JPH09238564A - グレンタンク構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グレンタンク内に貯留される穀物の種類等の
条件に応じて横送りの負荷が生じないようにできるグレ
ンタンク構造を提供する。 【解決手段】 グレンタンク１の内底部に穀粒搬出用の
横送りスクリューコンベア２を設け、貯留穀粒の横送り
スクリューコンベア２への荷重を軽減し、かつグレンタ
ンク１下部の傾斜内壁面１Ａとの間に穀粒流下用の隙間
１４を形成する流量調整板４を横送りスクリューコンベ
ア２の上方に駆動振動自在に設け、流量調整板４の位置
を上下に変更調節する上下位置変更手段１５を設け、流
量調整板４に振動を与える振動駆動手段８と、流量調整
板４との連係を、上下位置変更手段１５で所定位置より
低く位置させたときに解除し、流量調整板４を振動駆動
手段８から振動を付与されていない一定姿勢に維持する
振動付与切換手段１６を設けてあるグレンタンク構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、グレンタンクの内
底部に穀粒搬出用の横送りスクリューコンベアを設ける
とともに、貯留穀粒の前記横送りスクリューコンベアへ
の荷重を軽減し、かつ前記グレンタンク下部の傾斜内壁
面との間に穀粒流下用の隙間を形成する流量調整板を前
記横送りスクリューコンベアの上方に駆動振動自在に設
けたグレンタンク構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のグレンタンク構造にあっ
ては、例えば特開平６‐３４３３３７号公報に開示され
ているもののように、偏心カムが横送りスクリューコン
ベアのスクリュー軸と一体回転するように構成し、該偏
心カムと常時接当するカムフォロワと流量調整板とを連
係させることで偏心カムとカムフォロワとのカム作用に
より流量調整板に振動を付与し、これにより、ブリッジ
現象が生じるのを抑制した状態で流量調整板とグレンタ
ンク下部の傾斜内壁面との間の隙間から貯留穀粒が横送
りスクリューコンベアへ円滑に落下供給されるようにし
たものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば貯留
穀粒の種類や乾湿の状態等によっては、横送りスクリュ
ーコンベアで搬送する際の負荷が不当に大きくなる場合
があり、そのため、必要に応じて横送りスクリューコン
ベアへの貯留穀粒の供給を制限することが望ましいので
ある。しかしながら、上記従来構造のものでは、常時流
量調整板が振動していることから、横送りスクリューコ
ンベアへの穀粒供給量が比較的大きいままに維持され、
それにより、横送りスクリューコンベアの駆動が過負荷
状態になり易く、横送りスクリューコンベアへの動力伝
達するベルト伝動機構等においてスリップが生じやすく
なるという不具合があった。

【０００４】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、グレンタンク内に貯留される穀物の種類等の
条件に応じて横送りの過負荷が生じないようにできるグ
レンタンク構造の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

（構成） 本発明の請求項１にかかるグレンタンク構造
は、グレンタンクの内底部に穀粒搬出用の横送りスクリ
ューコンベアを設けるとともに、貯留穀粒の前記横送り
スクリューコンベアへの荷重を軽減し、かつ前記グレン
タンク下部の傾斜内壁面との間に穀粒流下用の隙間を形
成する流量調整板を前記横送りスクリューコンベアの上
方に駆動振動自在に設けたグレンタンク構造において、
前記流量調整板の位置を上下に変更調節する上下位置変
更手段を設けるとともに、前記流量調整板に振動を与え
る振動駆動手段と、前記流量調整板との連係を、前記上
下位置変更手段で所定位置より低く位置させたときに解
除し、前記流量調整板を前記振動駆動手段から振動を付
与されない一定姿勢に維持する振動付与切換手段を設け
てあることを特徴構成とする。

【０００６】（作用） 本発明の請求項１にかかる構成
によれば、流量調整板の位置を上下に変更調節する上下
位置変更手段を設けるとともに、流量調整板に振動を与
える振動駆動手段と、流量調整板との連係を、上下位置
変更手段で所定位置より低く位置させたときに解除し、
流量調整板を振動駆動手段から振動を付与されない一定
姿勢に維持する振動付与切換手段を設けてあるから、貯
留穀粒の搬送負荷が大きい場合には、流量調整板を下降
させることで、流量調整板とグレンタンクの側壁との間
の隙間を狭くして穀粒の横送りスクリューコンベアへの
供給を制限するとともに、そのときには、振動付与切換
手段が流量調整板が振動駆動手段で振動が与えられるこ
とがないよう、振動を付与しない状態に切り換えるの
で、振動付与による穀粒の横送りスクリューコンベアへ
の供給の円滑化を抑制することになる。一方、横送りス
クリューコンベアによる搬送負荷が比較的小さい場合に
は、横送りスクリューコンベアへの穀粒供給量を大きく
するために、流量調整板を上方に位置させて、流量調整
板とグレンタンクの側壁との隙間を広めに設定し、かつ
振動駆動手段による流量調整板への振動の付与も行われ
るようにする。

