JPH09238122A - 接点情報多重伝送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】計測統一信号によって状態量を発信する検出器
と接点情報を発信するスイッチなどを要素とする分散制
御システムにおいて高速短周期でかつ簡易な構成で接点
情報を送受する伝送手段を提供する。 【解決手段】接点開閉状態を接点の配列順位が桁を表す
２進デジタルデータと解釈し、この２進デジタルデータ
をアナログ変換して計測統一信号伝送路を通じて伝送す
べく、各接点が入力されるＤ／Ａ変換回路２と、Ｄ／Ａ
変換回路の出力信号を計測統一信号として規格化して発
信する送信回路３と、Ｄ／Ａ変換回路のデータ取込と送
信回路の発信とを制御する変換制御部４とで送信部１を
構成し、送信部が送出する計測統一信号を受信する受信
回路７と、受信回路が出力するアナログ信号を送信部に
入力された接点の開閉状態を意味する元のデジタルデー
タに戻す変換を行うＡ／Ｄ変換回路８と、Ａ／Ｄ変換回
路の出力を上位の制御装置等に転送するときにインタフ
ェースとして働くデジタル信号ポート９、およびＡ／Ｄ
変換回路とデジタル信号ポートの作動を制御する通信制
御部10とで受信部６を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はファクトリーオートメ
ーション（ＦＡと略記する）やプロセスオートメーショ
ン（ＰＡと略記）などの分散制御システムの場で、制御
管理対象の装置機器の状態を表わす各種の接点信号をま
とめて中央の制御装置に伝送する多重伝送装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ＦＡやＰＡの場では、フィールド機器装
置に設けられた圧力発信器などが検出する状態量と、リ
ミットスイッチなどで接点情報として検出される機器装
置の動作状態表示信号とが制御装置に伝送され、これら
の検出データにもとづいて所定の論理のもとに制御が実
行される。

【０００３】ところで、制御対象の機器装置が発信する
接点情報は通常多種、多数にわたっており、この多数点
の接点情報をそれぞれに、制御装置に伝送して制御する
方式を採ると膨大な配線を要することとなり現実的でな
いので、接点情報源を適宜複数の接点でなる接点群に群
別し、各接点群毎にマルチプレクサーを設けてこのマル
チプレクサで該接点群の接点の開閉状況を一定周期毎に
走査サンプリングすることにより接点の開閉状況をシリ
アルデータとして得て、マルチプレクサの出力としての
接点群開閉状況シリアルデータを各マルチプレクサに対
応して設けた信号線に乗せて制御装置に伝送し、制御装
置側では受信した接点群開閉シリアルデータをデマルチ
プレクスして各接点の開閉の状況を把握するようにした
マルチプレクサ走査形の接点情報多重伝送装置が従来か
ら用いられている。

【０００４】このようなマルチプレクサ走査形の接点情
報多重伝送装置では、マルチプレクサの走査によって得
られる接点の開閉データに接点の配置位置を表わすマル
チプレクサの走査順位に対応の接点アドレス情報を割付
けて接点情報データを構成し、この接点情報データに伝
送のため、先頭にはスタービットで始まる制御フィール
ドを、また末尾にはエンドフラグで終了する伝送正否を
確認するための検査フィールドを付加して情報ブロック
としての伝送フレームをあらかじめ定めた形式にのっと
り形成し、この伝送フレームを単位に接点情報を上位の
制御装置の指呼に応じて伝送している。

【０００５】なお、上記従来技術の解説においては、制
御対象フィールドに設けられた接点の開閉状況を示す接
点情報データのシリアルデジタル伝送について説明した
が、圧力発信器などから４〜20mAの計測統一信号として
発信されるアナログ測定信号をデジタル値に変換し、こ
のデジタル値に伝送のための制御フィールドと検査フィ
ールドを付加して情報フレームを形成し、このフレーム
をシリアル伝送路を通じて制御装置に伝送するようにし
てシステム全体をデジタル化し、大規模なＦＡ・ＰＡの
制御管理システムを構築することもある。

