JPH09241326A - エチレン−α−オレフィン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

エチレン−α−オレフィン共重合体及びその製造方法

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JPH09241326A
JPH09241326A JP4594496A JP4594496A JPH09241326A JP H09241326 A JPH09241326 A JP H09241326A JP 4594496 A JP4594496 A JP 4594496A JP 4594496 A JP4594496 A JP 4594496A JP H09241326 A JPH09241326 A JP H09241326A
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JP
Japan
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olefin
ethylene
copolymer
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diene
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Withdrawn
Application number
JP4594496A
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English (en)
Inventor
Masanari Inagaki
勝成 稲垣
Chiku Wakatsuki
築 若槻
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性が悪化することなく、加工性が改良さ
れたエチレン−α−オレフィン共重合体を提供する。 【解決手段】 エチレン及び炭素数3ないし12のα−
オレフィン、二重結合をもつ直鎖または環状のジエンあ
るいはポリエンモノマーからなる二元または多元共重合
体であり、下記(a)〜(d)の条件を満足するエチレ
ン−α−オレフィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が0〜100wt%であるこ
と (b)ジエンの含量が50wtppm〜20000wt
ppmであること (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
1.45以上であること

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、更には、加工性、とりわけ溶融流動
特性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】エチレン−α−オレフィン共重合体は耐
熱性、耐候性、耐オゾン性などの優れた特性を有してい
るため、自動車用材料、建築材料、工業用材料、電線用
材料、ポリオレフィン改質材料、包装用フィルム用とな
どとして広く用いられている。近年、このうち特にポリ
オレフィン改質材料、包装用フィルム用途の需要が増大
している。これらの用途では共重合体組成が均一である
ことが求められ、従来、均一な共重合体を与えるバナジ
ウム系触媒等の均一系触媒により得られた共重合体が広
く用いられている。しかしながら、これらの触媒系で得
られる共重合体は分子量分布が狭く、長鎖分岐が少ない
ために溶融流動特性に劣り、加工性が悪いという欠点を
有していた。この欠点を改良する方法としては例えば、
特公昭59−14497号公報に示されるように低分子
量の共重合体をブレンドして分子量分布を広げ、加工性
を改良する方法が挙げられるがブレンドに手間がかかる
上、多量の低分子量成分のブレンドはブリードを生ずる
ために好ましくなく、十分満足のいく加工性改良は実質
上難しい現状にある。
【0003】また、特開平6−306121号公報で
は、長鎖分岐を与えるメタロセン触媒を用いて加工法の
改良されたオレフィンポリマーを製造する方法が示され
ているが、限られたメタロセン触媒にしか適用できない
上に、加工性改良も不十分なレベルでしかなかった。
【0004】また、EPDMの様にジエンモノマーの共
重合により長鎖分岐を付与し、加工性を改良する方法が
あるが、従来技術では多量のジエンモノマーの共重合を
必要とし、耐候性、耐熱性が劣る欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、耐候性が悪化すること
なく、加工性が改良されたエチレン−α−オレフィン共
重合体及びその製造方法を提供する点に存するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の技術的課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定ジエ
ン成分、分子量、分子量分布、流動特性を有するエチレ
ン−α−オレフィン共重合体を考案するに至った。
【0007】すなわち、本発明のうち一の発明は、エチ
レン及び炭素数3ないし12のα−オレフィン、二重結
合をもつ直鎖または環状のジエンあるいはポリエンモノ
マーからなる二元または多元共重合体であり、下記
(a)〜(d)の条件を満足するエチレン−α−オレフ
ィン共重合体に係るものである。 (a)α−オレフィン含量が0〜100wt%であるこ
と (b)ジエンの含量が50wtppm〜20000wt
ppmであること (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
1.45以上であること
【0008】また、本発明のうち他の発明は、上記のの
エチレン−α−オレフィン共重合体を下記(A)〜
