JPH09240931A - エレベータ群管理制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】所定期間の交通需要の学習結果よりシミュレー
トするシミュレーション乗客の情報データ部に乗り継ぎ
機能，属性，階段利用等の情報を付加し、より現実に適
応したシミュレートを行い、運転制御パラメータの評価
・決定を図る。 【解決手段】エレベータ群管理制御システムで、所定期
間の交通需要の学習結果よりシミュレートするシミュレ
ーション乗客に、発生する時間，発生する階床，行き先
階床の情報データ部に乗り継ぎ機能，属性，階段利用等
の情報を付加し、ＧＡシミュレーションにより求めた運
行パターンを忠実に再現のできる現実に適応したシミュ
レートを行い、運転制御パラメータの評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエレベータ群管理制
御装置に係り、特に、エレベータの交通需要を学習結果
することによりサービス性能を予測するシミュレーショ
ン手段の性能向上を図るのに好適なエレベータ群管理制
御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に事務所ビルなどでは、出勤時時間
帯は基準階が混雑する。また昼食時間帯は基準階，食堂
階などが混雑する。この混雑する交通需要に対応するた
めには、全階床サービス以外に直行運転エレベータや、
分割急行等を行うことで輸送能力の向上を図っている。

【０００３】エレベータの運転パターンを決定するに
は、対象とする交通需要の学習結果より最適なサービス
方法が選択される。その運転パターンでのシミュレーシ
ョンをより現実に適応した乗客の利用方法が求められ
る。

【０００４】特開昭58−172177号公報では、乗客を模擬
的に発生させ、ホール呼び登録，乗客のかご内への乗
車，乗客によるかご呼び登録，降車に関連した信号を発
生する機能が開示されている。また、特開平3−297764
号公報では、シミュレーション条件データを基にエレベ
ータ使用時の動きを解析し、設備費用に相当する大きさ
とサービス性能を一括出力する機能が開示されている
が、シミュレーションで発生する乗客の属性，階段利
用，乗り継ぎ機能に関しては示されていない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】竣工より計画されるビ
ル内の交通需要は、日々変化していく。竣工時適切であ
ったエレベータ台数も交通需要の増加から台数不足とな
るケースがある。台数不足に対応するには、交通需要の
増加に伴って運行パターンを導出し、輸送能力の向上を
図り、運行パターンを決定するためには、学習した交通
需要に基づくシミュレーションを実行し、その効果を確
認することが必要である。より現実に適応したシミュレ
ーションを実行するには、シミュレーション用乗客発生
装置の乗客が、発生する時間，発生する階床，行き先階
床の基本情報データのみでは、分割急行運転の乗り継ぎ
は出来ず、また、発生した乗客は一律動作でのエレベー
タ乗降となる。

【０００６】本発明の目的は、シミュレーション用乗客
発生装置の乗客に、発生する時間，発生する階床，行き
先階床の基本情報データ以外に乗り継ぎ階床，乗客属
性，階段利用の情報を追加し、より現実に適応したシミ
ュレーションを実行し、そのシミュレーション結果をエ
レベータ割り当て手段に反映させるエレベータ群管理制
御装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、所定期間の交通需要の学習結果からシ
ミュレーションを実行する時のシミュレーション乗客発
生装置の乗客に発生する時間，発生する階床，行き先階
床の基本情報データを持ち、さらに、混雑した交通需要
に対応して運転パターンが変化し乗り継ぎ階床が発生し
ても対応できる乗り継ぎ階床データ、また、閉釦を押す
人，先着エレベータに乗る人，２人以上集団で行動する
人，長待ち時は両方向のホール釦を押して早く来たエレ
ベータに乗る人，混雑したかごに乗ろうとしない人，台
車を使用する人，行動の遅い人等の属性データを持った
ことで、より現実に適応したシミュレーションの実行を
可能とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図１ない
し図６を用いて説明する。

