JP2004059806A - 硬表面用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】被洗浄物の材質を損傷することなく、洗浄性、起泡性、すすぎ性、組成物の貯蔵安定性の全てに優れた中性の硬表面用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)特定の非イオン界面活性剤 0.1〜30質量%、(B)特定の高分子重合体 0.01〜15質量%、(C)特定の有機カルボン酸類 0.1〜20質量%、(D)水溶性溶剤 0.1〜30質量、(E)水を含有し、原液のpHが6〜8である硬表面用洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)特定の非イオン界面活性剤 0.1〜30質量%、(B)特定の高分子重合体 0.01〜15質量%、(C)特定の有機カルボン酸類 0.1〜20質量%、(D)水溶性溶剤 0.1〜30質量、(E)水を含有し、原液のpHが6〜8である硬表面用洗浄剤組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、材質への損傷が少なく、せっけんかす汚れ等の洗浄力に優れることはもとより、起泡性およびすすぎ性が改善され、組成物の貯蔵安定性にも優れた中性の硬表面用洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴室内や洗面所、台所まわりといったせっけんを使用する頻度の多い場所、特に浴室の床や壁、浴槽、洗面器、洗面台、洗面所、台所のシンク内やカウンタートップ、水道まわり等の汚れには、脂肪酸金属塩(特にアルカリ土類金属塩)、リン酸カルシウム、油脂、腐敗蛋白質等々の有機物汚れ、無機物汚れ、およびこれらの複合汚れが付着している。これらの汚れ、特に浴室内の汚れに対しては、従来から、酸性〜弱酸性の洗浄剤が用いられてきた。
【0003】
これら酸性〜弱酸性の洗浄剤としては、例えば、特開昭51−71302号公報および特開昭52−77111号公報に、有機酸、界面活性剤および水溶性溶剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。また、特開昭64−38498号公報には、界面活性剤、ヒドロキシ多価カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸類の重合体(共重合体)類および水溶性溶剤を含有し、組成物のpHが3〜6である浴室用洗浄剤組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの酸性〜弱酸性の洗浄剤では、塩素系の洗浄剤・漂白洗浄剤との併用による塩素ガス中毒事故のおそれがあること、金属、プラスチック等の被洗浄物の材質を損傷しやすいこと、また、誤って皮膚に付着した場合には炎症を起こすおそれがある等の問題がある。そこで、上記の酸性〜弱酸性の洗浄剤組成物をアルカリ剤で中和することも検討されているが、洗浄力等の性能において、満足のいくものは得られていない。
【0005】
一方、特開昭61−283700号公報には、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤およびマレイン酸系の(共)重合体を含有する、洗浄力に優れた浴室用中性洗浄剤組成物が開示されている。また、特開平1−221497号公報には、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、アミノカルボン酸類を含有する、洗浄力とケイ酸スケール付着防止性に優れた浴室用中性洗浄剤組成物が開示されている。
【0006】
ところで、一般に、手洗いによる洗浄においては、洗浄作業者は豊かな泡立ちを求める傾向にあり、起泡性を向上させるために、糖誘導体の非イオン界面活性剤であるアルキルグルコシド等を配合した洗浄剤の開発がなされている(特開平3−168298号公報、特開平7−216399号公報等)。
【0007】
しかし、起泡性に優れた洗浄剤は、ともすればすすぎ性が悪く、すすぎ時間が長く作業効率が低くなるとともに、すすぎに大量の水を要し不経済であるといった欠点を有している。このため、起泡性とともにすすぎ性を改善した洗浄剤もいくつか提案されている(特開平2−247299号公報、特開平10−8090号公報等)が、性能的には、まだまだ不充分である。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被洗浄物の材質を損傷することなく、洗浄性、起泡性、すすぎ性、組成物の貯蔵安定性の全てに優れた中性の硬表面用洗浄剤組成物の提供を、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有し、原液のpHが6〜8である硬表面用洗浄剤組成物を第1の要旨とする。
(A)アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する非イオン界面活性剤 0.1〜30質量%。
(B)アクリル酸重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の高分子重合体 0.01〜15質量%。
(C)ヒドロキシ多価カルボン酸、アミノカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の有機カルボン酸類 0.1〜20質量%。
(D)水溶性溶剤 0.1〜30質量%。
【0010】
また、本発明は、上記硬表面用洗浄剤組成物のなかでも、特に、上記(A)〜(E)成分とともに、(F)成分として、陽イオン界面活性剤を組成物全体に対し0.01〜20質量%の割合で含有する硬表面用洗浄剤組成物を第2の要旨とし、そのなかでも特に、上記(F)成分が、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートおよびトリアルキルモノメチルアンモニウムハライドから選ばれる少なくとも1種の陽イオン界面活性剤を含有するものである硬表面用洗浄剤組成物を第3の要旨とする。
【0011】
さらに、本発明は、上記硬表面用洗浄剤組成物のなかでも、特に、上記(B)成分が、アクリル酸重合体およびその塩の少なくとも一方である硬表面用洗浄剤組成物を第4の要旨とし、上記(D)成分が、グリコールエーテル系溶剤,テルペン系炭化水素溶剤,アルコールおよびピロリドン化合物から選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有するものである硬表面用洗浄剤組成物を第5の要旨とする。
【0012】
そして、本発明は、それらのなかでも、特に、浴室・浴槽用用途である硬表面用洗浄剤組成物を第6の要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
まず、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、必須成分として、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分を含有している。
【0015】
上記(A)成分としては、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する非イオン界面活性剤が用いられる。これらは、被洗浄物を洗浄する目的で配合され、汚れへの浸透および乳化分散作用を促進するものが好ましく用いられる。
【0016】
なお、上記(A)成分は、全体が、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤のみで構成されていても差し支えない。
【0017】
上記(A)成分におけるアルキルポリグルコシドは、下記の一般式(1)で示されるもので、洗浄力と起泡性の向上に寄与し、他成分を可溶化させるのにも寄与する。
【0018】
【化1】
【0019】
なお、上記アルキルポリグルコシドのなかでも、特に、可溶化性および洗浄力の点から、上記一般式(1)においてn=2〜3のものが好適に用いられる。
【0020】
また、上記(A)成分におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルは、下記の一般式(2)で示されるもので、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル,ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル,ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル,ポリオキシプロピレンアルケニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルケニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等があげられ、洗浄力および浸透性に寄与する。
【0021】
【化2】
【0022】
これらのなかでも、特に、洗浄力および浸透性の点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく用いられる。そして、上記R2 の炭素数は、洗浄力の点からは6〜24の範囲が好ましく、mは、洗浄力の点からは2〜15が好ましい。そして、経済性および洗浄力の点から、例えば、炭素数9〜16の高級アルコールのエチレンオキサイド(2〜15モル)付加物、炭素数9〜16の高級アルコールのエチレンオキサイド(2〜15モル)プロピレンオキサイド(2〜15モル)付加物等が好ましく用いられる。
【0023】
なお、上記非イオン界面活性剤の構造は、つぎのようにして求めることができる。すなわち、ガスクロマトグラフィーにて疎水基を分析し、GPCにて総分子量を求め、さらに、13C−NMR解析により、アルキレンオキサイドの付加モル数を分析することにより、上記非イオン界面活性剤の構造を解析・特定することができる。
【0024】
また、上記アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルとともに用いることのできる非イオン界面活性剤としては、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸グリセリンモノエステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキサイド等があげられる。