(D)成分を下記のとおり組み合わせて得られる触媒系
の一種を用いて製造する方法に係るものである。 (A)成分:化学式(1)〜(3)で表される遷移金属
錯体 (ここで、Mは周期律表第IVB族の遷移金属を表し、C
1 及びCp2 はMとπ結合しているシクロペンタジエ
ニル基又はその誘導基を表し、X1 及びX2 はアニオン
性配位子又は中性ルイス塩基配位子を表し、Yは窒素原
子、リン原子、酸素原子又は硫黄原子を含有する配位子
を表し、Zは酸素原子、硫黄原子、硼素原子又は周期律
表第IVA 族の原子を表す。ただし、YとZは合一して縮
合環を形成していてもよい。) (B)成分:成分(A)中の遷移金属Mと反応してイオ
ン性の錯体を形成する化合物 (C)成分:有機アルミニウム化合物 (D)成分:アルモキサン 触媒系−1:(A)+(B)+(C) 触媒系−2:(A)+(B)+(D) 触媒系−3:(A)+(D) 触媒系−4:(A)+(C)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のα−オレフィンは、必ず
しも限定されないが、具体例としては、プロピレン、1
−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを挙げるこ
とができる。これらのα−オレフィンは、その一種を単
独で用いてもよく、または二種以上を併用してもよい。
【0010】本発明共重合体中におけるα−オレフィン
含量は特に制限はなく、0〜100wt%である。な
お、共重合体の使用される目的、用途に合致した組成を
自由に選ぶことができ、例えば、ポリオレフィン改質用
途では5〜95wt%が好ましい。この場合、95wt
%以上、または5wt%以下では、共重合体の剛性が上
がりすぎ、ポリオレフィン改質用途では実用に耐えられ
ないレベルとなる。
【0011】本発明のジエンとして、直鎖または環状の
ジエン、ポリエンモノマーを用いることができるが、具
体的にはブタジエン、プロパジエン、2,5−ノルボル
ナジエン;7−メチル−2,5−ノルボルナジエン;7
−エチル−2,5−ノルボルナジエン;7−プロピル−
2,5−ノルボルナジエン;7−ブチル−2,5−ノル
ボルナジエン;7−ペンチル−2,5−ノルボルナジエ
ン;7−ヘキシル−2,5−ノルボルナジエン;7,7
−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン;7,7−メチ
ルエチル−2,5−ノルボルナジエン;7−クロロ−
2,5−ノルボルナジエン;7−ブロモ−2,5−ノル
ボルナジエン;7−フルオロ−2,5−ノルボルナジエ
ン;7,7−ジクロロ−2,5−ノルボルナジエン;1
−メチル−2,5−ノルボルナジエン;1−エチル−
2,5−ノルボルナジエン;1−プロピル−2,5−ノ
ルボルナジエン;1−ブチル−2,5−ノルボルナジエ
ン;1−クロロ−2,5−ノルボルナジエン;1−ブロ
モ−2,5−ノルボルナジエン;2−メチル−2,5−
ノルボルナジエン;2−エチル−2,5−ノルボルナジ
エン;2−プロピル−2,5−ノルボルナジエン;2−
クロロ−2,5−ノルボルナジエン;2,3−ジメチル
−2,5−ノルボルナジエン;2,5−ジメチル−2,
5−ノルボルナジエン;2,5−ジブチル−2,5−ノ
ルボルナジエン;2,3,5,6−テトラメチル−2,
5−ノルボルナジエンなどを挙げることができる。さら
に下記の構造の環状ジエンも挙げられる。
【0012】
【0013】また、ビニルノルボルネン、1,5−ヘキ
サジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン等が挙げ
られるが、特に環構造に歪みを持つ環状ジエンであり、
かつ二重結合の反応性が近いノルボルナジエン誘導体、
ビニルノルボルネン誘導体、さらに下記の化合物がより
好ましい。これらの化合物を用いた場合、微量の添加で
流動性を改良することができ、耐候性の観点からも好ま
しい。
【0014】
【0015】さらに好ましくはノルボルナジエン誘導体
であり、二重結合の反応性が同等な2,5−ノルボルナ
ジエンが最も少量で流動性を改良することができ、好ま
しい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン等の汎用非共役ジエンでも若干の加工
性改良は認められるが効果は不十分といえる。
【0016】本発明の共重合体中における非共役ジエン
の含有量は50〜20000wtppm、好ましくは5
0〜5000wtppmである。該含有量が過少な場合
は十分な加工性改良効果が認められない。一方、該含有
量が過多な場合は過度な長鎖分岐が生じ、高分子量成分
の増大が著しく、ポリマーのゲル化を招くことがある。
更に、得られる共重合体中にジエン由来の二重結合が残
り易くなり耐候性の悪化、更にはジエンモノマー臭が共
重合体に残る結果となり、食品包装材料用途には使用で
きなくなる不都合がある。
【0017】本発明のジエンの含有量は微量であるため
に直接共重合体を分析するのは困難であり、重合反応終
了後の溶媒中の残存ジエン成分量をガスクロマトグラフ
測定で求めて共重合ジエン成分量を算出した。なお、本
実施例では重合溶媒中残存ジエン成分量は不検出であっ
たため、重合系への添加量がほぼ全量共重合体中に導入
されるとして、算出することができた。測定に使用した
ガスクロマトグラフは、島津製作所製GC−14B型、
キャピラリーカラムとしてJ&W SCIENTIFI
C社製DB−WAXを用い、検出下限3wtppmであ
った。
【0018】本発明の共重合体は、キシレン中、70℃
で測定した極限粘度〔η〕が0.5〜10dl/g、好
ましくは0.8〜8dl/g、更に好ましくは1.0〜
5dl/gである。該極限粘度が過小な場合は、成型加
工性や機械的物性が低下する。一方、該極限粘度が過大
な場合は、共重合体の溶融流動性、加工性が低下する。
【0019】極限粘度の測定は、70℃キシレン中でウ