【０００７】（効果） 従って、本発明の請求項１にか
かる構成によれば、横送りスクリューコンベアにおける
搬送負荷が大きくなる場合とそうでない場合とで、穀粒
搬送の負荷に対応して横送りスクリューコンベアへの穀
粒供給を行うことができるようになり、横送りスクリュ
ーコンベアへの伝動にスリップ等の妨げが不当に生じる
ことがないようにできるに至った。

【０００８】（構成） 本発明の請求項２にかかるグレ
ンタンク構造は、請求項１に記載のものにおいて、前記
振動駆動手段を、回転駆動される偏心カムと、この偏心
カムに接当するカムフォロワを前記流量調整板に連設し
て構成し、前記カムフォロワと前記流量調整板とを連動
して共に上下変更されるように構成するとともに、前記
振動付与切換手段を、前記カムフォロワが所定位置より
高く位置するとき前記偏心カムによるカム作用を受け、
前記カムフォロワが所定位置より低く位置するとき前記
カム体と前記カムフォロワとのカム作用が解除されるよ
うに構成してあることを特徴構成とする。

【０００９】（作用） 本発明の請求項２にかかる構成
によれば、振動駆動手段を、回転駆動される偏心カム
と、この偏心カムに接当するカムフォロワを流量調整板
に連設して構成し、カムフォロワと流量調整板とを連動
して共に上下変更されるように構成するとともに、振動
付与切換手段を、カムフォロワが所定位置より高く位置
するとき偏心カムによるカム作用を受け、カムフォロワ
が所定位置より低く位置するとき前記カム体と前記カム
フォロワとのカム作用が解除されるように構成してある
から、カム体とカムフォロワとが接当してカム作用のあ
る状態と、接当することが解除されてカム作用のない状
態でカムフォロワが何ら作動しない状態とに、単にカム
フォロワと流量調整板とを連動させて上下作動させるだ
けで、貯留穀粒の横送りスクリューコンベアへの供給量
の適宜な変更設定が行える。

【００１０】（効果） 従って、本発明の請求項２にか
かる構成によれば、横送りスクリューコンベアへの貯留
穀粒の供給量を適宜変更できるので、横送りスクリュー
コンベアに不当に過負荷を与えたり、横送り時に穀粒に
損傷を与えたりすることを、カム体とカムフォロワを利
用した簡易な構造で抑制でき、コスト低下等を図ること
ができるに至った。

【００１１】（構成） 本発明の請求項３にかかるグレ
ンタンク構造は、請求項１又は請求項２に記載のものに
おいて、前記カムフォロワが所定位置より低く位置する
ときに前記流量調整板を一定姿勢に保持する保持手段を
設けてあることを特徴構成とする。

【００１２】（作用） 本発明の請求項３にかかる構成
によれば、カムフォロワが所定位置より低く位置すると
きに流量調整板を一定姿勢に保持する保持手段を設けて
あるから、流量調整板に振動を与えないようカムフォロ
ワを所定位置より低く位置させたときには、流量調整板
が保持手段により一定姿勢に保持され、何ら保持がない
場合のように、不当に流量調整板が変位してしまう等の
不具合の発生が抑制され、穀粒の横送りスクリューコン
ベアへの供給量に変動が生じにくくなって、ほぼ一定の
供給量状態が維持されることになる。

【００１３】（効果） 従って、本発明の請求項３にか
かる構成によれば、振動を与える構造であるために、振
動駆動手段による振動が与えられない状態での流量調整
板の姿勢が不安定になる虞れがあるものの、保持手段に
より一定姿勢に流量調整板が保持されることで、流量調
整板の安定性を高めることができ、所定の供給量を維持
できるという利点がある。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に、コンバインに搭載装備さ
れたグレンタンク１が示されている。このグレンタンク
１は、板金材で箱状に構成されるとともに、その下部が
正面視で下すぼまり状に形成されている。グレンタンク
１内の底部には前後方向に沿って横送りスクリューコン
ベア２を配設している。そして、横送りスクリューコン
ベア２の搬送終端であるグレンタンク１の後部がわでグ
レンタンク１の後壁１Ｒより外方に取り出された穀粒を
揚送すると共にその揚送した後横送りして排出するアン
ローダ装置３を横送りスクリューコンベア２と連動連結
して設けている。

