JP3815834B2 - 電子部品搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の部品保持具を選択的に用いて電子部品を順次搬送するとともに、部品保持具をそれの軸線まわりに回転させることにより電子部品を回転させる装置に関するものであり、特に、部品保持具を選択し、回転させる装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を順次搬送する電子部品搬送装置には、部品保持具を複数有する装置がある。電子部品搬送装置は、例えば、電子部品をプリント基板等の装着対象材に装着する電子部品装着システムにおいて必要であるが、近年、装着対象材に装着する電子部品の種類が増えており、電子部品装着システムに電子部品の種類に応じた寸法,形状を有する複数種類の部品保持具を設け、それら部品保持具を選択的に用いることが行われているのである。
また、部品保持具を自身の軸線まわりに回転させることが必要な場合がある。
例えば、電子部品装着システムにおいては、部品保持具に保持された電子部品を撮像するなどして保持位置の誤差を検出し、保持位置に軸線まわりの誤差(回転位置誤差と称する)があるとき、電子部品をそれの軸線まわりに回転させて回転位置誤差を修正したり、電子部品を部品供給装置から受け取った回転位置とは異なる回転位置で装着対象材に装着したりするために、部品保持具をそれの軸線まわりに回転させることが必要になるのである。部品保持具を複数有する場合、それら複数の部品保持具のうち、少なくとも電子部品を保持する作動位置に位置決めされた部品保持具をそれの軸線のまわりに回転させることが必要である。
【0003】
特開平2−69998号公報に記載の電子部品装着システムにおいては、これら複数の部品保持具の選択と、作動位置にある部品保持具の回転とが1つのモータを駆動源として行われている。垂直軸線まわりに回転可能に設けられた回転テーブルに、その回転テーブルの回転軸線を中心とする一円周上に複数のノズル保持体が等角度間隔に、かつ垂直軸線まわりに回転可能に設けられるとともに、各ノズル保持体の回転軸線を中心とする一円周上に複数の部品吸着ノズルが等角度間隔にかつ垂直に設けられており、回転テーブルが間欠回転させられ、複数のノズル保持体が順次電子部品吸着位置,電子部品装着位置等の作業位置に停止させられ、各ノズル保持体において作動位置にある部品吸着ノズルが電子部品を吸着,装着する。複数のノズル保持体の各々は、回転テーブルに搭載されたモータにより自身の軸線のまわりに回転させられ、それにより複数の部品吸着ノズルの1つが選択的に作動位置へ移動させられる。また、ノズル保持体の軸線と部品吸着ノズルの軸線とは平行であり、ノズル保持体を回転させれば、部品吸着ノズルはノズル保持体の回転軸線まわりに公転するとともに自身の軸線まわりに自転する。したがって、電子部品の回転位置誤差が修正可能なのであるが、同時に電子部品の中心位置も変化するため、その位置の変化を打ち消すように装着対象材としてのプリント基板を移動させて、装着が行われる。
【0004】
この電子部品装着システムの電子部品搬送装置においては、モータが回転テーブルに搭載されているため、回転テーブルの回転中にノズル保持体を回転させて部品吸着ノズルの選択,回転を行うことができ、選択,回転のために長い時間をかけることができる。そのため、部品吸着ノズルの回転角加速度を小さくすることができ、回転位置誤差修正時における電子部品の位置ずれの発生を抑えることができる。また、ノズル保持体の回転角度ピッチを大きくし、あるいはノズル保持体を複数回転角度ピッチ分一挙に回転させることが可能となる。
さらに、部品吸着ノズルの選択,回転を回転テーブルに搭載した別々のモータにより行う場合に比較して電子部品搬送装置を簡易,軽量かつ安価に構成することができる。また、ノズル保持体,モータおよびモータの回転をノズル保持体に伝達する回転伝達装置等を含むノズルユニットの質量が小さく、回転テーブルの回転停止時における回転テーブルおよびノズルユニットの振動が小さくて済む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の電子部品搬送装置においては、電子部品を回転させるために、その電子部品を保持している部品吸着ノズルがノズル保持体の軸線のまわりに旋回させられるため、電子部品に遠心力が作用し、位置ずれが生じ易い。位置ずれの修正前には位置ずれの検出が行われるが、その検出後に位置ずれが生じてしまうこととなり、この位置ずれは修正不可能である。
また、部品吸着ノズルの軸線はノズル保持体の回転軸線から一定量偏心しているため、電子部品を回転させるためのノズル保持体の回転角度に誤差が生じれば、部品吸着ノズルの軸線位置にその回転角度誤差と上記偏心量との積の大きさの誤差が生じ、その位置誤差はそのまま電子部品のプリント基板への装着位置誤差となってしまう。
さらに、電子部品の回転位置誤差の修正に伴って電子部品水平方向位置が変化するため、その変化を打ち消すようにプリント基板を移動させることが必要であり、その必要がない場合に比較して、相前後する2つの電子部品の装着間におけるプリント基板の移動距離が大きくなって移動に長時間を要する事態が発生する。そのため、その事態を考慮して電子部品装着のサイクルタイムを長くすることが必要となり、装着能率が低下してしまう。
【0006】
請求項1に係る第1発明は以上の事情を背景として、部品保持具を保持する回転ヘッドの軸線と部品保持具の軸線とが交差する電子部品搬送装置において、前記公報に記載の電子部品搬送装置の利点はそのまま享受しつつ欠点の少なくとも1つを解消することを課題としてなされたものである。
また、請求項2に係る第2発明の課題は、駆動源の出力軸の回転の保持具選択用入力部材と保持具回転用入力部材とへの伝達を制御することにより、部品保持具の回転時に部品保持具の軸線が移動しないようにすることである。
請求項3に係る第3発明の課題は、運動伝達の断接装置の利用により、部品保持具の回転時に部品保持具の軸線が移動しないようにすることである。
請求項4に係る第4発明の課題は、第3発明に係る断接装置を特に有効に利用できるようにすることである。
請求項5に係る第5発明の課題は、回転ヘッドを保持する回転保持体の回転を利用して部品保持具の選択と回転とを行うことであり、請求項6に係る第6発明の課題は、第5発明において、回転保持体の回転をカムおよびカムフォロワを用いて回転ヘッドの回転に変換することであり、請求項7に係る第7発明の課題は、第6発明において、回転保持体の回転がカムおよびカムフォロワによって回転ヘッドの回転に変換される状態と変換されない状態とに切り換え可能とすることにより、部品保持具をそれの軸線の移動を伴うことなく回転させ得るようにすることである。
請求項8に係る第8発明の課題は、第1ないし第7発明に係る電子部品搬送装置において、選択された部品保持具を精度良く作動位置に位置決めし得るようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
第1発明に係る電子部品搬送装置は、上記の課題を解決するために、(a)移動体と、(b)その移動体を移動させる移動体移動装置と、(c)前記移動体により回転保持体軸線のまわりに回転可能に保持された回転保持体と、(d)その回転保持体に回転ヘッド軸線のまわりに回転可能に保持された回転ヘッドと、(e)その回転ヘッドにより、前記回転ヘッド軸線を中心とする一円周上において、かつ、回転ヘッド軸線と交差する複数の保持具軸線に沿ってそれぞれ延びる状態で保持され、前記回転ヘッドの回転により1つずつが選択的に、電子部品を吸着する、前記回転保持体軸線と同心の作動位置に位置決めされる複数の部品保持具と、(f)前記移動体に保持された駆動源と、(g)その駆動源の運動を前記回転ヘッドに伝達してその回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させ、前記複数の部品保持具のうちの一つを前記作動位置に位置決めする保持具選択状態と、前記駆動源に前記回転保持体を回転させることによりその回転保持体に保持された回転ヘッドを回転させ、前記作動位置にある部品保持具を前記保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転状態とで選択的に作動可能な選択的運動伝達装置とを含むように構成される。
上記部品保持具は、例えば、発明の実施の形態の項において説明するように、電子部品をバキュームにより吸着する部品吸着具でもよく、あるいは複数の爪部材を備え、それら爪部材の開閉により電子部品を把持,解放する部品把持具でもよく、種々の態様の部品保持具の採用が可能である。
【0008】
この電子部品搬送装置においては、選択的運動伝達装置が保持具選択状態で作動すれば、回転ヘッドが回転させられて部品保持具が選択され、保持具回転状態で作動すれば部品保持具が回転させられる。移動体に保持された1つの駆動源を用いて部品保持具の選択と回転とが行われ、前記公報に記載の電子部品搬送装置において得られる効果を享受することができる。しかも、作動位置にある部品保持具は、自身の軸線のまわりに回転させられるため、部品保持具が電子部品を保持した状態で回転させられても、電子部品の中心の、部品保持具の軸線に直角な方向の位置(以下、電子部品の中心位置と称する)は殆ど変わらない。電子部品の中心が部品保持具の軸線上にある場合は中心位置は変わらず、電子部品の中心が部品保持具の軸線から外れている場合でも、その外れ量は僅かであるため中心位置は殆ど変わらないのである。
【0009】
そのため、電子部品の回転位置誤差の修正に伴う電子部品の中心位置の変化を打ち消すために、部品保持具から電子部品を受け取る電子部品受取部材と部品保持具との相対位置を修正しなければならない量が僅かで済む。例えば、本第1発明に係る電子部品搬送装置を、前記特開平2−69998号公報に記載の電子部品装着システムに適用した場合には、プリント基板が電子部品受取部材であることになるが、電子部品の回転位置誤差の修正に伴う電子部品の中心位置の変化を打ち消すために必要なプリント基板の位置修正が僅かで済むのであり、そのために、相前後する2つの電子部品の装着間におけるプリント基板の移動距離が大きくなって移動に長時間を要する事態の発生を回避することができ、装着サイクルタイムの延長による装着能率の低下を回避できることとなる。
【0010】
また、電子部品を回転させるための部品保持具の回転角度に誤差が生じても、それに起因する電子部品の中心位置の誤差は無視し得る程度の大きさとなる。中心位置の誤差は、電子部品の中心の部品保持具の軸線からの外れ量と部品保持具の回転角度誤差との積となるが、両者が共に小さいためそれらの積は一層小さくなるのである。
さらに、電子部品の回転時に電子部品に遠心力が作用しないため、部品保持具が部品吸着具である場合でも電子部品の位置ずれが生じるおそれがない。そのため、電子部品の回転位置の修正を迅速に行うことができ、この電子部品搬送装置を電子部品装着システムに適用すれば、電子部品を装着対象材に高精度,高能率で装着することが可能となる。
【0011】
しかも、電子部品搬送装置が、回転ヘッドを回転ヘッド軸線のまわりに回転可能に保持し、かつ、自身は作動位置に位置決めされた部品保持具の保持具軸線と同心の回転保持体軸線のまわりに回転可能に移動体により保持された回転保持体を含むものであり、選択的運動伝達装置が、前記保持具回転状態において回転ヘッドを作動位置にある部品保持具の軸線のまわりに回転させることによりその部品保持具をその部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させるものである。
【0012】
この電子部品搬送装置においては、保持具回転状態において回転保持体が作動位置に位置決めされた部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させられる。このとき、回転保持体により保持された回転ヘッドは、回転ヘッド軸線のまわりの回転を伴うことなく回転保持体ごと保持具軸線のまわりに回転させられ、作動位置に位置決めされた部品保持具が自身の軸線のまわりに回転させられる。また、保持具選択状態においては回転ヘッドが回転ヘッド軸線のまわりに回転させられ、複数の部品保持具のうちの1つが作動位置に位置決めされる。
【0015】
第2発明においては、第1発明に係る電子部品搬送装置において、前記駆動源が回転出力軸を有する回転モータとされ、前記選択的運動伝達装置が、保持具選択用入力部材を有してその保持具選択用入力部材の回転につれて前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させる保持具選択用回転伝達装置と、保持具回転用入力部材を有してその保持具回転用入力部材の回転につれて前記複数の部品保持具のうち少なくとも前記作動位置にある部品保持具をその部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転用回転伝達装置と、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との両方に伝達する両方伝達状態と、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材とのいずれか一方にのみ伝達する一方伝達状態とで選択的に作動する伝達制御装置とを含むものとされる。
【0016】
例えば、保持具回転用入力部材が回転保持体と一体的に設けられ、保持具選択用入力部材が回転保持体と相対回転可能に設けられる。そして、回転出力軸の回転が保持具回転用入力部材と保持具選択用入力部材との両方に伝達されれば保持具回転が行われ、保持具選択用入力部材のみに伝達されれば保持具の選択が行われる。
【0017】
第3発明においては、第1または第2発明に係る電子部品搬送装置において、前記選択的運動伝達装置が、前記駆動源の運動を伝達する状態と伝達しない状態とに切換えが可能な断接装置を含むものとされる。
例えば、第2発明に係る電子部品搬送装置においては、断接装置により保持具選択用入力部材と保持具回転用入力部材との一方への駆動源の運動の伝達を断つことにより、一方伝達状態が得られ、保持具回転用入力部材への運動の伝達を断てば、部品保持具の選択のみを行うことができる。保持具選択用入力部材への運動の伝達を断てば、部品保持具を選択を伴うことなく、回転させることができる。
【0018】
第4発明においては、第2発明に係る電子部品搬送装置において、前記選択的運動伝達装置が、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との一方に常時伝達する常時伝達装置と、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との他方に伝達する状態と伝達しない状態とに切換えが可能な断接装置とを含むものとされる。
この電子部品搬送装置においては、断接装置が接状態のとき、2つの入力部材の両方に回転モータの回転が伝達される両方伝達状態が得られ、断状態のとき、一方伝達状態が得られる。これら常時伝達装置および断接装置により伝達制御装置が構成されるのである。
【0019】
上記のように断接装置を使用すれば、駆動源として一方向回転モータを使用することも両方向回転モータを使用することも可能である。両方向回転モータを使用すれば、部品保持具や回転ヘッドを正方向にも逆方向にも回転させ得るため、現回転位置から目標回転位置までの回転角度が小さい方向へ回転させて、部品保持具の回転や選択を迅速に行うことができる。また、一方向回転伝達装置を使用すれば、断接装置を使用する場合のように選択的運動伝達装置にアクチュエータを必要とせず、装置の構成を簡単化し得る。さらに、断接装置と一方向回転伝達装置とを組み合わせて使用すれば、自由度に富んだ選択的運動伝達装置が得られる。
【0020】
第5発明においては、第1発明に係る電子部品搬送装置において、前記駆動源が回転出力軸を有する回転モータとされるとともに、前記選択的運動伝達装置が、その回転モータの回転を常時前記回転保持体に伝達する常時回転伝達装置と、前記回転保持体と前記回転ヘッドとの間に設けられて回転保持体の回転の少なくとも一部を回転ヘッドの回転保持体に対する相対回転に変換する回転保持体回転変換装置とを含むものとされる。
【0021】
この電子部品搬送装置においては、回転保持体の回転が回転保持体回転変換装置により変換されることにより、回転ヘッドが回転ヘッド軸線のまわりに回転させられて部品保持具が選択される。部品保持具の選択および回転は、いずれも回転保持体の回転に基づいて行われるのである。部品保持具の回転時に部品保持具の選択が行われれば、作動位置に位置決めされている部品保持具が変わってしまうため、部品保持具の回転時には選択が行われないようにすることが必要である。それに対して、部品保持具の選択時には、部品保持具は電子部品を保持していないのが普通であり、保持された電子部品の軸線まわりの回転位置が変化することがないため、選択時に部品保持具が回転しても支障はない。ただし、部品保持具の選択終了時には部品保持具が必ず原回転位置に戻るように回転保持体回転変換装置を構成することが望ましい場合が多い。
【0022】
上記のように部品保持具の回転時に選択が行われないようにすることは、例えば、回転保持体回転変換装置を、回転保持体の回転を回転ヘッドの回転保持体に対する相対回転に変換する作動状態と変換しない非作動状態とに切り換え可能なものとし、選択と回転とが別々に行われるようにすることにより実現でき、あるいは回転保持体の1回転の一部を部品保持具の回転に使用し、別の一部を部品保持具の選択に使うことによっても可能である。前者によれば、回転保持体の1回転の全部を部品保持具の回転あるいは選択に使うことができ、回転角度が制限されない。
【0023】
第6発明においては、第5発明に係る電子部品搬送装置において、前記回転保持体回転変換装置が、カムと、前記回転保持体に相対移動可能に保持され、その回転保持体の回転に伴って前記カムに係合するカムフォロワと、そのカムフォロワの前記回転保持体に対する相対移動を前記回転ヘッドの回転保持体に対する相対回転に変換する運動変換装置とを含むものとされる。
この電子部品搬送装置によれば、回転保持体回転変換装置を、カム,カムフォロワおよび運動変換装置により簡易にかつ安価に構成することができる。
【0024】
第7発明においては、第6発明に係る電子部品搬送装置において、前記選択的運動伝達装置が、前記回転保持体と前記カムとの相対位置を、前記回転保持体の回転に伴って前記カムフォロワが前記カムに係合可能な係合可能位置と係合不能な係合不能位置とに変更する相対位置変更装置を含むものとされる。
この電子部品搬送装置においては部品保持具の選択時には、回転保持体とカムとの相対位置が係合可能位置とされ、部品保持具の回転時には係合不能位置とされる。それにより部品保持具の回転時に部品保持具の選択が行われることがなく、部品保持具を大きな角度でも回転させることができる。また、部品保持具の選択時に回転保持体を360度回転させることができる。例えば、カムを複数個、等角度間隔に設け、回転保持体を一方向に360度回転させる間に回転ヘッドを複数ピッチ回転させるようにすることができる。
【0025】
第8発明においては、第1〜第7発明のいずれか1つに係る電子部品搬送装置が、前記回転ヘッドを前記複数の部品保持具のうちの1つが前記作動位置に位置する回転位置に位置決めする回転ヘッド位置決め装置を含むものとされる。
この電子部品搬送装置によれば、選択された部品保持具が作動位置に精度良く位置決めされ、電子部品の受取ミス,引渡ミス等が生ずることがなく、また、電子部品がプリント基板等電子部品受取部材の正確な位置に引き渡される効果が得られる。
【0026】
【発明の補足説明】
本発明によって、以下の態様の電子部品搬送装置(補正によって特許請求の範囲に含まれなくなったものも含む)も得られる。実施の態様は便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項として記載する。ただし、複数の請求項または他の実施態様項にさらに従属する実施態様項は、必ずしもそれら複数の請求項または他の実施態様項の全てに従属するわけではなく、従属可能なもの、すなわち、引用事項を含む項にのみ従属するものとする。