【0025】
そして、上記(A)成分は、本発明の硬表面用洗浄剤組成物(以下、組成物という)の組成物全体に対し、0.1〜30質量%の範囲で含有される。この量が0.1質量%未満では洗浄力に乏しく、また30質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、すすぎ性に乏しくなる。なお、洗浄力の点から、上記範囲のなかでも、1〜30質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、1〜15質量%の範囲がより好ましい。
【0026】
また、本発明の(B)成分としては、アクリル酸重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の高分子重合体が用いられる。この高分子重合体は、架橋型のものではなく、塩の形をとる場合、一部が塩の形であっても全部が塩の形であってもよい。塩の場合、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩があげられ、なかでもナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。このうち、特に、洗浄力および経済性の点から、アクリル酸重合体のナトリウム塩が好ましい。
【0027】
上記(B)成分の高分子重合体は、水溶性でキレート能を示し、洗浄力を向上させる目的で配合され、せっけんかす汚れの洗浄力の向上に寄与し、汚れを洗浄液中に分散させるとともに、再汚染を防止する効果にも寄与する。特に、本発明の(C)成分である有機カルボン酸類との併用により、相乗的に洗浄力の向上に寄与する。
【0028】
なお、上記(B)成分として用いられるアクリル酸重合体(その塩を含む)の平均分子量は、組成物の安定性の点から、1,000〜100,000の範囲が好ましく、さらに洗浄力の向上の点から、2,000〜10,000の範囲がより好ましい。
【0029】
また、上記(B)成分のアクリル酸とマレイン酸との共重合体(その塩を含む)の平均分子量は、組成物の安定性の点から、3,000〜100,000の範囲が好ましく、さらに洗浄力の向上の点から、50,000〜80,000の範囲がより好ましい。
【0030】
上記(B)成分は、組成物全体に対し、0.01〜15質量%の範囲で含有される。この量が0.01質量%未満では洗浄力の向上効果に乏しく、また15質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、高分子重合体の安定性が乏しくなる。なお、洗浄力の点から、上記範囲のなかでも、0.1〜15質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、0.1〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0031】
さらに、本発明の(C)成分には、ヒドロキシ多価カルボン酸、アミノカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の有機カルボン酸類が用いられる。有機カルボン酸の例としては、例えば、クエン酸,リンゴ酸,グルコン酸,酒石酸,グルコール酸,乳酸等があげられる。また、アミノカルボン酸の例としては、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸,ニトリロトリ酢酸,ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸,プロピレンジアミンテトラ酢酸,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸,トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸,ビス(2−ヒドロキシフェニル酢酸)エチレンジアミン,ジエンコル酸,イミノジ酢酸,ヒドロキシエチルイミノジ酢酸,メチルグリシンジ酢酸等があげられ、なかでも、洗浄力および経済性の点から、エチレンジアミンテトラ酢酸,ニトリロトリ酢酸またはそれらのナトリウム塩が好ましい。
【0032】
そして、これらが塩の形をとる場合、一部が塩の形であっても全部が塩の形であってもよい。その塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩およびアンモニウム塩があげられるが、なかでもナトリウム塩およびアンモニウム塩が好ましい。
【0033】
なお、上記(C)成分は、水溶性でキレート能を示し、洗浄力の向上に寄与し、特に、本発明の(B)成分である高分子重合体との併用により、相乗的に洗浄力の向上に寄与する。
【0034】
上記(C)成分の配合量は、組成物全体に対し、0.1〜20質量%の範囲で含有される。この量が0.1質量%未満では洗浄力の向上効果に乏しく、また20質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、組成物の貯蔵安定性が乏しくなる。なお、洗浄力の点から、上記範囲のなかでも、0.5〜20質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0035】
また、本発明の(D)成分には、グリコールエーテル系溶剤、テルペン系炭化水素溶剤、アルコールおよびピロリドン化合物から選ばれる少なくとも1種の水溶性溶剤が用いられる。
【0036】
上記グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノプロピルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のプロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールエーテル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルキレングリコール等があげられる。
【0037】
なかでも、洗浄力および経済性の点から、ジエチレングリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノフェニルエーテル,ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく用いられる。
【0038】
また、上記テルペン系炭化水素溶剤としては、植物芳香油に含まれるモノテルペン系炭化水素、セスキテルペン系炭化水素等があげられ、より具体的には、例えば、リモネン、ピネン、テルピノーレン、ミルセン、テルピネン、フェランドレン等があげられる。なかでも、洗浄力および経済性の点から、リモネンが好ましい。
【0039】
上記テルペン系炭化水素溶剤は、前記上記グリコール系溶剤と組み合わせて用いることで洗浄力が向上すると同時に、組成物における溶剤臭を緩和する目的で配合される。
【0040】
さらに、上記アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等があげられ、なかでも、洗浄力の点から、ベンジルアルコールが好ましい。それらのアルコールは、グリコールエーテル系溶剤およびテルペン系炭化水素溶剤の少なくとも一方と併用することにより、洗浄力の向上に寄与する。
【0041】
上記ピロリドン化合物としては、2−ピロリドン、3−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン等のN−アルキル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、5−エチル−2−ピロリドン、5−プロピル−2−ピロリドン等の5−アルキル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチル−3−ピロリドン、N−−エチル−3−ピロリドン、N−プロピル−3−ピロリドン等のN−アルキル−3−ピロリドン等があげられる。なかでも、洗浄力の点から、N−メチル−2−ピロリドンが好ましく用いられる。それらのピロリドン化合物は、グリコールエーテル系溶剤、テルペン系炭化水素系溶剤およびアルコールの少なくとも1種の溶剤と併用することにより、洗浄力の向上に寄与する。
【0042】
上記(D)成分は、組成物全体に対し、0.1〜30質量%の範囲で含有される。この量が0.1質量%未満では洗浄力に乏しく、また30質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、組成物の貯蔵安定性が乏しくなる。なお、洗浄力と貯蔵安定性のバランスの点から、上記範囲のなかでも、1〜15質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0043】
そして、本発明の(E)成分である水としては、純水、イオン交換水、軟水、蒸留水、水道水等があげられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。なかでも、経済性、貯蔵安定性の点から、水道水およびイオン交換水の少なくとも一方が好ましく用いられる。
【0044】
なお、上記「水」は、洗浄剤組成物を構成する各成分に由来する結晶水や水溶液の形で含まれる水と外から加えられる水との総和であり、洗浄剤組成物全体が100%となるよう配合される。
【0045】
本発明には、上記(A)〜(E)の必須成分とともに、必要に応じて、(F)成分として、陽イオン界面活性剤を含有することができる。この(F)成分は、主に無機質汚れに作用して洗浄力の向上に寄与する。
【0046】
上記(F)成分としては、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペート、トリアルキルモノメチルアンモニウムハライドから選ばれる少なくとも1種の陽イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
【0047】
上記モノアルキルトリメチルアンモニウムハライドは、下記の一般式(3)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0048】
【化3】
【0049】
