JPH09233145A - 無線装置 - Google Patents

無線装置

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JPH09233145A
JPH09233145A JP8033553A JP3355396A JPH09233145A JP H09233145 A JPH09233145 A JP H09233145A JP 8033553 A JP8033553 A JP 8033553A JP 3355396 A JP3355396 A JP 3355396A JP H09233145 A JPH09233145 A JP H09233145A
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phase
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優 椛島
Yuji Kaneko
祐司 金子
Okiyuki Takada
興志 高田
Yukihiro Moriyama
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
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    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • H04B2001/0408Circuits with power amplifiers
    • H04B2001/0425Circuits with power amplifiers with linearisation using predistortion

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相ずれをなくして正確な歪補償処理を行え
るようにする。 【解決手段】 プリディストーション処理に先立ち、位
相差補正演算/制御部102の位相差測定部24eは、
変調信号と復調信号の位相差dθを測定し、位相差補正
部102bは該位相差が零となるように変調信号に位相
差補正処理を施す。すなわち、位相差補正部24hは位
相差dθに応じた位相差補正係数をメモリより求め、該
位相差補正係数を用いて位相差dθが零となるように変
調信号に位相差補正処理を施す。あるいは、プリディス
トーション処理に先立ち、位相差補正演算/制御部10
2の位相差測定部24eは変調信号と復調信号の位相差
dθを測定し、位相シフト量制御部24iは位相差dθ
が零となるように直交変調器あるいは直交検波器に加え
る基準搬送波の位相をシフトする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線装置に係わり、
特に送信電力増幅器の増幅特性を直線化して非線形歪を
抑え、隣接チャネル漏洩電力を低減する歪補償機能を備
えた無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年周波数資源が逼迫し、無線通信に於
いてディジタル化による高能率伝送が多く用いられるよ
うになってきた。無線通信に多値振幅変調方式を適用す
る場合、送信側特に電力増幅器の増幅特性を直線化して
非線型歪みを抑え、隣接チャネル漏洩電力を低減する技
術が重要であり、また線型性に劣る増幅器を使用し電力
効率の向上を図る場合はそれによる歪発生を補償する技
術が必須である。
【0003】図23は従来の無線機における送信装置一
例のブロック図であり、音声CODEC(Coder/Decode
r)1から送出されるデジタルデータ群は、TDMA部2
においてバースト処理及びI信号とQ信号に分離処理さ
れ、割り当てられたタイムスロットにおいてDA変換器
に出力される。DA変換器3はそれをアナログのベース
バンド信号に変換して直交変調器4に入力する。直交変
調器4は入力されたI信号、Q信号(送信ベースバンド
信号)にそれぞれ基準搬送波とこれを900移相した信
号を乗算し、乗算結果を加算することにより直交変換を
行って出力する。周波数変換器5は直交変調信号と局部
発振信号をミキシングして周波数変換し、送信電力増幅
器6は周波数変換器5から出力された搬送波を電力増幅
して空中線(アンテナ)7より空中に放射する。
【0004】かかる送信装置において、送信電力増幅器
の入出力特性は図24(a)の点線で示すように非直線
性になる。この非直線特性により非線形歪が発生し、送
信周波数f0周辺の周波数スペクトラムは図24(b)
の点線に示すようにサイドローブが持ち上がり、隣接チ
ャネルに漏洩し、隣接妨害を生じる。このため、歪発生
を補償する歪補償技術としてLINC(Linear Amplifi
cation By Combination Of C-Class Amplification)、フ
ィードフォワード方式、アナログカルテシアン方式、ポ
ーラループ方式、非線型素子によるプリディストーショ
ン方式等のアナログの歪補償方式が多種提案されてい
る。しかしながら、これら方式は、歪改善性能を向上さ
せるために帰還ゲインを多くすると帯域雑音が増加した
り、位相調整が難しいという欠点を有していた。
【0005】このような現状に於いて、近年LSI技術
の進歩により信号処理プロセッサー(DSP:Digital S
ignal Processor)の処理速度が格段に向上して来たた
めに、ディジタル信号処理技術により歪補償する方式が
現実のものとなってきた。ディジタル非線形歪補償方式
としては、ビクトリア大学(オーストラリア)で提唱さ
れたAdaptive Linearisation using pre-distortion (M
ichael Fsulkner & Mats Johanson; "Adaptive Lineari
sation using pre-distortion-Experimental Results",
IEEE TRANSACTION ON VEHICULAR TECHNOLOGY, VOL.NO
2. MAY 1994)等多くの論文が発表されており、理論とし
ては周知なものとなっている。このディジタル方式が実
用化されれば前述アナログ方式の欠点が解決されること
になる。
【0006】図25はDSPを用いたデジタル非線形歪
補償機能を備えた送信装置のブロック図である。音声C
