JPH09239370A - 水生寄生生物の繁殖抑制装置、並びに貝類及び藻類の付着抑制装置 - Google Patents

水生寄生生物の繁殖抑制装置、並びに貝類及び藻類の付着抑制装置

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JPH09239370A
JPH09239370A JP8079414A JP7941496A JPH09239370A JP H09239370 A JPH09239370 A JP H09239370A JP 8079414 A JP8079414 A JP 8079414A JP 7941496 A JP7941496 A JP 7941496A JP H09239370 A JPH09239370 A JP H09239370A
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electrodes
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copper
adhesion
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Yoichi Ishikawa
陽一 石川
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/4606Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods for producing oligodynamic substances to disinfect the water
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2201/00Apparatus for treatment of water, waste water or sewage
    • C02F2201/46Apparatus for electrochemical processes
    • C02F2201/461Electrolysis apparatus
    • C02F2201/46105Details relating to the electrolytic devices
    • C02F2201/4612Controlling or monitoring
    • C02F2201/4615Time
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2303/00Specific treatment goals
    • C02F2303/04Disinfection

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で複数種の金属イオンを供給できる水
生寄生生物の繁殖抑制装置、貝類及び藻類の付着抑制装
置を提供する。 【解決手段】 繁殖・付着抑制装置は、銅、銀、錫、亜
鉛、クロム及びこれらの合金の任意の組み合わせから選
ばれた第1電極及び第2電極と、両電極に直流電流を通
電する電流発生手段と、電流発生手段と両電極とを接続
するリードとを備える。電流発生手段の通電方向は逆転
可能に構成されている。両極間の距離はリードから離れ
るほど小さくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水生寄生生物の繁
殖を抑制し、貝類及び藻類の付着を抑制する装置に係
り、更に詳細には、養殖槽などに生存する寄生生物を死
滅させ又はその繁殖を抑制し、また、ボイラーなどの冷
却水路や養殖池への給水路に生存する貝類及び藻類を死
滅させ又はその付着を抑制する装置に関する。ここで、
「水生寄生生物」とは、水産生物、即ち水産動物及び水
産植物の種々の疾病を引き起こす原因となるものをい
い、これら疾病には、各種のウイルス病、細菌症、真菌
症及び寄生虫症が含まれる。
【0002】
【従来の技術】従来から、ある種の金属イオンが微生物
の増殖を抑制することが知られており、種々の技術分野
においてかかる金属イオンを用いた殺菌や除菌が試みら
れている。例えば、水産動物の養殖においても、銅を陽
極、鉄を陰極として養殖槽中で電気分解することによ
り、銅イオンを養殖水中に供給し、養魚の疾病を治療す
る方法や装置が知られている(特公平7−48966号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術においては、陽極を構成する銅が水中に溶
出して徐々に消耗するため、この銅の量が使用可能期間
を決定する。よって、銅が消滅すると陽極を交換した
り、構造によっては陽極及び陰極の双方を交換しなけれ
ばならないという課題があった。また、陰極には鉄が用
いられるが、この陰極に水中のマグネシウム分やカルシ
ウム分が付着するので、電解電圧を大きくしないと所望
の電流が得られないことがあるという課題もあった。
【0004】更に、対象とする生物に応じて有効な金属