(1) 移動体と、
その移動体を移動させる移動体移動装置と、
前記移動体に回転ヘッド軸線のまわりに回転可能に保持された回転ヘッドと、
その回転ヘッドにより前記回転ヘッド軸線を中心とする一円周上において保持された複数の部品保持具と、
前記移動体に保持された駆動源と、
その駆動源の運動を前記回転ヘッドに伝達してその回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させ、前記複数の部品保持具のうちの一つを電子部品を吸着する作動位置に位置決めする保持具選択状態と、駆動源の運動を前記複数の部品保持具のうち少なくとも前記作動位置にあるものに伝達してその作動位置にある部品保持具をその部品保持具の軸線である保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転状態とで選択的に作動可能な選択的運動伝達装置と
を含むことを特徴とする電子部品搬送装置。
(2) 当該電子部品搬送装置が、前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転可能に保持し、かつ、自身は前記作動位置に位置決めされた部品保持具の保持具軸線と同心の回転保持体軸線のまわりに回転可能に前記移動体により保持された回転保持体を含み、前記選択的運動伝達装置が、前記保持具回転状態において前記回転ヘッドを前記作動位置にある部品保持具の軸線のまわりに回転させることによりその部品保持具をその部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させるものであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品搬送装置。
本実施態様項がほぼ請求項1に相当する。
(3)前記駆動源が正,逆両方向に回転する回転出力軸を有する両方向回転モータであり、前記選択的運動伝達装置が、前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との一方に前記回転出力軸の正,逆両方向の回転を伝達する両方向回転伝達装置と、前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との他方に前記回転出力軸の正方向の回転は伝達するが逆方向の回転は伝達しない一方向回転伝達装置とを含む請求項2に記載の電子部品搬送装置。
この電子部品搬送装置においては、両方向回転モータの回転が2つの入力部材に伝達される両方伝達状態と、一方に伝達される一方伝達状態が得られる。両方向回転伝達装置および一方向回転伝達装置が伝達制御装置を構成するのである。
(4)移動体と、
その移動体を移動させる移動体移動装置と、
前記移動体に回転ヘッド軸線まわりに回転可能に保持された回転ヘッドと、
その回転ヘッドにより前記回転ヘッド軸線を中心とする一円周上において保持された複数の部品保持具と、
前記移動体に保持された駆動源と、
その駆動源の作動に基づいて前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させ、前記複数の部品保持具のうちの一つを電子部品を吸着する作動位置に位置決めする保持具選択装置と、
前記駆動源の作動に基づいて前記部品保持具を、前記回転ヘッドの前記回転ヘッド軸線のまわりの回転を伴うことなく、部品保持具の軸線である保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転装置と
を含む電子部品搬送装置。
この電子部品搬送装置においては、保持具選択装置と保持具回転装置とが移動体に保持された駆動源を共有しており、請求項1に記載の電子部品搬送装置と類似の作用,効果が得られる。
(5)前記保持具軸線が前記回転ヘッド軸線と交差している実施態様項4に記載の電子部品搬送装置。
(6)前記保持具軸線が前記回転ヘッド軸線と平行である実施態様項4に記載の電子部品搬送装置。
保持具軸線は回転ヘッド軸線と平行でも非平行でもよい。交差は非平行の一態様であり、直交がその典型的なものである。
(7)保持具選択用入力部材を有してその保持具選択用入力部材の回転につれて前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させる保持具選択用回転伝達装置と、保持具回転用入力部材を有してその保持具回転用入力部材の回転につれて前記複数の部品保持具のうち少なくとも前記作動位置にある部品保持具をその部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転用回転伝達装置とを含む実施態様項4〜6のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置。
実施態様項4に記載の電子部品搬送装置においては、保持具選択装置が保持具選択用回転伝達装置を含み、保持具回転装置が保持具回転用回転伝達装置を含むこととなる。
(8)当該電子部品搬送装置が、前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転可能に保持し、かつ、自身は前記作動位置に位置決めされた部品保持具の保持具軸線と同心の回転保持体軸線のまわりに回転可能に前記移動体により保持された回転保持体を含み、前記保持具選択用回転伝達装置が、その回転保持体に前記回転保持体軸線上において相対回転可能に保持された前記保持具選択用入力部材と、その保持具選択用入力部材の回転を前記回転ヘッドの前記回転ヘッド軸線のまわりの回転に変換する入力部材回転変換装置とを含む実施態様項7に記載の電子部品搬送装置。
(9)前記入力部材回転変換装置が、互いに噛み合う少なくとも1対のかさ歯車を含む実施態様項8に記載の電子部品搬送装置。
(10)前記駆動源が回転出力軸を有する回転モータであり、前記選択的運動伝達装置が、保持具選択用入力部材を有してその保持具選択用入力部材の回転につれて前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させる保持具選択用回転伝達装置と、保持具回転用入力部材を有してその保持具回転用入力部材の回転につれて前記複数の部品保持具のうち少なくとも前記作動位置にある部品保持具をその部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転用回転伝達装置とを含み、前記断接装置が、前記回転出力軸と相対回転不能な駆動側係合部材と、前記保持具選択用入力部材と前記保持具回転用入力部材とのいずれか一方と相対回転不能でありかつ前記駆動側係合部材と相対回転不能に係合可能な被駆動側係合部材と、それら駆動側係合部材と被駆動側係合部材とを前記回転出力軸の軸方向に相対移動させることにより駆動側係合部材と被駆動側係合部材とを係合,離脱させる係脱装置と
を含む請求項3または8に記載の電子部品搬送装置。
(11)前記被駆動側係合部材が前記保持具回転用入力部材と相対回転不能であり、かつ、前記選択的運動伝達装置が、前記駆動側係合部材と前記被駆動側係合部材との係合状態においては前記保持具回転用入力部材の回転を許容し、離脱状態においては回転を防止する回転防止装置を含む実施態様項10に記載の電子部品搬送装置。
この電子部品搬送装置においては、駆動側係合部材と被駆動側係合部材との離脱状態において保持具選択用入力部材が回転させられるとき、保持具回転用入力部材の回転が防止されており、保持具選択用入力部材につれ回ることがなく、被駆動側係合部材は、保持具選択用入力部材の回転により、別の係合位相へ回転させられた駆動側係合部材と確実に係合することができる。
(12)前記回転防止装置が、前記保持具回転用入力部材と相対回転不能な被回転防止部材と、回転不能に設けられて被回転防止部材と係合する回転防止部材とを含み、前記係脱装置が前記駆動側係合部材と被駆動側係合部材とを係合,離脱させると同時に回転防止部材と被回転防止部材とを離脱,係合させる実施態様項11に記載の電子部品搬送装置。
(13)前記回転モータを固定的に保持しているモータ保持台が前記回転保持体に対して前記回転出力軸の軸方向に移動可能に前記移動体に保持されており、前記駆動側係合部材および前記回転防止部材が前記モータ保持台に対して前記回転出力軸の軸方向に相対移動不能であり、前記係脱装置が、前記モータ保持台を前記回転保持体から遠ざかる向きに付勢するモータ保持台付勢手段と、そのモータ保持台付勢手段の付勢力に抗してモータ保持台を回転保持体に接近させるモータ保持台移動装置とを含む実施態様項12に記載の電子部品搬送装置。
(14)前記カムフォロワの前記回転保持体に対する相対移動を前記回転ヘッドの回転保持体に対する相対回転に変換する運動変換装置が、前記回転ヘッド軸線のまわりに回転不能な駆動カムと、前記回転ヘッドと相対回転不能かつ前記駆動カムと回転ヘッド軸線に平行な方向に相対移動可能な被駆動カムと、それら駆動カムと被駆動カムとを互いに離間する向きに付勢するカム付勢手段とを含み、かつ、前記駆動カムと被駆動カムとが、前記カムフォロワの前記回転保持体に対する相対移動に基づいてそれら駆動カムと被駆動カムとが前記カム付勢手段の付勢力に抗して1回係合させられることにより前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに既定の角度回転させる形状を有するものである請求項6,7,8のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置。
駆動カムと被駆動カムとのいずれを回転ヘッド軸線に平行な方向に移動可能としてもよい。駆動カムを移動可能とする場合には、回転保持体に対して回転ヘッド軸線のまわりに相対回転不能かつ回転ヘッド軸線に平行な方向には相対移動可能とするのであり、被駆動カムを移動可能とする場合には、回転ヘッドに対して相対回転不能かつ回転保持体に対して回転ヘッド軸線に平行な方向には相対移動可能とするのである。
(15)前記回転ヘッド位置決め装置が、前記回転ヘッドと前記回転保持体との一方の前記回転ヘッド軸線から外れた部分に設けられた係合突部と他方に設けられて係合突部と係合可能な係合凹部と、それら係合突部と係合凹部との一方をそれら係合突部と係合凹部との係合,離脱方向に移動可能かつ前記回転ヘッドの回転方向には移動不能に保持するとともに係合方向に付勢する保持付勢手段とを含み、かつ、係合突部と係合凹部との一方が前記回転ヘッドに保持された部品保持具の数の整数倍設けられ、他方が1個設けられるとともに、係合突部と係合凹部との形状が、両者の相対位置が正確に一致していない状態で前記保持付勢手段の付勢力により両者が係合させられた場合に相対位置を正確に一致させる案内機能を果たす形状である請求項8,実施態様項12に記載の電子部品搬送装置。
係合凹部を回転ヘッドに保持された部品保持具と同数設け、それら複数の係合凹部と選択的に係合する1個の係合突部を設ける態様が典型的であるが、逆に係合突部を複数設け、係合凹部を1個設けることも可能である。ただし、後者の場合は、係合凹部を回転ヘッドまたは回転保持体の突出した部分に設け、その係合凹部と複数の係合突部の1つとの係合が、他の係合突部と回転保持体または回転ヘッドとの当接により妨げられないようにすることが必要である。
係合凹部または係合突部を回転ヘッドに保持された部品保持具の数の整数倍設け、回転ヘッドの複数ピッチの回転により1回の部品保持具の選択動作が行われるようにすることも可能であり、駆動カムと被駆動カムとの回転ヘッド軸線に平行な方向の相対移動距離を小さくすることができる。
(16)前記回転ヘッドおよび前記被駆動カムが前記回転保持体に前記回転ヘッド軸線に平行な方向に移動可能に保持されており、かつ、前記保持付勢手段が、前記係合突部と係合凹部との一方を前記回転ヘッドに固定する固定手段と、回転ヘッドを係合突部と係合凹部とが係合する向きに付勢する付勢手段とを含む実施態様項15に記載の電子部品搬送装置。
係合突部と係合凹部との一方は、回転ヘッドとは別に製造して回転ヘッドにボルト等の固定手段により固定してもよく、回転ヘッドと一体に形成してもよい。例えば、発明の実施の形態の項において説明するように、係合突部を回転保持体に固定の位置決めピンにより構成し、係合凹部を回転ヘッドとしてのノズル保持体に形成した複数の位置決め穴により構成してもよいのであり、この場合には、ノズル保持体の一部が固定手段を構成することとなる。
(17)前記回転ヘッドおよび前記被駆動カムが前記回転保持体に前記回転ヘッド軸線に平行な方向に移動可能に保持されており、かつ、前記回転ヘッド位置決め装置が、前記回転ヘッドの前記回転ヘッド軸線から外れた部分に設けられた係合突部と係合凹部との一方と、前記回転保持体に回転ヘッドの回転方向には移動不能かつ回転ヘッドに接近,離間可能に保持されるとともに前記係合突部と係合凹部との一方と係合する向きに付勢された係合突部と係合凹部との他方とを含み、それら係合凹部と係合突部とが互いに係合することにより前記回転ヘッドの回転位置を一義的に規定するとともにその係合状態において前記回転ヘッドの前記回転ヘッド軸線に平行な方向の移動を許容する形状を有する実施態様項14に記載の電子部品搬送装置。
この電子部品搬送装置において、回転ヘッドおよび被駆動カムは、係合突部と係合凹部との係合により回転位置を一義的に規定された状態で回転ヘッド軸線に平行な方向に移動し、被駆動カムが駆動カムに係合していない状態でも係合した状態でも、回転位置を一義的に規定された状態に保たれる。そのため、被駆動カムと駆動カムとが係合する前に、回転ヘッドおよび被駆動カムが回転して被駆動カムと駆動カムとの相対位相がずれ、回転ヘッドが回転させられなくなることがない。回転ヘッドの回転時には、係合突部と係合凹部とのうち、一方に係合する向きに付勢されたものが付勢力に抗して移動し、係合突部と係合凹部との係合が外れて回転ヘッドの回転が許容される。回転ヘッドは、所定の回転位置に回転させられた状態では、係合突部と係合凹部との係合によりその所定の回転位置に位置決めされる。
係合突部はスポット状の突部とすることも、回転ヘッド軸線に平行な方向に延びる突条とすることも可能であるが、係合凹部は回転ヘッド軸線に平行な方向に延びる形状とすることが必要である。また、係合突部と係合凹部とのうち回転ヘッドに設けられるものは、回転ヘッドの回転ヘッド軸線を中心とする円形断面部の外周面に形成されることが望ましい。係合凹部を回転ヘッドに設けるためには、例えば、上記円形断面部の外周面に回転ヘッド軸線に平行なV溝等の溝を形成してもよいが、後に発明の実施の形態の項において説明するように、回転ヘッド軸線に平行な平面で平面取りを施すことによって係合凹部を形成することも可能である。係合凹部が平面取りにより形成される場合には、係合突部は、例えば、平らな板ばねの一部により構成することができる。平らな板ばねの一部は平板状であり、一般的には突部とは観念し難いが、曲率半径が無限大となった極限の突部であると考えれば、突部と観念することができる。
本実施態様項の回転ヘッド位置決め装置は、発明の実施の形態の項において説明するように、実施態様項15または16に記載の回転ヘッド位置決め装置の補助的なものとして設けることも可能であるが、本実施態様項の回転ヘッド位置決め装置を実施態様項15または16に記載の回転ヘッド位置決め装置の代わりとして設けることも可能である。
(18)前記回転ヘッド位置決め装置が、前記回転ヘッドの前記回転ヘッド軸線から外れた部分に設けられた係合突部と係合凹部とのいずれか一方と、前記回転ヘッドを回転可能に保持しているヘッド保持部材に保持された前記係合突部と係合凹部との他方と、少なくとも前記複数の部品保持具の1つが前記作動位置に位置する状態においては前記係合突部と前記係合凹部とを弾性的に押し付ける押付手段とを含み、かつ、係合突部と係合凹部とが互いに係合した状態では前記回転ヘッドの回転位置を一義的に規定する形状を有する請求項8,実施態様項1ないし14のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である電子部品搬送装置を備えた電子部品装着システムを説明する。
図1において10はベースである。ベース10上には、電子部品搬送装着装置12,電子部品供給装置14および装着対象材支持位置決め装置たるプリント基板支持位置決め装置16等が設けられている。電子部品供給装置14は、カートリッジ支持台20上に一直線状に並んで取り付けられた多数の電子部品供給カートリッジ22(以下、カートリッジ22と略称する)を有する。
【0028】
カートリッジ支持台20は、図示しないナットにおいてねじ軸24に螺合されており、ねじ軸24がカートリッジ移動用サーボモータ26によって回転させられることにより、カートリッジ支持台20は1対のガイドレール28により案内されて、カートリッジ22の並ぶ方向であるX軸方向(図1において左右方向)に移動させられ、多数のカートリッジ22のうちの一つが部品供給位置に位置決めされる。これらねじ軸24およびカートリッジ移動用サーボモータ26等がカートリッジ移動装置30を構成している。カートリッジ移動用サーボモータ26は回転駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータである。回転駆動源としてステップモータを用いてもよい。
【0029】
プリント基板支持位置決め装置16は、カートリッジ22より下側に設けられ、X軸方向に移動するX軸テーブル34と、X軸テーブル34上に設けられ、水平面内においてX軸と直交するY軸方向に移動するY軸テーブル36とを有する。Y軸テーブル36上には、装着対象材たるプリント基板38を位置決めし、保持する基板保持装置(図示省略)が設けられている。X軸テーブル34は、ねじ軸40がX軸移動用サーボモータ42によって回転させられることにより、ガイドレール44に案内されてX軸方向に移動し、Y軸テーブル36は、ねじ軸46がY軸移動用サーボモータ48によって回転させられることにより、ガイドレール50に案内されてY軸方向に移動し、プリント基板38はこれらX軸テーブル34,Y軸テーブル36の移動により、多数の部品装着箇所が順次部品装着位置に位置決めされる。プリント基板38の移動領域は、一部が電子部品搬送装着装置12およびカートリッジ22の一部と重なっている。なお、プリント基板38は、図示しないプリント基板搬入コンベアおよびプリント基板搬出コンベアにより、上記基板保持装置に搬入され、搬出される。X軸移動用サーボモータ42およびY軸移動用サーボモータ48は、回転駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータである。回転駆動源としてステップモータを用いてもよい。
【0030】
電子部品搬送装着装置12は、電子部品供給装置14およびプリント基板支持位置決め装置16より上方に設けられている。電子部品搬送装着装置12は、電子部品供給装置14から電子部品を受け取って搬送し、プリント基板38に引き渡すのであるが、この引渡しがすなわち装着であり、電子部品搬送装着装置12は、電子部品搬送装置であるとともに電子部品装着装置である。
電子部品搬送装着装置12の装置本体の構成部材であるフレーム60(図2参照)は、前記ベース10に固定の図示しない支持部材により支持され、ベース10の上方に配設されている。フレーム60は、断面形状がコの字形を成す取付部材62と、取付部材62の1対の側壁にわたって水平に固定された支持部材64とを有する。
【0031】
フレーム60の支持部材64には、図2に示すように、円形断面の支持軸たる固定軸66の上端部が固定されている。固定軸66の下端部は、取付部材62の底壁に設けられた開口69を通って取付部材62外へ突出させられるとともに、フレーム60の下方に配設され、前記ベース10に固定の支持部材68に固定されている。固定軸66は上下方向に設けられているのである。固定軸66には、図2および図3に示すように、12個の回動体たる回動板70が各々1対ずつの軸受72により、固定軸66の軸線まわりに回動可能に取り付けられている。固定軸66の垂直な軸線が12個の回動板70に共通の回動軸線なのである。
