JPH09241104A - ナフトキノン誘導体を有効成分とする抗菌剤 - Google Patents

ナフトキノン誘導体を有効成分とする抗菌剤

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JPH09241104A
JPH09241104A JP8080601A JP8060196A JPH09241104A JP H09241104 A JPH09241104 A JP H09241104A JP 8080601 A JP8080601 A JP 8080601A JP 8060196 A JP8060196 A JP 8060196A JP H09241104 A JPH09241104 A JP H09241104A
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JP
Japan
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naphthoquinone derivative
malts
antimicrobial agent
naphthoquinone
isolated
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JP8080601A
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English (en)
Inventor
Takamitsu Okamoto
誉充 岡本
Yasushi Arimoto
靖 有本
Hideki Sakamoto
秀樹 坂本
Yukio Ishiguro
幸雄 石黒
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Kagome Co Ltd
Original Assignee
Kagome Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナフトキノン誘導体を有効成分とする抗菌剤を
提供する。 【解決手段】下記の式1で示されるナフトキノン誘導体
を有効成分とした。 【式1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナフトキノン誘導体
を有効成分とする抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ハトムギもやしの乾燥物、搾汁液又は抽
出物に抗菌活性のあることが知られており、かかる抗菌
活性を示す化合物としてステアリン酸のモノグリセライ
ド、パルミチン酸のモノグリセライド、これらの誘導体
が示唆されていて(特開平2−270825、特開平3
−240473)、またインデン誘導体が明示されてい
る(特開平6−287158、特開平6−29869
5)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハトムギも
やしから単離されるナフトキノン誘導体を有効成分とす
る抗菌剤を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
ハトムギもやしの乾燥物、搾汁液又は抽出物が示す抗菌
活性について鋭意研究した結果、ハトムギもやしに所定
の処理を施すと、ナフトキノン誘導体が単離され、この
ナフトキノン誘導体が優れた抗菌活性を示すことを見出
した。
【0005】すなわち本発明は、下記の式1で示される
ナフトキノン誘導体を有効成分とする抗菌剤に係る。
【0006】
【式1】
【0007】式1で示されるナフトキノン誘導体はハト
ムギもやしを次のように処理することによって単離され
る。先ず、詳しくは実施例で後述するように、ハトムギ
種子を暗培養してハトムギもやしを得る。対象となるハ
トムギ種子は、徳田在来種、中里在来種、岡山在来種、
黒石在来種等、その品種に特に制限はない。また暗培養
は一般のもやし暗培養条件にしたがうことができる。例
えば、ハトムギ種子を25℃で4〜8日間程度暗培養す
ればよい。かくして得られるハトムギもやしはその全部
位を利用することができる。
【0008】次に、これも詳しくは実施例で後述するよ
うに、上記のハトムギもやし、その磨砕物、凍結乾燥
物、更には粉砕物等をメチルアルコールやエチルアルコ
ール等の低級アルコールで抽出処理し、その抽出物をク
ロロホルムやアセトン等で液液分配抽出処理して、アセ
トン易溶性の単純脂質を得る。
【0009】最後に、これもまた詳しくは実施例で後述
するように、上記の単純脂質を繰り返してクロマト分画
処理し、所望の化合物を単離する。クロマト分画処理
は、極性の異なる移動相を用い、ゲル浸透クロマトグラ
フィーと高速液体クロマトグラフィーとを組み合わせて
行うのが好ましい。
【0010】かくして単離される化合物の構造解析結果
は下記の通りである。 (1)分子量:218(C12104) (2)赤外線吸収スペクトル:1583,1644cm-1 (3)核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR,CDC
3,δ):3.94(3H,s),4.00(3H,
s),5.95(1H,s),7.02(1H,dd,
J=8.6Hz,2.5Hz),7.33(1H,d,
J=2.5Hz),8.10(1H,d,J=8.6H
z) (4)核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR,CDCl
3,δ):55.9,56.8,103.5,110.
6,116.1,123.9,132.0,134.