イオン種が異なるのであるが、上述のような従来技術で
は、電解によって供給される金属イオンは陽極を構成す
る1種類の金属(銅)のみであり、例えば、2種の金属
イオンを供給しようとすると、それぞれを陽極とした装
置を個別に用意する必要があるという課題があった。更
にまた、金属イオンを電解により電極から溶出させる場
合、電極全体が均一に消耗するとは限らず、電極の中間
部分やリードとの接合部近傍が優先的に消耗し、電極の
一部が脱落し、脱落部分からは金属イオンを供給できな
くなることがあるという課題もあった。
【0005】一方、火力発電所などにおいては、タービ
ン用ボイラー等を冷却するのに大量の水が必要である
が、コスト面の要請から冷却水として海水を使用してお
り、このため、海水取水パイプの内壁にフジツボ等の貝
類や藻類が付着して繁殖し、取水効率や冷却効率を著し
く低下させるという課題がある。かかる付着による弊害
は、養殖槽への取水管内壁、船舶や養殖槽の内壁等の水
中構築物においても見られ、それぞれの機能を劣化させ
ていた。そして、これら付着した貝類等を除去するに当
たっては、大きな取水管では内部に人間が入って除去作
業を行ったり、小さな取水管では配管を外して機械的に
掻き取らねばならず、また、水中構築物ではその壁面の
掻き取り作業を行わねばならず重労働となるばかりか、
かかる作業を定期的に行わなければならず、煩雑に耐え
ないという課題があった。
【0006】本発明は、上述のような従来技術の有する
課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、長寿命で複数種の金属イオンを供給できる水生寄
生生物の繁殖抑制装置、貝類及び藻類の付着抑制装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、陽極・陰極の両極間
への通電方向を可逆的な構成とし、また、両極の構成材
料を異ならせ、両極間の距離を調整することなどによ
り、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明の水生寄生生物の繁殖抑制
装置は、水生寄生生物の繁殖を抑制する装置において、
銅、銀、錫、亜鉛、クロム及びこれらの合金の任意の組
み合わせから選ばれた第1電極及び第2電極と、この両
極間に直流電流を通電する電流発生手段と、この電流発
生手段と上記両極とを接続するリードとを備え、上記電
流発生手段は通電方向が可変に構成され、且つ上記両極
間の距離がリードから離間するほど小さくなっているこ
とを特徴とする。
【0008】また、本発明の貝類及び藻類の付着抑制装
置は、貝類及び藻類の付着を抑制する装置であって、
銅、銀、錫、亜鉛、クロム及びこれらの合金の任意の組
み合わせから選ばれた第1電極及び第2電極と、この両
極間に直流電流を通電する電流発生手段と、この電流発
生手段と上記両極とを接続するリードとを備え、上記電
流発生手段は通電方向が可変に構成され、且つ上記両極
間の距離がリードから離間するほど小さくなっているこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明においては、電極材料として、銅、錫、
亜鉛、クロム及びこれらの合金を選定し、第1電極と第
2電極をこれら金属の任意の組み合わせとし、且つ第1
電極と第2電極との間への通電方向を逆転可能な構成と
した。従って、第1電極と第2電極の材料が同種金属の
場合には、通電方向を適宜切り換えることにより、電極
の片減りを防止でき、結果として長寿命化を実現でき
る。また、第1電極と第2電極の構成金属が異なる場合
には、通電方向の切り換えにより、1つの装置(1対の
電極)で2種の金属イオンを溶出させることができ、繁
殖抑制及び付着抑制の対象とする生物種の幅を広くする
ことができる。
【0010】更に、本発明においては、両極の極間距離
を、電極用のリードから離間するほど狭くなるように構
成した。即ち、両極が平板状をなす場合には、該平板に
勾配を付与し、代表的には両極の配置が逆ハの字となる
ようにした。このような配置構成とすることにより、電
極間距離が狭い領域、代表的には電極の先端部から電極
を消耗させることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繁殖抑制装置及び付着抑制装置においては、第
1電極及び第2電極は、寄生生物等の滅菌や殺菌に用い
ることができる材料、即ち、銅、亜鉛、錫、クロム及び
これらの合金から形成されている。ここで、第1電極の
構成材料と第2電極の構成材料とは同種でも異種でもよ
く、例えば、第1電極(銅)−第2電極(銅)、第1電
極(銅)−第2電極(錫)及び第1電極(銀合金)−第
2電極(銅)など、上述の銅、亜鉛等の任意の組み合わ
せを採用することができる。
【0012】また、本発明の抑制装置は、上述の第1及
び第2電極の両極間に直流電流を通電する電流発生手段
を有する。この電流発生手段は、その通電方向を逆転す
ることが可能に構成されており、通電方向を第1電極か
ら第2電極、又は第2電極から第1電極に切り換えるこ
