JP3460105B2 - ディジタル無線装置 - Google Patents

ディジタル無線装置

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JP3460105B2
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仁也 大崎
祐司 金子
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    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
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  • Transmitters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンベロープ検出
型歪補償方式を適用したディジタル無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、無線通信における周波数
資源の逼迫に伴って、ディジタル化による高能率伝送方
式が多く用いられるようになった。無線通信において、
多値振幅変調方式を適用する場合、送信側、特に送信電
力増幅器の増幅特性を直線化して非線型歪を抑え、帯域
の拡がりに基づく隣接チャネルへの漏洩を防止する技術
が重要であり、また電力効率の向上を図るため、線型性
に劣る増幅器を使用する場合は、それによる歪発生を補
償する技術が必須であった。
【0003】このような場合の歪補償技術としては、L
INC(Lnear Amplification By Combination Of C-Cl
ass Amplification ),フィードフォワード方式,アナ
ログカルテシアン方式,ポーラループ方式,非線型素子
によるプリディストーション方式等の、多くの種類のア
ナログ方式の歪補償方式が既に提案され、実際に採用さ
れている。
【0004】しかしながら、これらの歪補償方式は、一
般に回路構成が複雑であって、装置の小型化やコストダ
ウンの障害になったり、または装置の調整が複雑である
等の欠点を有していた。
【0005】これに対して、近年、LSI技術の進歩に
よって、信号処理プロセッサ(DSP)の処理速度が格
段に向上してきたため、ディジタル信号処理技術を用い
て歪補償する方式が実現可能になってきた。ディジタル
非線型歪補償方式としては、ビクトリア大学(オースト
ラリア)で提唱された、プリディストーションを用いた
適応線型化方式* 等、多くの論文が発表されていて、理
論としては周知のものとなっている。* Michael Fsulkner & Mats Johanson;"Adaptive Linea
risation Using Predistortion−Experimental Result
s",IEEE TRANSACTIONS ON VEHICULAR TECHNOLOGY,VOL.4
3,NO.2,MAY 1994
【0006】しかしながら、このようなディジタル非線
型歪補償方式による、エンベロープ検出型歪補償方式に
ついては、従来、実用化されたものは知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エンベロープ検出型歪
補償方式は、送出信号を帰還検波して、送出信号と帰還
信号の振幅をディジタル変換して比較するとともに、入
力信号のエンベロープを検出して、このエンベロープか
ら歪補償量を決定するものであるため、送信側の直交変
調器および帰還系の直交検波器に動作点のオフセットが
あると、振幅の大きさに誤差を生じて、歪補償が正常に
行なわれなくなるという、本質的な問題がある。すなわ
ち、オフセットがあると、例えば同じ振幅であっても、
第一象限と第二象限とでは、その振幅値が異なって観測
されるので、歪補償量が異なることになる。
【0008】現在、一般に使用されているアナログ式の
直交変調回路と直交検波回路は、周知のようにギルバー
ト・セルの差動増幅器等で構成されているので、素子の
