JPH09239338A - 廃棄物処分方法 - Google Patents

廃棄物処分方法

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JPH09239338A
JPH09239338A JP8051916A JP5191696A JPH09239338A JP H09239338 A JPH09239338 A JP H09239338A JP 8051916 A JP8051916 A JP 8051916A JP 5191696 A JP5191696 A JP 5191696A JP H09239338 A JPH09239338 A JP H09239338A
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JP
Japan
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block
water
waste
frame
mixture
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JP8051916A
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Tatsuo Goto
達男 後藤
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SHINSEI DENTARU LAB KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物を海上埋立するにあたって、環境汚染
を確実に防止するとともに、低コスト化および作業の能
率向上を図る。 【解決手段】 海洋処分場1に通じる水路作業場4を設
け、この水路作業場4で、廃棄物を封入したブロック5
を製造する。その製造に際しては、疎水性を有するアス
ファルト製の板材により箱状の枠体6を形成し、この枠
体6を水路作業場4に浮かべる。この枠体6内に、廃棄
物の焼却灰とセメントとの混合物を充填する。枠体6を
沈めながら、この枠体6の上側面部に前記板材を積み上
げ、前記混合物を充填することを繰り返す。これによ
り、海洋処分場1の水深に合った高さのブロック5を製
造する。このブロック5を、そのまま海を通して海洋処
分場1まで運搬し、据え付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海などの水圏処分
場に廃棄物を投棄して埋立を行う廃棄物処分方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】廃棄物の海面埋立においては、従来、例
えば特開平5-86612 号公報に記載されているように、遮
水堤壁(護岸)により海の一部を仕切るとともに、この
仕切った区域の海底を遮水シートにより覆って処分場と
し、この処分場内に廃棄物を投棄するようにしていた。
しかし、海底に遮水シートを敷設するのは、陸上の処分
場で遮水シートを敷設するよりも面倒である。しかも、
遮水シートは、水圧や海底の地形物や投棄された廃棄物
などの影響により破損しやすく、いったん遮水シートが
破断すれば、廃棄物により汚染された水が遮水シートの
破断した部分から漏れてしまう。また、海底に遮水シー
ト以外の遮水工を施すのは困難である。さらに、特に処
分場内に廃棄物を直接投棄した場合には、有害なガスや
異臭の発生、風や海水の流れに伴う廃棄物の飛散、流出
などの環境上の問題があるとともに、廃棄物がかさばる
ことにより、処分場の容量を有効に利用できない問題も
ある。
【0003】これに対して、例えば特公昭58-6550 号公
報に記載されているように、焼却灰などにした廃棄物と
セメントとアスファルトとを混合して固めてブロックに
し、このブロックを処分場に投棄することも考えられ
る。しかし、単に廃棄物とセメントとアスファルトとの
混合物を固めたブロックでは、このブロックの表面に一
部の廃棄物が露出するため、この露出した廃棄物から汚
染物質が溶出するおそれがある。また、ブロックを運搬
するのは、セメントやアスファルトの分重量が増すこと
により、廃棄物を直接運搬するよりもコストがかさむ
上、陸上輸送では、個々のブロックの大型化には限界が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
廃棄物の海面埋立では、遮水シートにより遮水を行うよ
うにしていたため、面倒な遮水シートの施工を行わなけ