ベローデ粘度計を用いて行った。サンプルは300mg
を100mlのキシレンに溶解し、約3mg/mlの溶
液を調製した。更に当該溶液を1/2、1/3、1/5
に希釈し、それぞれを70℃(±0.1℃)の恒温水槽
中でウベローデ粘度計を用いて測定した。それぞれの濃
度で各3回繰り返し、得られた値を平均して求めた。
【0020】本発明の共重合体はキャピラリー流動性試
験における流動性指数Iが1.45以上であり、更に好
ましくは1.60以上である。該指数が過小であると、
溶融流動性の非ニュートン性が不十分であり、十分な加
工性の改良効果が得られない。該指数は大きい方が好ま
しく、上限については特に規定は無い(本発明の検討結
果では大きくて不都合な点は認められていない)。
【0021】キャピラリー流動性試験、及び流動性指数
の算出は以下の方法により行った。 測定装置 東洋精機社製 ストログラフR型キャピラ
リーフローテスター オリフィス 内径1mm、流路長10mm 温度 230℃ せん断速度設定 12、36、60、120、360、600、1200sec-1 各せん断速度においてメルトフラクチャー状態の観察、
せん断粘度を測定した。
【0022】流動性指数は、せん断粘度比(せん断速度
12cm-1時のせん断粘度/せん断速度360cm-1
のせん断粘度)−せん断速度12cm-1時のせん断粘度
のプロット(図1参照)より、流動性指数 I=A/B
として算出した。図中の実線は、GPC測定におけるQ
値が2.0であり、かつ長鎖分岐を持たないEPMのマ
スターカーブであり、Y=0.5488×10-4X+
1.089で表される。共重合体のプロットがY軸(せ
ん断粘度比)正方向へシフトする程ポリマーの非ニュー
トン性が高い結果を示し、加工性、例えばキャピラリー
表面肌等の溶融流動挙動と関連が深い。
【0023】キャピラリー表面肌の評価は以下の判定基
準に従った。 5:せん断速度600cm-1でもメルトフラクチャー現
象が認められない 4:せん断速度600cm-1でやや表面肌の荒れが認め
られる 3:せん断速度360cm-1で表面肌の荒れが認められ
る 2:せん断速度360cm-1でメルトフラクチャー現象
が認められる 1:せん断速度360cm-1以下で著しいメルトフラク
チャー現象が認められる
【0024】また、大気下180℃、50Kgf/cm
2 圧で共重合体を1時間熱プレス処理した後、蛍光ラン
プ下で3週間放置した共重合体の黄変着色レベルを以下
の判定基準により評価し、耐熱、耐光性の判定を行っ
た。 ○:やや着色するが40℃シクロヘキサンに全溶解す
る。 △:黄変が認められるが40℃シクロヘキサンに全溶解
する ×:黄変が認められ、40℃シクロヘキサン不溶成分が
認められる。
【0025】シクロヘキサン溶解性は共重合体0.5g
に対して200mlのシクロヘキサンを使用し、恒温水
槽にて40℃、6時間のかくはんを行った後の状態で判
断した。
【0026】また、共重合体の臭気については以下の基
準で判定した(5名のパネラ−による官能試験によ
る)。 ○:ジエン臭は殆ど感じられない △:ややジエン臭を感ずる ×:ジエン臭を感ずる
【0027】本発明の共重合体はGPC測定におけるQ
値がいかなる値でも効果をもたらすが、好ましくはQ値
が2.5以上、更に好ましくは3.0以上8.0未満で
ある。一般に分子量分布が広い(Q値が大きい)共重合
体の加工性が優れることが知られているが、本発明のジ
エン成分添加効果と相乗的に作用し、より好適な加工性
が得られる。但し、Q値が8を越えると超高分子量成分
が生成し加工性に悪影響を及ぼす上に、低分子量成分も
増えるためにブリードの問題が生じ、好ましくない。
【0028】本発明におけるGPCの測定条件は以下の
通りである。 GPC:Waters社製 150C型 カラム:昭和電工(株)製 Shodex A−80M サンプル量:400μl(ポリマー濃度0.2wt%) 流量:1ml/分 温度:140℃ 溶媒:オルトジクロルベンゼン 検量線は東洋曹達(株)製の標準ポリスチレンを使用
し、常法により作成した。
【0029】本発明の共重合体ゴムは、下記(A)〜
(D)成分を、後記の通り組み合わせて得られる触媒
系)の存在下で、エチレンとα−オレフィン、ジエンま
たはポリエンを重合することにより製造し得る。本発明
の方法を用いれば、先述の特開平6−306121号公
報の方法とは異なり、広範なメタロセン触媒系への適用
が可能な上に、ジエン成分量を制御することで容易に長
鎖分岐を制御することができ、より良好な加工性を実現
することができる。
【0030】(A)成分:化学式(1)〜(3)で表さ
れる遷移金属錯体
【0031】(ここで、Mは周期律表第IVB族の遷移金
属を表し、Cp1 及びCp2 はMとπ結合しているシク
ロペンタジエニル基又はその誘導基を表し、X1 及びX
2 はアニオン性配位子又は中性ルイス塩基配位子を表
し、Yは窒素原子、リン原子、酸素原子又は硫黄原子を
含有する配位子を表し、Zは酸素原子、硫黄原子、硼素
原子又は周期律表第IVA 族の原子を表す。ただし、Yと
Zは合一して縮合環を形成していてもよい。)
【0032】(B)成分:成分(A)中の遷移金属Mと
反応してイオン性の錯体を形成する化合物 (C)成分:有機アルミニウム化合物 (D)成分:アルモキサン
【0033】(A)成分は、前記化学式(1)又は
(2)で表される遷移金属錯体である。式中、Mは周期
律表第IVB族の遷移金属を表し、好ましくはジルコニウ
ム、ハフニウム、チタニウムである。Cp1 及びCp2
はMとπ結合しているシクロペンタジエニル基又はその
誘導基を表す。X1 及びX2 はアニオン性配位子又は中
性ルイス塩基配位子を表す。Yは窒素原子、リン原子、
酸素原子又は硫黄原子を含有する配位子を表す。Zは酸
素原子、硫黄原子、硼素原子又は周期律表第IVA族の原
子を表す。ただし、YとZは合一して縮合環を形成して
いてもよい。
