JPH09240817A - ロール体の移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業者自身が大きな力を用いることなくロー
ル体を簡単に移動し得るようにして、作業者を重労働か
ら解放すると共に省力化を図る。 【解決手段】 移動装置１０は、本体１２の下部に回転
自在に配設した複数のローラ１４を介して原紙ロール１
６が載置されている床面を走行する。移動装置１０は、
本体１２から上方に延出するハンドル部１８のグリップ
２０を作業者が把持した状態で押送される。本体１２の
前面側に回転自在に枢支された回転ローラ２２は、その
外周面を本体１２の前面側に所要量だけ突出している。
本体１２の内部に配設したエアモータにより、回転ロー
ラ２２が所要方向に回転される。回転ローラ２２は、本
体１２を原紙ロール１６に近接した際に、該ロール１６
における床面と対向する下部側の外周面に当接して原紙
ロール１６に回転力を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ロール体の移動
装置に関し、更に詳細には、ロール体に回転力を付与す
ることで、該ロール体を転動させるようにしたロール体
の移動装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】段ボールシートを製造するコルゲートマ
シンには、その付帯設備として原紙供給装置が使用さ
れ、この原紙供給装置に長尺な原紙を中空巻芯に巻取っ
た原紙ロール(ロール体)が装填されて、該供給装置から
引出し供給される原紙により段ボールシートが製造され
るようになっている。原紙ロールは、当該コルゲートマ
シンで製造される段ボールシートのオーダ変更に対応し
て交換する必要があるため、原紙供給装置の近くの工場
床面に各種原紙ロールがオーダ順に並列状態で貯留され
る。そして、オーダ変更に際して原紙ロールは、原紙供
給装置に隣接して配設されている原紙搬送装置を介して
供給装置の原紙装填位置まで搬入されるよう構成されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記貯留されている原
紙ロールは、作業者が転がして原紙搬送装置に移載する
ようにしている。この場合に、原紙ロールは直径が小さ
なものから大きなものまで各種サイズのものがあるが、
大小何れの原紙ロールであってもかなりの重量があり、
１人の作業者が転がして移動させることは困難であっ
た。従って、オーダ変更に際して原紙ロールを原紙搬送
装置に移載する作業には、複数の作業者が協力して行な
う必要があり、人件費が嵩むと共に省力化が図れなかっ
た。また作業者に、重量のある原紙ロールを移動させる
繁雑な重作業を強いることとなる問題も指摘される。

【０００４】

【発明の目的】この発明は、前述したロール体の移動作
業に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決す
るべく提案されたものであって、作業者自身が大きな力
を用いることなくロール体を簡単に移動し得るようにし
て、作業者を重労働から解放すると共に省力化を図り得
るロール体の移動装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述した課題を解決し、
所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るロール
体の移動装置は、ロール体を移動させる装置であって、
前記ロール体が載置されている床面等を走行自在な本体
と、前記本体に走行または回転自在に配設され、前記ロ
ール体の外周面に当接可能な回転付与手段と、前記回転
付与手段を走行または回転駆動する駆動手段とからな
り、前記駆動手段により走行または回転される回転付与
手段を、前記ロール体の外周面に常に当接することで、
該ロール体に回転力を付与して移動させるよう構成した
ことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るロール体の移
動装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照
しながら以下説明する。なお、実施例ではロール体とし
て、長尺な原紙を中空巻芯に巻取った原紙ロールを対象
とする場合につき説明するが、帯状の金属やフィルム等
を巻回したロール体、あるいは円筒また中実な円柱状の
ロール体を移動させる手段としても使用し得るものであ
る。

【０００７】図１に示す如く、移動装置１０は、箱状に
形成された本体１２の下部に、複数のローラ１４を回転
自在に備え、該ローラ群を介して原紙ロール１６が載置
されている床面等を走行自在に構成されている。この本
体１２には、上方に向けて所要長さで延出するハンドル
部１８が配設されており、該ハンドル部１８の先端に、
作業者が把持可能なグリップ２０が一体的に形成されて
いる。そして移動装置１０は、作業者がグリップ２０を
把持した状態で押送されるようになっている。なお、移
動装置１０の本体１２は、図３に示す如く、工場床面に
並べられている隣接する原紙ロール１６,１６の間に進
入させ得る程度の大きさに設定されている。

