JPH0923750A - 簡易水耕栽培器 - Google Patents
簡易水耕栽培器Info
- Publication number
- JPH0923750A JPH0923750A JP17864795A JP17864795A JPH0923750A JP H0923750 A JPH0923750 A JP H0923750A JP 17864795 A JP17864795 A JP 17864795A JP 17864795 A JP17864795 A JP 17864795A JP H0923750 A JPH0923750 A JP H0923750A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- space
- outer casing
- partition wall
- cultivation
- simple hydroponic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 家庭において野菜や花卉、灌木などの植物を
栽培液の循環を行わなくても根腐れなく効率的に水耕栽
培することができる簡易水耕栽培器を提供すること。 【構成】 容器状の外側ケーシング1の内部を多数の縦
溝孔12が配設されている隔壁11によって内側空間2
1と外側空間22に区画してあるもの。
栽培液の循環を行わなくても根腐れなく効率的に水耕栽
培することができる簡易水耕栽培器を提供すること。 【構成】 容器状の外側ケーシング1の内部を多数の縦
溝孔12が配設されている隔壁11によって内側空間2
1と外側空間22に区画してあるもの。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として家庭におい
て野菜や花卉、灌木などの植物を水耕栽培するのに適し
た簡易水耕栽培器に関するものである。
て野菜や花卉、灌木などの植物を水耕栽培するのに適し
た簡易水耕栽培器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耕作空間のない家庭における野菜や花
卉、灌木などの植物の栽培には、通気性のある素焼きの
陶器製植木鉢が古くから用いられてきたが、素焼きの陶
器製植木鉢は強度上問題があるうえに大きさが限定され
るので、最近ではプラスチックス製の植木鉢やプランタ
類が広く使用されている。ところが、プラスチックス製
の植木鉢やプランタ類は通気性がないために根腐れが起
きやすく満足な生育を得難いという問題点がある。そこ
で、プラスチックス製の植木鉢やプランタ類に通気孔を
明けて根腐れを防ぐようにしたものが特開平6ー161
29号公報などによりすでに提案されているが、水やり
時に通気孔から水が流失するので周囲を汚すうえに、水
とともに肥料分が流失する無駄があり、さらに、栽培中
に通気孔に毛根がからみついて通気性を劣化させるなど
種々の問題をもつものであった。そこで、家庭用の水耕
栽培器も一部提案されているが、水耕栽培は根腐れを防
ぐためにポンプによって栽培液を循環させる必要がある
ため、装置が大掛かりとなるという問題がある。
卉、灌木などの植物の栽培には、通気性のある素焼きの
陶器製植木鉢が古くから用いられてきたが、素焼きの陶
器製植木鉢は強度上問題があるうえに大きさが限定され
るので、最近ではプラスチックス製の植木鉢やプランタ
類が広く使用されている。ところが、プラスチックス製
の植木鉢やプランタ類は通気性がないために根腐れが起
きやすく満足な生育を得難いという問題点がある。そこ
で、プラスチックス製の植木鉢やプランタ類に通気孔を
明けて根腐れを防ぐようにしたものが特開平6ー161
29号公報などによりすでに提案されているが、水やり
時に通気孔から水が流失するので周囲を汚すうえに、水
とともに肥料分が流失する無駄があり、さらに、栽培中
に通気孔に毛根がからみついて通気性を劣化させるなど
種々の問題をもつものであった。そこで、家庭用の水耕
栽培器も一部提案されているが、水耕栽培は根腐れを防
ぐためにポンプによって栽培液を循環させる必要がある
ため、装置が大掛かりとなるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは前記のような問題をなくし、家庭において
野菜や花卉、灌木などの植物を栽培液の循環を行わなく