ればならない上、遮水シートの破断により地下水汚染、
海洋汚染などの問題を生じやすい問題があった。また、
廃棄物を直接投棄するようにしていたため、環境上の問
題を生じるとともに、減容化できないなどの問題もあっ
た。さらに、廃棄物をセメントやアスファルトと混合し
てブロック化した上で廃棄することも考えられるが、運
搬コストなどの問題がある。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、環境汚染を確実に防止でき、低コストで
能率よく、海などの水圏の埋立ができる廃棄物処分方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、水圏に設定された水圏処分場に
廃棄物を投棄する廃棄物処分方法において、疎水性を有
する板材により有底筒状の枠体を形成し、前記水圏処分
場に通じる水圏からなる水圏作業場に浮かべた前記枠体
内に、廃棄物の焼却灰または飛灰とセメントとの混合物
を充填することにより、所定高さの柱体状のブロックを
製造するとともに、この製造に際して前記ブロック内に
乾燥状態を電気的に検出するセンサーを設け、前記ブロ
ックを、前記水圏作業場から水圏を通して運搬して前記
水圏処分場に据え付けるものである。
【0007】そして、水圏作業場に浮かべた有底筒状の
枠体内に廃棄物の焼却灰または飛灰とセメントとの混合
物を充填してブロックを製造するとき、このブロックに
浮力および水圧が作用することにより、枠体の強度が比
較的弱くても、充填される混合物の重量に枠体が耐えら
れるとともに、大型のブロックが製造可能である。ま
た、枠体を水に浮かべることにより、枠体の漏水の有無
の検査もできる。そして、このようにして製造したブロ
ックを、水圏を通してそのまま水圏処分場に運搬する
が、浮力がブロックに作用することにより、大型のブロ
ックも運搬できる。前記混合物を被覆している枠体は、
疎水性を有する板材からなるものであって、混合物中の
廃棄物の焼却灰または飛灰から汚染物質が水中に溶出す
ることを防ぐ。これとともに、ブロック内に設けられた
センサーにより、ブロック内が乾燥状態に保たれている
かどうか、すなわち、汚染物質が溶出し得る状態になっ
ているかどうかを監視できる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の廃棄
物処分方法において、前記枠体を水圏作業場で沈下させ
ながら、前記枠体の上側面部に前記板材を積み上げて前
記混合物の充填を繰り返すことにより、所定高さの柱体
状のブロックを製造するものである。
【0009】これにより、上下に長尺のブロックでも容
易に製造できるとともに、ブロックの高さも容易に設定
可能であり、水圏処分場の水底から水面に達する高さの
ブロックも製造できる。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施例について、図
面を参照しながら説明する。図1において、1は水圏処
分場である海洋処分場で、この海洋処分場1は、水圏で
ある海の沿岸部の一部を遮水堤壁2により仕切って構築
され、廃棄物が投棄されるものである。また、3は、海
洋処分場1に隣接して地上に設けられた廃棄物処分工場
である。この廃棄物処分工場3には、海洋処分場1に通
じる水圏からなる水圏作業場である入江状の水路作業場
4が設けられている。なお、この水路作業場4の海への
出入口部には必要に応じて水門が設けられる。そして、
廃棄物処分工場3で製造された廃棄物のブロック5が海
洋処分場1に据え付けられて投棄されるようになってい
る。このブロック5は、海洋処分場1の水深よりも高い
上下に細長い柱体状になっており、水平断面形状が正方
形または長方形のような縦横に隙間なく並べられる形状
になっている。
【0011】つぎに、前記ブロック5の製造方法につい
て説明する。このブロック5は、遮水性を有する枠体6
内に、廃棄物の焼却灰または飛灰とセメントと水との混
合物7を充填したものである。なお、この混合物7は、
予めセメントなどにより焼却灰や飛灰を造粒したものを
さらにセメントと混練したものであってもよいし、飛灰
にキレート処理などの安全処理を施したものをセメント
と混練したものなどであってもよい。特に飛灰の場合
は、安全性を向上させるために、セメントの分量を多く
すべきである。また、ブロック5の寸法は、種々設定で
きるが、一例として、縦1m、横1m、高さ1〜20mで
ある。
【0012】前記枠体6は、図2に示すような疎水性を
有する四角い板材11により構成されている。この板材11
