JPH09235693A - アルミニウム材の陽極酸化皮膜の着色方法 - Google Patents
アルミニウム材の陽極酸化皮膜の着色方法Info
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Abstract
光性の優れた、無彩色の灰色〜黒色に着色する。 【構成】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材の陽
極酸化皮膜を電解着色処理によりブロンズ色等に着色し
た後に、モリブデン、タングステン、バナジウム等の混
合原子価錯体を吸着させて、その分光反射特性を組み合
わせることにより、灰色〜黒色の色調を様々な濃度で発
現する。また、上記の工程において、モリブデン、タン
グステン、バナジウム等の混合原子価錯体を吸着させた
後、ブロンズ電解着色を行ってもよい。
Description
形成したアルミニウム材に電解着色皮膜と混合原子価錯
体皮膜との組み合わせによって無彩色状の着色を再現性
良くかつ確実に制御する方法に関する。
かつ耐食性があるためサッシや内装パネル材などの建
材、あるいは車両部品などに広く用いられているが、そ
の耐食性向上のため陽極酸化皮膜処理を行うことが一般
である。この皮膜は耐食性に優れているが、そのままで
は金属地金の白色系の色合いであるため、単調で趣味性
に乏しく、このため用途に応じて、塗装や着色処理が施
されることが多くなっている。中でも、電解着色処理
は、陽極酸化処理によって形成された酸化皮膜の微細な
ポアー中に化学的に安定な金属塩類を吸着せしめて着色
するため環境に対して極めて安定しており、長期間に渡
って屋外においても変色したり褪色することがなく、広
く普及を見ている。
て行われることから、陽極酸化皮膜を形成できるアルミ
ニウム材であれば、材質はアルミニウム及びアルミニウ
ム合金のいずれでも可能であり、その形状も板、棒、押
出形材やサッシ、パネル、或いは車両の種々の部品等の
ような様々な形状のものにも適用可能である。アルミニ
ウム材に陽極酸化処理を行った後、Ni、Co、Snな
どの水溶性の金属塩を電解浴に含有せしめ、アルミニウ
ム材を陰極として電解することにより、これらの金属塩
は陽極酸化皮膜中の微細なポアー中に吸着され、これら
の金属塩の種類に応じて、また吸着の程度により、任意
の濃度で様々の色合いを表すことができる。これらの着
色処理を行って後、沸騰水浸漬等により封孔処理を行
い、或いはアクリル樹脂等によるクリヤー塗装など常法
により仕上げを行って出荷される。
を有しているものの、着色処理の色合い、色調を微妙に
調整、制御することは困難であった。また、最近では、
建材や車両部品などアルミニウム材の用途が広まるにつ
れ、着色の色合いやその濃度等にも様々な要求が寄せら
れるようになってきている。例えば、従来建築用途向け
にはブロンズ色などの明るい色調が主流であったが、近
年、灰色や、黒色などのいわゆる無彩色系統の落ち着い
た色調が好まれるようになってきている。これに応え
て、従来の電解着色法によってこのような色調を出そう
とすることは困難であった。従来のこのような着色法に
は、灰色着色法として、特開昭61−143593号公
報に記載されるNi−Zn浴中で電解着色する方法、特
開平3−183798号公報記載のブロンズ色皮膜に顔
料を含む電着塗装を施す方法などがある。また、黒色着
色法はNi、Co、Snなどの水溶液中で電解着色処理
を長時間行って濃度を高くして、黒色に見えるようにす
る方法が一般的である。
して灰色の色調とする方法では、得られる灰色に黄色味