また、上記アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライドは、下記の一般式(4)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0050】
【化4】
【0051】
さらに、上記ジアルキルジメチルアンモニウムハライドは、下記の一般式(5)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0052】
【化5】
【0053】
また、上記ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートは、下記の一般式(6)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、オクチルデシルジメチルアンモニウムアジペート等があげられる。
【0054】
【化6】
【0055】
さらに、上記トリアルキルモノメチルアンモニウムハライドは、下記の一般式(7)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ラウリルジデシルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0056】
【化7】
【0057】
これらのうち、洗浄力および経済性の点から、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートが好ましく、さらに経済性の点から、特に、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドが好ましい。
【0058】
上記(F)成分を配合する場合は、これを、組成物全体に対し、0.01〜20質量%の範囲で含有させることが、好適である。この量が0.01質量%未満では洗浄力の向上効果がさほど得られず、また20質量%を超えて配合しても洗浄力の向上は飽和になる上、すすぎ性に乏しくなり、また、経済的に不利となる。特に、上記範囲のなかでも、洗浄力および他の成分とのバランスなどの点から、0.05〜10質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
【0059】
本発明の硬表面用洗浄剤組成物には、上記必須成分である(A)〜(E)成分および任意成分である(F)成分に加え、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて、さらに増粘剤、香料、染料、顔料、殺菌剤、防腐剤等を配合することができる。
【0060】
そして、本発明の硬表面用洗浄剤組成物の原液は、アルカリ性を呈する物質と酸性を呈する物質を用いて、pHが6〜8の範囲内となるよう調整される。このpH域によれば、被洗浄物の材質へ悪影響を及ぼすことがなく、人体および環境への安全性を高めることができる。
【0061】
上記pHの調整に用いられるアルカリ性を呈する物質としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の苛性アルカリ、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の炭酸塩、ケイ酸ナトリウム,ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン等のアミン、アンモニア等が用いられる。また、pHの調整に用いられる酸性を呈する物質としては、塩酸,硫酸等の無機酸、クエン酸,酢酸等の有機酸等が用いられる。
【0062】
なお,上記pH調整に、(C)成分である有機カルボン酸類を用いた場合、(C)成分の配合割合が0.1〜20質量%の範囲から外れないよう配慮する必要がある。
【0063】
上記各成分を適宜配合して得られる本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、被洗浄物の材質を損傷することなく、せっけんかす等の複合汚れに対し優れた洗浄力を発揮する。そして、起泡性、すすぎ性ともに良好で、組成物の貯蔵安定性にも優れている。したがって、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、せっけんかすがつきやすい場所である、浴室、浴槽、洗面器、タイル、化粧室、洗面台、鏡、台所まわりのシンク、カウンタートップ、水道まわり等の硬表面の洗浄に好適に用いられ、その中でも特に、浴室の洗浄に好適に用いられる。
【0064】
なお、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、硬表面の汚れ度合いに応じ、原液ないしは、水またはぬるま湯で希釈して用いられる。希釈する場合、その希釈倍率は、洗浄力の点から、2〜5倍に設定することが好適である。
【0065】
また、本発明の硬表面用洗浄剤組成物を用いて硬表面を洗浄する方法としては、例えば、
(1)スポンジ等に本発明の洗浄剤組成物を含浸させ硬表面をこすり洗いした後、水ですすぐ方法、
(2)本発明の洗浄剤組成物を被洗浄面にスプレーし、しばらく放置した後、水ですすぐ方法、
(3)立面に、洗浄剤組成物を含浸させた不織布等を貼り付けてしばらく放置した後、水ですすぐ方法、
(4)タオルやダスターに洗浄剤組成物を含浸させ、汚れを拭き取った後、水を含ませたタオルで拭き取る方法、
等があげられる。
【0066】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を、比較例と併せて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0067】
後記の表1〜12に示す実施例1〜33および比較例1〜24の硬表面用洗浄剤組成物を調製し、各種試験に供した。なお、表中の各成分の数値は、各成分の含有量(質量%)である。そして、必要に応じ、アンモニア、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムといったpH調整剤を用いてpHの調整を行っているが、成分(A)〜(F)、上記pH調整剤、任意成分の和は全体で100質量%となっている。
【0068】
そして、得られた各種硬表面用洗浄剤組成物について、pH、洗浄力、すすぎ性、起泡性、材質非損傷性、貯蔵安定性の各試験項目について、以下の試験方法と判定基準により評価し、その結果を後記の表1〜12に併せて示した。
【0069】
(1)pH
pHメーター(pH METER F−12、堀場製作所社製)を用いて、JIS Z−8808:1984に従い、調製された洗浄剤組成物の原液の25℃におけるpH値を測定した。
【0070】
(2)洗浄力1:せっけんかすモデル汚れ
[せっけんかすモデル汚れの調製]
セバム5gとステアリン酸カルシウム5gと炭酸カルシウム5gをクロロホルム90gに溶解させたものを、スライドガラス(7.6cm×2.6cm)に0.05gの量だけ、均一に塗布した。これを室温で1時間乾燥させた後、180℃で1時間焼成し、室温にて放冷してテストピースとした。
[試験方法]
上記テストピースに、各洗浄剤組成物の原液3mlを滴下し、ウォッシャビリティーテスター(テスター産業社製)を用いて、スポンジ(4cm×8cm)を30往復させて洗浄力試験を行った。試験後、一定水量の水道水にて5秒間すすぎ、室温にて乾燥させた。このとき、試験前後のテストピースの重量を量り、次式を用いて、洗浄力を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄試験により除去された汚れの重量/洗浄力試験前に付着していた汚れの重量)×100
上記洗浄率の値を用い、以下の判定基準により評価した。
[判定基準]
◎:洗浄率90%以上。
○:洗浄率70%以上90%未満。
△:洗浄率50%以上70%未満。
×:洗浄率50%未満。
【0071】
(3)洗浄力2:床モデル汚れ
[床モデル汚れの調製]
JIS L 1023の8.1に規定されたカーペットの汚れ試験用標準汚染物質50g、カラーブラックMA−100(三菱化学社製カーボンブラック)2g、スピンドルオイル#1(日本石油精製社製)10g、エクゾールD−40(エクソン化学社製溶剤)38gを混合し、床モデル汚れを調製した。
上記床モデル汚れ3mlをビニル床タイル(東リ社製:ホモジニアスビニル床タイル MS−プレーン:30cm×30cm)に均一に塗布し、室温にて2日間乾燥させた後、3cm×7.5cmに切断してテストピースとした。
[試験方法]
上記テストピースに、各洗浄剤組成物の原液3mlを滴下し、ウォッシャビリティーテスター(テスター産業社製)を用いて、スポンジ(4cm×8cm)を15往復させて洗浄力試験を行った。試験後、一定水量の水道水にて5秒間すすぎ、室温にて乾燥させた。このとき、試験前後のテストピースの白度を測定し、次式を用いて、洗浄力を求めた。白度の測定には、色差計(ミノルタ社製:型式CR−331)を用いた。
洗浄率(%)=(洗浄後の白度−洗浄前の白度)/(汚れ付着前の白度−洗浄前の白度)×100
上記洗浄率の値を用い、以下の判定基準により評価した。
[判定基準]
◎:洗浄率90%以上。
○:洗浄率70%以上90%未満。
△:洗浄率50%以上70%未満。
×:洗浄率50%未満。
【0072】
(4)すすぎ性
[試験方法]
シンク(50cm×50cm×20cm)に各洗浄剤組成物の原液8mlをスプレーヤーで噴霧し、スポンジで円を描くようにこすり洗いを行った。その後、一定水量の水道水ですすいだ時の泡の消失度合いを、下記の基準により目視で判定し、すすぎ性を評価した。
[判定基準]
◎:すすぎ性が非常に良い。
○:すすぎ性が良い。
△:すすぎ性が悪い。
×:すすぎ性が非常に悪い。
【0073】
(5)起泡性
[試験方法]
各洗浄剤組成物を50mlとり、栓付きのメスシリンダー(500ml)に入れて上下に20回振った後、水平なところに静置した。静置直後の泡の体積を測定し、以下の基準で評価した。
[判定基準]
◎:泡の体積が500ml以上。
○:泡の体積が400ml以上500ml未満。
△:泡の体積が300ml以上400ml未満。
×:泡の体積が300ml未満。
【0074】
(6)材質非損傷性
[試験方法]
材質がアルミニウム(アルマイト未処理品)およびスライドガラスの2種類のテストピース(7.6cm×2.6cm)を用意した。そして、これらのテストピースを各洗浄剤組成物溶液の原液に60℃で24時間浸漬し、取り出して水道水ですすいだ後、表面の腐食性を、下記の基準により目視で判定して評価した。