ODEC1から送出されるデジタルデータ群(変調信
号)は、TDMA部2においてバースト処理され、割り
当てられたタイムスロットにおいてDSPで構成される
演算/制御部8に入力される。演算/制御部8は機能的
に図26に示すように、変調信号のレベル0〜1023
に応じた歪補償係数h(pi)(i=0〜1023)を記憶する歪補償
係数記憶部8a、変調信号レベルに応じた歪補償係数h
(pi)を用いて該変調信号に歪補償処理(プリディストー
ション)をほどこすプリディストーション8b、変調信
号と後述する直交検波器で復調された復調信号を比較
し、その差が零となるように歪補償係数h(pi)を演算、
更新する歪補償係数演算部8cを備えている。
【0007】演算/制御部8は変調信号のレベルに応じ
た歪補償係数h(pi)を用いて該変調信号にプリディスト
ーション処理を施し、I信号とQ信号に変換してDA変
換器3に入力する。DA変換器3は入力されたI信号と
Q信号をアナログのベースバンド信号に変換して直交変
調器4に入力する。直交変調器4は入力されたI信号、
Q信号にそれぞれ基準搬送波とこれを900移相した信
号を乗算し、乗算結果を加算することにより直交変換を
行って出力する。周波数変換器5は直交変調信号と局部
発振信号をミキシングして周波数変換し、送信電力増幅
器6は周波数変換器5から出力された搬送波信号を電力
増幅して空中線(アンテナ)7より空中に放射する。送
信信号の一部は方向性結合器9を介して周波数変換器1
0に入力され、ここで周波数変換されて直交検波器11
に入力される。直交検波器11は入力信号にそれぞれ基
準搬送波とこれを900移相した信号を乗算して直交検
波を行い、送信側におけるベースバンドのI、Q信号を
再現してAD変換器12に入力する。AD変換器12は
入力されたI,Q信号をデジタルに変換して演算/制御
部8に入力する。演算/制御部8はLMS(Least Mean
Square)法を用いた適応アルゴリズムにより変調信号と
直交検波器で復調された復調信号を比較し、その差が零
となるように歪補償係数h(pi)を演算、更新する。つい
で、次の送信すべき変調信号に更新した歪補償係数を用
いてプリディストーション処理を施して出力する。以
後、上記動作を繰り返すことにより、送信電力増幅器の
非線形歪を抑えて隣接チャネル漏洩電力を低減する。
【0008】図27は適応アルゴリズムによる歪補償処
理の説明図である。15aは変調信号(入力ベースバン
ド信号)x(t)に歪補償係数h(p)を乗算する乗算器、1
5bは歪関数f(p)を有する送信電力増幅器、15cは
送信電力増幅器からの出力信号y(t)を帰還する帰還
系、15dは変調信号x(t)のパワーp(=x(t)2)を
演算する演算部、15eは変調信号x(t)の各パワーに
応じた歪補償係数を記憶すると共に、現変調信号x(t)
のパワーに応じた歪補償係数を出力する歪補償係数記憶
部、15fは共役複素信号出力部、15gは変調信号x
(t)と帰還復調信号y(t)の差e(t)を出力する減算器、
15g,15hは乗算器、15iはステップサイズパラ
メータμを乗算する乗算器である。
【0009】かかる構成により、以下に示す演算が行わ
れる。 hn(p)=hn-1(p)+μe(t)u*(t) e(t)=x(t)−y(t) y(t)=hn-1(p)x(t)f(p) u(t)=x(t)f(p)=h* n-1(p)y(t) P=|x(t)|2 ただし、x,y,f,h,u,eは複素数、*は共役複
素数である。上記演算処理を行うことにより、変調信号
x(t)と帰還復調信号y(t)の差e(t)が最小となるよう
にh(p)が更新され、最終的に最適の歪補償係数値に収束
し、送信電力増幅器の歪が補償される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、デジタ
ル非線形歪補償方式は、変調信号により直交変調して得
られる搬送波を帰還検波し、変調信号(送信ベースバン
ド信号)と帰還信号(帰還ベースバンド信号)の振幅を
ディジタル変換して比較し、比較結果に基づいて歪補償
係数をリアルタイムに更新するという原理である。とこ
ろで、送信系や帰還系での伝送路の長さやデバイスによ
って帰還されたベースバンド信号は、送信ベースバンド
信号に対して位相のずれが生じる。かかる位相ずれが存
在すると、本来の歪補償が正確に行われなくなる。かか
る位相ずれをなくす方法として、位相のずれ分を途中の
伝送路の長さを変えることにより補う方法がある。しか
し、この方法は回路実装位置や周波数によって位相のず
れが変化するため実用的ではない。
【0011】以上から、本発明の目的は、位相ずれをな
くして正確な歪補償処理を行える無線装置を提供するこ
とである。本発明の別の目的は、位相ずれを測定し、該
位相ずれが零となるように位相差補正処理を施すことに
より回路実装位置や周波数に関係なく位相ずれをなくす
ことができる無線装置を提供することである。本発明の
別の目的は、演算/制御部の負担をかけずに位相差測
定、位相差補正処理ができる無線装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1(a),(b)は本
発明の原理説明図である。101はプリディストーショ
ン演算/制御部であり、変調信号のレベルに応じた歪
補償係数h(pi)を用いて該変調信号にプリディストーシ
ョン処理を施し、I信号とQ信号に変換して出力すると
共に、直交検波器で復調された復調信号と変調信号を
比較し、その差が零となるように演算して歪補償係数h
(pi)を更新する。102は位相差補正演算/制御部であ
り、変調信号(送信ベースバンド信号)と復調信号(帰
還ベースバンド信号)の位相差を測定し、該位相差が零
となるように位相差補正処理を実行する。24eは変調
信号と復調信号の位相差を測定する位相差測定部、24
hは位相差が零となるように変調信号に位相差補正処理
を施す位相差補正部、24iは直交変調器あるいは直交
検波器の基準搬送波の位相をシフトして位相差を零にす
る位相シフト量制御部である。
【0013】図1(a)において、プリディストーショ
ン処理に先立ち、位相差補正演算/制御部102の位相
差測定部24eは、変調信号と復調信号の位相差dθを
測定し、位相差補正部24hは該位相差が零となるよう
に変調信号に位相差補正処理を施す。すなわち、位相差
補正部24hは位相差dθに応じた位相差補正係数をメ
モリ(図示せず)より求め、該位相差補正係数を用いて
