が終了したら、過剰のカセイソ
ーダ水溶液を続けて加えた後、20分間ほど熟成する。
【0030】以下熟成後の空気吹き込み酸化反応を行わ
ないことを除き、実施例1と同様にして得られた微粒子
複合酸化物ブラック顔料は、粒子がやや大きく、黒度は
高いものの鮮映性に欠ける顔料であった。
【0031】比較例2 塩化コバルト6水塩53.7部、硫酸第一鉄7水塩6
2.5部、40%硫酸クロム溶液125部及び硫酸マン
ガン9.0部を計りとり、水を加えて約500部とす
る。次に沈澱剤としてカセイソーダ70部を計りとり、
水を加えて300部とする。以下比較例1と同様な方法
で得られた顔料は、粒子がやや大きく、黒度は高いもの
の鮮映性に欠けるものであった。
【0032】比較例3 市販の塩基性炭酸コバルト(酸化コバルトとして18
部)、針状含水酸化第二鉄顔料19.9部、及び酸化ク
ロム19.5部を計りとり、適当量の水を入れて、十分
に湿式混合させる。これを1,000℃で1時間焼成し
た後、常法に従い粉砕し、顔料を得た。このようにして
得られた乾式法による顔料は、実施例1〜4で得られた
顔料と比較して一次粒子が大きく、発色が充分でなく、
黒度、着色力及び鮮映性の点で劣るものであった。以上
の結果をまとめて表1に示す。
【0033】 表1 色相及び黒度 分散性 比表面積 従来品 茶色の黒、鮮映性劣る 不良 6m2/g 実施例1 黒度、着色力高く、鮮映性良好 良好 75m2/g 実施例2 黒度、着色力高く、鮮映性良好 良好 70m2/g 実施例3 黒度、着色力高く、鮮映性良好 良好 75m2/g 実施例4 黒度、着色力高く、鮮映性良好 良好 75m2/g 比較例1 実施例1より黒度劣り、鮮映性も劣る やや良好 50m2/g 比較例2 実施例2より黒度劣り、鮮映性も劣る やや良好 45m2/g 比較例3 赤みの黒、黒度、着色力共に小さい 不良 5m2/g ※色相、鮮映性、分散性:メラミンアルキッド/PHR30 尚、上記表1における従来品は市販の複合酸化物ブラッ
ク顔料(コバルトブラック)である。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、従来の同
種顔料よりも粒子径が小さく、且つ黒度、着色力及び鮮
映性に優れた微粒子複合酸化物ブラック顔料が得られ、
該顔料は従来の顔料と同様に一般の塗料、建材用着色剤
や合成樹脂の着色剤、窯業用着色剤として使用されると
ともに、顔料を微粒子化することによって新たに発現す
る特性を利用し、例えば、カラーフィルター等のブラッ
クマトリックス用ブラック顔料、インクジェット用ブラ
ック顔料、特殊塗料用ブラック顔料、特に蛍光体との接
触の可能性のある部分でのブラック顔料としての応用が
期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 健一 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルト、鉄及びクロムの酸化物からな
    るスピネル構造を有し、且つBET比表面積が50m2
    /g以上100m2/g以下であることを特徴とする微
    粒子複合酸化物ブラック顔料。
  2. 【請求項2】 構成成分であるコバルト、鉄及びクロム
    のモル比が、コバルト1に対して鉄0.5〜1.2及び
    クロムが0.8〜1.4の範囲である請求項1に記載の
    微粒子複合酸化物ブラック顔料。
  3. 【請求項3】 更にマンガンの酸化物を含む請求項1又
    は2に記載の微粒子複合酸化物ブラック顔料。
  4. 【請求項4】 マンガンが、モル比でコバルト1に対し
    1以下である請求項3に記載の微粒子複合酸化物ブラッ
    ク顔料。
  5. 【請求項5】 コバルト塩、2価の鉄塩及び3価クロム
    塩、必要に応じて2価マンガン塩の3ないし4成分混合
    溶液に、沈澱剤としてアルカリ水溶液を過剰に加えて共
    沈物を生成させた後、50℃以下の温度範囲で空気を吹
    き込み、微粒子顔料の前駆体を生成させ、乾燥後、焼成
    することを特徴とする微粒子複合酸化物ブラック顔料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成温度が600〜800℃の範囲であ
    る請求項5に記載の微粒子複合酸化物ブラック顔料の製
    造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000129172A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Nagashima Tokushu Toryo Kk 遮熱性塗料及びその塗装方法
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