JPH09237997A - 電子部品搬送装置,方法および電子部品装着システム - Google Patents

電子部品搬送装置,方法および電子部品装着システム

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JPH09237997A
JPH09237997A JP8338151A JP33815196A JPH09237997A JP H09237997 A JPH09237997 A JP H09237997A JP 8338151 A JP8338151 A JP 8338151A JP 33815196 A JP33815196 A JP 33815196A JP H09237997 A JPH09237997 A JP H09237997A
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JP
Japan
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cam
electronic component
component
holding head
rotating
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Application number
JP8338151A
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English (en)
Inventor
Kouichi Asai
鎬一 浅井
Shinsuke Suhara
信介 須原
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Fuji Corp
Original Assignee
Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品保持ヘッドの停止位置への到達時間ピッ
チが短く、かつ、停止位置精度が高く、安価な電子部品
搬送装置,方法,装着システムを提供する。 【解決手段】 フレーム60に固定の固定軸66に12
個の回動板70を一対ずつの軸受72を介して回動可能
に取り付ける。各回動板70は鼓形カム用ローラ88に
おいて4個の鼓形カム90a,90cのいずれかに係合
し、鼓形カム90a,90cの回転により回動する。回
動板70は部品保持ヘッド120を保持し、回動板70
の回動時に部品保持ヘッド120は固定カム128に案
内されて昇降し、部品吸着位置,部品装着位置において
部品保持ヘッド昇降装置260により昇降させられて電
子部品を吸着し、プリント基板に装着する。12個の回
動板70は別々に回動し、必要な停止位置にのみ停止す
るため、停止位置への到達時間ピッチが短く、かつカム
により精度良く停止位置に停止させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品を1個ずつ
順次搬送する電子部品搬送装置、電子部品搬送方法およ
びその電子部品搬送装置を備えて電子部品を1個ずつプ
リント基板等の装着対象材に装着する電子部品装着シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品を1個ずつ順次搬送する電子部
品搬送装置は、例えば、電子部品をプリント基板等の装
着対象材に装着する電子部品装着システムにおいて必要
である。この種の電子部品搬送装置の一種に、回転テー
ブルに、複数の部品保持ヘッドが間欠回転角度と同角度
間隔で保持される形式のものがある。回転テーブルの回
転につれて各部品保持ヘッドが電子部品を搬送し、回転
テーブルの停止中にそれら部品保持ヘッドの1つが部品
受取位置で電子部品を電子部品渡し装置から受け取り、
別の1つが部品引渡位置で電子部品を電子部品受取装置
に引き渡すのである。
【0003】しかし、この形式の電子部品搬送装置に
は、部品保持ヘッドが無駄な位置で停止するという問題
があった。複数の部品保持ヘッドが回転テーブルの間欠
回転につれて一斉に移動,停止するため、1個の部品保
持ヘッドに着目すれば、例えば部品受取位置と部品引渡
位置との2箇所で停止すればよい場合でも、回転テーブ
ル上における部品保持ヘッドの保持角度間隔と同じ角度
間隔の位置全てにおいて停止せざるを得ないのである。
また、回転テーブルの駆動装置は、回転テーブルとそれ
に保持されている複数の部品保持ヘッドから成る大きな
慣性質量を加速,減速する必要があり、容量の大きいも
のが必要となって装置コストが高くなるとともに、大き
な慣性質量の加速,減速に伴って大きな騒音,振動が発
生する。
【0004】回転テーブルに保持させる部品保持ヘッド
の数を必要な停止位置の数と同数にすれば、無駄に部品
保持ヘッドが停止することがなくなるのであるが、部品
保持ヘッドの1回の移動距離が大きくなり、そのため
に、1回の移動に要する時間が長くなるという別の問題
が発生する。回転テーブルの回転に伴って部品保持ヘッ
ドが描く円軌跡の直径は、実際に電子部品搬送装置を構
成する必要上、あるいは電子部品の搬送の目的上、一定
限度より小さくすることができないので、停止位置の数
を少なくすれば1回の移動距離が大きくなることを避け
得ないのである。
【0005】そこで、特開平6−77693号公報や特
開平6−45787号公報において、新しい電子部品搬
送装置が提案された。これらは、回転テーブルに複数の
部品保持ヘッドを等角度間隔で保持させる点では従来の
電子部品搬送装置と同じであるが、回転テーブルを一定
速度で連続的に回転させる一方、部品受取位置や部品引
渡位置で停止する必要のある部品保持ヘッドのみを、回
転テーブルに対して回転テーブルと同周速で逆向きに移
動させることによって、実質的に停止させるものであ
る。
【0006】このようにすれば、複数の部品保持ヘッド
のうち、真に停止する必要のあるもののみを停止させ、
他の部品保持ヘッドは回転テーブルと共に一定速度で回
転し続けさせればよいこととなる。そのため、テーブル
の駆動装置は比較的容量の小さいもので済んで装置コス
トが低減し、運転に伴う騒音,振動も減少する。しか
も、部品受取位置や部品引渡位置への部品保持ヘッドが
順次到達する時間ピッチを短くすることができる。従来
は、回転テーブル上の部品保持ヘッドの配設間隔を1ピ
ッチとする移動ピッチ毎に必ず、部品保持ヘッドの速度
0からの加速,速度0までの減速および一定時間の停止
が必要であったため、1移動ピッチの移動に要する最低
時間が長くなり、部品受取位置や部品引渡位置に部品保
持ヘッドが次々到達する到達時間ピッチも必然的に長く
なっていたのであるが、上記公報に記載の新しい電子部
品搬送装置においては、真に部品保持ヘッドが停止する
必要のある位置が2つ互いに隣接し合っていない限り、
部品保持ヘッドは、真に停止する必要のある停止位置を
含む移動ピッチ内に定速で進入し、速度0まで減速し、
その後一定時間停止すればよいため、従来より、ほぼ、
定速である角度移動するに要する時間と、その同じ角度
を上記定速まで加速しつつ移動するのに要する時間との
差と、停止時間の半分との和だけ、1ピッチ移動するの
に要する時間が短くて済み、その分だけ、真に停止する
必要のある位置における部品保持ヘッドの到達時間ピッ
チが短くなるのである。また、回転テーブルの質量は大
きいが、回転テーブルは等速で回転させられており、加
速,減速させられるのは回転テーブル上に設けられてい
る部品保持ヘッドであって、その質量が小さいため、加
速度および減速度を大きくしても振動,騒音が小さくて
済み、その分、更に能率を向上させることができる。ま
た、加速,減速すべきものの質量が小さいため、加速
度,減速度が同じである場合は慣性力が小さくて済み、
駆動装置を容量の小さいものにすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の電子部品搬送装置は、回転テーブルを連続回
転させつつ、それに保持されている部品保持ヘッドを逆
向きに同周速で移動させることによって、部品保持ヘッ
ドを見かけ上停止させるものであるため、部品保持ヘッ
ドを完全に停止させること、および停止位置の精度を向
上させることが困難であるという問題があった。回転テ
ーブルの周速と回転テーブルに対する部品保持ヘッドの
相対移動速度とを正確に一致させなければ部品保持ヘッ
ドを完全に停止させることができず、また、完全に停止
させ得たとしても、その停止位置の精度を向上させるた
めには、回転テーブルに対して部品保持ヘッドが逆向き
の相対移動を開始した後、同周速で移動し始めるタイミ
ングを精度よく制御する必要があり、それが困難である
からである。
【0008】また、回転テーブルと各部品保持ヘッドと
の間に、部品保持ヘッドを回転テーブルに対して相対移
動させる部品保持ヘッド移動装置をそれぞれ設ける必要
があり、しかも、それら部品保持ヘッド移動装置は上記
のように部品保持ヘッドの移動を高精度で制御し得るも
のであることが必要であるため、装置コストが高くなる
ことを避け得ないという問題もあった。本願の請求項1
に係る第1発明は、以上の事情を背景としてなされたも
のであり、したがってその課題は、前記公報に記載の電
子部品搬送装置の利点はそのまま享受しつつ、部品保持
ヘッドの停止位置の精度向上を容易にし、かつ、装置コ
ストの低減を可能にすることである。また、請求項2お
よび請求項3に係る第2発明および第3発明の課題は、
第1発明に係る電子部品搬送装置における回動運動付与
装置にカムを使用することにより、回動運動付与装置の
構成を簡単にし、かつ、部品保持ヘッドの停止位置精度
の向上を一層容易にすることである。請求項4に係る第
4発明の課題は、回動運動付与カムを回転駆動する回転
駆動源の負荷トルクの増大を回避することであり、請求
項5に係る第5発明の課題は、回動運動付与カムを回転
駆動する回転駆動源の負荷トルクを平準化することであ
る。請求項6に係る第6発明の課題は、回動運動付与装
置用のカムとして適切なものを選定することである。請
求項7に係る第7発明の課題は、隣接する鼓形カムの各
カム溝間におけるカムフォロワの乗移りを滑らかにする
ことであり、請求項8に係る第8発明の課題は、第7発
明におけるカムフォロワ解放防止手段として好適なもの
を得ることである。請求項9に係る第9発明の課題は、
第6発明におけるカムを複数個使用することにより、そ
れらカムのみによって、全ての回動体に回動運動を付与
し得るようにすることであり、請求項10に係る第10
発明の課題は、第9発明における複数のカムを同期して
回転させる装置を簡略化することである。請求項11に
係る第11発明の課題は、第1ないし第10発明におけ
る複数の回動体を共通の回動軸線のまわりに個々に回動
可能に支持する支持装置として適切なものを得ることで
ある。請求項12に係る第12発明の課題は、第1ない
し第11発明において、個々の回動体に保持されて各回
動体と共に共通の回動軸線のまわりを回動する複数の部
品保持ヘッドに確実に同じ運動軌跡を描かせることであ
る。請求項13に係る第13発明の課題は、第1ないし
第12発明に係る電子部品搬送装置を備えた電子部品装
着システムを得ることである。請求項14に係る第14
発明の課題は、第13発明に係る電子部品装着システム
において、電子部品の移動を止めることなく、部品保持
ヘッドによる電子部品の保持位置誤差を検出し得るよう
にすることである。請求項15に係る第15発明の課題
は、前記公報に記載の電子部品搬送方法の利点はそのま
ま享受しつつ、部品保持ヘッドを精度良く停止させるこ
とができ、かつ、安価に電子部品を搬送し得る方法を得
ることである。請求項16に係る第16発明の課題は、
回動体の振動を減少させ得るとともに、回動体を回動さ
せる装置の容量を小さくし得る方法を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
上記課題は、第1発明においては、電子部品搬送装置
を、共通の回動軸線のまわりに個々に回動可能な複数
の回動体と、それら複数の回動体に、それぞれ前記回
動軸線を一周するとともにその一周の間に1回以上の停
止を含み、かつ、互いに一定時間差を有する回動運動を
付与する回動運動付与装置と、前記複数の回動体にそ
れぞれ保持され、それぞれ電子部品を保持可能な部品保
持ヘッドとを含むものとすることにより解決される。
【0010】このように構成された電子部品搬送装置に
おいては、共通の回動軸線のまわりに回動可能な回動体
が、回動運動付与装置により個々に回動させられ、それ
ら回動体の各々に部品保持ヘッドが保持されているた
め、複数の部品保持ヘッドが共通の回動軸線のまわりに
個々に回動する。すなわち、複数の部品保持ヘッドのう
ちの一部のものが停止している間も他の部品保持ヘッド
は回動を続けるようにすることが可能であり、前記公報
に記載の電子部品搬送装置における回転テーブルの駆動
装置と同様に、回動運動付与装置が比較的容量の小さい
もので済んで装置コストが低減し、運転に伴う騒音,振
動が減少し、かつ、真に必要な停止位置における部品保
持ヘッドの到達時間ピッチを短くし得る効果が得られ
る。
【0011】その上、部品保持ヘッドを停止させるため
には、回動運動付与装置は回動体を停止させればよいた
め、前記公報に記載の電子部品搬送装置に比較して、部
品保持ヘッドを完全に停止させること、および停止位置
の精度を高くすることが容易である。また、複数の部品
保持ヘッドの各々と回転テーブルとの間に部品保持ヘッ
ド移動装置を設ける必要がないため、装置の構成が簡単
となり、装置コストを低減させることもできる。
【0012】本発明に係る電子部品搬送装置は、複数の
回動体に共通の回動軸線を中心とする回動軌跡上におい
て、電子部品を搬送開始位置とは異なる搬送終了位置へ
搬送する装置でもよく、あるいは電子部品を搬送開始位
置から回動軌跡を1周して搬送開始位置へ戻す装置でも
よい。後者の場合、搬送開始位置は搬送終了位置でもあ
ることとなる。例えば、電子部品搬送装置が電子部品を
電子部品保持装置から受け取って搬送し、回動体の回動
軌跡の途中に設けられた作業装置により作業が行われた
後(例えば撮像装置による撮像)、再び電子部品保持装
置へ戻すような場合、電子部品を回動体の回動軌跡に沿
って1周させることとなる。あるいは、本発明に係る電
子部品搬送装置が電子部品装着システムを構成する電子
部品装着装置であって、搬送用移動装置により部品供給
装置とプリント基板を位置決め保持する基板位置決め保
持装置との間で移動させられるのであれば、複数の回動
体の各々を回動により順次部品受取位置へ移動させて部
品保持ヘッドに部品供給装置から電子部品を受け取ら
せ、その後、電子部品装着装置を搬送用移動装置により
プリント基板上へ移動させ、複数の回動体を順次部品受
取位置へ移動させるとともに部品受取位置を部品装着箇
所上へ移動させて、電子部品を装着させることができ
る。電子部品の受取りと電子部品の装着とを同じ位置に
おいて行うことができるのであり、それにより、例え
ば、部品保持ヘッドが昇降して電子部品の受取り,装着
を行うのであれば、部品保持ヘッド昇降装置を1つ設け
るのみでよく、装置を簡易にかつ安価に構成することが
できる。
【0013】複数の回動体に共通の回動軸線は、発明の
実施の形態において説明するように垂直軸線でもよく、
あるいは傾斜軸線でもよい。回動軸線を傾斜させれば、
例えば、回動体を回動に伴って水平面に対して昇降させ
ることができる。また、本発明に係る電子部品搬送装置
が電子部品装着装置である場合、電子部品供給装置が傾
斜した状態で電子部品を供給し、プリント基板の電子部
品装着面が傾斜させられていても、電子部品を電子部品
供給装置から直角に取り出し、プリント基板に直角に装
着することができる。
【0014】部品保持ヘッドは、バキュームにより電子
部品を吸着する部品吸着具を含むものとしてもよく、あ
るいは複数の把持部材の開閉により電子部品を把持,解
放する部品把持具を含むものとしてもよい。
【0015】第2発明においては、前記課題が、第1発
明における回動運動付与装置を、複数の回動体の各々に
対してそれぞれ設けられたカムフォロワと、それらカム
フォロワに順次係合してカムフォロワを移動させること
により各回動体を回動させる少なくとも1個の回動運動
付与カムとを含むものとすることによって解決される。
カムを使用すれば、後に例示する実施の形態からも明ら
かなように、回動運動付与装置を構成の簡単なものとす
ることができ、しかも、真に停止することが必要な位置
において部品保持ヘッドを完全にかつ高い位置精度で停
止させることが容易になる。また、カムの設計により、
回動体の回動速度,停止位置,停止時間の長さを自由に
設定することが可能であるため、複数の位置において部
品保持ヘッドを停止させる必要があり、かつ、それら複
数の位置における必要停止時間が同じではない場合に、
停止時間が短くてよい停止位置においては停止の前後に
おける加速度および減速度を小さくし、その分回動体を
振動少なく回動させることも可能である。
【0016】第3発明においては、第1発明における回
動運動付与装置を、第2発明におけるカムフォロワおよ
び回動運動付与カムの他に、複数の回動体に共通の回動
軸線のまわりに等速回転する等速回転体と、その等速回
転体と前記回動体の各々とのいずれか一方に設けられ、
他方に係合,離脱可能な係合部材を備えた係合装置とを
含むものとすることによって課題が解決される。例え
ば、減速,停止および加速等を含む運動を回動体に付与
する必要がある領域では第2発明におけると同様な回動
運動付与カムおよびカムフォロワを使用し、単純な一定
速度の回動を付与すればよい領域では等速回転体および
係合装置を使用することが可能であり、それによって、
第2発明の効果を享受しつつ、回動運動付与装置の構成
を単純化することが可能な場合があるのである。
【0017】第4発明においては、第2発明または第3
発明における少なくとも1個の回動運動付与カムを1個
の回転駆動源により回転駆動される回転カムとし、その
少なくとも1個の回動運動付与カムを前記複数の回動体
の各々を複数の停止位置において互いにずれた時期に停
止させる形状を有するものとすることにより課題が解決
される。回動運動付与カムが複数個設けられ、それら複
数の回動運動付与カムのうちの少なくとも2個がそれぞ
れ、回動体を1個ずつ停止させる場合もあり、1個の回
動運動付与カムが、複数の回動体が同時に係合し得るも
のとされるとともに、それら複数の回動体の各々を複数
の停止位置で停止させる場合もある。いずれにしても、
複数の回動体の各々を複数の停止位置において互いにず
れた時期に停止させれば、停止位置の前後における各回
動体の減速および加速が一斉に起こることがなく、駆動
源の負荷トルクが少なくとも単純に加算されることがな
くなって、回動運動付与カムの回転むらや振動が抑制さ
れ、回動体の回動精度および停止位置精度の低下が回避
される。また、停止位置の各々に作業装置が設けられ、
電子部品に対して何らかの作業が行われる場合、停止時
期が同じとされる場合にはこれら作業装置の作動時期も
重なり合う場合が多く、各作業装置が共通の駆動源によ
り駆動される各カム装置により作動させられる場合に
は、それら複数のカム装置の負荷トルクの重なり合いも
回避することが望ましいのであるが、複数の停止位置に
おける停止時期がずらされれば、複数の作業装置の作動
時期も必然的にずらされることとなって、この点からも
振動,騒音等の低減が可能になる。特に、回動運動と作
業装置の作動との同期精度の向上等の目的で、回動運動
付与カムの回転駆動源と作業装置を作動させるためのカ
ム装置の駆動源とが共通にされる場合にはなおさらであ
る。回動運動付与カムは、カム溝を有するものとしても
よく、あるいは突条を有するものとしてもよい。カムフ
ォロワは、カム溝内を転動するローラ等の転動体を有す
るものとしてもよく、突条を幅方向の両側から挟んで移
動する一対のローラ等の転動体を有するものとしてもよ
い。
【0018】第5発明においては、第4発明における少
なくとも1個の回動運動付与カムを、前記複数の停止位
置の前後における複数の回動体の減速および加速に伴う
負荷トルクが互いに少なくとも一部を打ち消し合うこと
となる量だけ前記停止時期をずらす形状を有するものと
することにより課題が解決される。本発明に係る装置に
よれば、複数の停止位置の前後における複数の回動体の
減速および加速に伴う負荷トルクが互いに少なくとも一
部を打ち消し合うため、回転駆動源の負荷トルクの変動
が減少し、回動運動付与カムの回転むらや振動が少なく
なって、回動体の回動精度および停止位置精度が向上す
る効果が得られる。しかも、回動運動付与カムを、複数
の回動体の各々を複数の停止位置において互いにずれた
時期に停止させる形状とするだけで、回転駆動源のトル
ク変動を減少させることができ、回動運動付与カムとは
別に回転駆動源の負荷トルクを平準化する装置を設ける
場合に比較して、装置の大形化や入力軸に対する負荷慣
性二次モーメントの増大を回避しつつ、かつ安価に回転
駆動源のトルク変動を減少させることができる。また、
複数の回動体の少なくとも一部のもの同士が、停止位置
の前後における加速,減速によって生じる慣性力によっ
てそれら回動体群全体としてのトルク変動を減少させる
ものであるため、入力軸の角速度変動により、回動体群
全体としてのトルク変動の減少状況が影響を受けること
がなく、入力軸の角速度変動とは無関係にトルク変動減
少効果が得られる。さらに、複数の回動体は複数の停止
位置に停止するが、停止位置の数は回動体の数より少な
いため、複数の停止位置の各々における回動体の停止時
期がずらされていなくても、全回動体が一斉に停止させ
られる場合に比較して停止位置の前後における加速およ
び減速に伴う負荷トルクの重複が少なく、回転駆動源の
トルク変動が少なくて済むのであるが、停止時期がずら
されることにより、回転駆動源のトルク変動が一層少な
くて済み、装置自体の振動が減少し、また、回転駆動源
が電気エネルギに基づいて作動するものである場合、消
費電流が少なくて済む。
【0019】第6発明においては、第2発明ないし第5
発明のいずれか1つにおける回動運動付与カムを、複数
の回動体に共通の回動軸線を中心とする円弧を、その円
弧に対して前記共通の回動軸線とは反対側に位置すると
ともにその共通の回動軸線と直角に立体交差する軸線の
まわりに回転させた場合にその円弧が描く軌跡を外周面
とする鼓形カムとすることにより課題が解決される。上
記鼓形カムは、外周面において、複数の回動体に共通の
回動軸線を中心とする円弧に接することができる。した
がって、その外周面に適切なカム面、例えばカム溝やカ
ムリブを形成するとともに、鼓形カムをそれの軸線のま
わりに回転させれば、各回動体が鼓形カムに対応する角
度回動する間、各回動体に対応するカムフォロワがそれ
らカム溝やカムリブに係合し続け、回動体の回動運動が
規定され続けるようにすることができる。
【0020】第7発明においては、第6発明における前
記鼓形カムを、前記共通の回動軸線のまわりに少なくと
も2個、それら鼓形カムの軸線を含む一平面とそれら鼓
形カムの各外周面との交線の集合が前記共通の回動軸線
を中心とする実質的に連続した一円弧を描く状態で配設
し、かつ、それら互いに隣接する鼓形カムの外周面にそ
れぞれ形成されたカム溝の継ぎ目において前記カムフォ
ロワがカム溝の溝側面により両側から挟まれない解放状
態となることを回避するためのカムフォロワ解放防止手
段を設けることによって課題が解決される。少なくとも
2個の鼓形カムの各々に形成されたカム溝により、実質
的に連続した1つのカム溝を形成するとき、それらカム
溝の間には僅かながら隙間が生ずる。そのため、カムフ
ォロワが隣接するカム溝の継ぎ目を通過するとき、カム
フォロワはカム溝の溝側面により両側から挟まれない解
放状態となり、僅かではあるがカム溝間の隙間に入り込
み、カムフォロワの移動方向において下流側のカム溝の
開口端縁に当たり、衝撃,振動が生ずる。特に、カム溝
の両端部は、鼓形カムの軸線に直角な平面に対してリー
ド角を有する傾斜部とされており、鼓形カムのカム溝の
両端部を画定する一対の溝壁部のうち、一方は幅が狭
く、強度が低くなるため、予め削り落とされることが多
く、この場合には、カムフォロワがカム溝の溝側面によ
り両側から挟まれない状態となる領域が広くなり、衝
撃,振動が生じ易い。それに対し、カムフォロワ解放防
止手段を設ければ、カムフォロワはカム溝の継ぎ目を通
過するときにも溝側面により両側から挟まれているため
隙間に入り込むことがなく、衝撃,振動少なくスムーズ
にカム溝からカム溝へ乗り移ることができる。
【0021】第8発明においては、第7発明における鼓
形カムの外周面に形成されたカム溝を、広幅部とその広
幅部の底面に広幅部より狭い幅で形成された狭幅部とを
備えた2段カム溝とし、前記カムフォロワを、それら広
幅部と狭幅部とにそれぞれ嵌合し、互いに同軸かつ独立
に回転可能な大径ローラと小径ローラとを含み、これら
カム溝が2段カム溝であることと、カムフォロワの大径
ローラと小径ローラとを含むこととが前記カムフォロワ
解放防止手段を構成することにより課題が解決される。
カム溝の両端部は、鼓形カムの軸線に直角な平面に対し
てリード角を有する傾斜部の一部であって、鼓形カムの
軸線に直角な平面に対して傾斜させられており、大径ロ
ーラおよび小径ローラの広幅部および狭幅部の各溝側面
に接触する位置をつなぐ直線は、広幅部および狭幅部の
鼓形カムの端面に開口する位置をつなぐ直線に対して傾
斜させられている。そのため、カムフォロワが隣接する
カム溝の一方から他方へ乗り移るとき、大径ローラおよ
び小径ローラがそれぞれ、広幅部の端および狭幅部の端
に到達する時期が異なり、大径ローラが先に広幅部の端
に至るが、このとき小径ローラはまだ狭幅部の端に至っ
ておらず、大径ローラがカム溝の継ぎ目を通るとき、小
径ローラが溝側面によって両側から挟まれている。ま
た、小径ローラが狭幅部の端に至り、カム溝の継ぎ目を
通るときには、大径ローラが既に隣接する鼓形カムのカ
ム溝の広幅部の溝側面によって両側から挟まれる状態と
なっている。カムフォロワがカム溝の継ぎ目を通過する
とき、溝側面によって両側から挟まれない状態となるこ
とがないのであり、衝撃,振動等を生ずることなくスム
ーズにカム溝からカム溝へ乗り移ることができる。な
お、鼓形カムを突条(リブ)を有するものとし、カムフ
ォロワを一対のローラを有するものとする場合にも、各
ローラをそれぞれ、同軸かつ独立に回転可能な大径ロー
ラおよび小径ローラを含むものとし、突条を広幅部と狭
幅部とを有する2段突条とすることにより、カムフォロ
ワが隣接する2個の鼓形カムの一方から他方へ乗り移る
とき、カムフォロワが突条を両側から挟まれない状態が
生ぜず、乗移りがスムーズに行われるようにすることが
できる。
【0022】第9発明においては、第6発明ないし第8