【0032】
固定軸66の軸方向、すなわち上下方向に隔たった2箇所にはそれぞれ、12個の軸受72を1群とし、それら12個の軸受72が互いに軸方向の位置を異にする軸受群74が取り付けられている。12個の回動板70はそれぞれ、1対ずつの被支持アーム76を備えている。12個の回動板70の1対ずつの被支持アーム76はそれぞれ、2つの軸受群74の各々に属する1個ずつの軸受72であって、互いの軸方向の距離が等しい各1対の軸受72により支持されている。
【0033】
被支持アーム76は、図4に示すように、円環状の嵌合部78と、嵌合部78の周方向の一部から半径方向外向きに延び出させられた腕部80とを有し、1対の被支持アーム76の各腕部80は連結部82により連結されている。1対の被支持アーム76の各腕部80の一部および連結部82は回動板70に固定され、各嵌合部78はそれぞれ、1対の軸受72の各アウタケーシング84に嵌合されるとともに、図示しない複数本のボルトにより固定されている。12対の各被支持アーム76の各回動板70に対する回動軸線に平行な方向の固定位置は、回動板70毎に異ならされており、図2に示すように、12個の回動板70は回動軸線に平行な方向において互いに干渉することなく、固定軸66の同じ高さの位置に取り付けられている。これら12個の回動板70は、高さ方向、すなわち共通の回動軸線に平行な方向においては位置を変えることなく、一定の高さで回動させられるのである。なお、1対の腕部80および連結部82にはリブ86(図4参照)が一体的に設けられているが、リブ86は、図3に破線で示すように、固定軸66側ほど幅が狭くされ、隣接する回動板70のリブ86や腕部80との干渉が回避されている。また、回動板70の下部は、フレーム60の底壁67に形成された開口69を通って下方へ突出させられている。
【0034】
12個の回動板70の固定軸66側とは反対側の端面にはそれぞれ、図2に示すように、カムフォロワたる鼓形カム用ローラ88が固定軸66の軸線と直交する軸線のまわりに回転可能に取り付けられるとともに、図3に示すように、前記フレーム60に回転可能に取り付けられた4個の鼓形カム90a,90b,90c,90dの各カム溝92a,92b,92c,92dに回転可能に嵌合されている。12個の各回動板70の回動軸線に平行な方向において鼓形カム用ローラ88が取り付けられる位置は同じであり、回動板70が回動させられるとき、12個の鼓形カム用ローラ88は回動板70の回動軸線を中心とする同一円周上を旋回する。なお、図3においては、図示の容易化のために12個の回動板70が等角度間隔で図示されている。
【0035】
4個の鼓形カム90a,90b,90c,90dの各外周面93a,93b,93c,93dは、12個の回動板70に共通の回動軸線である固定軸66の軸線を中心とする円弧を、その円弧に対して上記共通の回動軸線とは反対側に位置するとともに、その共通の回動軸線と直角に立体交差する軸線のまわりに回転させた場合にその円弧が描く軌跡を成す。これら鼓形カム90a,90b,90c,90dは、固定軸66の軸線を対称軸として軸対称に配設され、4個の鼓形カム90a,90b,90c,90dの全軸線を含む一平面(水平面)と、それら4個の鼓形カム90a,90b,90c,90dの各外周面との交線の集合は、実質的に連続した一円周を描き、カム溝92a,92b,92c,92dは実質的につながっている。
【0036】
鼓形カム90a,90b,90c,90dにはそれぞれ、図3に示すように、回転軸94a,94b,94c,94dが固定されるとともに、フレーム60の取付部材62に固定の1対ずつのブラケット96a,96b,96c,96dにより回転可能に支持されている。4個の鼓形カム90a〜90dの各々の軸方向の両端部にはそれぞれ、かさ歯車98a,100a,98b,100b,98c,100c,98d,100dが同軸にかつ一体的に設けられており、互いに隣接する鼓形カム90a〜90dのかさ歯車同士は互いに噛み合わされている。
【0037】
鼓形カム90aに取り付けられた回転軸94aは長く、図3に示すように、フレーム60に固定の別のブラケット104によって回転可能に支持されるとともに、タイミングプーリ106が固定されている。このタイミングプーリ106と、駆動用サーボモータ108の出力軸に固定のタイミングプーリ110とはタイミングベルト112によって連結されており、回転軸94aは駆動用サーボモータ108により回転させられる。それにより、鼓形カム90aが回転させられるとともに、かさ歯車98a〜98dとかさ歯車100a〜100dとの噛合いによって、鼓形カム90a,90b,90c,90dが正確に同期して一斉に回転させられ、12個の回動板70が移動あるいは停止させられる。鼓形カム90a,90b,90c,90dが一斉に回転させられるとき、隣接する2個の鼓形カムの各カム溝が互いにつながった状態が得られ、鼓形カム用ローラ88はカム溝からカム溝へ乗り移ることができ、固定軸66の軸線を中心として1周する。なお、駆動用サーボモータ108は、回転駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータである。回転駆動源としてサーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。
【0038】
本電子部品搬送装着装置12において回動板70は、図5に示すように、部品受取位置である部品吸着位置と、撮像位置と、部品装着位置との3つの位置で停止させられる。前記電子部品供給装置14は、部品吸着位置が設定される部品吸着ステーションに設けられ、プリント基板支持位置決め装置16は、部品装着位置が設定される部品装着ステーションに設けられ、撮像位置が設定される撮像ステーションには、撮像装置たるCCDカメラ114(図9参照)が設けられている。
【0039】
鼓形カム90aはフレーム60の部品装着位置近傍に対応する位置に設けられ、鼓形カム90cは部品吸着位置近傍に対応する位置に設けられ、鼓形カム90dは撮像位置近傍に対応する位置に設けられている。そのため、カム溝92a,92c,92dはそれぞれ、回動板70が各位置における作業の間は停止し、その前後においてそれぞれ加速および減速し、鼓形カム用ローラ88のカム溝92a,92c,92dへの進入時および退出時には、一定角速度で回動するように形成されている。カム溝92a,92c,92dは、鼓形カム90a,90c,90dの回転軸線に直角な平面に対してリード角を有する傾斜部と、リード角を有しない直角部とを含むのである。傾斜部は、曲線状の部分と直線状の部分とを含む。また、カム溝92bは、鼓形カム90bの回転軸線に直角な平面に対してリード角を有する直線状の傾斜部のみを含むとともに、リード角の大きさは、回動板70が上記一定角速度で回動する大きさとされている。
【0040】
部品装着位置と部品吸着位置との中間位置には、図示は省略するが、電子部品収容器が設けられている。この電子部品収容器が設けられた領域を部品排出領域と称する。電子部品収容器は、後述する部品保持ヘッドの通過経路の下方に、部品保持ヘッドの回動軌跡に沿って長く設けられており、部品吸着ノズルにより吸着された電子部品の姿勢が修正不可能なほどずれていたり、装着すべき電子部品とは異なる種類の電子部品が吸着される等の吸着エラーが発生したとき、電子部品がプリント基板38に装着されず、回動板70が部品装着位置から部品吸着位置へ移動する途中で停止することなく、電子部品が電子部品収容器に捨てられるようにされている。
【0041】
12個の回動板70はそれぞれ、図2に示すように部品保持ヘッド120を保持している。回動板70には、案内部材たる1対のガイドブロック122が上下方向に距離を隔てて固定されるとともに、移動部材の一種である昇降板124が上下方向に摺動可能に嵌合されている。昇降板124の上部には、固定カム用カムフォロワたる固定カム用ローラ126が固定軸66の軸線と直交する軸線のまわりに回転可能に取り付けられるとともに、下部に部品保持ヘッド120が取り付けられている。
【0042】
フレーム60の底壁67の下面(外面)には、円筒状の固定カム128が固定軸66と同心に固定されており、固定カム用ローラ126は、固定カム128の固定軸66の軸線を中心とする円筒状の内周面に沿って形成されたカム溝130に回転可能に嵌合されている。カム溝130は、固定軸66の軸線に平行な方向の位置、すなわち高さが周方向において滑らかに変化する部分と、高さが周方向において変化せず、一定で水平な部分とを有し、回動板70が回動させられ、固定カム用ローラ126がカム溝130の高さが周方向において滑らかに変化する部分を移動するとき、昇降板124が昇降させられ、部品保持ヘッド120が昇降させられる。カム溝130は、部品保持ヘッド120が部品吸着位置において上昇端に位置し、部品装着位置において下降端に位置するとともに、部品吸着位置,部品装着位置および撮像位置の前後では水平に移動するように形成されている。
【0043】
昇降板124の下端部には、図6に示すように、ブラケット136が固定されるとともに、中空の鞘軸138が軸受140,142を介して相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。鞘軸138内には、中軸144が相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。鞘軸138のブラケット136から突出した下端部には、コの字形断面の取付部146が設けられており、取付部146の1対の側壁部148,150に両端部を固定された支持軸152には、ノズル保持体154が回転可能に嵌合されている。
【0044】
ノズル保持体154には、6個のノズル嵌合穴156が支持軸152の軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に設けられており、各ノズル嵌合穴156に部品吸着ノズル158が軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合されるとともに、付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング160により、ノズル嵌合穴156から突出する向きに付勢されている。部品吸着ノズル158のノズル嵌合穴156からの抜出しおよび回転は、部品吸着ノズル158に嵌合された図示しない係合部材たる係合ピンが、ノズル保持体154に設けられた図示しない係合凹部たるピン係合溝の端に係合することにより防止されている。
【0045】
6個の部品吸着ノズル158は、それぞれ大きさの異なる電子部品を吸着するものであって、吸着管162の直径が6段階に異ならされ、反射板163の大きさは2段階に異ならされており、吸着する電子部品164の形状,寸法に応じて使用する部品吸着ノズル158が選択される。また、6個の部品吸着ノズル158の各吸着管162は長さが等しくされており、吸着管162の先端はノズル保持体154の回転軸線を中心とする一円周上に位置させられている。6個の部品吸着ノズル158は、ノズル保持体154の回転により作動位置、すなわち部品吸着ノズル158の軸線が垂直方向に位置して鞘軸138の軸線と一致し、かつ吸着管162が下向きとなる位置に選択的に移動させられる。
【0046】
部品吸着ノズル158はバキュームにより電子部品164を吸着する。そのため、図6に示すように、ノズル保持体154,支持軸152,側壁部150,中軸144,鞘軸138およびブラケット136にそれぞれ通路168,170,172,174,176,177が形成されて、部品吸着ノズル158と、ブラケット136に取り付けられた切換装置178とが接続されるとともに、切換装置178の切換えにより、部品吸着ノズル158は図示しないバキューム源と大気とに選択的に連通させられる。
【0047】
バキューム源から供給されるバキュームは、図示しない配管により、固定軸66内に設けられた通路(図示省略)に供給され、固定軸66から図示しないロータリバルブを経て12本のホース(図示省略)により12個の切換装置178の各々に供給される。ロータリバルブは、固定軸66の2つの軸受群74が設けられた部分より下側の部分に設けられるとともに、支持部材68上に設けられたサーボモータ(図示省略)の回転がタイミングプーリおよびタイミングベルトにより伝達され、常時、回動板70の定速回動時の角速度と同じ角速度で定速回転させられて、切換装置178がバキューム源に接続された状態に保たれる。回動板70が停止する際には、切換装置178とロータリバルブとが僅かに相対回転することとなるが、この相対回転はホースの撓みにより許容される。ロータリバルブを回転させるサーボモータは、回転駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。
【0048】
切換装置178は、図示は省略するが、電磁方向切換弁を有しており、その切換えにより、部品吸着ノズル158がバキューム源と大気とに選択的に連通させられ、電子部品164を吸着し、解放する。なお、支持軸152に形成された通路170は、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル158について設けられた通路168に連通させられる。
【0049】
支持軸152には歯車180が回転可能に取り付けられ、ノズル保持体154に連結部材たるピン182によって相対回転不能に連結されるとともに、前記側壁部148に回転可能に取り付けられた支持軸184に固定の歯車186と噛み合わされている。歯車186には、かさ歯車188が一体的に設けられるとともに、前記中軸144の下端部に固定されたかさ歯車190に噛み合わされている。これら歯車180,186,かさ歯車188,190は精度良く作られており、バックラッシュは無視できるほど小さい。中軸144の上端部は、鞘軸138から突出させられるとともに、ノズル回転・選択用サーボモータ192の回転出力軸194に連結部材196によって軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に連結されている。ノズル回転・選択用サーボモータ192は、回転駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータであり、正,逆両方向に回転し、回転角度検出手段の一種であるエンコーダ193(図9参照)により回転角度が検出される。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。
【0050】
なお、電源から、前記切換装置178を構成する電磁方向切換弁およびノズル回転・選択用サーボモータ192への電気エネルギの供給は、通常のスリップリングにより行うことも可能であるが、本実施形態では無接触給電装置により供給される。無接触給電装置は、例えば特開平8−97597号公報に記載されているような給電器および受電器を有し、これら給電器および受電器は、12個ずつの切換装置178の各電磁方向切換弁およびノズル回転・選択用サーボモータ192のそれぞれについて設けられている。給電器は固定軸66に設けられるとともに、給電器を構成する給電側コイルが電源に接続されている。また、受電器は給電側コイルに僅かな隙間を隔てて対向させられた受電側コイルを有し、前記バキューム供給用のロータリバルブと共にサーボモータにより定速回転させられる。受電側コイルは、導電線により電磁方向切換弁,ノズル回転・選択用サーボモータ192に接続され、給電側コイルからの電気エネルギを供給する。
【0051】
連結部材196は円筒状を成し、回転出力軸194に嵌合されるとともに、係合部材たるピン198によって相対回転および軸方向の相対移動が阻止されている。連結部材196の直径方向に隔たった2箇所にはそれぞれ、連結部材196の下面に開口し、軸方向に延びる切欠206が形成されている。中軸144の上端部は連結部材196に軸方向に相対移動可能に嵌合されるとともに、中軸144に直径方向に嵌合された係合ピン208の両端部がそれぞれ、切欠206に軸方向に相対移動可能に嵌合されており、それら係合ピン208,切欠206の係合によりノズル回転・選択用サーボモータ192の回転が連結部材196を介して中軸144に常時伝達される。係合ピン208が係合部を構成し、被係合部たる切欠206との係合により、連結部材196と中軸144とを軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に連結しているのである。
【0052】
連結部材196の下端部には、駆動側係合部材202が同心に嵌合され、固定されており、一対の切欠206の下側開口を塞ぐとともに、中軸144に軸方向に相対移動可能に嵌合されている。駆動側係合部材202は円環状を成すのであり、外周面に開口し、軸方向に貫通する6個の係合溝200が等角度間隔に設けられて歯車状を成す。
【0053】
ノズル回転・選択用サーボモータ192は、前記昇降板124に昇降可能に取り付けられたモータ保持台210に載置されている。モータ保持台210はコの字形を成し、コの字の一方の側壁部212に固定の被案内部材たるガイドブロック214において昇降板124に昇降可能に嵌合され、他方の側壁部216の外面には、カムフォロワたる係合ローラ218が固定軸66の軸線と直交する軸線のまわりに回転可能に取り付けられている。また、側壁部216の下面には、小径の係合突部220が突設されている。
【0054】
モータ保持台210は、駆動側係合部材202と前記鞘軸138のブラケット136からの突出端部との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング224により上方へ、すなわち鞘軸138から離れる向きに付勢されている。圧縮コイルスプリング224の付勢によるモータ保持台210の上方への移動限度は、駆動側係合部材202が係合ピン208に当接することにより規定される。この位置がモータ保持台210の上昇端位置である。鞘軸138の上端部には、被駆動側係合部材232が固定されている。被駆動側係合部材232は係合部たる円環状部234において鞘軸138に嵌合され、固定されるとともに、円環状部234の一部から昇降板214とは反対側へ突出させられた突出部には、上下方向に貫通する係合切欠238が形成されている。
【0055】
被駆動側係合部材232はまた、円環状部234の係合切欠238が設けられた部分とは直径方向に隔たった位置から上方へ延び出させられたアーム部240を備え、アーム部240の鞘軸138側の面には、係合突部242が突設されている。アーム部240の突出端部は内歯車の一部を成す形状を有し、前記駆動側係合部材202と共に噛合クラッチを構成している。
【0056】
モータ保持台210が圧縮コイルスプリング224の付勢により、上昇端位置に位置する状態では、図6に示すように、駆動側係合部材202の係合溝200と被駆動側係合部材232の係合突部242とが、鞘軸138の軸線方向に相対移動可能かつ相対回転不能に係合して、鞘軸138と中軸144との相対回転が防止されている。この状態では、モータ保持台210に設けられた係合突部220と被駆動側係合部材232に設けられた係合切欠238との鞘軸138の軸線まわりの位置が一致し、モータ保持台210の下降により、係合突部220と係合切欠238とが係合し得る状態にある。この位置が鞘軸138の原位置であり、部品保持ヘッド120の回転軸線まわりにおける原位置であって、部品保持ヘッド120が原位置に位置するとき、ノズル保持体154を支持する支持軸152の軸線は回動板70の回動軸線と直交し、回動板70の板面に平行な水平軸線となる。
【0057】