位相差dθが零となるように変調信号に位相差補正処理
を施す。この結果、位相ずれをなくして正確な歪補償処
理を行うことができ、しかも、回路実装位置や周波数に
関係なく位相差をなくすことができる。更に、歪補償処
理に先立って位相差を測定し、該位相差が零なるように
位相差補正係数を求め、歪補償処理により得られた変調
信号に該位相差補正係数を用いて位相差補正処理を施す
ことにより、常時位相差測定を行わなくても良く、演算
/制御部の負担をかけずに位相差測定、位相差補正処理
ができる。
【0014】又、測定された位相差あるいは該位相差に
応じた位相差補正係数を不揮発性記憶手段(図示せず)
あるいはバッテリーバックアップされた記憶手段に記憶
し、次回から位相差補正部24hは、該記憶されている
位相差に応じた位相差補正係数を用いて位相差補正処理
を実行する。このようにすれば、位相差測定をすること
なく直ちに歪補償処理を開始し、かつ、位相差を補正す
ることができる。又、変調信号の振幅毎に、位相差と位
相差補正係数の対応をメモリに記憶し、位相差測定部2
4eは変調信号の振幅レベル毎に位相差dθを測定し、
位相差補正部24hは変調信号の振幅に応じた位相差d
θに対応する位相差補正係数を用いて変調信号に位相差
補正処理を施す、このようにすれば、より正確な位相差
補正処理が可能となる。更に、位相差測定部24eはタ
イムスロットのバースト期間の前に置かれるプリアンブ
ル期間において、位相差測定処理を実行することによ
り、速やかに本来の歪補償処理が行えるようになる。
【0015】図1(b)において、プリディストーショ
ン処理に先立ち、位相差補正演算/制御部102の位相
差測定部24eは変調信号と復調信号の位相差dθを測
定し、位相シフト量制御部24iは位相差dθが零とな
るように直交変調器あるいは直交検波器に加える基準搬
送波の位相をシフトする。この結果、位相ずれをなくし
て正確な歪補償処理を行うことができ、しかも、回路実
装位置や周波数に関係なく位相ずれをなくすことができ
る。又、位相差が零となるシフト量を不揮発性記憶手段
(図示せず)あるいはバッテリーバックアップされた記
憶手段に記憶し、次回から、位相シフト量制御部24i
は該記憶されているシフト量を用いて直交変調器あるい
は直交検波器に加える基準搬送波の位相をシフトする。
このようにすれば、位相差測定をすることなく直ちに歪
補償処理を開始し、かつ、位相差を補正することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例 (a)全体の構成 図2は第1実施例の無線装置の構成図である。図中、2
1は音声アナログ信号をデジタルデータに変換するCO
DEC、22は割り当てられたタイムスロット以前の所
定のタイミングでバーストデータを出力するTDMA
部、23は該バーストデータを記憶する入力バッファメ
モリ(RAM)、24はDSP等で構成される演算/制
御部であり、プリディストーション演算/制御部101
及び位相差補正演算/制御部102を有している。プリ
ディストーション演算/制御部101は、変調信号の
レベルに応じた歪補償係数h(pi)を用いて該変調信号に
プリディストーション処理を施し、I信号とQ信号に変
換して出力すると共に、直交検波器で復調された復調
信号と変調信号を比較し、その差が零となるように演算
して歪補償係数h(pi)を更新する。位相差補正演算/制
御部102は変調信号(送信ベースバンド信号)と復調
信号(帰還ベースバンド信号)の位相差を測定し、該位
相差が零となるように位相差補正処理を実行する。
【0017】25aは予め送信電力増幅器等の歪特性を
補償するための歪補償係数を記憶するE2PROM等の
不揮発性メモリ、25bはバッテリーバックアップされ
たRAM、25cは各種パラメータ等を記憶するRO
M、26はプリディストーション処理及び位相差補正処
理を施されたI信号とQ信号を記憶する出力バッファメ
モリ(RAM)、27は出力バッファに記憶されたI信
号とQ信号をアナログのベースバンド信号に変換するD
A変換器、28は直交変調器であり、入力されたI信
号、Q信号にそれぞれ基準搬送波とこれを900移相し
た信号を乗算し、乗算結果を加算することにより直交変
換を行って出力するもの、29は直交変調信号と局部発
振信号をミキシングしてアップコンバーションする周波
数変換器、30は周波数変換器から出力された搬送波を
電力増幅して空中線(アンテナ)31より空中に放射す
る送信電力増幅器、32は送信信号の一部を取り出す方
向性結合器、33は搬送波と局部発振信号をミキシング
してダウンコンバーションする周波数変換器、34は直
交検波器であり、入力信号にそれぞれ基準搬送波とこれ
を900移相した信号を乗算して直交検波を行い、送信
側におけるベースバンドのI、Q信号を再現して出力す
るもの、35は直交検波器より入力されたI,Q信号
(復調信号)をデジタルに変換するAD変換器、37は
直交検波された復調信号データを記憶する帰還バッファ
メモリである。38はマイコン、39は操作部、40は
位相差測定時に位相及び振幅固定のデータ(変調信号)
を出力する位相差測定用データ発生部である。
【0018】(b)直交変調器、直交検波器の構成 図3は直交変調器と直交検波器の構成図であり、28は
直交変調器、34は直交検波器、43は基準搬送波を発
生するPLL回路、44は基準搬送波を直交変調器およ
び直交検波器に分岐するハイブリッド回路である。直交
変調器28において、28aは基準搬送波を900移相
する移相器、28bはI信号に基準搬送波を乗算する乗
算器、28cはQ信号に900移相された基準搬送波を
乗算する乗算器である。各乗算器で乗算された信号は合
成されて出力される。直交検波器34において、34a
は基準搬送波を900移相する移相器、34bは入力信
号に基準搬送波を乗算してI信号を出力する乗算器、3
4cは入力信号に900移相された基準搬送波を乗算し
てQ信号を出力する乗算器である。
【0019】(c) 演算/制御部の構成 図4は演算/制御部24の機能的ブロック構成図であ
り、24は演算/制御部、25aはE2PROM等の不
揮発性メモリ、25bはバッテリーバックアップRA
M、101はプリディストーション演算/制御部、10
2は位相差補正演算/制御部である。プリディストーシ
ョン演算/制御部101は、歪補償係数を記憶する歪補
償係数記憶部24aと、変調信号レベルに応じた歪補償