【０００６】いずれにせよ、シリアル伝送路を通じてデ
ジタル化したデータを情報フレームとして伝送するシス
テムでは、フレームの形式が予め定められているので、
データの送出側には、規定の形式にのっとって情報フレ
ームを形成するハード，ソフトでなる送出手段が、ま
た、受信側には送られてきた情報フレームをフレームに
定められた規定にもとづいて処理してデータを解釈する
ハード，ソフトでなる受信手段が設けられていなければ
ならない。

【０００７】上記のデジタル情報シリアル伝送形式にか
かわる規定は完全には統一標準化されていないので、シ
リアル伝送系のもとにＦＡ・ＰＡの制御管理システムを
構成する場合、同一の伝送形式の送受信手段を備えた装
置機器を用いてシステムを構成すべきであり、異なる伝
送形式による機器装置を混在させなければならないとき
には異なる伝送形式の機器装置間での情報伝送のための
情報変換手段を設けなければならないこととなるが、制
御管理対象のフィールドに多数の接点情報源が設けられ
ている場合、この接点情報の伝送にはマルチプレクサ走
査形の接点情報多重伝送装置を設けてシリアル伝送する
方式が大量データ伝送の点で効率的である。

【０００８】一方、制御管理対象のフィールドに圧力発
信器などの各種センサも設けられ、センサが検出する状
態量データと、リミットスイッチなどで検出される機器
装置の動作状態を示す接点情報データの両データ信号に
もとづいて制御を行う分散制御システムでは、システム
が小規模な場合、センサの検出信号によって制御する系
統についてはセンサが計測統一信号に規格化して発信す
るアナログ信号としての検出値を計測統一信号を入力と
する制御機器装置に入力して制御ループを構成した方が
全制御システムをデジタル化して構成するよりシステム
が簡素になる。そして、接点情報の伝送についてはマル
チプレクサ走査形の接点情報多重伝送装置を設けてそれ
ぞれの接点の開閉状態が一定周期で得られるようにして
いる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の項で説
明のように、制御対象のフィールドが圧力発信器などの
各種センサが検出する状態量データと、リミットスイッ
チなどで検出される機器装置の動作状態などを示す接点
情報データの両データにもとづいて制御すべき分散制御
システムであるがシステムが小規模な場合、センサの検
出信号によって制御する系統についてはセンサが計測統
一信号に規格化して発信するアナログ信号としての検出
値を計測統一信号を入力とする制御機器装置に入力して
制御ループを構成し、接点情報の伝送についてはマルチ
プレクサ走査形の接点情報多重伝送装置を設けてそれぞ
れの接点の開閉状態が一定周期で得られるようにする
と、全制御システムをデジタル化して構成するよりシス
テムが簡素になる。

【００１０】このような分散制御システムでは、接点情
報についてはフィールドの変動速度にくらべ充分に短い
周期で繰返し情報が得られるようにマルチプレクサの走
査サンプリング周期を設定するが、このように接点情報
をサンプリングするとき、万一あるサンプリング周期に
ノイズなどがもとで誤ったデータをサンプリングしても
引続くサンプリング周期に正しい接点情報が得られて制
御動作に大きな変動を惹起すことはないので、このよう
なシステムに適用する接点情報のサンプリング伝送手段
には正確さを極限まで要求する必要はなく、それより
も、システム内で統一されかつ比較的に応答の早いサン
プリング伝送システムであることが望ましい。たとえ
ば、コンベアによって移送される物体の大きさをコンベ
アに沿って多数配列した光スイッチによって検出して区
分する物体寸法区分手段などを構築する場合、配列した
光スイッチの開閉情報を比較的早い速度周期でサンプリ
ングして伝送する必要があり、従来技術によるマルチプ
レクサ走査式多重伝送装置では対応がむづかしいという
問題がある。

