JPH09241413A - 抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体 - Google Patents

抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体

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JPH09241413A
JPH09241413A JP8094496A JP8094496A JPH09241413A JP H09241413 A JPH09241413 A JP H09241413A JP 8094496 A JP8094496 A JP 8094496A JP 8094496 A JP8094496 A JP 8094496A JP H09241413 A JPH09241413 A JP H09241413A
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JP
Japan
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antibacterial
foam
synthetic resin
resin foam
soft synthetic
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JP8094496A
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English (en)
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Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Ryukichi Miyagawa
隆吉 宮川
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Mitsubishi Chemical MKV Co
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Publication date
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質の合成樹脂成形品に環境汚染等の問題を
生じさせることなく、別途の機能を付与し、付加価値を
向上させて用途の拡大を図る。 【解決手段】 本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発
泡体1は、熱可塑性樹脂に対して、少なくとも熱安定
剤、可塑剤及び発泡剤を添加剤として含有した組成物に
基づく軟質発泡成形品に関するものであって、前記軟質
発泡成形品には添加剤として更に抗菌性植物粉2が含ま
れているとともに、発泡剤の添加に伴う小口径の発泡セ
ル3と、抗菌性植物粉2の添加に伴う大口径の発泡セル
3とが併せて形成されていることを特徴として成るもの
であり、このような発明特定事項を手段とすることによ
り、上記課題の解決を図っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば靴の中敷のよ
うに通気性、柔軟性等の基本的機能に加え、抗菌性等の
別途の機能が要求される部位に適用できる軟質発泡成形
品に関するものであって、特に環境汚染への影響を極力
抑えるようにした抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体に
係るものである。
【0002】
【発明の背景】近時の合成樹脂産業の発達は目覚ましい
ものがあり、身の回りの家庭用雑貨、オフィスでの各種
事務機器、包装材、被服地、更には自動車や建築物の構
造材料に至るまで実に幅広い分野で合成樹脂材料が使用
されている。これは合成樹脂の有する成形加工性、軽量
性あるいは低価格性等によるところが大きく、金属、ガ
ラス、陶磁器、木材、絹、綿、紙等の代用品として、あ
るいは代用品の域を超えて、これら原材を上回る特性を
有する合成樹脂材料が次々に登場していることに起因す
る。
【0003】一方、このような合成樹脂材料に別途の機