は、例えばアスファルトからなり、寸法は、例えば縦横
それぞれ1m、厚さ1〜10cmである。なお、アスファル
トは、フィラーを混入したものでもよい。そして、アス
ファルトと混合物7をなすセメントとは接着しない性質
を有するため、枠体6と混合物7との接合性を向上させ
るために、図3(a)に示すように、板材11には維持部
材12を付着させてある。この維持部材12としては、不織
布、化学繊維からなる線材、金網あるいは鋼コイルなど
が用いられる。金網や鋼コイルからなる維持部材12は、
図3(b)に示すように、面ヒーター13を用いて、熱に
より板材11内へ半分ほど押し込む。ついで、複数の板材
11を用いて、図4に示すような有底筒状の枠体6を組立
てる。この組立てには、ヒーターまたは火炎による合
着、あるいは、アスファルトによる接着などを利用す
る。ついで、枠体6を水路作業場4に浮かべる。このと
き、水路作業場4の上面開口部において、型枠14により
枠体6を外側から適宜支える。枠体6を水路作業場4に
浮かべることにより、枠体6における漏水の有無を検査
できる。そして、型枠14内に前記廃棄物とセメントとの
混合物7を上から充填する。その際、前記型枠14が、枠
体6が水中に沈むことを防止するが、枠体6には浮力が
作用するので、その分、型枠14が枠体6を支える力は小
さくて済む。
【0013】より長尺のブロック5を製造する場合は、
図5に示すように、枠体6の上側面部に、板材11を無底
筒状に組立てたものを積み上げ、接合する。この接合に
は、ヒーター15または火炎による熱を利用できる。そし
て、枠体6に対して型枠14をずらし上げるとともに、枠
体6を水路作業場4で沈下させ、枠体6内に前記廃棄物
とセメントとの混合物7を充填する。このようにして、
枠体6の積み上げと混合物7の充填とを繰り返すことに
より、所定高さのブロック5を製造する。なお、混合物
7の充填の作業は枠体6の上から行うが、この作業を行
う高さは必ずしも一定に保つ必要はなく、地上にエレベ
ーターを設けて、枠体6の積み上げに伴ってその上端の
地上からの高さが変わるのに対応してもよい。また、水
路作業場4に複数本のブロック5を並べて、これら複数
本のブロック5を同時に製造していくこともできる。
【0014】なお、必要ならば、ブロック5の強度を高
めるために、このブロック5中に鉄筋や鋼板を設けても
よい。また、ブロック5の上端は、最後に板材11により
封止するとともに、図1に示すように、吊り下げのため
のフック21を設ける。また、ブロック5の下端には、図
6に示すように、海底に打ち込んで据え付けるための脚
部22を設けてもよい。
【0015】さらに、前述のようなブロック5の製造に
際し、このブロック5内に、乾燥状態を電気的に検出す
るためのセンサー23を設ける。このセンサー23は、万一
遮水用の枠体6が破損した場合に、ブロック5内に水が
侵入したことを検出するためのものであり、したがっ
て、混合物7の内部ではなく、枠体6の内面に設けるこ
とが好ましい。そして、前述のように枠体6をなすアス
ファルトと混合物7をなすセメントとは接着しない性質
を有するため、万一ブロック5内に水が侵入した場合、
この水は枠体6と混合物7との間に浸透し、したがっ
て、枠体6の内面にセンサー23があれば、広範囲に渡っ
て速やかに検出ができる。センサー23は、電気的には、
図11に示すように、直流電源24の両極に検出電極25を
それぞれ接続したものでよい。そして、これら両検出電
極25間の電気伝導度を電流計26などによって測定するこ
とにより、両検出電極25間に水があるかどうか、この水
中にイオン物質が含まれているかどうか、さらには、イ
オン物質の濃度まで知ることができる。
【0016】ここで、センサー23のいくつかの具体例を
図7から図10に基づいて説明する。いずれの場合も、
ブロック5内の所定位置に配した一対の検出電極25は、
2重被覆電線27の各先端に接続される。この2重被覆電
線27の反対側は、ブロック5の上端へ導出され、電源24
や電流計26を適宜接続できるようにする。そして、図7
に示す第1例および図8に示す第2例では、枠体6の内
面に固定したボックス28,29内に検出電極25を設けてい
る。第1例では、ボックス28をアスファルト製として、
融着により枠体6に固定する。また、第2例では、ボッ
クス29を金属製としているが、その開口縁部29a を鋸刃
状にし、この開口縁部29a を枠体6に喰込ませることに
より、この枠体6にボックス29を固定している。そし
て、ボックス28,29内に、その外部から水が入れるよ