とが可能である。従って、通電により生ずる電気分解に
より、第1電極又は第2電極から当該電極を構成する金
属を水相に溶出させて供給することができる。
【0013】上記電流発生手段において、通電方向の切
り換えは手動でも自動でも行うことができ、例えば、手
動切り換えの場合は定電流電源の出力極性を切り換える
スイッチを設ければよい。また、自動切り換えの場合に
は、タイマー等を付加して所定時間毎に通電方向を切り
換えるようにしてもよい。この場合、切り換え時間は、
10秒以上、望ましくは1分以上の時間で適宜選定する
のが好ましい。10秒未満では、陰極として機能してい
る電極に析出した電着物が溶解するのみに留まり、所期
の金属が溶出しないことがあるので好ましくない。な
お、この電流発生手段では、電流値の調整ができるのは
言うまでもない。
【0014】以上の構成をとることにより、本発明によ
れば、第1電極と第2電極との構成材料が同種の場合に
は、通電方向を適宜切り換えることにより電極の片減り
を防止することができ、電極の重量が同一であれば従来
の装置の約2倍の寿命が得られることになる。また、両
電極の構成材料が異なる場合には、2種類の金属、例え
ば、銅と銀とを交互に溶出させることができ、繁殖や付
着を抑制しようとする対象種が複数存在し、且つ対象種
間において繁殖等を抑制できる材料(金属イオン)が異
なる場合でも、1つの装置でこれら対象種の全て又は多
くの種に抑制効果を発揮することができる。
【0015】更に、本発明の抑制装置では、第1電極と
第2電極とは、これらと上述の電流発生手段とを接続す
るリードから遠ざかるに従って電極間距離が小さくなる
ように配置されている。このような配置構成とすること
により、電極は、液抵抗の小さな領域(リードから離間
した領域)、即ち電極間距離が狭い領域から消耗するの
で、電極がリード接合部近傍又は中間部から切断され脱
落するのを回避できる。よって、電極全体を有効利用す
ることができる。
【0016】更にまた、本発明の抑制装置には、各種金
属イオンの濃度を検出できる濃度検出手段を付加するこ
とも可能であり、このような検出手段で金属イオン濃度
を検出することにより、使用すべき水相の環境を精密に
制御することができる。即ち、両電極の構成材料が同一
の場合には、通電をON・OFFすることにより金属イ
オン濃度を精密に調整でき、抑制対象種に応じて適切な
濃度を維持することができる。一方、両電極の構成材料
が異なる場合には、上述の利点以外にも、繁殖や付着し
ている対象種の数に応じて、抑制効果のある金属イオン
を選択して溶出させることができ、効率的である。
【0017】次に、本発明の抑制装置の設置方法につい
て説明する。本発明の抑制装置の設置は、第1電極及び
第2電極が水相に配置されていれば十分であり、これ以
外は特に限定されるものではない。この水相の具体例と
しては、水生寄生生物の繁殖を抑制する場合には、養殖
域の水相、養殖予定域の水相及びこれらの領域への給水
手段の水相などを挙げることができる。また、養殖域の
水相には、生け簀などの養殖槽の養殖用水、養殖予定域
の水相には、養殖生物を入れる前の養殖槽の養殖用水、
給水手段には、養殖槽等への給水管が含まれる。更に、
水産物を運搬する場合に使用する水槽の水であってもよ
く、養殖生物を疾病治療や移動のために一時的に退避さ
せるための槽における水であってもよい。なお、水相成
分は、淡水であるか塩水であるかは問われない。また、
貝類や藻類の付着抑制を行う場合には、火力発電所など
のボイラーのような熱発生装置に冷却水を供給する冷却
管、養殖槽への取水管、船舶や水中構築物の壁面近傍な
どに設置すればよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下、本発明を、図面を参照して実施例により詳細
に説明する。 (実施例1)図1は、本発明の繁殖抑制装置又は付着抑
制装置の一実施例を部分的に示す側面図である。同図に
おいて、この抑制装置は、平板状の第1電極31(銅
板)及び第2電極32(錫板)と、これら両極と図示し
ない電流発生手段とを接続するリード35,36とを備
えている。また、リード35,36と電極31,32と
は、樹脂製の端子カバー33,34を介して液密に接続
されている。更に、電極31及び32は、勾配部37a
を有するプラスチック製の網籠37に収容されており、
リード35及び36から離間するに従って電極間距離が
小さくなるように配置されている。なお、本実施例にお
いて、勾配部37aの勾配は2/100である。
【0019】図2は、本抑制装置の電源ユニットの構成
を示す概略ブロック図である。同図において、本装置で
は、定電流源21から発生した電流は、タイマーユニッ
ト22により一定時間毎に極性が切り換えられる構成と
なっている。また、端子23及び24は、それぞれ図1
のリード35及び36のいずれかに接続され、上述のよ
うに電流の極性が切り換えられることにより、第1電極
31及び第2電極32の極性が切り換えられ、両電極が
交互に陽極及び陰極の機能を果たすことが可能になる。