発明のいずれか1つにおける鼓形カムを、複数の回動体
に共通の回動軸線を対称軸として軸対称に複数個配設
し、それら複数の鼓形カムの全軸線を含む一平面とそれ
ら複数の鼓形カムの各外周面との交線の集合が、実質的
に連続した一円周を描くようにすることによって課題が
解決される。複数の鼓形カムを、複数の回動体の全回動
領域を囲む状態で配設すれば、互いに隣接する鼓形カム
同士が、各回動体に対応するカムフォロワを順次受け渡
すことにより、各回動体を一周させることが可能にな
る。そして、鼓形カムとして、カム面の形状が互いに異
なる複数種類のものを予め準備しておき、ユーザの要求
に応じて適切なものを選択して取り付けるようにすれ
ば、停止位置の数や位置等を容易にユーザの要求に合わ
せることができ、かつ、要求が変わった場合でも鼓形カ
ムを交換することによって容易に要求の変化に対処する
ことができる。なお、互いに隣接する鼓形カムはカムフ
ォロワの受渡しを行う間のみ同速度で回転すればよく、
それ以外の時期には互いに異なる速度で回転し、あるい
は一方が回転している間他方が停止しているようにする
ことも可能である。
【0023】第10発明においては、第9発明における
複数の鼓形カムの各々を、軸方向の両端部にかさ歯車を
同軸にかつ一体的に備えたものとし、互いに隣接する鼓
形カムのかさ歯車同士を噛み合わせることによって課題
が解決される。このようにすれば、複数の鼓形カムの1
つを回転駆動すれば、全ての鼓形カムが正確に同期して
一斉に回転することとなり、カム回転駆動装置の構成が
単純になって装置コストの低減を図り得る。「鼓形カム
をかさ歯車を一体的に備えたものとし」とは、鼓形カム
そのものに直接かさ歯車を形成する場合は勿論、鼓形カ
ムとは別に形成したかさ歯車を鼓形カムに固定する場合
を含む。
【0024】第11発明においては、第1ないし第10
発明のいずれかに1つ係る電子部品搬送装置を、複数の
回動体に共通の回動軸線を中心とする支持軸と、その支
持軸の軸方向に互いに隔たった2箇所にそれぞれ1群ず
つ取り付けられ、各群が、互いに軸方向の位置を異にす
る前記複数の回動体と同数ずつの軸受を含む2つの軸受
群とを含むものとし、かつ、複数の回動体を、それら2
つの軸受群の各々に属する1個ずつの軸受であって互い
の軸方向の距離が等しい各対の軸受にそれぞれ支持され
る1対ずつの被支持アームを備えたものとすることによ
って課題が解決される。このようにすれば、各回動体を
共通の支持軸に、それぞれその支持軸の軸方向に十分離
れた2ヵ所で支持させることが可能となり、各回動体を
それぞれ支持軸の軸方向の1ヵ所で支持させる場合に比
較して、回動体の支持軸に対する相対的な傾きを抑制
し、部品保持ヘッドの停止位置の精度を向上させること
ができる。
【0025】第12発明においては、第1ないし第11
発明のいずれか1つに係る電子部品搬送装置を、複数の
回動体の回動につれてそれら回動体に保持されている部
品保持ヘッドに同じ運動軌跡を描かせる部品保持ヘッド
運動規定手段を含むものとすることによって課題が解決
される。このようにすれば、各部品保持ヘッドを個々の
回動体に保持させながら、全ての部品保持ヘッドに確実
に同じ運動軌跡を描かせることができる。
【0026】第13発明においては、電子部品装着シス
テムを、前記複数の回動体の各々が一周の間に少なくと
も2つの停止位置を有する第1ないし第12発明のいず
れか1つに係る電子部品搬送装置と、前記少なくとも2
つの停止位置の1つに対応して設けられ、前記部品保持
ヘッドに電子部品を供給する電子部品供給装置と、前記
少なくとも2つの停止位置の別の1つに対応して設けら
れ、前記部品保持ヘッドに保持された電子部品が装着さ
れる装着対象材を支持して位置決めする装着対象材支持
位置決め装置とを含むものとすることによって課題が解
決される。この電子部品装着システムにおいては、部品
保持ヘッドが少なくとも、電子部品供給装置が設けられ
た部品受取位置と装着対象材支持位置決め装置が設けら
れた部品装着位置とに停止させられ、その停止中に電子
部品供給装置から受け取った電子部品を部品装着位置へ
搬送し、装着対象材支持位置決め装置に支持され、位置
決めされている装着対象材に装着する。部品保持ヘッド
の停止中に電子部品の受取りと装着とが行われ、しかも
停止位置の精度確保が容易であるため、電子部品を装着
対象材の正確な位置に装着し得る。部品保持ヘッドに対
する電子部品の保持位置ずれ等を検出するための撮像位
置等、さらに別の位置で部品保持ヘッドを停止させる必
要がある場合には、回動運動付与装置の停止位置をそれ
ら必要な停止位置の数だけ増せばよい。
【0027】第14発明においては、第13発明に係る
電子部品装着システムに、前記電子部品供給装置から前
記装着対象材支持位置決め装置までの前記部品保持ヘッ
ドの移動経路の途中において、部品保持ヘッドにより保
持されて前記回動体の回動により装着対象材支持位置決
め装置に向かって搬送中の電子部品を撮像する撮像装置
を設けることによって課題が達成される。この電子部品
装着システムにおいては、部品保持ヘッドが電子部品供
給装置から受け取った電子部品を部品装着位置へ搬送す
るまでの間に、移動中の電子部品が撮像される。撮像
は、部品保持ヘッドおよび電子部品を停止させて行って
もよく、それらの移動中に行ってもよい。前者とすれば
撮像が容易になり、後者とすれば停止位置を少なくする
ことができる。
【0028】第15発明においては、前記課題が、共通
の回動軸線のまわりに個々に回動可能な複数の回動体の
各々にそれぞれ保持された部品保持ヘッドに電子部品を
保持させ、それら複数の回動体に、それぞれ前記回動軸
線を一周するとともにその一周の間に1回以上の停止を
含み、かつ、互いに一定時間差を有する回動運動を付与
することにより、前記複数の部品保持ヘッドおよびそれ
らに保持させた複数の電子部品の一部のものを前記回動
軸線まわりに回動させている最中に、別の一部のものを
予め定めた少なくとも1つの停止位置に停止させること
により解決される。本方法発明は、第1の装置発明に対
応するものであり、第1発明の作用の説明が実質的にそ
のまま当てはまり、回動体の回動時の騒音,振動が少な
く、部品保持ヘッドの停止位置への到達時間ピッチが短
く、かつ部品保持ヘッドの完全な停止および停止位置精
度の向上が容易であって、それらを安価に実現し得る方
法が得られる。
【0029】第16発明においては、前記課題が、前記
複数の部品保持ヘッドおよび電子部品の一部のものを複
数の停止位置に停止させ、かつ、それら複数の停止位置
における複数の部品保持ヘッドおよび電子部品の停止時
期を互いにずらすことにより解決される。本方法発明に
よれば、複数の停止位置のそれぞれについて停止する部
品保持ヘッドおよび電子部品の各停止位置の前後におけ
る減速および加速が一斉に起こることがなく、部品保持
ヘッドおよび電子部品を回動させる駆動源の負荷トルク
が少なくとも単純に加算されることがなくなり、回動体
が振動少なく、滑らかに回動させられて部品保持ヘッド
の回動精度,停止位置精度が向上する効果が得られる。
【0030】
【発明の補足説明】本発明は、前記請求項に記載の態様
の他に、以下の態様でも実施可能である。なお、各実施
態様項は前記請求項または他の実施態様項に従属する形
式で記載するが、複数項に従属する請求項または実施態
様項に従属する実施態様項は、必ずしもそれら複数項の
全てに従属するわけではなく、従属可能なものにのみ従
属するものとする。 (1)前記少なくとも1個の回動運動付与カムが、前記
複数の停止位置の前後における複数の回動体の減速およ
び加速に伴う負荷トルクが互いに最大限に打ち消し合う
こととなる量だけ前記停止時期をずらす形状を有する請
求項5ないし12のいずれか1つに記載の電子部品搬送
装置、または請求項13,14のいずれかに記載の電子
部品装着システム。 (2)前記少なくとも1個の回動運動付与カムが、前記
1個の回転駆動源により共通に駆動される複数の回動運
動付与カムであり、それら複数の回動運動付与カムの各
々が前記複数の回動体を予め定められた停止位置にそれ
ぞれ停止させるとともに、それら複数の停止位置の前後
における回動体の減速および加速に伴う負荷トルクが互
いに少なくとも一部を打ち消し合うこととなる量だけ停
止時期をずらす形状を有する請求項5ないし12,実施
態様項1のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置、ま
たは請求項13,14,実施態様項1のいずれか1つに
記載の電子部品装着システム。複数の回動体がそれぞれ
異なる回動運動付与カムにより停止させられる場合であ
っても、これら複数の回動運動付与カムは共通の回転駆
動源により駆動されるため、停止時期をずらせば、1つ
の回動運動付与カムの負荷トルクと、別の回動運動付与
カムの負荷トルクとの少なくとも一部が打ち消し合い、
回転駆動源の負荷トルクの変動が減少し、回動体を滑ら
かに回動させることができる。 (3)前記鼓形カムの外周面に形成されたカム溝が、横
断面形状が台形を成すV字形カム溝であり、前記カムフ
ォロワがそのV字形カム溝に対応したテーパを有するテ
ーパローラであって、これらカム溝がV字形カム溝であ
ることとカムフォロワがテーパローラであることとが前
記カムフォロワ解放防止手段を構成している請求項7,
9ないし12,実施態様項1,2のいずれか1つに記載
の電子部品搬送装置、または請求項13,14,実施態
様項1,2のいずれか1つに記載の電子部品装着システ
ム。 (4)前記鼓形カムの互いに隣接するものの端面の外周
部が上記一平面上において互いに平行に近接するテーパ
面を成すとともに、それらテーパ面の上記一平面上にお
ける母線が、それら母線上の任意の一点から前記共通の
回動軸線への垂線に対して上記一平面内において傾斜さ
せられており、その傾斜させられていることが前記カム
フォロワ解放防止手段を構成している請求項7,9ない
し12,実施態様項1,2のいずれか1つに記載の電子
部品搬送装置、または請求項13,14,実施態様項
1,2のいずれか1つに記載の電子部品装着システム。 (5)前記鼓形カムの外周面に形成されたカム溝の前記
広幅部と狭幅部との中心線が僅かにずらされている請求
項8ないし12,実施態様項1,2のいずれか1つに記
載の電子部品搬送装置、または請求項13,14,実施
態様項1,2のいずれか1つに記載の電子部品装着シス
テム。 (6) 前記部品保持ヘッドの各々が前記複数の回動体
の各々に、前記共通の回動軸線に平行な方向に相対移動
可能に保持されており、かつ、前記部品保持ヘッド運動
規定手段が、前記共通の回動軸線を中心とする円筒面に
沿って形成され、共通の回動軸線に平行な方向の位置が
漸変する部分を有する固定カムと、前記部品保持ヘッド
の各々に対して設けられ、それぞれ前記固定カムと係合
する固定カム用カムフォロワとを含む請求項12,実施
態様項1ないし5のいずれか1つに記載の電子部品搬送
装置、または請求項13,14,実施態様項1ないし5
のいずれか1つに記載の電子部品装着システム。固定カ
ムは、上記共通の回動軸線を中心とする円筒面に形成さ
れたカム溝を有する円筒溝カムでもよく、あるいは円筒
リブカムでもよく、あるいは端面カムでもよい。 (7)前記部品保持ヘッド運動規定手段が、前記複数の
回動体の回動につれて前記複数の部品保持ヘッドが前記
共通の回動軸線を中心とする一円周に沿って回動する相
対位置で各部品保持ヘッドを各回動体に固定する固定手
段を含む請求項12,実施態様項1ないし5のいずれか
1つに記載の電子部品搬送装置、または請求項13,1
4,実施態様項1ないし5のいずれか1つに記載の電子
部品装着システム。部品保持ヘッド運動規定手段は、発
明の実施の形態の項において説明するように部品保持ヘ
ッドを回動体の回動に伴って昇降させるものに限らず、
通常は回動体に固定して回動体と共に一定の高さで回動
させ、予め定められた停止位置、例えば、電子部品装着
システムであれば、部品受取位置や部品装着位置におい
て固定を解除し、部品保持ヘッド移動装置により共通の
回動軸線に平行な方向に移動させるものとしてもよい。
また、例えば、電子部品装着システムにおいて電子部品
供給装置やプリント基板支持位置決め装置が昇降して部
品保持ヘッドに電子部品を吸着、装着させるのであれ
ば、部品保持ヘッドを回動体に常時固定したままにする
ことができる。 (8)さらに、前記複数の回動体の各々に保持された前
記部品保持ヘッドを回動体に対して相対的に前記共通の
回動軸線に平行な方向に移動させる部品保持ヘッド移動
装置を含む請求項1ないし12,実施態様項1ないし7
のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置、または請求
項13,14,実施態様項1ないし7のいずれか1つに
記載の電子部品装着システム。 (9)前記共通の回動軸線が上下方向に延びており、前
記部品保持ヘッド運動規定手段が、前記回動体の停止位
置のうちの少なくとも1つにおける前記部品保持ヘッド
の高さを少なくとも2段階に選択的に変更する停止位置
高さ変更装置を含む請求項1ないし12,実施態様項1
ないし8のいずいれか1つに記載の電子部品搬送装置、
または請求項13,14,実施態様項1ないし8のいず
れか1つに記載の電子部品装着システム。 (10)前記固定カムが、前記円筒面に沿って形成さ
れ、幅の狭い狭幅部と幅の広い広幅部とそれら狭幅部と
広幅部との間において広幅部の幅から狭幅部の幅まで幅
が漸変する幅変化部とを有するカム溝を備え、そのカム
溝の前記広幅部が前記少なくとも1つの停止位置に設け
られていることと、前記固定カム用カムフォロワをその
カム溝の両側壁の各々に向かって選択的に付勢する高さ
変更用付勢手段とによって前記停止位置高さ変更装置が
構成されている実施態様項9に記載の電子部品搬送装
置、または電子部品装着システム。 (11)前記高さ変更用付勢手段が、エアの供給状態の
切換えにより、ピストンロッドがシリンダチューブから
延び出そうとする状態と、シリンダチューブ内に引っ込
もうとする状態とに切換えが可能な高さ変更用エアシリ
ンダを含む実施態様項10に記載の電子部品搬送装置、
または電子部品装着システム。 (12)前記固定カムの前記少なくとも1つの停止位置
に設けられた前記広幅部を形成する部分の少なくとも一
部が、固定カムの他の部分から分離されて前記共通の回
動軸線に平行な方向に移動可能な可動部とされており、
その可動部と、その可動部を前記共通の回動軸線に平行
な方向に移動させる可動部移動装置とによって前記部品
保持ヘッド移動装置が構成されている実施態様項10ま
たは11に記載の電子部品搬送装置、または電子部品装
着システム。 (13)前記固定カムの前記少なくとも1つの停止位置
に対応する部分が、固定カムの他の部分から分離されて
前記共通の回転軸線に平行な方向に移動可能な可動部と
されており、その可動部と、その可動部を前記共通の回
動軸線に平行な方向に移動させる可動部移動装置とによ
って前記部品保持ヘッド移動装置が構成されている実施
態様項8に記載の電子部品搬送装置、または電子部品装
着システム。 (14)前記可動部移動装置が、前記可動部の前記共通
の回動軸線に平行な方向の移動ストロークを変更する移
動ストローク変更装置を含む実施態様項12または13
に記載の電子部品搬送装置、または電子部品装着システ
ム。 (15)前記回動運動付与装置が、前記回動体の停止位
置の少なくとも1つにおいて、回動体の回動方向の位置
を少なくとも第1位置と第2位置とに選択的に変更する
回動体位置変更装置を含む請求項1ないし12,実施態
様項1ないし14のいずれか1つに記載の電子部品搬送
装置、または請求項13,14,実施態様項1ないし1
4のいずれか1つに記載の電子部品装着システム。 (16)前記鼓形カムが前記外周面にその鼓形カムの軸
線に直角な平面に対してリード角を有する傾斜部とリー
ド角を有しない直角部とを含むカム溝を備え、そのカム
溝の、前記直角部の少なくとも一部がそのカム溝の一般
的な部分である狭幅部より幅の広い広幅部とされ、その
広幅部と前記狭幅部との間の部分が広幅部の幅から狭幅
部の幅まで幅が漸変する幅変化部とされており、かつ、
そのカム溝の広幅部と、前記共通の回動軸線のまわりに
等速回転する等速回転体と、その等速回転体と前記複数
の回動体の各々との間に設けられ、前記カムフォロワと
して前記鼓形カムと係合する鼓形カム用カムフォロワを
そのカム溝の両側壁の各々に向かって選択的に付勢する
停止位置変更用付勢手段とによって前記停止位置変更装
置が構成されている実施態様項15に記載の電子部品搬
送装置、または電子部品装着システム。 (17)前記停止位置変更用付勢手段が、エアの供給状
態の切換えにより、ピストンロッドがシリンダチューブ
から延び出そうとする状態と、シリンダチューブ内に引
っ込もうとする状態とに切換えが可能な停止位置変更用
エアシリンダを含む実施態様項16に記載の電子部品搬
送装置、または電子部品装着システム。 (18)前記撮像装置が、ストロボ付高速度カメラを含
む請求項14,実施態様項1ないし17のいずれか1つ
に記載の電子部品装着システム。ストロボ付高速度カメ
ラは、電子部品が通過するとき、電子部品に強い光を照
射して撮像する。電子部品は移動しているが、シャッタ
速度をきわめて大きくするか、照明時間をごく短くする
ことにより、電子部品をあたかも静止しているかのよう
に撮像することができる。 (19)前記撮像装置が、ラインセンサを含む請求項1
4,実施態様項1ないし17のいずれか1つに記載の電
子部品装着システム。ラインセンサは、一直線状に並べ
られた多数の撮像素子を有し、回動体の回動軸線を中心
とする円の半径方向に長く延びる姿勢で設けられ、一定
時間毎に電子部品を撮像する。撮像は、回動体が部品受
取位置から部品装着位置へ移動するまでの間の等速で回
動する領域で行われ、電子部品の像は、その移動方向に
おいて1ライン分ずつ分けて撮像され、電子部品がライ
ンセンサを通過し終わったとき、電子部品の全体像のデ
ータが得られる。ラインセンサによる撮像の繰返しと部
品保持ヘッドの移動とによって電子部品の2次元像が得
られるのである。ただし、部品保持ヘッドは回動してお
り、電子部品のラインセンサに対する角度が撮像毎に異
なるため、この角度の変化を考慮して2次元像を構成す
ることが必要である。 (20)前記係合部材が前記等速回転体に、前記共通の
回動軸線と平行な方向に移動可能に設けられた係合ピン
であり、前記共通の回動軸線を中心とする円筒面に沿っ
て形成され、共通の回動軸線に平行な方向の位置が漸変
する部分を有する固定の係合用カムと、前記係合ピンと
一体的に設けられ、前記係合用カムと係合する係合用カ
ム用カムフォロワとを含む係合部材係合・離脱装置によ
り駆動される請求項3ないし12,実施態様項1ないし
17のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置、または
請求項13,14,実施態様項1ないし19のいずれか
1つに記載の電子部品装着システム。この態様の電子部
品搬送装置または電子部品装着システムにおいては、等
速回転体が回転させられるとき、係合ピンが等速回転体
と共に回転させられるとともに、係合用カム用カムフォ
ロワが係合用カムに沿って移動し、複数の回動体に共通
の回動軸線に平行な方向の位置が漸変する部分を移動す
るとき、係合用カム用カムフォロワが昇降させられる。
それにより係合ピンが昇降させられて回動体に係合,離
脱させられ、回動体に係合した状態では、回動体は等速
回転体により等速回動させられる。等速回転体の回転を
利用して係合ピンを回動体に係合,離脱させることがで
き、係合装置を簡易にかつ安価に構成することができ
る。係合用カムは、円筒溝カムでもよく、円筒リブカム
でもよく、あるいは端面カムでもよい。 (21)前記複数の回動体のすべてを共通の駆動装置に
より回動させるとともに、前記複数の停止位置の前後に
おける複数の回動体の減速および加速に伴う駆動装置の
負荷トルクが互いに少なくとも一部を打ち消し合うよう
に前記停止時期をずらす請求項16に記載の電子部品搬
送方法。 (22)前記負荷トルクの最大値が、1個の回動体の停
止位置の前後における減速および加速に伴う負荷トルク
の最大値より小さくなるように前記停止時期をずらす実
施態様項21に記載の電子部品搬送方法。 (23)前記複数の回動体の回動につれてそれら回動体
に保持されている複数の部品保持ヘッドおよびそれら部
品保持ヘッドに保持されている電子部品にそれぞれ、前
記回動軸線に平行な方向の位置が変化する運動軌跡を描
かせる請求項15,16,実施態様項21,22のいず
れか1つに記載の電子部品搬送方法。 (24)前記少なくとも1つの停止位置の各々を、電子
部品の搬送作業中に少なくとも2段階にシフトさせる請
求項15,16,実施態様項21ないし23のいずれか
1つに記載の電子部品搬送方法。 (25)前記少なくとも1つの停止位置の少なくとも1
つにおいて、前記部品保持ヘッドの前記回動軸線に平行
な方向の位置を電子部品の搬送作業中に少なくとも2段
階にシフトさせる請求項15,16,実施態様項21な
いし24のいずれか1つに記載の電子部品搬送方法。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、第1,第2,第6,第9な
いし第12発明に共通の一実施形態であり、第15の方
法発明の実施に使用される電子部品搬送装置を備え、第
13,第14発明に共通の一実施形態である電子部品装
着システムを図面に基づいて詳細に説明する。図1にお
いて10はベースである。ベース10上には、電子部品
搬送装着装置12,電子部品供給装置14およびプリン
ト基板支持位置決め装置16等が設けられている。電子
部品供給装置14は、カートリッジ支持台20上に部品
供給部が一直線状に並ぶ状態で取り付けられた多数の電
子部品供給カートリッジ22(以下、カートリッジ22
と略称する)を有する。
【0032】カートリッジ支持台20は、図示しないナ
ットにおいてねじ軸24に螺合されており、ねじ軸24
が駆動源の一種であるカートリッジ移動用サーボモータ
26によって回転させられることにより、カートリッジ
支持台20は1対の直線状の案内部材たるガイドレール
28により案内されて、カートリッジ22が並ぶ方向で
あるX軸方向に移動させられ、多数のカートリッジ22
のうちの1つが部品供給位置に位置決めされる。これら
図示しないナット,ねじ軸24およびカートリッジ移動
用サーボモータ26等がカートリッジ移動装置30を構
成している。
【0033】プリント基板支持位置決め装置16は、カ
ートリッジ22より下側に設けられ、X軸方向に移動す
るX軸テーブル34と、X軸テーブル34上に設けら
れ、水平面内においてX軸と直交するY軸方向に移動す
るY軸テーブル36とを有する。Y軸テーブル36上に
は、装着対象材たるプリント基板38を位置決めし、保
持する基板保持装置(図示省略)が設けられている。X
軸テーブル34は、ねじ軸40が駆動源の一種であるX
軸移動用サーボモータ42によって回転させられること
により、直線状の案内部材たるガイドレール44に案内
されてX軸方向に移動し、Y軸テーブル36は、ねじ軸
46が駆動源の一種であるY軸移動用サーボモータ48
によって回転させられることにより、直線状の案内部材
たるガイドレール50に案内されてY軸方向に移動し、
プリント基板38はこれらX軸テーブル34,Y軸テー
ブル36の移動により水平面内の任意の位置へ移動させ
られ、多数の部品装着箇所が順次部品装着位置に位置決
めされる。X軸テーブル34は一部が電子部品搬送装着
装置12の下を通ってカートリッジ22の下に入り込ん
でいる。なお、プリント基板38は、図示しないプリン
ト基板搬入コンベアおよびプリント基板搬出コンベアに
よりX軸方向に搬送され、基板保持装置に搬入,搬出さ
れる。
【0034】電子部品搬送装着装置12は、電子部品供
給装置14およびプリント基板支持位置決め装置16の
上方に設けられている。電子部品搬送装着装置12は、
電子部品供給装置14から電子部品を受け取って搬送
し、プリント基板38に引き渡すのであるが、この引渡
しがすなわち装着であり、電子部品搬送装着装置12
は、電子部品搬送装置であるとともに電子部品装着装置
なのである。電子部品搬送装着装置12の装置本体の構
成部材であるフレーム60(図2参照)は、前記ベース
10に固定の図示しない支持部材により支持され、ベー
ス10の上方に配設されている。フレーム60は、断面
形状がコの字形を成す取付部材62と、取付部材62の
一対の側壁にわたって水平に固定された支持部材64と
を有する。
【0035】フレーム60の支持部材64には、円形断
面の支持軸たる固定軸66の上端部が固定されている。
固定軸66の下端部は、取付部材62の底壁67に設け
られた開口69を通ってフレーム60外へ突出させられ
るとともに、フレーム60の下方に配設され、前記ベー
ス10に固定の支持板68に固定されている。固定軸6
6は上下方向に設けられているのである。固定軸66に
は、図2および図3に示すように、12個の回動体たる
回動板70が各々1対ずつの軸受72により、固定軸6
6の軸線まわりに回動可能に取り付けられている。固定
軸66の垂直な軸線が12個の回動板70に共通の回動
軸線なのである。
【0036】固定軸66の軸方向、すなわち上下方向に
隔たった2箇所にはそれぞれ、12個の軸受72を1群
とし、それら12個の軸受72が互いに軸方向の位置を
異にする軸受群74が取り付けられている。12個の回
動板70はそれぞれ、1対ずつの被支持アーム76を備
えている。12個の回動板70の1対ずつの被支持アー
ム76はそれぞれ、2つの軸受群74の各々に属する1
個ずつの軸受72であって、互いの軸方向の距離が等し
い各1対の軸受72により支持されている。
【0037】被支持アーム76は、図4に示すように、
円環状の嵌合部78と、嵌合部78の周方向の一部から
半径方向外向きに延び出させられた腕部80とを有し、
1対の被支持アーム76の各腕部80は連結部82によ
り連結されている。1対の被支持アーム76の各腕部8
0の一部および連結部82は回動板70に固定され、各
嵌合部78はそれぞれ、1対の軸受72の各アウタケー
シング84に嵌合されるとともに、図示しない複数本の
ボルトにより固定されている。12対の各被支持アーム
76の各回動板70に対する回動軸線に平行な方向の固
定位置は、回動板70毎に異ならされており、12個の
回動板70は回動軸線に平行な方向において互いに干渉
することなく、固定軸66の同じ高さの位置に取り付け
られている。12対の被支持アーム76は、各対毎に上
記回動軸線に平行な方向の位置を異ならされ、それによ
り12個の回動板70は、共通の回動軸線である固定軸
66の軸線方向(高さ方向)の位置を変えることなく、
一定の高さで回動させられるのである。なお、一対の腕
部80および連結部82にはリブ86が一体的に設けら
れているが、リブ86は、図3に破線で示すように、固