【００１５】図１乃至図３に示すように、グレンタンク
１内における横送りスクリューコンベア２の上方には、
貯留穀粒の荷重が直接上方から横送りスクリューコンベ
ア２にかからないよう受け止める流量調整板４を、正面
視上すぼまりの山形に板材を形成して、グレンタンク１
の前後にわたって架設している。詳述すると、この流量
調整板４は、その山形をなす頂角部において前後方向に
沿った支軸５を一体に設けるとともに、その支軸５の両
端部を、図２に示すような支持金具６，６に枢着支持し
ている。各支持金具６，６は、グレンタンク１の前壁１
Ｆと後壁１Ｒとのそれぞれに上下位置変更自在に取付ら
れている。すなわち、各支持金具６，６の左右方向での
中央部には支軸５を枢着する軸受部を設けるとともに、
この軸受部の左右両側に、グレンタンク１の前壁１Ｆと
後壁１Ｒとのそれぞれに形成された左右一対の上下向き
長孔７，７に対してボルト１７，１７で締結固定できる
ようにしている。この長孔７，７に対しては、支持金具
６，６の締結固定位置を適宜変更することができるもの
であって、支持金具６，６の締結位置はその長孔７，７
の上下範囲内で適宜変更できるのである。

【００１６】さらに、グレンタンク１の前壁１Ｆより前
方に突出した支軸５と、横送りスクリューコンベア２の
スクリュー軸２Ａとに流量調整板４に振動を付与する振
動駆動機構８を介装している。すなわち、支軸５に対し
て一体に板材で構成された左右一対のアーム９，９を下
方に延出しているとともに、この左右一対のアーム９，
９が，スクリュー軸２Ａに一体に設けられた偏心カム１
０を挟持するように配設されて、振動駆動機構８が構成
されている。そして、左右一対のアーム９，９は偏心カ
ム１０と接触してカム作用を受けるカムフォロワ１１，
１１をその下端の相対向する箇所に設けているととも
に、このカムフォロワ１１，１１の上方箇所でのアーム
９，９同士の間隔はカムフォロワ１１，１１間の幅より
広い幅に設定してある。又、長孔７，７において最上位
箇所に支持金具６，６を固定したときには、カムフォロ
ワ１１，１１が丁度偏心カム１０と共に接触してカム作
用を受けるように設定されているとともに、その最上位
箇所より下方に支持金具６，６を下降させて長孔７，７
に固定するときには、偏心カム１０はアーム９，９間の
広幅箇所に位置することになるので、偏心カム１０から
のカム作用を受けないものとなっている。さらに、両ア
ーム９，９の付け根箇所においては、両アーム９，９間
に上すぼまり状に切り欠き部１２を形成しているととも
に、その上すぼまり状をなす切り欠き部１２の正面視凹
角箇所に接触する保持手段としての位置規制ピン１３を
グレンタンク１の前壁１Ｆに突設、具体的にはスクリュ
ー軸２Ａを軸受する板材製の支持部材に突設している。
従って、支持金具６，６を長孔７，７の下端まで下降さ
せて締結固定したときには、位置規制ピン１３が切り欠
き部１２の正面視凹角箇所に接触して、流量調整板４の
軸芯Ｘ周りでの揺動が規制されることになる。尚、流量
調整板４における頂点より左右の側縁までの長さは左右
で異なるものとなっている。すなわち、図２（イ）及び
（ロ）に示すように、横送りスクリューコンベア２の回
転が下方に向かう側の方（図２では右側）が上方に向か
う側よりも長く設定している。その理由は、上方に向か
うがわでは上方からの穀粒の供給をスクリューの作動が
妨げる虞れが高いから、そちらの方を穀粒の供給がなさ
れやすいようにしているのである。従って、グレンタン
ク１の左右の傾斜内壁面１Ａ，１Ａと流量調整板４との
間の穀粒流下用の隙間１４，１４は、左側の隙間１４の
方が広く設定されるとともに、右側の隙間１４の方が狭
く設定される。ここで、長孔７、ボルト１７、支持金具
６は、流量調整板４を上下に位置変更するための上下位
置変更手段１５を構成するものであるとともに、この上
下位置変更手段１５、アーム９，９及び偏心カム１０
は、流量調整板４に対して振動を付与する状態と振動の
付与しない状態とに切り換える振動付与切換手段１６を
構成するものである。