性能のばらつきや、温度環境の変化等によって、オフセ
ットを生じたり、またはベースバンド信号のディジタル
アナログ(D/A)変換後に使用する直流増幅器のオフ
セット変動の影響を受けたりする。これらのオフセット
は、現在の技術では不可避なものであるが、この問題
が、エンベロープ検出型歪補償方式を実用化する上で、
大きな技術的障壁となっている。
【0009】この問題を解決する方法としては、直交変
調回路と直交検波回路を、D/A変換器で構成すること
によって、オフセットが存在しない(または存在して
も、D/A変換器の分解能以内の)、ディジタル式の直
交変調回路と直交検波回路を構成する方法が考えられる
が、数十MHz〜数百MHzの高速D/A変換器が必要であ
って、近年におけるLSI技術の進歩を考慮しても、コ
スト的に実用レベルに達するまでには、まだ時間がかか
るものと予想される。
【0010】また、動作周波数の低いD/A変換器を使
用可能にするために、アップコンバージョン方式を採用
する場合には、現状ではトリプルコンバージョン方式と
する必要があり、送信機のスプリアス放射を低減する上
で、技術的に別の困難を生じることになる。
【0011】さらに、ベースバンド信号を直交座標系で
記憶して、オフセットによる影響を除去する方式も提案
されているが、この方式では、すべての信号空間マトリ
クスを記憶する必要があるため、膨大なRAM容量を必
要とするので、現状では、やはりコスト的に実用的では
ない。
【0012】本発明は、このような従来技術の課題を解
決しようとするものであって、直交変調器のオフセット
によるキャリア洩れのエネルギーを検出し、それが最小
になるように直交変調器の入力レベルを調整することに
よって、直交変調器のオフセットを解消する、または直
交変調器と直交検波器の基準搬送波に周波数差または位
相差を与えて、直交変調器のオフセットと直交検波器の
オフセットを、それぞれ演算可能にして、オフセットの
影響を排除することによって、より確実に送信信号の歪
を除去する歪補償方式を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上述
の課題を解決するため、以下のような手段を用いる。な
お以下の各手段においては、各構成要素を、対応する実
施形態の図中におけるものと同じ番号を付して示す。
【0014】(1) 演算/制御部13からのI成分とQ成
分のディジタル信号からなる送信ベースバンド信号をア
ナログ信号に変換し、それぞれ増幅器16,17を介し
て直交変調器18に加え、基準搬送波を直交変調して送
信変調波を生成するとともに、送信変調波を分岐して直
交検波器35に加え、基準搬送波によって直交検波して
得たI成分とQ成分の復調信号をそれぞれディジタル信
号に変換して得た受信ベースバンド信号を演算/制御部
13に帰還し、演算/制御部13において、帰還ベース
バンド信号と送信ベースバンド信号とを比較して送信ベ
ースバンド信号をプリディストーション処理することに
よって、送信変調波の波形歪みを除去するエンベロープ
検出型歪補償方式のディジタル無線装置において、直交
変調器18のオフセットに基づく洩れキャリアを検出し
て直流化した信号を制御部45に加えることによって、
制御部45が制御信号を出力して増幅器16,17の動
作基準点(オフセット)を変化させて、直交変調器18
に対するI成分とQ成分の入力信号値を調整することに
よって、直交変調器18のオフセットが最小になるよう
に制御する。
【0015】(2) 演算/制御部13AからのI成分とQ
成分のディジタル信号からなる送信ベースバンド信号を
アナログ信号に変換して直交変調器18に加え、基準搬
送波を直交変調して送信変調波を生成するとともに、送
信変調波を分岐して直交検波器35に加え、基準搬送波
によって直交検波して得たI成分とQ成分の復調信号を
それぞれディジタル信号に変換して得た受信ベースバン
ド信号を演算/制御部13Aに帰還し、演算/制御部1
3Aにおいて、帰還ベースバンド信号と送信ベースバン
ド信号とを比較して送信ベースバンド信号をプリディス
トーション処理することによって、送信変調波の波形歪