定軸66側ほど幅が狭くされ、隣接する回動板70のリ
ブ86や腕部80との干渉が回避されている。また、回
動板70の下部は、フレーム60の底壁67に形成され
た開口69を通って下方へ突出させられている。
【0038】12個の回動板70の固定軸66とは反対
側の端面にはそれぞれ、図2に示すように、カムフォロ
ワたる鼓形カム用ローラ88が固定軸66の軸線と直交
する軸線のまわりに回転可能に取り付けられるととも
に、図3に示すように、前記フレーム60に回転可能に
取り付けられた4個の鼓形カム90a,90b,90
c,90dの各カム溝92a,92b,92c,92d
に回転可能に嵌合されている。なお、図3においては図
示の容易化のために12個の回動板70が等角度間隔で
図示されている。
【0039】4個の鼓形カム90a,90b,90c,
90dの各外周面93a,93b,93c,93dは、
12個の回動板70に共通の回動軸線である固定軸66
の軸線を中心とする円弧を、その円弧に対して上記共通
の回動軸線とは反対側に位置するとともに、その共通の
回動軸線と直角に立体交差する軸線のまわりに回転させ
た場合にその円弧が描く軌跡を成す。これら鼓形カム9
0a,90b,90c,90dは、固定軸66の軸線を
対称軸として軸対称に配設され、4個の鼓形カム90
a,90b,90c,90dの全軸線を含む一平面(水
平面)と、それら4個の鼓形カム90a,90b,90
c,90dの各外周面との交線の集合は、実質的に連続
した一円周を描き、カム溝92a,92b,92c,9
2dは実質的につながっている。
【0040】鼓形カム90a,90b,90c,90d
にはそれぞれ、図3に示すように、回転軸94a,94
b,94c,94dが固定されるとともに、フレーム6
0の取付部材62に固定の1対ずつのブラケット96
a,96b,96c,96dにより回転可能に支持され
ている。4個の鼓形カム90a〜90dの各々の軸方向
の両端部にはそれぞれ、かさ歯車98a,100a,9
8b,100b,98c,100c,98d,100d
が同軸にかつ一体的に設けられており、互いに隣接する
鼓形カム90a〜90dのかさ歯車同士は互いに噛み合
わされている。
【0041】鼓形カム94aに取り付けられた回転軸9
4aは長く、図3に示すように、フレーム60に固定の
別のブラケット104によって回転可能に支持されると
ともに、タイミングプーリ106が固定されている。こ
のタイミングプーリ106と、駆動源の一種である電動
モータたる駆動用サーボモータ108の出力軸に固定の
タイミングプーリ110とはタイミングベルト112に
よって連結されており、回転軸94aは駆動用サーボモ
ータ108により回転させられる。それにより、鼓形カ
ム90aが回転させられるとともに、かさ歯車98a〜
98dとかさ歯車100a〜100dとの噛合いによっ
て、鼓形カム90a,90b,90c,90dが正確に
同期して一斉に回転させられ、12個の回動板70が回
動あるいは停止させられる。
【0042】本電子部品搬送装着装置12において回動
板70は、部品吸着ステーション,撮像ステーションお
よび部品装着ステーションで停止させられる。各ステー
ションにはそれぞれ、図5に示すように、部品受取位置
である部品吸着位置,撮像位置,部品装着位置が1つず
つ設定されている。電子部品供給装置14はベース10
の部品吸着位置近傍に対応する位置に設けられ、撮像装
置を構成するCCDカメラ114(図9参照)は電子部
品搬送装着装置12の装置本体の撮像位置近傍に対応す
る位置に設けられ、プリント基板支持位置決め装置16
はベース10の部品装着位置近傍に対応する位置に設け
られている。
【0043】鼓形カム90aはフレーム60の部品装着
位置近傍に対応する位置に設けられ、鼓形カム90cは
部品吸着位置近傍に対応する位置に設けられ、鼓形カム
90dは撮像位置近傍に対応する位置に設けられてい
る。そのため、カム溝92a,92c,92dはそれぞ
れ、各位置における作業の間は回動板70が停止し、そ
の前後においてそれぞれ加速および減速し、鼓形カム用
ローラ88のカム溝92a,92c,92dへの進入時
および退出時には、一定角速度で回動するように形成さ
れている。カム溝92a,92c,92dは、鼓形カム
90a,90c,90dの回転軸線に直角な平面に対し
てリード角を有する傾斜部と、リード角を有しない直角
部とを含むのである。傾斜部は、曲線状の部分と直線状
の部分とを含む。また、カム溝92bは、鼓形カム90
bの回転軸線に直角な平面に対してリード角を有する直
線状の傾斜部のみを含むとともに、リード角の大きさ
は、回動板70が上記一定角速度で回動する大きさとさ
れている。
【0044】なお、部品装着ステーションから部品吸着
ステーションに至る経路の中間部には、図示は省略する
が、電子部品収容器が設けられている。この電子部品収
容器が設けられた領域を部品排出領域と称する。電子部
品収容器は、後述する部品保持ヘッドの下方に、部品保
持ヘッドの回動軌跡に沿って設けられており、部品吸着
ノズルにより吸着された電子部品の姿勢が修正不可能な
ほどずれていたり、装着すべき電子部品とは異なる種類
の電子部品が吸着される等の吸着エラーが発生したと
き、電子部品がプリント基板38に装着されず、回動板
70が部品装着ステーションから部品吸着ステーション
へ移動する途中で停止することなく、電子部品が電子部
品収容器に捨てられるようにされている。
【0045】12個の回動板70はそれぞれ、図2に示
すように部品保持ヘッド120を保持している。回動板
70には、案内部材たる1対のガイドブロック122が
上下方向に距離を隔てて固定されるとともに、移動部材
の一種である昇降部材たる昇降板124が上下方向に移
動可能に嵌合されている。昇降板124の上部には、固
定カム用カムフォロワたる固定カム用ローラ126が固
定軸66の軸線と直交する軸線のまわりに回転可能に取
り付けられるとともに、下部に部品保持ヘッド120が
取り付けられている。
【0046】フレーム60の底壁67の下面(外面)に
は、円筒状の固定カム128が固定軸66と同心に固定
されており、固定カム用ローラ126は、固定カム12
8の固定軸66の軸線を中心とする円筒状の内周面に沿
って形成されたカム溝130に回転可能に嵌合されてい
る。カム溝130は、固定軸66の軸線に平行な方向の
位置、すなわち高さが周方向において滑らかに変化する
部分と、高さが周方向において変化せず、一定で水平な
部分とを有する。カム溝130は、部品保持ヘッド12
0が部品吸着位置において上昇端に位置し、部品装着位
置において下降端に位置するとともに、部品吸着位置,
部品装着位置および撮像位置の前後では水平に移動する
ように形成されており、回動板70が回動させられ、固
定カム用ローラ126がカム溝130の高さが周方向に
おいて滑らかに変化する部分を移動するとき、昇降板1
24が昇降させられ、部品保持ヘッド120が昇降させ
られる。
【0047】昇降板124の下端部には、図6に示すよ
うに、ブラケット136が固定されるとともに、中空の
鞘軸138が軸受140,142を介して相対回転可能
かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。鞘軸13
8内には、中軸144が相対回転可能かつ軸方向に相対
移動不能に嵌合されている。鞘軸138のブラケット1
36から突出した下端部には、コの字形断面の取付部1
46が設けられており、取付部146の1対の側壁部1
48,150に両端部を固定された支持軸152には、
ノズル保持体154が回転可能に嵌合されている。
【0048】ノズル保持体154には、6個のノズル嵌
合穴156が支持軸152の軸線を中心とする一円周上
に等角度間隔に設けられており、各ノズル嵌合穴156
に部品吸着ノズル158が軸方向に相対移動可能かつ相
対回転不能に嵌合されるとともに、付勢手段の一種であ
る弾性部材としての圧縮コイルスプリング160によ
り、ノズル嵌合穴156から突出する向きに付勢されて
いる。部品吸着ノズル158のノズル嵌合穴156から
の抜出しおよび回転は、部品吸着ノズル158に嵌合さ
れた図示しない係合部材たる係合ピンが、ノズル保持体
154に設けられた図示しない係合凹部たるピン係合溝
の端に係合することにより防止されている。6個の部品
吸着ノズル158は、それぞれ大きさの異なる電子部品
を吸着するものであって、吸着管162の直径が6段階
に異ならされており、反射板163の大きさは2段階に
異ならされている。また、6個の部品吸着ノズル158
の各吸着管162は長さが等しくされており、吸着管1
62の先端はノズル保持体154の回転軸線を中心とす
る一円周上に位置させられている。
【0049】6個の部品吸着ノズル158は、後述する
ように、ノズル保持体154の回転により選択的に作動
位置、すなわち軸線が垂直方向に位置し、かつ吸着管1
62が下向きとなる位置に位置決めされる。作動位置に
位置する部品吸着ノズル158の軸線は、鞘軸138の
軸線と一致する。
【0050】部品吸着ノズル158はバキュームにより
電子部品164を吸着する。そのため、図6に示すよう
に、ノズル保持体154,支持軸152,側壁部15
0,中軸144,鞘軸138およびブラケット136に
それぞれ通路168,170,172,174,17
6,177が形成されて、部品吸着ノズル158とブラ
ケット136に取り付けられた切換装置178とが接続
されるとともに、切換装置178の切換えにより、部品
吸着ノズル158は図示しないバキューム源と大気とに
選択的に連通させられる。バキューム源から供給される
バキュームは、図示しない配管により、固定軸66内に
設けられた通路(図示省略)に供給され、固定軸66か
ら図示しないロータリバルブを経て12本のホース(図
示省略)により12個の切換装置178の各々に供給さ
れる。ロータリバルブは、固定軸66の2つの軸受群7
4が設けられた部分より下側の部分に設けられ、支持板
68上に設けられたサーボモータ(図示省略)の回転が
タイミングプーリおよびタイミングベルトにより伝達さ
れ、常時、回動板70の定速回動時の角速度と同じ角速
度で定速回転させられて、切換装置178がバキューム
源に接続された状態に保たれる。回動板70が停止する
際には、切換装置178とロータリバルブとが僅かに相
対回転することとなるが、この相対回転はホースの撓み
により許容される。
【0051】切換装置178は、図示は省略するが、電
磁方向切換弁を有しており、その切換えにより、部品吸
着ノズル158がバキューム源と大気とに択一的に連通
させられ、電子部品164を吸着し、解放する。なお、
支持軸152内に形成された通路170は、作動位置に
位置決めされた部品吸着ノズル158について設けられ
た通路168に連通させられる。
【0052】支持軸152には歯車180が回転可能に
取り付けられ、ノズル保持体154に連結部材たるピン
182によって相対回転不能に連結されるとともに、前
記側壁部148に回転可能に取り付けられた支持軸18
4に固定の歯車186と噛み合わされている。これら歯
車180,186の径は同じである。歯車186には、
かさ歯車188が一体的に設けられるとともに、前記中
軸144の下端部に設けられたかさ歯車190に噛み合
わされている。これらかさ歯車188,190の径は同
じである。中軸144の上端部は、鞘軸138から突出
させられるとともに、ノズル回転・選択用サーボモータ
192の出力軸194に連結部材196によって軸方向
に相対移動可能かつ相対回転不能に連結されている。ノ
ズル回転・選択用サーボモータ192は正,逆両方向に
任意の角度、任意の速度で回転させられ、図示しないエ
ンコーダにより回転量が検出される。
【0053】なお、電源から、前記切換装置178を構
成する電磁方向切換弁およびノズル回転・選択用サーボ
モータ192への電気エネルギの供給は、通常のスリッ
プリングにより行うことも可能であるが、本実施形態で
は無接触給電装置により供給される。無接触給電装置
は、例えば特開平8−97597号公報に記載されてい
るような給電器および受電器を有し、これら給電器およ
び受電器は、12個ずつの切換装置178の各電磁方向
切換弁およびノズル回転・選択用サーボモータ192の
それぞれについて設けられている。給電器は固定軸66
に設けられるとともに、給電器を構成する給電側コイル
が電源に接続されている。また、受電器は給電側コイル
に僅かな隙間を隔てて対向させられた受電側コイルを有
し、前記バキューム供給用のロータリバルブと共にサー
ボモータにより定速回転させられる。受電側コイルは、
導電線により電磁方向切換弁,ノズル回転・選択用サー
ボモータ192に接続され、給電側コイルからの電気エ
ネルギを供給する。
【0054】連結部材196は円筒状を成し、出力軸1
94に嵌合されるとともに、係合部材たるピン198に
よって相対回転不能および軸方向の相対移動不能に出力
軸194に取り付けられている。連結部材196の直径
方向に隔たった2箇所にはそれぞれ、連結部材196の
下面に開口し、軸方向に延びる切欠206が形成されて
いる。中軸144の上端部は連結部材196に軸方向に
相対移動可能に嵌合されるとともに、中軸144に直径
方向に嵌合された係合ピン208の両端部がそれぞれ、
切欠206に軸方向に相対移動可能に嵌合されており、
それら係合ピン208,切欠206の係合によりノズル
回転・選択用サーボモータ192の回転が連結部材19
6を介して中軸144に伝達される。係合ピン208が
係合部を構成し、被係合部たる切欠206との係合によ
り、連結部材196と中軸144とを軸方向に相対移動
可能かつ相対回転不能に連結しているのである。
【0055】連結部材196の下端部には、駆動部材2
02が同心に嵌合され、固定されており、1対の切欠2
06の下側開口を塞ぐとともに、中軸144に軸方向に
相対移動可能に嵌合されている。駆動部材202は円環
状を成すのであり、外周面に開口し、軸方向に貫通する
6個の係合溝200が等角度間隔に設けられて歯車状を
成す。
【0056】ノズル回転・選択用サーボモータ192
は、前記昇降板124に昇降可能に取り付けられたモー
タ保持台たる昇降台210に保持されている。昇降台2
10はコの字形を成し、コの字の一方の側壁部212に
固定の被案内部材たるガイドブロック214において昇
降板124に昇降可能に嵌合され、他方の側壁部216
の外面には、カムフォロワたる係合ローラ218が固定
軸66の軸線と直交する軸線のまわりに回転可能に取り
付けられている。また、側壁部216の下面には、小径
の係合突部220が突設されている。
【0057】昇降台210は、前記鞘軸138のブラケ
ット136からの突出端部と駆動部材202との間に配
設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コ
イルスプリング224により上方へ、すなわち鞘軸13
8から離れる向きに付勢されている。圧縮コイルスプリ
ング224の付勢による昇降台210の上方への移動限
度は、駆動部材202が係合ピン208に当接すること
により規定される。この位置が昇降台210の上昇端位
置である。鞘軸138の上端部には、被駆動部材232
が固定されている。被駆動部材232は円環状部234
において鞘軸138に嵌合され、固定されるとともに、
円環状部234の一部から昇降板124とは反対側へ突
出させられた突出端部には、上下方向に貫通する係合切
欠238が形成されている。
【0058】被駆動部材232はまた、円環状部234
の係合切欠238が設けられた部分とは直径方向に隔た
った位置から上方へ延び出させられたアーム部240を
備え、アーム部240の延出端部の駆動部材202側の
面には、係合突部242が突設され、内歯車の一部を成
す形状を有し、駆動部材202と共に噛合クラッチを構
成している。昇降台210が圧縮コイルスプリング22
4の付勢により、上昇端位置に位置する状態では、図6
に示すように、駆動部材202の係合溝200と被駆動
部材232の係合突部242とが、鞘軸138の軸線方
向に相対移動可能かつ相対回転不能に係合して、鞘軸1
38と中軸144との相対回転が防止されている。この
状態では、昇降台210に設けられた係合突部220と
被駆動部材232に設けられた係合切欠238との鞘軸
138の軸線まわりの位置が一致し、昇降台210の下
降により、係合突部220と係合切欠238とが係合し
得る。このときの位置が鞘軸138および部品保持ヘッ
ド120のそれぞれ回転軸線まわりの原位置であり、部
品保持ヘッド120が原位置に位置するとき、ノズル保
持体154を支持する支持軸152の軸線は回動板70
の回動軸線と直交し、かつ回動板70の板面に平行な水
平軸線となる。
【0059】前記部品排出領域から部品吸着ステーショ
ンへ至る経路中であり、回動板70が定速回動する領域
の一部であって、部品保持ヘッド120が水平に移動す
る領域には、ノズル選択用カム248が位置を固定して
設けられている。ノズル選択用カム248のカム面25
0は、回動板70の回動方向に長く、回動板70の回動
軸線を中心とする円弧に沿って設けられ、回動板70の
回動方向において下流側ほど下方へ傾斜し、係合ローラ
218に係合して昇降台210を押し下げる押下面と、
押下面の最も下の位置から水平に延び出させられ、昇降
台210を押し下げた状態に保つ押下状態維持面と、押
下状態維持面の押下面とは反対側の端から、回動板70
の回動方向において下流側ほど上方へ傾斜し、昇降台2
10の押下げを解き、上昇を許容する押下解除面とを有
する。ノズル選択用カム248は、昇降台210が上昇
端位置にある状態で、押下面が係合ローラ218に係合
する高さに設けられており、押下面の係合ローラ218
が係合し始める部分は部分円筒面とされ、係合し易くさ
れている。なお、昇降台210の位置は、係合ローラ2
18がノズル選択用カム248の押下状態維持面に係合
する状態で最も低くなる。
【0060】回動板70が撮像位置から部品装着位置へ
移動するとき、ノズル回転・選択用サーボモータ192
が起動され、電子部品164の軸線まわりの位置誤差
(回転位置誤差)が修正される。回動板70が撮像位置
から部品装着位置へ移動するとき、図6に示すように、
鞘軸138と中軸144とが駆動部材202と被駆動部
材232との係合により係合させられており、ノズル回
転・選択用サーボモータ192の回転は、連結部材19
6,駆動部材202,被駆動部材232を介して鞘軸1
38に伝達される。鞘軸138が回転させられれば、作
動位置に位置決めされた部品吸着ノズル158が自身の
軸線のまわりに回転させられ、その部品吸着ノズル15
8により吸着された電子部品164が回転させられて回
転位置誤差が修正される。この修正量は、撮像位置にお
けるCCDカメラ114の撮像による撮像データに基づ
いて算出される。
【0061】なお、鞘軸138が回転させられるとき、
中軸144も回転させられる。そのため、かさ歯車18
8,190は噛み合ったままで噛合い位置は変わらず、
かさ歯車188は回転せず、ノズル保持体154が支持
軸152の軸線のまわりに回転させられて部品吸着ノズ
ル158の選択が行われることがない。
【0062】鞘軸138の回転により、昇降台210に
設けられた係合突部220と被駆動部材232の係合切
欠238とは回転方向において位相がずれる。しかし、
電子部品の装着後、回動板70が回動させられて部品排
出領域へ至るまでの間に鞘軸138は電子部品の回転位
置誤差の修正時とは逆向きに同角度回転させられ、係合
突部220と係合切欠238とは、鞘軸138の軸線ま
わりの位置が一致する状態に戻される。鞘軸138が原
位置に戻されるのである。
【0063】回動板70が回動させられ、部品排出領域
から部品吸着ステーションへ向かう途中であって、部品
保持ヘッド120が水平に定速で移動しているとき、係
合ローラ218がノズル選択用カム248のカム面25
0に係合する。係合ローラ218はまず、押下面に係合
し、昇降台210が圧縮コイルスプリング224の付勢
力に抗して下降させられる。それにより、図7に示すよ
うに、被駆動部材232の係合突部242が駆動部材2
02の係合溝200から離脱し、鞘軸138と中軸14
4との係合が解かれるが、被駆動部材232と駆動部材
202との係合が完全に解かれる前に、昇降台210に
設けられた係合突部220の先端部が被駆動部材232
に形成された係合切欠238に嵌入して鞘軸138の回
転を阻止し、原位置に保つ。鞘軸138は、係合ローラ
218がカム面250に係合する前に、すなわち部品吸
着ノズル158の選択が行われる前に原位置に戻されて
おり、昇降台210が下降するとき、係合突部220が
係合切欠238に嵌入し、鞘軸138の回転を阻止する
ことができる。被駆動部材232と駆動部材202との
係合が解かれた後、係合ローラ218はカム面250の
押下状態維持面に係合する状態となり、この状態で回動
板70が回動する間、被駆動部材232と駆動部材20
2とは係合を解かれ、鞘軸138と中軸144とが係合
を解かれた状態に保たれる。
【0064】電子部品146の吸着に使用する部品吸着
ノズル158を変更するのであれば、この状態でノズル
回転・選択用サーボモータ192が起動される。鞘軸1
38は係合突部220と係合切欠238との係合により
回転を阻止されていて、鞘軸138が中軸144とつれ
回ることはなく原位置に保たれ、中軸144のみが回転
させられる。鞘軸138が中軸144とつれ回れば、か
さ歯車188,歯車186,180が自身の軸線のまわ
りに回転せず、ノズル保持体154が回転させられない
のであるが、鞘軸138のつれ回りが防止されることに
より、中軸144の回転がかさ歯車188,190,歯
車186,180によりノズル保持体154に伝達さ
れ、ノズル保持体154が回動板70の回動軸線と直交
し、かつ回動板70の板面に平行な水平軸線まわりに回
転させられて、6個の部品吸着ノズル158のうちの1
個が作動位置に位置決めされる。作動位置に位置決めさ
れている部品吸着ノズル158の種類は中軸144の回
転角度,回転方向からわかり、次に作動位置に位置決め
する部品吸着ノズル158の種類は装着プログラムから
わかり、それら種類に基づいてノズル回転・選択用サー
ボモータ192の回転角度,回転方向が求められ、所定
の部品吸着ノズル158が作動位置に位置決めされる。
ノズル回転・選択用サーボモータ192の回転方向は、
ノズル保持体154の回転角度が少なくて済む方向に設
定される。
【0065】かさ歯車188および190の径,歯車1
80および186の径はそれぞれ等しくされており、ノ
ズル保持体154は中軸144と同じ角度回転させられ
る。また、かさ歯車188,190,歯車180および
186の各歯はそれぞれ精度良く形成されており、バッ
クラッシュは殆どなく、ノズル回転・選択用サーボモー
タ192の回転により部品吸着ノズル158は精度良く
作動位置に位置決めされる。
【0066】部品吸着ノズル158の選択が行われる
間、昇降台210は係合ローラ218とカム面250の
押下状態維持面との係合により下降端位置に位置させら
れ、中軸144と鞘軸138とは係合が解除された状態
に保たれる。選択が終了すれば、係合ローラ218がカ
ム面250の押下解除面に係合するに至り、昇降台21
0が圧縮コイルスプリング224の付勢により上昇させ
られる。それにより、被駆動部材232の係合突部24
2が駆動部材202の係合溝200に嵌入するととも
に、係合突部220が係合切欠238から離脱し、鞘軸
138と中軸144とが相対回転不能に係合させられる
とともに、鞘軸138と昇降台210との係合が解かれ
る。係合突部242と係合溝200とは、係合突部22
0が係合切欠238から離脱する前に係合する。ノズル
選択のために中軸144が回転させられるとき、鞘軸1
38は回転を阻止されており、係合突部242は、中軸
144と共に回転した駆動部材202のノズル選択前と
は異なる係合溝200に確実に係合することができる。
かさ歯車188および190の径,歯車186および1
80の径はそれぞれ等しくされており、ノズル保持体1
54は中軸144と同じ角度回転し、係合突部242
は、6個の係合溝200のうち、先に係合していた係合
溝200から、ノズル保持体154の回転角度に等しい
角度隔たった位置にある係合溝200に係合する。
【0067】部品吸着ノズル158の選択は、電子部品
164の吸着前に行われ、回動板70が部品吸着位置に
到達するときには、電子部品164を吸着する部品吸着
ノズル158が既に作動位置に位置決めされている。ま
た、部品保持ヘッド120は原位置にあり、電子部品1
64の回転位置誤差の修正時には、部品保持ヘッド12
0は原位置から正方向あるいは逆方向へ回転させられ
る。
【0068】このように部品吸着ノズル158の選択お
よび回転位置誤差の修正は、部品保持ヘッド120に設
けられたノズル回転・選択用サーボモータ192を駆動
源として行われるため、部品保持ヘッド120の回動中
に行うことができ、選択,回転のための時間を長く取る
ことができる。そのため、例えば、ノズルが自身の軸線
のまわりに回転させられる際の角加速度を小さくし、振
動の発生を防止することができ、また、ノズル選択時に
おけるノズル保持体154の回動角度を大きくすること
ができる。さらに、部品吸着ノズル158の選択および
回転位置誤差の修正が共通のモータを駆動源として行わ
れるため、部品保持ヘッド120の移動中に部品吸着ノ
ズル158の選択および電子部品164の回転位置誤差
の修正を行うことができ、構成が簡易かつ軽量であって
安価な電子部品搬送装着装置12を得ることができる。
【0069】フレーム60の部品装着位置近傍に対応す
る位置には、図2および図8に示すように、部品保持ヘ
ッド昇降装置260が設けられている。図8は部品保持
ヘッド昇降装置260をフレーム60の下側から見た状
態を示す図である。フレーム60の部品吸着位置近傍に
対応する位置にも、図示は省略するが、同じ構成の部品
保持ヘッド昇降装置が設けられている。以下、フレーム
60の部品装着位置近傍に対応する位置に設けられた部
品保持ヘッド昇降装置260を説明する。なお、部品吸
着位置近傍に設けられた部品保持ヘッド昇降装置は、図
示は省略されているが、構成は同じであり、後に行う部
品保持ヘッド120による電子部品164の吸着の説明
においては、部品保持ヘッド昇降装置260の構成部材
に付した名称および符号を使用する。
【0070】前記固定カム128のうち、部品装着位置
近傍に対応する部分には、図2および図8に示すよう
に、固定カム128の内周面,上面および下面に開口す
る嵌合溝262および嵌合溝262の底壁の上部を半径
方向に貫通する開口264が形成されるとともに、嵌合
溝262に昇降部材266が昇降可能に嵌合されてい
る。嵌合溝262の底面には、案内部材たる直線状のガ
イドレール268が上下方向に設けられるとともに、昇