【０００９】図１は本発明の全体構成図である。図１で
５０はエレベータ制御装置、５０１は群管理制御装置、
５０２は運転系ボード、５０３は知能系ボード、５０４
（Ａ〜Ｃ）は号機制御装置、２０（Ａ〜Ｃ）は乗りか
ご、３０（Ａ〜Ｃ）はかご呼び釦、６０１，６０８，６
０９はホール呼び釦、１０（Ａ〜Ｃ），８０（Ａ〜
Ｃ），９０（Ａ〜Ｃ）はスピーカ、１２（Ａ〜Ｃ），８
２（Ａ〜Ｃ），９２(Ａ〜Ｃ)はホールランタン、１１
（Ａ〜Ｃ），８１（Ａ〜Ｃ），９１（Ａ〜Ｃ）は４文字
ＬＥＤ表示器、４０は保守員や管理者用の個性化入力装
置であり、設定，許可等を行う。

【００１０】図１に示す全体構成で、エレベータ機械室
にあるエレベータ制御装置５０は群管理制御装置５０１
と複数の号機制御装置５０４（Ａ〜Ｃ）から構成されて
いる。群管理制御装置５０１は、運転系ボード５０２と
知能系ボード５０３から構成されている。エレベータの
乗りかご２０（Ａ〜Ｃ）には、かご呼び釦３０（Ａ〜
Ｃ）が設けられており、かご呼び釦３０（Ａ〜Ｃ）の信
号は号機制御装置５０４(Ａ〜Ｃ)へ入力される。

【００１１】各階のホール、例えば、１階〜９階にはホ
ール呼び釦６０１，６０８，６０９が設けられており、
ここでは群管理制御装置５０１が直接入力しているが他
のホールランタン１２（Ａ〜Ｃ），８２（Ａ〜Ｃ），９
２（Ａ〜Ｃ）と同様に号機制御装置５０４（Ａ〜Ｃ）を
介して群管理制御装置５０１と信号入出力する構成にす
ることもできる。また、同一階に車いす専用ホール呼び
や台車利用ホール呼び，地下駐車場専用ホール呼びを設
置する場合もある。群管理制御装置５０１は、各号機制
御装置５０４（Ａ〜Ｃ）から通信で送られてくるエレベ
ータの位置，方向，かご呼びの状況，かご内の混雑度な
どを加味して新たに発生したホール呼びを１台のエレベ
ータに割り当て、予約灯信号または割り当て信号を号機
制御装置５０４（Ａ〜Ｃ）に送る。号機制御装置５０４
（Ａ〜Ｃ）はエレベータの走行制御，戸開閉制御を行う
ほか、群管理制御装置５０１からの予約信号灯によりホ
ールランタン１２（Ａ〜Ｃ），８２（Ａ〜Ｃ），９２
（Ａ〜Ｃ）を点灯制御し、行き先階などの運行スケジュ
ール，かご位置等を表示する４文字ＬＥＤ表示器１１
（Ａ〜Ｃ），８１（Ａ〜Ｃ），９１（Ａ〜Ｃ）やスピー
カ１０（Ａ〜Ｃ），８０(Ａ〜Ｃ)，９０（Ａ〜Ｃ）から
なる案内装置を制御して、群管理制御装置５０１から指
令された運行計画や待ち時間に関する案内をエレベータ
利用者に対して行う。

【００１２】一方、群管理制御装置５０１には管理人室
や保守センタ等に設置の個性化入力装置４０が電話回線
を介して接続されており、群管理制御装置５０１内の運
行モードの立案・許可範囲の設定や階床別個性化目標・
使い勝手の選択や簡単メッセージ選択入力により案内内
容や案内条件，タイミング等を変更出来るようになって
いる。