みを除去するエンベロープ検出型歪補償方式のディジタ
ル無線装置において、演算/制御部13Aを信号処理プ
ロセッサから構成し、直交変調器18のオフセットに基
づく洩れキャリアを検出して直流化したのちディジタル
信号に変換して演算/制御部13Aに加えることによっ
て、演算/制御部13Aが、直交変調器18に対するI
成分とQ成分の信号入力値を調整して、直交変調器18
のオフセットが最小になるように制御する。
【0016】(3) (1) または(2) の場合に、直交変調器
18のオフセットに基づく洩れキャリアを検出する回路
を、直交検波器35に対する送信変調波の入力回路と共
用する。
【0017】(4) (1) または(2) の場合に、直交変調器
18のオフセットに基づく洩れキャリアを検出して直流
化した出力として、直交検波器35に対する送信変調波
の入力回路のRSSI出力を用いる。
【0018】(5) (1) または(2) の場合に、直交変調器
18のオフセットに基づく洩れキャリアを検出する回路
に変調成分を除去する狭帯域バンドパスフィルタを備え
る。
【0019】(6) (1) から(3) までのいずれかの場合
に、直交変調器18のオフセットに基づく洩れキャリア
を検出する回路に逓倍器51を備え、オフセットに基づ
く洩れキャリアと変調成分とを同一位相に縮退する。
【0020】(7) (1) から(3) までのいずれかの場合
に、直交変調器18のオフセットに基づく洩れキャリア
を検出する回路に、洩れキャリアを直交変調器18に対
する入力信号によって逆変調して変調成分を除去する逆
変調器52を備える。
【0021】(8) (1) から(4) までのいずれかの場合
に、直交変調器18の出力側から空中線29の入力側ま
でのいずれかの点から直交変調器のオフセットに基づく
キャリアを分岐検出するとともに、このキャリアの分岐
検出点以後における増幅器の電源または空中線系を断に
する手段を設け、送信断時または時分割多重方式におけ
る自己スロット時以外のときに、直交変調器18のオフ
セット補償動作を可能にする。
【0022】(9) (1) から(8) までのいずれかの場合
に、直交変調器18のオフセット補償動作を摂動原理に
よって行うとともに、摂動幅がオフセットキャリア量の
減少に伴って順次減少するような摂動アルゴリズムを用
いる。
【0023】(10) (1) から(3) までのいずれかの場合
に、演算手段が、変調ベースバンド信号として単位円を
入力したときの電力量の変化曲線の微分導関数が0にな
る点からオフセット角度を決定し、このオフセット角度
と直交変調器18のオフセットに基づくキャリア電力に
よって定まるオフセット量とからオフセットのI成分と
Q成分とを定める演算を行なって、直交変調器に対する
オフセット補償動作を行う。
【0024】(11) (1) から(3) までのいずれかの場合
に、演算手段が、変調ベースバンド信号として単位円を
入力したときの電力最大となる角度によってオフセット
角度を求め、このオフセット角度と直交変調器18のオ
フセットに基づくキャリア電力によって定まるオフセッ
ト量とから、直交変調器18のオフセットのI成分とQ
成分とを推測する制御を行なって、直交変調器に対する
オフセット補償動作を行う。
【0025】(12) (9) の場合に、演算手段が、変調ベ
ースバンド信号として単位円を入力したときの電力量の
変化曲線の微分導関数が0になる点からオフセット角度
を決定し、このオフセット角度と直交変調器18のオフ
セットに基づくキャリア電力によって定まるオフセット
量とからオフセットのI成分とQ成分とを定める演算を
終了した状態、または変調ベースバンド信号として単位
円を入力したときの電力最大となる角度によってオフセ
ット角度を求め、このオフセット角度と直交変調器18
のオフセットに基づくキャリア電力によって定まるオフ
セットとから、直交変調器18のオフセットのI成分と
Q成分とを演算する制御を終了した状態から摂動動作を
開始する。
【0026】(13) I成分とQ成分のディジタル信号か
らなる送信ベースバンド信号をアナログ信号に変換して