ても根腐れなく効率的に水耕栽培することができる簡易
水耕栽培器を提供することにある。
するところは前記のような問題をなくし、家庭において
野菜や花卉、灌木などの植物を栽培液の循環を行わなく
ても根腐れなく効率的に水耕栽培することができる簡易
水耕栽培器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の簡易水耕栽培器は、容器状の外側
ケーシングの内部を多数の縦溝孔が配設された隔壁によ
って内側空間と外側空間に区画してあることを特徴とす
るものである。
めになされた本発明の簡易水耕栽培器は、容器状の外側
ケーシングの内部を多数の縦溝孔が配設された隔壁によ
って内側空間と外側空間に区画してあることを特徴とす
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における隔壁は、外側ケー
シングとともに一体成形されたものとする外、外側ケー
シングに対して装脱自在なものとすることもでき、ま
た、隔壁を多数の縦溝孔を有する板状のものとせずに、
外側ケーシングの内部に収納される内側容体の胴壁をも
って隔壁としてこの内側容体の内部を内側空間とし内側
容体と外側ケーシングとの間を外側空間とすることもで
きる。次に、外側ケーシングには常時内側器体の胴壁に
配設した多数の縦溝孔のうち上部にあるものが水に埋め
られることなく通気孔として作用するように、隔壁の上
縁より低いオーバフロ口があることが好ましい。また、
隔壁によって区画される内側空間と外側空間のいずれを
植物栽培空間とするかは使用者が目的に応じて定めれば
よい。
シングとともに一体成形されたものとする外、外側ケー
シングに対して装脱自在なものとすることもでき、ま
た、隔壁を多数の縦溝孔を有する板状のものとせずに、
外側ケーシングの内部に収納される内側容体の胴壁をも
って隔壁としてこの内側容体の内部を内側空間とし内側
容体と外側ケーシングとの間を外側空間とすることもで
きる。次に、外側ケーシングには常時内側器体の胴壁に
配設した多数の縦溝孔のうち上部にあるものが水に埋め
られることなく通気孔として作用するように、隔壁の上
縁より低いオーバフロ口があることが好ましい。また、
隔壁によって区画される内側空間と外側空間のいずれを
植物栽培空間とするかは使用者が目的に応じて定めれば
よい。
【0006】上記した本発明の実施の形態を図面を参考
にしながら更に詳細に説明する。まず、外側ケーシング
1としては、通常は安価で耐久性に優れた硬質塩化ビニ
ル樹脂、発泡スチロール樹脂その他のプラスチックスよ
りなる角形容器、丸形容器などを用いる。また、この外
側ケーシング1の内部を内側空間21と外側空間22に
区画する隔壁11も、同じ理由で硬質塩化ビニル樹脂な
どのプラスチックスよりなるものを普通とするが、図1
に示すように外側ケーシング1の内部に該外側ケーシン
グ1よりやや小型の角形容器、丸形容器などの容器状を
した内側器体11aや筒状枠体を配置してその胴壁を隔
壁として利用するか、図2に示すように孔明き板状のも
のを用いるかは任意であり、また、外側ケーシング1に
対して隔壁11は一体成形されたものであってもよい
が、外側ケーシング1に対して所要の位置でセットされ
るように装脱自在としておけば、植付作業、根洗作業な
ど種々の作業を容易化できる。
にしながら更に詳細に説明する。まず、外側ケーシング
1としては、通常は安価で耐久性に優れた硬質塩化ビニ
ル樹脂、発泡スチロール樹脂その他のプラスチックスよ
りなる角形容器、丸形容器などを用いる。また、この外
側ケーシング1の内部を内側空間21と外側空間22に
区画する隔壁11も、同じ理由で硬質塩化ビニル樹脂な
どのプラスチックスよりなるものを普通とするが、図1
に示すように外側ケーシング1の内部に該外側ケーシン
グ1よりやや小型の角形容器、丸形容器などの容器状を
した内側器体11aや筒状枠体を配置してその胴壁を隔
壁として利用するか、図2に示すように孔明き板状のも
のを用いるかは任意であり、また、外側ケーシング1に
対して隔壁11は一体成形されたものであってもよい
が、外側ケーシング1に対して所要の位置でセットされ
るように装脱自在としておけば、植付作業、根洗作業な
ど種々の作業を容易化できる。
【0007】なお、外側ケーシング1の内部に前記した
