JPH09235592A

JPH09235592A - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH09235592A
Application number: JP29115596A
Authority: JP
Inventors: Mari Tanomura; 真里田能村; Takamichi Hasegawa; 貴通長谷川; Masahiro Fukuda; 正博福田
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1995-12-26
Filing date: 1996-10-14
Publication date: 1997-09-09

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明の課題は、脂肪酸金属塩汚れに対し優
れた洗浄効果を有するとともに、泡立ちに優れ、洗浄し
ようとする表面に対して泡の付着性が良好な液体洗浄剤
組成物を提供することを目的とする。【解決手段】Ｎ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合
物、界面活性剤、及びグリコール系溶剤からなる組成物
であり、その組成物のｐＨが５〜１１である液体洗浄剤
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、住居の洗浄に特に
適した液体洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】浴槽及び浴室内の床、壁及び用具類汚れ
は、湯垢とよばれる脂肪酸金属塩（主としてカルシウム
塩）、遊離脂肪酸、グリセライド、含窒素化合物等の有
機物及び泥等の無機物の混合したものから成っている。
従来、このような汚れを除去する洗浄剤としては、酸性
物質であるヒドロキシカルボン酸、界面活性剤、及び水
溶性溶剤を含有する酸性洗浄剤が知られている（特開昭
５２−７７１１１号公報）。しかしながら、この酸性洗
浄剤は、確かに洗浄効果はあるものの、タイル目地、ア
ルミサッシなどの硬質表面材質を傷めるという欠点が指
摘されている。又アルカリ洗浄剤を用いることも提案さ
れているが、汚れの除去効果及び材質への影響の点で不
十分であるという欠点があった。これに対し、界面活性
剤と金属イオン封鎖剤との組合せからなる硬質表面用洗
浄剤や、界面活性剤と金属イオン封鎖剤と溶剤との組合
せからなる硬質表面用洗浄剤が開発された（特開昭５２
−７６３０８号公報、同５３−３５７１０号公報、同５
４−１５８４０９号公報、同５６−２２３９７号公報、
同５７−２８１９９号公報、同６３−５１５００号公
報、特開平２−２９８５９９号公報、及び同６−３２２
３９８号公報）。しかしながら、これらの洗浄剤は、実
際に使用してみると洗浄力及び泡立ちが十分でなく、洗
浄時に硬質表面への泡を付着させることも十分に行うこ
とができないので、満足する結果を得ることができない
という問題点を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、脂肪
酸金属塩汚れに対し優れた洗浄効果を有するとともに、
泡立ちに優れ、洗浄しようとする表面に対して泡の付着
性が良好な住居の洗浄に特に適した液体洗浄剤組成物を
提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、Ｎ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合
物、界面活性剤、及びグリコール系溶剤を組合わせると
共に、組成物のｐＨを所定の範囲内に調製することによ
り、前記の課題を解決し得る事を見いだし、本発明を完
成するに至った。

【０００５】即ち、本発明は、（１）式

【化１】で表わされるＮ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合物
０．５〜２０重量％、（２）界面活性剤０．１〜２
０重量％、（３）式（式中、Ｒは炭素数１〜５のアルキル基、ｎは１〜５、
Ｚは水素またはメチル基を表す。）で表わされるグリコ
ール系溶剤０．１〜５０重量％、及び、（４）水残部
からなり、かつｐＨが５〜１１であることを特徴とする
液体洗浄剤組成物、が提供される。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の液体洗浄剤組成物を構成
する成分の一つは、式

【化１】で表わされるＮ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合物
である。前記化合物のＲは炭素数７〜２１の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるが、その中で
も１１〜１７の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケ
ニル基が好ましい。具体的にはＲＣＯがラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、ヤシ脂肪酸等の残基であるものを挙げることができ
る。Ｎ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合物の洗浄剤
組成物に対する割合は、０．５〜２０重量％、好ましく
は１〜１０重量％の範囲である。この割合が０．５重量
％未満では、洗浄力、泡立ち及び泡の付着性が不十分で
あり、本発明液体洗浄剤の他の二成分との相互作用が十
分でない結果となる。一方、この割合が２０重量％を越
える場合には、著しい配合効果が見られず、量を多くし
ても不経済な結果となる。