【００１３】図２は本発明のシステム構成の一例を示し
たものである。本実施例におけるシステムでは、４台の
エレベータの群管理制御を行う群管理制御装置５０１，
各エレベータの運転制御を行う号機制御装置Ｘ０２−Ａ
〜Ｄ，各エレベータの出入口付近に設置される案内装置
Ｘ０３−Ａ１〜Ａｎ，Ｘ０３−Ｂ１〜Ｂｎ，Ｘ０３−Ｃ
１〜Ｃｎ，Ｘ０３−Ｄ１〜Ｄｎ，音声案内装置Ｘ０４−
Ａ１〜Ａｎ，Ｘ０４−Ｂ１〜Ｂｎ，Ｘ０４−Ｃ１〜Ｃ
ｎ，Ｘ０４−Ｄ１〜Ｄｎ、及び各階ホールに設置される
ホール呼び登録装置Ｘ０５−１〜ｎにより構成される。

【００１４】群管理制御装置５０１でエレベータの利用
情報収集，誤操作検出プログラムＰ０１は、時間別にど
の様な運行モードで動作しているかをスケジュールデー
タテーブルＴ０２を参照してホール呼び，エレベータ制
御テーブル内容や、各かご毎に各階床における乗降人数
検出データをオンラインで一定交通量収集毎又は一定周
期毎にサンプリングし、各種交通需要の学習とシミュレ
ーションによるプログラムとその制御パラメータの演算
のためのデータを収集する。さらに、案内にないかご階
床のかご呼び釦が操作された時、誤動作としてはカウン
トし誤操作確率を求め、データを収集し、収集したデー
タを交通情報と利用状況蓄積テーブルＴ０４に蓄積する
プログラムである。

【００１５】ＧＡ（遺伝的アルゴリズム）を応用した多
変数シミュレーションの繰り返しによる新しい運転方式
立案プログラムＰ０３は、交通情報と利用状況蓄積テー
ブルＴ０４のデータを基に、運転方式を構成する運行モ
ードや呼び割り当て方式とそのパラメータ８種以上や先
着リセットなどの３２以上の運転仕様の無限に近い組み
合わせの中から最良の運転方式の組み合わせをシミュレ
ーションにより求め、運転方式立案テーブルＴ０８に記
憶する。立案し、計画する運行モードは、平常運転，強
制急行運転，案内制御急行運転，スキップ運転，マルチ
運転等の運転モードに加え、ホール呼び登録の制限，ホ
ール呼び割り当て方式の選択，かご呼びの登録制限，扉
開閉制御時間制御等のエレベータ号機制御の制限のデー
タから構成されるものである。尚、作成される運転方式
は顧客の要求仕様により作成された顧客要望テーブルＴ
０３により制限されたり、優先的に選択するものであ
る。また運転方式は交通流の日々の変動やエレベータ１
台のＶＩＰ運転に備え一つの交通需要における運転につ
き同時に数値類立案，作成する。

【００１６】交通需要判定プログラムＰ０４は交通情報
と利用状況蓄積テーブルＴ０４により、交通需要要素か
ら運転方式の変更を行うべきかどうか判定し、運転方式
計画，指令プログラムＰ０８に変更の必要の有無を知ら
せる。

【００１７】図３は、図１に示す群管理制御装置５０１
の全体処理を説明するフローチャートである。

【００１８】図３で、ステップ３１０では、電源が投入
されるとメモリ，入出力装置などの制御信号をイニシャ
ライズする。ステップ３２０で号機制御装置５０４から
の信号の入力処理を行い、３３０でホール呼び釦４０
１，８０１，９０１からのホール呼び信号の入力処理を
行う。ステップ３４０では本発明の一実施例を示す。交
通需要を学習し、過去の交通需要学習結果とを突き合わ
せながら今後の交通需要を予測し、予測した交通需要に
てシミュレーションを実行し、シミュレーション結果か
ら最適な運行モードを立案，評価し、新たな運行モード
を再設定する処理を行う。ステップ３５０では、ステッ
プ３４０により再設定運行モードからホール呼びを割り
当てるエレベータを決定する。ステップ３６０は、ステ
ップ３５０で決定したエレベータの号機制御装置５０４
へ割り当て信号の出力処理を行う。ステップ３７０では
ステップ３５０で割り当てたホール呼びに対してホール
の案内制御を行う。これらステップ３２０〜３７０の処
理は、電源が遮断されるまで繰り返し実行される。