ように容器状をした内側器体11aや筒状枠体を配置し
ててその胴壁を隔壁11とする場合において、内側器体
11aや筒状枠体が取り外せないように配置されるとき
はこの隔壁11と外側ケーシング1の内壁面との間の外
部空間22はこれに縦溝孔12の清掃具を挿入できる程
度例えば15mm以上の充分な幅をあけて配置されること
が好ましい。また、外側ケーシング11の内部の水位が
一定以上に上がらないようにするため、オーバフロ口1
3として、外側ケーシング1そのものの上縁を隔壁11
の上縁より低くしておくか、外側ケーシング1の上縁よ
り低い位置に配管できる開口を形成しておくことが好ま
しい。なお、植物栽培空間を内側空間21とするか外側
空間22とするかは植物の種類や目的に応じて任意に決
定すればよいが、小型の外側ケーシング1の内部ででき
るだけ多くの生産量を確保できるようにいずれの場合で
も植物栽培空間となる方を広くし空気取入口となる方を
狭くしておく。
ように容器状をした内側器体11aや筒状枠体を配置し
ててその胴壁を隔壁11とする場合において、内側器体
11aや筒状枠体が取り外せないように配置されるとき
はこの隔壁11と外側ケーシング1の内壁面との間の外
部空間22はこれに縦溝孔12の清掃具を挿入できる程
度例えば15mm以上の充分な幅をあけて配置されること
が好ましい。また、外側ケーシング11の内部の水位が
一定以上に上がらないようにするため、オーバフロ口1
3として、外側ケーシング1そのものの上縁を隔壁11
の上縁より低くしておくか、外側ケーシング1の上縁よ
り低い位置に配管できる開口を形成しておくことが好ま
しい。なお、植物栽培空間を内側空間21とするか外側
空間22とするかは植物の種類や目的に応じて任意に決
定すればよいが、小型の外側ケーシング1の内部ででき
るだけ多くの生産量を確保できるようにいずれの場合で
も植物栽培空間となる方を広くし空気取入口となる方を
狭くしておく。
【0008】このように構成されたものは、外側ケーシ
ング1の内部に区画形成されている内側空間21と外側
空間22のいずれか一方の広い方を植物栽培空間として
これに培土、水苔、軽石類、ロックウール類などを収容
して培地31とし、これに種蒔きを行うか苗を植えつ
け、他方、植物栽培空間として利用しないまま残された
内側空間21と外側空間22のいずれかの上部開口を通
じて肥料を配合した栽培液の所要量を外側ケーシング1
の内部に供給すれば、隔壁11には多数の縦溝孔12が
配設されているため、この縦溝孔12を通じて内側空間
21と外側空間22が連通されて植物栽培空間に充填さ
れている培地31は常に栽培液に浸され、このため、培
地31にある植物の根には栽培液により必要且つ充分な
水分と肥料分が供給されるうえに、隔壁11に配設され
ている多数の縦溝孔12のうち栽培液の水位より上側部
分が内側空間21と外側空間22とを連通させる通気孔
として作用し、植物栽培空間として利用しないまま残さ
れた空気供給空間の上部開口を介して培地31が大気に
通じて培地31中の根に空気が供給されるので、必要な
空気の供給が保持されて根腐れのおそれが全くない。し
かも、隔壁11に配設されている孔は単なる円孔ではな
く縦溝孔12としてあるため、隔壁11に沿ってブラッ
シングするだけで毛根で孔詰まりがないように常に縦溝
孔12が通気される状態を保つことができる利点があ
る。さらに、植物栽培空間が大気に連通されているにも
かかわらず栽培液は外側ケーシング1の内部にあるた
め、水やり時に通気孔から水が流失して周囲を汚したり
水とともに肥料分が外部に流失する無駄が全くない。
ング1の内部に区画形成されている内側空間21と外側
空間22のいずれか一方の広い方を植物栽培空間として
これに培土、水苔、軽石類、ロックウール類などを収容
して培地31とし、これに種蒔きを行うか苗を植えつ
け、他方、植物栽培空間として利用しないまま残された
内側空間21と外側空間22のいずれかの上部開口を通
じて肥料を配合した栽培液の所要量を外側ケーシング1
の内部に供給すれば、隔壁11には多数の縦溝孔12が
配設されているため、この縦溝孔12を通じて内側空間
21と外側空間22が連通されて植物栽培空間に充填さ
れている培地31は常に栽培液に浸され、このため、培
地31にある植物の根には栽培液により必要且つ充分な
水分と肥料分が供給されるうえに、隔壁11に配設され