う、ボックス28,29の内部と外部とに跨がって、枠体6
と混合物7との間に不織布30などの透水体を設ける。ボ
ックス28,29の外部で漏水が生じた場合でも、不織布30
における毛細管現象によりボックス28,29内に水が入
り、漏水を検出できる。セメント自体も水分を含んでい
るが、前記第1例および第2例のように、遮水性を有す
るボックス28,29により検出電極25を覆えば、セメント
自体に含まれる水分の直接的な影響を排除できる。
【0017】また、図9に示す第3例のように、枠体6
と混合物7との接合のための維持部材12に金網あるいは
鋼コイルなどの導電性のある金属線を用いた場合には、
互いに分離した2つの維持部材12を検出電極25と兼用で
きる。すなわち、両維持部材12に2重被覆電線27の各電
線を各々接続すればよい。枠体6の破損により漏水が生
じた場合、前述のように枠体6と混合物7との間に水が
浸透し、両維持部材12間が水で濡れて、センサー23が漏
水を検出できる。一方、維持部材12が導電性のないもの
である場合には、図10に示す第4例のように、金属板
からなる一対の検出電極25を貼付けてもよい。
【0018】そして、完成したブロック5は、必要なら
ば、混合物7をなすセメントの養生のために、所定期間
(例えば1〜数週間)水路作業場4に保管する。この水
路作業場4の広さが十分でないなら、この水路作業場4
と同様の入江状の貯留場を設け、この貯留場に完成した
ブロック5を貯留しておくようにしてもよい。また、セ
メントの養生が適切になされるよう、水路作業場4や貯
留場の水温を制御して、例えば30℃程度に保つようにし
てもよい。これにより、順次充填されていく混合物7の
硬化状態を均一なものとでき、季節による影響なども排
除できる。さらに、水温の制御などが適切になされるよ
う、前述のように水路作業場4または貯留場の海への出
入口部に水門を設けてもよい。この水門は、潮位などの
変化によらず、水路作業場4や貯留場の水位を一定に保
つためにも有用である。
【0019】さらに、セメントの養生が済んだブロック
5は、水路作業場4または貯留場からそのまま海洋処分
場1に運搬して、ここに垂直に据え付ける。こうして、
順次ブロック5を運搬し、これらブロック5を縦横に並
べて据え付け、海洋処分場1を埋め立てていく。水路作
業場4から貯留場へ、また、水路作業場4または貯留場
から海洋処分場1へのブロック5の運搬には、例えば起
重機船31を利用すればよく、その際、ブロック5の上端
のフック21を利用する。そして、水路作業場4、貯留場
および海洋処分場1は、海で直接通じているから、ブロ
ック5は、地上にいったん上げたりすることなく、その
まま海を通して運搬できる。
【0020】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、水路作業場4に浮かべた枠体6に廃棄物とセメント
との混合物7を充填してブロック5を製造するので、そ
の際、ブロック5に浮力および水圧が作用することによ
り、枠体6の強度が比較的弱くても、充填される混合物
7の重量に枠体6が耐えられるとともに、比較的大型の
ブロック5も製造可能である。また、セメントは硬化に
伴い収縮するが、この収縮に追随して、水圧により枠体
6が若干変形し、この枠体6と混合物7との密着状態が
保たれるので、枠体6と混合物7との間に隙間ができ
て、枠体6が破損しやすくなるようなことがない。ま
た、枠体6を水に浮かべることにより、この枠体6の漏
水の有無の検査もできるので、混合物7を遮水のために
覆う枠体6の信頼性を高められる。また、水路作業場4
で枠体6を沈下させながら、この枠体6の上側面部への
板材11の積み上げと混合物7の充填とを繰り返すことに
より、上下に長尺のブロック5でも容易に製造できると
ともに、ブロック5の高さも容易に設定可能であり、海
洋処分場1の海底から水面に達する高さのブロック5も
適切に製造できる。これにより、ブロック5による海面
埋立を効率よく行えるようになり、埋立地の速やかな利
用も可能になる。さらに、水路作業場4で水中製造した
ブロック5は、そのまま海を通して海洋処分場1まで水
中運搬できるので、その際、浮力がブロック5に作用す
ることにより、大型のブロック5でも運搬が可能であ
る。こうして、ブロック5の製造および運搬を低コスト
で能率よく行える。
【0021】以上の利点は、地上で同様のブロックを製
造する場合には得られないものである。地上で同様のブ
ロックを製造しようとすれば、廃棄物とセメントとの混