能を付与する目的で植物粉を添加する試みも一部では行
われている。具体的には木材に代わる建築用構造材料や
家具類の構造材料として、合成樹脂材料中に木粉を添加
したものを使用し、合成樹脂材料の成形加工性等の利点
を活かしつつ、木材の香り、色合い、肌触り等の合成樹
脂材料にはない別途の機能を付与したものが開発されて
いる。またこのような木粉と併用して着色ペレットを合
成樹脂材料中に添加し、これらを充分に混合してしまわ
ない状態で加熱溶融し、更に押出成形することにより、
木材の板目に類した模様を合成樹脂成形品の表面に表出
させるという試みも一部では行われている。
【0004】しかしこのような試みはいずれも硬質の合
成樹脂成形品に対して行われているものであって、例え
ば靴の中敷のように適度の通気性と柔軟性とが要求され
る軟質の合成樹脂成形品に対しては未だ上記植物粉を添
加する等の試みは行われていない。また靴の中敷のよう
に身体の一部と直に、あるいはそれに近い緊密な状態で
使用される物品にあっては、更に汗等の吸収性に優れ、
肌触り等も良好であることが要求される。更に靴の中敷
のような用途で使用する場合には、抗菌性を付与するこ
とも条件とされ、一部の靴の中敷にあっては適宜の抗菌
剤を内添あるいは外添する試みも行われているが、この
ような抗菌剤としては一般に化学物質が使用されるた
め、これに起因して以下述べるような問題点も生じてい
た。
【0005】すなわち抗菌剤として使用される化学物質
としては、ごく単純な酸、アルカリの類から無機化合
物、更には微生物が作り出す構成物質などがあるが、こ
れらはいずれも所定量を超えると好ましくない傾向、す
なわち人体に対する毒性を示すようになる。更にまた所
定量以下でも長期間の使用や廃棄された後などに環境汚
染につながる場合も生じ得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景を充分に認識し、その認識の上に立って案出されたも
のであって、環境への配慮や資源の有効利用という社会
的要請に応えることを前提に軟質の合成樹脂成形品に対
しても別途の機能を付与し得るようにすることを解決し
ようとする課題とするものであって、このような課題の
解決を試みた極めて有用且つ新規な抗菌性を有する軟質
合成樹脂発泡体を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂に
対して、少なくとも熱安定剤、可塑剤及び発泡剤を添加
剤として含有した組成物に基づく軟質発泡成形品におい
て、前記軟質発泡成形品には添加剤として更に抗菌性植
物粉が含まれているとともに、発泡剤の添加に伴う小口
径の発泡セルと、抗菌性植物粉の添加に伴う大口径の発
泡セルとが併せて形成されていることを特徴として成る
ものである。そしてこのような発明の特定事項を手段と
することにより人体への影響や環境汚染等の問題を生じ
させることなく、軟質発泡成形品本来の機能である通気
性、柔軟性といった機能が向上し、更にこれらの機能と
は別途の機能、すなわち抗菌性という新たな機能を付与
することが可能となり、前記課題の解決が図られるので
ある。
【0008】また請求項2記載の抗菌性を有する軟質合
成樹脂発泡体は、前記要件に加え、前記抗菌性を有する
軟質合成樹脂発泡体の小口径の発泡セルは1〜200μ
mの範囲であり、大口径の発泡セルは1〜3mmの範囲
であることを特徴として成るものである。そしてこのよ
うな発明の特定事項を手段とすることにより、汗等の吸
収性に優れ、肌触り等も良好な軟質発泡成形品が得ら
れ、これにより前記課題の解決が図られるのである。
【0009】更にまた請求項3記載の抗菌性を有する軟
質合成樹脂発泡体は、前記要件に加え、前記抗菌性植物
粉は、植物性廃材またはその一部を粉末化したものであ
ることを特徴として成るものである。そしてこのような
発明の特定事項を手段とすることにより、一旦何らかの
用途に使用された植物性材料をそのまま廃棄するのでは
なく、植物性材料の有する抗菌作用を再度別途の用途に
活用することが可能となり、資源の有効利用を通じて前
記課題の解決が図られるのである。
【0010】更にまた請求項4記載の抗菌性を有する軟
質合成樹脂発泡体は、前記要件に加え、前記抗菌性植物
粉は、イグサ粉であることを特徴として成るものであ