【００１７】上記構成により、流量調整板４は、人手に
よるボルト締結及び締結解除作業により長孔７，７の上
下範囲において、上下位置変更可能になっている。そし
て、流量調整板４を最下位に位置させたときには、カム
フォロワ１１が偏心カム１０位置より下方に位置し、偏
心カム１０からのカム作用を受けないようになるととも
に、不当に揺動等しないよう位置規制ピン１３が両アー
ム９，９間にある切り欠き部１２の頂部に接当するので
流量調整板４が一定姿勢に保持される。一方、最上位に
位置させたときには、カムフォロワ１１が偏心カム１０
からカム作用を受けて左右一対のアーム９，９が左右に
軸芯Ｘ周りで揺動し、ひいては流量調整板４を軸芯Ｘ周
りで揺動を繰り返す振動を与えることになる。従って、
例えば、小麦や濡れ穀粒をグレンタンク１に貯留したと
きには、横送りスクリューコンベア２の駆動負荷が大に
なるので、横送りスクリューコンベア２への穀粒供給量
を少なく制限するために、流量調整板４を最下位に位置
させて、流量調整板４に振動を与えないとともに、流量
調整板４とグレンタンク１の傾斜側壁との隙間１４を狭
めにする。一方、比較的乾燥した稲籾をグレンタンク１
に貯留したときには、横送りスクリューコンベア２の駆
動負荷が比較的小さいものとなるので、流量調整板４を
最上位に位置させて、流量調整板４に振動を与えるとと
もに、流量調整板４とグレンタンク１の傾斜側壁との隙
間１４を広めにする。

【００１８】〔別の実施の形態〕 流量調整板を電動モータ等のアクチュエータで振動
駆動させるものに構成し、流量調整板の上下位置変更に
応じて所定位置より下位にあるときには電動モータ等に
よる振動駆動を停止するように構成しても良い。

【００１９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインのグレンタンクを示す一部破断側面
図

【図２】流量調整板を上位に位置させた場合（イ）と、
下位に位置させた場合（ロ）との流量調整板、及びその
位置変更調節や振動駆動する手段を示す縦断正面図

【図３】流量調整板の位置変更調節や振動駆動する手段
を示す縦断側面図

【符号の説明】

１ グレンタンク １Ａ 傾斜内壁面 ２ 横送りスクリューコンベア ４ 流量調整板 ８ 振動駆動手段 １０ 偏心カム １１ カムフォロワ １３ 保持手段 １４ 隙間 １５ 上下位置変更手段 １６ 振動付与切換手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グレンタンク（１）の内底部に穀粒搬出
   用の横送りスクリューコンベア（２）を設けるととも
   に、貯留穀粒の前記横送りスクリューコンベア（２）へ
   の荷重を軽減し、かつ前記グレンタンク（１）下部の傾
   斜内壁面（１Ａ）との間に穀粒流下用の隙間（１４）を
   形成する流量調整板（４）を前記横送りスクリューコン
   ベア（２）の上方に駆動振動自在に設けたグレンタンク
   構造において、前記流量調整板（４）の位置を上下に変
   更調節する上下位置変更手段（１５）を設けるととも
   に、前記流量調整板（４）に振動を与える振動駆動手段
   （８）と、前記流量調整板（４）との連係を、前記上下
   位置変更手段（１５）で所定位置より低く位置させたと
   きに解除し、前記流量調整板（４）を前記振動駆動手段
   （８）から振動を付与されない一定姿勢に維持する振動
   付与切換手段（１６）を設けてあるグレンタンク構造。
2. 【請求項２】 前記振動駆動手段（８）を、回転駆動さ
   れる偏心カム（１０）と、この偏心カム（１０）に接当
   するカムフォロワ（１１）を前記流量調整板（４）に連
   設して構成し、前記カムフォロワ（１１）と前記流量調
   整板（４）とを連動して共に上下変更されるように構成
   するとともに、前記振動付与切換手段（８）を、前記カ
   ムフォロワ（１１）が所定位置より高く位置するとき前
   記偏心カム（１０）によるカム作用を受け、前記カムフ
   ォロワ（１１）が所定位置より低く位置するとき前記偏
   心カム（１０）と前記カムフォロワ（１１）とのカム作
   用が解除されるように構成してある請求項１記載のグレ
   ンタンク構造。
3. 【請求項３】 前記カムフォロワ（１１）が所定位置よ
   り低く位置するときに前記流量調整板（４）を一定姿勢
   に保持する保持手段（１３）を設けてある請求項１又は
   ２記載のグレンタンク構造。