合物のブロックを先に製造しなければならず、しかも、
その際製造すべきブロックと同じ大きさの型枠が必要で
あり、大型のブロックの製造は困難である。また、大型
のブロックを製造できたとしても、その運搬には制約が
ある。
【0022】また、廃棄物とセメントとの混合物7をア
スファルトからなる枠体6が被覆しているので、混合物
7に水が浸透し、廃棄物から有害な汚染物質が水中に溶
出して海へ広がることを防止できる。したがって、環境
汚染を確実に防止でき、施工の面倒な遮水シートも不要
になる。もちろん、埋立の途中の段階でも、ガスの発生
による異臭、廃棄物の飛散、はえや蚊などの発生などの
問題はもとより生じない。
【0023】しかも、ブロック5内に設けたセンサー23
により、ブロック内5の乾燥状態が保たれているかどう
かを監視できる。センサー23による検査は、一定期間毎
など、必要なときに適宜行えばよい。また、検査は、埋
立の途中段階でも埋立完了後でも随時できる。そして、
検査時には、ブロック5の上端に導出された2重被覆電
線27に電源24および電流計26を接続し、電流が流れるか
どうかを測定する。電流が流れた場合は、その電気伝導
度により、水のみか、イオン物質があるか、さらには、
その濃度も分かる。こうして、万一枠体6が破損するな
どしてブロック5内に水が浸透し、汚染物質が浸出し得
る状態になっていたとしても、その事実を速やかに知る
ことができる。もちろん、センサー23はブロック5毎に
あるので、漏水の位置も特定できる。そして、万一漏水
が検出された場合には、漏水のあった箇所の補修が必要
であるが、漏水のあったブロック5のみを引き上げるな
どして補修すればよいので、この補修作業が容易にでき
る。
【0024】図12には、埋立跡地の利用の一例を示し
てある。海洋処分場1の海底の地盤36が比較的軟弱な場
合には、ブロック5自体を利用して、海底の地盤36にコ
ンクリート37を打ち込み、地盤36の補強を図ることがで
きる。すなわち、適当箇所のブロック5には、これを上
下に貫通するパイプ38を通しておく。このパイプ38を通
して、地上からコンクリート37を圧入し、地盤36に浸透
させる。このようにすれば、地盤36を補強できて、埋立
後の地盤沈下も防止でき、確実に跡地利用ができる。特
にコンクリート37の圧入に利用するブロック5は、構造
的に安定するので、跡地に建物を建てる際の基礎柱とし
て利用できる。なお、基礎柱として利用されるブロック
5は、荷重が加わって、破損の可能性もより高くなるの
で、スラグセメントにより製造すれば、環境汚染の確実
な防止のためにはより好ましい。また、基礎柱として利
用されるブロック5は、強度を確保するために、鉄筋や
網組などを組み込んだものとすれば、よりいっそう好ま
しい。
【0025】さらに、ブロック5上に適当な覆土39など
を施して、スポーツ施設、公園、建物などを建造する。
なお、埋立跡地の利用は、埋立完了後に限らず、埋立が
終わった区画から順次行っていくことができる。すなわ
ち、埋立後速やかに跡地利用ができる。これは、疎水処
理を施すとともに海洋処分場1の水深に合った高さとし
た廃棄物のブロック5を利用することにより可能になる
ものである。ただし、埋立完了後であれば、ブロック5
間に残った水を抜き、さらに、ブロック5間にコンクリ
ートやアスファルトを流し込むこともできる。
【0026】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
枠体を構成する板材は、アスファルト製のものに限ら
ず、ポリビニールアルコールからなる板材の表面に疎水
処理としてアスファルトを吹き付けたものなどでもよ
く、疎水性および必要な強度を有するものであれば、適
宜の材料を用いることができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、疎水性を有す
る板材により有底筒状の枠体を形成し、水圏処分場に通
じる水圏からなる水圏作業場に浮かべた前記枠体内に、
廃棄物の焼却灰または飛灰とセメントとの混合物を充填
することにより、所定高さの柱体状のブロックを製造す
るとともに、このブロックを、水圏作業場から水圏を通
して運搬して水圏処分場に据え付けるので、ブロックの
製造および運搬を低コストで能率よく行うことができ
る。また、廃棄物の焼却灰または飛灰とセメントとの混
合物をさらに疎水性のある枠体が覆っていることによ
り、環境汚染を確実に防止でき、施工の面倒な遮水シー
トも不要になる。しかも、ブロック内に乾燥状態を検出
するセンサーを設けたので、万一枠体が破損するなどし