[判定基準]
◎:テストピース表面に変色は認められない。
○:テストピース表面に変色が少し認められる。
△:テストピース表面に変色が認められる。
×:テストピース表面に明らかな変色とともに腐食が認められる。
【0075】
(7)貯蔵安定性1:高温安定性
[試験方法]
各組成物を、50℃に設定されたインキュベーター(ヤマト科学社製:型式IS82)に3カ月間放置し、目視で沈殿や変色、分離の有無を観察した。評価は以下の基準で行った。
[評価基準]
◎:組成物中に沈殿や変色、分離が全く見られない。
○:組成物中に沈殿や変色、分離がわずかに見られる。
△:組成物中に沈殿や変色、分離の様子がはっきり見られる。
×:組成物中に沈殿や変色、分離が著しく見られる。
【0076】
(8)貯蔵安定性2:凍結復元性
[試験方法]
各組成物を、−5℃に設定された冷凍冷蔵庫(ホシザキ社製:型式HRF−90P)に一晩配置して凍結させた後、室温で解凍するというサイクルを5回繰り返して、解凍開始から12時間経過後の様子を目視にて観察した。評価は以下の基準で行った。
[判定基準]
◎:5回の凍結/解凍後にも組成物中に沈殿や変色、分離が見られない。
○:4回の凍結/解凍後に組成物中に沈殿や変色、分離が見られないが、5回目に沈殿や変色、分離が見られる。
△:3回の凍結/解凍後には組成物中に沈殿や変色、分離が見られないが、4回目に沈殿や変色、分離が見られる。
×:3回の凍結/解凍後までに組成物中に沈殿や変色、分離が見られる。
【0077】
なお、以下の表1〜12に示した成分の詳細は以下の通りである。
*非イオン界面活性剤1−1:
アルキルポリグルコシド〔前記一般式(1)においてR1 =炭素数8〜10,n=2.5〕
*非イオン界面活性剤1−2:
アルキルポリグルコシド〔前記一般式(1)においてR1 =炭素数12〜14,n=2.4〕
*非イオン界面活性剤1−3:
アルキルポリグルコシド〔前記一般式(1)においてR1 =炭素数8〜10,n=1.6〕
*非イオン界面活性剤2−1:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数10のオキソアルコール・エチレンオキサイド8モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−2:
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔炭素数12〜14の直鎖アルコール・エチレンオキサイド15モル・プロピレンオキサイド4モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−3:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数9〜11の直鎖アルコール・エチレンオキサイド8モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−4:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数12〜14の直鎖アルコール・エチレンオキサイド10モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−5:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数18の直鎖アルコール・エチレンオキサイド10モル付加物〕
*非イオン界面活性剤3:
ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド
【0078】
*高分子重合体1−1:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量1,200
*高分子重合体1−2:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量2,500
*高分子重合体1−3:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量4,000
*高分子重合体1−4:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量8,000
*高分子重合体1−5:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量15,000
*高分子重合体1−6:
ポリアクリル酸:平均分子量6,000
*高分子重合体2−1:
アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリウム塩;平均分子量8,000
*高分子重合体2−2:
アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリウム塩;平均分子量80,000
*高分子重合体3:
マレイン酸とシクロペンテンとの共重合体のナトリウム塩;平均分子量6,000
*高分子重合体4:
ポリメタクリル酸ナトリウム;平均分子量6,500
【0079】
*水溶性溶剤1−1:
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*水溶性溶剤1−2:
プロピレングリコールモノフェニルエーテル
*水溶性溶剤1−3:
プロピレングリコールモノメチルエーテル
*水溶性溶剤1−4:
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
*水溶性溶剤1−5:
CH3 −(Eo)2 −(Po)2 −H
*水溶性溶剤1−6:
プロピレングリコール
*水溶性溶剤2:
リモネン
*水溶性溶剤3−1:
ベンジルアルコール
*水溶性溶剤3−2:
エタノール
*水溶性溶剤3−3:
3−メチル−3−メトキシブタノール
*水溶性溶剤4:
N−メチル−2−ピロリドン
【0080】
*陽イオン界面活性剤1:
塩化ベンザルコニウム〔アルキル基の炭素数12〜14〕
*陽イオン界面活性剤2:
塩化ベンザルコニウム〔アルキル基の炭素数8〜10〕
*陽イオン界面活性剤3:
ジデシルジメチルアンモニウムアジペート
*陽イオン界面活性剤4:
ジデシルジメチルアンモニウムクロライド
*陽イオン界面活性剤5:
ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド
*陽イオン界面活性剤6:
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
【0081】
*陰イオン界面活性剤:
直鎖ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム
*増粘剤1:
キサンタンガム(ケルザン)
*増粘剤2:
カルボキシビニルポリマー
*増粘剤3:
カルボキシメチルセルロース
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】
【表10】
【0092】
【表11】
【0093】
【表12】
【0094】
上記の結果から、実施例1〜33品は、洗浄力、すすぎ性、起泡性、材質非損傷性、貯蔵安定性のいずれの試験項目においても、良好な性能を示すことがわかる。
【0095】
一方、洗浄剤組成物の液性がアルカリ性である比較例1品や、組成物の液性が酸性〜弱酸性である比較例2〜6品は、洗浄力には優れるものの、材質非損傷性およびすすぎ性に劣ることがわかる。
【0096】
また、(A)成分の非イオン界面活性剤の含有量が少なすぎる比較例7品や、これを含まない比較例8品は、洗浄力、起泡性およびすすぎ性に劣ることがわかる。さらに、(A)成分の非イオン界面活性剤および(B)成分の高分子重合体を含まない比較例9、10品も、洗浄力、起泡性およびすすぎ性に劣ることがわかる。
【0097】
そして、(B)成分の高分子重合体を含まない比較例11〜15品は、洗浄力とすすぎ性に劣り、(C)成分の有機カルボン酸類を含まない比較例16品や、その含有量が少なすぎる比較例17品は、洗浄力に劣ることがわかる。また、比較例18品は、(C)成分の有機カルボン酸類を含まず、(B)成分の高分子重合体としてシクロペンテンとマレイン酸との共重合体を含む場合の例であり、すすぎ性と貯蔵安定性に劣ることがわかる。さらに、(D)成分の溶剤を含まない比較例19品や、その含有量が少なすぎる比較例20品は、洗浄力、すすぎ性および貯蔵安定性に劣ることがわかる。
【0098】
また、(A)成分の非イオン界面活性剤が30質量%を超えて配合された比較例21品は、すすぎ性および貯蔵安定性に劣ることがわかり、(B)成分の高分子重合体が15質量%を超えて配合された比較例22品は、貯蔵安定性に劣ることがわかる。(C)成分の有機カルボン酸類が20質量%を超えて配合された比較例23品は、貯蔵安定性に劣ることがわかり、(D)成分の溶剤が30質量%を超えて配合された比較例24品は、貯蔵安定性に劣ることがわかる。
【0099】
【発明の効果】
以上のように、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、特定の非イオン界面活性剤(A成分)と、特定の高分子重合体(B成分)と、特定の有機カルボン酸類(C成分)と、水溶性溶剤(D成分)と、水(E成分)とを、特定割合で含有する特殊な組成になっているため、被洗浄物の材質を損傷することなく、せっけんかす等の複合汚れに対し優れた洗浄力を発揮するという効果を奏する。そして、起泡性、すすぎ性ともに良好で、組成物の貯蔵安定性にも優れている。したがって、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、浴室・浴槽・洗面所・台所まわり等に好適に用いられ、特に浴室・浴槽の洗浄に好適に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、材質への損傷が少なく、せっけんかす汚れ等の洗浄力に優れることはもとより、起泡性およびすすぎ性が改善され、組成物の貯蔵安定性にも優れた中性の硬表面用洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴室内や洗面所、台所まわりといったせっけんを使用する頻度の多い場所、特に浴室の床や壁、浴槽、洗面器、洗面台、洗面所、台所のシンク内やカウンタートップ、水道まわり等の汚れには、脂肪酸金属塩(特にアルカリ土類金属塩)、リン酸カルシウム、油脂、腐敗蛋白質等々の有機物汚れ、無機物汚れ、およびこれらの複合汚れが付着している。これらの汚れ、特に浴室内の汚れに対しては、従来から、酸性〜弱酸性の洗浄剤が用いられてきた。