【0034】化学式(1)の具体的な例としては、(第
3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5 −シクロペン
タジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジク
ロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5
−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタ
ンジクロリド、(メチルアミド)(テトラメチル−η 5
−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジル
コニウムジクロリド、(メチルアミド)(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイ
ルチタンジクロリド、(エチルアミド)(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)−メチレンチタンジク
ロリド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメ
チル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジク
ロリド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチ
ル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウム
ジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチ
ル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロ
リド、及び(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメ
チル−η5 −シクロペンタジエニル)シランジルコニウ
ムジベンジルからえらばれた金属配位錯体をあげること
ができる。
【0035】化学式(2)で表わされる化合物の具体的
としては、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
ブロミド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコ
ニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコ
ニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウ
ムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、エチレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド及び上
記化合物におけるジルコニウムをハフニウム又はチタニ
ウムに置き換えた化合物が例示できる。なお、該例示に
おいて、シクロペンタジエニル環の二置換体は、1,2
−及び1,3−置換体を含み、三置換体は1,2,3−
及び1,2,4−置換体を含む。又、プロピル、ブチル
などのアルキル基は、n−、i−、sec−、tert−な
どの異性体を含む。かかる化合物は、単独で又は2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0036】化学式(3)で表される化合物の具体例と
しては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジル
コニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチ
ルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)シクロヘキシルジルコニウムクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)フェニルジルコニウムクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジル
コニウムクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビスインデニルジルコニ
ウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフ
ニウムジクロリド、ビスインデニルハフニウムジクロリ
ドなどを例示することができる。
【0037】(B)成分は、上記の成分(A)中の遷移
金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物であ
る。すなわち、(B)成分は上記の遷移金属錯体をカチ
オン性の化合物にしうる化合物であり、生成したカチオ
ン性の化合物に対して弱く配位及び/又は相互作用をす
るが、反応しない対アニオンを提供するような化合物で
ある。その例として活性プロトンを含有するものとして
テトラキスフェニルボレート、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのアンモニウム塩、スルホニウ
ム塩、ホスホニウム塩などがあげられ、活性プロトンを
含有せず且つカルボニウムイオンなどのルイス酸を有す
るものとしてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレートなどに代表されるイオ
ン性化合物があげられる。更に上記イオン性化合物の他
に、中性の化合物であっても中性の錯体(A)をカチオ
ン性化合物に変化させるに充分なルイス酸性度を持ち錯
体(A)をカチオン化した後、イオン性の対アニオンを