ている多数の縦溝孔12のうち栽培液の水位より上側部
分が内側空間21と外側空間22とを連通させる通気孔
として作用し、植物栽培空間として利用しないまま残さ
れた空気供給空間の上部開口を介して培地31が大気に
通じて培地31中の根に空気が供給されるので、必要な
空気の供給が保持されて根腐れのおそれが全くない。し
かも、隔壁11に配設されている孔は単なる円孔ではな
く縦溝孔12としてあるため、隔壁11に沿ってブラッ
シングするだけで毛根で孔詰まりがないように常に縦溝
孔12が通気される状態を保つことができる利点があ
る。さらに、植物栽培空間が大気に連通されているにも
かかわらず栽培液は外側ケーシング1の内部にあるた
め、水やり時に通気孔から水が流失して周囲を汚したり
水とともに肥料分が外部に流失する無駄が全くない。
【0009】
(実施例1)内径26cm、深さ10cmの硬質塩化ビニル
樹脂よりなる円形槽を外側ケーシングとし、内径23c
m、深さ16cmの硬質塩化ビニル樹脂よりなる丸鉢の胴
壁に長さ70mm、幅1mmの縦溝孔を一定間隔をおいて垂
直に10本配設した内側器体として用意し、この円形容
器の内部に粒度4〜16メッシュの多孔質の軽石粒を9
分目程度充填して培地とし、これに春菊の種子を散播し
て軽石粉末で覆い散水したうえこの播種済の内側器体を
前記外側ケーシングの内部中央に装入した。そして、こ
の外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで水を入れて
外側ケーシング内の水位が同じ程度に保つように管理し
たところ1週間で発芽した。そこで、一旦内側器体を取
り出して外側ケーシング内部の水を排出するとともに、
内側器体の外面を水洗したうえ再度外側ケーシング内に
セットし、外側ケーシング内部に市販の野菜用液肥を所
定量配合した栽培液を深さ5cm程度となるように入れ、
南向きの室内に20日間放置したところ、春菊は5cm程
度に成長した。このとき、外側ケーシング内部の栽培液
は1cm程度まで減少していた。そこで、外側ケーシング
の内部の栽培液を深さ5cm程度となるように管理し続け
たところ、10日後には10〜12cm程度まで成長した
ので、一部間引きを行ってこれを食用に供した。残りの
春菊の成長が早まるにつれて根毛が縦溝孔に入り込み通
気が悪くなるので、栽培液の補給を行うときに内側器体
を外側ケーシングから取り出して内側器体の外面水洗す
るとともに胴壁外面にそって竹ベラを摺動させて縦溝孔
からはみ出した根毛を内部に押し込んで外部からの空気
の流通をよくしたうえ再度外側ケーシング内にセットし
なおした。このようなことを繰り返し行ったところ、播
種より3ケ月後には25〜30cmに成長した柔らかで香
りのよい春菊を食用に供することができた。また、一部
を食することなく4、5ケ月管理したところ95cmに達
し黄色い花が咲いた。
樹脂よりなる円形槽を外側ケーシングとし、内径23c
m、深さ16cmの硬質塩化ビニル樹脂よりなる丸鉢の胴
壁に長さ70mm、幅1mmの縦溝孔を一定間隔をおいて垂
直に10本配設した内側器体として用意し、この円形容
器の内部に粒度4〜16メッシュの多孔質の軽石粒を9
分目程度充填して培地とし、これに春菊の種子を散播し
て軽石粉末で覆い散水したうえこの播種済の内側器体を
前記外側ケーシングの内部中央に装入した。そして、こ
の外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで水を入れて
外側ケーシング内の水位が同じ程度に保つように管理し
たところ1週間で発芽した。そこで、一旦内側器体を取
り出して外側ケーシング内部の水を排出するとともに、
内側器体の外面を水洗したうえ再度外側ケーシング内に
セットし、外側ケーシング内部に市販の野菜用液肥を所
定量配合した栽培液を深さ5cm程度となるように入れ、
南向きの室内に20日間放置したところ、春菊は5cm程
度に成長した。このとき、外側ケーシング内部の栽培液
は1cm程度まで減少していた。そこで、外側ケーシング
の内部の栽培液を深さ5cm程度となるように管理し続け
たところ、10日後には10〜12cm程度まで成長した
ので、一部間引きを行ってこれを食用に供した。残りの
春菊の成長が早まるにつれて根毛が縦溝孔に入り込み通
気が悪くなるので、栽培液の補給を行うときに内側器体