直交変調器18に加え、基準搬送波を直交変調して送信
変調波を生成するとともに、送信変調波を分岐して直交
検波器35に加え、基準搬送波によって直交検波して得
たI成分とQ成分の復調信号をそれぞれディジタル信号
に変換して得た帰還ベースバンド信号と送信ベースバン
ド信号とを比較して送信ベースバンド信号をプリディス
トーション処理することによって、送信変調波の波形歪
みを除去するエンベロープ検出型歪補償方式のディジタ
ル無線装置において、直交変調器18の基準搬送波を0
°〜360°移相したときの直交検波器35の検波出力
のI成分の最大値と最小値の平均値とQ成分の最大値と
最小値の平均値とから直交検波器35のオフセットを求
めるとともに、直交変調器18の入力のI成分とQ成分
とを変化させて直交検波器35の検波出力において単位
円を描かせたときの検波出力のI成分の最大値と最小値
の平均値とQ成分の最大値と最小値の平均値とから直交
変調器18と直交検波器35の総合のオフセットを求
め、この総合のオフセットから直交変調器18のオフセ
ットを複素的に減算して直交変調器18のオフセットを
求めて記憶し、それぞれのオフセットに応じて直交変調
器入力および直交検波器出力において補償を行なうこと
によって、オフセットに基づく歪補正誤差を補償する。 (14) (13)の場合に、直交検波器35のオフセット量を
求める演算期間中、直交変調器18に任意のオフセット
を強制的に付加する。
【0027】(15) (13)の場合に、直交変調器18の基
準搬送波を0°〜360°移相する手段を、ブランチラ
インハイブリッドに可変容量ダイオードを装架して構成
するか、または無限移相器(4相位相変調器)で構成す
る。
【0028】(16) (13)の場合に、直交変調器18の基
準搬送波を0°〜360°移相する手段を、オフセット
演算のために使用すると同時に、エンベロープ検出型歪
補償動作の際に、送出信号を遅延させて位相調整を行う
ために共用する。
【0029】(17) (13)の場合に、直交変調器18と直
交検波器35とが、共通の基準周波数発生器63によっ
て制御される第1のPLL22と第2のPLL62とか
らそれぞれ基準搬送波を供給される際に、直交変調器1
8の基準搬送波を0°〜360°移相する手段を、第1
のPLL22と第2のPLL62とにおいて発生する基
準搬送波周波数を異ならせることによって形成する。
【0030】(18) (13)の場合に、共通の基準周波数に
よって制御される複数のPLL71〜73からそれぞれ
基準搬送波を供給される複数の送信機74〜76を、オ
フセット演算時に、各送信機内部の直交変調器および直
交検波器の基準搬送波として、相互に、他の送信機のP
LLの基準搬送波を供給可能なようにして、無線基地局
装置を構成する。
【0031】(19) (13)の場合に、複数の送信装置8
0,81が、それぞれ内部のPLL82から直交変調器
85(または直交検波器86)に基準搬送波を供給する
とともに、スイッチ84を備えて、内部のPLLからの
基準搬送波と、相手装置の内部のPLLからの基準搬送
波とを切り替えて直交検波器86(または直交変調器8
5)に供給可能なようにして、無線基地局装置を構成す
る。
【0032】(20) (13)の場合に、直交変調器18の出
力側から空中線29までのいずれかの点から変調信号を
分岐して、直交検波器35の入力側から受信系の入力ま
でのいずれかの部分に帰還する手段を設けるとともに、
変調信号の分岐帰還点以後における増幅器の電源または
空中線系を断にする手段を設け、送信断時または時分割
多重方式における自己スロット時以外のときに、オフセ
ットに基づく歪補正誤差の補償動作を可能にする。
【0033】(21) (1) から(20)までのいずれかの場合
に、送信装置のキャリア周波数,送信電力,温度を検出
して、各条件のすべてまたは一部の条件ごとに、オフセ
ットの測定値をテーブルとして記憶し、送信時に、該当
する条件ごとに、前回演算時のオフセットから演算を開
始するか、またはオフセットが小さいとき演算を省略す
る。
【0034】(22) (1) から(21)までのいずれかの場合
に、オフセット調整を自己割り当てスロットに前置され