【００１９】図４は、図３におけるステップ３４０の交
通需要学習と運行モード設定した後のシミュレーション
実行部分を説明するフローチャートである。

【００２０】ステップ４１０でシミュレーション乗客発
生装置を用いて乗客を発生させる。ステップ４０２で
は、ＧＡによる各遺伝子の組み合わせを変えた複数の個
体の生成を行う。ステップ４０３では、図２に示したＧ
Ａシミュレーションによる運転方式立案プログラムで立
案した運転パターンよりシミュレーションでのエレベー
タ仕様を決定しシミュレータ実行部分に入力する。ステ
ップ４０４で乗客の管理を行い、ステップ４０５で各エ
レベータ模擬駆動，ステップ４０６で各エレベータ模擬
運転制御，４０７でエレベータ群管理運転模擬制御を行
う。ステップ408でシミュレーション（最終ケース）の
終了判定を行い、終了していなければ、ステップ４０４
よりエレベータ模擬を繰り返し行い、終了していれば、
その終了結果をステップ４０９で評価する。ステップ４
１０でＧＡシミュレーションの全ケースが終了していな
ければ、エレベータ制御目標に到達するまで繰り返し実
行される。ステップ４１１ではＧＡシミュレーションの
所定の世代あるいは評価値が目標をクリアしたかを判定
し、クリアしていなければステップ４０２での遺伝子の
組み合わせを変え再度繰り返す。ステップ４１１をクリ
アすれば、ステップ４１２で運転プログラムの生成を行
い、必要な情報をメモリしておく。

【００２１】図５は、図４に示すシミュレーション乗客
発生装置の乗客特性テーブルを示す。シミュレーション
乗客は、基本データＡ１〜Ａ４と付加データＢ１〜Ｂ４
を有する。属性データＡ４は、長待ち時は階段を使用す
る人，閉釦を押す人，先着エレベータに乗る人，複数人
が集団で行動する人，長待ち時は両方向のホール釦を押
して早く来たエレベータに乗る人，混雑したかごに乗ろ
うとしない人，台車を使用する人，行動の遅い人等の情
報を有する。属性によってシミュレーション乗客は、そ
れぞれ乗降時間，乗客タイミング，エレベータ床占有率
を変化させる。また、シミュレーション乗客は、乗り継
ぎ階の情報Ｂ１を有するので予約エレベータの運行パタ
ーンで、降り階が不停止階であっても、乗り継ぎを行
い、目的階に到達が可能となる。また、シミュレーショ
ン乗客がシミュレーション結果Ｂ４を有することによ
り、図４のステップ４０８の評価項目の一部分となる。

【００２２】図６に、図５に示す乗客特性テーブルの乗
り継ぎ階の設定処理を示す。

【００２３】図４に示すステップ６０１でシミュレーシ
ョン乗客発生装置を用いて乗客を発生させ、ステップ６
０２でエレベータ仕様を決定しシミュレータ実行部分に
入力する。シミュレーション実行中にステップ６０３で
予約エレベータの停止階が図５に示す乗客特性データ内
の乗り階，降り階と一致するかを判定する。乗り階，降
り階とが一致するならば、ステップ６０６予約エレベー
タに乗車、そして、ステップ６１０降り階に下車する。
乗り階，降り階と一致しなければ、ステップ６０４乗客
特性データ内の乗り継ぎ階行きエレベータに乗車し、ス
テップ６０５乗り継ぎ階に下車する。ステップ６０７乗
り継ぎ階はラップ階であるかどうかを判定し、ラップ階
であれば、ステップ６０９降り階行きエレベータに乗車
する。ラップ階でなければステップ６０８シミュレーシ
ョン上に乗り継ぎ階を連絡する架空エレベータを設けて
乗り継ぎ階に架空エレベータに乗車し、疑似階段利用を
行う。乗り継ぎ処理終了後、ステップ６０９降り階行き
エレベータに乗車する。そして、ステップ６１０降り階
に下車する。