降部材266に固定の1対の被案内部材たるガイドブロ
ック270が摺動可能に嵌合されている。
【0071】昇降部材266の下部は、嵌合溝262内
に昇降を許容する僅かな隙間を有して嵌合される幅(固
定カム128の周方向の寸法)を有し、この下部には、
固定カム128の内周面側に開口し、カム溝130の部
品装着位置に対応する部分に対する接線方向に貫通する
水平な溝272が形成されている。
【0072】昇降部材266の上端部は、下部より幅が
狭く、上部において回動部材たるレバー276のヨーク
状の一端部に軸部材たるピン277によって回動可能に
連結されている。レバー276は、開口264を通って
固定カム128の外周面から外へ突出させられるととも
に、支持部材278のヨーク状の支持部280に軸受2
82を介して長手方向に相対移動可能に支持されてい
る。軸受282のレバー276の長手方向に平行な両側
面にはそれぞれ、図8に示すように、支持ピン284が
直角に突設されて軸部が設けられるとともに、支持部2
80の一対の側壁に回転可能に嵌合されており、レバー
276は軸受282ごと支持ピン284の軸線まわりに
回動させられる。
【0073】支持部材278は、図8に示すように、支
持部280から水平に延び出させられた腕部288を有
し、この腕部288の延出端部は上方へ延び出させら
れ、フレーム60に形成された長穴286を通ってフレ
ーム60内へ突出させられている。この突出部にはナッ
ト292が固定されるとともに、ねじ軸294に螺合さ
れており、ねじ軸294が駆動源たるヘッド昇降ストロ
ーク変更用サーボモータ296によって回転させられる
ことにより、支持部材278がレバー276の長手方向
に移動させられる。それにより軸受282および支持ピ
ン284がレバー276に対して移動し、レバー276
の回動軸線の位置が変更され、昇降部材266の昇降ス
トロークが変更され、昇降部材266に支持された部品
保持ヘッド120の昇降ストロークが変更される。ねじ
軸294,ヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ2
96等が移動ストローク変更装置を構成しているのであ
る。なお、支持部280にはガイドブロック298が固
定されるとともに、フレーム60に固定のガイドレール
299に摺動可能に嵌合されており、支持部材278の
移動が案内される。
【0074】前記フレーム60には、図2に示すよう
に、くの字形のレバー300が軸302によって回動可
能に取り付けられている。レバー300の一方のアーム
部303の突出端部には、連結部材たるロッド304の
上端部が軸部材たるピン306によって回動可能に、か
つ軸方向の位置調節可能に連結され、ロッド304の下
端部は、取付部材62に形成された長穴305を通って
下方へ突出させられるとともに、前記レバー276の昇
降部材266が連結された側とは反対側の端部に軸部材
たるピン308によって回動可能に連結されている。
【0075】レバー300の他方のアーム部312の突
出端部には、カムフォロワたる係合ローラ314が回転
可能に取り付けられている。係合ローラ314は、レバ
ー300が付勢手段の一種である弾性部材としての引張
コイルスプリング316によって付勢されることによ
り、フレーム60に回転可能に取り付けられたヘッド昇
降用カム318のカム面320に追従させられる。
【0076】ヘッド昇降用カム318を支持する支持軸
322は、フレーム60により回転可能に支持されてお
り、支持軸322にはタイミングプーリ324(図3参
照)が固定されるとともに、前記駆動用サーボモータ1
08の出力軸に固定のタイミングプーリ110に前記タ
イミングベルト112によって連結されている。ヘッド
昇降用カム318は、前記鼓形カム90a〜90dと共
通の駆動用サーボモータ108により回転させられるの
であり、タイミングプーリ324の直径は、部品装着位
置への回動板70の到達時間間隔である1到達時間ピッ
チ毎にヘッド昇降用カム318が1回転する大きさに設
定されている。
【0077】ヘッド昇降用カム318のカム面320は
実際には断面形状がハート形を成し、ヘッド昇降用カム
318の回転によりレバー300が回動させられ、ロッ
ド304が昇降させられるとともに、レバー276が回
動させられ、昇降部材266が昇降させられる。昇降部
材266が可動部を構成し、レバー276,300,ロ
ッド304,ヘッド昇降用カム318,引張コイルスプ
リング316および駆動用サーボモータ108等が可動
部移動装置を構成している。
【0078】ロッド304と昇降部材266とは、支持
ピン284を挟んでレバー276の両端部にそれぞれ連
結されており、互いに昇降方向は逆である。ロッド30
4の下降端位置および上昇端位置はカム面320により
決まり、一定であり、ロッド304の下降端位置は、ロ
ッド304の軸方向の位置の調節により、昇降部材26
6の溝272と固定カム128のカム溝130との高さ
が一致して連続する水平な溝を形成し、レバー276が
ねじ軸294およびガイドレール299と平行になる位
置に設定されている。昇降部材266は上昇端位置にお
いて、固定カム128の部品装着位置において部品保持
ヘッド120を水平状態に保つ部分の一部を構成するの
であり、ヘッド昇降用カム318のカム面320は、昇
降部材266が常には上昇端位置に位置し、回動板39
2が部品装着位置へ移動して来て部品保持ヘッド120
が回路部品164をプリント基板38に装着する際に昇
降するように形成されている。
【0079】前記ねじ軸294および前記支持部材27
8の移動を案内するガイドレール299と、ロッド30
4が下降端位置へ移動させられ、昇降部材266が上昇
端位置へ移動させられた状態でのレバー276とが平行
になるようにされているため、この状態で支持部材27
8が移動させられるとき、支持部材278がガイドレー
ル299に平行に移動させられてレバー276の回動軸
線の位置が変更され、昇降部材266の上昇端位置を変
えることなく、昇降ストロークが変えられ、昇降部材2
66の下降端位置が変えられる。
【0080】本電子部品搬送装着装置は、図9に示す制
御装置330により制御される。制御装置330は、C
PU332,ROM334,RAM336およびそれら
を接続するバス338を備えたコンピュータ340を主
体とするものである。バス338には、入力インタフェ
ース342が接続され、CCDカメラ114が接続され
ている。バス338にはまた、出力インタフェース34
4が接続され、駆動回路346,348,350,35
2,354,356,358を介してカートリッジ移動
用サーボモータ26,X軸移動用サーボモータ42,Y
軸移動用サーボモータ48,駆動用サーボモータ10
8,12個のノズル回転・選択用サーボモータ192,
ヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ296,12
個の切換装置178(正確には、切換装置178を構成
する電磁方向切換弁)等が接続されている。また、RO
M334には、電子部品164の吸着,装着,撮像等に
必要な種々のプログラムが格納されている。
【0081】以上のように構成された電子部品装着シス
テムにおいて電子部品164をプリント基板38に装着
する場合には、駆動用サーボモータ108により4個の
鼓形カム90a〜90dが同期して一斉に回転させら
れ、12個の回動板70が別々に加速,減速,定速回
動,あるいは停止させられる。回動板70は、部品吸着
位置,撮像位置および部品装着位置においてそれぞれ停
止し、電子部品164の吸着,撮像,装着が行われる。
【0082】電子部品164の吸着を説明する。回動板
70が部品吸着位置に向かって回動させられるとき、固
定カム用ローラ126はカム溝130内を転動し、カム
溝130から、フレーム60の部品吸着位置近傍に対応
する位置に設けられた部品保持ヘッド昇降装置260の
昇降部材266の溝272へ入る。回動板70が回動し
終わる前に固定カム用ローラ126がカム溝130から
溝272内に移動した状態となり、昇降部材266は、
固定カム用ローラ126が溝272内へ進入した後、回
動板70が部品吸着位置に到達して停止する前に下降を
開始させられ、固定カム用ローラ126が追従して下降
し、昇降板124の下降により部品保持ヘッド120が
下降させられる。部品保持ヘッド120の回動と下降と
が並行して行われるのである。
【0083】部品保持ヘッド120の下降により、部品
吸着ノズル158が電子部品164に当接し、切換装置
178が切り換えられてバキュームが供給されることに
より部品吸着ノズル158が電子部品164を吸着す
る。なお、部品吸着ノズル158が電子部品164に当
接するときには回動板70は部品吸着位置に至って停止
しており、部品吸着ノズル158は正確に電子部品16
4を吸着することができる。吸着後、昇降部材266が
上昇させられ、固定カム用ローラ126が上昇させられ
るとともに昇降板124が上昇させられ、部品保持ヘッ
ド120の上昇により部品吸着ノズル158がカートリ
ッジ22から電子部品164を取り出す。
【0084】電子部品164の取出し後、回動板70が
回動を再開するが、この回動は昇降部材266が上昇端
位置に到達し、溝272が固定カム128のカム溝13
0と一致する状態となる前に開始させられる。固定カム
用ローラ126は昇降部材266の溝272内を転動し
つつ上昇し、昇降部材266が上昇端位置に到達した
後、溝272からカム溝130へ乗り移る。部品保持ヘ
ッド120の上昇と回動とが並行して行われるのであ
る。
【0085】なお、電子部品164の吸着時に、必要で
あれば部品保持ヘッド120の昇降ストローク(昇降部
材266の昇降ストローク)が変更される。例えば、電
子部品供給カートリッジ22により供給される電子部品
がテープにより保持されたテープ化電子部品とされてお
り、電子部品を保持する部品保持テープの電子部品収容
部分がカートリッジ本体によって下方から支持される場
合、電子部品の種類によって、電子部品の上面の位置が
異なることがある。
【0086】部品保持テープは、多数の電子部品収容凹
部を有し、各電子部品収容凹部に電子部品が収容される
とともに、トップテープが貼り付けられて電子部品収容
凹部の開口が塞がれ、電子部品の飛出しが防止されてい
る。部品保持テープは、電子部品の高さが大きいほど厚
いが、カートリッジ本体のテープ案内面の高さは一定で
あり、電子部品が高いほど電子部品の上面の位置が高く
なり、吸着管162と電子部品との距離が短くなる。そ
のため、電子部品の高さが大きいほど昇降部材266の
昇降ストロークが短くされ、部品保持ヘッド120の昇
降ストロークが短くされるのである。この調節は、部品
吸着ノズル158が電子部品164を吸着する前に行わ
れる。ヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ296
が起動され、支持部材278が移動させられてレバー2
76の回動軸線の位置が変更させられるのである。な
お、昇降ストロークは、正確には、吸着管162の下面
(吸着面)と電子部品164の上面との距離と、電子部
品供給装置12の製造誤差等による高さの誤差とを含む
大きさとされ、部品吸着ノズル158が確実に電子部品
164を吸着し得るようにされる。余分な下降距離は部
品吸着ノズル158を付勢する圧縮コイルスプリング1
60の圧縮により吸収される。
【0087】電子部品164の吸着後、回動板70は撮
像位置へ回動させられる。撮像位置において回動板70
は停止させられ、部品吸着ノズル158に吸着された電
子部品164が静止し、かつ水平な状態でCCDカメラ
114により撮像される。この撮像データに基づいて電
子部品164の回転位置誤差およびX軸,Y軸方向の各
位置誤差が演算され、回動板70が部品装着位置へ回動
する間に回転位置誤差が修正される。ノズル回転・選択
用サーボモータ192が起動されて鞘軸138が回転さ
せられ、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル15
8が自身の軸線のまわりに回転させられて電子部品16
4が回転させられるのである。
【0088】また、電子部品164の装着開始に先立っ
てプリント基板38に設けられた基準マークが撮像さ
れ、撮像データに基づいて、多数の部品装着箇所の各々
についてX軸,Y軸方向の各位置誤差が演算されてい
る。電子部品164の装着時には、プリント基板38が
X軸,Y軸方向に移動させられ、部品装着位置に停止さ
せられた部品保持ヘッド120の真下に部品装着箇所が
位置させられるのであるが、プリント基板38のX軸,
Y軸方向の移動距離が修正されて電子部品164および
部品装着箇所のX軸,Y軸方向の各位置誤差が修正され
る。
【0089】回動板70が部品装着位置へ向かって回動
させられるとき、固定カム用ローラ126が固定カム1
28のカム溝130から、フレーム60の部品装着位置
近傍に対応する位置に設けられた部品保持ヘッド昇降装
置260の昇降部材266の溝272に嵌入する。嵌入
後、回動板70が部品装着位置に到達する前に昇降部材
266が下降を開始させられ、部品保持ヘッド120が
回動と並行して下降させられる。電子部品164がプリ
ント基板38上に載置される前に回動板70は部品装着
位置に到達して停止しており、電子部品164がプリン
ト基板38の所定の部品装着箇所に装着される。
【0090】電子部品164の装着時には、電子部品1
64の高さに応じて部品保持ヘッド120の昇降ストロ
ーク(昇降部材266の昇降ストローク)が変更され
る。電子部品164の高さが大きいほど、電子部品16
4とプリント基板38との距離が短く、昇降ストローク
が小さくされるのである。正確には、昇降ストロークは
プリント基板支持位置決め装置16等の製造誤差等を含
む大きさとされ、電子部品164が確実にプリント基板
38に装着されるようにされる。電子部品164がプリ
ント基板38の部品装着箇所に載置された後、切換装置
178が切り換えられ、部品吸着ノズル158へのバキ
ュームの供給が遮断されて電子部品164が解放され
る。電子部品164の装着後、昇降部材266が上昇さ
せられ、部品保持ヘッド120が上昇させられる。この
場合にも、昇降部材266が上昇端位置に到達する前に
回動板70が回動を再開し、固定カム用ローラ126が
溝272内を転動しつつ上昇する。昇降部材266が上
昇端位置に到達した後、固定カム用ローラ126がカム
溝130へ乗り移り、回動板70が部品吸着位置へ向か
って移動する。
【0091】回動板70が部品装着位置から部品吸着位
置へ回動する間に、鞘軸138は、電子部品164の回
転位置誤差の修正時とは逆向きに同角度回転させられ、
原位置に戻される。
【0092】なお、電子部品164の吸着エラーが発生
した場合、例えば、部品吸着位置において部品吸着ノズ
ル158が電子部品164を吸着し損なった場合、間違
った種類の電子部品164を吸着した場合、あるいは吸
着した電子部品164の回転位置が補正不可能なほどず
れている場合等には、部品装着時に昇降部材266の昇
降ストロークが最も短くされ、部品保持ヘッド120が
下降しても、電子部品164を吸着していない部品吸着
ノズル158の吸着管162や装着してはならない電子
部品164がプリント基板38に接触しないようにされ
る。また、切換装置178の切換えは行われず、部品吸
着ノズル158には負圧が供給されたままとされ、電子
部品164は部品保持ヘッド120の回動に伴って部品
排出領域へ移動させられる。部品排出領域において切換
装置178が切り換えられて部品吸着ノズル158への
バキュームの供給が遮断され、電子部品164が電子部
品収容器に捨てられる。部品吸着ノズル158が電子部
品164を吸着し損なった場合、例えば、撮像によって
吸着エラーがわかれば、切換装置178が切り換えら
れ、部品吸着ノズル158へのバキュームの供給が遮断
される。
【0093】回動板70が更に回動すれば、昇降台21
0に設けられた係合ローラ218がノズル選択用カム2
48のカム面250に係合し、鞘軸138と中軸144
との係合が解かれる。使用する部品吸着ノズル158が
変更されるならば、ノズル回転・選択用サーボモータ1
92が起動され、ノズル保持体154が回転させられ
て、次に使用される部品吸着ノズル158が作動位置に
位置決めされる。
【0094】このように回動板70が停止する位置は3
つであり、部品吸着位置と撮像位置との間および撮像位
置と部品装着位置との間ではそれぞれ、90度回動する
間に加速,定速回動および減速し、部品装着位置と部品
吸着位置との間では、定速で180度回動する。この際
の12個の回動板70の回動角度と時間との関係を図1
0のタイミングチャートに示す。図10においてTは、
回動板70が360度回動するのに必要な時間であり、
回動板70が12個設けられているため、時間Tを12
で除した値T/12を1目盛として時間の経過が横軸に
示されている。また、縦軸の1目盛は12個の部品保持
ヘッド120を等角度間隔に配置した場合の1ピッチで
あり、これを便宜上1移動ピッチと称することとする。
回動角度と時間との関係を示す各線の直線部分は回動板
70が定速回動している部分であり、上方に凸の曲線部
分は減速している部分であり、下方に凸の曲線部分は加
速している部分である。このタイミングチャートから明
らかなように、回動板70は別々に回動し、12個のう
ちの3個の回動板70が停止して3個の部品保持ヘッド
120がそれぞれ電子部品164の吸着,装着および撮
像を行っている間でも他の回動板70を回動させること
ができる。
【0095】本電子部品搬送装着装置12においては、
部品保持ヘッド120が12個あるのに対し、停止位置
は3つであることにより、間欠回転する回転テーブルに
複数の部品保持ヘッドが保持される従来の電子部品搬送
装置に比較して部品保持ヘッド120の加,減速度が小
さくて済む。例えば、回転テーブル上の本電子部品搬送
装着装置12と同じ直径の一円周上に同様に12個の部
品保持ヘッドを配置し、各部品保持ヘッド120を本電
子部品搬送装着装置12と同一の時間Tで一周させる場
合を考えると、本電子部品搬送装着装置12の方が加,
減速度が小さくて済むのである。その理由は次の通りで
ある。
【0096】図10において部品保持ヘッド120の一
停止位置が中央にある4枡を取り出して示したのが図1
1であるが、停止位置を含まない他の枡においては、部
品保持ヘッド120の移動曲線は、図11の左上の図に
二点鎖線で示す右上がりの直線となる。それに対して、
部品保持ヘッド120が停止する必要がある場合には、
1移動ピッチの間に部品保持ヘッド120は二点鎖線に
沿って一定速度で移動している状態から、徐々に速度を
上げて二点鎖線に沿う場合よりも移動距離を稼ぎ、その
後減速に入って最後に停止する。二点鎖線に相当する速
度より小さな速度で移動する領域で余分にかかる時間と
停止する必要がある時間とを、移動速度が大きい領域で
稼いでおくのである。停止している状態から一定速度の
移動に移行する場合にはこれと逆のことが行われる。
【0097】それに対して、間欠回転する回転テーブル
に部品保持ヘッドが保持された従来の電子部品搬送装置
においては、部品保持ヘッドは必ず全ての位置で停止す
る必要があるため、図11の右側に示されているよう
に、速度0から加速し、後に減速して再び速度0となる
必要がある。そのため、部品保持ヘッド120と同じ時
間で1移動ピッチを移動するためには、図11の2段目
に記載されているように、最高速度を部品保持ヘッド1
20における最高移動速度より大きくする必要があり、
必然的に加,減速度も3段目に示されているように大き
くなる。本電子部品搬送装着装置12の方が条件が緩や
かであり、搬送能率が従来と同じでよければ、装置各部
の剛性を小さくし、回動板70を回動させる駆動用サー
ボモータ108を容量の小さいものとする等により、装
置コストを低減させることができる。あるいは、部品保
持ヘッド120の停止位置精度を向上させることができ
る。
【0098】逆に、部品保持ヘッド120の停止位置へ
の1到達時間ピッチを短くすることにより、作業能率を
向上させることもできる。間欠回転する回転テーブルに
部品保持ヘッドが保持された従来の装置においては、前
述のように、部品保持ヘッドは、1移動ピッチ毎に必ず
速度0からの加速および速度0までの減速、ならびに一
定時間の停止を行う必要がある。そのため、例えば、1
ピッチの移動に要する時間を60msとし、停止時間を2
0msとすれば、移動に使用し得る時間は40msであり、
必然的に移動速度を高くしなければならない。
【0099】それに対し、本電子部品搬送装着装置12
においては、停止位置が2つおき、あるいは5つおきに
設けられており、部品保持ヘッド120は、停止位置を
含む枡内に定速で進入し、減速して停止すればよいた
め、50msを移動に使用することができる。そのため、
図12に示すように、ほぼ、停止時間の半分である10
msと、角度θを加速しつつ移動するのに要する時間と定
速で回動するのに要する時間との差amsとの和だけ1ピ
ッチの移動に要する時間が短くて済み、その分だけ、一
停止位置に次々と部品保持ヘッド120が到達する到達
時間ピッチを短くすることができ、装着能率を向上させ
ることができる。例えば、従来装置において1到達時間
ピッチが90msであったものを、本電子部品搬送装着装
置12によれば60msにすることができるのである。そ
の上、電子部品搬送装着装置12は12個の部品保持ヘ
ッド120がそれぞれ回動板70に保持され、別々に回
動させられるため、加速,減速すべき質量が小さくて済
み、その分、加速度および減速度を大きくしても振動,
騒音が大きくならず、1到達時間ピッチを更に短くする
ことができる。
【0100】また、間欠回転する回転テーブルに複数の
部品保持ヘッドが保持される従来の装置においては、回
転テーブルに部品保持ヘッドと同数のカムフォロワたる
ローラが設けられ、ローラギヤカムに順次係合させられ
て回転テーブルが間欠回転させられることが多いのであ
るが、ローラの配設ピッチの精度を高くしなければ、間
欠回転時にローラがカム面に過大な力を加え、ローラの
寿命の低下や振動,騒音の発生の原因となる。それに対
し、本実施形態の電子部品搬送装着装置12において
は、個々に回動する回動板70にそれぞれ、回動板70
を回動させるための鼓形カム用ローラ88が取り付けら
れており、12個の鼓形カム用ローラ88は互いに影響
し合うことなく鼓形カムに係合するため、係合時に鼓形
カム用ローラ88に無理な力が加えられることがなく、
寿命が向上し、振動,騒音が生ずることがない。
【0101】第1,第3,第6,第11,第12発明に
共通の実施形態であり、第15の方法発明の実施に使用
される電子部品搬送装置を備え、第13,第14発明の
別の実施形態である電子部品装着システムを図13ない
し図23に示す。本実施形態の電子部品装着システムに
おいて電子部品搬送装着装置は、12個の回動体を2個
の鼓形カムおよび等速回転体によって回動させ、部品吸
着時および部品装着時には回動体を停止させるが、部品
撮像時には停止させないようにされている。また、部品
吸着位置および部品装着位置をそれぞれ2位置に変更し
得るようにされるとともに、部品吸着位置および部品装
着位置における部品保持ヘッドの下降開始時の高さおよ
び電子部品の撮像時の高さが2段階に変更されるように
なっている。その他の構成は前記実施形態と同じであ
り、対応する部分には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0102】電子部品搬送装着装置380のフレーム3
82の支持部材384には、図13に示すように係合用
カム386が固定されており、係合用カム386により
支持軸たる主軸388の上端部が回転可能に支持されて
いる。主軸388の下端部は、フレーム382を構成す
る取付部材389の底壁391に設けられた開口393
を通ってフレーム382の下方へ突出させられ、前記ベ
ース10に固定の支持板390により回転可能に支持さ
れている。主軸388は上下方向に延びる軸線まわりに
回転可能に支持されているのであり、この主軸388に
は、12個の回動板392がそれぞれ、一対ずつの軸受
394を介して回動可能に取り付けられている。主軸3
88の回転軸線が12個の回動板392に共通の回動軸
線なのである。これら軸受394は前記軸受72と同様
に構成されており、12個ずつの軸受394を有する2
つの軸受群396が主軸388の上下方向に隔たった2
箇所にそれぞれ設けられている。なお、図14において
は、図示の容易化のために12個の回動板392が等角
度間隔で図示されている。
【0103】主軸388の上端部は係合用カム386か
ら上方へ突出させられるとともに、タイミングプーリ4
00が固定されている。このタイミングプーリ400
は、駆動源たる駆動用サーボモータ402(図21参
照)の出力軸に固定のタイミングプーリ404にタイミ
ングベルト406(図14参照)によって連結されてお
り、駆動用サーボモータ402によって等速回転させら
れる。
【0104】フレーム382の部品吸着位置近傍および
部品装着位置近傍にそれぞれ対応する位置には、図13
および図14に示すように、鼓形カム410a,410
bが設けられている。これら鼓形カム410a,410
bは、水平にかつ互いに平行であって、主軸388の回
転軸線に対して軸対称に配設されている。鼓形カム41
0a,410bに固定の回転軸412a,412bは、
一対ずつのブラケット413a,413bにより回転可
能に支持されるとともに、各一端部には、図14に示す
ように、かさ歯車414a,414bが固定されてお
り、これらかさ歯車414a,414bはそれぞれ、上
下方向の軸線まわりに回転可能なかさ歯車416a,4
16b(図13参照)に噛み合わされている。なお、こ
れらかさ歯車414a,414b,416a,416b
の直径は同じである。
【0105】かさ歯車416a,416bは、図13に
示すように、フレーム382の支持部材384と、フレ
ーム384の取付部材389に固定のブラケット420
a,420bとによって上下方向の軸線まわりに回転可
能に支持された回転軸422a,422bに固定されて
いる。回転軸422a,422bの各上端部は支持部材
384から上方へ突出させられ、タイミングプーリ42
4a,424bが固定されるとともに、前記駆動用サー
ボモータ402の回転を主軸388に伝達するタイミン
グベルト406が巻き掛けられている。タイミングベル
ト406はまた、遊転タイミングプーリ426に巻き掛
けられている。したがって、回転軸422a,422b
は駆動用サーボモータ402により回転させられ、それ
によりかさ歯車416a,416b,414a,414
bが回転させられて鼓形カム410a,410bが一斉