【０００８】前記本体１２の前面側には、回転付与手段
としての回転ローラ２２が、その軸心線を本体１２の走
行方向と交差する姿勢で回転自在に枢支されており、該
回転ローラ２２は、その外周面を本体１２の前面側に所
要量だけ突出している。また図２に示すように、本体１
２の内部に駆動手段としてのエアモータ２４が配設さ
れ、該エアモータ２４と回転ローラ２２とは、ベルト−
プーリ等の伝達手段２５を介して連結されている。エア
モータ２４には、図示しない供給源から導出するエアホ
ース２６が、前記ハンドル部１８の内部を配管されて接
続されており、該ホース２６を介して供給されるエアに
よりエアモータ２４を駆動することにより、回転ローラ
２２が所要方向(図２において時計方向)に回転されるよ
う構成される。前記ハンドル部１８におけるグリップ２
０の下方にレバー２８が揺動可能に配設され、該レバー
２８を閉成する(グリップ側に近づける)ことにより、エ
アモータ２４にエアが供給されて回転ローラ２２が回転
すると共に、該レバー２８を開放する(グリップから離
間させる)ことにより、エアモータ２４へのエアの供給
が停止して回転ローラ２２の回転が停止するよう構成さ
れている。なお、回転ローラ２２は、本体１２を原紙ロ
ール１６に近接した際に、該ロール１６における床面と
対向する下部側の外周面に当接するよう設定されている
(図１参照)。

【０００９】また前記本体１２における前面側の下部に
は、図２に示す如く、回転ローラ２２と平行な走行ロー
ラ３０が回転自在に枢支されると共に、該走行ローラ３
０は床面に当接するよう位置決めされている。そして走
行ローラ３０は、前記エアモータ２４にベルト−プーリ
等の伝達手段３１を介して連結されて、回転ローラ２２
とは逆方向に回転駆動されるようになっている。すなわ
ち、走行ローラ３０を回転駆動することにより、当該移
動装置１０が前進移動するよう構成されている。なお、
前記回転ローラ２２や走行ローラ３０としては、ゴム等
の摩擦系数の大きな材質の材料が好適に使用されるが、
金属材質のローラの外側にゴムラバーを巻回したもので
あってもよい。また、エアモータ２４と回転ローラ２２
または走行ローラ３０との伝達手段２５,３１として
は、チェン−スプロケットやギヤ等を用いることができ
る。

【００１０】

【実施例の作用】次に、実施例に係る移動装置の作用に
つき、図３に示すように、原紙供給装置３２から離間す
る工場床面に貯留されている原紙ロール１６を、原紙供
給装置３２に隣接して配設されている原紙搬送装置３４
に移載する場合について説明する。なお、工場床面には
複数の原紙ロール１６が所定間隔離間して並列状態で貯
留されると共に、原紙搬送装置３４は原紙移載位置に位
置決めされているものとする。

【００１１】並列状態で並べられている次オーダの原紙
ロール１６を、原紙移載位置に位置決めされている原紙
搬送装置３４に移載する場合は、作業者が前記グリップ
２０を把持した状態で移動装置１０を押送して、図３に
示す如く、隣接する原紙ロール１６,１６の間に進入さ
せると共に、移動させる原紙ロール１６の外周面に前記
回転ローラ２２を当接させる。次に、前記レバー２８を
閉成してエアモータ２４へのエアの供給を開始すると、
図２に示す如く、回転ローラ２２は時計方向に回転駆動
され、これにより原紙ロール１６には反時計方向の回転
力が付与される。従って、図４(ａ),(ｂ)に示すよう
に、作業者が回転ローラ２２を常に原紙ロール１６の外
周面に当接するよう移動装置１０を押送することによ
り、原紙ロール１６は反時計方向に回転しつつ原紙搬送
装置３４に向けて転動して該装置３４に移載される。こ
のとき、前記走行ローラ３０が回転駆動されることによ
り、移動装置１０は回転ローラ２２を原紙ロール１６に
押付ける方向に移動するので、作業者は大きな力で移動
装置１０を押送することなく原紙ロール１６を原紙搬送
装置３４に移載することができる。なお走行ローラ３０
は、回転ローラ２２が原紙ロール１６を回転させる反力
によって床面側に押付けられるから、該走行ローラ３０
の回転力は床面に確実に伝わり、回転ローラ２２を原紙
ロール１６に確実に押付けることができる。

【００１２】すなわち、原紙ロール１６を回転ローラ２
２により回転させることにより移動させるから、作業者
は回転ローラ２２を原紙ロール１６の外周面に常に当接
させるように移動装置１０を移動するだけで、大きな力
を用いることなく原紙ロール１６を簡単に移動させるこ
とができるので、作業者を重労働から解放し得る。しか
も、原紙ロール１６を移動させるために複数の作業者を
必要としないから、省力化を達成して人件費を低減する
ことが可能となる。また移動装置１０は、原紙ロール１
６に回転力を付与するものであるので、回転ローラ２２
を原紙ロール１６の幅方向中央に当接させなくても該ロ
ール１６を真っ直に転動させることができる。これによ
り、作業者が隣接する原紙ロール１６,１６の間に入る
危険な作業からも解放し得る。なお、原紙ロール１６を
原紙搬送装置３４から降ろす際にも移動装置１０を使用
することができる。