提供するトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンなど
に代表される電子受容体なども本発明において用いるこ
とができる。
【0038】その具体的な例として、以下化学式(3)
に示されるようなイオン対を有するイオン性化合物と中
性のルイス酸性の化合物をあげることができる。 〔D+ 〕〔E- 〕 (3)
【0039】化学式(3)で表される〔D+ 〕の例とし
ては、活性プロトンを含有するトリメチルアンモニウ
ム、トリエチルアンモウム、トリプロピルアンモニウ
ム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリ
ニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N,2,
4,5−ペンタメチルアニリニウム、トリフェニルホス
ホニウム、トリ(o−トリル)ホスホニウム、トリ(p
−トリル)ホスホニウム、トリ(メシチル)ホスホニウ
ムなどの化合物、あるいは活性プロトンを含有しないト
リフェニルカルベニウムイオン、トロピリウムイオンな
どがあげられ、化合物〔E- 〕の例としては、テトラフ
ェニルボレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、テトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、テ
トラ(p−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(m−
フルオロフェニル)ボレート、テトラ(3,5−ジフル
オロフェニル)ボレート、テトラ(2,5−ジフルオロ
フェニル)ボレート、テトラ(2,6−ジフルオロフェ
ニル)ボレート、テトラ(o−トリル)ボレート、テト
ラ(p−トリル)ボレート、テトラ(3,5−ジメチル
フェニル)ボレート、テトラ(2,5−ジメチルフェニ
ル)ボレート、オクタデカボレート、ドデカボレート、
1−カルバウンデカボレート、1−カルバドデカボレー
トなどの化合物をあげることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0040】また、中性の化合物で(A)成分をカチオ
ン化する化合物として、トリ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、ト
リ(p−フルオロフェニル)ボラン、トリ(m−フルオ
ロフェニル)ボラン、トリ(3,5−ジフルオロフェニ
ル)ボラン、トリ(2,5−ジフルオロフェニル)ボラ
ン、ジメチルフルオロアルミニウムなどが好ましい例と
してあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】(C)成分は有機アルミニウム化合物であ
り、下記化学式(4)で表される。 AlRb b'b'' (4) ここで、Rb ,Rb'、Rb'' は各々同一でも異なってい
てもよく、水素、ハロゲン、アミド、アルコキシ又は炭
化水素基である。
【0042】(C)成分の具体例としては、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロ
ピルアルミニウム、トリ(n−プロピル)アルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリ(n−ブチル)
アルミニウム、トリ(n−ヘキシル)アルミニウム、ト
リ(n−オクチル)アルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムクロライ
ド、ジ(n−プロピル)アルミニウムクロライド、ジイ
ソブチルアルミニウムクロライド、ジ(n−ブチル)ア
ルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムエトキサ
イド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロ
ピルアルミニウムエトキサイド、ジ(n−プロピル)ア
ルミニウムエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエ
トキサイド、ジ(n−ブチル)アルミニウムエトキサイ
ド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジ(n−プロ
ピル)アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド、ジ(n−ブチル)アルミニウムハ
イドライドなどを例示することができる。
【0043】(D)成分はアルモキサンであり、下記化
学式(5)又は(6)で表わされる。 (RC ,RC',RC",RC"' ,RC"" は炭素数1〜8の
炭化水素基、s は重合度を示し、通常3〜50、好まし
くは7〜40である。)で示される鎖状アルミノキサ
ン。
【0044】
【0045】(RC は式(5)と同じものを示す。また
sは重合度を示し、好ましい繰り返し単位数は3〜5
0、好ましくは7〜40である。)で示される繰り返し
単位を有する環状アルキルアルミノキサン。(5)及び
(6)式の化合物の中で好ましいのは重合度7以上のア
ルミノキサンである。特に好ましいのは重合度7以上の
メチルアルミノキサンである。これら式(4)、(5)
及び(6)で表わされる有機アルミニウム化合物は、単
独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0046】本発明の共重合体ゴムは。上記(A)〜
(D)を下記のとおり組み合わせて得られる触媒系の一
種を用いて製造し得る。 触媒系−1:(A)+(B)+(C) 触媒系−2:(A)+(B)+(D) 触媒系−3:(A)+(D) 触媒系−4:(A)+(C)
【0047】触媒系−1の場合、(A)成分と(B)成
分との使用条件は限定されないが、(A)成分:(B)