3,165.2,167.9,178.0,180.2
【0011】上記の構造解析結果から、単離される化合
物は式1で示されるナフトキノン誘導体であり、4,6
−ジメトキシ−1,2−ナフトキノンであることが決定
された。
【0012】詳しくは実施例で後述するように、式1で
示されるナフトキノン誘導体は、細菌、酵母、カビに対
して優れた抗菌活性を示し、とりわけ白癬菌に対して優
れた抗菌活性を示す。したがって本発明の抗菌剤は、食
品用、化粧品用、更には医薬品用として利用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
1)詳しくは実施例で後述するように、ハトムギもやし
から単離した式1で示されるナフトキノン誘導体を、直
接に或はそれ自体は公知の手段で溶液、分散液若しくは
乳化液となし、飲食品や化粧品に添加したり或はこれら
の包装容器に塗布する。 2)詳しくは実施例で後述するように、ハトムギもやし
から単離した式1で示されるナフトキノン誘導体を、そ
れ自体は公知の手段で溶液、分散液、乳化液若しくは軟
膏となし、患部に塗布する。
【0014】
【実施例】
試験区分1(ナフトキノン誘導体の単離) 収穫した徳田在来種のハトムギ種子を25℃で4日間暗
培養してハトムギもやしを得、該ハトムギもやしを磨砕
した後に棚温度20℃で凍結乾燥して、凍結乾燥物を得
た。
【0015】上記の凍結乾燥物150gにメチルアルコ
ール6リットルを加え、ホモジナイズ処理し、これを室
温で48時間放置した後、濾過して抽出液を得た。残渣
にメチルアルコール6リットルを加え、同様に抽出処理
を行なって抽出液を得、これを1回目の抽出液と合わせ
た。そして合わせた抽出液を減圧下に40〜45℃で加
熱してメチルアルコールを蒸発することにより抽出物3
0gを得た。
【0016】上記の抽出物30gにメチルアルコール1
00mlとクロロホルム200mlとを加え、混合撹拌し、
更に0.8%塩化カリウム水溶液60mlを加えて静置し
た。クロロホルム層を分取し、減圧下に40〜45℃で
加熱して1mlに濃縮した後、アセトン10mlと10%メ
チルアルコール性塩化マグネシウム溶液0.2mlとを加
え、混合撹拌し、1時間氷冷後、遠心分離して、上清の
アセトン溶液を分取した。残渣にアセトン10mlと10
%メチルアルコール性塩化マグネシウム溶液0.2mlと
を加え、同様に処理を行なって、アセトン溶液を得、こ
れを1回目のアセトン溶液と合わせた。そして合わせた
アセトン溶液を減圧下に40〜45℃で加熱してアセト
ンを蒸発することによりアセトン易溶性の単純脂質7.
1gを分離した。
【0017】上記の単純脂質7.1gをクロロホルムで
溶解し、ジャイゲル 1H(JAIGEL 1H、商品
名、日本分析工業社製、8.0mmφ×500mm)を2本
用いてゲル浸透クロマトグラフィーを行なった。この
際、移動相としてクロロホルムを用い、該クロロホルム
を流速3.5ml/分で流下させた。RI(屈折率)で検
出し、主要なピークを示す4画分を得た。バチルス サ
ブチリス、サッカロミセス セレビシェ、アスペルギル
ス ニガーを検定菌として、各画分の抗菌試験をペーパ
ーディスク法により行ない、強い抗菌活性を示すRt
(保持時間、以下同じ)=55〜64分の画分1.8g
を得た。
【0018】上記の画分1.8gをメチルアルコールで
溶解し、キャップセル パックC18(CAPCELL
PAK C18、商品名、資生堂社製、20mmφ×250
mm、以下同じ)を用いて高速液体クロマトグラフィーを
行なった。この際、移動相としてメチルアルコール/水
=20/80(重量比)で出発し、30分後に100/
0(重量比)となる直線グラジエントを行ない、該移動
相を流速3.0ml/分で流下させた。UV(紫外線吸光
度、254nm、以下同じ)で検出し、主要なピークを
示す6画分を得た。上記と同様の抗菌試験により、強い
抗菌活性を示すRt=34〜38分の画分146.4mg
を得た。
【0019】上記の画分146.4mgをメチルアルコー
ルで溶解し、キャップセル パックC18を用いて高速液
体クロマトグラフィーを行なった。この際、移動相とし
てメチルアルコール/水=50/50(重量比)を用
い、該移動相を流速3.0ml/分で流下させた。UVで
検出し、主要なピークを示す8画分を得た。上記と同様
の抗菌試験により、検定菌全てに強い抗菌活性を示すR
t=35分の化合物6.2mgを単離した。
【0020】かくして単離した化合物の構造解析結果は
前述した通りであり、該化合物は式1で示される4,6
−ジメトキシ−1,2−ナフトキノンであった。
【0021】試験区分2(ナフトキノン誘導体の抗菌活
性の評価1) 抗菌活性を、バチルス サブチリス、サッカロミセス
セレビシェ、アスペルギルス ニガーを検定菌として、