を外側ケーシングから取り出して内側器体の外面水洗す
るとともに胴壁外面にそって竹ベラを摺動させて縦溝孔
からはみ出した根毛を内部に押し込んで外部からの空気
の流通をよくしたうえ再度外側ケーシング内にセットし
なおした。このようなことを繰り返し行ったところ、播
種より3ケ月後には25〜30cmに成長した柔らかで香
りのよい春菊を食用に供することができた。また、一部
を食することなく4、5ケ月管理したところ95cmに達
し黄色い花が咲いた。
【0010】(実施例2)幅31cm、長さ37cm、深さ
17cmの発泡スチロール箱を外側ケーシングとし、その
内部両側に3cm幅の空間をあけて高さ8cm、幅1mmの縦
溝孔10個と高さ4cm、幅1mmの縦溝孔9個を交互に配
設された硬質塩化ビニル樹脂板をはめ込み、これを隔壁
とする31cm×31cm×17cmの内側空間1個と31cm
×3cm×17cmの外側空間2個を区画形成した。次に、
この内側空間に培地としてロックウールを9分目程度充
填し、この培地に小松菜の種子を散播してベランダに置
き、毎日散水したところ6日で発芽した。そこで、外側
空間より外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで市販
の液肥を所定量配合した栽培液を入れ15日間放置した
ところ、4〜5cm程度に成長した。このとき、外側ケー
シング内部の栽培液は2cm程度まで減少していたので、
常時5cm程度となるように管理し続けたところ、30日
後には8〜12cm程度まで成長したので、一部間引きを
行ってこれを食用に供した。残りの小松菜は成長するに
つれて根毛が縦溝孔に入り込み通気が悪くなるので、竹
ごてで縦溝孔からはみ出した根毛を内部に押し込み外部
からの空気の流通をよくしたところ、播種より2、5ケ
月後には20cm以上で柔らかな小松菜となり、毎日食用
に供することができた。
17cmの発泡スチロール箱を外側ケーシングとし、その
内部両側に3cm幅の空間をあけて高さ8cm、幅1mmの縦
溝孔10個と高さ4cm、幅1mmの縦溝孔9個を交互に配
設された硬質塩化ビニル樹脂板をはめ込み、これを隔壁
とする31cm×31cm×17cmの内側空間1個と31cm
×3cm×17cmの外側空間2個を区画形成した。次に、
この内側空間に培地としてロックウールを9分目程度充
填し、この培地に小松菜の種子を散播してベランダに置
き、毎日散水したところ6日で発芽した。そこで、外側
空間より外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで市販
の液肥を所定量配合した栽培液を入れ15日間放置した
ところ、4〜5cm程度に成長した。このとき、外側ケー
シング内部の栽培液は2cm程度まで減少していたので、
常時5cm程度となるように管理し続けたところ、30日
後には8〜12cm程度まで成長したので、一部間引きを
行ってこれを食用に供した。残りの小松菜は成長するに
つれて根毛が縦溝孔に入り込み通気が悪くなるので、竹
ごてで縦溝孔からはみ出した根毛を内部に押し込み外部
からの空気の流通をよくしたところ、播種より2、5ケ
月後には20cm以上で柔らかな小松菜となり、毎日食用
に供することができた。
【0011】(実施例3)内径32cm、深さ15cmの硬
質塩化ビニル樹脂よりなる盥を外側ケーシングとしてそ
の中央に、長さ8cm、幅1mmの縦溝孔を一定間隔をおい
て下半部に垂直に8本配設した硬質塩化ビニル樹脂より
なる内径8cm、高さ15cmの円筒をはめ込み装着して外
側ケーシングの内部にこの円筒を隔壁とする内側空間と
外側空間を区画形成した。そして、この外側空間に培地
として6〜20メッシュの鹿沼土50%(容量%、以下
同じ)、ロックウール粒50%の混合物を9分目程度充
填し、この培地に雪白体菜の種子を散播して鹿沼土粉末
で覆って散水し、日当たりのよい南向きの室内に置き、
毎日散水管理を行ったところ1週間で発芽した。そこ
で、外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで実施例1
と同じ栽培液を入れ、1週間に1回栽培液の補給と、竹
べらにより縦溝孔からはみ出した根毛の押し込みと、必
要な間引き管理を続けたところ、48日後には12〜1
8cmに成長し、肉質が柔らかい雪白体菜が得られた。