成分の比(モル比)は、通常1:0.01〜1:100、
好ましくは1:0.5〜1:10であり、特に好ましくは
1:1〜1:5である。
【0048】また、(C)成分の使用は(A)成分1モ
ルに対し、通常1〜1000モル、好ましくは1〜50
0モル、特に好ましくは1〜300モルである。触媒成
分の使用態様には制限はなく、たとえば(A)成分、
(B)成分を予め接触させ、あるいは更に接触生成物を
分離、洗浄して使用してもよく、重合系内で接触させて
使用してもよい。また(C)成分は、予め(A)成分、
(B)成分、あるいは(A)成分と(B)成分との接触
生成物と接触させて用いてもよい。
【0049】接触は、予め接触させてもよく、重合系内
で接触させてもよい。更に触媒成分はモノマー、重合溶
媒に予め加えたり、重合系内に加えることもできる。な
お、触媒成分は、必要により、無機あるいは有機の担体
に担持して用いることもできる。
【0050】触媒系−2の場合は、触媒系−1の(C)
成分が(D)成分に変わった場合であり、使用条件は触
媒系−1の場合と同じである。特に式(5)、(6)で
表わされる化合物は高価格であり、使用量は少ない程好
ましい。
【0051】触媒系−3の場合は、(A)成分と(D)
成分の割合は〔(D)成分のアルミニウムモル量〕/
〔(A)成分の遷移金属モル量〕として1〜106 、好
ましくは10〜104 である。触媒成分の使用態様には
制限はなく、(A)成分と(D)成分を重合系内に加え
る前に接触させても、接触させなくてもよい。
【0052】上記組み合わせ以外の触媒の組み合わせと
して、 触媒系−5:(A)+(B)+(C)+(D) 触媒系−6:(A)+(B) も重合可能な組み合わせとして例示出来る。
【0053】触媒の調製に用いられる不活性炭化水素媒
体としては、具体的にはプロパン、ブタン、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯
油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エ
チレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなど
のハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを
あげることができる。また、調製温度は通常−100〜
250℃の範囲とすることが好ましく、圧力、時間は任
意に設定することができる。
【0054】重合方法としては、塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、気相重合などのいずれの方法を用いてもよ
い。また、バッチ法でも連続法でもよい。重合溶媒を用
いる場合、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭
化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど
の脂肪族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタンなど
のハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これ
らの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上のもの
を組合わせてもよい。また、α−オレフィンなどのモノ
マーを溶媒として用いてもよい。
【0055】重合条件に関し、重合温度は、通常−20
〜200℃、好ましくは0〜180℃、特に好ましくは
20〜150℃で圧力が通常、大気圧〜3000kg/
cm 2 、好ましくは大気圧〜2000kg/cm2 の条
件下で行なわれる。重合終了後の生成ポリマーは、従来
公知の分離・回収方法により重合溶液から回収し、乾燥
して固体状の共重合体を得る。
【0056】共重合体ゴムの分子量は、重合温度などの
条件により調整することができ、また水素等の分子量調
節剤を用いて調節することもできる。
【0057】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を
限定するものと解すべきではない。
【0058】実施例1 容量2lのセパラブルフラスコ反応器に、かくはん機、
温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて減圧にしたの
ち、窒素で置換する。このフラスコに乾燥したトルエン
1lを重合溶媒として導入した。ここにエチレン7.8
NL/minとプロピレン1.3NL/minの混合ガ
スを常圧にて連続フィードし、溶媒温度を30℃とし
た。ジエンモノマーとして2,5−ノルボルナジエン
(以下NBDと略記)0.109mmol反応器に添加
した後、トリイソブチルアルミニウム(以後TIBAと
略記)0.5mmolを反応器に添加した。
【0059】その後(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シラン
ジクロリドチタニウム(特開平3−163088号公報
に従って合成)を0.00035mmol反応器に添加
した。その15分後にトリフェニルカルベニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.00175m
molを反応器に添加し、重合を開始した。30分の重
合の後、メタノールによる再沈澱処理を行い、減圧下、
60℃、12時間の乾燥を行った。その結果、エチレン
−プロピレン−NBD共重合体24.6gが得られた。
詳細な結果は表1にまとめる。
【0060】実施例2〜4 実施例1において、表1に示すようなモノマー添加量及
び重合条件に変化させた以外は同じ方法で共重合体を得
た。詳細な結果は表1にまとめる。
【0061】実施例5 ジエンモノマーとして5−ビニル−2−ノルボルネン