係数h(pi)を用いて該変調信号にプリディストーション
処理を施すプリディストーション部24bと、直交検波
器34で復調された復調信号と変調信号を比較し、その
差が零となるように歪補償係数h(pi)を更新して歪補償
係数記憶部24aに格納する歪補償係数演算部24c
と、歪補償係数読み/書き部24dを備えている。不揮
発性メモリ25aには、予め送信データの入力レベル0
〜1023に応じた歪補償係数hi(pi)(i=0〜1023)が格
納されている。
【0020】位相差補正演算/制御部102は、変調信
号と復調信号の位相ずれ(位相差)dθを演算する位相
差演算部24eと、復調信号をプリディストーション演
算/制御部101と位相ずれ演算部24eに適宜、選択
入力するセレクタ24fと、位相差dθと位相差補正係
数cosdθ、sindθの対応を記憶する補正テーブル24g
と、歪補償処理を施された変調信号に位相差補正係数を
用いて位相差補正処理を施す位相差補正部24hを有し
ている。
【0021】(d)位相差補正処理 図5に示すように、変調信号I,Qとして、送信電力増
幅器において歪が生じない信号レベルの固定電圧1+1
j(I=1,Q=1)を演算/制御部24より出力す
る。かかる状態において、復調信号(帰還ベースバンド
信号)IF,QFをモニタすると図6に示すように半径r
(=√2)の円周上の点a+bj(−r<a,b<r)
に移る(IF=a,QF=b)。従って、復調信号IF
Fを個別にA/D変換を行いその電圧値をIQ軸にマ
ッピングすることで送信時のベースバンド信号(変調信
号)と帰還後のベースバンド信号(復調信号)との位相
差dθ[rad]を求めることができる。すなわち、基本軸
をI軸としてそこからa+bj点までの角度θ0[rad]は
次式 θ0=tan-1(b/a) [rad] (1) により求まる。変調信号(送信ベースバンド信号)の初
期位相は基準軸からπ/4に位置するため(θ=π/
4)、位相差dθは次式 dθ=θ0−π/4 [rad] (2) により求まる。
【0022】この位相差dθ分だけ変調信号I,Qの位
相を補正して演算/制御部24より出力すれば変調信号
と復調信号の位相が一致する。従って、位相差補正後の
変調信号をIC,QCとすると、これらIC,QCを次式 IC=rcos(θ-dθ) =rcosθcosdθ+rsinθsindθ =Icosdθ+Qsindθ (3) QC=rsin(θ-dθ) =rsinθcosdθ-rcosθsindθ =Qcosdθ-Isindθ (4) により求めて出力すれば良いことになる。cosdθ,sind
θの演算は時間を要するから、予め位相差dθに対応さ
せてこれらを位相差補正係数として補正テーブル24g
に記憶しておき、位相差補正部24hは測定した位相差
dθに対応する位相差補正係数cosdθ,sindθを補正テ
ーブルより求め、(1)、(2)式により変調信号を補正して
出力する。
【0023】図7は位相差補正処理のフローである。プ
リディストーション演算/制御部101による歪補償処
理の実行に先だって、位相差補正演算/制御部102は
位相差測定及び位相差補正制御を行なう。すなわち、無
線装置の電源が投入されると、マイコン38は演算/制
御部24及び位相差測定用データ発生部40に位相差補
正開始を指示する。位相差測定用データ発生部40は振
幅r及び位相θが一定の位相差測定用データを送信デー
タとして発生する。例えば、r=√2、θ=π/4(複
素数表現で1+1j))の位相差測定用データを発生す
る。プリディストーション演算/制御部101は該デー
タに対してプリディストーション処理を施すことなく、
I,Q信号(I=1,Q=1)に変換して出力する(ス
テップ201)。直交変調器28はI,Q信号により搬
送波を直交変調し、周波数変換器29は変調された搬送
波を高周波数に周波数変換し、送信電力増幅器30は該
高周波信号を増幅してアンテナより送信する(ステップ
202)。直交検波器34は光結合器32及び周波数変
換器33を介して入力された送信信号に検波処理を施し
て帰還ベースバンド信号IF,QF(復調信号)を出力す
る(ステップ203)。但し、帰還ベースバンド信号I
F,QFはa+bj(IF=a,QF=b)である。
【0024】ついで、位相差演算部24e(図4)は復
調信号の位相差θ0を(1)式より求め、位相差dθを(2)
式により求める(ステップ204、205)。位相差d
θが求まれば、図示しない読み出し部が補正テーブル2
4gより位相差補正係数cosdθ,sindθを読み取って位
相差補正部24hに入力する(ステップ206)。以上
により、位相差測定処理及び位相差補正係数読み出し処
理が終了する。以後、プリディストーション演算/制御
部101によるプリディストーション処理が開始し、変
調信号はプリディストーション処理される。位相差補正
部24hはプリディストーション処理が施されたI,Q
信号及び位相差補正係数cosdθ,sindθを用いて(3),(4)
式の演算を実行して位相差補正し、位相差補正した信号
を出力する(ステップ207)。なお、測定した位相差
dθあるいは位相差補正係数cosdθ,sindθを不揮発性
メモリ25a及びRAM25bに記憶しておき、次回の
電源投入時に読み出して使用できるようにする。このよ
うにすれば、電源投入時に位相差測定することなく、直
ちに、本来のプリディストーション処理を開始し、か
つ、位相差補正処理を行なうことができる。
【0025】(e)歪補償処理 位相差補正制御が終了すれば、プリディストーション演
算/制御部101は入力された変調信号にプリディスト
ーション補償処理を施して出力する。すなわち、最初の
通信に際して、歪補償係数読み/書き部24d(図4)
は不揮発性メモリ25aに格納されている歪補償係数を
歪補償係数記憶部24aにセットする。しかる後、プリ
ディストーション部24bは変調信号をI,Q信号に変
換し、ついで、変調信号レベルに応じた歪補償係数h(p
i)を歪補償係数記憶部24aより求め、該歪補償係数に
応じてI,Q信号にプリディストーション処理を施して
出力する。位相差補正部24hはプリディストーション
処理が施されたI,Q信号及び位相差補正係数cosdθ,s
indθを用いて(3),(4)式の演算を実行して位相差補正
し、位相差補正した信号を出力する。歪補償係数演算部
24cは変調信号と直交検波器34で復調した復調信号
を比較し、その差が零となるように歪補償係数h(pi)を