【００１３】

【別実施例について】図５は、移動装置の別の実施例を
示すものであって、本体１２の前面側に２個の回転ロー
ラ２２,２２を所定間隔離間して回転自在に配設し、両
回転ローラ２２,２２をエアモータ２４により同一方向
に回転駆動するよう構成される。そして、両回転ローラ
２２,２２を原紙ロール１６の外周面に当接させること
により、該原紙ロール１６に回転力を付与して転動させ
るようになっている。なお、この別実施例では、移動装
置１０の回転ローラ２２,２２は、作業者が移動装置１
０を前進移動させる力によってのみ原紙ロール１６の外
周面に常に当接される。この場合において、原紙ロール
１６は回転ローラ２２,２２の回転力によって転動する
から、作業者が大きな力で移動装置１０を原紙ロール１
６に押付ける必要はなく、大きな労力を要しない。

【００１４】図６は、移動装置の更に別の実施例を示す
ものであって、本体１２の前面側に一対のロール３６,
３６が回転自在に配設されると共に、両ロール３６,３
６間に無端べルト３８が巻掛けられている。一方のロー
ル３６は、本体１２に内蔵されたエアモータ２４に連結
されて、エアモータ２４によりロール３６を所要方向に
回転駆動することにより、無端ベルト３８が原紙ロール
１６を反時計方向に回転させる方向に走行されるように
なっている。すなわち、無端ベルト３８を原紙ロール１
６の外周面に押し当てた状態で該ベルト３８を走行駆動
することにより、原紙ロール１６に回転力を付与して転
動させることができる。なお、無端ベルト３８として
は、その表面が摩擦系数の大きな材質の材料が好適に使
用され、原紙ロール１６に対してスリップすることなく
確実に回転力を付与し得るようにすることが推奨され
る。

【００１５】前述した実施例では回転付与手段の駆動手
段としてエアモータを使用した場合につき説明したが、
本願はこれに限定されるものでなく、油圧モータや電動
モータ等により回転付与手段を走行または回転駆動する
ようにしてもよい。また電動モータを使用する場合は、
外部から電気を供給するようにしたり、本体に内蔵した
バッテリーにより電気を供給する構成が採用可能であ
る。更に、回転付与手段としての回転ローラは、１本物
である必要はなく、駆動手段により回転駆動される軸に
複数のローラが軸方向に所定間隔で外嵌されている構成
のものであってもよい。また回転付与手段の回転力をロ
ール体に確実に伝えるために、回転付与手段としての回
転ローラの外周面や無端ベルトの外表面に刻み目や凹凸
を形成することも可能である。更にまた、図１に示す実
施例のように回転ローラと走行ローラとを備えた構成に
おいて、両ローラを夫々別の駆動手段により回転駆動す
る構成を採用することができる。また、本体１２に配設
した複数のローラ１４を適宜の駆動手段により積極的に
回転駆動するようにしてもよい。なお、本体１２を自走
式として作業者が遠隔操作により運転したり、または所
要のシーケンスに基づいて本体１２を自動で移動するよ
う制御して、原紙ロール１６を移動させることも可能で
ある。

【００１６】

【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係るロー
ル体の移動装置によれば、ロール体に回転力を付与する
ことで、重量のあるロール体を人力に頼ることなく簡単
に移動することができ、作業者を危険の伴う重労働から
解放し得ると共に、省力化を達成して人件費を低減し得
る。また、装置自体の構造は簡単であるので、製造コス
トを低廉に抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る移動装置を示す概略構成
図である。

【図２】実施例に係る移動装置の要部を示す概略断面図
である。

【図３】実施例に係る移動装置の使用状態を示す説明平
面図である。

【図４】実施例に係る移動装置の使用状態を示す説明側
面図である。

【図５】別実施例に係る移動装置の要部を示す概略断面
図である。

【図６】更に別の実施例に係る移動装置の要部を示す概
略断面図である。

【符号の説明】

１２ 本体 １６ 原紙ロール(ロール体) ２２ 回転ローラ(回転付与手段) ２４ エアモータ(駆動手段) ３６ ロール ３８ 無端ベルト(回転付与手段)

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロール体(16)を移動させる装置であっ
   て、 前記ロール体(16)が載置されている床面等を走行自在な
   本体(12)と、 前記本体(12)に走行または回転自在に配設され、前記ロ
   ール体(16)の外周面に当接可能な回転付与手段(22,38)
   と、 前記回転付与手段(22,38)を走行または回転駆動する駆
   動手段(24)とからなり、 前記駆動手段(24)により走行または回転される回転付与
   手段(22,38)を、前記ロール体(16)の外周面に常に当接
   することで、該ロール体(16)に回転力を付与して移動さ
   せるよう構成したことを特徴とするロール体の移動装
   置。
2. 【請求項２】 前記回転付与手段は、本体(12)に回転自
   在に枢支される回転ローラ(22)である請求項１記載のロ
   ール体の移動装置。
3. 【請求項３】 前記回転付与手段は、本体(12)に回転自
   在に枢支された複数のロール(36,36)に巻装した走行自
   在な無端ベルト(38)である請求項１記載のロール体の移
   動装置。
4. 【請求項４】 前記駆動手段はエアモータ(24)である請
   求項１,２または３の何れかに記載のロール体の移動装
   置。