なお、タイマー22は、必ずしも等時間で切り換える構
成とする必要はなく、抑制対象の微生物に有効な濃度を
それぞれ供給するよう時間を異ならせてもよい。勿論、
切り換え時間を同一にして極性を変える度に電流値を変
えてもよいし、電流を発生しない休止時間を設けてもよ
い。
【0020】以上のように、本装置では、銅板31(第
1電)及び錫板32(第2電極)から交互に銅イオン又
は錫イオンを溶出させることができる。更に、本装置に
おいて、電流を流す電源を、ON・OFF可能な可変電
源とすれば、間欠的に通水させる場合、これに応じて電
源をON・OFFでき、電気エネルギを効率よく利用す
ることができる。更に、流速センサを付加して流速を検
出することもでき、これに応じて電流値を変化させるこ
とにより、各種金属イオンの供給を一層精密に制御する
ことが可能になる。
【0021】次に、上述の繁殖・付着抑制装置を構成す
る部材の材質等について説明する。第1及び第2電極を
構成する平板31及び32の材質としては、微生物増殖
抑制能を有する金属であれば十分であり、銅のみならず
銀、錫、亜鉛及びクロムやこれらの合金等であってもよ
い。但し、通常、亜鉛イオンにより銅イオンと同等の効
果を得ようとすると、銅イオンの濃度の2倍以上の濃度
を必要とする。また、クロムは環境への影響が大きく、
更に、水相が海水の場合、銀は難溶性の塩化銀を形成し
てしまうので、海水用途では、銅又は錫を用いるのが好
ましいと言える。なお、銅は比重が大きいので体積が小
さく、分子量も大きいので、一定量のイオンを発生させ
るための電気量を小さくできるという利点もある。リー
ド35及び36については、液体に接しないように被覆
されており導電性を有する材料であれば十分であり、ス
テンレス、銅その他の金属やカーボン等でも使用可能で
ある。
【0022】(実施例2)上記実施例1の抑制装置がひ
らめ養殖槽に適用可能かどうかを試験した。即ち、ひら
め養殖水槽では、銅イオン濃度を0.05ppm以下に
制御するのが好ましいことが知られている。ここで、水
槽の大きさを5m×5m×0.4m(水深)とすると水
量は10tとなる。これを2時間毎に入れ換えるとする
と、供給水量は5t/時間となり、0.05ppmの銅
イオン濃度を実現するためには、銅の供給速度を0.2
5g/時間とする必要がある。また、銅の原子量を6
4、イオン価を2とすると、0.25g/時間の銅イオ
ンを溶出させるには、約210mAの電流を必要とす
る。実際には、約100mAで0.05ppmを達成し
たが、これは銅が自然に溶解したためである。
【0023】上記実施例1の両電極とも長さ30cm、
幅10cm、肉厚2cmの銅板を用いた。銅の有効利用
率が0.7でも約3.4年間使用できることになり、こ
の条件下では、3.4年間に1回電極ユニット全部を交
換しさえすれば、ひらめ養殖槽における微生物の発生・
増殖を簡易に防止できることになる。
【0024】なお、この際、銅電極が消耗する様子を観
察すると、リード35、36から離れた部分が主に消費
され、消耗部分が徐々にリード近傍に移行してゆくの
で、電極間に勾配をつけることの有効性を確認できた。
この場合、勾配、即ち(電極間距離の差/電極長さ)を
1/100とすると、電極が有効に利用されず、切れて
脱落する部分も生ずるので、勾配は2/100以上とす
るのが望ましい。
【0025】(実施例3)上記実施例1の銅電極の一方
を錫に変えた抑制装置を養魚槽用の海水供給管に設置
し、海水中の銅イオン及び錫イオン濃度を0.03pp
mに保持したところ、養魚の疾病が防止されたのみなら
ず、養魚槽に貝や藻類がほとんど付着しなくなった。
【0026】(実施例4)実施例1の抑制装置をボイラ
ー等の冷却用海水供給管に設置し、貝類の付着抑制効果
を調査した。即ち、付着している成貝を死滅させるには
高濃度の銅イオンや錫イオンを必要とするが、貝殻の形
成時期である発生から3日後位までに、貝幼生が銅イオ
ンと接触すると貝殻の形成が阻害されるが、この際に必
要とされる銅イオン濃度は0.05ppm以下である。
そこで、実施例3の装置を海水供給管中に配置し、銅イ
オン濃度及び錫イオン濃度を0.02ppmで溶出させ
たところ、貝幼生の発生が抑制され、海水供給管の内壁
に貝が付着することも抑制された。また、既に付着して
いた貝類も上述の銅及び錫イオン供給を続行することで
死滅した。
【0027】以上のことから、低濃度の銅や錫イオン供
給は即効性に欠けるものの、長期的には貝類や藻類の付
着を防止でき、また、付着している貝類等の離脱を促す
ことができることが分かった。よって、本発明の抑制装
置によれば、金属イオンを定量的且つ長期に亘って溶出
できるので、貝類や藻類の付着防止等を図ることができ
る。なお、上述のような低濃度の金属イオンを含む海水
を、海に還元しても相当に希釈されているので生物系に
与える影響は皆無と思われる。また、本発明の抑制装置
は、海水生物だけではなく淡水生物にも有効である。
【0028】以上、本発明を実施例により詳細に説明し
たが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能で