更新して歪補償係数記憶部24aの記憶内容を書き変え
る。
【0026】以後、プリディストーション部24bは更
新された歪補償係数を用いてプリディストーション処理
を行い、位相差補正部24hは位相差補正処理を行い、
歪補償係数演算部24cは歪補償係数の更新処理を行
う。そして、通信が終了すれば、歪補償係数読み/書き
部24dは歪補償係数記憶部24aの記憶内容を不揮発
性正メモリ25aとバッテリーバックアップRAM25
に格納する。次回の通信に際して、読み/書き部24d
はバッテリーバックアップRAM25bより歪補償係数
を読出して歪補償係数記憶部24aにセットする。無線
装置が長時間使用されずに、バッテリーバックアップR
AM25bの記憶内容が消失している場合には、不揮発
性メモリ25aより歪補償係数を読出して歪補償係数記
憶部24aにセットする。そして、通信が終了すれば、
読み/書き部24dは歪補償係数記憶部24aの記憶内
容を不揮発性正メモリ25aとバッテリーバックアップ
RAM25に格納する。
【0027】図8は歪補償処理タイミングを示すタイム
チャートであり、TDMAの1フレームは4つのタイム
スロット(チャンネル)CH1〜CH4により構成され
ており、第1タイムスロットが無線装置に割り当てられ
ている。 TDMA部22は送信バーストデータを出力して入力
バッファ23に書き込み、プリディストーション演算/
制御部101は割り当てられた第1タイムスロット以前
に、該入力バッファから送信データ(変調信号)を順次
取り込み、送信データをI、Q信号に変換し、該送
信データのレベルに応じた歪補償係数を用いてプリディ
ストーション処理を行い、位相差補正部24hはプリデ
ィストーション処理を施されたI,Q信号に位相差補正
処理を施して出力バッファ26に書き込む。
【0028】DA変換器27は割り当てられた第1タ
イムスロットにおいてI,Q信号を出力バッファ26か
ら読出し、DA変換して直交変調器28に入力する。直
交変調器28は入力されたI信号、Q信号にそれぞれ基
準搬送波とこれを900移相した信号を乗算し、乗算結
果を加算することにより直交変換を行って出力する。送
信電力増幅器30は周波数変換器29で周波数変換され
た搬送波を電力増幅して空中線31より空中に放射す
る。搬送波の一部は方向性結合器32により分岐され
て、周波数変換器33により、周波数変換された後、直
交検波器34に入力される。直交検波器34は入力信号
に基準搬送波とこれを900移相した信号を乗算して
I,Q信号を復調し、AD変換器35は該I,Q信号を
DA変換して帰還バッファ37に格納する。以上の処理
が送信バーストデータすべてに対して行われ、帰還バッ
ファ37には全送信データの復調データが格納されるこ
とになる。
【0029】演算/制御部24は、第1タイムスロッ
ト及びアイドルタイムスロット(第2〜第4チャネル)
において入力バッファ23に記憶されている変調信号デ
ータおよび帰還バッファ37に記憶されている復調信号
データを1サンプルづつ読出して比較し、その差が零と
なるように歪補償係数演算処理を行い、算出された歪補
償係数によりそれまでの歪補償係数を更新する。かかる
歪補償係数の更新処理を全変調信号データ、復調信号デ
ータについて実行する。以後、上記動作を繰り返すこと
により、歪補償係数は一定値に収束する。以上におい
て、無線装置がTDMA方式により時分割多重で信号を
送信する場合、位相差補正演算/制御部102はバース
ト期間Tb(図8参照)の前に置かれるプリアンブル期
間Tpにおいて、位相差測定、位相差補正処理を実行す
る。このようにすれば、プリアンブル期間において位相
補正処理が終了し、次のバースト期間から速やかに本来
の歪補償処理が行えるようになる。
【0030】(f)変形例 以上では、送信電力増幅器30において歪が発生しない
レベルの変調信号で搬送波を直交変調して送信し、変調
信号と復調信号の位相差dθを測定し、該位相差dθが
零となるように補正した場合である。しかし、図9に示
すように送信電力増幅器30の出力位相は入力パワー
(入力レベル)に応じて変化する。すなわち、変調信号
の振幅が異なると同一位相でも図10に示すように位相
差dθが変化する。又、歪が発生しない振幅レベルの場
合には、変調信号と復調信号の振幅rは同一であり、
(3),(4)式が成立する。しかし、振幅レベルが大きくな
ると、歪が発生し変調信号と復調信号の振幅が異なり、
(3),(4)式が成立しなくなる。このため、振幅レベルが
大きい場合には、(3),(4)式により位相差補正すると補
正誤差が生じる。
【0031】そこで、図11に示すように、予め振幅レ
ベルAを、0<A≦A1,A1<A≦A2,A2<Aの3つ
の範囲に分け、それぞれの範囲毎に位相差dθに応じた
位相差補正係数c1,c2を求めて補正テーブル24gに
記憶しておく。そして、位相差測定時に各範囲の振幅レ
ベルについてそれぞれ位相差を求め、これら位相差に応
じた位相差補正係数を補正テーブル24gより求める。
位相差補正に際して、変調信号の振幅レベルが属する範
囲に応じた位相差補正係数を用いて次式 IC=I・c1+Q・c2 (3)′ QC=Q・c1-I・c2 (4)′ により位相差補正する。このようにすれば、振幅レベル
に関係なく正確に位相差を補正することができる。
【0032】(B)第2実施例 (a)全体の構成 図12は第2実施例の無線装置の構成図であり、図2の
第1実施例と同一部分には同一符号を付している。第2
実施例において第1実施例と異なる点は、位相差補正演
算/制御部102が直交変調器28あるいは直交検波器
34に加える基準搬送波の位相をシフトして位相差dθ
を零にする点である。このため、図12の第2実施例で
は、(1) 基準搬送波の位相をシフトする移相器91と、
位相差補正演算/制御部102から出力される位相シフ
ト量θsをDA変換して移相器91に入力するDA変換
器92が設けられ、しかも、(2) 位相差補正演算/制御
部102は図13に示すように構成されている。位相差
補正演算/制御部102において、24eは変調信号と
復調信号の位相差dθを(1)〜(4)式により演算する演算
部、24fは復調信号IF,QFをプリディストーション
演算/制御部101と位相差演算部24eに適宜、選択
入力するセレクタ、24iは位相差dθが零なるように
基準搬送波の位相シフト量θsを出力する位相シフト量
制御部である。尚、直交変調器28あるいは直交検波器