【００１１】本発明は、分散別制御システムにおいて接
点情報をマルチプレクサ走査式多重伝送装置によって伝
送するときの上記の問題点に鑑みなされた発明であり、
多数の接点情報でなる情報パターンを高速短周期でかつ
簡易な構成で送受する伝送手段を提供することを目的と
する。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明においては、制御
対象フィールドに配置された複数のスイッチの接点開閉
状態を接点の配列順位が桁を表す２進デジタルデータと
解釈し、この２進デジタルデータをアナログ変換して得
た計測統一規格の信号を計測統一信号伝送路を通じて伝
送すべく、接点情報多重伝送装置を複数のスイッチの接
点開閉状態が予め定めた接点の配列を順位とするデジタ
ルデータとして入力され、このデジタルデータに対応の
アナログ信号を出力するＤ／Ａ変換回路と、Ｄ／Ａ変換
回路の出力信号を計測統一信号として規格化して発信す
る送信回路と、Ｄ／Ａ変換回路におけるデジタルデータ
取込と送信回路からの変換アナログ信号の発信とを制御
する変換制御回路とからなる送信部と、送信部が送出す
るアナログ信号を受信する受信回路と、受信回路が出力
するアナログ信号を送信部に入力された接点の開閉状態
を意味する元のデジタルデータに戻す変換を行うＡ／Ｄ
変換回路と、Ａ／Ｄ変換回路が出力するデジタルデータ
を上位の制御装置等に転送するときにインタフェースと
して働くデジタル信号ポート、および上記のＡ／Ｄ変換
回路とデジタル信号ポートの作動を制御する通信制御部
とからなる受信部と、で構成する。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の１例を図１
に示す。図１において、11ないし1Nは制御対象フィール
ドの装置施設に配置された光スイッチ，リミットなどの
Ｎ個の接点であり、１は上記11ないし1Nの接点情報を入
力とし、例えば４〜20mAの計測統一信号として計測統一
信号伝送路５上に発信する送信部であり、Ｄ／Ａ変換回
路２と送信回路３およびマイクロプロセッサＭＰＵとク
ロックＣＬＫを主要素とする変換制御部４とで構成され
ている。

【００１４】一方、６は送信部１が発信する計測統一信
号としてのアナログ信号を受信し、このアナログ信号を
制御対象フィールドの各接点の開閉状態を意味するデジ
タルデータに変換して出力する受信部であり、Ａ／Ｄ変
換回路８と、計測統一信号４〜20mAとして入力される接
点情報をＡ／Ｄ変換回路８が受入可能な信号レベルに変
換するレベルシフト回路を主構成要素とする受信回路７
と、Ａ／Ｄ変換回路８が出力するデジタルデータを一時
保持し、上位の制御装置等からの指呼に応じて送出する
デジタル信号ポート９および上記のＡ／Ｄ変換回路８と
デジタル信号ポート９の作動を制御するマイクロプロセ
ッサＭＰＵとクロックＣＬＫを主構成要素とする通信制
御部10とで構成されている。

【００１５】図１の例では、制御対象フィールドに配置
した各種スイッチのＮ個の接点の組を、接点が閉のとき
１，開のときは０を意味し接点の配列順位が桁を表すＮ
桁の２進データを与える信号源と解釈している。ところ
で、Ｄ／Ａ変換回路は入力されるデジタルデータ各桁の
値に該桁に対応の重みを乗じて加算して入力デジタルデ
ータ値に対応のアナログ量を得る操作を行うものであ
り、２進データを処理するＤ／Ａ変換回路では重み付け
は通常２のべき乗に設定される。図１の例では、Ｎ個の
接点の開閉配列でなるＮ桁の２進データを、次上位の桁
の電流が２倍となるように電流を制限する制限抵抗を設
けた電流加算形のＤ／Ａ変換回路２に直接入力してお
り、入力接点数を４として４桁の２進データが入力され
るようにすると、４個の接点の開閉状態の組合せである
２の４乗の16通りの状態が、アナログ信号スパン４〜20
mAの１／16をピッチとするアナログ信号として発信さ
れ、入力接点数を８とすると２の８乗の265 通りの接点
開閉状態がアナログ信号フルスパンの１／256 をピッチ
とするアナログ信号として発信される。