【０００７】本発明の液体洗浄剤組成物を構成する成分
の一つは、界面活性剤である。界面活性剤としては、陰
イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン界面活性剤などを用いることができ、特に
限定されるものではない。これらは単独であるいは２種
以上組み合わせて用いることができる。（１）陰イオン界面活性剤陰イオン界面活性剤としては、硫酸アルキル塩、硫酸ア
ルキルポリオキシエチレン塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、モノアルキルリ
ン酸塩等を挙げることができる。これら陰イオン界面活
性剤の対イオン（陽イオン）は、アルカリ金属イオン、
アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、
アンモニウムイオン等である。これら中では、硫酸アル
キルポリオキシエチレン塩、α−オレフィンスルホン酸
塩などが好ましい。硫酸アルキルポリオキシエチレン塩
のアルキル基は８〜２２、好ましくは１２〜１８であ
り、酸化エチレンの付加モル数は１〜６、好ましくは３
〜５である。（２）陽イオン界面活性剤陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアン
モニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アル
キルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモ
ニウム塩等を挙げることができる。これら陽イオン界面
活性剤の対イオン（陰イオン）は、ハロゲン原子等であ
る。（３）両性界面活性剤両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、
アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン
等のベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界
面活性剤を挙げることができる。これら中では、アルキ
ルカルボキシベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタイ
ンが好ましい。アルキルカルボキシベタインのアルキル
基の炭素数は８〜２２、好ましくは１２〜１８である。（４）非イオン界面活性剤非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルジメチル
アミンオキシド等を挙げることができる。これら中では
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルジメチ
ルアミンオキシドなどが好ましい。なお、界面活性剤と
しては、前記本発明の液体洗浄剤組成物の成分である式
（Ｉ）で表されるＮ−アシルエチレンジアミン三酢酸化
合物は除外される。

【０００８】界面活性剤の洗浄剤組成物に対する割合
は、０．１〜２０重量％、好ましくは０．５〜５重量％
の範囲である。界面活性剤の割合が０．１重量％未満で
は、汚垢に対する分散及び可溶化作用が弱く、本発明の
液体洗浄剤の他の二成分との相互作用が十分でない結果
となる。一方、２０重量％を越える場合には、量を多く
したことによる洗浄力の向上効果は見られず、かえって
泡切れ、すすぎ性が悪くなるので好ましくない。

【０００９】本発明の液体洗浄剤組成物を構成する成分
の一つは、式（式中、Ｒは炭素数１〜５のアルキル基、ｎは１〜５、
Ｚは水素またはメチル基を表す。）で表わされるグリコ
ール系溶剤である。前記化合物としては具体的にはエチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアミル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレング
リコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。

【００１０】グリコール系溶剤の洗浄剤組成物に対する
割合は、０．１〜５０重量％、好ましくは１〜１５重量
％の範囲である。この割合が０．１重量％未満では、洗
浄力及び泡立ちが不十分で、本発明の液体洗浄剤の他の
二成分との相互作用が十分ではない結果となる。一方、
５０重量％を超える場合には、著しい効果は見られず、
量を多くしても不経済な結果となる。そしてグリコール
系溶剤は１種、あるいは２種以上を混合して用いてもよ
い。

【００１１】Ｎ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合物
（１）と界面活性剤（２）の配合比（（２）／（１））
は、０．１〜５０の範囲であることが好ましい。配合比
が０．１未満では泡立ちが低下する結果となり、５０を
越えると洗浄しようとする面に対する泡の付着性が低下
する結果となる。また、Ｎ−アシルエチレンジアミン三
酢酸化合物とグリコール系溶剤（３）の配合比（（３）
／（１））は０．１〜５０の範囲であることが好まし
い。配合比が０．１未満では洗浄力が不十分であり、５
０を越えると泡立ち及び泡の付着性がなくなるので好ま
しくない。

【００１２】本発明の液体洗浄剤組成物のｐＨは５〜１
１の範囲、好ましくは６〜９であることが必要である。
組成物のｐＨが５未満、及び１１を越える値では、被洗
浄物へ悪影響を及ぼす。ｐＨ値をこの範囲内とするため
には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アン
モニウムなどのアルカリ剤、及び硫酸、メタキシレンス
ルホン酸などの酸性物質により調整することができる。
また、Ｎ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合物、界面
活性剤及びグリコール系溶剤の混合割合によっても調整
できる。ｐＨをこの範囲に保つために、必要に応じて、
リン酸、クエン酸などのｐＨ緩衡剤などが添加される。

【００１３】本発明は、必要に応じて他の任意成分を適
宜配合することができる。任意成分としては、低温下ま
たは高温下での液性を保持するのに配合される低級アル
コール、低級アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、
エチレングリコールなどのハイドロトロープ剤、殺菌
剤、防腐および防カビ剤、香料、色素、酸化防止剤、増
粘剤、紫外線吸収剤がある。なお、これら任意成分に用
いられる化合物は、通常、洗浄剤に使用されるものなら
ばどのようなものでもよく、特に限定されるものではな
い。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例の効果を確認するために、湯
垢汚れに対する洗浄力、泡立ち、泡の付着性及び被洗浄
物に対する影響について各試験を行った。これらの試験
の具体的な操作は次のとおりである。（１）湯垢汚れに対する洗浄力試験こすった程度では容易に除去できない湯垢汚れが付着し
た状態にあるポリプロピレン製の風呂桶（２ケ月使用
品）に、液体洗浄剤組成物（原液）をふりかけ、桶表面
を約２０ｇ／ｃｍ²の荷重でウレタン製のスポンジにて
５回往復してこすり、汚れの除去状態を下記の基準で視
覚判定する。判定基準は次のとおりである。５点：汚れ落ちが非常に良好４点：汚れ落ちが良好３点：汚れ落ちにむらがある２点：若干汚れが落ちる程度１点：ほとんど汚れが落ちない