るプリアンブル期間内に行う。
【0035】(23) (22)の場合に、オフセット調整を自
己割り当てスロットに前置されるプリアンブル期間内に
行うとともに、複数回の該期間を経て収束するようにす
る。
【0036】(24) (22)または(23)の場合に、自己割り
当てスロットに前置されるプリアンブル期間内、または
複数のプリアンブル期間内に、第1番目に直交変調器の
洩れキャリアによるオフセットの調整または計測演算を
行ない、第2番目に直交検波器のオフセットの計測演算
を行ない、第3番目に歪補正のパラメータを設定する。
【0037】以下、本発明の歪補償方式の作用を説明す
る。図1は、エンベロープ検出型歪補償方式の概念を示
したものである。
【0038】図1において、演算/制御部1から送出さ
れたベースバンド信号は、直交変調器2において基準搬
送波3によって直交変調されて変調波となり、これが増
幅器4で所要電力まで増幅されて空中線5から送出され
る。
【0039】一方、方向性結合器6で検出された変調波
信号は、直交検波器7において送信側と同じ基準搬送波
3によって直交検波されて、ベースバンド信号を生じ
る。
【0040】復調されたベースバンド信号は、演算/制
御部1に入力されて、その内部で、送出したベースバン
ド信号と比較演算され、その差が少なくなるように、送
信側ベースバンド信号にプリディストーション処理を施
すことによって、変調器および電力増幅器の非直線性に
よる波形歪の改善が行なわれる。プリディストーション
型の歪補償方式はアナログ型,ディジタル型ともに周知
であって、多くの公知例,論文等があるので、詳細な説
明は省略する。
【0041】このように、ベースバンド信号を位相と振
幅に分離して、その大きさを比較する方式の場合、直交
変調器と直交検波器のオフセットによる振幅誤差がある
と、その演算に誤差を生じて、適正な歪補償が行なわれ
なくなる。
【0042】図2は、QPSK変調波を複素平面上に表
したものであって、ベクトルの方向によって位相を表
し、長さによって振幅を表している。直交変調器に点線
で示すようなオフセットがあると、振幅aにオフセット
が重畳されるので、演算/制御部1では、振幅aにオフ
セットが重畳された図示のbを振幅と認識する。そのた
め、変調波の振幅成分を比較するエンベロープ検出型歪
補償方式の場合、歪補償に誤差を生じ、適正な歪補償を
行なうことができなくなる。
【0043】図3は、無変調時の複素平面上の出力を示
したものである。ディジタル変調波の場合、無変調時に
は、出力が存在しないはずであるが、直交変調器にオフ
セットがあると、cで示すように、オフセット量に比例
したキャリアが洩れる。
【0044】そこで本発明方式では、この洩れキャリア
を検出して、その値が最小になるように、直交変調器の
I,Q入力レベルを微調するような制御手段を設けて送
信側オフセットの調整を行なうようにする。
【0045】さらに本発明においては、送信側における
直交変調器のオフセットと、受信側の直交検波器のオフ
セットとを分離して計測することによって、歪補償を行
なうようにする。
【0046】図4は、歪補償系における直交検波器と直
交変調器の重畳したオフセットを説明するものである。
図4は、歪補償系において、直交変調器の入力が無変調
の場合に、その出力を直交検波器で検波したベースバン
ド出力を複素平面上で表したものである。直交変調器の
入力が無変調である場合、その出力を直交検波器で検波
したベースバンド信号においては、図示のように、直交
変調器のオフセット成分aと、直交検波器のオフセット
成分bとが重畳されて、みかけ上、cのようなオフセッ
トとなって現れるが、通常の手段では、この両オフセッ
ト成分を分離して、それぞれの大きさを計測することは
不可能である。
【0047】いま、直交変調器において、基準搬送波発
生器と直交変調器の間に設置された移相手段によって、
基準搬送波の位相を0°〜360°の範囲で変化させる
と、直交変調器のオフセットによるキャリアの位相が回
転するために、直交検波器で検波したベースバンド出力
において、直交変調器のオフセットに基づく出力の位相