【0003】
これら酸性〜弱酸性の洗浄剤としては、例えば、特開昭51−71302号公報および特開昭52−77111号公報に、有機酸、界面活性剤および水溶性溶剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。また、特開昭64−38498号公報には、界面活性剤、ヒドロキシ多価カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸類の重合体(共重合体)類および水溶性溶剤を含有し、組成物のpHが3〜6である浴室用洗浄剤組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの酸性〜弱酸性の洗浄剤では、塩素系の洗浄剤・漂白洗浄剤との併用による塩素ガス中毒事故のおそれがあること、金属、プラスチック等の被洗浄物の材質を損傷しやすいこと、また、誤って皮膚に付着した場合には炎症を起こすおそれがある等の問題がある。そこで、上記の酸性〜弱酸性の洗浄剤組成物をアルカリ剤で中和することも検討されているが、洗浄力等の性能において、満足のいくものは得られていない。
【0005】
一方、特開昭61−283700号公報には、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤およびマレイン酸系の(共)重合体を含有する、洗浄力に優れた浴室用中性洗浄剤組成物が開示されている。また、特開平1−221497号公報には、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、アミノカルボン酸類を含有する、洗浄力とケイ酸スケール付着防止性に優れた浴室用中性洗浄剤組成物が開示されている。
【0006】
ところで、一般に、手洗いによる洗浄においては、洗浄作業者は豊かな泡立ちを求める傾向にあり、起泡性を向上させるために、糖誘導体の非イオン界面活性剤であるアルキルグルコシド等を配合した洗浄剤の開発がなされている(特開平3−168298号公報、特開平7−216399号公報等)。
【0007】
しかし、起泡性に優れた洗浄剤は、ともすればすすぎ性が悪く、すすぎ時間が長く作業効率が低くなるとともに、すすぎに大量の水を要し不経済であるといった欠点を有している。このため、起泡性とともにすすぎ性を改善した洗浄剤もいくつか提案されている(特開平2−247299号公報、特開平10−8090号公報等)が、性能的には、まだまだ不充分である。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被洗浄物の材質を損傷することなく、洗浄性、起泡性、すすぎ性、組成物の貯蔵安定性の全てに優れた中性の硬表面用洗浄剤組成物の提供を、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有し、原液のpHが6〜8である硬表面用洗浄剤組成物を第1の要旨とする。
(A)アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する非イオン界面活性剤 0.1〜30質量%。
(B)アクリル酸重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の高分子重合体 0.01〜15質量%。
(C)ヒドロキシ多価カルボン酸、アミノカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の有機カルボン酸類 0.1〜20質量%。
(D)水溶性溶剤 0.1〜30質量%。
【0010】
また、本発明は、上記硬表面用洗浄剤組成物のなかでも、特に、上記(A)〜(E)成分とともに、(F)成分として、陽イオン界面活性剤を組成物全体に対し0.01〜20質量%の割合で含有する硬表面用洗浄剤組成物を第2の要旨とし、そのなかでも特に、上記(F)成分が、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートおよびトリアルキルモノメチルアンモニウムハライドから選ばれる少なくとも1種の陽イオン界面活性剤を含有するものである硬表面用洗浄剤組成物を第3の要旨とする。
【0011】
さらに、本発明は、上記硬表面用洗浄剤組成物のなかでも、特に、上記(B)成分が、アクリル酸重合体およびその塩の少なくとも一方である硬表面用洗浄剤組成物を第4の要旨とし、上記(D)成分が、グリコールエーテル系溶剤,テルペン系炭化水素溶剤,アルコールおよびピロリドン化合物から選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有するものである硬表面用洗浄剤組成物を第5の要旨とする。
【0012】
そして、本発明は、それらのなかでも、特に、浴室・浴槽用用途である硬表面用洗浄剤組成物を第6の要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
まず、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、必須成分として、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分を含有している。
【0015】
上記(A)成分としては、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する非イオン界面活性剤が用いられる。これらは、被洗浄物を洗浄する目的で配合され、汚れへの浸透および乳化分散作用を促進するものが好ましく用いられる。
【0016】
なお、上記(A)成分は、全体が、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤のみで構成されていても差し支えない。
【0017】
上記(A)成分におけるアルキルポリグルコシドは、下記の一般式(1)で示されるもので、洗浄力と起泡性の向上に寄与し、他成分を可溶化させるのにも寄与する。
【0018】
【化1】
【0019】
なお、上記アルキルポリグルコシドのなかでも、特に、可溶化性および洗浄力の点から、上記一般式(1)においてn=2〜3のものが好適に用いられる。
【0020】
また、上記(A)成分におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルは、下記の一般式(2)で示されるもので、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル,ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル,ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル,ポリオキシプロピレンアルケニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルケニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等があげられ、洗浄力および浸透性に寄与する。
【0021】
【化2】
【0022】
これらのなかでも、特に、洗浄力および浸透性の点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく用いられる。そして、上記R2 の炭素数は、洗浄力の点からは6〜24の範囲が好ましく、mは、洗浄力の点からは2〜15が好ましい。そして、経済性および洗浄力の点から、例えば、炭素数9〜16の高級アルコールのエチレンオキサイド(2〜15モル)付加物、炭素数9〜16の高級アルコールのエチレンオキサイド(2〜15モル)プロピレンオキサイド(2〜15モル)付加物等が好ましく用いられる。
【0023】
なお、上記非イオン界面活性剤の構造は、つぎのようにして求めることができる。すなわち、ガスクロマトグラフィーにて疎水基を分析し、GPCにて総分子量を求め、さらに、13C−NMR解析により、アルキレンオキサイドの付加モル数を分析することにより、上記非イオン界面活性剤の構造を解析・特定することができる。
【0024】
また、上記アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルとともに用いることのできる非イオン界面活性剤としては、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸グリセリンモノエステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキサイド等があげられる。
【0025】
そして、上記(A)成分は、本発明の硬表面用洗浄剤組成物(以下、組成物という)の組成物全体に対し、0.1〜30質量%の範囲で含有される。この量が0.1質量%未満では洗浄力に乏しく、また30質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、すすぎ性に乏しくなる。なお、洗浄力の点から、上記範囲のなかでも、1〜30質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、1〜15質量%の範囲がより好ましい。
【0026】
また、本発明の(B)成分としては、アクリル酸重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の高分子重合体が用いられる。この高分子重合体は、架橋型のものではなく、塩の形をとる場合、一部が塩の形であっても全部が塩の形であってもよい。塩の場合、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩があげられ、なかでもナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。このうち、特に、洗浄力および経済性の点から、アクリル酸重合体のナトリウム塩が好ましい。
【0027】