部品排出領域と部品吸着位置との間であって、回動板70が定速回動し、かつ部品保持ヘッド120が水平に移動する領域には、図6および図7に示すノズル選択用カム248が位置を固定して設けられている。ノズル選択用カム248のカム面250は、回動板70の回動方向に長く、回動板70の回動軸線を中心とする円弧に沿って設けられており、回動板70の回動方向において下流側ほど下方へ傾斜し、係合ローラ218に係合してモータ保持台210を押し下げる押下面と、押下面の最も下の位置から水平に延び出させられ、モータ保持台210を押し下げた状態に保つ押下状態維持面と、押下状態維持面の押下面とは反対側の端から、回動板70の回動方向において下流側ほど上方へ傾斜し、モータ保持台210の押下げを解除し、モータ保持台210が上昇することを許容する押下解除面とを有する。ノズル選択用カム248は、モータ保持台210が上昇端位置にある状態で、押下面が係合ローラ218に係合する高さに設けられており、押下面の係合ローラ218が係合し始める部分の面は部分円筒面とされ、係合し易くされている。なお、モータ保持台210の上下方向の位置は、係合ローラ218がノズル選択用カム248の押下状態維持面に係合する状態で最も低くなる。
【0058】
フレーム60の部品装着位置近傍に対応する位置には、図2および図8に示すように、部品保持ヘッド昇降装置260が設けられている。図8は部品保持ヘッド昇降装置260をフレーム60の下から見た状態を示す図である。フレーム60の部品吸着位置近傍に対応する位置にも、図示は省略するが、同じ構成の部品保持ヘッド昇降装置が設けられている。以下、フレーム60の部品装着位置近傍に対応する位置に設けられた部品保持ヘッド昇降装置260を説明する。なお、部品吸着位置近傍に対応する位置に設けられた部品保持ヘッド昇降装置は、図示は省略されているが、構成は同じであり、後に行う部品保持ヘッド120による電子部品164の吸着の説明においては、部品保持ヘッド昇降装置260の構成部材に付した名称および符号を使用する。
【0059】
前記固定カム128のうち、部品装着位置近傍に対応する部分には、図2および図8に示すように、固定カム128の内周面,上面および下面に開口する嵌合溝262および嵌合溝262の底壁の上部を半径方向に貫通する開口264が形成されるとともに、嵌合溝262に移動部材の一種である昇降部材266が昇降可能に嵌合されている。嵌合溝262の底面には案内部材たる直線状のガイドレール268が上下方向に設けられるとともに、昇降部材266に固定の1対の被案内部材たるガイドブロック270が摺動可能に嵌合されている。
【0060】
昇降部材266の下部は、嵌合溝262内に昇降を許容する僅かな隙間を有して嵌合される幅(固定カム128の周方向の寸法)を有し、この下部には、固定カム128の内周面側に開口するとともに、カム溝130の部品装着位置に対応する部分に対する接線方向に貫通する水平な溝272が形成されている。
【0061】
昇降部材266の上部は、下部より幅が狭く、上部において回動部材たるレバー276のヨーク状の一端部にピン277によって回動可能に連結されている。レバー276は、開口264を通って固定カム128の外周面から外へ突出させられるとともに、支持部材278のヨーク状の支持部280に軸受282を介して長手方向に相対移動可能に嵌合されている。軸受282のレバー276の長手方向に平行な両側面にはそれぞれ、図8に示すように、支持ピン284が直角に突設されて軸部が設けられるとともに、支持部280の一対の側壁に回転可能に嵌合されており、レバー276は軸受282ごと支持ピン284の軸線まわりに回動させられる。
【0062】
支持部材278は、図8に示すように、支持部280から水平に延び出させられた腕部288を有し、この腕部288の延出端部は上方へ延び出させられ、フレーム60に形成された長穴286を通ってフレーム60内へ突出させられている。この突出部にはナット292が固定されるとともに、ねじ軸294に螺合されており、ねじ軸294がヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ296によって回転させられることにより、支持部材278がレバー276の長手方向に移動させられる。それにより軸受282および支持ピン284がレバー276に対して移動し、レバー276の回動軸線の位置が変更され、昇降部材266の昇降ストロークが変更され、後述するように、昇降部材266の昇降により昇降させられる部品保持ヘッド120の昇降ストロークが変更される。ねじ軸294,ヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ296等が移動ストローク変更装置を構成しているのである。ヘッド昇降用ストローク変更用サーボモータ296は、回転駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータである。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。なお、支持部280にはガイドブロック298が固定されるとともに、フレーム60に固定のガイドレール299に摺動可能に嵌合されており、支持部材278の移動が案内される。
【0063】
前記フレーム60には、図2に示すように、くの字形のレバー300が軸302によって回動可能に取り付けられている。レバー300の一方のアーム部303の突出端部には連結部材たるロッド304の上端部が軸部材たるピン306によって回動可能に、かつ軸方向の位置調節可能に連結され、ロッド304の下端部は、取付部材62に形成された長穴305を通って下方へ突出させられるとともに、前記レバー276の昇降部材266が連結された側とは反対側の端部に軸部材たるピン308によって回動可能に連結されている。レバー300の他方のアーム部312の突出端部にはカムフォロワたる係合ローラ314が回転可能に取り付けられている。係合ローラ314は、付勢手段の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング316によってレバー300が付勢されることにより、フレーム60に回転可能に取り付けられたヘッド昇降用カム318のカム面320に追従させられる。
【0064】
ヘッド昇降用カム318を支持する支持軸322は、フレーム60により回転可能に支持されており、支持軸322にはタイミングプーリ324(図3参照)が固定されるとともに、前記駆動用サーボモータ108の出力軸に固定のタイミングプーリ110に前記タイミングベルト112によって連結されている。ヘッド昇降用カム318は、前記鼓形カム90a〜90dと共通の駆動用サーボモータ108により回転させられるのであり、タイミングプーリ324の直径は、部品装着位置への回動板70の到達時間間隔である1到達時間ピッチ毎にヘッド昇降用カム318が1回転する大きさに設定されている。
【0065】
ヘッド昇降用カム318のカム面320は、実際には断面形状がハート形を成し、ヘッド昇降用カム318の回転によりレバー300が回動させられ、ロッド304が昇降させられるとともに、レバー276が回動させられ、昇降部材266が昇降させられる。昇降部材266が可動部を構成し、レバー276,300,ロッド304,ヘッド昇降用カム318,引張コイルスプリング316および駆動用サーボモータ108等が可動部移動装置を構成している。
【0066】
ロッド304と昇降部材266とは、支持ピン284を挟んでレバー276の両端部にそれぞれ連結されており、互いに昇降方向は逆である。ロッド304の下降端位置および上昇端位置はカム面320により決まり、一定であり、ロッド304の下降端位置は、ロッド304の軸方向の位置の調節により、昇降部材266が上昇端位置に位置し、溝272と固定カム128のカム溝130との高さが一致して連続する水平な溝を形成し、レバー276がねじ軸294およびガイドレール299と平行となる位置に設定されている。昇降部材266は上昇端位置において、固定カム128の部品装着位置において部品保持ヘッド120を水平状態に保つ部分の一部を構成するのであり、ヘッド昇降用カム318のカム面320は、昇降部材266が常には上昇端位置に位置し、回動板70が部品装着位置へ移動して来て固定カム用ローラ88がカム溝130から溝272へ乗り移り、部品保持ヘッド120が回路部品164をプリント基板38に装着する際に昇降するように形成されている。
【0067】
前記ねじ軸294および前記支持部材278の移動を案内するガイドレール299と、ロッド304が下降端位置へ移動させられ、昇降部材266が上昇端位置へ移動させられた状態でのレバー276とが平行になるようにされているため、この状態で支持部材278が移動させられるとき、支持部材278がガイドレール299に平行に移動させられてレバー276の回動軸線の位置が変更され、昇降部材266の上昇端位置を変えることなく、昇降ストロークが変えられ、昇降部材266の下降端位置が変えられる。
【0068】
本電子部品搬送装着装置は、図9に示す制御装置330により制御される。制御装置330は、CPU332,ROM334,RAM336およびそれらを接続するバス338を備えたコンピュータ340を主体とするものである。バス338には、入力インタフェース342が接続され、CCDカメラ114,エンコーダ193が接続されている。バス338にはまた、出力インタフェース344が接続され、駆動回路346,348,350,352,354,356,358を介してカートリッジ移動用サーボモータ26,X軸移動用サーボモータ42,Y軸移動用サーボモータ48,駆動用サーボモータ108,ノズル回転・選択用サーボモータ192,ヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ296,12個の切換装置178(正確には、切換装置178を構成する電磁方向切換弁)等が接続されている。また、ROM334には、電子部品164の吸着,装着,撮像等に必要な種々のプログラムが格納されている。
【0069】
以上のように構成された電子部品装着システムにおいて電子部品164をプリント基板38に装着する場合には、駆動用サーボモータ108により4個の鼓形カム90a〜90dが同期して一斉に回転させられ、12個の回動板70が別々に加速,減速,定速回動,あるいは停止させられる。回動板70は、部品吸着位置,撮像位置および部品装着位置においてそれぞれ停止し、電子部品164の吸着,撮像,装着が行われる。
【0070】
電子部品164の吸着を説明する。回動板70が部品吸着位置に向かって回動させられるとき、固定カム用ローラ126はカム溝130内を転動し、カム溝130から、フレーム60の部品吸着位置近傍に対応する位置に設けられた部品保持ヘッド昇降装置260の昇降部材266の溝272へ乗り移る。回動板70が回動し終わる前に固定カム用ローラ126が溝272内へ進入した状態となり、昇降部材266は、固定カム用ローラ126が溝272内へ進入した後、回動板70が部品吸着位置に到達して停止する前に下降を開始させられ、固定カム用ローラ126が追従して下降し、昇降板124の下降により部品保持ヘッド120が下降させられる。部品保持ヘッド120の回動と下降とが並行して行われるのである。
【0071】
部品保持ヘッド120の下降により、部品吸着ノズル158が電子部品164に当接し、切換装置178が切り換えられてバキュームが供給されることにより電子部品164を吸着する。なお、部品吸着ノズル158が電子部品164を吸着するときには回動板70は部品吸着位置に至って停止しており、部品吸着ノズル158は正確に電子部品164を吸着することができる。吸着後、昇降部材266が上昇させられ、固定カム用ローラ126が上昇させられるとともに昇降板124が上昇させられ、部品保持ヘッド120の上昇により部品吸着ノズル158がカートリッジ22から電子部品164を取り出す。
【0072】
電子部品164の取出し後、回動板70が回動を再開するが、この回動は昇降部材266が上昇端位置に到達し、溝272が固定カム128のカム溝130と一致する状態となる前に開始させられる。固定カム用ローラ126は昇降部材266の溝272を転動しつつ上昇し、昇降部材266が上昇端位置に到達した後、溝272からカム溝130へ乗り移る。部品保持ヘッド120の上昇と回動とが並行して行われるのである。
【0073】
なお、電子部品164の吸着時に、必要であれば部品保持ヘッド120の昇降ストロークが変更される。例えば、カートリッジ22により供給される電子部品がテープにより保持されたテープ化電子部品とされており、かつ、電子部品を保持する部品保持テープの電子部品収容部分がカートリッジ本体によって下方から支持されるタイプのテープ化電子部品である場合、電子部品の種類によって電子部品の高さが異なり、電子部品の上面の位置が異なることがある。
【0074】
部品保持テープは、多数の電子部品収容凹部を有し、各電子部品収容凹部に電子部品が収容されるとともに、トップテープが貼り付けられて電子部品収容凹部の開口が塞がれ、電子部品の飛出しが防止されている。部品保持テープは、電子部品の高さが大きいほど厚いが、カートリッジ本体のテープ案内面の高さは一定であり、電子部品が高いほど電子部品の上面の位置が高くなり、吸着管162と電子部品との距離が短くなる。そのため、電子部品の高さが大きいほど昇降部材266の昇降ストロークが短くされ、部品保持ヘッド120の昇降ストロークが短くされるのである。この調節は、回動板70が部品吸着位置に到達する前に行われている。ヘッド昇降ストローク変更用サーボモータ296が起動され、支持部材278が移動させられてレバー276の回動軸線の位置が変更させられるのである。なお、昇降ストロークは、正確には、吸着管162の下面(吸着面)と電子部品164の上面との距離と、電子部品供給装置12の製造誤差等による高さの誤差とを含む大きさとされ、部品吸着ノズル158が確実に電子部品164を吸着し得るようにされる。余分な下降距離は部品吸着ノズル158を付勢する圧縮コイルスプリング160の圧縮により許容される。
【0075】
電子部品164の吸着後、回動板70は撮像位置へ回動させられる。電子部品164を電子部品供給装置12から受け取った回転位置(軸線まわりの位置)とは異なる回転位置でプリント基板38に装着するのであれば、回動板70が部品吸着位置から撮像位置へ回動するまでの間に電子部品164を保持した部品吸着ノズル158が自身の軸線まわりに回転させられ、電子部品164の回転位置が変更される。図5に示すように、部品吸着位置と撮像位置との間の領域が電子部品回転位置変更領域なのである。電子部品164の回転位置の変更角度は、部品吸着ノズル158による電子部品164の軸線まわりの保持位置誤差、すなわち回転位置誤差とは異なり、例えば、90度あるいは180度というように大きい角度である。電子部品164の回転位置の変更の有無,変更角度は、装着プログラムから得られる電子部品164の種類および装着位置,方位等によりわかる。
【0076】
回動板70が部品吸着位置から撮像位置へ移動するとき、図6に示すように、鞘軸138と中軸144とが駆動側係合部材202の係合溝200と被駆動側係合部材232の係合突部242との係合により係合させられている。そのため、電子部品164の回転位置変更のためにノズル回転・選択用サーボモータ192が起動されれば、中軸144が回転させられるとともに、ノズル回転・選択用サーボモータ192の回転が連結部材196,駆動側係合部材202,被駆動側係合部材232を介して鞘軸138に伝達され、鞘軸138が回転させられる。鞘軸138と作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル158との軸線は一致させられており、鞘軸138が回転させられるとき、電子部品164を保持した部品吸着ノズル158は自身の軸線まわりに回転させられ、電子部品164の回転位置が変更される。
【0077】
鞘軸138の回転時に中軸144も回転させられることにより、かさ歯車188,190は噛み合ったままで噛合い位置は変わらず、かさ歯車188はかさ歯車190に対して回転せず、鞘軸138の軸線まわりに一体的に回転させられる。そのため、ノズル保持体154が支持軸152の軸線のまわりに回転させられて、後述するように部品吸着ノズル158の選択が行われることがない。
【0078】
電子部品164の回転位置の変更は、回動板70が撮像位置へ到達する前に終了し、撮像位置において回動板70は停止させられ、部品吸着ノズル158に吸着された電子部品164が静止し、かつ水平な状態でCCDカメラ114により撮像される。この撮像データに基づいて電子部品164の回転位置誤差(軸線まわりの位置誤差)および電子部品164の中心位置(電子部品164の中心の、部品吸着ノズル158の軸線に直角な方向の位置)の部品吸着ノズル158に対するX軸,Y軸方向の各位置誤差が演算され、回動板70が部品装着位置へ回動する間に回転位置誤差が修正される。ノズル回転・選択用サーボモータ192が起動され、鞘軸138が電子部品164の回転位置の変更時と同様に回転させられ、電子部品164を保持した部品吸着ノズル158が自身の軸線まわりに回転させられて電子部品164の回転位置誤差が修正される。図5に示すように、撮像位置と部品装着位置との間の領域が電子部品回転位置誤差修正領域なのである。
【0079】
また、電子部品164の装着開始に先立ってプリント基板38に設けられた基準マークが撮像され、撮像データに基づいて、多数の部品装着箇所の各々についてX軸,Y軸方向の各位置誤差が演算されている。電子部品164の装着時には、プリント基板38がX軸,Y軸方向に移動させられ、部品装着位置に停止させられた部品保持ヘッド120の真下に部品装着箇所が位置させられるのであるが、プリント基板38のX軸,Y軸方向の移動距離が修正され、電子部品164の中心位置の部品吸着ノズル158に対する相対位置誤差および部品装着箇所のX軸,Y軸方向の各位置誤差が修正される。電子部品164の中心位置の部品吸着ノズル158に対する相対位置誤差とは、先に演算された電子部品164の中心位置の部品吸着ノズル158に対するX軸,Y軸方向の各位置誤差と電子部品164の回転位置誤差の修正に伴う電子部品164の中心位置の変化との和である。
【0080】
回動板70が部品装着位置へ向かって回動させられるとき、固定カム用ローラ126が固定カム128のカム溝130から、フレーム60の部品装着位置近傍に対応する位置に設けられた部品保持ヘッド昇降装置260の昇降部材266の溝272に乗り移る。乗移り後、回動板70が部品装着位置に到達する前に昇降部材266が下降を開始させられ、部品保持ヘッド120が回動と並行して下降させられる。電子部品164がプリント基板38上に載置される前に回動板70は部品装着位置に到達して停止しており、電子部品164がプリント基板38の所定の部品装着箇所に装着される。
【0081】
電子部品164の装着時には、電子部品164の高さに応じて部品保持ヘッド120の昇降ストロークが変更される。電子部品164の高さが大きいほど、電子部品164とプリント基板38との距離が短く、昇降ストロークが短くされるのである。正確には、昇降スロトークは、プリント基板支持位置決め装置16等の製造誤差等を含む大きさとされ、電子部品164が確実にプリント基板38に装着されるようにされる。電子部品164がプリント基板38の部品装着箇所に載置された後、切換装置178が切り換えられ、部品吸着ノズル158が大気に連通させられて電子部品164が解放される。電子部品164の装着後、昇降部材266が上昇させられ、部品保持ヘッド120が上昇させられる。この場合にも、昇降部材266が上昇端位置に到達する前に回動板70が回動を再開し、固定カム用ローラ126が溝272内を転動しつつ上昇する。昇降部材266が上昇端位置に到達した後、固定カム用ローラ126がカム溝130へ乗り移り、回動板70が部品吸着位置へ向かって回動を再開する。
【0082】
電子部品164の回転位置の変更や回転位置誤差の修正のために鞘軸138が回転させられれば、モータ保持台210に設けられた係合突部220と被駆動側係合部材232の係合切欠238とは回転方向の位相がずれる。しかし、電子部品164の装着後、回動板70が部品装着位置から部品吸着位置へ回動するとき、部品排出領域へ到達するまでの間に鞘軸138が回転させられ、鞘軸138,部品保持ヘッド120が係合突部220と係合切欠238との回転軸線まわりの位置が一致する原位置へ戻される。図5に示すように、部品装着位置と部品排出領域との間の領域が部品保持ヘッド姿勢戻し領域である。鞘軸138の回転角度および回転方向は、鞘軸138の現在の回転位置に基づいて、回転角度が少なくて済む角度および方向に設定される。鞘軸138の現在の回転位置は、電子部品164の回転位置変更時の回転角度や回転位置誤差修正時の回転角度からわかる。