【００１６】一方、受信部６では、送信部１から送信さ
れる計測統一信号としてのアナログ信号DC４〜20mAを、
送信部１に設けたＤ／Ａ変換回路２と同じ桁数のＡ／Ｄ
変換回路８で変換し、制御対象フィールドに設けられた
各接点の開閉状態の情報を接点の配列順位が桁を表すＮ
桁の２進データとして得ている。上記のように、複数の
接点の組でなる接点開閉状態を表わす２進データを一定
のスパンのアナログ信号に変換して伝送するとき、組を
なす接点の数をＮとすると、状態の違いを表わすアナロ
グ信号のピッチは２のＮ−１べき乗で分割されるので、
誤りない正確な接点状情を確保するには一組の接点の数
をあまり多く設定することは妥当でなく、８ないし最大
でも10接点程度に設定することが望ましい。そこで、多
数の接点情報の伝送処理を本発明にもとづく複数の伝送
装置で対応処理すべく、対をなす伝送部１と受信部６に
局アドレス番号が設定されるようにし、フィールド配置
された各接点は該接点が入力される送受信部１，６に設
定した局アドレスと接点の入力端子の配列順に対応して
設定した端子アドレスとによって同定されるようにし
て、この伝送装置の上位に設けられる制御・情報処理装
置をプログラムすればよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明による接点情報多重伝送装置にお
いては、フィールド配置された複数の接点を所定の個数
の群に組分けし、組分けした各群所定個数の接点の開閉
状態を２進化デジタルデータとしてとらえ、このデジタ
ルデータの値をＤ／Ａ変換して接点の開閉状態を表わす
アナログ信号を得てこれをアナログ計測統一信号規格の
伝送路を通じて伝送し、受信側では送信側のＤ／Ａ変換
回路と同じ桁数のＡ／Ｄ変換回路で２進デジタルデータ
に戻して接点開閉状態の情報を得るようにしているの
で、情報データの伝送はパラレル伝送と同等となって高
速短周期での接点情報の伝送が可能となり、状態変化が
早いシステムにおいても本伝送装置を適用して制御が可
能になるという効果が得られる。また、計測統一信号で
伝送される測定および制御信号と複数の接点信号とが共
存する小規模な制御システムにおいて、接点情報の伝送
に本発明による接点情報多重伝送装置を適用すると伝送
系をすべて計測統一信号に統合できるので、システムを
簡素に構築できその結果取扱も容易になるという効果も
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の接点情報多重伝送装置の構成図

【符号の説明】

１ 送信部 ２ Ｄ／Ａ変換回路 ３ 送信回路 ４ 変換制御部 ５ 計測統一信号伝送路 ６ 受信部 ７ 受信回路（レベルシフタ） ８ Ａ／Ｄ変換回路 ９ デジタル信号ポート 10 通信制御回路 101 デジタル入出力 11〜１N 接点

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】制御対象フィールドに配置された複数のス
   イッチの接点開閉状態が予め定めた接点の配列を順位と
   するデジタルデータとして入力され、該デジタルデータ
   に対応のアナログ信号を出力するＤ／Ａ変換回路と、該
   Ｄ／Ａ変換回路の出力信号を計測統一信号として規格化
   して発信する送信回路と、前記Ｄ／Ａ変換回路における
   デジタルデータ取込と送信回路からの変換アナログ信号
   の発信とを制御する変換制御回路とからなる送信部と、 前記送信部が送出するアナログ信号を受信する受信回路
   と、該受信回路が出力するアナログ信号を前記送信部に
   入力された接点の開閉状態を意味する元のデジタルデー
   タに戻す変換を行うＡ／Ｄ変換回路と、Ａ／Ｄ変換回路
   が出力するデジタルデータを上位の制御装置等に転送す
   るときにインタフェースとして働くデジタル信号ポー
   ト、および前記Ａ／Ｄ変換回路とデジタル信号ポートの
   作動を制御する通信制御部とからなる受信部と、 で構成されたことを特徴とする接点情報多重伝送装置。