上記(B)成分の高分子重合体は、水溶性でキレート能を示し、洗浄力を向上させる目的で配合され、せっけんかす汚れの洗浄力の向上に寄与し、汚れを洗浄液中に分散させるとともに、再汚染を防止する効果にも寄与する。特に、本発明の(C)成分である有機カルボン酸類との併用により、相乗的に洗浄力の向上に寄与する。
【0028】
なお、上記(B)成分として用いられるアクリル酸重合体(その塩を含む)の平均分子量は、組成物の安定性の点から、1,000〜100,000の範囲が好ましく、さらに洗浄力の向上の点から、2,000〜10,000の範囲がより好ましい。
【0029】
また、上記(B)成分のアクリル酸とマレイン酸との共重合体(その塩を含む)の平均分子量は、組成物の安定性の点から、3,000〜100,000の範囲が好ましく、さらに洗浄力の向上の点から、50,000〜80,000の範囲がより好ましい。
【0030】
上記(B)成分は、組成物全体に対し、0.01〜15質量%の範囲で含有される。この量が0.01質量%未満では洗浄力の向上効果に乏しく、また15質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、高分子重合体の安定性が乏しくなる。なお、洗浄力の点から、上記範囲のなかでも、0.1〜15質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、0.1〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0031】
さらに、本発明の(C)成分には、ヒドロキシ多価カルボン酸、アミノカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の有機カルボン酸類が用いられる。有機カルボン酸の例としては、例えば、クエン酸,リンゴ酸,グルコン酸,酒石酸,グルコール酸,乳酸等があげられる。また、アミノカルボン酸の例としては、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸,ニトリロトリ酢酸,ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸,プロピレンジアミンテトラ酢酸,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸,トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸,ビス(2−ヒドロキシフェニル酢酸)エチレンジアミン,ジエンコル酸,イミノジ酢酸,ヒドロキシエチルイミノジ酢酸,メチルグリシンジ酢酸等があげられ、なかでも、洗浄力および経済性の点から、エチレンジアミンテトラ酢酸,ニトリロトリ酢酸またはそれらのナトリウム塩が好ましい。
【0032】
そして、これらが塩の形をとる場合、一部が塩の形であっても全部が塩の形であってもよい。その塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩およびアンモニウム塩があげられるが、なかでもナトリウム塩およびアンモニウム塩が好ましい。
【0033】
なお、上記(C)成分は、水溶性でキレート能を示し、洗浄力の向上に寄与し、特に、本発明の(B)成分である高分子重合体との併用により、相乗的に洗浄力の向上に寄与する。
【0034】
上記(C)成分の配合量は、組成物全体に対し、0.1〜20質量%の範囲で含有される。この量が0.1質量%未満では洗浄力の向上効果に乏しく、また20質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、組成物の貯蔵安定性が乏しくなる。なお、洗浄力の点から、上記範囲のなかでも、0.5〜20質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0035】
また、本発明の(D)成分には、グリコールエーテル系溶剤、テルペン系炭化水素溶剤、アルコールおよびピロリドン化合物から選ばれる少なくとも1種の水溶性溶剤が用いられる。
【0036】
上記グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノプロピルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のプロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールエーテル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルキレングリコール等があげられる。
【0037】
なかでも、洗浄力および経済性の点から、ジエチレングリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノフェニルエーテル,ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく用いられる。
【0038】
また、上記テルペン系炭化水素溶剤としては、植物芳香油に含まれるモノテルペン系炭化水素、セスキテルペン系炭化水素等があげられ、より具体的には、例えば、リモネン、ピネン、テルピノーレン、ミルセン、テルピネン、フェランドレン等があげられる。なかでも、洗浄力および経済性の点から、リモネンが好ましい。
【0039】
上記テルペン系炭化水素溶剤は、前記上記グリコール系溶剤と組み合わせて用いることで洗浄力が向上すると同時に、組成物における溶剤臭を緩和する目的で配合される。
【0040】
さらに、上記アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等があげられ、なかでも、洗浄力の点から、ベンジルアルコールが好ましい。それらのアルコールは、グリコールエーテル系溶剤およびテルペン系炭化水素溶剤の少なくとも一方と併用することにより、洗浄力の向上に寄与する。
【0041】
上記ピロリドン化合物としては、2−ピロリドン、3−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン等のN−アルキル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、5−エチル−2−ピロリドン、5−プロピル−2−ピロリドン等の5−アルキル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチル−3−ピロリドン、N−−エチル−3−ピロリドン、N−プロピル−3−ピロリドン等のN−アルキル−3−ピロリドン等があげられる。なかでも、洗浄力の点から、N−メチル−2−ピロリドンが好ましく用いられる。それらのピロリドン化合物は、グリコールエーテル系溶剤、テルペン系炭化水素系溶剤およびアルコールの少なくとも1種の溶剤と併用することにより、洗浄力の向上に寄与する。
【0042】
上記(D)成分は、組成物全体に対し、0.1〜30質量%の範囲で含有される。この量が0.1質量%未満では洗浄力に乏しく、また30質量%を超えて配合しても、洗浄力の向上は飽和となり、むしろ経済的に不利となる上、組成物の貯蔵安定性が乏しくなる。なお、洗浄力と貯蔵安定性のバランスの点から、上記範囲のなかでも、1〜15質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0043】
そして、本発明の(E)成分である水としては、純水、イオン交換水、軟水、蒸留水、水道水等があげられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。なかでも、経済性、貯蔵安定性の点から、水道水およびイオン交換水の少なくとも一方が好ましく用いられる。
【0044】
なお、上記「水」は、洗浄剤組成物を構成する各成分に由来する結晶水や水溶液の形で含まれる水と外から加えられる水との総和であり、洗浄剤組成物全体が100%となるよう配合される。
【0045】
本発明には、上記(A)〜(E)の必須成分とともに、必要に応じて、(F)成分として、陽イオン界面活性剤を含有することができる。この(F)成分は、主に無機質汚れに作用して洗浄力の向上に寄与する。
【0046】
上記(F)成分としては、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペート、トリアルキルモノメチルアンモニウムハライドから選ばれる少なくとも1種の陽イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
【0047】
上記モノアルキルトリメチルアンモニウムハライドは、下記の一般式(3)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0048】
【化3】
【0049】
また、上記アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライドは、下記の一般式(4)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0050】
【化4】
【0051】
さらに、上記ジアルキルジメチルアンモニウムハライドは、下記の一般式(5)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0052】
【化5】
【0053】
また、上記ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートは、下記の一般式(6)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、オクチルデシルジメチルアンモニウムアジペート等があげられる。
【0054】
【化6】
【0055】
さらに、上記トリアルキルモノメチルアンモニウムハライドは、下記の一般式(7)で示すことができ、具体的な例としては、例えば、ラウリルジデシルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0056】
【化7】
【0057】
これらのうち、洗浄力および経済性の点から、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートが好ましく、さらに経済性の点から、特に、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドが好ましい。
【0058】