ある。例えば、上述の実施例では、電極の配置を平板を
対向させた構成としたが、これに限定されるものではな
く、種々の形状・配置を採用することができる。例え
ば、テーパ状の筒型電極の中心部に棒状電極を配置して
極間距離に勾配をつけることも可能であり、このような
形状は給水路に設置するのに都合がよい。更に、抑制装
置の設置場所も水相であれば養殖槽内に限定されず、こ
れらの給水路内に設置することも可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陽極・陰極の両極間への通電方向を可逆的な構成とし、
また、両極の構成材料を異ならせ、両極間の距離を調整
すること等としたため、長寿命で複数種の金属イオンを
供給できる水生寄生生物の繁殖抑制装置、貝類及び藻類
の付着抑制装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繁殖・付着抑制装置の一実施例を示す
部分側面図である。
【図2】図1に示した装置の電源ユニットの構成を示す
概略ブロック図である。
【符号の説明】
21・・・定電流源、22・・・タイマーユニット、23,2
4・・・端子 31,32・・・電極、33,34・・・端子カバー、35,
36・・・リード 37・・・網籠

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水生寄生生物の繁殖を抑制する装置にお
    いて、 銅、銀、錫、亜鉛、クロム及びこれらの合金の任意の組
    み合わせから選ばれた第1電極及び第2電極と、この両
    極間に直流電流を通電する電流発生手段と、この電流発
    生手段と上記両極とを接続するリードとを備え、 上記電流発生手段は通電方向が可変に構成され、且つ上
    記両極間の距離がリードから離間するほど小さくなって
    いる、ことを特徴とする水生寄生生物の繁殖抑制装置。
  2. 【請求項2】 上記第1電極及び/又は第2電極の勾
    配、即ち電極間距離/電極の長さが、2/100以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の繁殖抑制装置。
  3. 【請求項3】 上記第1電極と第2電極との構成金属が
    異なり、これら構成金属の濃度を検出する濃度検出手段
    を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の繁殖抑
    制装置。
  4. 【請求項4】 上記第1電極及び第2電極が、養殖域の
    水相、養殖予定域の水相又はこれら領域への給水手段の
    水相に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1つの項に記載の繁殖抑制装置。
  5. 【請求項5】 通電方向により電流値又は通電時間が異
    なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項
    に記載の繁殖抑制装置。
  6. 【請求項6】 貝類及び藻類の付着を抑制する装置であ
    って、 銅、銀、錫、亜鉛、クロム及びこれらの合金の任意の組
    み合わせから選ばれた第1電極及び第2電極と、この両
    極間に直流電流を通電する電流発生手段と、この電流発
    生手段と上記両極とを接続するリードとを備え、 上記電流発生手段は通電方向が可変に構成され、且つ上
    記両極間の距離がリードから離間するほど小さくなって
    いる、ことを特徴とする貝類及び藻類の付着抑制装置。
  7. 【請求項7】 上記第1電極及び/又は第2電極の勾配
    が、2/100以上であることを特徴とする請求項7記
    載の付着抑制装置。
  8. 【請求項8】 上記第1電極と第2電極との構成金属が
    異なり、これら構成金属の濃度を検出する濃度検出手段
    を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の付着抑
    制装置。
  9. 【請求項9】 上記第1電極及び第2電極が、水路に
    配置されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれ
    か1つの項に記載の付着抑制装置。
  10. 【請求項10】 上記水路が熱発生装置用の冷却水路で
    あることを特徴とする請求項9記載の付着抑制装置。
  11. 【請求項11】 通電方向により電流値又は通電時間が
    異なることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つ
    の項に記載の付着抑制装置。
JP8079414A 1996-03-08 1996-03-08 水生寄生生物の繁殖抑制装置、並びに貝類及び藻類の付着抑制装置 Pending JPH09239370A (ja)

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