【００１５】（２）泡立ち性試験洗浄剤組成物を垂直に設置した１ｍ×５０ｃｍのステン
レス製の板の上辺部に２．５ｍｌ振りかけ、拭き圧１０
ｇ／ｃｍ²で、含水率２５０％のスポンジで５回往復し
てこすり、泡の立った状態を下記の基準で視覚判定す
る。判定基準は次のとおりである。 ○：泡立ちが良好である △：泡立ちがやや良好である ×：泡立ちが良好でない

【００１６】（３）泡付着性試験洗浄剤組成物を垂直に設置した１ｍ×５０ｃｍのステン
レス製の板の上辺部に２．５ｍｌ振りかけ、拭き圧１０
ｇ／ｃｍ²で、含水率２５０％のスポンジで５回往復し
てこすり、１分後に泡が面からたれ落ちる状態を下記の
基準で視覚判断する。判定基準は次のとおりである。 ○：泡がほとんどたれ落ちない △：若干泡がたれ落ちる ×：泡がたれ落ち、板面に残らない

【００１７】（４）被洗浄物に対する影響試験洗浄剤組成物中に目地及びアルミニウム製の板を２４時
間浸漬し、表面の状態を下記の基準で視覚判定する。判
定基準は次のとおりである。 ○：全く変化が認められない △：やや変化が認められる ×：明らかに変化が認められる

【００１８】実施例１〜７、比較例１〜７本発明の液体洗浄剤組成物の実施例を表１に示す。又、
比較例を表２に示す。本発明の実施例の効果を確認する
ために前記湯垢に対する洗浄力試験、泡立ち試験、泡付
着性試験及び被洗浄物に対する影響試験を行った。この
試験の結果についても表１及び表２に示す。

【００１９】

【表１】

【００２０】

【表２】

【００２１】上記表１の結果から明らかなように、本発
明の成分を所定量含有するとともに、所定の範囲内のｐ
Ｈを示す液体洗浄剤組成物は、いずれも優れた性能を示
していることがわかる。これに対し、表２の結果が示す
ように、界面活性剤成分を含有しない液体洗浄剤組成物
（比較例４）は、湯垢に対する洗浄力及び泡立ち性、泡
付着性においてやや劣っており、Ｎ−ラウロイルエチレ
ンジアミン三酢酸を含有しない液体洗浄剤組成物（比較
例３）は、湯垢に対する洗浄力及び泡立ち性、泡付着性
において劣っていることがわかる。又、エチレングリコ
ール系溶剤成分を含有しない液体洗浄剤組成物（比較例
５）は、湯垢に対する洗浄力において劣っていることが
わかる。

【００２２】また、Ｎ−ラウロイルエチレンジアミン三
酢酸成分を含有せず、エチレンジアミン四酢酸、クエン
酸をそれぞれ配合した液体洗浄剤組成物（比較例６、
７）は、泡立ち性、泡付着性において本発明の液体洗浄
剤と比較して劣っていることがわかる。更に、本発明の
液体洗浄剤の所定の範囲外のｐＨを示す液体洗浄剤組成
物（比較例１、２）は、被洗浄物に対する影響において
本発明の液体洗浄剤と比較して劣っていることがわか
る。

【００２３】

【発明の効果】本発明の液体洗浄剤組成物は、浴室内の
浴槽、湯桶、腰掛け、簀の子、または洗い場等に付着し
ている湯垢汚れに対して特に優れた洗浄効果を有すると
ともに、泡立ち性及び洗浄表面に対する泡の付着性の点
で優れた性能を有するものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 7/50 Ｃ１１Ｄ 7/50 17/08 17/08

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（１）式【化１】で表わされるＮ−アシルエチレンジアミン三酢酸化合物
０．５〜２０重量％、（２）界面活性剤０．１〜２０重量％、（３）式（式中、Ｒは炭素数１〜５のアルキル基、ｎは１〜５、
Ｚは水素またはメチル基を表す。）で表わされるグリコ
ール系溶剤０．１〜５０重量％、及び、（４）水残部からなり、かつｐＨが５〜１１であること
を特徴とする液体洗浄剤組成物。