上記(F)成分を配合する場合は、これを、組成物全体に対し、0.01〜20質量%の範囲で含有させることが、好適である。この量が0.01質量%未満では洗浄力の向上効果がさほど得られず、また20質量%を超えて配合しても洗浄力の向上は飽和になる上、すすぎ性に乏しくなり、また、経済的に不利となる。特に、上記範囲のなかでも、洗浄力および他の成分とのバランスなどの点から、0.05〜10質量%の範囲が好ましく、さらに経済性の点から0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
【0059】
本発明の硬表面用洗浄剤組成物には、上記必須成分である(A)〜(E)成分および任意成分である(F)成分に加え、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて、さらに増粘剤、香料、染料、顔料、殺菌剤、防腐剤等を配合することができる。
【0060】
そして、本発明の硬表面用洗浄剤組成物の原液は、アルカリ性を呈する物質と酸性を呈する物質を用いて、pHが6〜8の範囲内となるよう調整される。このpH域によれば、被洗浄物の材質へ悪影響を及ぼすことがなく、人体および環境への安全性を高めることができる。
【0061】
上記pHの調整に用いられるアルカリ性を呈する物質としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の苛性アルカリ、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の炭酸塩、ケイ酸ナトリウム,ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン等のアミン、アンモニア等が用いられる。また、pHの調整に用いられる酸性を呈する物質としては、塩酸,硫酸等の無機酸、クエン酸,酢酸等の有機酸等が用いられる。
【0062】
なお,上記pH調整に、(C)成分である有機カルボン酸類を用いた場合、(C)成分の配合割合が0.1〜20質量%の範囲から外れないよう配慮する必要がある。
【0063】
上記各成分を適宜配合して得られる本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、被洗浄物の材質を損傷することなく、せっけんかす等の複合汚れに対し優れた洗浄力を発揮する。そして、起泡性、すすぎ性ともに良好で、組成物の貯蔵安定性にも優れている。したがって、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、せっけんかすがつきやすい場所である、浴室、浴槽、洗面器、タイル、化粧室、洗面台、鏡、台所まわりのシンク、カウンタートップ、水道まわり等の硬表面の洗浄に好適に用いられ、その中でも特に、浴室の洗浄に好適に用いられる。
【0064】
なお、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、硬表面の汚れ度合いに応じ、原液ないしは、水またはぬるま湯で希釈して用いられる。希釈する場合、その希釈倍率は、洗浄力の点から、2〜5倍に設定することが好適である。
【0065】
また、本発明の硬表面用洗浄剤組成物を用いて硬表面を洗浄する方法としては、例えば、
(1)スポンジ等に本発明の洗浄剤組成物を含浸させ硬表面をこすり洗いした後、水ですすぐ方法、
(2)本発明の洗浄剤組成物を被洗浄面にスプレーし、しばらく放置した後、水ですすぐ方法、
(3)立面に、洗浄剤組成物を含浸させた不織布等を貼り付けてしばらく放置した後、水ですすぐ方法、
(4)タオルやダスターに洗浄剤組成物を含浸させ、汚れを拭き取った後、水を含ませたタオルで拭き取る方法、
等があげられる。
【0066】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を、比較例と併せて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0067】
後記の表1〜12に示す実施例1〜33および比較例1〜24の硬表面用洗浄剤組成物を調製し、各種試験に供した。なお、表中の各成分の数値は、各成分の含有量(質量%)である。そして、必要に応じ、アンモニア、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムといったpH調整剤を用いてpHの調整を行っているが、成分(A)〜(F)、上記pH調整剤、任意成分の和は全体で100質量%となっている。
【0068】
そして、得られた各種硬表面用洗浄剤組成物について、pH、洗浄力、すすぎ性、起泡性、材質非損傷性、貯蔵安定性の各試験項目について、以下の試験方法と判定基準により評価し、その結果を後記の表1〜12に併せて示した。
【0069】
(1)pH
pHメーター(pH METER F−12、堀場製作所社製)を用いて、JIS Z−8808:1984に従い、調製された洗浄剤組成物の原液の25℃におけるpH値を測定した。
【0070】
(2)洗浄力1:せっけんかすモデル汚れ
[せっけんかすモデル汚れの調製]
セバム5gとステアリン酸カルシウム5gと炭酸カルシウム5gをクロロホルム90gに溶解させたものを、スライドガラス(7.6cm×2.6cm)に0.05gの量だけ、均一に塗布した。これを室温で1時間乾燥させた後、180℃で1時間焼成し、室温にて放冷してテストピースとした。
[試験方法]
上記テストピースに、各洗浄剤組成物の原液3mlを滴下し、ウォッシャビリティーテスター(テスター産業社製)を用いて、スポンジ(4cm×8cm)を30往復させて洗浄力試験を行った。試験後、一定水量の水道水にて5秒間すすぎ、室温にて乾燥させた。このとき、試験前後のテストピースの重量を量り、次式を用いて、洗浄力を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄試験により除去された汚れの重量/洗浄力試験前に付着していた汚れの重量)×100
上記洗浄率の値を用い、以下の判定基準により評価した。
[判定基準]
◎:洗浄率90%以上。
○:洗浄率70%以上90%未満。
△:洗浄率50%以上70%未満。
×:洗浄率50%未満。
【0071】
(3)洗浄力2:床モデル汚れ
[床モデル汚れの調製]
JIS L 1023の8.1に規定されたカーペットの汚れ試験用標準汚染物質50g、カラーブラックMA−100(三菱化学社製カーボンブラック)2g、スピンドルオイル#1(日本石油精製社製)10g、エクゾールD−40(エクソン化学社製溶剤)38gを混合し、床モデル汚れを調製した。
上記床モデル汚れ3mlをビニル床タイル(東リ社製:ホモジニアスビニル床タイル MS−プレーン:30cm×30cm)に均一に塗布し、室温にて2日間乾燥させた後、3cm×7.5cmに切断してテストピースとした。
[試験方法]
上記テストピースに、各洗浄剤組成物の原液3mlを滴下し、ウォッシャビリティーテスター(テスター産業社製)を用いて、スポンジ(4cm×8cm)を15往復させて洗浄力試験を行った。試験後、一定水量の水道水にて5秒間すすぎ、室温にて乾燥させた。このとき、試験前後のテストピースの白度を測定し、次式を用いて、洗浄力を求めた。白度の測定には、色差計(ミノルタ社製:型式CR−331)を用いた。
洗浄率(%)=(洗浄後の白度−洗浄前の白度)/(汚れ付着前の白度−洗浄前の白度)×100
上記洗浄率の値を用い、以下の判定基準により評価した。
[判定基準]
◎:洗浄率90%以上。
○:洗浄率70%以上90%未満。
△:洗浄率50%以上70%未満。
×:洗浄率50%未満。
【0072】
(4)すすぎ性
[試験方法]
シンク(50cm×50cm×20cm)に各洗浄剤組成物の原液8mlをスプレーヤーで噴霧し、スポンジで円を描くようにこすり洗いを行った。その後、一定水量の水道水ですすいだ時の泡の消失度合いを、下記の基準により目視で判定し、すすぎ性を評価した。
[判定基準]
◎:すすぎ性が非常に良い。
○:すすぎ性が良い。
△:すすぎ性が悪い。
×:すすぎ性が非常に悪い。
【0073】
(5)起泡性
[試験方法]
各洗浄剤組成物を50mlとり、栓付きのメスシリンダー(500ml)に入れて上下に20回振った後、水平なところに静置した。静置直後の泡の体積を測定し、以下の基準で評価した。
[判定基準]
◎:泡の体積が500ml以上。
○:泡の体積が400ml以上500ml未満。
△:泡の体積が300ml以上400ml未満。
×:泡の体積が300ml未満。
【0074】
(6)材質非損傷性
[試験方法]
材質がアルミニウム(アルマイト未処理品)およびスライドガラスの2種類のテストピース(7.6cm×2.6cm)を用意した。そして、これらのテストピースを各洗浄剤組成物溶液の原液に60℃で24時間浸漬し、取り出して水道水ですすいだ後、表面の腐食性を、下記の基準により目視で判定して評価した。
[判定基準]
◎:テストピース表面に変色は認められない。
○:テストピース表面に変色が少し認められる。
△:テストピース表面に変色が認められる。
×:テストピース表面に明らかな変色とともに腐食が認められる。
【0075】
(7)貯蔵安定性1:高温安定性
[試験方法]
各組成物を、50℃に設定されたインキュベーター(ヤマト科学社製:型式IS82)に3カ月間放置し、目視で沈殿や変色、分離の有無を観察した。評価は以下の基準で行った。
[評価基準]
◎:組成物中に沈殿や変色、分離が全く見られない。
○:組成物中に沈殿や変色、分離がわずかに見られる。
△:組成物中に沈殿や変色、分離の様子がはっきり見られる。
×:組成物中に沈殿や変色、分離が著しく見られる。
【0076】
(8)貯蔵安定性2:凍結復元性
[試験方法]
各組成物を、−5℃に設定された冷凍冷蔵庫(ホシザキ社製:型式HRF−90P)に一晩配置して凍結させた後、室温で解凍するというサイクルを5回繰り返して、解凍開始から12時間経過後の様子を目視にて観察した。評価は以下の基準で行った。
[判定基準]
◎:5回の凍結/解凍後にも組成物中に沈殿や変色、分離が見られない。
○:4回の凍結/解凍後に組成物中に沈殿や変色、分離が見られないが、5回目に沈殿や変色、分離が見られる。
△:3回の凍結/解凍後には組成物中に沈殿や変色、分離が見られないが、4回目に沈殿や変色、分離が見られる。
×:3回の凍結/解凍後までに組成物中に沈殿や変色、分離が見られる。
【0077】