34に入力する基準搬送波の位相を0〜3600変化さ
せると、該変化に応じて帰還ベースバンド信号(復調信
号)の位相が変化する。
【0033】図14は直交検波器に入力する基準搬送波
の位相を変化させる場合の詳細図であり、図15は直交
変調器に入力する基準搬送波の位相を変化させる場合の
詳細図である。各図において、28は直交変調器、34
は直交検波器、43はPLL構成の基準搬送波発生器、
90は基準搬送波を直交変調器および直交検波器に分岐
するハイブリッド回路、91移相器、92はDA変換器
である。移相器91は位相差補正演算/制御部102の
位相シフト量制御部24iからの指示(位相シフト量)
にしたがって、直交検波器34あるいは直交変調器28
に入力する基準搬送波の位相をシフトする。図14の直
交検波器34において、34aは移相器91から出力さ
れる基準搬送波を900移相する移相器、34bは入力
信号に移相器91の出力信号を乗算乗算してI信号を出
力する乗算器、34cは入力信号に900移相された移
相器91の出力信号を乗算してQ信号を出力する乗算器
である。直交変調器28において、28aは基準搬送波
を900移相する移相器、28bはI信号に基準搬送波
を乗算する乗算器、28cはQ信号に900移相された
基準搬送波を乗算する乗算器である。各乗算器28b,
28cで乗算された信号は合成されて出力される。
【0034】図15の直交変調器28において、28a
は移相器91から出力される基準搬送波を900移相す
る移相器、28bはI信号に移相器91の出力信号を乗
算する乗算器、28cはQ信号に900移相された移相
器91の出力信号を乗算する乗算器である。各乗算器2
8b,28cで乗算された信号は合成されて出力され
る。直交検波器34において、34aは基準搬送波を9
0移相する移相器、34bは入力信号に基準搬送波を
乗算してI信号を出力する乗算器、34cは入力信号に
900移相された基準搬送波を乗算してQ信号を出力す
る乗算器である。
【0035】(b)位相調整原理 変調信号I,Qとして、送信電力増幅器において歪が生
じない信号レベルの固定電圧1+1j(I=1,Q=
1)を演算/制御部24より出力する。かかる状態にお
いて、復調信号(帰還ベースバンド信号)IF,QFをモ
ニタすると図16(a)に示すように半径rの円周上の
点a+bj(−r<a,b<r)に移る。かかる状態で
直交検波器34に入力する基準搬送波の位相を0〜36
0変化させると、図16(b)の矢印で示すように該
変化に応じて帰還ベースバンド信号(復調信号)の位相
が変化する。そこで、基準搬送波の位相を所定角度シフ
トすると図16(c)に示すように復調信号の位相が変
調信号の位相に一致する。
【0036】(c)位相差補正処理 図17は位相差補正処理のフローである。プリディスト
ーション演算/制御部101による歪補償処理の実行に
先だって、位相差補正演算/制御部102は位相差測定
及び位相差補正制御を行なう。すなわち、無線装置の電
源が投入されると、マイコン38は演算/制御部24及
び位相差測定用データ発生部40に位相差補正開始を指
示する。位相差測定用データ発生部40は振幅r及び位
相θが一定の位相差測定用データを送信データとして発
生する。例えば、r=√2、θ=π/4(複素数表現で
1+1j)の位相差測定用データを発生する。プリディ
ストーション演算/制御部101は該データに対してプ
リディストーション処理を施すことなく、I,Q信号
(I=1,Q=1)に変換して出力する(ステップ30
1)。直交変調器28はI,Q信号により搬送波を直交
変調し、周波数変換器29は変調された搬送波を高周波
数に周波数変換し、送信電力増幅器30は該高周波信号
を増幅してアンテナより送信する(ステップ302)。
直交検波器34は光結合器32及び周波数変換器33を
介して入力された送信信号に検波処理を施して帰還ベー
スバンド信号IF,QF(復調信号)を出力する(ステッ
プ303)。但し、帰還ベースバンド信号IF,QFはa
+bj(IF=a,QF=b)である。
【0037】ついで、位相差演算部24e(図13)は
復調信号の位相差θ0を(1)式より求め、位相差dθを
(2)式により求め、位相シフト量制御部24iに入力す
る(ステップ304、305)。位相シフト量制御部2
4iは位相差dθが零かチェックし(ステップ30
6)、零であれば位相差補正処理を終了する。しかし、
位相差dθが零でなければ、直交検波器34あるいは直
交変調器28の基準搬送波の位相を所定角度シフトする
ために位相シフト量θsを出力する(ステップ30
7)。以後、始めに戻り以降の処理を繰り返すことによ
り、位相差dθを順次小さくして最終的に零にすること
ができる。尚、位相シフト量制御部24iは前回通され
た位相差と今回通知された位相差の大小をチェックし、
今回の位相差小さければ、位相シフト方向は正しいと判
断し、該方向に位相をシフトし、大きければ逆方向に位
相をシフトする。
【0038】以上において、位相差dθが零となる位相
シフト量θsを不揮発性メモリ25a及びRAM25b
に記憶し、次回の電源投入時に読み出して使用するよう
にする。このようにすれば、電源投入時に位相差測定す
ることなく、直ちに、本来のプリディストーション処理
を開始し、かつ、位相差補正処理を行なうことができ
る。又、、位相差補正演算/制御部102はバースト期
間Tb(図8参照)の前に置かれるプリアンブル期間T
pにおいて、位相差補正処理を実行する。このようにす
れば、プリアンブル期間において位相補正処理が終了
し、次のバースト期間から速やかに本来の歪補償処理が
行えるようになる。
【0039】(d)第1変形例 以上では移相器91を設けて帰還ベースバンド信号の位
相を制御した場合であるが、DDS(Direct Digital S
ynthesizer)を用いて位相をシフトすることもできる。
図18はDDSの構成図である。81はマイクロプロセ
ッサMPUとのインタフェースを司るMPUインタフェ
ース部、82は指示された周波数データ及び位相データ
を保持するビットパラレルレジスタ、83はビットシリ
アルレジスタ、84は周波数データがセットされる周波
数レジスタ、85は位相データがセットされる位相レジ
スタ、86は周波数データを所定のクロック信号が発生
する毎に累積加算するアキュームレータ、87は位相デ
ータにアキュームレータからオーバフローするパルスを
加算し、加算結果をアドレスデータとして出力する加算