質塩化ビニル樹脂よりなる盥を外側ケーシングとしてそ
の中央に、長さ8cm、幅1mmの縦溝孔を一定間隔をおい
て下半部に垂直に8本配設した硬質塩化ビニル樹脂より
なる内径8cm、高さ15cmの円筒をはめ込み装着して外
側ケーシングの内部にこの円筒を隔壁とする内側空間と
外側空間を区画形成した。そして、この外側空間に培地
として6〜20メッシュの鹿沼土50%(容量%、以下
同じ)、ロックウール粒50%の混合物を9分目程度充
填し、この培地に雪白体菜の種子を散播して鹿沼土粉末
で覆って散水し、日当たりのよい南向きの室内に置き、
毎日散水管理を行ったところ1週間で発芽した。そこ
で、外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで実施例1
と同じ栽培液を入れ、1週間に1回栽培液の補給と、竹
べらにより縦溝孔からはみ出した根毛の押し込みと、必
要な間引き管理を続けたところ、48日後には12〜1
8cmに成長し、肉質が柔らかい雪白体菜が得られた。
【0012】(実施例4)内径20cm、深さ25cmの硬
質塩化ビニル樹脂よりなる丸鉢の胴壁の下半部に長さ1
2cm、幅1mmの縦溝孔を一定間隔をおいて垂直に10本
配設し、その内部に焼珪藻土粒50%、パーミキュライ
ト20%、鹿沼土30%の混合物を培地として入れ、こ
れに露地植えされていた高さ32、5cmの万両樹を根洗
いして植えつけた。一方、外側ケーシングとして内径2
5cm、高さ15cmの硬質塩化ビニル樹脂よりなる台所用
の円形容器の底に前記丸鉢のはめ込み孔を明けてこれに
前記丸鉢をはめ込み、隙間を合成樹脂系シール剤でシー
ルして丸鉢の周囲に外側空間を形成し、この外側ケーシ
ングの内部に外側空間の上部開口より樹木用液肥を水に
極く少量添加した栽培液を前記縦溝孔の上端近くまで供
給し、室内に放置したところ20日後でも青々として1
枚の落葉もないうえに高さも約1cm伸び、完全に活着し
たことが確認された。また、栽培液の水位低下も20日
で7cm程度であり、その後は3週間に1回程度の栽培液
の補給と、栽培液補給時において竹べらにより縦溝孔か
らはみ出した根毛を押し込み管理を行うだけよく、室内
用観葉植物などの管理植えも有効であることが判った。
そして、植付け3ケ月後には新芽と蕾が認められた。
質塩化ビニル樹脂よりなる丸鉢の胴壁の下半部に長さ1
2cm、幅1mmの縦溝孔を一定間隔をおいて垂直に10本
配設し、その内部に焼珪藻土粒50%、パーミキュライ
ト20%、鹿沼土30%の混合物を培地として入れ、こ
れに露地植えされていた高さ32、5cmの万両樹を根洗
いして植えつけた。一方、外側ケーシングとして内径2
5cm、高さ15cmの硬質塩化ビニル樹脂よりなる台所用
の円形容器の底に前記丸鉢のはめ込み孔を明けてこれに
前記丸鉢をはめ込み、隙間を合成樹脂系シール剤でシー
ルして丸鉢の周囲に外側空間を形成し、この外側ケーシ
ングの内部に外側空間の上部開口より樹木用液肥を水に
極く少量添加した栽培液を前記縦溝孔の上端近くまで供
給し、室内に放置したところ20日後でも青々として1
枚の落葉もないうえに高さも約1cm伸び、完全に活着し
たことが確認された。また、栽培液の水位低下も20日
で7cm程度であり、その後は3週間に1回程度の栽培液
の補給と、栽培液補給時において竹べらにより縦溝孔か
らはみ出した根毛を押し込み管理を行うだけよく、室内
用観葉植物などの管理植えも有効であることが判った。
そして、植付け3ケ月後には新芽と蕾が認められた。
【0013】(実施例5)贈答用生鮮食品の配送に用い
られた幅26cm、長さ26cm、深さ15cmの発泡スチロ
ール箱を外側ケーシングとし、一方、ミネラルウォター
が入っていた高さ27cm、直径約9cmのペットボトルを
横に略2分して高さ15cmとするとともにその下半部に
長さ7cm、幅1mmの縦溝孔を10本配設したものを内側
器体とし、これを前記外側ケーシングの内部中央に接着
して外側ケーシングの内部を内側器体の胴壁を隔壁とし
て植物栽培空間に利用する広い外側空間と空気流通空間
に利用する内側空間に区画した。そして、外側空間を平
均粒径3mm程度の軽石50%と外側ケーシングとした前
記発泡スチロール箱に入れられていた発泡プラスチック
ス緩衝材を裁断した平均粒径3mm程度の発泡樹脂裁断片
50%の混合物で埋めて培地とした。この培地に京菜の