【0083】
なお、電子部品164の吸着エラーが発生した場合、例えば、部品吸着位置において部品吸着ノズル158が電子部品164を吸着し損なった場合、間違った種類の電子部品164を吸着した場合、あるいは吸着した電子部品164の回転位置が修正不可能なほどずれている場合等には、部品装着時に昇降部材266の昇降ストロークが最も短くされ、部品保持ヘッド120が下降しても、電子部品164を吸着していない部品吸着ノズル158の吸着管162や装着してはならない電子部品164がプリント基板38に接触しないようにされる。また、切換装置178の切換えは行われず、部品吸着ノズル158にはバキュームが供給されたままとされ、電子部品164は部品保持ヘッド120の回動に伴って部品排出領域へ移動させられる。
【0084】
鞘軸138,部品保持ヘッド120の姿勢戻し後、回動板70は部品排出領域に至って電子部品収容器上を通り、必要があれば電子部品164を電子部品収容器に捨てる。切換装置178が切り換えられて部品吸着ノズル158が大気に連通させられ、電子部品164が電子部品収容器に捨てられるのである。部品吸着ノズル158が電子部品164を吸着し損なった場合、例えば、撮像によって吸着エラーがわかれば、切換装置178が切り換えられ、部品吸着ノズル158へのバキュームの供給が直ちに遮断され、大気に連通させられる。
【0085】
回動板70が回動させられ、部品排出領域から部品吸着位置へ向かう途中であって、部品保持ヘッド120が水平に定速で移動しているとき、モータ保持台210に設けられた係合ローラ218がノズル選択用カム248のカム面250に係合し、モータ保持台210が下降させられて鞘軸138と中軸144との係合が解かれる。そして、使用する部品吸着ノズル158が変更されるならば、ノズル回転・選択用サーボモータ192が起動され、ノズル保持体154が回転させられる。図5に示すように、部品排出領域と部品吸着位置との間の領域が部品吸着ノズル選択領域である。
【0086】
回動板70が回動中、係合ローラ218はまず、カム面250の押下面に係合し、モータ保持台210が圧縮コイルスプリング224の付勢力に抗して下降させられる。それにより、図7に示すように、被駆動側係合部材232の係合突部242が駆動側係合部材202の係合溝200から離脱し、鞘軸138と中軸144との係合が解かれるが、被駆動側係合部材232と駆動側係合部材202との係合が完全に解かれる前に、モータ保持台210に設けられた係合突部220の先端部が被駆動側係合部材232に形成された係合切欠238に嵌入して鞘軸138の回転を阻止し、原位置に保つ。鞘軸138は、係合ローラ218がカム面250に係合する前に、すなわち部品吸着ノズル158の選択が行われる前に原位置に戻されており、モータ保持台210が下降するとき、係合突部220が係合切欠238に嵌入し、鞘軸138の回転を阻止することができる。被駆動側係合部材232と駆動側係合部材202との係合が解かれた後、係合ローラ218はカム面250の押下状態維持面に係合する状態となり、この状態で回動板70が回動する間、被駆動側係合部材232と駆動側係合部材202とは係合を解かれ、鞘軸138と中軸144とが係合を解かれた状態に保たれる。
【0087】
電子部品164の吸着に使用する部品吸着ノズル158を変更するのであれば、この状態でノズル回転・選択用サーボモータ192が起動され、ノズル保持体154が回転させられる。ノズル回転・選択用サーボモータ192の起動により中軸144が回転させられるが、鞘軸138は係合突部220と係合切欠238との係合により回転を阻止されていて、鞘軸138が中軸144とつれ回ることなく原位置に保たれ、中軸144のみが回転させられる。鞘軸138が中軸144とつれ回れば、回転位置誤差の修正時と同様に、かさ歯車188,歯車186,180が鞘軸138の軸線まわりに回転してしまい、自身の軸線のまわりに回転せず、ノズル保持体154が回転させられないこととなるが、鞘軸138のつれ回りが防止されることにより、かさ歯車188,歯車186,180がそれぞれ自身の軸線のまわりに回転し、中軸144の回転がかさ歯車188,190,歯車186,180によりノズル保持体154に伝達される。それによりノズル保持体154が回動板70の回動軸線と直交し、かつ回動板70の板面に平行な水平軸線まわりに回転させられて、6個の部品吸着ノズル158のうちの1個が作動位置に位置決めされる。前述のように、かさ歯車188,190,歯車180,186間のバックラッシュは無視できるほど小さく、部品吸着ノズル158は、それらかさ歯車188,190等の噛合いにより作動位置に位置決めされる。
【0088】
作動位置に位置決めされている部品吸着ノズル158の種類は中軸144の回転角度,回転方向からわかり、次に作動位置に位置決めする部品吸着ノズル158の種類は装着プログラムからわかり、それら種類に基づいてノズル回転・選択用サーボモータ192の回転角度,回転方向が求められ、所定の部品吸着ノズル158が作動位置に位置決めされる。ノズル回転・選択用サーボモータ192の回転角度および回転方向は、ノズル保持体154の回転角度が少なくて済む角度および方向に設定される。
【0089】
部品吸着ノズル158の選択が行われる間、モータ保持台210は係合ローラ218とカム面250の押下状態維持面との係合により下降端位置に位置する状態に保たれ、中軸144と鞘軸138とは係合が解除された状態に保たれる。部品吸着ノズル158の選択時には、ノズル保持体154は、正方向または逆方向に最大180度ずつ回転させられるが、ノズル保持体154が回転させられる間、回動板70は回動しており、押下状態維持面は、回動板70の回動軸線を中心とする円周方向において、ノズル保持体154が必要な角度回転させられる間、係合ローラ218が係合してモータ保持台210を押下げ状態に保ち、鞘軸138と中軸144とを係合が解除された状態に保つのに十分な長さを有する。
【0090】
部品吸着ノズル158の選択が終了すれば、係合ローラ218がカム面250の押下解除面に係合するに至り、モータ保持台210が圧縮コイルスプリング224の付勢により上昇させられる。それにより、被駆動側係合部材232の係合突部242が駆動側係合部材202の係合溝200に嵌入するとともに、係合突部220が係合切欠238から離脱し、鞘軸138と中軸144とが相対回転不能に係合させられるとともに、鞘軸138とモータ保持台210との係合が解かれる。これら係合突部242,係合溝200は、係合突部220が係合切欠238から離脱する前であって、鞘軸138が原位置に位置させられている状態で係合する。部品吸着ノズル選択のために中軸144が回転させられ、係合突部242はノズル選択前とは別の係合溝200に係合させられることとなるが、中軸144の回転中、鞘軸138はモータ保持台210に係合させられて原位置に保たれており、また、係合時にも原位置に保たれているため、係合突部242は中軸144と共に回転させられた駆動側係合部材202の係合溝200に確実に係合することができる。
【0091】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、回動板70が移動体を構成し、鼓形カム用ローラ88,鼓形カム90a〜90d,駆動用サーボモータ108等が移動体移動装置を構成し、部品保持具たる部品吸着ノズル158を保持するノズル保持体154が回転ヘッドを構成し、ノズル回転・選択用サーボモータ192が駆動源を構成している。また、鞘軸138と一体的に設けられた取付部146が回転保持体を構成し、中軸144が保持具選択用入力部材を構成し、歯車180,186,かさ歯車188,190等が保持具選択用回転伝達装置を構成し、鞘軸138が保持具回転用入力部材を構成し、取付部146,支持軸152,ノズル保持体154等が保持具回転用回転伝達装置を構成している。さらに、係合ローラ218,ノズル選択用カム248,モータ保持台210,モータ保持台付勢手段たる圧縮コイルスプリング224等により構成される係脱装置が駆動側係合部材202および被駆動側係合部材232と共に断接装置を構成し、ノズル回転・選択用サーボモータ192の回転出力軸194の回転を常時中軸144に伝達する連結部材196,ピン198,係合ピン208等が断接装置と共に伝達制御装置を構成している。さらにまた、バックラッシュを無視できるほど精度良く形成された歯車180,186,かさ歯車188,190等が回転ヘッド位置決め装置を構成している。
【0092】
なお、図10および図11に示すように、連結部材196に固定の駆動側係合部材370と、鞘軸138に固定の被駆動側係合部材372とを傾斜面で係合させてもよい。駆動側係合部材370に上向きの6個の係合突部374を等角度間隔に設け、被駆動側係合部材372のアーム部376に、鞘軸138の半径方向に延び、下方に開口する係合切欠378を設ける。係合突部374,係合切欠378の各幅はいずれも、上方ほど狭くされており、同じ傾斜を有する。これら係合突部374と係合切欠378との傾斜面同士の係合により、連結部材196と鞘軸138とは回転方向において隙間なく係合させられ、鞘軸138が精度良く回転させられ、電子部品の回転位置誤差が精度良く修正される。
【0093】
また、図12に示すように、位置決め穴380と位置決めピン382との係合により、ノズル保持体384を部品吸着ノズル158の1つが作動位置に位置する回転位置に位置決めしてもよい。ノズル保持体384の取付部146の側壁部150と対向する端面には、ノズル保持体384の回転軸線を中心とする一円周上に6個の位置決め穴380(図には2個のみ示されている)が等角度間隔に形成されている。これら位置決め穴380はそれぞれ、開口側ほど径が漸増するテーパ穴とされている。
【0094】
側壁部150にはブラケット386が複数本のボルト387により固定されており、位置決めピン382がノズル保持体384の回転軸線と平行な方向に移動可能に嵌合されるとともに、付勢手段の一種である弾性部材としてのスプリング388により、ブラケット386からノズル保持体384側へ突出する向きに付勢されている。位置決めピン382の先端部は、位置決め穴380の傾斜と同じ傾斜のテーパ部390とされている。
【0095】
部品吸着ノズル158の選択のために中軸144が回転させられ、ノズル保持体384が回転させられるとき、位置決めピン382は、位置決め穴380およびテーパ部390の斜面の作用により、スプリング388の付勢力に抗して後退させられ、位置決め穴380から離脱してノズル保持体384の回転を許容する。ノズル保持体384が回転し、位置決めピン382のテーパ部390と位置決め穴380との位置がほぼ一致すれば、位置決めピン382はスプリング388の付勢により前進し、位置決め穴380に嵌入し、ノズル保持体384は、部品吸着ノズル158の1つが作動位置に位置決めされた回転位置に精度良く位置決めされる。なお、この場合、かさ歯車188,190,歯車180,186にはバックラッシュが設けられ、位置決めピン382の位置決め穴380への嵌入が妨げられないようにされる。
【0096】
本発明の別の実施形態である電子部品搬送装着装置を備えた電子部品装着システムを図13〜図22に基づいて詳細に説明する。
図13において400はベースであり、ベース400上には、電子部品搬送装着装置402,電子部品供給装置404およびプリント基板搬送装置406が設けられている。プリント基板搬送装置406は、X軸方向(図13において左右方向)に配設された基板コンベア408を有し、プリント基板410は基板コンベア408により搬送されるとともに、図示しない位置決め支持装置により予め定められた電子部品装着位置に位置決めされ、支持される。
【0097】
基板コンベア408の水平面内においてX軸方向と直交するY軸方向の一方の側に、電子部品供給装置404が設けられている。電子部品供給装置404は、前記電子部品供給装置14と同様に、X軸方向に並べられた多数の電子部品供給カートリッジ412を有し、位置を固定して設けられている。
【0098】
電子部品搬送装着装置402は、部品保持ヘッド416(図14参照)がX軸方向およびY軸方向に直線移動させられて電子部品を搬送し、装着するものとされている。そのため、ベース400の基板コンベア408のY軸方向における両側にはそれぞれ、ボールねじ418がX軸方向に平行に設けられるとともに、X軸スライド420に設けられた図示しない2個のナットの各々に螺合されており、これらボールねじ418がそれぞれX軸移動用サーボモータ422によって回転させられることにより、X軸スライド420がX軸方向に移動させられる。なお、ベース400上には、2つのボールねじ418の下側にそれぞれ図示しない案内部材たるガイドレールが設けられており、X軸スライド420は図示しない被案内部材たるガイドブロックにおいてガイドレールに摺動可能に嵌合され、移動を案内される。
【0099】
X軸スライド420上には、図14に示すように、ボールねじ424がY軸方向に平行に設けられるとともに、Y軸スライド426が図示しないナットにおいて螺合されている。ボールねじ424がY軸移動用サーボモータ428(図13参照)によって回転させられることにより、Y軸スライド426は案内部材たる1対のガイドレール430に案内されてY軸方向に移動させられる。
【0100】
X軸スライド420にはまた、Y軸スライド426より下側であって、Y軸方向において電子部品供給装置404とプリント基板搬送装置406との間の位置に、撮像装置を構成するラインセンサ432(図21参照)が設けられている。ラインセンサ432は、X軸方向に一直線状に並べられた多数の撮像素子を有し、一定時間毎に電子部品438を撮像する。電子部品438の像は、その移動方向において1ライン分ずつ分けて撮像され、電子部品438がラインセンサ432を通過し終わったとき、電子部品438の全体像のデータが得られる。ラインセンサ432による撮像の繰返しと部品保持ヘッド416の移動とによって電子部品438の2次元像が得られるのである。
【0101】
Y軸スライド426の垂直な側面434には、図14に示すように、部品保持ヘッド416が昇降可能かつ回転可能に取り付けられるとともに、部品保持ヘッド416を昇降させる昇降装置436,部品保持ヘッド416により保持された電子部品438を軸線まわりに回転させる回転装置440,プリント基板410に設けられた基準マークを撮像するCCDカメラ442(図13参照)が設けられている。
【0102】
部品保持ヘッド416は、ホルダ446により保持されている。ホルダ446はスプライン軸448を有し、スリーブ450のスプライン孔452に嵌合されている。スリーブ450は、Y軸スライド426の側面434に突設されたアーム454に上下方向の軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に嵌合されており、スリーブ450のアーム454から突出した下端部には、バックラッシュ除去のために1対の歯車456,458が設けられ、回転装置440の回転用サーボモータ460の回転出力軸461に固定されて回転用サーボモータ460により回転させられる歯車462に噛み合わされている。それによりスプライン軸448は、歯車462,456,458およびスリーブ450を介して回転用サーボモータ460により自身の軸線のまわりに精度良く回転させられ、部品保持ヘッド416が上下方向に延び、スプライン軸448の軸線と一致する回転軸線のまわりに回転させられる。回転用サーボモータ460は正,逆両方向に回転し、その回転角度は回転角度検出手段の一種であるエンコーダ464により検出され、部品保持ヘッド416の回転角度がわかる。
【0103】
また、スプライン軸448の上端部には、係合部材466が相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に取り付けられるとともに、係合部材466から水平に延び出させられた係合片468は、ボールねじ470に螺合されたナット472に固定されている。ボールねじ470は、Y軸スライド426の側面434に上下方向に延びる軸線のまわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられており、ボールねじ470がタイミングプーリ476,478,タイミングベルト480を介して昇降用サーボモータ482によって回転させられることにより、ナット472が昇降させられるとともに、係合部材466,ホルダ446,部品保持ヘッド416が昇降させられる。
【0104】
昇降用サーボモータ482は正,逆両方向に回転させられ、その回転角度は回転角度検出手段の一種であるエンコーダ484により検出されて部品保持ヘッド416の昇降距離がわかる。部品保持ヘッド416は、電子部品438の吸着,装着時には、図14に示す下降開始位置から下の部品吸着・装着領域で昇降させられ、後述する部品吸着ノズルの選択時には下降開始位置より小距離上方のノズル選択位置へ上昇させられる。
【0105】
スプライン軸448の下端部には、部品保持ヘッド416の支持部材490が固定されている。支持部材490は、図16に示すようにコの字形を成し、コの字の底壁部492においてスプライン軸448に嵌合され、位置決めピン496により位置決めされるとともに、ねじ498により固定されている。
【0106】
支持部材490の一方の側壁部500には、支持軸502の一端部が水平な姿勢で嵌合され、固定されている。支持軸502には、ノズル保持体504が軸方向に相対移動可能かつ相対回転可能に嵌合されている。ノズル保持体504は、厚い板状の保持部506と、保持部506の軸線方向の一方の端面に同心に突設された軸部508とを有する。ノズル保持体504内には、保持部506の軸部508が突設された側とは反対側の端面に開口し、軸部508の突出端部近くまで至る有底穴510が形成されており、この有底穴510において支持軸502に相対回転可能かつ相対移動可能に嵌合され、軸部508は支持部材490の他方の側壁部512に軸方向に相対移動可能かつ相対回転可能に嵌合されている。
【0107】
軸部508の突出端部は側壁部512から外へ突出させられている。この突出端部には、突出端面に開口する有底の嵌合穴514が同心に形成されており、嵌合穴514にカムフォロワたる係合部材516が嵌合されている。係合部材516には、外周面に開口する円環状の係合溝518が形成されており、軸部508に螺合された係合ピン520の先端部が係合溝518に嵌入させられて、係合部材516の軸部508からの抜出しが防止されている。また、係合部材516の嵌合穴514から突出した先端部には、ボール522が回転可能かつ抜出し不能に保持されている。ボール522の外周面の一部は、係合部材516の外へ突出させられている。
【0108】
保持部506には、4個のノズル嵌合穴530が支持軸502の軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に設けられている。各ノズル嵌合穴530にはそれぞれ、4個の部品吸着ノズル532a,532b,532c,532dが軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合されるとともに、付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング534により、ノズル嵌合穴530から突出する向きに付勢されている。部品吸着ノズル532a〜532dのノズル嵌合穴530からの抜出しおよび回転は、係合ピン536がピン係合溝538の端に係合することにより防止されている。4個の部品吸着ノズル532a〜532dは、吸着管540の寸法,形状を異にし、異なる種類の電子部品を吸着する。反射板542の寸法も異ならされている。なお、吸着管540の長さはいずれも同じであり、各吸着管540の先端面は支持軸502の軸線を中心とする一円周上に位置する。
【0109】