器、88はsin波形データ、cos波形データを記憶し、加
算結果が指示するアドレスよりsinデータ、cosデータを
出力するsin/cos発生用のROMである。アキュームレ
ータ86からは周波数レジスタ84にセットされた周波
数データに比例した周波数のパルスが出力される。従っ
て、位相データが零の場合にはROM88からからは指
定周波数のcos信号、sin信号が出力される。又、位相デ
ータが零でない場合には該位相データ分加算結果が変化
するため、cos信号、sin信号の位相が変化する。従っ
て、位相レジスタ85にセットする位相データを変える
ことにより基準信号の位相を制御することができる。
【0040】(f)第2変形例 直交変調器28と直交検波器34のオフセットによる振
幅誤差があるとプリディストーションの演算に誤差を生
じて適正な歪補償が行なわれなくなる。図19はQPS
K変調された変調波を複素平面上に表したもので方向が
位相、長さが振幅である。図のように本来振幅がaであ
る場合、オフセットが存在すると該オフセットが重畳さ
れ制御/演算部はその振幅をbと誤認識する。デジタル
非線形歪補償方式はその振幅成分を比較するものである
ため、かかる振幅の誤認識は歪補償誤差発生につなが
り、適正な歪補償ができなくなる。すなわち、オフセッ
トが補償されないうちは、歪係数更新処理は意味がない
ばかり却って悪影響をおよぼすことになる。そこで、プ
リディストーション処理の前にオフセット補正を行う必
要がある。
【0041】歪補償系に於いて直交変調器28の入力が
無変調である場合、直交検波器34で検波したベースバ
ンド信号を複素平面上に表すと図20に示すようにな
る。すなわち、直交変調器28のオフセット成分bと直
交検波器のオフセット成分aが重畳され見掛け上cで示
すオフセットが現れる。かかるオフセットは以下のよう
にして測定できる。すなわち、直交変調28に入力され
る基準搬送波の位相を0〜360°ずらしていくと、送
信側オフセットbによりキャリアの位相が回転する。こ
のため、直交検波器34で検波したベースバンド信号の
うち直交変調器28のオフセット成分bが図21に示す
ように回転する。
【0042】このようにI,Q平面上において検波出力
を0から3600回転させることができれば、その時の
I,Q信号のそれぞれの最大値Vimax,Vqmax及び最小値V
imin,Vqminを測定し、該最大値Vimax,Vqmax及び最小値V
imin,Vqminを用いて次式によりオフセット△Vi,△V
qを求めることができる。 ΔVi=(Vimax+Vimin)/2 ・・・(5) ΔVq=(Vqmax+Vqmin)/2 ・・・(6) 上式の演算を行えば、図21の破線で示した直交検波器
34のオフセットaを認識できる。ついで、基準搬送波
の位相シフト量を零にした状態で,演算/制御部24よ
りI,Q信号を直交変調器28に入力して図22に示す
ように、直交検波器34から単位円(図中の大きな円)
のI,Q信号が検波出力されるようにする。すなわち、
検波出力が単位円を描くように、演算/制御部24は
I,Q信号を制御して直交変調器28に入力する。この
ようにすれば、(5)〜(6)式により変調及び検波系の総合
のオフセットを求めることができる。そして、総合オフ
セットからすでに求めてある検波器のオフセットを複素
的に減算すれば、直交変調器28のオフセット(送信オ
フセット)が求まる。
【0043】従って、演算/制御部24は上記原理で説
明した制御を行って、まず、受信オフセットを求め、つ
いで、総合オフセットを求め、総合オフセットから受信
オフセットを減算して送信オフセットを求める。そし
て、送信オフセットに基づいてオフセット補償処理をお
こなってI,Q信号レベルを調整する。また、受信オフ
セットに基づいて復調されたI,Q信号のレベルを微調
整する。以上より、オフセット処理においても、直交変
調器28に入力される基準搬送波の位相を0〜360°
ずらし、キャリアの位相を回転させる。このため、オフ
セット補償処理と位相差補正処理を同時に行うことがで
きる。例えば、キャリアリーク信号を位相差検出のため
の変調信号とみなし、基準搬送波の位相を0〜360°
ずらした時、復調信号の位相が該変調信号の位相に一致
する位相シフト量を求める。又、オフセット補償処理に
おいて、演算/制御部24は単位円のIF,QF信号が検
波出力されるようにI,Q信号を出力する。そこで、所
定I,Q信号に対するIF,QF信号を用いて位相差dθ
を測定し、該位相差に応じた位相差補正係数を求めて位
相差補正処理を行うことができる。以上、本発明を実施
例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本
発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこ
れらを排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】以上本発明によれば、プリディストーシ
ョン処理に先立ち、変調信号と復調信号の位相差dθを
測定し、該位相差が零となるように変調信号に位相差補
正処理を施すようにしたから、位相差をなくして正確な
歪補償処理を行うことができ、しかも、回路実装位置や
周波数に関係なく位相差をなくすことができる。又、本
発明によれば、歪補償処理に先立って位相差を測定し、
該位相差が零なるように位相差補正係数を求め、該位相
差補正係数を用いて歪補償処理により得られた変調信号
に位相差補正処理を施すようにしたから、常時位相差測
定を行わなくても良く、演算/制御部の負担をかけずに
位相差測定、位相差補正処理ができる。
【0045】又、本発明によれば、測定された位相差あ
るいは該位相差に応じた位相差補正係数を不揮発性記憶
手段あるいはバッテリーバックアップされた記憶手段に
記憶し、次回からは該記憶されている位相差に応じた位
相差補正係数を用いて位相差補正処理を実行するように
したから、位相差測定をすることなく直ちに歪補償処理
を開始し、かつ、位相差を補正することができる。又、
本発明によれば、変調信号の振幅毎に、位相差と位相差
補正係数の対応をメモリに記憶し、変調信号の振幅及び
位相差dθに応じた位相差補正係数を用いて変調信号に
位相差補正処理を施すようにしたから、より正確な位相
差補正処理が可能となる。更に、本発明によれば、タイ
ムスロットのバースト期間の前に置かれるプリアンブル