種子を散播して散水し、南向きのベランダに置き、発芽
後は外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで栽培液を
入れて1週間に1回の栽培液の水位管理および間引き管
理と、2週間に1回の竹べらによる縦溝孔からはみ出し
た根毛の押し込み管理とを行ったところ、播種後60日
後には15〜20cmに成長し美味に食することができ
た。また、家庭におけるプラスチックス廃棄物を有効利
用することもできた。
られた幅26cm、長さ26cm、深さ15cmの発泡スチロ
ール箱を外側ケーシングとし、一方、ミネラルウォター
が入っていた高さ27cm、直径約9cmのペットボトルを
横に略2分して高さ15cmとするとともにその下半部に
長さ7cm、幅1mmの縦溝孔を10本配設したものを内側
器体とし、これを前記外側ケーシングの内部中央に接着
して外側ケーシングの内部を内側器体の胴壁を隔壁とし
て植物栽培空間に利用する広い外側空間と空気流通空間
に利用する内側空間に区画した。そして、外側空間を平
均粒径3mm程度の軽石50%と外側ケーシングとした前
記発泡スチロール箱に入れられていた発泡プラスチック
ス緩衝材を裁断した平均粒径3mm程度の発泡樹脂裁断片
50%の混合物で埋めて培地とした。この培地に京菜の
種子を散播して散水し、南向きのベランダに置き、発芽
後は外側ケーシングの内部に深さ5cm程度まで栽培液を
入れて1週間に1回の栽培液の水位管理および間引き管
理と、2週間に1回の竹べらによる縦溝孔からはみ出し
た根毛の押し込み管理とを行ったところ、播種後60日
後には15〜20cmに成長し美味に食することができ
た。また、家庭におけるプラスチックス廃棄物を有効利
用することもできた。
【0014】
【発明の効果】本発明の簡易水耕栽培器は以上に説明し
たように、外側ケーシングの内部を多数の縦溝孔を有す
る隔壁によって内側空間と外側空間に区画してあるの
で、プラスチックス製の植木鉢やプランタ類のように根
に対する通気不足で根腐れが起きることがなく、また、
プラスチックス製の植木鉢やプランタ類に通気孔を明け
て根腐れを防ぐようにしたもののように水やり時に通気
孔から水が流失して周囲を汚したり、水とともに肥料分
が流失する無駄もないし、栽培中に通気孔に毛根がから
みついて通気性を劣化させるなど種々の問題もなく、さ
らに、根腐れを防ぐためにポンプによって栽培液を循環
させるようにした水耕栽培器とは異なりポンプなどの高
価な装置も不要で経済的な利点もある。従って、本発明
は家庭において野菜や花卉、灌木などの植物を水耕栽培
するのに適した簡易水耕栽培器として極めて有用なもの
である。
たように、外側ケーシングの内部を多数の縦溝孔を有す
る隔壁によって内側空間と外側空間に区画してあるの
で、プラスチックス製の植木鉢やプランタ類のように根
に対する通気不足で根腐れが起きることがなく、また、
プラスチックス製の植木鉢やプランタ類に通気孔を明け
て根腐れを防ぐようにしたもののように水やり時に通気
孔から水が流失して周囲を汚したり、水とともに肥料分
が流失する無駄もないし、栽培中に通気孔に毛根がから
みついて通気性を劣化させるなど種々の問題もなく、さ
らに、根腐れを防ぐためにポンプによって栽培液を循環
させるようにした水耕栽培器とは異なりポンプなどの高
価な装置も不要で経済的な利点もある。従って、本発明
は家庭において野菜や花卉、灌木などの植物を水耕栽培
するのに適した簡易水耕栽培器として極めて有用なもの
である。
【図1】本発明の簡易水耕栽培器の1例を示す一部切欠
斜視図である。
斜視図である。
【図2】本発明の簡易水耕栽培器の他の例を示す一部切
欠斜視図である。
欠斜視図である。
【図3】本発明の簡易水耕栽培器の他の例を示す使用状
態の断面図である。
態の断面図である。
1 外側ケーシング 11 隔壁 11a 内側器体 12 縦溝孔 21 内部空間 22 外部空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天池 清 愛知県名古屋市守山区大字小幡字池下221 番地
Claims (6)
- 【請求項1】 容器状の外側ケーシング(1) の内部を多
数の縦溝孔(12)が配設されている隔壁(11)によって内側
空間(21)と外側空間(22)に区画してあることを特徴とす