部品吸着ノズル532a〜532dはバキュームにより電子部品を吸着する。そのため、保持部506には、4個のノズル嵌合穴530の各々と有底穴510の内周面とに開口する通路544が形成されるとともに、支持軸502,支持部材490,前記スプライン軸448内にそれぞれ通路546,548,550が形成されている。通路550のポート552(図14参照)は、図示しないバキューム源に接続されており、それら通路550とバキューム源との間に設けられた電磁方向切換弁554(図21参照)の切換えにより、部品吸着ノズル532a〜532dのうち、後述する作動位置に位置決めされた部品吸着ノズルがバキューム源と大気とに選択的に連通させられ、電子部品438を吸着、解放する。
【0110】
保持部506の軸部508が突設された側の端面には、図16および図17に示すように、4個の位置決め穴560がノズル保持体504の回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に形成されている(図17には3個のみ示されている)。位置決め穴560の内周面の開口側の部分は、開口側ほど直径が漸増するテーパ内周面562とされている。
【0111】
支持部材490の前記側壁部512には、位置決めピン564がノズル保持体504の回転軸線と平行に固定されている。位置決めピン564の先端には、前記位置決め穴560のテーパ内周面562の傾斜に対応する傾斜を有する位置決め突部566が突設されている。位置決め突部566は、位置決めピン564の先端部に設けられた円錐状の突部の上部と下部とがそれぞれ、水平な平面で平面取りされることにより形成されており、外周面の2箇所が部分テーパ面を成す。また、位置決めピン564の軸方向の中間部の外周面も、上下方向に隔たった2箇所が水平な平面で平面取りされており、それにより形成された平らな係合面567が側壁部512に形成された水平な平面状の座568上に載せられることにより、位置決めピン566の支持部材490に対する回転が阻止され、位置決め突部566の2箇所の部分テーパ面が水平方向に位置する状態に保たれている。
【0112】
ノズル保持体504は、支持部材490の前記側壁部500との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング570(以下、スプリング570と略称する)により、位置決め穴560が位置決めピン564の位置決め突部566に嵌合する向きに付勢されている。支持軸502には軸受572を介してリテーナ574が支持軸502の軸線まわりに回転可能に取り付けられており、スプリング570の一端部はリテーナ574により支持され、他端部はノズル保持体504により支持されている。スプリング570は、ノズル保持体504と共に支持軸502の軸線まわりに回転するようにされているのである。
【0113】
電子部品438の吸着,装着時には、4個の位置決め穴560のうちの1個に位置決めピン564が嵌合し、ノズル保持体504は、4個の部品吸着ノズル532a〜532dのうちの1個が作動位置、すなわち軸線が垂直方向に位置し、スプライン軸448の軸線と一致するとともに、吸着管540が下向きとなる位置に位置決めされた回転位置に位置させられる。支持軸502内に形成された前記通路546は、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル532について設けられた通路544にのみ連通する。
【0114】
位置決めピン564の側壁部512からノズル保持体504側へ突出させられた部分であって、前記係合面567より先端側の部分には、図16および図18に示すように、大径の取付部710が設けられている。なお、図18においては、部品吸着ノズル532a〜532dの図示は省略されている。この取付部710の外周面の直径方向に隔たった2箇所はそれぞれ、垂直面内に位置し、かつノズル保持体504の回転軸線に平行な平面で平面取りが施され、それにより取付面712が形成されるとともに、それぞれ係合部材714が2個ずつのボルト716によって固定されている。これら1対の係合部材714は板ばねにより作られていて、平らな板状を成し、位置決めピン564から下方へ延び出させられるとともに、下端部はノズル保持体504の軸部508に形成された係合面718(図18参照)にそれぞれ係合させられている。
【0115】
軸部508の外周面の等角度間隔に隔たった4箇所であって、ノズル保持体504が位置決めピン564と位置決め穴560との嵌合により位置決めされた状態で水平方向および垂直方向にそれぞれ隔たった2箇所には、ノズル保持体504の回転軸線に平行な平面で平面取りが施され、係合面718が4個形成されており、そのうちの2個の係合面718と1対の係合部材714との係合により、ノズル保持体504の回転位置が一義的に規定されるとともに、ノズル保持体504の位置決めピン564に対する回転軸線に平行な方向の移動が許容されている。
【0116】
ノズル保持体504の保持部506には、図17および図19に示すように、保持部506を軸線方向に貫通する4個の貫通穴578a,578b,578c,578dが形成されている。これら貫通穴578a〜578dは、ノズル保持体504の回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に、かつ、4個のノズル嵌合穴530に隣接する位置にそれぞれ形成されている。保持部506にはまた、ノズル保持体504の回転軸線を中心とし、貫通穴578a〜578dより外周側の一円周上であって、貫通穴578aと578bとからそれぞれ、周方向において同じ方向へ同じ角度隔たった位置にそれぞれ、軸線方向に貫通する別の貫通穴580aおよび580bが形成されている。
【0117】
前記Y軸スライド426には、3個の透過型センサ582a,582b,582c(図17参照)が取り付けられている。これら透過型センサ582a,582b,582cの各発光部および受光部は、部品保持ヘッド416のY軸方向の両側にそれぞれ配設されるとともに、部品保持ヘッド416が回転軸線のまわりにおいて原位置にあり、かつ、前記ノズル選択位置へ上昇させられた状態で、部品吸着ノズル532cが作動位置に位置決めされたとき、透過型センサ582a,582b,582cの各発光部の発する光が貫通穴578d,580a,580bを通過する位置に設けられている。部品保持ヘッド416の回転軸線のまわりにおける原位置とは、図15に示すように、ノズル保持体504の軸線がY軸方向と平行となり、かつ、Y軸スライド426が電子部品供給装置404からプリント基板搬送装置406へ移動する際に係合部材516が移動方向において下流側に位置する位置である。図17において白抜きの矢印は、部品吸着ノズル選択時のノズル保持体504の回転方向を示す。
【0118】
貫通穴578a〜578dは4個の部品吸着ノズル532a〜532dの各々について設けられており、透過型センサ582aの受光部の受光の有無により、部品吸着ノズル532a〜532dのうちの1つが作動位置に位置決めされたか否かがわかる。また、貫通穴580a,580bは2個のみ設けられており、透過型センサ582b,582cの受光部の受光の有無の組合わせは4種類あり、それにより作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル532の種類がわかる。
【0119】
ノズル保持体504の保持部506の軸部508が突設された側とは反対側の端面には、図16に示すように、被駆動カム590が固定されている。被駆動カム590は、図20に示すように円筒状を成し、支持軸502に軸方向に相対移動可能かつ相対回転可能に嵌合されるとともに、外向きのフランジ部592において保持部506に当接させられ、4本のボルト594(図16には1本のみ示されている)がそれぞれ長穴596を通ってノズル保持体504に螺合されることにより、ノズル保持体504に固定されている。4個の長穴596はそれぞれ、被駆動カム590の軸線を中心とする部分円環状を成し、その軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に形成されている。なお、前記スプリング570の他端部は、正確には、フランジ部592により支持されている。
【0120】
被駆動カム590のフランジ部592が設けられた側とは反対側の端部には、図20に示すように、4個の鋸歯状の歯598が等角度間隔に形成されている。これら歯598はそれぞれ、図22に示すように、軸線に対して傾斜した傾斜歯面600および平行な平行歯面602を有する。
【0121】
前記支持軸502の上記被駆動カム590からの突出端部には、駆動カム606が同心かつ一体的に設けられている。駆動カム606は支持軸502より径が大きく、鋸歯状の4個の歯608(図22に代表して1個または2個示す)が等角度間隔に形成されている。なお、図22において二点鎖線で示すのは、鋸歯状の突部のうち、歯598,608を形成するために切り落とされた部分である。これら歯608はそれぞれ、軸線に対して傾斜した傾斜歯面610および平行な平行歯面612を有する。傾斜歯面610の傾斜は被駆動カム590の歯598の傾斜歯面600の傾斜と同じであり、被駆動カム590の歯598と駆動カム606の歯608とは補完関係にある。被駆動カム590は、ノズル保持体504を付勢する前記スプリング570により、駆動カム606から離間する向きに付勢されている。
【0122】
被駆動カム590は、前記位置決めピン564が位置決め穴560の1つに嵌合し、4個の部品吸着ノズル532a〜532dのうちの1つが作動位置に位置決めされた状態では、図22(a)に示すように、被駆動カム590の傾斜歯面600と駆動カム606の傾斜歯面610とが先端近傍部のみにおいて互いに対向する状態となるように、ノズル保持体504に固定されている。被駆動カム590に形成された前記長穴596において、被駆動カム590のノズル保持体504に対する回転軸線まわりの取付位置が調節されるのであり、ボルト594による固定後、位置決め基準ピン616(図20参照)が打ち込まれ、被駆動カム590とノズル保持体504とが位置決めされる。
【0123】
前記Y軸スライド426の側面434には、図14に示すように、ノズル選択用カム620が固定されている。ノズル選択用カム620には、図15および図16に示すように、上下方向に延びるカム面622が形成されている。ただし、図16においてノズル選択用カム620は、実際の位置から90度回された位相で示されている。カム面622は、Y軸方向(図15において左右方向)に平行で、部品保持ヘッド416の回転軸線からの距離が一定の距離一定面624と、距離一定面624のY軸方向の両側において、距離一定面624から離れるほど部品保持ヘッド416の回転軸線からの距離が漸増する2つの距離漸変面626とを有する。距離一定面624の部品保持ヘッド416の回転軸線からの距離は、ヘッド保持体504のスプリング570による付勢方向の移動が位置決め穴560と位置決めピン564との嵌合により規定され、ヘッド保持体504が前進端位置に位置する状態における部品保持ヘッド416の回転軸線から係合部材516のボール522の先端までの距離より短くされている。また、距離漸変面626の部品保持ヘッド416の回転軸線からの距離が最も大きい部分の距離は、前進端位置に位置するヘッド保持体504のボール522の先端と部品保持ヘッド416の回転軸線との距離より僅かに大きくされている。ノズル選択用カム620は、部品保持ヘッド416が上下方向においてノズル選択位置に位置するとき、カム面622と係合部材516との高さが一致する位置に固定されている。
【0124】
本電子部品装着システムは、図21に示す制御装置630により制御される。この制御装置630は前記制御装置330と同様に、CPU632,ROM634,RAM636およびそれらを接続するバス638を有するコンピュータ640を主体とするものである。バス638には入力インタフェース642が接続されるとともに、ラインセンサ432,CCDカメラ442,エンコーダ464,484,透過型センサ582a,582b,582cが接続されている。バス638にはまた、出力インタフェース644が接続され、駆動回路646,648,650,652,654,656を介して、基板コンベア408,X軸移動用サーボモータ422,Y軸移動用サーボモータ428,回転用サーボモータ460,昇降用サーボモータ482,電磁方向切換弁554が接続されている。ROM634には、電子部品438の吸着,装着等に必要な種々のプログラムが格納されるとともに、前記透過型センサ582b,582cの各受光部の受光の有無の組合わせと、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル532の種類とが対応付けて格納されている。
なお、これらX軸移動用サーボモータ422,Y軸移動用サーボモータ428,回転用サーボモータ460,昇降用サーボモータ482はそれぞれ、駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度の制御可能なモータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。
【0125】
以上のように構成された電子部品装着システムにおいて、電子部品438の装着時には、部品保持ヘッド416はX軸スライド420,Y軸スライド426の移動により、複数の電子部品供給カートリッジ412のうち、電子部品438を供給する電子部品供給カートリッジ412上へ移動させられ、停止後、部品保持ヘッド416が下降開始位置から下降させられ、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズルが電子部品438に当接させられるとともにバキュームが供給され、電子部品438を吸着する。電子部品438の吸着,装着時には、部品保持ヘッド416は回転軸線まわりにおいて原位置にある。
【0126】
電子部品438の吸着後、部品保持ヘッド416は下降開始位置へ上昇させられた後、X軸,Y軸スライド420,426の移動により、プリント基板410の電子部品装着箇所上へ移動させられる。電子部品438の回転位置が吸着時と装着時とで異なる場合、上記電子部品装着箇所上への移動に先立って電子部品438が回転させられる。回転用サーボモータ460によりスプライン軸448が回転させられ、支持部材490が回転させられるとともに作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル532が自身の軸線のまわりに回転させられ、電子部品438の回転位置が変更されるのである。この回転位置の変更角度は、例えば、90度、180度というように大きいが、電子部品438の吸着および装着時には、部品保持ヘッド416は、高さ方向において、図14に示す下降開始位置より下の領域で昇降させられる。この位置では、係合部材516はノズル選択用カム620のカム面622より下に位置し、ノズル保持体504を支持する支持部材490とノズル選択用カム620との相対位置は、支持部材490の回転時に係合部材516がカム面622に係合不能な係合不能位置にあり、そのため、部品保持ヘッド416を回転させ、電子部品438の回転位置を変更するとき、係合部材516とカム面622とが干渉することがない。回転位置変更角度が大きくても、部品吸着ノズル532を回転させて回転位置を変更することができるのである。
【0127】
回転位置変更後、電子部品438はプリント基板410の電子部品装着箇所上へ移動させられる。この間に電子部品438はラインセンサ432上を通過し、部品吸着ノズル532の電子部品438の保持姿勢が検出され、電子部品438の中心位置の部品吸着ノズル532に対するX軸,Y軸方向の各位置誤差,軸線まわりの回転位置誤差が演算される。また、プリント基板410に設けられた2個の基準マークは予め撮像装置たるCCDカメラ442によって撮像されており、X軸,Y軸方向の各位置誤差が演算され、それら誤差に基づいて多数の電子部品装着箇所毎にX軸,Y軸方向の位置誤差が演算されている。
【0128】
電子部品438の回転位置誤差は、電子部品438の撮像後、電子部品装着箇所へ到達するまでの間に部品保持ヘッド416が回転させられ、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル532が自身の軸線のまわりに回転させられることにより修正される。この回転位置誤差の修正時にも係合部材516はノズル選択用カム620のカム面622より下に位置する。そのため、部品保持ヘッド416を回転させ、電子部品438の回転位置誤差を修正するとき、係合部材516とカム面622とが干渉することがなく、回転位置誤差の修正量が大きくても、修正することができる。また、電子部品438の中心位置の部品吸着ノズル532に対する相対位置誤差およびプリント基板410の各X軸,Y軸方向の位置誤差は、X軸スライド420,Y軸スライド426の各移動量の修正により修正される。電子部品438の中心位置の部品吸着ノズル532に対する相対位置誤差とは、先に演算された電子部品438の中心位置の部品吸着ノズル532に対するX軸,Y軸方向の各位置誤差と電子部品438の回転位置誤差の修正に伴う電子部品438の中心位置の変化との和である。
【0129】
部品保持ヘッド416は、プリント基板410の電子部品装着箇所上へ移動させられた後、下降させられ、電子部品438をプリント基板410上に載置する。そして、部品吸着ノズル532が大気に連通させられて電子部品438を解放した後、部品保持ヘッド416は下降開始位置へ上昇させられるとともに、電子部品供給装置406へ移動させられる。部品保持ヘッド416は、電子部品供給装置406へ移動するまでの間に図15に示す原位置に戻される。この際、部品保持ヘッド416の回転角度および回転方向は、部品保持ヘッド416の現在の回転位置に基づいて、回転角度が少なくて済む角度および方向に設定される。
【0130】
部品吸着ノズル532の変更が必要になった場合には、部品保持ヘッド416が回転軸線まわりの原位置への復帰させられた後、電子部品供給カートリッジ412へ到達するまでの間に部品吸着ノズル532の選択が行われる。ノズル選択時には、まず、部品保持ヘッド416が下降開始位置からノズル選択位置へ上昇させられ、係合部材516とカム面622との高さが一致させられる。ノズル保持体504を支持する支持部材490とノズル選択用カム620との相対位置が、支持部材490の回転時に係合部材516がカム面622に係合可能な係合可能位置とされるのである。この状態でスプライン軸448が回転させられ、部品保持ヘッド416が図15に矢印Aで示す正方向へ回転させられれば、係合部材516がボール522においてカム面622の距離漸変面626に係合し、ノズル保持体504がスプリング570の付勢力に抗して後退させられる。
【0131】
4個の部品吸着ノズル532a〜532dのうちの1個が作動位置に位置決めされた状態では、図22(a)に示すように、位置決めピン564の位置決め突部566が位置決め穴560に嵌合するとともに、被駆動カム590の歯598と駆動カム606の歯608とは互いに離間し、傾斜歯面600と傾斜歯面610とが先端近傍部のみにおいて互いに対向する状態にある。そのため、ノズル保持体504が後退させられるとき、位置決めピン564の位置決め突部566が位置決め穴560から離脱し、ノズル保持体504の支持軸502に対する相対回転が許容されるとともに、図22(b)に示すように傾斜歯面600,610の先端部同士が係合する。
【0132】
傾斜歯面600,610は、位置決めピン564の位置決め突部566が位置決め穴560から離脱した後に係合するが、ノズル保持体504が軸方向に移動させられるとき、ノズル保持体504の軸部508に形成された係合面718と、位置決めピン564に固定の係合部材714との係合により、ノズル保持体504の自由な回転が防止されており、傾斜歯面600は対向する傾斜歯面610に確実に係合することができる。ノズル保持体504の位置決めが解除されたとき、ノズル保持体504が駆動カム606および被駆動カム590による回転方向とは逆向きに小角度回転してしまい、歯598が係合すべき歯608と係合しなくなり、ノズル保持体504が回転させられない事態が生ずることがないのである。