てブロック内に水が浸透し、汚染物質が溶出し得る状態
になったとしても、その事実を速やかに知ることができ
る。
【0028】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、枠体を水圏作業場で沈下させながら、
枠体の上側面部に板材を積み上げて前記混合物の充填を
繰り返すことにより、所定高さの柱体状のブロックを製
造するので、水圏処分場の水底から水面に達する高さの
ブロックでも容易に適切に製造でき、これにより、ブロ
ックによる埋立を能率よくでき、埋立地の速やかな利用
も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物処分方法の一実施例を示す斜視
図である。
【図2】同上枠体を形成する板材の斜視図である。
【図3】同上維持部材を組付けた板材の斜視図(a)お
よび維持部材の組付け方法の一例を示す側面図(b)で
ある。
【図4】同上組立てられた枠体の斜視図である。
【図5】同上混合物の充填作業を示す断面図である。
【図6】同上ブロックの下端部の変形例を示す斜視図で
ある。
【図7】同上センサーの第1例を示す断面図である。
【図8】同上センサーの第2例を示す断面図である。
【図9】同上センサーの第3例を示す断面図である。
【図10】同上センサーの第4例を示す正面図である。
【図11】同上センサーの回路図である。
【図12】同上埋立てた状態の断面図である。
【符号の説明】
1 海洋処分場(水圏処分場) 4 水路作業場(水圏作業場) 5 ブロック 6 枠体 7 混合物 11 板材 23 センサー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水圏に設定された水圏処分場に廃棄物を
    投棄する廃棄物処分方法において、疎水性を有する板材
    により有底筒状の枠体を形成し、前記水圏処分場に通じ
    る水圏からなる水圏作業場に浮かべた前記枠体内に、廃
    棄物の焼却灰または飛灰とセメントとの混合物を充填す
    ることにより、所定高さの柱体状のブロックを製造する
    とともに、この製造に際して前記ブロック内に乾燥状態
    を電気的に検出するセンサーを設け、前記ブロックを、
    前記水圏作業場から水圏を通して運搬して前記水圏処分
    場に据え付けることを特徴とする廃棄物処分方法。
  2. 【請求項2】 前記枠体を水圏作業場で沈下させなが
    ら、前記枠体の上側面部に前記板材を積み上げて前記混
    合物の充填を繰り返すことにより、所定高さの柱体状の
    ブロックを製造することを特徴とする請求項1記載の廃
    棄物処分方法。
JP8051916A 1996-03-08 1996-03-08 廃棄物処分方法 Pending JPH09239338A (ja)

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JP8051916A JPH09239338A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 廃棄物処分方法

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JP8051916A JPH09239338A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 廃棄物処分方法

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JP8051916A Pending JPH09239338A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 廃棄物処分方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005288419A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃棄物処分場およびその廃棄物処分方法

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JP2005288419A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃棄物処分場およびその廃棄物処分方法

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