に同期して回転させられる。
【0106】鼓形カム410a,410bのカム溝43
0a,430b(図14参照)はそれぞれ、回動板39
2が次のような速度で回動するように形成されている。
回動板392に取り付けられた鼓形カム用ローラ436
のカム溝430a,430bへの係合開始時には、回動
板392を主軸388と等速で回動させ、次いで加速し
て移動距離を稼いだ後、減速して部品吸着位置および部
品装着位置において停止させ、電子部品の吸着,装着中
は停止状態に保つ。作業終了後、回動板392が加速
し、次いで減速し、鼓形カム用ローラ436がカム溝4
30a,430bから外れるときには、主軸388と等
速で回動するとともに、回動方向において下流側に隣接
する回動板392との間隔が30度となるように形成さ
れている。
【0107】そのため、カム溝430a,430bは、
図15および図16にカム溝430aを代表的に示すよ
うに、鼓形カム410aの軸線に直角な平面に対してリ
ード角を有する傾斜部432と、リード角を有しない直
角部434とを含む。また、傾斜部432は、幅、すな
わち傾斜部432の長手方向と直角な方向の寸法が狭
く、鼓形カム用ローラ436が直径方向において僅かな
隙間を残して嵌合される大きさの狭幅部とされ、直角部
434は、狭幅部より幅が広く、鼓形カム用ローラ43
6の幅方向の移動を許容する大きさの広幅部とされ、そ
の狭幅部と広幅部との間であって、傾斜部432と直角
部434との境界部は、広幅部から狭幅部まで幅が滑ら
かに漸変する幅変化部438とされている。
【0108】鼓形カム用ローラ436が鼓形カム410
aの直角部434に係合する状態では、回動板392は
停止させられるのであるが、直角部434は幅が広くさ
れているため、回動板392の停止位置は、図15に実
線で示すように、カム溝430aの回動板392の回動
方向において上流側の上流側側壁440の一部であっ
て、直角部434の側壁を構成する部分に鼓形カム用ロ
ーラ436が係合する第1位置と、二点鎖線で示すよう
に、下流側の下流側側壁442の一部であって、直角部
434の側壁を構成する部分に鼓形カム用ローラ436
が係合する第2位置とに選択的に変更される。鼓形カム
410a,410bは、フレーム382の部品吸着位置
近傍に対応する位置および部品装着位置近傍に対応する
位置にそれぞれ設けられており、部品吸着位置および部
品装着位置はそれぞれ、回動板392の回動方向に隔た
った2箇所にあることとなり、直角部434の幅は、第
1位置と第2位置との間の間隔がX軸方向において8mm
になる大きさとされている。部品吸着時の第1位置,第
2位置をそれぞれ第1部品吸着位置,第2部品吸着位置
と称し、部品装着時の第1位置,第2位置をそれぞれ第
1部品装着位置,第2部品装着位置と称する。このよう
に回動板392の停止位置を選択的に変更する理由は、
後に説明する。なお、鼓形カム410a,410bの各
カム溝430a,430bは、回動板392が第1,第
2のいずれの位置において停止する場合でも、鼓形カム
用ローラ436がカム溝430a,430bから外れる
ときには、主軸388と等速で回動するとともに、回動
方向において下流側に隣接する回動板392との間隔が
30度となるように形成されている。
【0109】本電子部品搬送装着装置380において、
フレーム382の部品装着位置近傍に対応する位置に
は、図13および図14に示すように、前記部品保持ヘ
ッド昇降装置260が設けられている。フレーム382
の部品吸着位置近傍に対応する位置にも、図示は省略す
るが、同じ構成の部品保持ヘッド昇降装置が設けられて
いる。ただし、本実施形態においては、部品保持ヘッド
昇降装置260を構成するヘッド昇降用カム318を支
持する支持軸322に図示しないハイポイドギヤが同心
に固定されるとともに、フレーム382に回転可能に取
り付けられたハイポイドギヤ446(図13参照)と噛
み合わされており、これらハイポイドギヤは、直径が等
しくされている。ハイポイドギヤ446は、フレーム3
82の支持部材384と、フレーム382に固定のブラ
ケット448とによって上下方向の軸線まわりに回転可
能に支持された回転軸450に固定されている。回転軸
450の支持部材384から突出した上端部に固定のタ
イミングプーリ452には、前記タイミングベルト40
6が巻き掛けられており、ヘッド昇降用カム318は、
ハイポイドギヤ446により伝達される前記駆動用サー
ボモータ402の回転により回転させられる。なお、以
下の説明では、部品吸着位置近傍に対応する位置に設け
られた図示しない部品保持ヘッド昇降装置についても、
部品保持ヘッド昇降装置260の構成部材に付した名称
および符号を用いて説明する。
【0110】主軸388,鼓形カム410a,410b
およびヘッド昇降用カム318は駆動源たる駆動用サー
ボモータ402を共用しているのであり、ヘッド昇降用
カム318に回転を伝達するタイミングプーリ452の
直径は、主軸388が30度回転する間に1回転し、ヘ
ッド昇降用カム318が1回転する大きさとされてい
る。部品装着位置への回動板392の到達時間間隔であ
る1到達時間ピッチ毎にヘッド昇降用カム318が1回
転するのである。また、鼓形カム410a,410bに
回転を伝達するタイミングプーリ424a,424bの
直径は、主軸388が30度回転する間に鼓形カム41
0a,410bが1/2回転する大きさとされている。
【0111】前記主軸388の係合用カム386により
支持された部分と、12個の回動板392が回転可能に
取り付けられた部分との間の部分には、図13および図
14に示すように、等速回転盤460が同心に固定され
ている。これら主軸388および等速回転盤460が等
速回転体を構成し、等速回転盤460は主軸388と共
に等速回転させられる。等速回転盤460は円板状を成
し、係合装置464を構成する12個の係合部材たる係
合ピン468が等角度間隔に取り付けられている。
【0112】等速回転盤460には、12個の案内部材
たる案内ピン466が回転軸線に平行な方向に相対移動
可能に嵌合されるとともに、等速回転盤460の案内ピ
ン466より半径方向外側の位置に、係合ピン468が
案内ピン466と平行な方向に相対移動可能に嵌合され
ている。係合ピン468の下部は、等速回転盤460か
ら下方へ突出させられるとともに、突出端部は先端ほど
直径が漸減する案内部たるテーパ部470とされてい
る。これら案内ピン466および係合ピン468の各上
端部は連結板474に固定されており、案内ピン466
は係合ピン468の軸方向の移動を案内するとともに、
回転を防止している。
【0113】連結板474の上面には、カムフォロワた
る係合用カム用ローラ478が主軸388の軸線と直交
する軸線まわりに回転可能に取り付けられるとともに、
前記係合用カム386に形成されたカム溝480に回転
可能に嵌合されている。係合用カム386は、主軸38
8の回転軸線を中心線とする円筒面状の外周面を備え、
カム溝480は、係合用カム386の外周面に開口して
形成されるとともに、主軸388の回転軸線に平行な方
向、すなわち高さ方向の位置が滑らかに変化する部分と
変化しない部分とを有する。したがって、主軸388が
回転させられ、等速回転盤460が回転させられると
き、係合用カム用ローラ478は、主軸388の軸線の
まわりに旋回させられるとともに昇降させられ、あるい
は一定の高さで旋回させられ、係合ピン468も同様に
旋回,昇降させられる。
【0114】前記12個の回動板392にはそれぞれ、
上面に開口する係合凹部486が設けられている。これ
ら係合凹部486はそれぞれ、係合ピン468のテーパ
部470と対応する傾斜のテーパ凹部とされている。係
合ピン468は、昇降により係合凹部486に係合,離
脱させられ、係合ピン468が係合凹部486に係合し
た状態では、回動板392は等速回転盤460により等
速回動させられる。
【0115】係合用カム386のカム溝480は、係合
ピン468の係合凹部486からの離脱(係合ピン46
8の上昇)が、鼓形カム用ローラ436がカム溝430
a,430bに係合した後であって、回動板392が鼓
形カム410a,410bにより等速回転盤460と等
速で回動させられている状態で行われ、次に係合凹部4
86に係合するまでの間、係合ピン468が係合凹部4
86から離脱した位置にあって、回動板392が鼓形カ
ム410a,410bによって回動させられることを妨
げず、係合ピン468の係合凹部486への係合(係合
ピン468の下降)が、鼓形カム用ローラ436がカム
溝430a,430bから離脱する前であって、回動板
392が等速回転盤460と等速で回動する状態で行わ
れ、次に鼓形カム用ローラ436がカム溝430a,4
30bに係合して回動板392が鼓形カム410a,4
10bにより回動させられる状態になるまで、係合ピン
468が係合凹部486に係合し続け、回動板392が
等速回転盤460により等速回動させられる形状に形成
されている。係合ピン468の先端にはテーパ部470
が設けられているため、係合ピン468は、スムーズに
かつ確実に係合凹部486に係合することができる。
【0116】回動板392は、鼓形カム410a,41
0bが設けられた部品吸着位置近傍および部品装着位置
近傍では、鼓形カム410a,410bにより回動させ
られ、それらの間では等速回転盤460により等速で回
動させられるのであり、鼓形カム410a,410bに
より部品吸着位置,部品装着位置に精度良く停止させら
れる。撮像位置は部品吸着位置と部品撮像位置との中間
に設定され、前記フレーム382および支持板390等
により構成される装置本体の撮像位置近傍に対応する位
置には、ストロボ付高速度カメラ562(図21参照)
が設けられている。回動板392は、部品吸着位置から
部品装着位置へ至るとき、等速回転盤460により回転
させられていて撮像位置には停止せず、ストロボ付高速
度カメラ562の上方を通過するときに電子部品164
が撮像される。
【0117】12個の各回動板392と等速回転盤46
0との間にはそれぞれ、図13および図18に示すよう
に、回動板392の停止位置を変更する停止位置変更用
エアシリンダ490が設けられている。停止位置変更用
エアシリンダ490のシリンダチューブ492は、等速
回転盤460に固定のブラケット494にピンにより等
速回転盤460の回転軸線に平行な軸線のまわりに回動
可能に取り付けられており、ピストンロッド498は回
動板392にピンにより等速回転盤460の回転軸線に
平行な軸線のまわりに回動可能に連結されている。
【0118】なお、12個の停止位置変更用エアシリン
ダ490は、隣接する停止位置変更用エアシリンダ49
0との干渉を回避するために、1個おきに等速回転盤4
60の半径方向の位置を変えて設けられており、そのた
め、12個の回動板392には、図13および図18に
示すように、1個おきに、上端部に半径方向外向きに突
出する係合部500が設けられている。また、係合部5
00が設けられた回動板392の上端部には、図13,
図18および図20に示すように、係合部500が設け
られていない回動板392に連結された停止位置変更用
エアシリンダ490との干渉を回避するために切欠50
1が形成されている。なお、係合部500が設けられて
いない回動板392に連結された停止位置変更用エアシ
リンダ490を支持するブラケット494の等速回転盤
460に固定された部分は、隣接する回動板392に連
結された停止位置変更用エアシリンダ490のシリンダ
チューブ492より上側にあって干渉することがなく、
また、その他の部分は、そのシリンダチューブ492か
ら外れた位置にあって干渉することはない。
【0119】停止位置変更用エアシリンダ490は複動
式のエアシリンダであり、鼓形カム用ローラ436は、
停止位置変更用エアシリンダ490により、回動板39
2を介して常時、上流側側壁440と下流側側壁442
とのいずれか一方に向かって付勢されており、2個のエ
ア室へのエアの供給の切換えにより、鼓形カム用ローラ
436が上流側側壁440と下流側側壁442とのいず
れに向かって付勢されるかが変更される。
【0120】本電子部品搬送装着装置380においても
前記実施形態と同様に、フレーム382の下面に固定カ
ム504が固定され、カム溝506に固定カム用ローラ
502が回転可能に嵌合されている。固定カム用ローラ
502は、前記実施形態におけると同様に、回動板39
2に昇降可能に支持された昇降板124に取り付けられ
ている。昇降板124にはまた、前記実施形態における
と同様に部品保持ヘッド120が取り付けられている。
【0121】電源から供給されるエネルギは、図示しな
い無接触給電装置により、12個ずつの切換装置178
の電磁方向切換弁およびノズル回転・選択用サーボモー
タ192に供給される。フレーム382側に給電器が設
けられ、主軸388に受電器が設けられている。これら
給電器および受電器は、12個ずつの電磁方向切換弁お
よびノズル回転・選択用サーボモータ192の各々につ
いて設けられ、給電器から受電器に供給された電気エネ
ルギは、導電線により電磁方向切換弁,ノズル回転・選
択用サーボモータ192の各々に供給される。
【0122】また、バキューム源から供給されるバキュ
ームは、図示しない配管により、主軸388内に設けら
れた通路(図示省略)に供給され、主軸388から切換
装置178に供給される。主軸388は回転するため、
上記配管と主軸388内の通路とは、主軸388が回転
しても連通状態が維持されるバルブにより接続されてい
る。また、主軸388内の通路は、12本の図示しない
ホースによって12個の切換装置178の各々に接続さ
れており、主軸388と回動板392との相対回転はホ
ースの撓みにより許容される。
【0123】固定カム504の部品吸着位置および部品
装着位置にそれぞれ対応する部分には、前記固定カム1
28と同様に嵌合溝および開口が設けられ、前記部品保
持ヘッド昇降装置260の昇降部材266が昇降可能に
嵌合されている。部品吸着位置近傍に設けられた部品保
持ヘッド昇降装置260の昇降部材266の幅(回動板
392の回動方向と平行な方向の寸法)は、回動板39
2が第1,第2いずれの部品吸着位置に停止しても、固
定カム用ローラ502が溝272内に位置する大きさを
有するものとされている。部品装着位置近傍に設けられ
た部品保持ヘッド昇降装置260の昇降部材266の溝
272についても同じである。
【0124】図17に概略的に示すように、カム溝50
6の高さが周方向において変化せず、水平な部分のう
ち、部品吸着位置およびその前後に対応する部分は、
幅、すなわち回動板392の回動軸線に平行な上下方向
の寸法が、固定カム用ローラ502の直径に6mmを加え
た大きさとされ、固定カム用ローラ502の幅方向の移
動を許容する第1広幅部508とされている。また、カ
ム溝506の部品装着位置およびその前後に対応する部
分の幅は、固定カム用ローラ502の直径に4mmを加え
た大きさの第2広幅部509とされ、撮像位置およびそ
の前後に対応する部分の幅は、固定カム用ローラ502
の直径に3mmを加えた大きさの第3広幅部511とされ
ている。これら第2,第3広幅部509,511も固定
カム用ローラ502の幅方向の移動を許容する。また、
カム溝506の水平な部分のうち、回動板392の回動
方向において部品吸着位置の上流側に位置する部分は、
幅が狭く、固定カム用ローラ502が殆ど隙間なく回転
可能に嵌合する第1狭幅部510とされ、カム溝506
の高さが周方向において変化する部分も、幅が狭い第2
狭幅部514とされている。さらに、カム溝506の幅
が異なる部分間の境界部は、幅が滑らかに変化する幅変
化部512とされている。
【0125】部品吸着位置近傍に対応する位置に設けら
れた前記部品保持ヘッド昇降装置260の昇降部材26
6に設けられた溝272の高さ方向(回動板392の回
動軸線と平行な方向)の寸法は、第1広幅部508と同
じにされ、部品装着位置近傍に対応する位置に設けられ
た部品保持ヘッド昇降装置260の昇降部材266に設
けられた溝272の高さ方向の寸法は、第2広幅部50
9と同じにされている。なお、このようにカム溝506
の幅を異ならせる理由は、後に説明する。
【0126】12個の回動板392にはそれぞれ、図1
3に示すように、幅方向位置変更用エアシリンダたる高
さ変更用エアシリンダ520が下向きに取り付けられて
いる。高さ変更用エアシリンダ520のピストンロッド
522には、係合部材524が固定されるとともに、係
合部材524は部品保持ヘッド120を保持する昇降板
124に固定されている。高さ変更用エアシリンダ52
0は複動エアシリンダであり、固定カム用ローラ502
は高さ変更用エアシリンダ520により、昇降板124
を介して、常時、カム溝506の上側側壁526と下側
側壁528(図17参照)とのいずれか一方に向かって
付勢されている。高さ変更用エアシリンダ520の2つ
のエア室へのエアの供給の切換えにより、高さ変更用エ
アシリンダ520が固定カム用ローラ502を上側側壁
526と下側側壁528とのいずれに向かって付勢する
かが変更される。カム溝506の広幅部508,50
9,511においては、固定カム用ローラ502が上側
側壁526と下側側壁528とのいずれに向かって付勢
されているかによって、昇降板124(部品保持ヘッド
120)の高さが変わる。昇降板124は高さ変更用エ
アシリンダ520によっても昇降させられるのである。
【0127】昇降板124が固定カム504によって昇
降させられるとき、昇降板124の昇降方向が高さ変更
用エアシリンダ520による固定カム用ローラ502の
付勢方向とは逆になるときがある。この際、高さ変更用
エアシリンダ520の2つのエア室のうち、エア源に接
続されている方のエア室内のエアが圧縮されることによ
り、昇降板124の昇降が許容されるようにしてもよい
が、エア源に接続されたエア室内のエアの排出が許容さ
れることにより、昇降板124の昇降が許容されるよう
にすることが望ましい。そのようにすればエア室内の圧
力が変化せず、固定カム用ローラ502をカム溝506
の側壁に一定の力で押し付けることができるからであ
る。
【0128】固定カム用ローラ502が上側側壁526
に押し付けられた状態では、下側側壁528に押し付け
られた状態よりも、第1,第2部品吸着位置,第1,第
2部品装着位置,撮像位置への到達時における部品保持
ヘッド120の高さが高くなる。部品吸着位置および部
品装着位置に停止させられたときの部品保持ヘッド12
0の回動板392に対する回動軸線に平行な軸方向にお
ける位置であって、部品保持ヘッド120の移動経路に
直角な上下方向の停止位置(高さ)が2段階に変えら
れ、部品保持ヘッド120の移動経路が、撮像位置およ
びその前後に対応する部分において、移動経路に直角な
上下方向における位置を異にする2つの移動経路のうち
の1つに選択的に変更されるのである。部品吸着ステー
ションおよび部品装着ステーションではそれぞれ、回動
板392が第1,第2部品吸着位置および第1,第2部
品装着位置のいずれに停止する場合でも、部品保持ヘッ
ド120の高さを2段階に変えることができる。
【0129】なお、電子部品の吸着を行う部品吸着ノズ
ル158の選択は、回動板392が部品排出領域を通過
した後、固定カム用ローラ502がカム溝506の部品
吸着位置の上流側に位置する部分であって、水平であ
り、かつ、幅が狭く、固定カム用ローラ502が殆ど隙
間なく嵌合する第1狭幅部510内を移動する間に行わ
れる。そのような位置にノズル選択用カムが設けられて
いるのである。
【0130】前記12個ずつの停止位置変更用エアシリ
ンダ490および高さ変更用エアシリンダ520の各エ
ア室へのエアの供給の切換えは、図13および図19に
示すように、等速回転盤460に等角度間隔に固定され
た12個ずつの停止位置変更用バルブ530,高さ変更
用バルブ532により行われる。これらバルブ530,
532はそれぞれ、切換部材たるスプールの移動により
エアの供給,遮断が機械的に行われるとともに、スプー
ルが移動端位置に移動した状態に保たれるように構成さ
れたものであり、等速回転盤460の半径方向において
位置をずらして一体的に設けられている。これら停止位
置変更用バルブ530,高さ変更用バルブ532を切り
換えるために、図18,図19に示すように、フレーム
382には、第1,第2の2つの停止位置変更用バルブ
切換装置534,536および高さ変更用バルブ切換装
置538(図20参照)が設けられている。
【0131】図18に示すように、部品吸着位置に位置
決めされた回動板392について設けられた停止位置変
更用バルブ530および高さ変更用バルブ532が位置
する位置を第1位置とし、時計方向まわりに30度ずつ
隔たった位置をそれぞれ第2ないし第12位置とすれ
ば、回動板392が部品装着位置に位置し、電子部品を
装着するとき、その回動板392について設けられた停
止位置変更用バルブ530および高さ変更用バルブ53
2は、第7位置に位置する。回動板392が撮像位置に
到達したとき、その回動板392について設けられた停
止位置変更用バルブ530および高さ変更用バルブ53
2は第4位置に位置する。第1停止位置変更用バルブ切
換装置534は第5位置に設けられ、第2停止位置変更
用バルブ切換装置536は第11位置に設けられ、高さ
変更用バルブ切換装置538は第10位置に設けられて
いる。
【0132】上記3つの各バルブ切換装置534〜53
8の構成は同じであり、図19に示す第1停止位置変更
用バルブ切換装置534を代表的に説明する。第1停止
位置変更用バルブ切換装置534は、停止位置変更用バ
ルブ530のスプールの上下方向の両側にそれぞれ位置
する状態となる作用部材たる係合ローラ540,542
を有する。係合ローラ540,542はそれぞれ、フレ
ーム382に取り付けられて作用部材駆動装置を構成す
るバルブ切換用エアシリンダ544,546のピストン
ロッド548,550の先端部に、回動板392の回動
軸線と直交し、水平な軸線まわりに回転可能に取り付け
られている。バルブ切換用エアシリンダ544,546
は単動シリンダであり、係合ローラ540,542は常
には単動シリンダのスプリングの付勢力により、停止位
置変更用バルブ530のスプールから離間するようにさ
れている。第2停止位置変更用バルブ切換装置536
も、第1停止位置変更用バルブ切換装置534と同様
に、回動板392の回動軸線を中心とする半径方向にお
いて停止位置変更用バルブ530と対応する位置に設け
られ、高さ変更用バルブ切換装置538は、上記半径方
向において高さ変更用バルブ532と対応する位置に設
けられている。
【0133】なお、図示しない配管により主軸388内
に供給されたエアは、主軸388から等速回転盤460
を経て12個ずつの停止位置変更用バルブ530および
高さ変更用バルブ532の各々に供給される。主軸38
8は回転するため、上記配管と主軸388内の通路と
は、主軸388が回転しても連通状態が維持されるバル
ブにより接続されている。停止位置変更用バルブ530
は停止位置変更用エアシリンダ490に図示しないホー
スにより接続され、高さ変更用バルブ532は高さ変更
用エアシリンダ520に図示しないホースにより接続さ
れている。
【0134】本電子部品装着システムは、図21に示す
制御装置560により制御される。この制御装置560
は、前記制御装置330と同様にコンピュータ340を
主体とするものであり、入力インタフェース342には
ストロボ付高速度カメラ562が接続されている。出力
インタフェース344には、駆動用サーボモータ402
等が接続されるとともに、駆動回路564を介して第
1,第2停止位置変更用バルブ切換装置534,536
および高さ変更用バルブ切換装置538の各バルブ切換
用エアシリンダ544,546(正確には、バルブ切換
用エアシリンダ544,546へのエアの供給,遮断を
切り換える電磁弁)が接続されている。また、ROM3
34には、電子部品の吸着,装着を実行するためのプロ
グラム,部品吸着位置および部品装着位置を変更するた
めのプログラム,部品保持ヘッド120の部品装着,撮
像および部品装着の各位置における高さを変更するため
のプログラム等、種々のプログラムが格納されている。
【0135】本電子部品装着システムにおいて電子部品
のプリント基板への装着時には、駆動用サーボモータ4
02が起動され、等速回転盤460,鼓形カム410
a,410bが回転させられて12個の回動板392が
個々に加速,減速,定速回動あるいは停止させられる。
回動板392は、係合装置464の係合ピン468が係
合凹部486に嵌入した状態では、等速回転盤460に
より等速回動させられ、鼓形カム用ローラ436が鼓形
カム410a,410bのカム溝430a,430bに
係合した状態では、鼓形カム410a,410bの回転
により回動させられる。回動板392は、部品吸着位置
の前後および部品装着位置の前後では、鼓形カム410
a,410bの回転により回動させられ、部品吸着位置
および部品装着位置においてそれぞれ停止させられ、部
品保持ヘッド120の部品吸着ノズル158が電子部品
164を吸着し、プリント基板38に装着するのであ
る。
【0136】撮像位置を通過するとき、回動板392は
係合ピン468によって等速回転盤460に係合させら
れており、停止せず、等速回動しつつ、部品保持ヘッド
120の保持した電子部品164がストロボ付高速度カ
メラ562により撮像される。ストロボ付高速度カメラ
562であれば、電子部品164が停止しなくても、十
分に撮像することができる。撮像データに基づいて電子
部品164のX軸,Y軸方向の各位置誤差および回転位
置誤差が算出され、回転位置誤差は部品保持ヘッド12
0が撮像位置から部品装着位置へ移動するまでの間に、
部品吸着ノズル158が自身の軸線のまわりに回転させ
られて修正される。
【0137】回動板392の部品吸着位置および部品装
着位置への回動に伴って、固定カム用ローラ502が固
定カム504のカム溝506から部品保持ヘッド昇降装
置260の昇降部材266の溝272へ入り、昇降部材
266の昇降によって部品保持ヘッド120が昇降させ
られ、電子部品を吸着,装着すること、部品保持ヘッド
120の昇降と回動とが一部、並行して行われること
は、前記実施形態と同じである。しかし、本電子部品搬
送装着装置380においては、部品吸着位置,部品装着
位置をそれぞれ2位置に変更し、部品吸着位置,撮像位
置および部品装着位置への到達時における部品保持ヘッ
ド120の高さを2段階に変更することができる。
【0138】まず、部品吸着位置の変更を説明する。な
お、ここでは多数のカートリッジ22はカートリッジ支
持台20に、電子部品のプリント基板38への装着順に
並べられているものとする。部品吸着位置は、電子部品
を供給するカートリッジ22の交替時に変更される。カ