期間において、位相差測定、位相補正処理を実行するよ
うにしたから、速やかに本来の歪補償処理が行えるよう
になる。
【0046】又、本発明によれば、プリディストーショ
ン処理に先立ち、変調信号と復調信号の位相差dθを測
定し、位相差dθが零となるように直交変調器あるいは
直交検波器に加える基準搬送波の位相をシフトするよう
にしたから、位相ずれをなくして正確な歪補償処理を行
うことができ、しかも、回路実装位置や周波数に関係な
く位相ずれをなくすことができる。又、本発明によれ
ば、位相差が零となるシフト量を不揮発性記憶手段ある
いはバッテリーバックアップされた記憶手段に記憶し、
次回から該記憶されているシフト量を用いて直交変調器
あるいは直交検波器に加える基準搬送波の位相をシフト
するようにしたから、位相差測定をすることなく直ちに
歪補償処理を開始し、かつ、位相差を補正することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】第1実施例の無線装置の構成図である。
【図3】直交変調器と直交検波器の構成図である。
【図4】演算/制御部の構成図である。
【図5】変調信号レベル及び位相説明図である。
【図6】復調信号レベル及び位相説明図である。
【図7】第1実施例の位相差補正処理のフローである。
【図8】処理タイミングを示すタイムチャートである。
【図9】送信電力増幅器の入力パワー/ゲイン、入力パ
ワー/位相特性図である。
【図10】振幅による位相差変化説明図である。
【図11】補正テーブルの構成図である。
【図12】第2実施例の無線装置の構成図である。
【図13】第2実施例の演算/制御部の構成図である。
【図14】直交変調器、直交検波器の周辺詳細図であ
る。
【図15】直交変調器、直交検波器の別の周辺詳細図で
ある。
【図16】第2実施例の位相調整原理説明図である。
【図17】第2実施例の位相差補正処理のフローであ
る。
【図18】ダイレクトデジタルシンセサイザの構成図で
ある。
【図19】QPSK変調波を複素平面上に表した図であ
る。
【図20】直交検波器と直交変調器のオフセット説明図
である。
【図21】直交検波器におけるベースバンド出力の位相
回転を示す説明図である。
【図22】変調系と検波系の総合オフセットの説明図で
ある。
【図23】従来の送信装置の構成図である。
【図24】送信電力増幅器の非直線性による問題点説明
図である。
【図25】従来のデジタル非直線形歪補償機能を備えた
送信装置の構成図である。
【図26】演算/制御部の構成図である。
【図27】歪補償処理の説明図である。
【符号の説明】
101・・プリディストーション演算/制御部 102・・位相差補正演算/制御部 24e・・位相差測定部 24h・・位相差補正部 24i・・位相シフト量制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 興志 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番8 号 富士通九州ディジタル・テクノロジ株 式会社内 (72)発明者 森山 幸弘 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信電力増幅器の歪を補正する歪補償係
    数を用いて変調信号にプリディストーション処理を施
    し、プリディストーション処理が施された変調信号によ
    りデジタル変調方式で変調して得られる搬送波を送信電
    力増幅器で増幅して送信し、送信した搬送波出力を分岐
    復調して得られた復調信号と変調信号を比較して歪補償
    係数を更新する無線装置において、 プリディストーション処理に先立ち、位相及び振幅固定
    の変調信号によりデジタル変調方式で変調して得られる
    搬送波を送信した時に得られる復調信号と変調信号の位
    相差を測定する位相差測定手段と、 該位相差が零となるように位相差補正処理を施す位相差
    補正手段を備えたことを特徴とする無線装置。
  2. 【請求項2】 前記無線装置は、予め位相差と位相差補
    正係数の対応を記憶するメモリを備え、 前記位相差補正手段は前記位相差に応じた位相差補正係
    数を用いて該位相差が零となるように送信信号に位相差
    補正処理を施すことを特徴とする請求項1記載の無線装
    置。
  3. 【請求項3】 変調信号の振幅レベル毎に位相差と位相
    差補正係数の対応を前記メモリに記憶し、前記位相差測
    定手段は変調信号の振幅レベル毎に位相差を測定し、前
    記位相差補正手段は変調信号の振幅に応じた前記位相差
    に対応する位相差補正係数を用いて変調信号に位相差補
    正処理を施すことを特徴とする請求項2記載の無線装
    置。
  4. 【請求項4】 無線装置がTDMA方式により時分割多
    重で送信信号を送信する場合、前記位相差測定手段は所
    定タイムスロットのバースト期間の前に置かれるプリア
    ンブル期間において、位相差測定処理を実行することを
    特徴とする請求項1記載の無線装置。
  5. 【請求項5】 無線装置は、測定された位相差あるいは
    該位相差に応じた位相差補正係数を記憶する不揮発性記
    憶手段あるいはバッテリーバックアップされた記憶手段
    を備え、 前記位相差補正手段は、記憶手段に記憶されている位相
    差に応じた位相差補正係数を用いて位相差補正処理を実
    行することを特徴とする請求項2記載の無線装置。
  6. 【請求項6】 無線装置は、デジタル変調する手段とし
    て直交変調器を備えると共に、復調手段として直交検波
    器を備え、 前記位相差補正手段は、前記位相差が零となるように直
    交変調器あるいは直交検波器に加える基準搬送波の位相
    をシフトすることを特徴とする請求項1記載の無線装
    置。
  7. 【請求項7】 無線装置は、位相差が零となるシフト量
    を記憶する不揮発性記憶手段あるいはバッテリーバック
    アップされた記憶手段を備え、 前記位相差補正手段は、記憶手段に記憶されているシフ
    ト量を用いて直交変調器あるいは直交検波器に加える基
    準搬送波の位相をシフトすることを特徴とする請求項6
    記載の無線装置。
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