る簡易水耕栽培器。 - 【請求項2】 隔壁(11)が、外側ケーシング(1) に対し
て装脱自在である請求項1に記載の簡易水耕栽培器。 - 【請求項3】 隔壁(11)が、外側ケーシング(1) の内部
に収納される内側器体(11a) の胴壁で、内側器体(11a)
の内部を内側空間(21)とし、この内側容体(11a) と外側
ケーシング(1) との間を外側空間(22)としてある請求項
1または2に記載の簡易水耕栽培器。 - 【請求項4】 外側ケーシング(1) に隔壁(11)の上縁よ
り低いオーバフロ口(13)がある請求項1または2または
3に記載の簡易水耕栽培器。 - 【請求項5】 内側空間(21)が外側空間(22)より広い植
物栽培空間としてある請求項1または2または3または
4に記載の簡易水耕栽培器。 - 【請求項6】 外側空間(22)が内側空間(21)より広い植
物栽培空間としてある請求項1または2または3または
4に記載の簡易水耕栽培器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17864795A JPH0923750A (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 簡易水耕栽培器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17864795A JPH0923750A (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 簡易水耕栽培器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0923750A true JPH0923750A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=16052126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17864795A Withdrawn JPH0923750A (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 簡易水耕栽培器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0923750A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103392528A (zh) * | 2013-07-30 | 2013-11-20 | 苏州市世好建材新技术工程有限公司 | 具有湿度调节功能的花盆 |
CN103392527A (zh) * | 2013-07-30 | 2013-11-20 | 苏州市世好建材新技术工程有限公司 | 具有持续施料调节功能的花盆 |
CN105830769A (zh) * | 2015-09-05 | 2016-08-10 | 李剑 | 储水型绿化砌块及其构成的垂直绿化墙体 |
US10568273B2 (en) * | 2010-03-24 | 2020-02-25 | Masahiro Muranaka | Hydroculture pot |
-
1995
- 1995-07-14 JP JP17864795A patent/JPH0923750A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10568273B2 (en) * | 2010-03-24 | 2020-02-25 | Masahiro Muranaka | Hydroculture pot |
CN103392528A (zh) * | 2013-07-30 | 2013-11-20 | 苏州市世好建材新技术工程有限公司 | 具有湿度调节功能的花盆 |
CN103392527A (zh) * | 2013-07-30 | 2013-11-20 | 苏州市世好建材新技术工程有限公司 | 具有持续施料调节功能的花盆 |
CN105830769A (zh) * | 2015-09-05 | 2016-08-10 | 李剑 | 储水型绿化砌块及其构成的垂直绿化墙体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |