JP2004188230A - アオコの死滅方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】淡水湖の船舶に直流電流をバツテリーより供給し、電極対の間隔を1ミリメータ以内として10ボルト〜24ボルト1,5アンペア以内でアオコを瞬間的に死滅する装置の構成。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水中の藍藻などの単細胞に,極めて低い電圧電流により電気ショツクを与えて海水,淡水中の区別なく死滅させることにより,産業上のさまざまな分野に清浄な水を提供することを目的としたアオコを瞬間的に死滅することを特徴とするアオコの死滅方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年海面の浅瀬においてアオコの繁殖が目立つて増加している。これは沿岸の水質汚濁の進行による浮遊汚濁物質の増加とそれらの沈降稚積による底土のヘドロ化と窒素、リンによる富栄養化等が原因とされている。同様に湖沼,河川,ダムでの繁殖が多いのは窒素やリン酸に富む生活排水の流入,工場や家畜の飼育場からの排水流入,農業用の肥料の流入で富栄養化しているからである。霞ケ浦,津久井湖,相模湖などの飲料水源となつている湖でもアオコが発生している。
このため有毒アオコの駆除に有効な窒素やリン酸を制限する水質基準を設けているが効果は達成できていない。硫酸銅は効果があるが人体への影響の点から使用は見合わせている。現在もつとも効果的なものとしてはアオコを水上の船から掬い取る方式しかない現状で有る。このためにアオコを簡単に無公害に化学薬品を一切使用しない方法での死滅させる技術開発がもとめられていた。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は,アオコの駆除により人類が清浄な水を利用できるよう,そして家畜の安全な飲み水として有毒物質を除去できるように,アオコを簡単に無公害に化学薬品を一切使用しないで駆除できる安全に無公害の細胞膜破壊のための低い電圧,電流による電気ショツクを利用したアオコの死滅方法を提供することを目的とする。死滅すると毒は分解するので問題を生じない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するために、本発明は請求項1記載の淡水の取水通路に電極対を複数設け、該電極対の間隔を1ミリメーター以内として該電極対に10ボルト以上24ボルト1,5アンペア以内の直流電流を通電して電場を発生させ,電気ショツクを与えて細胞膜を破壊するとアオコは瞬間的に死滅することを特徴とする方法を採用した。取水域よりの通路に電極対を複数設け,電気ショツクを与えて細胞膜を破壊することは経済的にも安い費用で設備しうる上に,ランニングコストは極めて低いので公害を生じることなく実用化しうる効果がみられる。アオコが肝臓障害を引き起こすといわれる毒性物質,ミクロシスチンは死滅すると水中で微生物に分解される上に,水道の浄水処理工程で95パーセント以上が除去されるので人体への影響は無い。塩素の発生は見られていないので安全である。
【0005】
本発明請求項2記載の方法では,請求項1の該電極対を金属及び炭素をもつて構成して金網状とすることで,アオコが金網を通過する際に電気ショツクを与えて瞬間的に細胞膜を破壊して死滅することを特徴とした。
海水域,淡水域のいずれにも使用でき安価に軽く導電性が良く,水中への溶出の少い材料は炭素系であるが形状により金属との組み合わせがより良く,例えばチタン白金メツキ系との金網形成である。
網目の大きさは可変できるのでアオコが網目と直接接触しなくても網目を通過すると死滅するため大量の処理が可能となつた。
【0006】
本発明請求項3記載の方法では,請求項1の該電極対に6ボルト3アンペア以下の直流電流を通電して電気ショツクを与えて,細胞膜を破壊することでアオコを瞬間的に死滅することを特徴とした。水中での電極対への電位は,導電性.金網の形状と寸法,間隔などにより変化するので,最適な数値を選定して瞬間的に細胞膜を破壊して死滅させることで決定される。例えば印加電位1,2ボルトでは,瞬間的死滅は完全では無く95パーセントしか細胞膜を破壊しなかつた。又目的のアオコの種類により電位を調整し最適値が求められた。
【0007】
【作用】
本発明請求項1記載の淡水取水中にアオコを死滅させる方法では,以下に述べる作用がある。アオコは細胞膜が破壊されると死滅するのであり,そのための電気的殺菌方法としては高圧パルス電場をかける,交流電源で過酸化水素や塩素などの殺菌作用をもつ物質を生成させる他に硫酸銅を散布する方法がある。一方では細胞−電極間電子移動反応によるものがあり,海水や淡水の分解が起こらない低い電位を印加して殺菌させ科学物質の溶出の無い新しい電気ショツク法を利用するものがある。細胞のマイナス電位に対しプラスの電位を与えて死滅させる本方法では遊泳運動中のアオコが停止することで効果が簡単に確認できる,これは自己の負電荷の水和が破壊され細胞膜がくずれを生じ分解死滅するのである。
【0008】
本発明請求項2記載の死滅方法では,電極対を金属及び炭素をもつて構成して金網状とし白金メツキすることで,消耗が少なく保守手入れも簡単で完全死滅するための微弱電流を通過させる値を最小値とした。アオコはガス胞の厚さ2〜3mmの膜の袋で直経は70mmで構成され,細胞壁はペプチドグリカン層でこれに鉄などの金属を粘質で吸着しているので,金網中を通過するさいに直接接触がなくても電気ショツクを受け易いので細胞壁は破壊し死滅する。金網目合いと間隔ならびに電極対数が関連しやすいように金属及び炭素をもつて構成した。
【0009】