【0133】
部品保持ヘッド416が更に回転させられ、ノズル保持体504が更に後退させられれば、図22(c)に示すように、傾斜歯面600が傾斜歯面610に沿って移動し、傾斜歯面600,610の斜面の作用によりノズル保持体504は支持軸502の軸線のまわりに回転させられる。ノズル保持体504は、図22(c)に示すように、歯598が隣接する2個の歯608の間に嵌入し、平行面602と612との間に僅かな隙間が残る位置まで後退させられるとともに、ノズル選択前に位置決めピン564が嵌合していた位置決め穴560にノズル保持体回転方向において上流側に隣接する位置決め穴560に嵌入可能な位置まで回転させられる。位置決めピン564の中心線が、上記上流側に隣接する位置決め穴560のテーパ内周面562と交差する位置まで回転させられるのである。このとき、ノズル保持体504は、係合部材714の付勢力に抗して回転させられる。
【0134】
部品保持ヘッド416が更に回転させられ、係合部材516が距離一定面624を通って他方の距離漸変面626に係合すれば、距離漸変面626と部品保持ヘッド416の回転軸線との距離が漸増し、ノズル保持体504はスプリング570により付勢されて前進する。このとき、被駆動カム590が駆動カム606から離間し、図22(d)に示すように、歯598が隣接する2個の歯608の間から離脱する一方、位置決め穴560が位置決めピン564に接近する。歯598が歯608から完全に離脱した後、位置決めピン564の位置決め突部566が位置決め穴560のテーパ内周面562に係合するが、ノズル保持体504の前進時には、係合部材714と係合面718との係合によりノズル保持体504がノズル保持体回転方向に小角度回転させられるか、回転を防止されており、少なくともノズル保持体回転方向と逆の方向に回転させられることはないため、位置決め突部566はテーパ内周面562に確実に係合する。それにより、ノズル保持体504はスプリング570の付勢力を受け、位置決め突部566とテーパ内周面562との斜面の作用によりノズル保持体回転方向に小角度回転させられ、図22(e)に示すように、位置決めピン564の位置決め突部566と位置決め穴560との嵌合により部品吸着ノズル532が作動位置に正確に位置決めされる。これにより、歯598が、図22(a)において対向していた歯608に隣接する歯608と先端部同士において僅かに対向する状態となる。
【0135】
なお、前述のように、位置決め突部566の上部と下部とは切り欠かれていて平面状を成すため、部品吸着ノズルの1個が精度良く作動位置に位置決めされる。もし、位置決め突部566が円錐状を成していれば、位置決め突部566と位置決め穴560との相対位置が製造誤差により上下方向にずれた場合に、その円錐状の位置決め突部566のテーパ面の上部または下部が位置決め穴560のテーパ内周面562に係合し、位置決めピン564が位置決め穴560に、両者の軸線が一致する位置まで嵌入することを妨げ、ノズル保持体504に位置決め誤差が生ずるのに対し、上下の部分が切り欠かれた位置決め突部566においてはそのような事態は生じず、位置決めピン564は位置決め穴560に、位置決め突部566の水平方向に隔たった2つの部分テーパ面がテーパ内周面562に係合する位置まで嵌合される。ノズル保持体504は、位置決め穴560と位置決めピン564との各軸線が一致する位置まで回転させられるのであり、部品吸着ノズルの1個が精度良く作動位置に位置決めされる。
【0136】
このようにノズル保持体504は1回往復動させられる間に1ピッチ、すなわち90度回転させられる。部品保持ヘッド416が180度回転させられた状態から、図15に矢印Bで示す逆方向へ回転させられれば、係合部材516がカム面622に係合し、ノズル保持体504は再び1往復回動させられて更に1ピッチ回転させられる。ノズル保持体504の回転方向は、被駆動カム590,駆動カム606の各傾斜歯面600,610の傾斜方向により決まり、部品保持ヘッド416が正方向,逆方向いずれの方向に回転させられても、ノズル保持体504は一定の方向に回転させられる。
【0137】
したがって、選択される部品吸着ノズルが、選択前に作動位置に位置決めされていた部品吸着ノズルに対して、ノズル保持体回転方向において上流側に隣接する部品吸着ノズルであれば、部品保持ヘッド416は正方向に180度回転させられた状態から更に正方向に180度回転させられて原位置に復帰させられる。このように部品保持ヘッド416が正方向へ更に180度回転させられるとき、係合部材516の移動経路中にカム面622はなく、部品保持ヘッド416はノズル保持体504を回転させることなく、原位置に戻される。選択される部品吸着ノズルの種類は装着プログラムからわかり、選択のためにノズル保持体504を1ピッチ回転させるのであれば、部品保持ヘッド416は途中で停止することなく360度回転させられて原位置に戻される。
【0138】
また、選択される部品吸着ノズルが、選択前に作動位置に位置決めされていた部品吸着ノズルに対して、ノズル保持体回転方向において上流側へ180度(2ピッチ)離れた部品吸着ノズルであれば、部品保持ヘッド416は、180度回転させられた後、図15に矢印Bで示す逆方向に回転させられる。部品保持ヘッド416を正,逆両方向へ180度回転させることによりノズル保持体504を2ピッチ回転させることができ、部品保持ヘッド416を正方向のみに2回、回転させてノズル保持体504を回転させる場合に比較して迅速に部品吸着ノズル532を作動位置に位置決めすることができる。部品保持ヘッド416は、正,逆両方向への180度の回転により原位置に戻っている。
【0139】
選択される部品吸着ノズルが、選択前に作動位置に位置決めされていた部品吸着ノズルに対して、ノズル保持体回転方向において270度(3ピッチ)離れた部品吸着ノズルであれば、部品保持ヘッド416は正,逆両方向に180度回転させられた後、正方向に360度回転させられて原位置に戻される。
【0140】
部品保持ヘッド416が原位置に復帰させられた状態で、透過型センサ582a〜582cの各受光部の受光の有無に基づいて、部品吸着ノズルの作動位置への位置決めが確認されるとともに、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズルの種類が検出される。
【0141】
このように本実施形態の電子部品装着システムの電子部品搬送装着装置402においては、部品保持ヘッド416が直線移動させられて電子部品432の吸着,装着を行うのであるが、前記従来の特開平2−69998号公報に記載の電子部品装着システムにおけると同様に、移動体上に設けられた複数の部品吸着ノズルを選択して使用するとともに、その選択と、部品吸着ノズルの回転とが移動体により保持された共通のサーボモータを用いて行われることによる効果を得ることができ、電子部品搬送装着装置402とは別に部品吸着ノズル収容器や交換装置を設ける必要がなく、また、作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル532が自身の軸線のまわりに回転させられるようになっており、先に発明の効果において述べた効果を得ることができる。
また、ノズル選択用カム620はY軸スライド426に設けられており、電子部品438のプリント基板410への装着後、電子部品供給装置404へ移動する間にノズル選択を行うことができ、ノズル選択のために電子部品搬送装着装置402を停止させたり、ノズル収容器や交換装置が設けられた位置へ移動させなくてもよく、電子部品の装着能率を低下させることなく、複数の部品吸着ノズルを選択的に使用することができる。
さらに、電子部品438の装着,部品保持ヘッド416の原位置への復帰後、次の電子部品438を吸着するまでの全部の時間をノズル選択に使うことができ、ノズル保持体504を大きく回転させることができ、複数の部品吸着ノズルのうち、任意の部品吸着ノズルを作動位置に位置決めすることができる。
また、部品保持ヘッド416は昇降装置436によって昇降させられることにより、係合部材516がカム面622と係合可能な位置と係合不能な位置とに移動させられるようになっており、昇降装置436が相対位置変更装置を兼ねており、装置を簡易にかつ安価に構成することができる。
さらに、カムフォロワたる係合部材516はノズル保持体504に着脱可能に取り付けられており、カム面622との接触によりボール522が摩耗したならば、係合ピン520の螺合を緩め、係合部材516を交換すればよく、ノズル保持体504全体を交換する場合に比較して交換コストが少なくて済む。
【0142】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、Y軸スライド426が移動体を構成し、X軸スライド420,ボールねじ418,424,X軸移動用サーボモータ422,Y軸移動用サーボモータ428等が移動体移動装置を構成し、支持部材490が回転保持体を構成し、部品保持具たる部品吸着ノズル532a〜532dを保持するノズル保持体504が回転ヘッドを構成し、回転用サーボモータ460が駆動源を構成し、スプライン軸448,歯車456,458,462,スリーブ450等が常時回転伝達装置を構成し、駆動カム606,被駆動カム590,カム付勢手段たる圧縮コイルスプリング570を含む運動変換装置がノズル選択用カム620,カムフォロワたる係合部材516と共に回転変換装置を構成している。また、ボールねじ470,ナット472,昇降用サーボモータ482等により構成される昇降装置436が相対位置変更装置を構成し、位置決め穴560および位置決めピン564が回転ヘッド位置決め装置を構成している。さらに、ノズル保持体504に形成された貫通穴578a〜578dおよび透過型センサ582aが部品吸着ノズルの作動位置への位置決めを検出する部品吸着ノズル位置決め検出装置を構成し、貫通穴580a,580b,透過型センサ582b,582cおよび制御装置630の透過型センサ582b,582cの検出結果に基づいて作動位置に位置決めされた部品吸着ノズルの種類を確定する部分が部品吸着ノズル種類検出装置を構成している。
【0143】
なお、図13〜図22に示す実施形態においてノズル保持体504は、板ばねと平坦な係合面との係合により自由な回転を阻止されていたが、図23に概略的に示すように、ノズル保持体730の軸部732の外周面に形成されたV溝734と、支持部材736に固定の係合部材738との係合により回転を阻止してもよい。V溝734は、軸部732の軸方向に長く、軸部732の外周面に4個、等角度間隔に形成されている。また、係合部材738は板ばねにより形成され、上端部には、上下方向に延びる長穴740が2個形成されるとともに、これら長穴740をそれぞれ通って係合部材738に螺合された2個のボルト742により、係合部材738に上下方向の位置調節可能かつ回転不能に固定されている。係合部材738の下端部には、軸部732側へ突出するスポット状の係合突部744が突設されている。
【0144】
軸部732は係合突部744のV溝734への嵌入により、自由な回転を阻止されており、部品吸着ノズルの選択時にノズル保持体730が軸方向に移動させられて位置決めピンの位置決め突部が位置決め穴から離脱させられるとき、係合突部744がV溝734内を移動し、ノズル保持体730の回転を阻止しつつ軸方向の移動を許容する。ノズル保持体730が駆動カムおよび被駆動カムの係合により回転させられるとき、係合部材738が弾性変形させられて係合突部744がV溝734から抜け出させられ、ノズル保持体730の回転を許容し、ノズル保持体730が所定の角度回転させられた状態では、係合突部744が別のV溝734に嵌入してノズル保持体730の自由な回転を阻止する。
【0145】
図23に示すV溝734および係合部材738は、図13〜図22に示す実施形態の位置決め穴560および位置決めピン564と同様に、ノズル保持体730を複数の部品吸着ノズルのうちの1つが作動位置に位置決めされた回転位置に位置決めする機能を備えており、位置決めピンが位置決め穴から離脱した状態においても、V溝734と係合突部744との係合により、駆動カムおよび被駆動カムの各傾斜歯面の一部が確実に周方向において重なって互いに対向する状態が得られ、それら傾斜歯面の周方向における重なり量を少なくすることができる。また、V溝734および係合突部744は、V溝734の傾斜した溝側面および係合突部744の傾斜した外面の斜面の作用および係合部材738の弾性力により、両者が相対位置が正確に一致していない状態で係合させられても、相対位置を正確に一致させる案内機能を備えており、位置決めピン564および位置決め穴560を省略することも可能である。
【0146】
また、図24に示すように、ノズル保持体750の軸部752に形成したV溝754に係合させる係合突部をボール756により構成すれば、摩耗が少なくて済み、耐久性を向上させることができる。ボール756は、ノズル保持体750を回転可能に支持する図示しない支持部材に固定のブラケット758内に抜出し不能かつ回転可能に嵌合されるとともに、スプリング760により付勢され、外周面の一部がブラケット758から突出させられてV溝754に嵌合されている。ノズル保持体750の回転時にはボール756がスプリング760の付勢力に抗してブラケット758内に引っ込み、ノズル保持体750の回転を許容する。ボール756およびV溝754は、ノズル保持体750を所定の回転位置に位置決めする位置決め機能を有するとともに、両者の相対位置を正確に一致させる案内機能を有する。
【0147】
図25に、第3,第6および第10発明に共通の実施形態である電子部品搬送装置を概略的に示す。
図において670は支持部材であり、支持部材670は図示しない駆動源たるサーボモータにより自身の軸線のまわりに正,逆両方向に回転させられる。サーボモータは電動モータの一種であって、回転角度制御可能なモータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。支持部材670はヘッド支持部672において、一方向回転伝達装置の一種である第一一方向クラッチ674を介して回転ヘッド676を支持部材670の軸線のまわりに回転可能に支持している。回転ヘッド676には、被支持部678が一体的に設けられ、被支持部678においてヘッド支持部672により回転可能に支持されている。第一一方向クラッチ674は、支持部材670の正方向の回転を回転ヘッド676に伝達するが、逆方向の回転は伝達しない。
【0148】
回転ヘッド676は、その回転軸線を中心とする一円周上に例えば4個の部品保持具682を等角度間隔に、かつ、回転ヘッド676の回転軸線と平行な軸線のまわりに回転可能に支持している。回転ヘッド676は、回転ヘッド676の回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に設けられた4個の位置決め穴684のうちの1個と、回転ヘッド676とは別に設けられた位置決めピン686との係合により、4個の部品保持具682のうちの1個が作動位置に位置する回転位置に位置決めされる。位置決めピン686は図示しないスプリングにより、位置決め穴684に係合する向きに付勢されている。
【0149】
支持部材670は、回転軸支持部690において、一方向回転伝達装置の一種である第二一方向クラッチ692を介して回転軸694を支持部材670と同心の軸線のまわりに回転可能に支持している。第二一方向クラッチ692は、支持部材670の正方向の回転は回転軸694に伝達せず、逆方向の回転を伝達する。回転軸694には歯車696が固定されるとともに、4個の部品保持具682の各々に固定の歯車698と噛み合わされている。700は摩擦式回転伝達装置であり、回転軸694に設定値以上の回転力が加えられたときにのみ、回転軸694の回転を許容するものとされている。
【0150】
なお、4個の部品保持具682のうち、作動位置に位置決めされた部品保持具682は、他の部品保持具682より下方へ突出させられ、その状態で支持部材670が昇降させられ、回転ヘッド676が昇降させられることにより、電子部品を吸着,装着する。そのため、実際には部品保持具682を突出させ、元の位置へ復帰させるための装置が設けられているが、図25は部品保持具682の回転,選択を説明するための図であり、ここでは図示を省略されている。なお、回転ヘッド676の昇降時には位置決めピン686も共に昇降し、回転ヘッド676を4個の部品保持具682のうちの1個が作動位置に位置決めされた回転位置に保つ。
【0151】
部品保持具682の回転時にはサーボモータが逆方向に回転させられ、回転軸694が逆方向に回転させられる。この回転は第二一方向クラッチ692により回転軸694に伝達され、回転軸694に設定値以上の回転力が加えられて、回転軸694が回転させられるとともに、歯車696,698を介して部品保持具682に回転が伝達され、部品保持具682が自身の軸線のまわりに回転させられる。ヘッド支持部672は回転軸支持部690と一体的に設けられており、支持部材670の逆方向の回転の回転ヘッド676への伝達は第一一方向クラッチ674により阻止されるが、回転軸694の逆方向の回転が摩擦式回転伝達装置700によって回転ヘッド676に伝達される。しかし、この回転力は、回転ヘッド676を、位置決め穴684から位置決めピン686を図示しないスプリングの付勢力に抗して離脱させつつ逆方向に回転させるほど大きくはなく、回転ヘッド676は回転させられず、部品保持具682の選択が行われることはない。
【0152】
部品保持具682の選択時にはサーボモータが正方向に回転させられ、支持部材670が正方向に回転させられる。この回転は第一一方向クラッチ674により回転ヘッド676に伝達され、回転ヘッド676は位置決めピン686を図示しないスプリングの付勢力に抗して位置決め穴684から押し出しつつ、支持部材670の軸線のまわりに回転させられ、4個の部品保持具682が選択的に作動位置に移動させられる。回転軸支持部690はヘッド支持部672と一体的に設けられており、第二一方向クラッチ692により支持部材670の正方向の回転の回転軸694への伝達は阻止されるが、摩擦式回転伝達装置700によって回転ヘッド676の回転が回転軸694に伝達され、両者が一体的に回転するため、部品保持具682が回転ヘッド676に対して回転させられることはない。
【0153】
なお、図13〜図22に示す実施形態において、ノズル保持体504の軸部508に、係合部材516に代えてボールを回転可能に設けてもよい。
あるいは係合部材516を省略し、支持部材490に揺動レバーを部品保持ヘッドの回転軸線と平行な軸線のまわりに回動可能に設け、揺動レバーをカムのカム面に接触させて回動させ、それによりノズル保持体を軸方向に移動させてもよい。回動により、揺動レバーのノズル保持体に接触させられる端部と、揺動軸線とのノズル保持体の軸線方向の距離が変わることにより、ノズル保持体を軸方向に移動させることができるのである。揺動レバーのカム面やノズル保持体との接触部には、ボールやローラを設けて摩擦抵抗を減少させることが望ましい。
【0154】
また、図13〜図22に示す実施形態において、ノズル保持体504に位置決めピンを設け、支持部材490に位置決め穴を設けてもよい。
【0155】
さらに、図13〜図22に示す実施形態においては、回転ヘッドたるノズル保持体504が支持軸502に対して軸方向に移動させられるようになっていたが、支持軸をノズル保持体に対して軸方向に移動させ、ノズル保持体を回転はするが、軸方向には移動しないようにしてもよい。この場合、上記係合部材516,ボール等のカムフォロワは支持軸に設け、支持部材490に設けた揺動レバーは支持軸に係合させる。また、ノズル保持体を所定の部品吸着ノズルが作動位置に位置決めされた回転位置に保つ位置決め装置は、例えば、ノズル保持体と支持部材との一方に設けられた複数の位置決め穴と、他方に設けられた位置決め具とによって構成する。位置決め具は、例えば、図24の実施形態において説明した位置決め装置と同様に、位置決め穴に係合,離脱可能なボールと、そのボールを位置決め穴に嵌入する向きに付勢するスプリングとを含むものとすればよい。