が強く、より純粋な無彩色の灰色の色調を求める市場の
要求を満足できなかった。また、上記のブロンズ皮膜に
電着塗装を施す方法では、特殊な顔料を含む塗料を必要
としてコスト的に好ましくなく、建材製品の耐食性、耐
候性を満たすための重要な封孔品の仕様に対応すること
ができないものであった。上記の黒色着色を行うため
の、Ni、Co、Sn等の電解着色処理法による場合に
ついても、得られた黒色は、赤み、黄みのある色であ
り、やはりこれらの色合いに対する要求に十分に応える
ものとはいえなかった。
問題を解消すべく案出されたものであり、純粋に無彩色
の灰色〜黒色の様々な濃度の着色効果が得られ、また、
得られた着色皮膜が耐候性・耐光性に優れていると共
に、比較的簡単にこれらの色調の制御ができ、着色均一
性が良く、後工程の封孔及びクリヤー電着塗装等の従来
の陽極酸化皮膜製品に要求されていた処理のいずれにも
対応できる陽極酸化皮膜着色方法を提供することを目的
とする。
成するため、アルミニウムまたはアルミニウム合金材の
陽極酸化皮膜に、電解着色皮膜及び混合原子価錯体を吸
着させることによる着色皮膜を形成し、それぞれ電解着
色皮膜と混合原子価錯体による着色皮膜との分光反射率
特性を重ね合わせて任意の色合い及び濃淡の色調に着色
するものである。また、電解着色処理によりブロンズに
着色した後に、モリブデン、タングステン、バナジウム
等の混合原子価錯体を吸着させて、電解着色皮膜と混合
原子価錯体による着色皮膜との分光反射特性を組み合わ
せることにより、灰色〜黒色に着色する。また、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金材の陽極酸化皮膜にモリ
ブデン、タングステン、バナジウム等の混合原子価錯体
を吸着させた後、ブロンズ電解着色を行って、これらの
それぞれの有する光反射特性を組み合わせることによ
り、灰色〜黒色に着色する。
ニウム合金材の陽極酸化皮膜を電解着色処理により着色
した後に、混合原子価錯体を吸着させて着色皮膜を形成
し、電解着色処理皮膜と混合原子価錯体による着色皮膜
との分光反射特性を重ね合わせることにより、任意の色
合いと濃淡の着色層を形成する。また、アルミニウムま
たはアルミニウム合金材の陽極酸化皮膜を電解着色処理
によりブロンズ色に着色した後に、一般にもモリブデン
ブルー、タングステンブルー、バナジンブルーと称され
ているモリブデン、タングステン、バナジウム等の混合
原子価錯体を吸着させて、その分光反射特性を組み合わ
せることにより、灰色〜黒色の色調に着色する。本発明
をこのブロンズ電解着色皮膜とモリブデン、タングステ
ン、バナジウム等の混合原子価錯体を吸着させた着色皮
膜との分光反射率特性を重ね合わせる場合について説明
する。第一工程のブロンズ電解着色は陽極酸化皮膜の微
細なポアー層に、Ni、Co、Snなどの金属を析出さ
せ、皮膜をブロンズ色といわれる茶色系統の色に着色す
る方法である。この方法で着色した皮膜の分光反射率を
見ると、図1に示すように明確なピークは現れず、短波
長から長波長になるにつれて高くなる傾向がある。すな
わち、ブロンズ皮膜は電解着色によって生成した金属析
出層により、短波長の光を強く吸収する性質があり、比
較的長波長の光を反射することによって、そのブロンズ
色を発現していることが解る。
ブデン、タングステン、バナジウムなどの混合原子価錯
体を吸着させ、その混合原子価色を発色させるものであ
る。即ち、モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸
のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の水溶
液に浸漬した後、スズや鉄などの塩化物、硫酸塩を還元
剤とする水溶液に浸漬して各々の混合原子価錯体を生成
させる。例えば、モリブデン酸による場合を例にとる
と、モリブデン酸のアンモニウム塩などの水溶液に浸漬
して、六価のモリブデン酸イオンを陽極酸化皮膜のポア
ー側壁に吸着させ、次いで還元剤として塩化スズ(I
I)、硫酸スズ(II)などの二価のスズによって還元
し、Mo(V)−O−Mo(VI)の混合原子価錯体を形
成させるものである。この原子価錯体は、モリブデン原
子間の電子移動により青色に発色し、一般にモリブデン
ブルーと呼ばれている色を呈する。この方法で着色した
皮膜の分光反射率を見ると、図2に示すとおり明確なピ
ークは現れず、短波長側で高く、長波長になるほど低く
なる。
射率傾向を有している。そこで、ブロンズ電解着色皮膜
にこれらの青色浸漬着色法による着色層を重ねることに
より、これらの二つの反射特性を重ね合わせることがで
きる。この重ね合わせた着色層についてその反射スペク
トルを見ると、図3に示すように反射スペクトルはほぼ
平坦になり、個々の色の現れない無彩色、すなわち灰色
〜黒色の濃淡の色調となる。このブロンズ電解着色皮膜
と青色浸漬着色法による着色層の分光反射特性を重ね合
わせる手法は、上記の方法とは着色層の形成順序を逆に
して、青色浸漬着色法による着色層を先に形成し、これ
にブロンズ電解着色皮膜を重ねても同様の結果が得られ
る。
による着色皮膜との分光反射率特性を重ね合わせる手法
は、その原理上灰色〜黒色の色調に着色したり調節する
のみでなく、個々の着色皮膜の分光反射率特性とその組
み合わせを変えることにより、任意の色合いに変えた
り、それと共に色調を整えたりすることができるもので
ある。すなわち、電解着色の色は、慣用されてきたブロ
ンズ系のみでなく、明るいゴールド系、赤色系や青色系
等があり、また、混合原子価錯体の呈する色もブルー系
に限られない。したがって、これらの着色皮膜の分光反
射率特性を組み合わせることによって、灰色〜黒色のみ
でなく、多様な色合いと濃淡の色調に着色することが可
能である。
条件を変えることでその濃淡すなわち明度を制御するこ
とができ、その制御も比較的容易である。また、このよ
うにして形成された着色皮膜は、電解着色法による着色
皮膜が耐候性、耐光性に優れ、一方モリブデンなどの錯
体は無機化合物であるため安定で、耐候性に優れている
ことから、これらの特性を受けて耐候性、耐光性に優れ
ており、環境に対して変化しない優れた特性を発揮す
る。
ルミニウム材またはアルミニウム合金材を脱脂処理、ア
ルカリエッチング処理、脱スマット処理等の前処理を行
い、硫酸等の酸性水溶液中で陽極酸化処理を行って、所
定の膜厚、例えば3〜40μmの陽極酸化皮膜を形成す
る。これにブロンズ電解着色処理、及び浸漬着色処理に
より灰〜黒の所要の無彩色に着色し、最後にクリヤー塗
装を行って焼き付け処理して仕上げるか、または、沸騰
水浸漬、封孔助剤入りの水に浸漬して封孔処理を行う。
あるいは、上記主要工程において、電解着色処理と浸漬
処理による着色処理の工程を前後入れ替えて行う。
アルミニウム合金材は陽極酸化皮膜が形成可能であれば
何でもよいが、JIS A1100材等の純Al系、J
ISA6063等のAl−Mg−Fe−Si系等の材質
で、板、管、押出形材等の建材に用いられるものが好ま
しい。陽極酸化皮膜処理は、硫酸、蓚酸、スルホン酸等
の通常の陽極酸化処理浴が使用できるが、硫酸浴が好適