本発明請求項3記載の方法では,請求項1の該電極対に6ボルト3アンペア以下の直流電流を通電するものであり,海水中での電極対への電位は,淡水よりも海水の導電性質により低い電圧電流によつて作用する。又金網の形状と寸法,間隔などにより変化するので,最適な数値の選定により何れものアオコを死滅できるようにした。
【0010】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
表1は顕微鏡での確認を示す。
【表1】
【0011】
図1により第1実施例を説明する。
淡水湖1に浮かべた船舶2の取水通路3にポンプ4を設けてアオコ5を吸水して,2個の電極対6の電極対の間隔を1ミリメーターとしてバツテリー7より該電極対に10ボルト1,5アンペアの直流電流を通電して電場を発生させ,アオコが電極対を通過中に電気ショツクを与え,細胞膜を破壊することでアオコを瞬間的に死滅したことを顕微鏡により電気ショツクを与える以前と電気ショツク後との比較により確認した。塩素の発生はなかつた。
【0012】
図2により第2実施例を説明する。
淡水湖1に浮かべた船舶2の取水通路3にポンプ4を設けてアオコ5を吸水して2個の電極対6をチタン表面上に白金を1ミクロンの厚みでメツキした金網8として,電極対間隔を1ミリメーターとしてバツテリー7より該電極対に10ボルト1,5アンペアの直流電流を通電して電場を発生させ,アオコが電極対を通過中に電気ショツクを与え,細胞膜を破壊することでアオコを瞬間的に死滅したことを顕微鏡により電気ショツクを与える以前と電気ショツク後との比較により確認した。この際塩素の発生はなかつた。
【0013】
図3により第3実施例を説明する。
海水面9の船舶2の取水通路3にポンプ4を設けてアオコ5を吸水して,2個の電極対6をチタン表面上に白金を1ミクロンの厚みでメツキした金網8として,電極対間隔を0,5ミリメーターとしてバツテリー7より該電極対に6ボルト2アンペアの直流電流を通電して電場を発生させ,アオコが電極対を通過中に電気ショツクを与え,細胞膜を破壊することでアオコを瞬間的に死滅したことを顕微鏡により電気ショツクを与える以前と電気ショツク後との比較により確認した。この際塩素の発生はなかつた。
【0014】
【発明の効果】
本発明請求項1〜3記載のアオコの死滅方法では,前記方法を採用したため,従来から何ら改善対策されることのなかったアオコによる有毒飲料水の採取懸念,人体に肝臓障害を起こす防止方法と関連しての下水道処理場の建設,家畜飼育の排水処理などが一挙に解決される。アオコの被害は全世界にも通用するので人類以外に放牧中の家畜の死滅を防止できる効果が期待できる。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のアオコの死滅方法に使用する装置を示す説明図である。
【図2】第2実施例のアオコの死滅方法に使用する装置を示す説明図である。
【図3】第3実施例のアオコの死滅方法に使用する装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・淡水湖
2 ・・・・・船舶
3 ・・・・・取水通路
4 ・・・・・ポンプ
5 ・・・・・アオコ
6 ・・・・・電極対
7 ・・・・・バツテリー
8 ・・・・・金網
9 ・・・・・海水面
Claims (3)
- 淡水の取水通路に電極対を複数設け,該電極対の間隔を1ミリメーター以内として該電極対に10ボルト以上24ボルト1,5アンペア以内の直流電流を通電して電場を発生させ,電気ショツクを与えて細胞膜を破壊することでアオコを瞬間的に死滅することを特徴とするアオコの死滅方法。
- 請求項1の該電極対を金属及び炭素をもつて構成された金網状とし白金メツキすることでアオコを瞬間的に細胞膜を破壊して死滅することを特徴とするアオコの死滅方法。
- 海水域のアオコの取水通路に,請求項1の該電極対間に6ボルト3アンペア以下の直流電流を通電して電気ショツクを与えて,細胞膜を破壊することでアオコを瞬間的に死滅することを特徴とするアオコの死滅方法。
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JP2002229306A JP3985247B2 (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | アオコの死滅方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004188230A true JP2004188230A (ja) | 2004-07-08 |
JP3985247B2 JP3985247B2 (ja) | 2007-10-03 |
Family
ID=32750631
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007014952A (ja) * | 2005-06-10 | 2007-01-25 | Iijima Hideyuki | アオコによって汚染された水の浄化方法またはアオコによって水が汚染されるのを防止する方法 |
JP2007319002A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Ebara Corp | 藻類処理船および藻類処理システム |
CN102557161A (zh) * | 2011-12-30 | 2012-07-11 | 清华大学 | 一种基于人工造流技术的船载水华抑制装置 |
-
2002
- 2002-07-04 JP JP2002229306A patent/JP3985247B2/ja not_active Expired - Lifetime
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