が回転する。
【0048】図5は、直交検波器におけるベースバンド
出力の位相回転を示したものであって、直交変調器のオ
フセットに基づく出力が、直交検波器のオフセット点を
中心として、I,Q平面上で回転することが示されてい
る。
【0049】このような、複素平面上の単位円が観測で
きれば、このときのI,Qチャネルのそれぞれの最大値
Vimax,Vqmaxおよび最小値Vimin,Vqminを
【数1】 にわたって測定することによって、オフセットΔVi,Δ
Vq を次式によって求めることができる。 ΔVi =(Vimax+Vimin)/2 …(2) ΔVq =(Vqmax+Vqmin)/2 …(3)
【0050】上式の演算を行なうことによって、図5に
おいて破線で示した直交検波器のオフセットを認識する
ことができる。
【0051】さらに、直交変調器側でI,Q入力を強制
的に変化させて、単位円を出力するような変調を行なわ
せることによって、上述の(1)〜(3)式と同様の演
算によって、変調系および検波系の総合のオフセットを
計測することができる。
【0052】図6は、変調系と検波系の総合のオフセッ
トを説明するものである。図中、破線は検波系のオフセ
ット出力、bは変調系のオフセット出力を示し、aは単
位円を発生する出力である。
【0053】図6から、図5の場合と同様にして、
(1)〜(3)式と同様の演算を行なうことによって、
図中、細線によって示す、直交変調器および直交検波器
との、総合のオフセットを計測できることが知られる。
【0054】直交変調器と直交検波器の総合のオフセッ
トを計測できれば、前述のように直交検波器のオフセッ
トは既知なので、直交変調器と直交検波器の総合のオフ
セットから直交検波器のオフセットを複素的に減算する
ことによって、直交変調器のオフセットを分離して求め
ることができる。
【0055】直交変調器および直交検波器のオフセット
を計測したのち、歪補償動作を行なう。エンベロープ検
出型歪補償方式では、送出信号と帰還信号の大きさを比
較するので、図6に示す復調信号の大きさaをI,Q座
標上で計測するが、復調信号の大きさには、直交変調器
のオフセットbと直交検波器のオフセットcとが重畳さ
れているので、それらを補正する必要がある。直交変調
器のオフセットと直交検波器のオフセットは前述のよう
に予め計測され、既知なので、演算によって補正を行な
うことが可能である。
【0056】従って本発明によれば、オフセットが存在
するアナログの直交変調器と直交検波器とを用いても、
オフセットによる誤差を除去した、歪補償方式を実現す
ることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】図7は、本発明の実施形態(1) を
示したものであって、直交変調器のオフセットを低減す
る機能を有する歪補償方式を提案するものである。
【0058】図7において、音声CODEC11から送
出されるデータ群は、TDMA部12においてバースト
処理されて、演算/制御部13に送られる。入力データ
は、演算/制御部13において、I信号とQ信号に分離
され、それぞれディジタルアナログ変換器(DA)1
4,15を経てアナログベースバンド信号に変換され、
それぞれ増幅器(AMP)16,17を経て増幅された
のち、直交変調器18に入力される。
【0059】直交変調器18においては、AMP16,
17からの入力に対して、それぞれ乗算器19,20に
おいて、基準搬送波と、これを90°移相器21によっ
て90°移相した信号とを乗算することによって、直交
変調を行なう。基準搬送波は、第1のPLL周波数シン
セサイザ(以下、単にPLLという)22からハイブリ
ッド(HYB)23を経て供給される。変調出力は増幅
器(AMP)24を経て増幅され、送信ミキサ(MI
X)25において、第2のPLL周波数シンセサイザ
(以下、単にPLLという)26からの局部発振信号に
よってアップコンバージョンされ、電力増幅器(P−A
MP)27を経て所要電力まで増幅されたのち、方向性
結合器(HYB)28を経てアンテナ(ANT)29に
結合され、送信される。