である。硫酸浴法による場合10〜300g/l,浴温
−5〜30℃で、膜厚3〜40μmの多孔性陽極酸化皮
膜とする。ブロンズ電解着色は、Ni、Co、Sn等の
金属塩水溶液中で交流法、直流法あるいはパルス波形を
用いる電解法で行う。例えばいわゆる浅田法(特公昭3
8−1715号公報記載)あるいは特公昭57−321
19号公報に記載される電解着色法等の公知の方法に準
じて行えば良い。着色均一性向上のためにはバリヤー層
均一化処理後、矩形波交番電流を用いる、いわゆるユニ
コール法(特公昭58−52037号公報記載)に準じ
た電解着色法によることが望ましい。
・6HO2 )25g/l、硫酸アンモニウム((NH
4 )2 SO4 )12g/lの浴で商用交流を使用して電
解電圧13Vの定電圧で5分間処理する着色法、(2)
硼酸(H3 BO3 )25g/l、硫酸ニッケル(NiS
O4 ・6H2 O)20g/l、硫酸アンモニウム((N
H4 )2 SO4 )15g/lの浴で商用交流を使用して
電解電圧20Vの定電圧で2分間処理する着色法、或い
は、(3)硫酸ニッケル(NiSO4 ・6HO2)50
g/l、硫酸コバルト(CoSO4 7H2 O)50g/
l、硼酸(H3 BO3 )40g/l、スルホサリチル酸
塩10g/lの浴で商用交流を使用して電解電圧10V
の定電圧で7分間処理する着色法等が適用できる。
色処理を行う場合を例に具体的に説明すると、硫酸ニッ
ケル(NiSO4 ・6HO2 )50〜200g/l、硼
酸(H3 BO3 )20〜40g/l、酒石酸4〜12g
/l、硫酸マグネシウム(MgSO4 7H2 O)0.5
g/lの浴中でアルミニウム材を陽極として電流密度
0.05〜3A/dm2 にて20秒〜2分間電解してバ
リヤー層均一化処理を施して後、同一浴中でアルミニウ
ム材を陰極として矩形波交番電流を印加して電解着色処
理を行う。アルミニウム材に印加される矩形波交番電流
の周波数は、5〜25Hzで行い、好ましくは10〜2
0Hzの範囲がよい。周波数が5Hz未満では被処理材
の表面にざらつきが生じ、25Hzを越えると着色速度
が著しく低下していずれも不適である。また、被処理材
に印加される矩形波交番電流のアルミニウム材での正電
流の通電時間ta とアルミニウム材での負電流の通電時
間tc の比、電流比ta /tcは0.005〜0.30
の範囲で処理が行われるが、好ましくは0.01〜0.
25の範囲がよい。これらの範囲外の0.005未満で
は着色性が不均一となり、0.03を越えると、着色速
度が遅くなって生産性が低下し、いずれも不適である。
矩形波交番電流の波形は、図4のように均一なパルス状
で印加しても良く、また、図5のように一定電流の流れ
るT1 の期間に対してパルスを繰り返すT2 の期間を設
けても良い。
o、Sn等の硫酸塩も適用できる。また、硼酸に替えて
硼酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムを、酒石酸に替
えてクエン酸をそれぞれ適用し得る。浴の管理上、1価
の陽イオン(Na,K,NH4 )はスポーリング発生を
誘発させるので20PPM以下とすること、Alイオン
は析出して皮膜欠陥を誘発することから500PPM以
下とすることが好適である。この電解着色処理法におけ
るバリヤー層均一化処理は、電解着色処理中の陽極酸化
皮膜の破壊を防止してスポーリング現象の発生を防止し
つつ、電解着色処理での付き廻り性を良好にするための
陽極酸化処理であり、所望によって、電解着色浴とは別
浴として、硼酸、硼酸アンモニウム、酒石酸アンモニウ