(以下VNBと略記)を用いた他は実施例1と同じ方法
で共重合体を得た。詳細な結果は表1にまとめる。
【0062】実施例6、7 重合触媒としてビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドを用いた他は実施例1と同じ方法で行っ
た。詳細な結果は表2にまとめる。
【0063】実施例8 プロピレンの替わりに1−ブテンを用いた他は実施例1
と同じ方法で行った。詳細な結果は表2にまとめる。
【0064】比較例1〜5 表3に示すような重合触媒、ジエンモノマー、モノマー
添加量及び重合条件に変化させた以外は実施例1と同じ
方法で共重合体を得た。詳細な結果は表3にまとめる。
【0065】比較例6 実施例1において、重合触媒として、従来のバナジウム
触媒系(オキシ三塩化バナジウム、エチルアルミニウム
セスキクロリド(EASC)、パークロルクロトン酸n
−ブチルエステル(BPCC))を用い、表3に示すよ
うなモノマー添加量及び重合条件に変化させた以外は実
施例1と同じ方法で共重合体を得た。詳細な結果は表4
にまとめる。なお、この場合、触媒の添加は、BPCC
を最初に添加した15秒後にEASCを添加、更に15
秒後にオキシ三塩化バナジウムを添加して重合を開始し
た。
【0066】実施例1〜4はジエン成分としてNBDを
用い、良好なキャピラリー表面肌を示した。中でも流動
性指数Iが大きな値を示す実施例3、4の表面肌が特に
良好な結果となった。また、ジエン成分としてVNBを
用いた実施例5も良好な表面肌を示した。更に、α−オ
レフィンとして1−ブテンを用いた実施例8も良好な表
面肌を示した。また、触媒(A)成分としてビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを使用し
た実施例6、7でも同様に良好な表面肌を示した。
【0067】これに対して、ジエン成分として従来のE
PDMで用いられているENB、DCPDを用いた比較
例1、2や、ジエン成分を添加しなかった比較例3、4
のキャピラリー表面肌は悪く、加工性が悪い結果となっ
た。なお、比較例3で使用した(A)触媒は、(第3級
ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロ
ペンタジエニル)シランジクロリドチタニウムであり、
長鎖分岐を持つ共重合体を与え、比較的良好な加工性を
与えることが示されているが(特開平6−306121
号公報)ジエン成分が添加されていないために本発明の
加工性改良効果と比較して不十分なレベルとなってい
る。また、長鎖分岐の無い共重合体を与えることが知ら
れている比較例4のビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドを用いた場合はさらに悪い表面肌を
示し、全く加工性改良効果が認められていないが、これ
にジエンを添加した実施例6、7は非常に良好な表面肌
を示し本発明の効果を顕著に示す結果となった。
【0068】また、ジエン成分を本発明の規定量を越え
て多量に添加した比較例5では共重合体の分子量が急激
に増大するゲル化現象が認められ、得られたポリマーの
ジエン臭や着色レベルは悪い結果を示した。
【0069】更に、比較例6に示したような従来工業的
に用いられているバナジウム触媒を用いた場合、ジエン
成分を本発明の規定量(比較例6では4990wtpp
m)加えても、表面肌は非常に悪い結果となっており、
本発明の製造法を用いることによってはじめて耐候性、
臭気が悪化することなく加工性が改良された本発明の効
果が得られることが示された。
【0070】
【表1】
【0071】*1 赤外線吸収スペクトル分析による。
ジエン含量は考慮していない。 *2 70℃、キシレン *3 ポリスチレン換算重量平均分子量 *4 ポリスチレン換算数平均分子量 *5 ジエンモノマーとしてVNBを使用
【0072】
【表2】
【0073】*1 赤外線吸収スペクトル分析による。
ジエン含量は考慮していない。 *2 70℃、キシレン *3 ポリスチレン換算重量平均分子量 *4 ポリスチレン換算数平均分子量 *5 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロ
ライドを使用 *6 プロピレンの替わりに1−ブテンを使用 *7 1−ブテン含量
【0074】
【表3】
【0075】*1 赤外線吸収スペクトル分析による。
ジエン含量は考慮していない。 *2 70℃、キシレン *3 ポリスチレン換算重量平均分子量 *4 ポリスチレン換算数平均分子量 *5 NBDの替わりに5−エチリデン−2−ノルボル
ネンを使用 *6 NBDの替わりにジシクロペンタジエンを使用 *7 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロ
ライドを使用 *8 ゲル化した。組成、分子量、流動性は測定不可能
であった。
【0076】
【表4】
【0077】*1 赤外線吸収スペクトル分析による。
ジエン含量は考慮していない。 *2 70℃、キシレン *3 ポリスチレン換算重量平均分子量 *4 ポリスチレン換算数平均分子量 *5 TIBAの替わりにエチルアルミニウムセスキク
ロリドを使用した。 *6 オキシ三塩化バナジウムを用いた。 *7 パークロルクロトン酸n−ブチルエステルを使用
した。
【0078】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、耐
候性が悪化することなく、加工性が改良されたエチレン
−α−オレフィン共重合体及びその製造方法を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】流動性指数を求める際のせん断粘度対せん断粘
度比のプロット図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン及び炭素数3ないし12のα−