ペーパーディスク法で試験した。バチルス サブチリス
はトリプトソイ寒天培地(日水製薬社製)を、またサッ
カロミセス セレビシェ及びアスペルギルス ニガーは
ポテトデキストロース寒天培地(日水製薬社製)をそれ
ぞれ使用し、これらの寒天培地15mlを径90mmのシャ
ーレに注入固化して、平板培地を作製した。
【0022】検定菌を上記と同様の寒天培地15mlに接
種し、これを上記平板培地上に重層して固化した。重層
した平板培地上にペーパーディスク(東洋濾紙社製、径
8mm、薄手)を置き、該ペーパーディスクに単離したナ
フトキノン誘導体(10mg/ml)を20μl滴下し(2
00μg/ペーパーディスク)、バチルス サブチリス
は24時間培養後、またサッカロミセス セレビシェ及
びアスペルギルス ニガーは48時間培養後、生育阻止
円の直径をそれぞれ測定した。ペーパーディスク5枚の
平均値をとり、下記の式2により抗菌活性を求めた。
【式2】抗菌活性(mm)=阻止円の直径(mm)−ペーパ
ーディスクの直径(8mm)
【0023】抗菌活性は、バチルス サブチリスに対し
て9.5mm、サッカロミセス セレビシェに対して3.
2mm、アスペルギルス ニガーに対して3.0mmであ
り、単離したナフトキノン誘導体はこれらの細菌、酵
母、カビに対して優れた抗菌活性を示すことが検定され
た。
【0024】試験区分3(ナフトキノン誘導体の抗菌活
性の評価2) サブロー寒天培地(日水製薬社製)に単離したナフトキ
ノン誘導体、インデン誘導体(特開平6−287158
号公報記載のもの)又はカテキン(和光純薬社製)を表
1又は表2に記載の各濃度となるように加え、これらを
径60mmのシャーレに注入固化して、平板培地を作製し
た。これらの培地に前培養したトリコフィトン メンタ
グロフィテス( Trichophyton mentagrophytes ) I
FO 6202又はトリコフィトン ルブルム( Trich
ophyton rubrum ) IFO 5467の菌液を1白金
耳画線塗抹し、28℃で10日間培養した後、菌の生育
の有無を調べた。試験は各2点づつ行なった。結果を、
トリコフィトン メンタグロフィテス IFO 620
2について表1に、またトリコフィトン ルブルムIF
O 5467について表2にそれぞれ示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1及び表2において、 ++:充分に生育、+:僅に生育、−:生育阻止
【0028】表1及び表2の結果から、トリコフィトン
メンタグロフィテス IFO 6202に対する最小
生育阻止濃度(MIC)は、単離したナフトキノン誘導
体の場合に25μg/mlであったが、インデン誘導体の
場合は50μg/ml、カテキンの場合は25mg/mlであ
った。またトリコフィトン ルブルム IFO 546
7に対する最小生育阻止濃度(MIC)は、単離したナ
フトキノン誘導体の場合に6.25μg/mlであった
が、インデン誘導体の場合は25μg/ml、カテキンの
場合は50mg/mlであった。これらの結果から、単離し
たナフトキノン誘導体は白癬菌に対してインデン誘導体
やカテキンよりも優れた抗菌活性を示すことが判った。
【0029】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には抗菌剤として有用という効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 石黒 幸雄 栃木県那須郡西那須野町大字西富山17番地 カゴメ株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で示されるナフトキノン誘導
    体を有効成分とする抗菌剤。 【式1】
JP8080601A 1996-03-07 1996-03-07 ナフトキノン誘導体を有効成分とする抗菌剤 Pending JPH09241104A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1024796A1 (en) * 1997-10-20 2000-08-09 Magellan Companies Inc. Polymers containing antimicrobial agents and methods for making and using same
WO2018025259A1 (en) * 2016-07-31 2018-02-08 Technion Research & Development Foundation Ltd. Enzyme inhibitors

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