ム等の独立浴で行うこともできる。
の混合原子価錯体の陽極酸化皮膜への吸着方法は、陽極
酸化皮膜を形成したアルミニウム材を、モリブデン酸、
タングステン酸、またはバナジン酸等のアンモニウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩の水溶液からなる第1浴
に浸漬した後、無機酸塩性還元剤としてスズ、鉄等の塩
化物、硫酸塩の水溶液等からなる、並びにそれらに更に
スルホフタル酸やスルホサリチル酸等を安定化剤として
添加してなる第2浴に浸漬して部分的に還元処理して混
合原子価錯体を陽極酸化皮膜上で生成させ、吸着させて
行う。即ち、二浴を陽極酸化皮膜上で反応させることに
よって、モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸の
オキソ酸イオンの生成と共にその青色化合物を陽極酸化
皮膜上に析出・吸着させるものである。浴濃度は、それ
ぞれ飽和濃度までの任意の濃度でよいが、薄い場合は浸
漬時間を長くすれば良い。例えば、第1浴と第2浴との
濃度及び浸漬時間を、それぞれモリブデン酸アンモニウ
ムが0.1〜400g/l、浴温0〜60℃で浸漬時間
0.5〜15分、及び、硫酸スズ(II)0.1〜150
g/l、浴温0〜60℃で浸漬時時間0.5〜15分間
の範囲で、それぞれの濃度に合わせて浸漬時間を調節し
て着色処理を行う。
ー側壁に吸着されたモリブデン酸アンモニウムと浴中の
硫酸スズとが反応して青色のMo(V)とMo(VI)の
混合原子価錯体(モリブデンブルー)が生成するもので
あるが、どの程度のものが5価となっているかは現時点
では確認手段がなく、明らかでない。この混合原子価錯
体は、陽極酸化皮膜中に吸着できればどのような方法で
もよいが、混合原子価錯体は水溶液中では安定的に存在
せず、また、沈澱し易いため、このように二浴方式での
浸漬工程で混合原子価錯体を生成すると同時に吸着させ
る方法がよい。
ンズ色に着色された陽極酸化皮膜は、ブロンズ色から灰
色となる。この方法によれば、これら電解着色と混合原
子価錯体の吸着による着色との二つの工程について、そ
れぞれ適当な条件を選ぶことにより灰〜黒色の明度の制
御が容易にできる。着色処理後は、目的に応じて封孔処
理またはクリヤー着塗装等の所要の処理を行う。
度1.5A/dm2 で23分間電解して、10μmの陽
極酸化皮膜を生成させた後、硫酸ニッケル20g/l、
硼酸25g/l、硫酸アンモニウム15g/lの水溶液
中で、商用交流20Vで1分間交流電解着色を行い。ブ
ロンズに着色した。この時点での、測色値はL* =6
7.4、a* =1.0、b* =5.3であった。次い
で、モリブデン酸アンモニウム20g/lの水溶液に5
分間浸漬し、引き続いて、硫酸スズ(II)8g/lの水
溶液に5分間浸漬して、モリブデンブルーを発色させ、
封孔処理を施し、黄みの灰色材を得た。測色値はL* =
64.8、a* =0.2、b* =3.0であった。ここ
で、L* 、a* 、b* は、日本工業規格(JIS Z8
729)によるL* a* b* 表色系で、ブロンズ色は、
L* 値で25〜75、a* :0〜5、b*:0〜15、
また、灰色は、L* 値で24〜73、a* は−3〜3、
b* :−3〜3の範囲である。
dm2 で23分間電解して、10μmの陽極酸化皮膜を
生成させた後、モリブデン酸アンモニウム20g/lの
水溶液に5分間浸漬し、硫酸スズ(II)8g/lの水溶
液に5分間浸漬して、モリブデンブルーを発色させた。
この時点での、測色値はL* =79.3、a* =−2.