なお、以下の表1〜12に示した成分の詳細は以下の通りである。
*非イオン界面活性剤1−1:
アルキルポリグルコシド〔前記一般式(1)においてR1 =炭素数8〜10,n=2.5〕
*非イオン界面活性剤1−2:
アルキルポリグルコシド〔前記一般式(1)においてR1 =炭素数12〜14,n=2.4〕
*非イオン界面活性剤1−3:
アルキルポリグルコシド〔前記一般式(1)においてR1 =炭素数8〜10,n=1.6〕
*非イオン界面活性剤2−1:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数10のオキソアルコール・エチレンオキサイド8モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−2:
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔炭素数12〜14の直鎖アルコール・エチレンオキサイド15モル・プロピレンオキサイド4モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−3:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数9〜11の直鎖アルコール・エチレンオキサイド8モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−4:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数12〜14の直鎖アルコール・エチレンオキサイド10モル付加物〕
*非イオン界面活性剤2−5:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔炭素数18の直鎖アルコール・エチレンオキサイド10モル付加物〕
*非イオン界面活性剤3:
ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド
【0078】
*高分子重合体1−1:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量1,200
*高分子重合体1−2:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量2,500
*高分子重合体1−3:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量4,000
*高分子重合体1−4:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量8,000
*高分子重合体1−5:
ポリアクリル酸ナトリウム;平均分子量15,000
*高分子重合体1−6:
ポリアクリル酸:平均分子量6,000
*高分子重合体2−1:
アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリウム塩;平均分子量8,000
*高分子重合体2−2:
アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリウム塩;平均分子量80,000
*高分子重合体3:
マレイン酸とシクロペンテンとの共重合体のナトリウム塩;平均分子量6,000
*高分子重合体4:
ポリメタクリル酸ナトリウム;平均分子量6,500
【0079】
*水溶性溶剤1−1:
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
*水溶性溶剤1−2:
プロピレングリコールモノフェニルエーテル
*水溶性溶剤1−3:
プロピレングリコールモノメチルエーテル
*水溶性溶剤1−4:
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
*水溶性溶剤1−5:
CH3 −(Eo)2 −(Po)2 −H
*水溶性溶剤1−6:
プロピレングリコール
*水溶性溶剤2:
リモネン
*水溶性溶剤3−1:
ベンジルアルコール
*水溶性溶剤3−2:
エタノール
*水溶性溶剤3−3:
3−メチル−3−メトキシブタノール
*水溶性溶剤4:
N−メチル−2−ピロリドン
【0080】
*陽イオン界面活性剤1:
塩化ベンザルコニウム〔アルキル基の炭素数12〜14〕
*陽イオン界面活性剤2:
塩化ベンザルコニウム〔アルキル基の炭素数8〜10〕
*陽イオン界面活性剤3:
ジデシルジメチルアンモニウムアジペート
*陽イオン界面活性剤4:
ジデシルジメチルアンモニウムクロライド
*陽イオン界面活性剤5:
ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド
*陽イオン界面活性剤6:
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
【0081】
*陰イオン界面活性剤:
直鎖ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム
*増粘剤1:
キサンタンガム(ケルザン)
*増粘剤2:
カルボキシビニルポリマー
*増粘剤3:
カルボキシメチルセルロース
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】
【表10】
【0092】
【表11】
【0093】
【表12】
【0094】
上記の結果から、実施例1〜33品は、洗浄力、すすぎ性、起泡性、材質非損傷性、貯蔵安定性のいずれの試験項目においても、良好な性能を示すことがわかる。
【0095】
一方、洗浄剤組成物の液性がアルカリ性である比較例1品や、組成物の液性が酸性〜弱酸性である比較例2〜6品は、洗浄力には優れるものの、材質非損傷性およびすすぎ性に劣ることがわかる。
【0096】
また、(A)成分の非イオン界面活性剤の含有量が少なすぎる比較例7品や、これを含まない比較例8品は、洗浄力、起泡性およびすすぎ性に劣ることがわかる。さらに、(A)成分の非イオン界面活性剤および(B)成分の高分子重合体を含まない比較例9、10品も、洗浄力、起泡性およびすすぎ性に劣ることがわかる。
【0097】
そして、(B)成分の高分子重合体を含まない比較例11〜15品は、洗浄力とすすぎ性に劣り、(C)成分の有機カルボン酸類を含まない比較例16品や、その含有量が少なすぎる比較例17品は、洗浄力に劣ることがわかる。また、比較例18品は、(C)成分の有機カルボン酸類を含まず、(B)成分の高分子重合体としてシクロペンテンとマレイン酸との共重合体を含む場合の例であり、すすぎ性と貯蔵安定性に劣ることがわかる。さらに、(D)成分の溶剤を含まない比較例19品や、その含有量が少なすぎる比較例20品は、洗浄力、すすぎ性および貯蔵安定性に劣ることがわかる。
【0098】
また、(A)成分の非イオン界面活性剤が30質量%を超えて配合された比較例21品は、すすぎ性および貯蔵安定性に劣ることがわかり、(B)成分の高分子重合体が15質量%を超えて配合された比較例22品は、貯蔵安定性に劣ることがわかる。(C)成分の有機カルボン酸類が20質量%を超えて配合された比較例23品は、貯蔵安定性に劣ることがわかり、(D)成分の溶剤が30質量%を超えて配合された比較例24品は、貯蔵安定性に劣ることがわかる。
【0099】
【発明の効果】
以上のように、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、特定の非イオン界面活性剤(A成分)と、特定の高分子重合体(B成分)と、特定の有機カルボン酸類(C成分)と、水溶性溶剤(D成分)と、水(E成分)とを、特定割合で含有する特殊な組成になっているため、被洗浄物の材質を損傷することなく、せっけんかす等の複合汚れに対し優れた洗浄力を発揮するという効果を奏する。そして、起泡性、すすぎ性ともに良好で、組成物の貯蔵安定性にも優れている。したがって、本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、浴室・浴槽・洗面所・台所まわり等に好適に用いられ、特に浴室・浴槽の洗浄に好適に用いることができる。
Claims (6)
- 下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有し、原液のpHが6〜8であることを特徴とする硬表面用洗浄剤組成物。
(A)アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する非イオン界面活性剤 0.1〜30質量%。
(B)アクリル酸重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の高分子重合体 0.01〜15質量%。
(C)ヒドロキシ多価カルボン酸、アミノカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の有機カルボン酸類 0.1〜20質量%。
(D)水溶性溶剤 0.1〜30質量%。 - 上記(A)〜(E)成分とともに、(F)成分として、陽イオン界面活性剤を組成物全体に対し0.01〜20質量%の割合で含有する請求項1記載の硬表面用洗浄剤組成物。
- 上記(F)成分が、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムアジペートおよびトリアルキルモノメチルアンモニウムハライドから選ばれる少なくとも1種の陽イオン界面活性剤を含有するものである請求項2記載の硬表面用洗浄剤組成物。
- 上記(B)成分が、アクリル酸重合体およびその塩の少なくとも一方である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬表面用洗浄剤組成物。
- 上記(D)成分が、グリコールエーテル系溶剤,テルペン系炭化水素溶剤,アルコールおよびピロリドン化合物から選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有するものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬表面用洗浄剤組成物。
- 浴室・浴槽用用途である請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬表面用洗浄剤組成物。
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