ートリッジ支持台20に取り付けられた多数のカートリ
ッジ22はそれぞれ、電子部品を複数個ずつ供給するの
が普通であり、所定数の電子部品の供給後、交替させら
れる。そして、カートリッジ22が、図22(a)に示
すように、16mmのピッチでカートリッジ支持台20に
取り付けられ、カートリッジ支持台20が8mmピッチで
移動させられるとすれば、カートリッジ22の交替時に
はカートリッジ支持台20を2ピッチ移動させることが
必要である。しかし、カートリッジ支持台20が2ピッ
チ、すなわち16mm移動し、次に電子部品を供給するカ
ートリッジ22が電子部品供給位置に位置決めされるの
を待っていれば、部品吸着位置,部品装着位置への部品
保持ヘッド120の到達時間ピッチが長くなって装着能
率が低下することを避け得ない。
【0139】今、カートリッジ22の交替時には、カー
トリッジ支持台20が図中矢印Pで示すように、回動板
392の回動方向(図中矢印Qで示す方向)と対向する
正方向へ移動させられる態様で電子部品が供給されてい
るとすれば、回動板392は図22(a)に示すように
常には第1部品吸着位置で停止させられる。鼓形カム用
ローラ436が、停止位置変更用エアシリンダ490の
付勢により、カム溝430aの上流側側壁440に押し
付けられた状態で直角部434に至るのである。第1部
品吸着位置に位置決めされた部品保持ヘッド120の真
下の位置をカートリッジ22の第1部品供給位置とす
る。
【0140】図22(a)に示すように、例えば、カー
トリッジ22Cから最後に電子部品を吸着する部品保持
ヘッド120Aによる電子部品の吸着後、次にカートリ
ッジ22Bが電子部品を供給するために、図22(b)
に示すように、カートリッジ支持台20が正方向へ8mm
移動させられるとともに、カートリッジ22Bから最初
に電子部品を吸着する部品保持ヘッド120Bを保持す
る回動板392Bは、第2部品吸着位置で停止させられ
る。前述のように、第1部品吸着位置と第2部品吸着位
置とのX軸方向、すなわちカートリッジ支持台20の移
動方向と平行な方向の間隔は8mmとされており、カート
リッジ22Bと回動板392Bとが相対的に16mm移動
させられ、部品保持ヘッド120Bはカートリッジ22
Bが16mm移動させられるのを待つことなく、電子部品
を吸着することができる。このように第2部品吸着位置
で停止した回動板392が保持する部品保持ヘッド12
0の真下の位置をカートリッジ22の第2部品供給位置
とする。
【0141】回動板392を第2部品吸着位置で停止さ
せるときには、鼓形カム用ローラ436が停止位置変更
用エアシリンダ490の付勢により、カム溝430aの
下流側側壁442に押し付けられる。そのため、第2部
品吸着位置で停止させられる回動板392について設け
られた停止位置変更用バルブ530が図18に示す第1
1位置へ到達したとき、その回動板392が第1部品吸
着位置で停止する状態になっていれば、第2停止位置変
更用バルブ切換装置536により停止位置変更用バルブ
530の切換えが行われる。
【0142】鼓形カム410a,410bおよび主軸3
88は駆動用サーボモータ402により回転させられ、
駆動用サーボモータ402の回転と鼓形カム410a,
410bおよび主軸388の回転とは1対1に対応して
おり、駆動用サーボモータ402の回転量に基づいて1
2個の回動板392がそれぞれどの位置にあるかがわか
り、電子部品の吸着,装着を行うためのプログラム等か
ら吸着すべき電子部品の種類,吸着位置等がわかり、第
11位置に到達した回動板392が第1,第2の部品吸
着位置のいずれに停止する状態になっていて、停止位置
変更用バルブ530の切換えを行うか否かがわかる。
【0143】バルブ切換用エアシリンダ544,546
は、停止位置変更用バルブ530の切換え時以外は、エ
ア室が大気に開放され、ピストンロッド548,550
がスプリングの付勢力により係合ローラ540,542
が停止位置変更用バルブ530のスプールの切換えを行
わない非作用位置へ移動させられている。停止位置変更
用バルブ530の切換えを行うとき、2個のバルブ切換
用エアシリンダ544,546のうちの一方が作動させ
られて係合ローラ540,542の一方が作用位置へ移
動させられ、停止位置変更用バルブ530のスプールを
所定の方向に移動させる。等速回転盤460の回転に伴
って移動する停止位置変更用バルブ530のスプール
は、係合ローラ540,542のうち、作用位置へ移動
させられている係合ローラに係合し、係合ローラの外周
面の斜面の作用により移動させられ、停止位置変更用バ
ルブ530が切り換えられて停止位置変更用エアシリン
ダ490が回動板392を鼓形カム用ローラ436がカ
ム溝430aの上流側側壁440または下流側側壁44
2に係合する向きに付勢する。停止位置変更用エアシリ
ンダ490が回動板392を付勢する方向が変更される
のである。停止位置変更用バルブ530の切換え後、係
合ローラ540あるいは542は非作用位置へ戻される
が、次に第11位置に到達する回動板392の停止位置
を、直前に第11位置に到達した回動板392と同じ側
へ変更するのであれば、作用位置に位置したままとされ
る。
【0144】バルブ切換用エアシリンダ544あるいは
546は、回動板392が回動している間に停止位置変
更用バルブ530を切り換えるのであるが、バルブ切換
用エアシリンダ544,546は係合ローラ540,5
42において停止位置変更用バルブ530のスプールに
接触するため、回動板392の回動を妨げることなく、
スムーズに切換えが行われる。第1停止位置変更用バル
ブ切換装置534,高さ変更用バルブ切換装置538に
おいても同様である。係合ローラ540,542は、常
には非作用位置にあり、係合ローラ540,542が停
止位置変更用バルブ530の切換え時以外にスプールの
通過経路内に位置して停止位置変更用バルブ530を切
り換えてしまうことがない。
【0145】また、停止位置変更用バルブ530の切換
えは、回動板392が部品吸着位置に到達する2移動ピ
ッチ前に開始されている。停止位置変更用バルブ530
が切り換えられても、回動板392は係合装置464に
よって等速回転盤460に係合させられており、この状
態では停止位置変更用エアシリンダ490により回動板
392が回動させられることはなく、鼓形カム用ローラ
436がカム溝430aに嵌合し、係合装置464によ
る回動板392と等速回転盤460との係合が解かれた
後、鼓形カム用ローラ436はカム溝430aの停止位
置変更用エアシリンダ490により付勢された側の側壁
(第2部品吸着位置において停止する回動板392Bに
ついては下流側側壁442)に沿って移動し、回動板3
92が設定された側の位置(回動板392Bについては
第2部品吸着位置)において停止させられる。カム溝4
30aの直角部434の幅は鼓形カム用ローラ436よ
り大きいが、鼓形カム用ローラ436は回動板392を
介して停止位置変更用エアシリンダ490により上流側
側壁440と下流側側壁442との一方に押し付けられ
ているため、カム溝430a内においてがたつくことは
なく、回動板392は第1または第2部品吸着位置に精
度良く停止させられ、部品保持ヘッド120は確実に電
子部品を吸着することができる。部品装着時も同じであ
って、部品保持ヘッド120は、プリント基板の部品装
着箇所に精度良く電子部品164を装着することができ
る。
【0146】カートリッジ22Bは1個目の電子部品を
供給した後、正方向に更に8mm移動させられる。そのた
め、図22(c)に示すように、カートリッジ22Bか
ら2個目の電子部品を吸着する部品保持ヘッド120C
は、第1部品吸着位置において電子部品を吸着すること
ができる。
【0147】電子部品供給装置14が1枚のプリント基
板38に装着される電子部品を供給し終え、図23
(a)に示すように、カートリッジ支持台20の正方向
への移動方向において最も上流側のカートリッジ22A
が電子部品を供給し終えたならば、次にカートリッジ支
持台20は図23(b)に矢印Rで示すように逆方向
へ、すなわち回動板392の回動方向と沿う方向へ移動
させられ、多数のカートリッジ22が次のプリント基板
38用に順次電子部品を供給する。なお、カートリッジ
支持台20の逆方向への移動による電子部品の供給時に
は、電子部品は、カートリッジ支持台20の正方向への
移動による電子部品の供給時とは逆の順序でプリント基
板38に装着される。
【0148】このカートリッジ支持台20の逆方向への
移動による電子部品の供給は、カートリッジ22Aから
開始され、部品保持ヘッド120は、常には第2部品吸
着位置において電子部品を吸着する。そのため、逆方向
への移動による電子部品の供給開始時にカートリッジ支
持台20が逆方向へ8mm移動させられるとともに、この
カートリッジ22Aから電子部品を取り出す部品保持ヘ
ッド120、例えば部品保持ヘッド120Aを保持する
回動板392Aは第2部品吸着位置で停止させられる。
【0149】カートリッジ22Aによる電子部品の供給
が終了したならば、図23(c)に示すように、カート
リッジ支持台20が逆方向へ8mm移動させられるととも
に、次に電子部品を供給するカートリッジ22Bから電
子部品を吸着する最初の部品保持ヘッド120、例えば
部品保持ヘッド120Eを保持する回動板392Eが第
1部品吸着位置に停止させられ、部品保持ヘッド120
Eが第1部品吸着位置において電子部品を吸着する。カ
ートリッジ22Bと回動板392とが16mm相対移動さ
せられるのである。なお、回動板392Eが第2部品吸
着位置に停止するようにされていれば、第11位置を通
過するとき、第2停止位置変更用バルブ切換装置536
により停止位置変更用バルブ530の切換えが行われ
る。1個目の電子部品の供給後、カートリッジ22B
は、図23(d)に示すように逆方向に更に8mm移動さ
せられ、カートリッジ22Bから2個目以降の電子部品
を吸着する部品保持ヘッド120Fは、第2部品吸着位
置において電子部品を吸着することができる。
【0150】このように電子部品を供給するカートリッ
ジ22の交替時に回動板392の停止位置が変えられる
ことにより、カートリッジ22の移動ピッチが短くて済
み、カートリッジ交替時のカートリッジ支持台20の
加,減速度を大きくすることなく、部品吸着ノズル15
8の部品吸着位置への到達時間ピッチを短くすることが
でき、能率良く電子部品164を吸着し、部品装着能率
を向上させることができる。また、カートリッジ22が
振動少なく移動し、部品保持テープにより保持された電
子部品164の立ち上がり等を回避することができる。
さらに、カートリッジ移動用サーボモータ26を出力の
小さいものとすることができるとともに、電子部品装着
システムを支持する床等、支持部材の強度を低くするこ
とができる。
【0151】部品保持ヘッド120が部品吸着位置にお
いて電子部品を吸着した後、部品装着位置へ向かう途中
であって、回動板392が等速回転盤460により等速
回動させられている状態でストロボ付高速度カメラ56
2により電子部品が撮像される。なお、撮像時には、回
動板392は等速回転盤460により回動させられるた
め、吸着時に第1部品吸着位置にあるか第2部品吸着位
置にあるかに関係なく、常に一定の位置で撮像される。
【0152】回動板392は、部品装着時にも、第1部
品装着位置と第2部品装着位置とに選択的に停止させら
れる。部品装着位置へ移動させられた部品保持ヘッド1
20による電子部品164のプリント基板38への装着
後、次に部品装着位置へ移動させられて来る部品保持ヘ
ッド120の下方に次の部品装着箇所を位置させるため
のプリント基板38の移動距離が小さくなる方に回動板
392の停止位置が選択され、その選択に応じてプリン
ト基板38の移動距離が設定される。それによりプリン
ト基板38のX軸方向の移動距離を短くすることが可能
であり、プリント基板38の移動時の加,減速度を大き
くすることなく、部品吸着ノズル158の部品装着位置
への到達時間ピッチを短くすることが可能である。プリ
ント基板38の移動時の加,減速度を小さくし得ること
により、既にプリント基板38に装着された電子部品1
64の位置ずれの発生を回避することも可能であり、ま
た、プリント基板38を移動させるためのX軸,Y軸移
動用サーボモータ42,48を出力の小さいものとする
ことが可能である。
【0153】回動板392の部品保持ヘッド120が保
持する電子部品の種類,プリント基板への装着位置(部
品装着箇所)および吸着時における回動板392の位置
は装着プログラム上、わかっており、吸着時と装着時と
において回動板392の停止位置が同じであれば、すな
わちX軸方向において上流側の位置と下流側の位置との
いずれにあるかが同じであれば、回動板392の停止位
置は変更されないが、停止位置が異なるのであれば、そ
の回動板392の停止位置変更用バルブ530が第5位
置を通過するとき、第1停止位置変更用バルブ切換装置
534により停止位置変更用バルブ530の切換えが行
われ、回動板392の停止位置が変更される。
【0154】また、回動板392の部品装着時の停止位
置と、次の部品吸着時の停止位置とが異なる場合には、
回動板392の停止位置変更用バルブ530が第11位
置を通過するとき、第2停止位置変更用バルブ切換装置
536により停止位置変更用バルブ530の切換えが行
われ、回動板392の停止位置が変更される。
【0155】次に、部品保持ヘッド120の部品吸着,
撮像および部品装着の各位置における高さ、すなわち回
動板392に対する回動軸線に平行な軸方向における位
置の変更を説明する。本電子部品搬送装着装置380に
おいては、高さ変更用バルブ切換装置538は1つ設け
られており、高さの変更は回動板392が1周する間に
1回行われる機会がある。そのため、部品保持ヘッド1
20の部品吸着位置,部品装着位置および撮像位置にお
いて高さはそれぞれ2段階に変更可能であるが、本実施
形態では、部品装着位置において高い側が選択されれ
ば、他の2つの位置における高さも高くされ、部品装着
位置において低い側が選択されれば、他の2つの位置に
おける高さも低くなるようにされている。
【0156】部品装着位置における部品保持ヘッド12
0の高さは、次のようにして選択される。電子部品16
4のプリント基板38への装着時には、電子部品164
を保持した部品保持ヘッド120は昇降板124と共に
固定カム504のカム溝506により案内されて下降
し、部品装着位置近傍においては水平に移動するのであ
るが、この水平移動時の高さは部品保持ヘッド120に
より保持された電子部品164が既にプリント基板38
に装着された電子部品164と干渉しない高さに設定さ
れ、部品保持ヘッド120により保持された電子部品1
64の高さが小さいほど、干渉の恐れが少なく、低く設
定することが可能である。しかし、部品保持ヘッド12
0の高さを高さが小さい電子部品164に合わせて低く
設定すれば、高さが大きい電子部品が既に装着された電
子部品164と干渉する恐れがあり、高さが大きい電子
部品164に合わせて高く設定すれば、高さが小さい電
子部品164を装着する際の部品保持ヘッド120の昇
降ストロークが大きくなって無駄である。そのため、部
品装着位置において部品保持ヘッド120の停止時の高
さは、電子部品164の高さに応じて2段階に設定され
る。
【0157】本電子部品装着システムにおいて装着され
る電子部品164の高さは、0〜6mmであり、高さが0
より大きく2mm以下の電子部品164を小電子部品、2
mmより大きく6mm以下の電子部品164を大電子部品と
する。そして、プリント基板38に高さ6mmの電子部品
164が装着されているとき、大電子部品のうち、高さ
が最も大きく、干渉の可能性が高い6mmの電子部品16
4をプリント基板38に装着しようとすれば、装着済み
の電子部品164との干渉を回避するためには、装着済
みの電子部品164の上面と部品保持ヘッド120に保
持された電子部品164の下面との間に2mmの隙間が設
けられ、部品吸着ノズル158の吸着管162のプリン
ト基板38の上面からの距離は14mmとなる。それに対
し、小電子部品のうち、高さが最も大きく、干渉の可能
性の高い高さ2mmの電子部品164を装着しようとすれ
ば、装着済みの電子部品164との間に2mmの隙間を設
けるためには、吸着管162のプリント基板38の上面
からの距離は10mmでよく、大電子部品装着時の距離と
の差は4mmである。そのため、固定カム504のカム溝
506の第2広幅部509の幅は、固定カム用ローラ5
02の直径に4mmを加えた大きさとされ、部品保持ヘッ
ド120を、大電子部品の装着時には吸着管162とプ
リント基板38の上面との距離が14mm、小電子部品の
装着時には10mmの高さで停止させるようにされている
のである。なお、複数の部品吸着ノズル158の各吸着
管162の先端面(吸着面)は、前記支持軸152の軸
線を中心とする一円周上に位置しており、電子部品16
4の吸着,装着時における部品吸着ノズル158の昇降
ストロークは、部品吸着ノズル158の種類によっては
変わらない。
【0158】部品吸着位置では、部品保持ヘッド120
の2段階の停止高さの差が6mmとされている。本電子部
品装着システムの電子部品供給装置14のカートリッジ
22により供給される電子部品164は、テープにより
保持されたテープ化電子部品とされている。テープ化電
子部品は、部品保持テープとトップテープとによって電
子部品がテーピングされたものであり、ここでは、部品
保持テープが、幅方向の両側において長手方向に延びる
被支持部と、それら両被支持部の間の部分から下方へ突
出させられた多数の容器状の電子部品収容部とを有し、
これら電子部品収容部内の各電子部品収容凹部にそれぞ
れ電子部品164が収容されたエンボスタイプのものと
されている。一対の被支持部はカートリッジ本体の支持
部により下方から支持され、電子部品収容部は両支持部
の間の凹所に配設される。電子部品収容凹部は、電子部
品164の高さが高いほど深く設けられるが、カートリ
ッジ本体の被支持部を支持する支持部の高さは一定であ
り、電子部品収容凹部の開口の上下方向の位置(部品保
持テープの上面の上下方向の位置)は電子部品164の
高さに関係なく、同じである。
【0159】電子部品164の吸着時には、部品保持ヘ
ッド120が吸着管162が電子部品に当接するまで下
降させられ、吸着後、上昇させられるのであるが、この
とき、電子部品全体が電子部品収容凹部から抜け出すと
ともに、吸着後、回動板392の回動時に電子部品16
4がカートリッジ22の本体に被せられてテープ化電子
部品を覆うカバー等と干渉しない高さまで上昇させるこ
とが必要である。この周辺部材との干渉回避に必要な高
さは、カートリッジ22により異なり、高さが0より大
きく2mm以下の小電子部品を保持するカートリッジにつ
いては2mmであり、高さが2mmより大きく、6mm以下の
大電子部品を保持するカートリッジについては4mmであ
る。したがって、小電子部品の吸着時には、吸着管16
2と部品保持テープの上面との距離は、上記2mmと、小
電子部品のうち高さが最大の電子部品の高さ2mmとを加
えた4mmであり、大電子部品の吸着時には、上記4mm
と、大電子部品のうち高さが最大の電子部品の高さ6mm
とを加えた10mmであって、両者の差は6mmである。そ
のため、固定カム504のカム溝506の第1広幅部5
08は、固定カム用ローラ502の直径に6mmを加えた
大きさとされ、部品保持ヘッド120を、大電子部品の
吸着時には吸着管162の下面(吸着面)と部品保持テ
ープの上面との距離が10mm、小電子部品の吸着時に
は、その距離が4mmの高さで停止させるように形成され
ているのである。
【0160】このように部品保持ヘッド120の吸着位
置の高さが電子部品の高さに応じて6mm異なるままで撮
像が行われれば、ストロボ付高速度カメラ562と電子
部品の下面との距離のばらつきが大きく、ぼけが生ずる
ことが多い。そのため、固定カム504のカム溝506
の第3広幅部511の幅が固定カム用ローラ502の直
径に3mmを加えた大きさとされ、第1広幅部508より
小さくされており、上記ばらつきが小さくされ、ぼけの
発生が抑えられるようにされている。
【0161】部品保持ヘッド120の高さの変更は、部
品装着後、部品吸着前であって、変更が行われる部品保
持ヘッド120について設けられた高さ変更用バルブ5
32が第10位置を通過するときに行われる。高さの変
更が行われる部品保持ヘッド120について設けられた
高さ変更用バルブ532が第10位置に到達したこと
は、駆動用サーボモータ402の回転量からわかり、ま
た、その部品保持ヘッド120の部品吸着位置,撮像位
置および部品装着位置への到達時における高さが現に上
下いずれの側に選択されており、次にいずれの側を選択
するか等は、部品の吸着,装着を行うためのプログラム
等からわかり、この部品保持ヘッド120について現に
選択されている部品吸着,撮像および部品装着の各位置
における高さが次の電子部品の吸着,撮像および装着の
ための高さと異なるとき、高さ変更用バルブ切換装置5
38が作動させられ、高さ変更用バルブ532が切り換
えられて高さ変更用エアシリンダ520により部品保持
ヘッド120の高さが変更される。装着する電子部品1
64が高さが0より大きく2mm以下の小電子部品であれ
ば、高さが低い側とされ、電子部品が高さが2mmより大
きく、6mm以下の大電子部品であれば、高い側とされる
のである。高さ変更用バルブ切換装置538の係合ロー
ラ540,542は常には非作用位置にあり、高さ変更
時に一方が作用位置へ移動させられて高さ変更用バルブ
532の切換えを行うことは、第1,第2停止位置変更
用バルブ切換装置534,436におけると同じであ
る。
【0162】この変更が行われるとき、固定カム用ロー
ラ502は、図17に示すように、カム溝506の回動
板392の回動方向において第1広幅部508の上流側
に位置する水平な第1狭幅部510を移動しており、高
さ変更用エアシリンダ520による固定カム用ローラ5
02の付勢方向が変わっても、固定カム用ローラ502
がここではカム溝506の幅方向において移動すること
はなく、スムーズに変更が行われる。固定カム用ローラ
502が上側側壁526に向かって付勢されていれば、
部品吸着,撮像および部品装着の各位置における部品保
持ヘッド120の高さが高くなり、下側側壁528に向
かって付勢されていれば、上記3つの位置での部品保持
ヘッド120の高さが低くなる。
【0163】電子部品164が大きければ、部品吸着位
置での部品保持ヘッド120の停止位置高さは、吸着管
162と部品保持テープの上面との距離が10mmの位置
になり、部品吸着位置において部品保持ヘッド120が
部品保持ヘッド昇降装置260によって昇降させられる
とき、昇降ストロークは、10mmに電子部品供給装置等
の製造誤差等を考慮した値を加えた大きさとされる。ま
た、電子部品164が小さければ、部品吸着位置での部
品保持ヘッド120の停止位置高さは、吸着管162と
部品保持テープの上面との距離が4mmの位置になり、昇
降ストロークは4mmに上記製造誤差等を考慮した値を加
えた大きさとされる。そして、これらストロークがそれ
ぞれ得られるように、部品保持ヘッド昇降装置260の
レバー276の回動軸線の位置が変更させられ、昇降部
材266の昇降ストロークが変更される。
【0164】電子部品164が小さく、部品保持ヘッド
120の部品吸着位置での高さが低い側に選択されてい
れば、固定カム用ローラ502はカム溝506の下側側
壁528に向かって付勢された状態で移動させられ、図
17に示すように、固定カム用ローラ502が第3広幅
部511を移動し、部品保持ヘッド120が撮像位置、
すなわちストロボ付高速度カメラ562上を通過すると
き、3mm上昇させられる。電子部品164の高さが大き
く、部品保持ヘッド120の部品吸着位置での高さが高
い側に選択されていれば、固定カム用ローラ502は上
側側壁526に付勢されたままであって、撮像時に高さ
は変わらず、部品保持ヘッド120が高い側に位置する
場合と低い側に位置する場合とにおける電子部品164
の下面の高さの差の最大値が3mm縮められ、ぼけの発生
が抑えられる。
【0165】次いで、固定カム用ローラ502は第2狭
幅部514を通って第2広幅部509へ至り、部品保持
ヘッド120が部品装着位置に到達する。部品保持ヘッ
ド120の部品装着位置での高さが高い側に選択されて
いれば、固定カム用ローラ502は上側側壁526に沿
って移動し、部品保持ヘッド120は、図24に示すよ
うに、吸着管162の下面がプリント基板38の上面か
ら14mm離れた高さで停止し、低い側に選択されていれ
ば、固定カム用ローラ502は下側側壁528に沿って
移動し、吸着管162の下面がプリント基板38の上面
から10mm離れた高さで停止し、4mmの差が生ずる。し
たがって、部品保持ヘッド120の昇降ストロークは、
電子部品164が大きいときは、吸着管162の下面と
プリント基板38の上面との距離、すなわち14mmから
電子部品164の高さを引いた値S1 にプリント基板支
持位置決め装置等の製造誤差等を考慮した値を加えた大
きさになり、電子部品164が小さいときは、10mmか
ら電子部品164の高さを引いた値S2 に上記値を加え
た大きさになり、これら昇降ストロークS1 ,S2が得
られるように部品保持ヘッド昇降装置260のレバー2
76の回動軸線の位置が変更され、昇降部材266の昇
降ストロークが変更されるのである。このように大電子
部品の装着時には、部品保持ヘッド120の停止位置高
さが高くされ、小電子部品の装着時には低くされるとと
もに、この高さは、電子部品164が大小いずれであっ
ても、装着済みの電子部品との干渉の回避を考慮して設
定されているため、電子部品の装着時に装着済みの電子
部品との干渉を生ずることがなく、また、小電子部品の
装着時の昇降ストロークが小さくて済む。
【0166】以上の説明から明らかなように、12個の
各部品保持ヘッド120について高さ変更用エアシリン
ダ520が設けられていることと、第1ないし第3広幅
部508,509,511がそれぞれ、部品吸着位置,
部品装着位置および撮像位置に設けられていることとに
よって、部品保持ヘッド120の各位置における高さが
2段階に変えられるのであり、これらは部品保持ヘッド
120の回動中の移動経路を変更する移動経路変更装置
の一種である高さ変更装置を構成している。このうち、
部品吸着位置および部品装着位置においては、部品保持
ヘッド120は停止させられ、停止位置の高さが変更さ
れるようになっており、第1,第2広幅部508,50
9および高さ変更用エアシリンダ520によって停止位
置高さ変更装置が構成されている。
【0167】第1,第2,第4ないし第12発明に共通
の一実施形態であり、第15,16の方法発明の実施に
使用される電子部品搬送装着装置を備え、第13,14