6、b* =−4.6であった、次いで、硫酸ニッケル2
0g/l、硼酸25g/l、硫酸アンモニウム15g/
lの水溶液中で、商用交流20Vで1分間交流電解着色
を行い、封孔処理を施し、青みの灰色皮膜を得た。測色
値はL* =69.0、a* =−1.5、b* =−2.2
であった。
dm2 で23分間電解して、10μmの陽極酸化皮膜を
生成させた後、硫酸ニッケル100g/lの水溶液中で
定電流矩形波(電流比ta /tc =1/5,10Hz)
により電流密度0.5A/dm2 で1分間交流電解着色
を行い、ブロンズに着色した。この時点での、測色値は
L* =69.5、a* =0.9、b* =5.2であっ
た。次いで、モリブデン酸アンモニウム20g/lの水
溶液に5分間浸漬し、引き続いて硫酸スズ(II)8g/
lの水溶液に5分間浸漬して、モリブデンブルーを発色
させ、封孔処理を施し、黄みの灰色皮膜を得た。測色値
はL* =65.9、a* =−0.5、b* =2.9であ
った。
アンモニウム5g/lの水溶液を用いた以外は実施例3
と同様に着色し、灰色皮膜を得た。測色値はL* =6
4.1、a* =0.3、b* =0.52であった。
A1100材を用いたほかは、実施例3と同様に着色処
理し、灰色着色材を得た。測色値はL* =65.1、a
* =0.0、b* =1.2であった。
様に着色処理した。電解着色処理が終了した時点での測
色値はL* =25.6、a* =0.15、b*=0.2
8で、赤み、黄みが感じられる黒色であったが、モリブ
デン酸アンモニウム水溶液浸漬着色を行うことにより、
赤み、黄みがない黒色が得られた。測色値はL* =2
4.8、a* =0.0、b* =−0.6であった。
電流密度で46分間電解して、20μmの陽極酸化皮膜
を生成させた以外は、実施例3と同様に着色し、灰色着
色材を得た。測色値はL* =43.6、a* =−1.
0、b* =−0.8であった。
ン酸ナトリウム20g/lの水溶液を用いたほかは実施
例3と同様に着色処理を行い、灰色皮膜を得た。測色値
はL* =63.2、a* =0.2、b* =−0.46で
あった。
ウエザーメーター(JIS H8602記載の条件)で
3000時間試験した。試験の前後の色差△E=0.5
で褪色は認められなかった。比較例として、実施例3の
第2工程のモリブデン酸アンモニウムによる着色処理の
替わりに青色有機染料を使用して、同色とした試料を同
様の条件で試験したところ、褪色してブロンズ色となっ
た。
ば、無彩色系で種々の濃淡の明度で均一な灰色〜黒色の
着色皮膜を容易に得ることができ、その着色皮膜は、耐
候性、耐光性に優れ、様々な使用環境における要求に応
えることができる。また、その着色品は、無機物に基づ
く着色であるため、封孔品、クリヤー電着塗装品のいず
れの仕様にも対応できる。
着色した皮膜の分光反射率
される電流波形
される他の電流波形
Claims (3)
- 【請求項1】 陽極酸化処理したアルミニウム材に、電
解着色皮膜及び混合原子価錯体を吸着させることによる
着色皮膜を形成し、電解着色皮膜と混合原子価錯体によ
る着色皮膜とのそれぞれの分光反射率特性を重ね合わせ
て無彩色に着色することを特徴とする着色方法。 - 【請求項2】 ブロンズ色電解着色皮膜を形成した後、
モリブデン、タングステン、バナジウムのいずれかから
なる混合原子価錯体を吸着させることによって、無彩色
の灰色〜黒色に着色することを特徴とする請求項1記載
の着色方法。 - 【請求項3】 モリブデン、タングステン、バナジウム
のいずれかからなる混合原子価錯体を吸着させた後、ブ
ロンズ色電解着色皮膜を形成させることによって、無彩
色の灰色〜黒色に着色することを特徴とする請求項2記
載の着色方法。
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CN104060314A (zh) * | 2014-06-18 | 2014-09-24 | 沈阳理工大学 | 一种2024铝合金镍钨混合盐低电压电解着黑色的方法 |
CN116926641A (zh) * | 2023-09-15 | 2023-10-24 | 深圳市欣茂鑫实业有限公司 | 电解用降低氧化层反射率的加工方法及系统 |
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- 1996-02-29 JP JP07134696A patent/JP3817772B2/ja not_active Expired - Fee Related
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