る。そしてこのような発明の特定事項を手段とすること
により、イグサの有する抗菌作用が軟質発泡成形品に別
途の機能として付与されるほか、日本人に好まれるイグ
サの香り、イグサの有するやさしい色合い、風合いとい
うものが醸しだされる。またイグサは畳表等の材料とし
て広く使用されているものであり、このような分野で廃
材として廃棄されているイグサの切端部を利用すれば更
に資源の有効利用にも寄与し得るようになり、前記課題
の解決が図られるのである。
【0011】更にまた請求項5記載の抗菌性を有する軟
質合成樹脂発泡体は、前記要件に加え、前記抗菌性植物
粉の添加量は、1〜30重量%であることを特徴として
成るものである。そしてこのような発明の特定事項を手
段とすることにより、軟質発泡成形品の成形性を損なう
ことなく、抗菌性植物粉の添加が可能になり、これによ
り前記課題の解決に寄与し得るのである。
【0012】更にまた請求項6記載の抗菌性を有する軟
質合成樹脂発泡体は、前記要件に加え、前記熱可塑性樹
脂は、塩化ビニル樹脂であることを特徴として成るもの
である。そしてこのような発明の特定事項を手段とする
ことにより、大量に生産されている樹脂であることから
原料コストの削減に寄与し、また可塑剤の適用により軟
質度も用途、目的に応じて種々調整でき、透明性に優れ
ることから成形品表面に抗菌性植物粉固有の色を発色さ
せることが可能となって、これらによって前記課題の解
決に寄与し得るのである。
【0013】更にまた請求項7記載の抗菌性を有する軟
質合成樹脂発泡体は、前記要件に加え、前記軟質発泡成
形品は、靴の中敷であることを特徴として成るものであ
る。そしてこのような発明の特定事項を手段とすること
により、通気性、柔軟性及び抗菌性の要求される靴の中
敷に対して、人体への影響や環境汚染等の問題を生じさ
せることなく、抗菌性を付与することが可能となり、更
に汗等の吸収性や肌触り等も良好となって前記課題の解
決が図られるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の抗菌性を有する軟質
合成樹脂発泡体について図面に基づいて具体的に説明す
る。本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体1は、
通気性、柔軟性という基本的機能に加え、吸汗性、触感
に優れ抗菌性という別途の機能が要求される適用対象、
具体的には図1に示すような靴の中敷、例えばパンプス
の中敷等に適用される。またその構成としては、熱可塑
性樹脂を主原料とし、この熱可塑性樹脂に対して少なく
とも熱安定剤、可塑剤及び発泡剤を添加剤として含有し
て成り、更に本発明の特徴的発明特定事項として抗菌性
植物粉2を添加剤として包含するとともに、発泡剤の添
加に伴い普通に生ずる小口径の発泡セル3と抗菌性植物
粉2の添加に伴って生ずる大口径の発泡セル3とが併せ
て形成される。因みに抗菌性植物粉2の添加に伴う大口
径の発泡セル3として1〜3mmの大口径の発泡セル3
が形成されるため、汗等の吸収性に優れ、肌触り等も良
好となることから上記靴の中敷のように身体の一部と直
に、あるいはそれに近い緊密な状態で使用される軟質合
成樹脂発泡体1として使用される場合にあっては最適な
実施の形態ということができる。
【0015】このうち、熱可塑性樹脂としては塩化ビニ
ル樹脂(PVC)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポ
リスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)等、更に通
常は熱硬化性樹脂に属するが、変性剤の添加により、熱
可塑性を示すポリウレタン(PUR)等が適用できる。
しかしこのような熱可塑性樹脂のみを加熱すると分解し
てしまい、例えば塩化ビニル樹脂にあっては、塩酸ガス
を発生させ、黒ずんでくる。この傾向は重合度の低いも
のほど顕著に現れ、熱分解が活発となり、最後にはまっ
黒になり、更に高温で加熱しても軟化せず溶剤にも溶け
ないものとなってしまう。
【0016】そこで以下述べるような熱安定剤の添加が
必要になってくるわけであり、このような熱安定剤とし
ては、スズ、鉛、バリウム、カドミウム、カルシウム、
亜鉛等の有機酸金属塩を一種もしくは二種以上添加して
使用する。なおこれらの熱安定剤の好適な添加量として
は、熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂を使用した場合
において、塩化ビニル樹脂に対し、0.5重量部以上1
0重量部以下となるように設定する。因みに0.5重量
部未満では熱安定性に劣り、10重量部を超えると成形
品の表面に吹き出しが生じたり、成形中、滑性が強過ぎ
て加工が困難になる等の不都合が生じる。またこれらの
熱安定剤の安定化を助けるために安定化助剤として、亜
リン酸塩、多価アルコール、エポキシ化合物、亜リン酸
エステル等を添加することも可能である。一方、このよ
うな熱安定剤を熱可塑性樹脂に加え加熱混練し、成形
後、常温で硬化させると硬質の合成樹脂成形品ができ上
がってしまう。そこで本発明にあっては、成形品に柔軟
性を付与するため更に可塑剤の添加が必要となってく
る。
【0017】このような可塑剤としては、ジオクチルフ
タレート(DOP)等のフタル酸エステル、ジオクチル
アジペート等の脂肪酸エステル及び低分子量ポリエステ
ルなどが使用できる。なおこの可塑剤の添加量に応じて
成形品の柔軟性は変化するので、成形する成形品によっ
て適宜、可塑剤の添加量を調節する必要がある。また可
塑剤の好適な添加量としては熱可塑性樹脂として塩化ビ
ニル樹脂を使用した場合において、塩化ビニル樹脂に対
し20重量部以上120重量部以下となるように設定す
る。因みに20重量部未満では成形品が硬く、クッショ
ン性に劣り、120重量部を超えると強度が低下する。
更に次に述べる発泡剤の添加によっても成形品の柔軟性
はもたらされる。このような発泡剤としては、窒素、ヘ
リウム等、熱可塑性樹脂に対して実質的に不活性な気体
であってもよいし、ブタン、プロパン等、熱可塑性樹脂
の溶融時または押出時に気化して、その体積を著しく増
大させるとともに、熱加熱性樹脂に対して実質的に不活
性な揮発性の有機液体であってもよい。更にアゾジカル
ボンアミド、パラトルエンスルホニールセミカーバジド
等、熱可塑性樹脂に対し実質的に不活性な気体を自ら発
生させるものであってもよい。更にまたこのような発泡
剤の好適な添加量としては、熱可塑性樹脂として塩化ビ
ニル樹脂を使用した場合において、塩化ビニル樹脂に対
し0.5重量部以上10重量部以下となるように設定す
る。因みに0.5重量部未満では発泡倍率が低過ぎ、1
0重量部を超えるとコスト高となり不経済である。そし
てこのような発泡剤の作用としては、上述の柔軟性のほ
か、軽量化、更には発泡セル3を連続気泡化することに
より通気性も発揮される。
【0018】更にまた本発明の特徴的発明特定事項であ
る抗菌性植物粉2としては、抗菌性を有する種々の植物
粉が適用できるものであって、具体的には抗菌作用を有
するタンニン、サポニン、精油等の成分を多く含んだ植
物粉、あるいはこれらの成分を植物から抽出し、更にこ
れを乾燥して粉末状にしたものが適用される。このうち
タンニンはオークの樹皮や虫コブ、あるいはバラ科、ツ
ツジ科、ヤナギ科、マメ科の植物、更にはアメリカマン
サクや茶等に多く含まれ、そのタンパク質凝固作用によ
って抗菌性を発揮するものである。またサポニンは配糖
体の一種で、皮膚からの汚れや脂肪分を浮き上がらせる
作用を有し、アスパラガス、カラスムギ、トマト、ホウ
レンソウ、インゲンマメなど、ありふれたハーブや野
菜、あるいはカンゾウ、ニオイスミレ、セイヨウトチノ
キ、野生のヤマイモ等に多く含まれる。
【0019】更に精油は、植物が潰されたり日光に温め
られたりしたときに容易に発揮する揮発成分のことであ
り、ペパーミント(主成分:メントール)、タイム(主
成分:チモール)、セージ(主成分:ツジョン)に代表
されるように、精油には豊かな香気があり、芳香作用も
発揮される。またタイムに含まれるチモールや、ニンニ
クに含まれるアリシン等には殺菌作用があり、多くの精
油成分には高い抗菌作用がある。更に軟質合成樹脂発泡
体1の成形性を向上させるためには、この抗菌性植物粉
2の添加量は1〜30重量%、更に好ましくは低発泡倍
率(4〜6倍)時では20重量%以下、高発泡倍率(8
〜10倍)時では10重量%以下に設定するとともに、
抗菌性植物粉2の好適な粒径値としては平均粒径80〜
120μmに設定する。因みにこのような設定条件とし
た場合には、軟質合成樹脂発泡体1の成形性を損なうこ
となく、抗菌性植物粉2の添加が可能となり、軟質合成
樹脂発泡体1に対する抗菌性の付与及び発泡セル3の拡
大が可能となる。
【0020】更にまた資源の有効利用を考えれば、植物
性廃材を利用してこれをそのまま、あるいは上記成分を
抽出したものを乾燥し、粉末化し、これを抗菌性植物粉
2とすることができれば更に好適である。このような思
想に基づく抗菌性植物粉2の具体例としては、以下述べ
る「イグサ」「竹」「茶」を使用した抗菌性植物粉2等
が挙げられる。このうち「イグサ」は各地の湿地に生え
る多年草で草丈は50cmほどになることもあり、日本
人の生活と切り離せない畳表や敷物等に広く使用されて
いる植物である。従って畳表や敷物を製造する際に生
じ、廃棄されている切端部がここでいう抗菌性植物粉2
の主な対象となる。因みにこのような「イグサ」を抗菌
性植物粉2として使用した場合には、植物性廃材の有効
利用が図られるほか、「イグサ」の有する抗菌作用に加
え、日本人に好まれるイグサの香り、イグサの有するや
さしい色合い、風合いといった別途の機能も発揮され
る。
【0021】また「竹」はイネ科の多年生常緑木本の総
称であり、マダケ属、ササ属、アズマザサ属等に分類さ
れ、建築材料や管楽器の材料、あるいは竿等に利用され
る。しかし近年これらの用途は合成樹脂に代替される場
合が多く、これらに代わる別途の用途として抗菌性植物
粉2としての利用が見込まれる。因みにこのような
「竹」を抗菌性植物粉2として使用した場合には、資源
の有効利用が図られるほか、前記「イグサ」と同様の抗
菌作用、日本人に好まれる香り、やさしい色合い、風合
いといった別途の機能が発揮される。
【0022】更に「茶」はツバキ科の常緑灌木であり、
その茶葉は周知のとおり緑茶として広く飲用に供されて
おり、上記抗菌作用を有するタンニンも多く含まれてい
る。また「茶」にはタンニンのほか、カフェイン、カロ
チン、ビタミンC等の成分も含まれているが、これらの
成分は湯を注ぐだけで溶出するため、二煎目からは渋味
成分であるタンニンだけが残る。従って飲用に供された
後の茶葉を利用して抗菌性植物粉2を製造できれば、資
源の有効利用が図られる。因みにこのような「茶」を抗
菌性植物粉2として使用した場合には、「茶」の有する
抗菌作用に加え、日本人になじみの深い茶の香り、色合
いといった別途の機能が発揮されるようになる。
【0023】次にこのような材料を組み合わせることに
よって成形される本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂
発泡体1の製造方法について簡単に説明する。すなわち
原料中に上記大きさ、所定量の抗菌性植物粉2を添加す
るだけで、後は通常の軟質発泡成形品を成形するのと同
様の製造方法によって製造される。具体的には抗菌性
植物粉2を熱可塑性樹脂、熱安定剤及び可塑剤からなる
原料中に添加し、更にこのものに実質的に不活性な気体
を自ら発生させる発泡剤を添加した後、混練して予備成
形し、これによりできた予備成形品を加熱発泡すること
により製造する方法、前記実質的に不活性な気体を自
ら発生させる発泡剤に代えて揮発性の強い不活性な有機
液体を発泡剤として使用し、上記原料にこのような有機
液体を含浸させた後、加熱発泡することにより製造する
方法、前記実質的に不活性な気体を自ら発生させる発
泡剤に代えて実質的に不活性な気体をそのまま発泡剤と
して使用し、上記原料を押出機によって、このような不
活性気体を押出機内に高圧注入しながら押出成形するこ
とによって製造する方法等が適用できるものであって、
更に必要に応じて所定の形状に仕上げる切断やプレス、
接合、表面処理等が行われることによって構成される。
【0024】またこのような製造方法によって成形され
る本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体1の形状
は図1に示すような平板状のもののほか、これを厚肉に
した図2(a)に示すようなブロック状のもの、図2
(b)に示すような円柱状のもの、図2(c)に示すよ
うな球体状のもの、図2(d)に示すような円環状のも
の等、種々の形状のものが採用できる。更に使用態様を
異ならせた実施の形態として、これらの軟質合成樹脂発
泡体1を単品で使用するのではなく、図2(e)に示す
ようにチップ状に形成した多数の軟質合成樹脂発泡体1
を用い、これらを組み合わせて使用するようにすること
も可能である。
【0025】更にまた図1に示すように本発明の抗菌性
を有する軟質合成樹脂発泡体1を靴の中敷に使用する以
外の他の用途としては、図3(a)に示すような自転車
やカヌー競技等に使用されるヘルメット4の緩衝材とし
ての用途や、図3(b)に示すような枕5やクッション
の充填材としての用途や、図3(c)に示すような運動
靴6のベロ7やその他のアッパー部分のクッション素材
としての用途、あるいは図3(d)に示すような患部の
保護や補強を目的として使用されるサポータ類8等とし
ての用途が挙げられる。
【0026】
【実施例1】抗菌性植物粉2を添加した軟質合成樹脂発
泡体1の一例として熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂
(PVC)、抗菌性植物粉2としてイグサ粉を使用した
実施例を以下に示す 本実施例では、以下に示す個別の原料を使用し、これら
を下記の割合で混合して成る配合物を原料として使用し
た。 PVC(重合度1000のストレートタイプ)100重量部(61.7重量%) 熱安定剤(バリウムラウレート/亜鉛ラウレート=4/3の複合安定剤) 2重量部(1.2重量%) 可塑剤(DOP:ジオクチルフタレート) 50重量部(30.9重量%) 発泡剤(アゾジカルボンアミド) 5重量部(3.1重量%) 抗菌性植物粉(イグサ粉:平均粒径100μm) 5重量部(3.1重量%)
【0027】そしてこのような配合物をあらかじめ14
0℃で5分間、ミルロールで混練し、厚さ0.5mmの
シート状の一次成形品を作成する。次にこのようにして
成形されたシート状の一次成形品を複数枚積層し、5m
m厚のプレス型枠に入れて180℃で10分間加熱す
る。その後、加圧したまま50℃まで冷却し、冷却後、
成形された二次成形品をプレス型枠から取り出す。そし
て取り出された二次成形品を95℃のオーブンに入れ、
発泡させることにより本発明の抗菌性を有する軟質合成
樹脂発泡体1を作成した。
【0028】なお得られた軟質合成樹脂発泡体1は、発
泡倍率がほぼ6倍であり、イグサ粉を添加したことによ
り1〜3mm径の大口径の発泡セルを含む多数の発泡セ
ル3が形成されていた。また本実施例では更にこのもの
をスライスし、2mm厚のシート状の軟質合成樹脂発泡
体1に成形し、最終成形品とした。これにより得られた
最終成形品はイグサ特有の薄緑の色合いを有し、良好な
通気性と感触性(柔軟性)とを有し、更には目的とする
抗菌性に加え、消臭性にも優れていることが認められ
た。
【0029】
【実施例2】次に抗菌性植物粉2を添加した場合と、添
加しない場合とで最終成形品に形成される発泡セル3の
口径の分布にどのような違いが現れるかについて行った
実験結果について説明する。比較したサンプルは熱可塑
性樹脂として塩化ビニル樹脂(PVC)を採用し、この
ものに抗菌性植物粉2として竹粉を添加したものと添加
しなかったものである。また測定方法としては走査系電
子顕微鏡(SEM)により、サンプル表面を30倍に拡
大し、3mm角の正方形(9mm2 )中に存在する発泡
セル3の口径を測定し、更にその個数を目視によって計
測して下記表1に示す実験結果を得た。
【0030】
【表1】
【0031】なお表1中、「竹粉入り」とは、抗菌性植
物粉2として竹粉を添加したもの、「標準品」とは抗菌
性植物粉2を添加しなかったもの、「セル最大径」とは
発泡セル3の口径を最大径で測定したものを意味する。
この実験結果より「竹粉入り」及び「標準品」の平均セ
ル径は互いに160μm前後とほぼ同一であったが、
「竹粉入り」においてのみ1〜3mmの大口径の発泡セ
ル3が確認された。また表1からも明らかなように「竹
粉入り」には「標準品」で発見されない399.7〜5
00μmまでの口径を有する発泡セル3が現れているこ
とから、「竹粉入り」は「標準品」より発泡セル3が広
範囲にわたって分布する傾向が見られ、且つ口径1〜3
mmの大口径の発泡セル3も併せて形成されるという抗
菌性植物粉2添加の特徴が認められた。
【0032】
【発明の効果】本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発
泡体1は、以上述べた実施の形態ないし実施例によって
具現化される特許請求の範囲記載の発明特定事項を有す
ることによって成るものであり、このような発明特定事
項を有することによって以下述べるような種々の効果が
発揮される。すなわち軟質合成樹脂発泡体1中に抗菌性
植物粉2を添加したことにより、人体の影響や環境汚染
等の心配を一切することなく、抗菌性という新たな機能
を軟質合成樹脂発泡体1に付与することが可能となる。
また抗菌性植物粉2の原料として植物性廃材が利用でき
れば資源の有効利用が図られるし、抗菌性植物粉2とし
てイグサ粉を用いればイグサの有するやさしい色合い等
が軟質合成樹脂発泡体1に表出される。更に抗菌性植物
粉2の添加量を1〜30重量%に設定した場合には、軟
質合成樹脂発泡体1の成形性を損なうことなく抗菌性植
物粉2の添加を行うことが可能になり、例えば靴の中敷
等に最適な通気性、感触性(柔軟性)、消臭性及び抗菌
性を有する軟質合成樹脂発泡体1が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体を
靴の中敷に適用した実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体の
形状並びに使用態様を異ならせた種々の実施の形態を示
す斜視図である。
【図3】本発明の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体を
他の用途に適用した種々の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 軟質合成樹脂発泡体 2 抗菌性植物粉 3 発泡セル 4 ヘルメット 5 枕 6 運動靴 7 ベロ 8 サポータ類

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に対して、少なくとも熱安
    定剤、可塑剤及び発泡剤を添加剤として含有した組成物
    に基づく軟質発泡成形品において、前記軟質発泡成形品
    には添加剤として更に抗菌性植物粉が含まれているとと
    もに、発泡剤の添加に伴う小口径の発泡セルと、抗菌性
    植物粉の添加に伴う大口径の発泡セルとが併せて形成さ
    れていることを特徴とする抗菌性を有する軟質合成樹脂
    発泡体。
  2. 【請求項2】 前記抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体
    の小口径の発泡セルは1〜200μmの範囲であり、大
    口径の発泡セルは1〜3mmの範囲であることを特徴と
    する請求項1記載の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡
    体。
  3. 【請求項3】 前記抗菌性植物粉は、植物性廃材または
    その一部を粉末化したものであることを特徴とする請求
    項1または2記載の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡
    体。
  4. 【請求項4】 前記抗菌性植物粉は、イグサ粉であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の抗菌性を有
    する軟質合成樹脂発泡体。
  5. 【請求項5】 前記抗菌性植物粉の添加量は、1〜30
    重量%であることを特徴とする請求項1、2、3または
    4記載の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹脂で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記
    載の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体。
  7. 【請求項7】 前記抗軟質発泡成形品は、靴の中敷であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6
    記載の抗菌性を有する軟質合成樹脂発泡体。
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