発明に共通の別の実施形態である電子部品装着システム
を図25〜図32に基づいて説明する。本実施形態の電
子部品搬送装着装置600においては、図1〜図12に
示す実施形態の電子部品搬送装着装置12と同様に4個
の鼓形カム602a〜602dが設けられ、15個の回
動板604が鼓形カム602a〜602dのみによって
回動させられる。
【0168】図25に示すように、図示しないベース上
に立設された複数のコラム608上に基板610が水平
に固定されるとともに、基板610の上面と下面とにそ
れぞれ支持部材612,614が固定され、コラム60
8,基板610と共に電子部品搬送装着装置600の装
置本体616を構成している。支持部材612と614
とにはそれぞれ、支持軸たる固定軸618の上端部と下
端部とが固定されている。固定軸618は、基板610
に形成された開口620を通って上下方向に配設されて
おり、固定軸618の上下方向に隔たった2箇所にそれ
ぞれ、15個の軸受622を1群とする軸受群624が
設けられている。15個の回動板604はそれぞれ、一
対ずつの被支持アーム626において軸受622により
固定軸618の軸線まわりに回動可能に支持されてい
る。なお、図26において15個の回動板604は、図
示を容易にするために等角度間隔で配置された状態が示
されている。また、図26においては、支持部材612
等の図示が省略されている。
【0169】15個の回動板604の上部は、基板61
0に形成された開口620を通って基板610の上方へ
突出させられており、突出端部にはそれぞれ、ブラケッ
ト630が固定されるとともに、大径ローラ632およ
び小径ローラ634が固定軸618の軸線と直交する軸
線まわりに回転可能に取り付けられ、カムフォロワ63
6を構成している。ブラケット630には支持軸638
が固定されるとともに、支持軸638のブラケット63
0に近い側に大径ローラ632が図示しない軸受を介し
て回転可能に取り付けられ、支持軸638の大径ローラ
632から突出した先端部分に、別の図示しない軸受を
介して、大径ローラ632より径の小さい小径ローラ6
34が大径ローラ632と同軸かつ独立に回転可能に取
り付けられているのである。
【0170】前記4個の鼓形カム602a〜602d
は、図26に示すように、固定軸618の軸線を対称軸
として軸対称に配設され、4個の鼓形カム602a〜6
02dの全軸線を含む一平面と、4個の鼓形カム602
a〜602dの各外周面との交線の集合が実質的に連続
した一円周を描いている。鼓形カム602a〜602d
にはそれぞれ、図25,図26および図27に示すよう
に、回転軸644a〜644dが同心に、かつ相対回転
不能かつ軸方向に相対移動不能に取り付けられるととも
に(鼓形カム602bについては、回転軸の図示が省略
されている)、前記基板610上に設けられた一対ずつ
のブラケット646a〜646dにより軸受を介して回
転可能に支持されている。図25においては、ブラケッ
ト646a,646cの図示が省略されている。
【0171】鼓形カム602dについて、図27に基づ
いて代表的に説明する。回転軸644dは、鼓形カム6
02dの軸線上に形成された貫通孔652に嵌合される
とともに、回転軸644dの一端部に設けられた雄ねじ
部654にナット656が螺合され、回転軸644dの
他端部に設けられた大径のフランジ部658と共に鼓形
カム602dを挟み、鼓形カム602dに軸方向に移動
不能に取り付けられている。回転軸644dは、キー6
60により鼓形カム602dに回転を伝達する。
【0172】回転軸644dの両端部はそれぞれ、ブラ
ケット646dにより軸受662,664を介して回転
可能に支持されており、軸受662,664からの突出
端部にそれぞれ、かさ歯車666,668が固定されて
いる。ブラケット646dの一部,軸受662の一部お
よび軸受664は、鼓形カム602dの両端部にそれぞ
れ設けられたテーパ状の凹部670,672に収容さ
れ、回転軸644dの軸受662,664の外側にかさ
歯車666,668が取り付けられている。かさ歯車6
66,668は対応するかさ歯車と噛み合わせる必要
上、鼓形カム602dから突出した位置に設けることが
必要であり、もしそれらかさ歯車666,668の外側
に軸受662,664を配設すれば、それら軸受66
2,664とそれらに隣接する軸受との干渉を回避しつ
つかさ歯車666,668を対応するかさ歯車と噛み合
わせることが困難なのであるが、本実施形態によればそ
の問題を解消することができるのである。
【0173】鼓形カム602aについても同様に、図2
6に示すように、回転軸644aにかさ歯車676,6
78が固定され、鼓形カム602d側のかさ歯車678
は、前記かさ歯車666と噛み合わされている。鼓形カ
ム602b,602cについては、鼓形カム602bの
図示しない回転軸および回転軸644cの各一端部のみ
にかさ歯車680,682が固定され、鼓形カム602
bのかさ歯車680は鼓形カム602aのかさ歯車67
6と噛み合わされ、鼓形カム602cのかさ歯車682
は、鼓形カム602dのかさ歯車668と噛み合わされ
ている。
【0174】鼓形カム602aの回転軸644aは、か
さ歯車678から更に延び出させられ、基板610上に
固定のブラケット690により軸受692を介して回転
可能に支持されるとともに、タイミングプーリ694が
固定されている。このタイミングプーリ694には、駆
動源たる駆動用サーボモータ696の回転がタイミング
プーリ698およびタイミングベルト700により伝達
される。それにより回転軸644aが回転させられれ
ば、鼓形カム602aが回転させられ、かさ歯車66
6,668,676,678,680,682の噛合い
により、4個の鼓形カム602a〜602dが一斉に同
期して回転させられる。回転軸644aが、駆動用サー
ボモータ696の回転を4個の鼓形カム602a〜60
2dに入力する入力軸としても機能するのである。
【0175】鼓形カム602a〜602dにはそれぞ
れ、カム溝710a〜710dが形成されている。これ
らカム溝710a〜710dはそれぞれ、図28にカム
溝710aを代表的に示すように、鼓形カム602aの
外周面に2本形成された2条のカム溝である。これら2
本のカム溝710aの形状は同じであり、180度位相
をずらして設けられている。これらカム溝710aに
は、鼓形カム602aに順次到達する回動板604のカ
ムフォロワ636が交互に嵌合する。
【0176】基板610の撮像位置近傍に対応する位置
に設けられた鼓形カム602aのカム溝710aは、鼓
形カム602aの回転軸線に直角な平面に対してリード
角を有する傾斜部714と、リード角を有しない直角部
716とを含む。傾斜部714が、回動板604を停止
前に一定角速度で回動する状態から加速させて移動距離
を稼がせ、減速して停止させ、回動再開時に回動板60
4を加速させて移動距離を稼がせ、減速して一定角速度
の回動に移行するように形成されていることは、前記実
施形態と同じである。基板610の部品吸着位置近傍に
対応する位置に設けられた鼓形カム602dのカム溝7
10dおよび部品装着位置近傍に対応する位置に設けら
れた鼓形カム602bのカム溝710bも同様に、傾斜
部および直角部を有する。鼓形カム602cのカム溝7
10cは、直線状の傾斜部のみを有し、回動板604を
停止させず、一定角速度で回動させるように形成されて
いる。
【0177】3つの鼓形カム602a,602b,60
2dの各カム溝710a,710b,710dはそれぞ
れ、撮像位置,部品装着位置および部品吸着位置におい
てそれぞれ回動板604が停止する時期が、1到達時間
ピッチ、すなわち1つの停止位置に次々に部品保持ヘッ
ドが到達する時間ピッチのほぼ1/3ずつずれるように
形成されている。カム溝710a,710b,710d
の各傾斜部714の傾斜は、曲線部においても直線部に
おいても互いに同じにされ、回動板604の定速回動速
度,加速度および減速度は鼓形カム602a,602
b,602dのいずれにおいても同じにされているが、
停止位置の前後における直線部の長さが互いに異ならさ
れ、部品吸着位置と撮像位置との間隔と、撮像位置と部
品装着位置との間隔は互いに等しくはされていない。ま
た、カム溝710cの傾斜部の傾斜は、カム溝710a
等の傾斜部714の直線部の傾斜と同じにされており、
回動板604は、鼓形カム602cにより、鼓形カム6
02a,602bおよび602dにより定速回動させら
れる場合と同じ角速度で定速回動させられる。
【0178】カム溝710a〜710dはそれぞれ、図
29にカム溝710aを代表的に示すように、幅が広い
広幅部720と、その広幅部720の底面に広幅部72
0より狭い幅で形成された狭幅部722とを備えた2段
カム溝であり、前記大径ローラ632は広幅部720に
回転可能に嵌合され、小径ローラ634は狭幅部722
に回転可能に嵌合されている。
【0179】広幅部720と狭幅部722とはそれぞ
れ、図30に示すように、大径ローラ632の直径2R
および小径ローラ634の直径2rにそれぞれδ1 を加
えた大きさの幅を有し、かつ両者の中心線が互いに僅か
にずらされている。広幅部720と狭幅部722との中
心線がずらされておらず、鼓形カム上においてカム溝が
形成されるべき経路(図中、一点鎖線で示す経路であっ
て、大径ローラ632および小径ローラ634の回転軸
線の移動経路)上にあり、大径ローラ632,小径ロー
ラ634の両側にそれぞれδ1 /2ずつの隙間がある状
態から、広幅部720と狭幅部722とが互いに逆向き
に、δ1 /2にδ2 /2を加えた大きさずつずらされて
いるのである。δ2 は大径ローラ632,小径ローラ6
34,支持軸638およびカム溝710aの溝側面等の
弾性変形量である。広幅部720と狭幅部722との中
心線は、互いに(δ1 +δ2 )ずらされているのであ
り、大径ローラ632および小径ローラ634はそれぞ
れ、広幅部720および狭幅部722の互いに反対側の
溝側面に正の接触面圧で接触させられている。
【0180】カム溝710aの両端部は、傾斜部714
の一部であって、鼓形カム602aの回転軸線に直角な
平面に対して傾斜させられており、鼓形カム602aの
カム溝710aの両端部を確定する一対の溝壁部のう
ち、一方は幅が狭く、強度が低くなる。広幅部720に
ついても狭幅部722についても同じであり、図28に
黒く塗って示すように、特に幅が狭い部分が削り落とさ
れている。この部分は強度は低く、残しておいても溝形
成時に加工工具が加える負荷により、あるいは大径ロー
ラ632および小径ローラ634が移動時に加える負荷
により変形し、加工や回転の邪魔になるのみであるから
である。これら溝壁部の広幅部720について削られた
部分と、狭幅部722について削られた部分とは、鼓形
カム710aの周方向においてずれている。
【0181】鼓形カム602a〜602dは、図25に
示すように、基板610上に固定されたカバー730,
732により覆われている。カバー730は鼓形カム6
02a〜602dの内周側に設けられ、カバー732
は、鼓形カム602a〜602dの内周側,外周側およ
び上部に配設されている。
【0182】なお、15個の回動板604にはそれぞ
れ、前記実施形態と同様に、昇降板740が昇降可能に
取り付けられるとともに、部品保持ヘッド742が取り
付けられている。部品保持ヘッド742は、図25にお
いて概略的に図示され、部品吸着ノズル等の図示は省略
されているが、複数の部品吸着ノズルの選択および電子
部品の回転位置誤差の修正が共通のサーボモータを駆動
源として行われることは前記実施形態と同じである。
【0183】また、回動板604が回動するとき、昇降
板740に取り付けられた2個の固定カム用ローラ74
4が固定カム746のカム溝748内を移動して昇降板
740が昇降する。昇降板740には、2個の固定カム
用ローラ744が回動板604の回動軸線に平行な方向
に距離を隔てて回転可能に取り付けられている。これら
固定カム用ローラ744の外周面の互いに最も離れた位
置間の距離は、カム溝748の幅(回動板604の回動
軸線に平行な方向の寸法)より僅かに大きくされてい
る。そのため、カム溝748に嵌合された2個の固定カ
ム用ローラ744はそれぞれ弾性変形させられ、上側の
固定カム用ローラ744はカム溝748の上側側壁に正
の接触面圧で接触させられ、下側の固定カム用ローラ7
44はカム溝748の下側側壁に正の接触面圧で接触さ
せられていて、2個の固定カム用ローラ744とカム溝
748の上下両側の側壁との間に隙間がない。そのた
め、昇降板740は振動を生ずることなく、スムーズに
旋回させられつつ昇降させられる。さらに、バキューム
源から供給されるバキュームは、図1ないし図12に示
す実施形態におけると同様にして切換装置に供給され、
電源から供給される元気エネルギも同様にしてノズル回
転・選択用サーボモータ等に供給される。さらにまた、
図示は省略するが、装置本体616の部品吸着位置近傍
および部品装着位置近傍に対応する位置にはそれぞれ、
前記実施形態と同様の部品保持ヘッド昇降装置が設けら
れ、撮像位置近傍に対応する位置には撮像装置が設けら
れている。
【0184】本実施形態の電子部品搬送装着装置600
において電子部品の装着時には、駆動用サーボモータ6
96が起動され、4個の鼓形カム602a〜602dが
一斉に同期して回転させられる。それにより15個の回
動板604が回動,停止させられ、部品吸着位置におい
て電子部品を吸着し、撮像位置において撮像された後、
部品装着位置へ移動して電子部品をプリント基板に装着
する。
【0185】部品吸着位置と撮像位置と部品装着位置と
においてそれぞれ回動板604が停止する時期は、図3
1のタイムチャートに示すように、ほぼ1/3到達時間
ピッチずつずれており、停止の前後における加速時期お
よび減速時期もずれ、入力軸(回転軸644a)の負荷
トルクが平準化される。図31のタイムチャートにおい
てTは、回動板604が360度回動するのに必要な時
間であり、回動板604が15個設けられているため、
時間Tを15で除した値T/15を1目盛として時間の
経過が横軸に示されている。また、縦軸の1目盛は1周
に13ステーションを想定した場合のステーション間隔
である。本実施形態では13ステーションのうち3ステ
ーションにおいて回動板604が停止するが、残りの1
0ステーションは通過する。
【0186】1個の鼓形カムにおいて、1個の回動板6
04が停止し、回動を再開する際の鼓形カムの負荷トル
クを図32(a)に示す。鼓形カムは1到達時間ピッチ
毎に1/2回転し、鼓形カムが1/2回転する間に回動
板604が加速,減速して停止するとともに、停止時間
の半分が経過し、鼓形カムが次に1/2回転する間に残
りの停止時間が経過し、回動板604が加速,減速して
定速回動に移行するように構成されている。図32
(a)には、回動板604が2到達時間ピッチ分、回動
する間の鼓形カムの負荷トルクが示されている。なお、
2到達時間ピッチの間における回動板604の変位,速
度および加速度は、前記図11に示すように変化する。
【0187】回動板604が停止前に定速回動状態から
加速するときには、定速で回動し続けようとする回動板
604を加速するために鼓形カムに正の負荷トルクが生
じ、減速時には、高速で回動し続けようとする回動板6
04を減速するために負の負荷トルクが生ずる。停止終
了後、加速するときにも同様に鼓形カムに正の負荷トル
クが生じ、減速のために負の負荷トルクが生ずる。
【0188】鼓形カム602a〜602dのカム溝71
0a〜710dは2条のカム溝であり、鼓形カム602
a〜602dが1/2回転する毎に1個の回動板604
が係合し、図32(b)に示すように、同じパターンの
負荷トルクが1/2回転分ずつ位相がずれて生ずる。し
たがって、鼓形カムが1/2回転する間の負荷トルク
は、図32(c)に実線で示すように、1/2回転分、
位相がずれて生ずる2つの負荷トルク(図32(c)に
破線で示される)の和となる。ここでは、図32(a)
に示すように、回動板604の停止前と停止後とにおい
て鼓形カムの負荷トルクが対称に変動し、1/2回転分
位相がずれて生ずる2つの回動板604の各負荷トルク
が、図32(c)に示すように、その一部を互いに打ち
消し合う。
【0189】そして、4個の鼓形カム602a〜602
dは共通の駆動用サーボモータ696により回転させら
れるとともに、3つの停止位置における回動板604の
各停止時期がほぼ1/3到達時間ピッチずつずらされて
いるため、鼓形カム602a,602b,602dの各
負荷トルクは、図32(d)に実線,破線および点線で
示すようにほぼ1/3到達時間ピッチずつずれて生じ、
互いに打ち消し合う。ここでは、図32(c)に示すよ
うに、1個の鼓形カムにおいて正の負荷トルクと負の負
荷トルクとがほぼ1/3到達時間ピッチずれて生ずるた
め、3つの鼓形カム602a,602b,602dの各
負荷トルクが互いにほぼ完全に打ち消し合い、入力軸
(回転軸644a)の負荷トルクの変動がきわめて良好
に減少させられる。そのため、振動,騒音が少なく、回
動板604が精度良く回動させられるとともに、精度良
く停止させられる。
【0190】カム溝710a〜710dの広幅部720
と狭幅部722とは中心線がずらされ、大径ローラ63
2と小径ローラ634とはそれぞれ、溝側面に正の接触
面圧で接触させられているため、大径ローラ632およ
び小径ローラ634がそれぞれ広幅部720内および狭
幅部722内を滑らかに転動し、回動体604が振動す
ることなく、静かに回動することができる。
【0191】また、カムフォロワ636は、振動や衝撃
を生ずることなく、スムーズにカム溝からカム溝へ乗り
移ることができる。カム溝710a〜710dの両端部
は傾斜部の一部であって、鼓形カム602a〜602d
の回転軸線に直角な平面に対して傾斜させられており、
大径ローラ632および小径ローラ634が広幅部72
0および狭幅部722の溝側面に接触する位置をつなぐ
直線は、広幅部720および狭幅部722の鼓形カム6
02a〜602dの端面に開口する位置をつなぐ直線に
対して傾斜させられている。そのため、カムフォロワ6
36が隣接する2つのカム溝の一方から他方へ乗り移る
とき、大径ローラ632および小径ローラ634がそれ
ぞれ、広幅部720の端および狭幅部722の端に到達
する時期が異なり、まず、大径ローラ632がカム溝の
継ぎ目に至る。隣接するカム溝間には僅かながら隙間が
あり、大径ローラ632は広幅部720の溝側面によっ
て両側から挟まれない解放状態となる。特に、一対の溝
壁のうち、一方の溝壁の広幅部720の端部を形成する
部分は削り落とされており、解放状態となる領域が広い
が、大径ローラ632が広幅部720の端に至ったとき
には小径ローラ634がまだカム溝の継ぎ目に至ってお
らず、狭幅部722の溝側面によって両側から挟まれて
支持されているため、大径ローラ632は振動,衝撃を
生ずることなく、スムーズに継ぎ目を通過することがで
きる。小径ローラ634がカム溝の継ぎ目に到達したと
きには、大径ローラ632が隣接するカム溝の広幅部7
20の溝側面により両側から挟まれた状態となってお
り、小径ローラ634も振動,衝撃を生ずることなく、
スムーズに継ぎ目を通過することができる。また、カム
溝710a〜710dは、鼓形カム602a〜602d
の端部において回動板604が定速回動するように構成
されており、回動板604が加速あるいは減速しながら
鼓形カム602a〜602dを乗り移る場合に比較して
振動,衝撃が少なくて済む。
【0192】このように大径ローラ632および小径ロ
ーラ634がそれぞれ、隣接する広幅部720および狭
幅部722の継ぎ目を通過するとき、大径ローラ632
および小径ローラ634が交互に溝側面によって両側か
ら挟まれない解放状態となり、ネガティブクリアランス
の効果が失われる。しかし、大径ローラ632および小
径ローラ634の一方が溝側面によって両側から挟まれ
ているため、衝撃や振動が生ずることはない。
【0193】なお、上記実施形態において鼓形カム60
2a〜602dのカムフォロワ636は、大径ローラ6
32および小径ローラ634を含むものとされていた
が、図33に示すように、先端ほど直径が漸減するテー
パ外周面を有するテーパローラ770をカムフォロワと
してもよい。テーパローラ770は、回動板774に立
設された支持軸776により図示しない軸受を介して回
転可能に支持されている。また、鼓形カム778のカム
溝は、横断面形状が台形を成すV字形カム溝780とさ
れており、テーパローラ770は、V字形カム溝780
に対応するテーパを有する。
【0194】テーパローラ770が隣接する2つのV字
形カム溝780の一方から他方へ乗り移るとき、テーパ
ローラ770の大径部がまず、V字形カム溝780の継
ぎ目に至るが、このとき、テーパローラ770の小径部
はまだ、V字形カム溝780の継ぎ目に至っておらず、
溝側面により両側から挟まれていて、大径部はスムーズ
に乗り移ることができる。テーパローラ770の小径部
がV字形カム溝780の継ぎ目を越えるときには、大径
部が既に乗り移った先のV字形カム溝780の溝側面に
よって両側から挟まれており、小径部もスムーズに乗り
移ることができる。
【0195】カムフォロワは、図34に示すように、外
周面の回転軸線からの距離が一定である真っ直ぐなロー
ラ790としてもよい。この場合、互いに隣接する鼓形
カム792,794の端面の外周部を、それら鼓形カム
792,794の軸線を含む一平面上において互いに平
行に近接するテーパ面796,798とするとともに、
それらテーパ面796,798の上記一平面上における
母線を、それら母線上の任意の一点から、複数の回動板
に共通の回動軸線への垂線に対して上記一平面内におい
て傾斜させる。ローラ790の回転軸線Oは、複数の回
動板に共通の回動軸線と直交し、上記垂線と平行であ
り、回動板が回動してローラが転動し、カム溝を乗り移
るとき、ローラ790のカム溝の溝側面への接触部が時
期を異にしてカム溝の継ぎ目に至る。そのため、ローラ
790のカム溝の溝側面への接触部のうち、一部がカム
溝の継ぎ目に至っても、別の部分が溝側面によって両側
から挟まれており、ローラ790が解放状態となること
がなく、カム溝をスムーズに乗り移ることができる。
【0196】なお付言すれば、図35に示すように、鼓
形カム810および円筒カム812によって図示しない
移動体を移動させることも可能であり、その場合にカム
フォロワ解放防止手段を設けてもよい。移動体は鼓形カ
ム810の回転により、鼓形カム810および円筒カム
812の各回転軸線P,Qを含む一平面と、鼓形カム8
10の外周面との交線である円弧の中心を通り、上記一
平面に直角な軸線まわりに回動させられて方向を変えら
れ、円筒カム812の回転により、円筒カム812の回
転軸線に平行な方向に直線移動させられる。カムフォロ
ワ解放防止手段は、前記各実施形態と同様に構成すれば
よく、例えば、カム溝が2段カム溝とされ、カムフォロ
ワが大径ローラおよび小径ローラを含むものとされる。
移動体を移動させる鼓形カムおよび円筒カムは1個ずつ
に限らず、少なくとも一方を複数個設けることにより、
トラック状等、種々の経路に沿って移動体を移動させる
ことができる。
【0197】なお、上記各実施形態において部品保持ヘ
ッドは昇降板に固定的に設けられ、固定カムの回動体の
停止位置に対応する部分を構成する昇降部材により、昇
降板と共に昇降させられるようになっていたが、部品保
持ヘッドを昇降させる部材が固定カムの一部を構成する
ことは不可欠ではなく、昇降板が固定カムにより昇降さ
せられるときには昇降板に固定されており、部品吸着位
置,部品装着位置において部品保持ヘッドの昇降板に対
する固定が解除され、部品保持ヘッド昇降装置により昇
降板に対して昇降させられるようにしてもよい。
【0198】また、図1〜図12,図25〜図32に示
す各実施形態の電子部品搬送装着装置12,600にお
いても、図13〜図24に示す実施形態におけると同様
に、部品吸着位置および部品装着位置がそれぞれ2位置
(一般的には複数位置)に変更され、それと共に、ある
いはそれとは別に、部品吸着位置,撮像位置および部品
装着位置における部品保持ヘッド120,742の停止
位置の高さが2段階(一般的には複数段階)に変更され
るようにしてもよい。
【0199】さらに、先の説明では、カートリッジ支持
台20が正逆両方向に移動させられて電子部品を供給す
るようにされていたが、カートリッジ支持台20を一方
向のみに移動させて電子部品を供給させてもよい。この
場合、カートリッジ支持台は、プリント基板の交替の間
に電子部品の供給時とは逆向きに移動させられ、供給開
始位置へ戻される。
【0200】さらに、図1〜図12,図25〜図32に
示す各実施形態の電子部品搬送装着装置12,600に
おいても、図13〜図24に示す実施形態におけると同
様に、部品吸着ノズル158に吸着された電子部品16
4を、回動板70,604の回動を止めることなく撮像
するようにしてもよい。ストロボ付高速度カメラあるい
はラインセンサ等を有し、移動中の電子部品164を撮
像することができる撮像装置を撮像位置に対応する位置
に設けるとともに、撮像位置近傍に対応する位置に設け
られた鼓形カム90d,602aのカム溝92d,71
0aを、回動板70,604を停止させることなく定速
で撮像装置上を移動させる形状に形成するのである。撮
像装置上を通過するときの部品保持ヘッド120の高さ
は、少なくとも2段階に変更してもよく、変更しなくて
もよい。
【0201】さらに、停止位置変更用エアシリンダ49
0,高さ変更用エアシリンダ520の各エア室へのエア
供給の切換えは、停止位置変更用バルブ530,高さ変
更用バルブ532が機械的に切り換えられることにより
行われていたが、それらバルブ530,532に代えて
電磁弁を設けてもよい。電磁弁は、回動板が所定の位置
を通過することを検出するセンサの検出信号に基づいて
切り換えられるようにしてもよく、あるいは駆動用サー
ボモータ402の回転量や主軸388の回転角度に基づ
いて回動板392の位置を求め、予め設定された切換位
置(回動板392が部品吸着位置,撮像位置,部品装着
位置に到達する前に、停止位置の変更,上記3つの位置
における部品保持ヘッド120の高さの変更が完了する
位置)へ回動板392が至ったときに切換えが行われる
ようにしてもよい。
【0202】また、第1,第2停止位置変更用バルブ切
換装置534,536,高さ変更用バルブ切換装置53
8において、バルブ切換用エアシリンダ544,546
に代えてソレノイドにより係合ローラ540,542を
作用位置と非作用位置とに選択的に移動させ、停止位置
変更用バルブ530,高さ変更用バルブ532を切り換
えるようにしてもよい。
【0203】さらに、図13〜図24に示す電子部品装