【００２４】

【発明の効果】シミュレーション用乗客発生装置の乗客
に、発生する時間，発生する階床，行き先階床の基本情
報データ以外に乗り継ぎ階床，乗客属性，階段利用の情
報を追加し、より現実に適応したシミュレーションを実
行し、そのシミュレーション結果をエレベータ割り当て
手段に反映させるエレベータ群管理制御装置を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示すブロック図。

【図２】本発明のシステム構成を示すブロック図。

【図３】本発明の全体処理を示すフローチャート。

【図４】本発明のシミュレーションによるエレベータ群
管理パラメータ設定処理のフローチャート。

【図５】本発明のシミュレーション乗客発生装置の乗客
特性テーブルの説明図。

【図６】本発明のシミュレーション発生乗客の乗り継ぎ
処理フローチャート。

【符号の説明】

１０，８０，９０…スピーカ、１１，８１，９１…４文
字ＬＥＤ表示器、１２，８２，９２…ホールランタン、
２０…乗りかご、３０…かご呼び釦、４０…個性化入力
装置、５０…エレベータ制御装置、５０１…群管理制御
装置、５０２…運転系ボード、５０３…知能系ボード、
５０４…号機制御装置、６０１，６０８，６０９…ホー
ル呼び釦。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の階床をサービスする複数のエレベー
   タと、乗り場で発生したホール呼びを前記複数のエレベ
   ータから最適なエレベータに割り当てるホール呼び割り
   当て手段と、少なくとも所定期間の交通需要の学習結果
   を用いてシミュレートするシミュレーション手段と、シ
   ミュレートの結果をエレベータ割り当て手段に反映する
   ことの出来る手段を備えたエレベータ群管理制御装置に
   おいて、上記シミュレーション手段の内に複数の乗り場
   に発生する乗客がデータとして少なくとも発生する時
   間，発生する階床，行き先階床の基本情報データ部と個
   々の乗客の利用形態と性格を示す属性情報データ部とを
   有するシミュレーション用乗客発生手段を備えたことを
   特徴とするエレベータ群管理制御装置。
2. 【請求項２】請求項１において、シミュレーション用乗
   客発生装置の乗客が乗り継ぎ階の情報を有し、特殊な運
   行モードでシミュレートした場合に乗り継ぎ階床の有無
   に関係なく乗り継ぎ可能な手段を有するエレベータの群
   管理制御装置。
3. 【請求項３】請求項１において、シミュレーション用乗
   客発生装置の乗客が、長待ち時は階段を使用する人，閉
   釦を押す人，先着エレベータに乗る人，２人以上集団で
   行動する人，長待ち時は両方向のホール釦を押して早く
   来たエレベータに乗る人，混雑したかごに乗ろうとしな
   い人，台車を使用する人，行動の遅い人等のうち一つ以
   上の属人性データ情報を有し、エレベータ乗降時間やエ
   レベータ床占有率を考慮できる手段を有するエレベータ
   の群管理制御装置。
4. 【請求項４】請求項１において、シミュレーション用乗
   客発生装置の乗客が乗客割り当てエレベータの情報を有
   し、予約エレベータに乗り込むために先着エレベータを
   見送ることの出来る手段を有するエレベータの群管理制
   御装置。
5. 【請求項５】請求項１または請求項４において、シミュ
   レーション用乗客発生装置の乗客がエレベータかご内混
   雑度に応じて乗車を抑制することの出来る手段を有する
   エレベータの群管理制御装置。
6. 【請求項６】請求項１において、シミュレーション用乗
   客発生装置の乗客がエレベータかご内混雑度に応じて乗
   車を抑制することの出来る手段を有するエレベータの群
   管理制御装置。
7. 【請求項７】請求項１において、シミュレーション用乗
   客発生装置の乗客の階段利用率を基にした階段移動推定
   人数を算出し、階段利用者を考慮したシミュレートする
   ことの出来る手段を有するエレベータの群管理制御装
   置。