【0156】
さらに、図13〜図22に示す実施形態においては、電子部品の吸着および装着と、部品吸着ノズルの選択とが部品保持ヘッドの回転軸線方向、すなわち昇降方向において異なる位置において行われるようになっていたが、部品保持ヘッドが電子部品の吸着,装着時の下降開始位置に位置する状態でカムフォロワが係合可能な位置にカムを設け、部品吸着ノズルの選択が行われるようにしてもよい。電子部品の回転位置変更のための角度や回転位置誤差の修正角度が小さければ、カムフォロワがカムに係合しない範囲で部品保持ヘッドを回転させ、上記回転位置の変更,回転位置誤差の修正を行うことができるからである。
【0157】
また、図13〜図22に示す実施形態において、透過型センサ582a〜582cは、部品保持ヘッド416がノズル選択位置へ上昇させられた状態で、作動位置への部品吸着ノズルの位置決めの確認および作動位置に位置決めされた部品吸着ノズルの種類の検出が行われる高さに設けられていたが、部品保持ヘッド416が下降開始位置に位置する状態で上記確認,検出が行われる高さに設けてもよい。
【0158】
さらに、図1〜図9と、図10および図11と、図12とにそれぞれ示す実施形態の電子部品搬送装着装置において、図13〜図22に示す実施形態の電子部品搬送装着装置と同様に部品吸着ノズルの選択が行われるようにしてもよい。
例えば、前記回動板70に前記部品保持ヘッド416,昇降装置436,回転装置440およびノズル選択用カム620を設ければ、回動板70の回動中の任意の時期に部品吸着ノズルの回転,選択を行うことができる。また、部品吸着位置,部品装着位置において昇降装置436によって部品吸着ノズルを昇降させればよく、部品吸着位置,部品装着位置の部品保持ヘッド昇降装置を省略することができる。
あるいはノズル選択位置を設定し、ノズル選択用カムをノズル選択位置に位置を固定して設け、回動板70をノズル選択位置に停止させて部品吸着ノズルの選択が行われるようにしてもよい。鼓形カム90a〜90dのカム溝92a〜92dを回動板70がノズル選択位置において停止するように形成するとともに、固定カム130を回動板70がノズル選択位置の前後において、係合部材516の高さがノズル選択用カムと一致する高さで水平に移動するように形成する。ノズル選択位置において回動板70が停止している間に部品保持ヘッド416を回転させ、部品吸着ノズルを選択する。
【0159】
また、図13〜図22に示す実施形態の電子部品搬送装着装置において、図1〜図9と、図10および図11と、図12とにそれぞれ示す実施形態の電子部品搬送装着装置と同様に、部品吸着ノズルの選択が行われるようにしてもよい。この場合、モータ保持台210に設けられた係合ローラ218に係合してモータ保持台210を下降させるノズル選択用カム248は、X軸スライド420に設けてもよく、あるいはX軸スライド420,Y軸スライド426とは別に、ベース400に位置を固定して設けてもよい。
【0160】
図13〜図22に示す実施形態の電子部品搬送装着装置においてノズル選択用カム620をY軸スライド426に設け、部品保持ヘッド416と共に移動させることは不可欠ではなく、X軸スライド420あるいはベース400に設けてもよい。ノズル選択用カム620が設けられた位置において部品保持ヘッド416を停止させ、部品吸着ノズルの選択を行うこととなるが、ノズル選択時に部品保持ヘッド416を昇降させなくてもよい。部品保持ヘッド416のノズル選択用カムに対する移動により、両者の相対位置が、係合部材516がノズル選択用カム620に係合可能な位置と係合不能な位置とに変更されるからである。
【0161】
さらに、本発明は、複数の部品保持ヘッドを等角度間隔に保持する回転テーブルが一軸線のまわりに間欠回転させられ、複数の部品保持ヘッドが、それら部品保持ヘッドと同数の停止位置に順次停止させられて電子部品の吸着,撮像,装着等が行われる電子部品搬送装着装置や、部品保持ヘッドがX軸方向とY軸方向との一方のみに移動させられて電子部品の搬送,装着が行われる電子部品搬送装着装置等、種々の態様の電子部品搬送装置に適用することができる。
【0162】
また、図1〜図9に示す実施形態において部品吸着ノズルへのバキュームの供給,遮断の切換えは電磁方向切換弁を有する切換装置によって電気的に行われるようにされていたが、機械的に行われるようにしてもよい。例えば、複数の回動体の各々に、切換部材の移動により切換えが行われる圧力切換弁であって、切換部材の負圧供給位置への移動により、部品吸着ノズル内の圧力を大気圧以上の圧力から負圧に切り換え、部品吸着ノズルに電子部品を吸着させる負圧供給状態と、切換部材の負圧解除位置への移動により、部品吸着ノズル内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に切り換え、部品吸着ノズルに電子部品を解放させる負圧解除状態とに切り換えられる圧力切換弁を設ける。部品吸着位置に対応する位置に、部品保持ヘッド昇降装置による部品保持ヘッドの下降と機械的に同期して切換部材を負圧供給位置へ移動させる切換部材駆動装置を設け、部品装着位置に対応する位置に、部品保持ヘッド昇降装置による部品保持ヘッドの下降と機械的に同期して切換部材を負圧解除位置へ移動させる切換部材駆動装置を設ける。切換部材は、切換部材駆動装置によって負圧解除位置あるいは負圧供給位置へ移動させられれば、その位置に保たれるように構成される。
図1〜図9,図10および図11,図12にそれぞれ示す実施形態の電子部品搬送装着装置や、一軸線まわりに間欠回転する間欠回転体たる回転テーブルに部品保持ヘッドが保持された電子部品搬送装着装置において、図13〜図22に示す実施形態の電子部品搬送装着装置と同様に部品吸着ノズルの選択および回転が行われるようにする場合にも、部品吸着ノズルへの負圧の供給の切換えを機械的に行うようにしてもよい。
切換部材駆動装置は、停止位置に設けられて切換部材に作用する部材と、回転テーブルや回動体に設けられ、停止位置に設けられた作用部材の作用を補助する部材とを含むものとしてもよい。
【0163】
部品吸着ノズルへのバキュームの供給,解除の切換えが機械的に行われる場合にも、電子部品の吸着エラーが生じたときには、部品保持ヘッド昇降装置の昇降部材の昇降ストロークが最も短くされる。それにより電子部品や吸着管がプリント基板に接触することがない上、部品装着位置に対応する位置に設けられた切換部材駆動装置が切換部材を負圧解除位置へ移動させず、電子部品がプリント基板に装着されることがない。そして、部品排出領域に対応する位置に切換部材駆動装置を設け、部品排出領域へ移動して来た圧力切換弁の切換部材を負圧解除位置へ移動させ、電子部品を解放させる。電子部品を吸着し損なった部品保持ヘッドについても圧力切換弁を切り換えてバキュームの供給を遮断する。
電子部品の吸着,装着時における部品保持ヘッドの昇降が、図13〜図22に示す実施形態におけるようにカムおよびカムフォロワを含むまない装置により行われる場合、駆動源たるモータを制御し、吸着エラーが生じた場合には部品保持ヘッドが昇降しないようにすることにより、電子部品や吸着管をプリント基板に接触させずに済むとともに、圧力切換弁が切り換えられて電子部品が解放されることがない。
【0164】
さらに、図1ないし図9に示す実施形態についての先の説明では、回動板が部品吸着位置および部品装着位置に到達して停止する前に部品保持ヘッドが下降を開始させられ、電子部品の吸着,装着後、部品保持ヘッドが上昇端位置に到達する前に回動板が回動を開始させられるものとし、部品保持ヘッドの回動と昇降とが並行して行われることにより、部品保持ヘッドの停止位置への1到達時間ピッチを短くすることができ、作業能率を向上させることができるものとしたが、部品保持ヘッドの回動と昇降とを並行して行わせることは不可欠ではなく、回動板が部品吸着位置および部品装着位置に到達して停止した後に部品保持ヘッドを下降させ、部品保持ヘッドが上昇端位置へ到達した後に回動板を回動させてもよい。
部品保持ヘッドが間欠回転する回転テーブルや直線移動する移動体に保持される場合にも、部品保持ヘッドの移動と昇降とを並行して行ってもよく、停止状態で昇降させてもよい。
【0165】
また、図1〜図9に示す実施形態において、回動板70を支持する支持軸は固定軸66とされていたが、一軸線まわりに回転する回転軸としてもよい。このようにすれば、回転軸内のバキューム供給通路を、配管およびロータリバルブによりバキューム源に接続するとともに、ホース等、可撓性を有する接続部材によって切換装置の各々と接続することができる。回転軸は鼓形カムを回転させるための駆動用サーボモータを駆動源として回転させれば駆動源の数が少なくて済む。
また、図1〜図9に示す実施形態において、固定軸66に設けられ、固定軸66内の通路と切換装置178とを接続するロータリバルブは、専用のサーボモータを駆動源として回転させられるようになっていたが、複数の回動板のうちの1つと係合させ、その回動板と共に回動するようにしてもよい。
図1〜図9等に示す実施形態において、図13〜図22に示す実施形態の電子部品搬送装着装置と同様に部品吸着ノズルの選択を行う場合も同様である。
なお、部品吸着ノズルが回転テーブルに保持される場合、回転テーブルの回転軸と、回転軸を回転可能に支持する支持部材との間にロータリバルブを設けることにより、回転テーブルが回転しても、切換装置をバキューム源に接続された状態に保つことができる。
【0166】
さらに、図1ないし図9に示す実施形態において部品吸着ノズルに供給するバキュームの供給,遮断の切換えを行う切換装置は部品保持ヘッドと共に回動するように設けられていたが、装置本体等、位置を固定して設けられた部材に設けてもよい。部品保持ヘッドと同数の切換装置を設けるとともに、各切換装置と複数の部品保持ヘッドの各々とを別々の通路,ロータリバルブおよび可撓性接続部材たるホース等を用いて接続する。
間欠回転する回転テーブルに部品保持ヘッドが保持された電子部品搬送装着装置、その電子部品搬送装着装置や、図1〜図9等に示す実施形態の電子部品搬送装着装置において、図13〜図22に示す実施形態の電子部品搬送装着装置と同様に部品吸着ノズルの選択が行われるようにする場合も同様である。
【0167】
また、電子部品の回転位置誤差の修正および回転位置の変更はまとめて行ってもよい。電子部品が撮像された後、装着対象材の部品装着箇所上へ到達するまでの間に、回転位置誤差を修正するとともに、回転位置を変更すべく、作動位置にある部品保持具を保持具軸線のまわりに回転させ、電子部品を回転させるのである。
【0168】
さらに、本発明は、電子部品搬送装置が電子部品を搬送し、プリント基板等の装着対象材に装着する電子部品装着システムに限らず、電子部品を受け取って搬送し、別の装置に引き渡す搬送を行うだけの電子部品搬送装置に適用することができる。
【0169】
さらにまた、本発明は、上記各実施形態の構成要素の組合わせを変えた態様で実施することができる。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である電子部品搬送装着装置を備えた電子部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図2】 上記電子部品搬送装着装置を示す正面断面図である。
【図3】 上記電子部品搬送装着装置を示す平面図である。
【図4】 上記電子部品搬送装着装置の回動板が固定軸により支持された状態を示す正面断面図である。
【図5】 上記電子部品搬送装着装置に設けられた作業位置を示す図である。
【図6】 上記電子部品搬送装着装置の部品保持ヘッドを示す正面断面図である。
【図7】 上記部品保持ヘッドにおいて部品吸着ノズルの回転が可能とされた状態を示す正面断面図である。
【図8】 上記電子部品搬送装着装置を構成する部品保持ヘッド昇降装置および固定カムを下側から見た状態を示す図である。
【図9】 上記電子部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図である。
【図10】 本発明の別の実施形態である電子部品搬送装着装置を構成する駆動側係合部材および被駆動側係合部材を示す正面断面図である。
【図11】 図10に示す駆動側係合部材および被駆動側係合部材を展開して示す図である。
【図12】 本発明のさらに別の実施形態である電子部品搬送装着装置を構成する部品保持ヘッドのノズル保持体を位置決め装置と共に示す正面断面図である。
【図13】 本発明のさらに別の実施形態である電子部品搬送装着装置を備えた電子部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図14】 図13に示す電子部品搬送装着装置の部品保持ヘッドを示す正面図(一部断面)である。
【図15】 上記部品保持ヘッドのノズル保持体および支持部材を板カムと共に示す平面図である。
【図16】 図15に示すノズル保持体および支持部材を板カムと共に示す正面図(一部断面)である。
【図17】 図15に示すノズル保持体および支持部材を示す側面図である。
【図18】 図15に示すノズル保持体の軸部に係合部材が係合した状態を示す側面図(一部断面)である。
【図19】 図15に示すノズル保持体を図17に示す側とは反対側から示す側面図である。
【図20】 図15に示すノズル保持体に固定の被駆動カムを示す正面図である。
【図21】 図13に示す電子部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図である。
【図22】 上記部品保持ヘッドにおける部品吸着ノズル選択時の駆動カムおよび被駆動カムの係脱ならびに位置決めピンおよび位置決め穴の係脱を説明する図である。
【図23】 本発明のさらに別の実施形態である電子部品搬送装着装置を構成する部品保持ヘッドのノズル保持体の自由な回転を防止する装置を概略的に示す図である。
【図24】 本発明のさらに別の実施形態である電子部品搬送装着装置を構成する部品保持ヘッドのノズル保持体の自由な回転を防止する装置を概略的に示す図である。
【図25】 補正後の特許請求の範囲には属しなくなった発明の一実施形態である電子部品搬送装着装置を概略的に示す図である。
【符号の説明】
12 電子部品搬送装着装置 70 回動板
88 鼓形カム用ローラ
90a〜90d 鼓形カム
108 駆動用サーボモータ
120 部品保持ヘッド 138 鞘軸
144 中軸 152 支持軸
154 ノズル保持体
158 部品吸着ノズル 164 電子部品
192 ノズル回転・選択用サーボモータ
194 出力軸 196 連結部材
198 ピン
202 駆動側係合部材 208 係合ピン
210 モータ保持台 218 係合ローラ
224 圧縮コイルスプリング
232 被駆動側係合部材
248 ノズル選択用カム 330 制御装置
370 駆動側係合部材
372 被駆動側係合部材 380 位置決め穴
382 位置決めピン
384 ノズル保持体
402 電子部品搬送装着装置
416 部品保持ヘッド 418 ボールねじ
420 X軸スライド
422 X軸移動用サーボモータ 424 ボールねじ
426 Y軸スライド
428 Y軸移動用サーボモータ
460 回転用サーボモータ 470 ボールねじ
472 ナット
482 昇降用サーボモータ 490 支持部材
504 ノズル保持体
532a〜532d 部品吸着ノズル
560 位置決め穴
564 位置決めピン 630 制御装置
730 ノズル保持体 736 支持部材
750 ノズル保持体
Claims (8)
- 移動体と、
その移動体を移動させる移動体移動装置と、
前記移動体により回転保持体軸線のまわりに回転可能に保持された回転保持体と、
その回転保持体に回転ヘッド軸線のまわりに回転可能に保持された回転ヘッドと、
その回転ヘッドにより、前記回転ヘッド軸線を中心とする一円周上において、かつ、回転ヘッド軸線と交差する複数の保持具軸線に沿ってそれぞれ延びる状態で保持され、前記回転ヘッドの回転により1つずつが選択的に、電子部品を吸着する、前記回転保持体軸線と同心の作動位置に位置決めされる複数の部品保持具と、
前記移動体に保持された駆動源と、
その駆動源の運動を前記回転ヘッドに伝達してその回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させ、前記複数の部品保持具のうちの一つを前記作動位置に位置決めする保持具選択状態と、前記駆動源に前記回転保持体を回転させることによりその回転保持体に保持された回転ヘッドを回転させ、前記作動位置にある部品保持具を前記保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転状態とで選択的に作動可能な選択的運動伝達装置と
を含むことを特徴とする電子部品搬送装置。 - 前記駆動源が回転出力軸を有する回転モータであり、前記選択的運動伝達装置が、保持具選択用入力部材を有してその保持具選択用入力部材の回転につれて前記回転ヘッドを前記回転ヘッド軸線のまわりに回転させる保持具選択用回転伝達装置と、保持具回転用入力部材を有してその保持具回転用入力部材の回転につれて前記複数の部品保持具のうち少なくとも前記作動位置にある部品保持具をその部品保持具の保持具軸線のまわりに回転させる保持具回転用回転伝達装置と、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との両方に伝達する両方伝達状態と、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材とのいずれか一方にのみ伝達する一方伝達状態とで選択的に作動する伝達制御装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品搬送装置。
- 前記選択的運動伝達装置が、前記駆動源の運動を伝達する状態と伝達しない状態とに切換えが可能な断接装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品搬送装置。
- 前記選択的運動伝達装置が、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との一方に常時伝達する常時伝達装置と、前記回転出力軸の回転を前記保持具回転用入力部材と前記保持具選択用入力部材との他方に伝達する状態と伝達しない状態とに切換えが可能な断接装置とを含むものである請求項2に記載の電子部品搬送装置。
- 前記駆動源が回転出力軸を有する回転モータであり、前記選択的運動伝達装置が、その回転モータの回転を常時前記回転保持体に伝達する常時回転伝達装置と、前記回転保持体と前記回転ヘッドとの間に設けられて回転保持体の回転の少なくとも一部を回転ヘッドの回転保持体に対する相対回転に変換する回転保持体回転変換装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品搬送装置。
- 前記回転保持体回転変換装置が、
カムと、
前記回転保持体に相対移動可能に保持され、その回転保持体の回転に伴って前記カムに係合するカムフォロワと、
そのカムフォロワの前記回転保持体に対する相対移動を前記回転ヘッドの回転保持体に対する相対回転に変換する運動変換装置と
を含むことを特徴とする請求項5に記載の電子部品搬送装置。 - 前記選択的運動伝達装置が、前記回転保持体と前記カムとの相対位置を、前記回転保持体の回転に伴って前記カムフォロワが前記カムに係合可能な係合可能位置と係合不能な係合不能位置とに変更する相対位置変更装置を含むことを特徴とする請求項6に記載の電子部品搬送装置。
- 前記回転ヘッドを前記複数の部品保持具のうちの1つが前記作動位置に位置する回転位置に位置決めする回転ヘッド位置決め装置を含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子部品搬送装置。
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