着システムにおいて、部品保持ヘッド120の部品吸着
位置,撮像位置および部品装着位置への到達時における
各高さは、電子部品が大きいときに高くされ、小さいと
きに低くされるものとして説明したが、逆でもよい。例
えば、プリント基板に電子部品を装着する際の装着順
を、大きい電子部品についてはプリント基板のX軸方向
の一方の端から順に詰めて装着される順序とし、小さい
電子部品についてはランダムに装着されるようにすれ
ば、大きい電子部品を装着するとき、装着済みの電子部
品を乗り越えさせずに済み、高さを低くすることがで
き、小さい電子部品の装着時には高さを高くして装着済
みの電子部品との干渉を避けることができる。また、全
部の電子部品をプリント基板のX軸方向の一方の端から
順に詰めて装着するようにすれば、いずれの電子部品の
装着時にも部品保持ヘッド120の高さを低くすること
が可能である。
【0204】また、図13〜図24に示す実施形態にお
いて、高さ変更用バルブ切換装置は1つ設けられ、部品
保持ヘッドの部品吸着位置および部品装着位置における
停止時の高さおよび撮像位置の通過時の高さの変更を行
う機会は、回動板が1周する間に1回とされ、部品吸着
位置,撮像位置および部品装着位置への到達時における
各部品保持ヘッドの高低は同じにされていたが、変えて
もよい。例えば、固定カムのカム溝の部品吸着位置と撮
像位置との間の部分に狭幅部を設けるとともに、その狭
幅部を通過する回動板について設けられた高さ変更用バ
ルブを切り換える高さ変更用バルブ切換装置を設け、例
えば、電子部品の高さに応じて部品吸着位置と撮像位置
とで部品保持ヘッドの高低を逆にしてもよいのである。
撮像位置と部品装着位置との間において、部品保持ヘッ
ドの部品装着位置での停止時における高さを撮像位置を
通過する際の高さとは変えるようにしてもよい。
【0205】さらに、前記各実施形態において回動体の
数は12個あるいは15個とされ、停止位置の種類は3
つあるいは2つにされていたが、回動体の数および停止
位置の種類は適宜の数に設定することができる。また、
上記各実施形態において、回動体は等速回動状態では等
角度間隔に位置するようにされていたが、回動体間の角
度ピッチは複数種類に異ならせてもよい。
【0206】また、本発明は、高さが0〜6mmの複数種
類の電子部品の搬送,装着に限らず、高さが6mmより大
きい種々の種類の電子部品の搬送,装着を行う電子部品
搬送装置および電子部品装着システムに適用することが
できる。
【0207】さらに、前記各実施形態の部品保持ヘッド
120,742において、6個の部品吸着ノズル158
のうちの1つが作動位置に位置決めされた状態における
ノズル保持体154の位置は、位置決めピンと位置決め
穴とを含む位置決め装置により決めるようにしてもよ
い。位置決め装置は、例えば、ノズル保持体と、ノズル
保持体を回転可能に支持する支持部材とのいずれか一方
に、ノズル保持体の回転軸線を中心として等角度間隔に
設けられた部品吸着ノズルと同数のテーパ状の位置決め
穴と、他方に設けられた1本の位置決めピンと、位置決
めピンを位置決め穴に嵌合する向きに付勢する付勢手段
とを含むように構成される。ヘッド保持体の回転時に
は、位置決めピンが付勢手段の付勢力に抗して位置決め
穴から離脱してヘッド保持体の回転を許容し、位置決め
ピンの位置決め穴への嵌合によりノズル保持体が位置決
めされる。位置決めピンを複数本設け、位置決め穴を1
つ設けるのみでもよい。
【0208】また、図25〜図32に示す実施形態にお
いては、鼓形カムのカム溝の広幅部と狭幅部との中心線
がずらされていたが、ずらすことは不可欠ではなく、一
致させてもよい。
【0209】さらに、回動板を鼓形カムのみによって回
動させる場合、鼓形カムは、図1〜図12,図25〜図
32の実施形態におけるように4個に限らず、それより
少ない数、あるいは多い数設けてもよい。
【0210】また、前記実施形態において部品吸着ノズ
ルへのバキュームの供給,遮断の切換えは電磁方向切換
弁を有する切換装置によって電気的に行われるようにさ
れていたが、機械的に行われるようにしてもよい。例え
ば、複数の回動体の各々に、切換部材の移動により切換
えが行われる圧力切換弁であって、切換部材の負圧供給
位置への移動により、部品吸着ノズル内の圧力を大気圧
以上の圧力から負圧に切り換え、部品吸着ノズルに電子
部品を吸着させる負圧供給状態と、切換部材の負圧解除
位置への移動により、部品吸着ノズル内の圧力を負圧か
ら大気圧以上の圧力に切り換え、部品吸着ノズルに電子
部品を解放させる負圧解除状態とに切り換えられる圧力
切換弁を設ける(図13〜図24に示す実施形態におい
ては等速回転盤に設けてもよい)。部品吸着位置に対応
する位置に、部品保持ヘッド昇降装置による部品保持ヘ
ッドの下降と機械的に同期して切換部材を負圧供給位置
へ移動させる切換部材駆動装置を設け、部品装着位置に
対応する位置に、部品保持ヘッド昇降装置による部品保
持ヘッドの下降と機械的に同期して切換部材を負圧解除
位置へ移動させる切換部材駆動装置を設ける。切換部材
は、切換部材駆動装置によって負圧解除位置あるいは負
圧供給位置へ移動させられれば、その位置に保たれるよ
うに構成される。切換部材駆動装置は、停止位置に設け
られて切換部材に作用する部材と、回転体に設けられ、
停止位置に設けられて作用部材の作用を補助する部材と
を含むものとしてもよい。
【0211】部品吸着ノズルへのバキュームの供給,遮
断の切換えが機械的に行われる場合にも、電子部品の吸
着エラーが生じたときには、部品保持ヘッド昇降装置の
昇降部材の昇降ストロークが最も短くされる。それによ
り電子部品や吸着管がプリント基板に接触することがな
い上、部品装着位置に対応する位置に設けられた切換部
材駆動装置が切換部材を負圧解除位置へ移動させず、電
子部品がプリント基板に装着されることがない。そし
て、部品排出領域に対応する位置に切換部材駆動装置を
設け、部品排出領域へ移動して来た圧力切換弁の切換部
材を負圧解除位置へ移動させ、電子部品を解放させる。
電子部品を吸着し損なった部品保持ヘッドについても切
換装置を切り換えてバキュームの供給を遮断する。
【0212】さらに、先の説明では、回動板が部品吸着
位置および部品装着位置に到達して停止する前に部品保
持ヘッドが下降を開始させられ、電子部品の吸着,装着
後、部品保持ヘッドが上昇端位置に到達する前に回動板
が回動を開始させられるものとし、部品保持ヘッドの回
動と昇降とが並行して行われることにより、部品保持ヘ
ッドの停止位置への1到達時間ピッチを短くすることが
でき、作業能率を向上させることができるものとした
が、部品保持ヘッドの回動と昇降とを並行して行わせる
ことは不可欠ではなく、回動板が部品吸着位置および部
品装着位置に到達して停止した後に部品保持ヘッドを下
降させ、部品保持ヘッドが上昇端位置へ到達した後に回
動板を回動させてもよい。
【0213】また、図25ないし図32に示す実施形態
においては、回動板の停止位置が3つとされ、各停止位
置における回動板の停止時期が1/3到達時間ピッチず
つずらされ、3個の鼓形カムの負荷トルクが互いに打ち
消し合うようにされていたが、停止位置の数を増して停
止時期をずらす時間間隔を短くするほど、鼓形カムにお
いて回動板の停止および回動により生ずる負荷トルクが
互いに打ち消し合う機会が増え、入力軸および出力軸の
トルク変動をより効果的に打ち消すことが可能となる。
【0214】さらに、図1〜図12に示す実施形態にお
いて、回動板70を支持する支持軸は固定軸66とされ
ていたが、一軸線まわりに回転する回転軸としてもよ
い。このようにすれば、回転軸内のバキューム供給通路
を、配管およびロータリバルブによりバキューム源に接
続するとともに、ホースによって切換装置の各々と接続
することができる。回転軸は鼓形カムを回転させるため
の駆動用サーボモータを駆動源として回転させれば駆動
源の数が少なくて済む。また、前記実施形態において、
固定軸66に設けられ、固定軸66内の通路と切換装置
178とを接続するロータリバルブは、専用のサーボモ
ータを駆動源として回転させられるようになっていた
が、複数の回動板のうちの1つと係合させ、その回動板
と共に回動するようにしてもよい。
【0215】さらに、隣接する回動体同士が干渉する恐
れがあるならば、回動体の回動軸線に近い側の幅を回動
軸線に接近するほど狭くすればよい。回動体の固定軸,
主軸側の端と固定軸,主軸との半径方向の距離を大きく
して干渉を回避するようにしてもよい。
【0216】また、前記実施形態において部品吸着ノズ
ルに供給するバキュームの供給,遮断の切換えを行う切
換装置は部品保持ヘッドと共に回動するように設けられ
ていたが、装置本体等、位置を固定して設けられた部材
に設けてもよい。部品保持ヘッドと同数の切換装置を設
けるとともに、各切換装置と複数の部品保持ヘッドの各
々とを別々の通路,ロータリバルブおよびホース等を用
いて接続する。
【0217】さらに、部品吸着ノズルを自身の軸線のま
わりに回転させることにより、電子部品の回転位置誤差
を修正するとともに、回転位置を予め定められた位置に
変更してもよい。部品吸着ノズルが電子部品供給装置か
ら受け取る際の電子部品の回転位置と、プリント基板に
装着する際の回転位置とを異ならせることがあり、回転
位置誤差および装着時の回転位置に基づいて部品吸着ノ
ズルの回転角度および回転方向を、部品吸着ノズルの回
転角度が少なくて済む角度および方向に設定し、回転さ
せる。電子部品のプリント基板への装着後、部品保持ヘ
ッドを原位置に戻すときには、回転位置の変更のために
回転させた分も含めて戻す。
【0218】また、図13ないし図24に示す実施形態
において、等速回転盤と回動板とを係合させる係合装置
を構成する係合ピンは、カムおよびカムフォロワによっ
て係合凹部に係合,離脱させられるようになっていた
が、ソレノイドあるいは流体圧シリンダ等のアクチュエ
ータを等速回転体に設けて係合部材を回動体に係合,離
脱させるようにしてもよい。アクチュエータが係合部材
を駆動するタイミングは、例えば、駆動用サーボモータ
の回転量に基づいて回動体および係合部材の位置を求め
ることにより設定することができる。
【0219】さらにまた、部品保持ヘッドに保持され、
部品吸着位置から部品装着位置へ移動中の電子部品を撮
像する装置は、前記特開平6−77693号公報や特開
平6−45787号公報に記載の電子部品搬送装置を含
む電子部品装着システムに設けてもよい。一定速度で連
続的に回転させられる回転テーブル上に複数の部品保持
ヘッドが等間隔に設けられ、それら部品保持ヘッドのう
ち、部品受取位置や部品装着位置で停止する必要のある
部品保持ヘッドのみを、回転テーブルに対して回転テー
ブルと同周速で逆向きに移動させることによって実質的
に停止させる電子部品搬送装置を含む電子部品装着シス
テムに設けてもよいのであり、部品保持ヘッドの停止位
置を減らすことができる。
【0220】さらに、本発明は、電子部品搬送装置が電
子部品を搬送し、プリント基板等の装着対象材に装着す
る電子部品装着システムに限らず、電子部品を受け取っ
て搬送し、別の装置に引き渡す搬送を行うだけの電子部
品搬送装置に適用することができる。
【0221】また、本発明は、上記各実施形態の構成要
素の組合わせを変えた態様で実施することができる。そ
の他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知
識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1,第2,第6,第9ないし第12発明に共
通の一実施形態であり、第15の方法発明の実施に使用
される電子部品搬送装着装置を備え、第13,第14発
明の一実施形態である電子部品装着システムを概略的に
示す平面図である。
【図2】上記電子部品搬送装着装置を示す正面断面図で
ある。
【図3】上記電子部品搬送装着装置を示す平面図であ
る。
【図4】上記電子部品搬送装着装置の回動板が固定軸に
より支持された状態を示す正面断面図である。
【図5】上記電子部品搬送装着装置に設けられた3つの
停止位置を示す図である。
【図6】上記電子部品搬送装着装置の部品保持ヘッドを
示す正面断面図である。
【図7】上記部品保持ヘッドにおいて鞘軸と中軸との係
合が解かれた状態を示す正面断面図である。
【図8】上記電子部品搬送装着装置を構成する部品保持
ヘッド昇降装置および固定カムを下側から見た状態を示
す図である。
【図9】上記電子部品装着システムを制御する制御装置
のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図であ
る。
【図10】上記電子部品搬送装着装置の12個の回動板
の回動角度と時間との関係を示すタイミングチャートで
ある。
【図11】上記電子部品搬送装着装置における回動板の
停止位置の前後における位置の変化,速度および加,減
速度の変化を従来との比較において示すグラフである。
【図12】上記電子部品搬送装着装置において回動板の
停止位置への到達時間ピッチが短縮されることを説明す
るグラフである。
【図13】第1,第3,第6,第11,第12発明に共
通の一実施形態であり、第15の方法発明の実施に使用
され、第13,第14発明に共通の別の実施形態である
電子部品装着システムを構成する電子部品搬送装着装置
を示す正面断面図である。
【図14】図13に示す電子部品搬送装着装置を、回動
板の鼓形カム用ローラが鼓形カムに係合する位置におい
て示す平面図(一部断面)である。
【図15】上記鼓形カムのカム溝を示すとともに、鼓形
カム用ローラがカム溝の直角部の2つの側壁に選択的に
係合させられる状態を概略的に示す図である。
【図16】上記鼓形カムのカム溝を展開して示す図であ
る。
【図17】図13に示す電子部品搬送装着装置の構成要
素である固定カムのカム溝を展開して示す図である。
【図18】図13に示す電子部品搬送装着装置の停止位
置変更用エアシリンダが設けられた部分を停止位置変更
用バルブ,高さ位置変更用バルブ,第1,第2停止位置
変更用バルブ切換装置および高さ変更用バルブ切換装置
等と共に概略的に示す平面図である。
【図19】図13に示す電子部品搬送装着装置の停止位
置変更用バルブ,高さ位置変更用バルブおよび第1停止
位置変更用バルブ切換装置とその周辺部分とを示す正面
断面図である。
【図20】上記電子部品搬送装着装置の停止位置変更用
バルブ,高さ位置変更用バルブおよび高さ変更用バルブ
切換装置とその周辺部分とを示す正面断面図である。
【図21】図13に示す電子部品搬送装着装置を含む電
子部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明
に関連の深い部分を示すブロック図である。
【図22】図13に示す電子部品搬送装着装置におい
て、カートリッジ支持台が正方向へ移動して電子部品を
供給する際の部品吸着位置の変更を説明する図である。
【図23】図13に示す電子部品搬送装着装置におい
て、カートリッジ支持台が逆方向へ移動して電子部品を
供給する際の部品吸着位置の変更を説明する図である。
【図24】図13に示す電子部品搬送装着装置の部品保
持ヘッドの部品装着位置への到達時における高さおよび
昇降ストロークの変更を説明する図である。
【図25】第1,第2,第4ないし第12発明に共通の
一実施形態であり、第15,第16の方法発明の実施に
使用され、第13,第14発明に共通の別の実施形態で
ある電子部品装着システムを構成する電子部品搬送装着
装置を示す正面(一部断面)である。
【図26】図25に示す電子部品搬送装着装置を示す平
面図である。
【図27】図25に示す電子部品搬送装着装置を構成す
る鼓形カムの1つがブラケットにより回転可能に支持さ
れた状態を示す正面断面図である。
【図28】図25に示す電子部品搬送装着装置を構成す
る鼓形カムに形成されたカム溝を示す展開図である。
【図29】図28に示すカム溝を示す断面図である。
【図30】図28に示すカム溝の広幅部と狭幅部との中
心線のずれを説明する図である。
【図31】図25に示す電子部品搬送装着装置の15個
の回動板の回動角度と時間との関係を示すタイミングチ
ャートである。
【図32】図25に示す電子部品搬送装着装置において
回動板の停止時およびその前後における鼓形カムおよび
入力軸の負荷トルクの変動を示すグラフである。
【図33】第7発明の別の実施形態である電子部品搬送
装着装置を構成するカムフォロワ解放防止手段を概略的
に示す平面図である。
【図34】第7発明の更に別の実施形態である電子部品
搬送装着装置を構成するカムフォロワ解放防止手段を概
略的に示す平面図である。
【図35】第7発明を鼓形カムが円筒カムと組み合わさ
れた装置に適用した場合の例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
12:電子部品搬送装着装置 14:電子部品供給装
置 16:プリント基板支持位置決め装置 38:
プリント基板 66:固定軸 70:回動板 72:軸受 74:軸受群 88:鼓形カム用ロー
ラ 90a,90b,90c,90d:鼓形カム
92a,92b,92c,92d:カム溝 93a,93b,93c,93d:外周面 98a,
98b,98c,98d:かさ歯車 100a,10
0b,100c,100d:かさ歯車 108:駆動
用サーボモータ 120:部品保持ヘッド 15
8:部品吸着ノズル 164:電子部品 330:
制御装置 380:電子部品搬送装着装置 38
8:主軸 392:回動板 394:軸受 39
6:軸受群 410a,410b:鼓形カム 430a,430
b:カム溝 460:等速回転盤 464:係合装
置 560:制御装置 600:電子部品搬送装着
装置 602a,602b,602c,602d:鼓
形カム 604:回動板 618:固定軸 62
2:軸受 624:軸受群 632:大径ローラ
634:小径ローラ 636:カムフォロワ 6
66,668,676,678,680,682:かさ
歯車 696:駆動用サーボモータ 710a,7
10b,710c,710d:カム溝 720:広幅
部 722:狭幅部 742:部品保持ヘッド

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通の回動軸線のまわりに個々に回動可
    能な複数の回動体と、 それら複数の回動体に、それぞれ前記回動軸線を一周す
    るとともにその一周の間に1回以上の停止を含み、か
    つ、互いに一定時間差を有する回動運動を付与する回動
    運動付与装置と、 前記複数の回動体にそれぞれ保持され、それぞれ電子部
    品を保持可能な部品保持ヘッドとを含むことを特徴とす
    る電子部品搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記回動運動付与装置が、 前記複数の回動体の各々に対してそれぞれ設けられたカ
    ムフォロワと、 それらカムフォロワに順次係合してカムフォロワを移動
    させることにより各回動体を回動させる少なくとも1個
    の回動運動付与カムとを含むことを特徴とする請求項1
    に記載の電子部品搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記回動運動付与装置が、 前記複数の回動体の各々に対してそれぞれ設けられたカ
    ムフォロワと、 それらカムフォロワに順次係合してカムフォロワを移動
    させることにより各回動体を回動させる少なくとも1個
    の回動運動付与カムと、 前記共通の回動軸線のまわりに等速回転する等速回転体
    と、 その等速回転体と前記回動体の各々とのいずれか一方に
    設けられ、他方に係合,離脱可能な係合部材を備えた係
    合装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子
    部品搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1個の回動運動付与カム
    が1個の回転駆動源により回転駆動される回転カムであ
    り、その少なくとも1個の回動運動付与カムが前記複数
    の回動体の各々を複数の停止位置において互いにずれた
    時期に停止させる形状を有することを特徴とする請求項
    2または3に記載の電子部品搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも1個の回動運動付与カム
    が、前記複数の停止位置の前後における複数の回動体の
    減速および加速に伴う負荷トルクが互いに少なくとも一
    部を打ち消し合うこととなる量だけ前記停止時期をずら
    す形状を有することを特徴とする請求項4に記載の電子
    部品搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記回動運動付与カムが、前記共通の回
    動軸線を中心とする円弧を、その円弧に対して前記共通
    の回動軸線とは反対側に位置するとともにその共通の回
    動軸線と直角に立体交差する軸線のまわりに回転させた
    場合にその円弧が描く軌跡を外周面とする鼓形カムであ
    る請求項2ないし5のいずれか1つに記載の電子部品搬
    送装置。
  7. 【請求項7】 前記鼓形カムが、前記共通の回動軸線の
    まわりに少なくとも2個、それら鼓形カムの軸線を含む
    一平面とそれら鼓形カムの各外周面との交線の集合が前
    記共通の回動軸線を中心とする実質的に連続した一円弧
    を描く状態で配設され、かつ、それら互いに隣接する鼓
    形カムの外周面にそれぞれ形成されたカム溝の継ぎ目に
    おいて前記カムフォロワがカム溝の溝側面により両側か
    ら挟まれない解放状態となることを回避するためのカム
    フォロワ解放防止手段が設けられたことを特徴とする請
    求項6に記載の電子部品搬送装置。
  8. 【請求項8】 前記鼓形カムの外周面に形成されたカム
    溝が、広幅部とその広幅部の底面に広幅部より狭い幅で
    形成された狭幅部とを備えた2段カム溝であり、前記カ
    ムフォロワが、それら広幅部と狭幅部とにそれぞれ嵌合
    し、互いに同軸かつ独立に回転可能な大径ローラと小径
    ローラとを含み、これらカム溝が2段カム溝であること
    と、カムフォロワの大径ローラと小径ローラとを含むこ
    ととが前記カムフォロワ解放防止手段を構成しているこ
    とを特徴とする請求項7に記載の電子部品搬送装置。
  9. 【請求項9】 前記鼓形カムが、前記共通の回動軸線を
    対称軸として軸対称に複数個配設され、それら複数の鼓
    形カムの全軸線を含む一平面とそれら複数の鼓形カムの
    各外周面との交線の集合が、実質的に連続した一円周を
    描くことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つ
    に記載の電子部品搬送装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の鼓形カムの各々が軸方向の
    両端部に鼓形カムと同軸のかさ歯車を一体的に備え、互
    いに隣接する鼓形カムのかさ歯車同士が噛み合わされて
    いることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1つ
    に記載の電子部品搬送装置。
  11. 【請求項11】 当該電子部品搬送装置が、 前記共通の回動軸線を中心とする支持軸と、 その支持軸の軸方向に互いに隔たった2箇所にそれぞれ
    1群ずつ取り付けられ、各群が、互いに軸方向の位置を
    異にする前記複数の回動体と同数ずつの軸受を含む2つ
    の軸受群とを含み、前記複数の回動体が、前記2つの軸
    受群の各々に属する1個ずつの軸受であって互いの軸方
    向の距離が等しい各対の軸受にそれぞれ支持される1対
    ずつの被支持アームを備えていることを特徴とする請求
    項1ないし10のいずれか1つに記載の電子部品搬送装
    置。
  12. 【請求項12】 当該電子部品搬送装置が、前記複数の
    回動体の回動につれてそれら回動体に保持されている部
    品保持ヘッドに同じ運動軌跡を描かせる部品保持ヘッド
    運動規定手段を含むことを特徴とする請求項1ないし1
    1のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置。
  13. 【請求項13】 前記複数の回動体の各々が一周の間に
    少なくとも2つの停止位置を有する請求項1ないし12
    のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置と、 前記少なくとも2つの停止位置の1つに対応して設けら
    れ、前記部品保持ヘッドに電子部品を供給する電子部品
    供給装置と、 前記少なくとも2つの停止位置の別の1つに対応して設
    けられ、前記部品保持ヘッドに保持された電子部品が装
    着される装着対象材を支持して位置決めする装着対象材
    支持位置決め装置とを含むことを特徴とする電子部品装
    着システム。
  14. 【請求項14】 前記電子部品供給装置から前記装着対
    象材支持位置決め装置までの前記部品保持ヘッドの移動
    経路の途中に設けられ、部品保持ヘッドにより保持され
    て前記回動体の回動により装着対象材支持位置決め装置
    に向かって搬送中の電子部品を撮像する撮像装置を含む
    ことを特徴とする請求項13に記載の電子部品装着シス
    テム。
  15. 【請求項15】 共通の回動軸線のまわりに個々に回動
    可能な複数の回動体の各々にそれぞれ保持された部品保
    持ヘッドに電子部品を保持させ、それら複数の回動体
    に、それぞれ前記回動軸線を一周するとともにその一周
    の間に1回以上の停止を含み、かつ、互いに一定時間差
    を有する回動運動を付与することにより、前記複数の部
    品保持ヘッドおよびそれらに保持させた複数の電子部品
    の一部のものを前記回動軸線まわりに回動させている最
    中に、別の一部のものを予め定めた少なくとも1つの停
    止位置に停止させることを特徴とする電子部品搬送方
    法。
  16. 【請求項16】 前記複数の部品保持ヘッドおよび電子
    部品の一部のものを複数の停止位置に停止させ、かつ、
    それら複数の停止位置における複数の部品保持ヘッドお
    よび電子部品の停止時期を互いにずらすことを特徴とす
    る請求項15に記載の電子部品搬送方法。
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