    オレフィン、二重結合をもつ直鎖または環状のジエンあ
    るいはポリエンモノマーからなる二元または多元共重合
    体であり、下記(a)〜(d)の条件を満足するエチレ
    ン−α−オレフィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が0〜100wt%であるこ
    と (b)ジエンの含量が50wtppm〜20000wt
    ppmであること (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
    1.45以上であること
  2. 【請求項2】 エチレン及び炭素数3ないし8のα−オ
    レフィン、非共役二重結合をもつ直鎖または環状のジエ
    ンモノマーからなる二元または多元共重合体であり、下
    記(a)〜(d)の条件を満足するエチレン−α−オレ
    フィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が0〜100wt%であるこ
    と (b)非共役ジエンが環構造に歪みを持つ環状ジエン誘
    導体であり、その含量が50wtppm〜20000w
    tppmであること (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
    1.45以上であること
  3. 【請求項3】 エチレン及び炭素数3ないし8のα−オ
    レフィン、非共役二重結合をもつ環状のジエンからなる
    二元または多元共重合体であり、下記(a)〜(d)の
    条件を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が0〜100wt%であるこ
    と (b)非共役ジエンがノルボルナジエン誘導体、または
    ビニルノルボルネン誘導体であり、その含量が50wt
    ppm〜20000wtppmであること (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
    1.45以上であること
  4. 【請求項4】 エチレン及び炭素数3ないし8のα−
    オレフィン、非共役二重結合をもつ環状のジエンからな
    る三元または多元共重合体であり、下記(a)〜(e)
    の条件を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が5〜95wt%であること (b)非共役ジエンがノルボルナジエン誘導体であり、
    その含量が50wtppm〜5000wtppmである
    こと (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
    1.45以上であること
  5. 【請求項5】 エチレン及び炭素数3ないし8のα−オ
    レフィン、非共役二重結合をもつ環状のジエンからなる
    三元または多元共重合体であり、下記(a)〜(e)の
    条件を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が5〜95wt%であること (b)非共役ジエンがノルボルナジエン誘導体であり、
    その含量が50wtppm〜5000wtppmである
    こと (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
    1.60以上であること (e)GPC測定におけるQ値(重量平均分子量/数平
    均分子量)が2.5以上であること
  6. 【請求項6】 エチレン及び炭素数3ないし8のα−オ
    レフィン、非共役二重結合をもつ環状のジエンからなる
    三元または多元共重合体であり、下記(a)〜(e)の
    条件を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体。 (a)α−オレフィン含量が0〜100wt%であるこ
    と (b)非共役ジエンがノルボルナジエンであり、その含
    量が50wtppm〜5000wtppmであること (c)キシレン中、70℃で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜10dl/gであること (d)キャピラリー流動性試験における流動性指数Iが
    1.60以上であること (e)GPC測定におけるQ値(重量平均分子量/数平
    均分子量)が3.0以上であること
  7. 【請求項7】 請求項1記載のエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体を下記(A)〜(D)成分を下記のとおり組
    み合わせて得られる触媒系の一種を用いて製造する方
    法。 (A)成分:化学式(1)〜(3)で表される遷移金属
    錯体 (ここで、Mは周期律表第IVB族の遷移金属を表し、C
    1 及びCp2 はMとπ結合しているシクロペンタジエ
    ニル基又はその誘導基を表し、X1 及びX2 はアニオン
    性配位子又は中性ルイス塩基配位子を表し、Yは窒素原
    子、リン原子、酸素原子又は硫黄原子を含有する配位子
    を表し、Zは酸素原子、硫黄原子、硼素原子又は周期律
    表第IVA 族の原子を表す。ただし、YとZは合一して縮
    合環を形成していてもよい。) (B)成分:成分(A)中の遷移金属Mと反応してイオ
    ン性の錯体を形成する化合物 (C)成分:有機アルミニウム化合物 (D)成分:アルモキサン 触媒系−1:(A)+(B)+(C) 触媒系−2:(A)+(B)+(D) 触媒系−3:(A)+(D) 触媒系−4:(A)+(C)
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