【0060】方向性結合器28を経て分岐された送信信
号は、ハイブリット(HYB)30を経て入力され、増
幅器(AMP)31で増幅されたのち、受信ミキサ(M
IX)32において、第2のPLL26からの局部発振
信号によってダウンコンバージョンされ、増幅器33
(AMP)で増幅され、バンドパスフィルタ(BPF)
34によって帯域制限されたのち、直交検波器35に入
力される。
【0061】直交検波器35においては、BPF34か
らの入力に対して、それぞれ乗算器36,37におい
て、第1のPLL22からの基準搬送波と、これを90
°移相器38によって90°移相した信号とを乗算する
ことによって、直交検波を行なって、送信側におけるベ
ースバンド信号を再現する。このベースバンド信号は、
アナログディジタル変換器(AD)39,40を経てデ
ィジタル信号に変換されて、演算/制御部13に入力さ
れる。
【0062】演算/制御部13では、帰還されたベース
バンド信号の振幅と、送信ベースバンド信号の振幅とを
比較して、両者が同じになるまで、送信ベースバンド信
号をプリディストーション処理する動作を行なうので、
最終的に、直交変調部および電力増幅部の非直線性によ
って生じる歪を補償することができる。
【0063】本発明の歪補償方式においては、その動作
に先立って、無変調状態で送信動作させて、直交変調器
のオフセットの補償を行なう。すなわち直交変調器18
のオフセットによる洩れキャリアをHYB30を経て抽
出し、バンドパスフィルタ(BPF)41を経て帯域制
限したのち、増幅器(AMP)42で増幅し、検波器
(DET)43で検波して直流信号に変換し、アナログ
ディジタル変換器(AD)44を経てディジタル信号に
変換して、制御部(CPU)45に入力する。
【0064】CPU45は、これによって2種類の制御
信号を発生し、それぞれディジタルアナログ変換器(D
A)46,47を経てアナログ信号に変換してAMP1
6,17に供給し、それぞれの動作基準点(オフセッ
ト)を調整することによって、直交変調器18のI,Q
入力レベルを微調し、これによって、その洩れキャリア
の値が最小になるようにする。なお、PLL26は、C
PU45によって制御されることによって、使用チャネ
ルに応じて、局部発振周波数を切り替えられる。
【0065】このように実施形態(1) によれば、直交変
調器のオフセットキャリアのエネルギーを検出し、直流
成分に変換する手段と、この検出信号によって直交変調
器のオフセット電圧を制御する機能を有する制御手段と
を設けることによって、送信側の直交変調器のオフセッ
トによる影響を排除した歪補償を実現することができ
る。
【0066】図8は、実施形態(1) の具体的回路構成例
を示したものであって、図7の場合と同じものを同じ番
号で示している。図8において、100は音声信号を入
力するマイク(MIC)である。101は直交変調器を
構成するICであって、乗算器102,103および基
準搬送波を移相するπ/4シフト回路104からなって
いる。105,106は送信信号を帯域制限するバンド
パスフィルタ(BPF)である。
【0067】107は受信部を構成するICであって、
108は増幅器(AMP)である。109は直交検波器
を構成するICであって、乗算器110,111を含
み、基準搬送波を移相するπ/4シフト回路112を外
付されている。113,114は検波出力を帯域制限す
るローパスフィルタ(LPF)である。115はダイオ
ード、116は平滑用コンデンサであって、洩れキャリ
アに対する検波器を構成している。
【0068】図8において、演算/制御部13は、信号
処理プロセッサ(DSP)によって構成され、ベースバ
ンド波形生成およびリニアライザの機能を有している。
また、AMP16,17は差動増幅器からなり、一方の
入力にDA14,15を接続して、他方の入力における
DA46,47のアナログ信号に応じて、それぞれの出
力レベルにオフセットを付与することによって、直交変
調器に対するI,Q入力レベルを微調する。
【0069】図9は、本発明の実施形態(2) を示したも
のであって、直交変調器のオフセットを低減する機能を
有する歪補償方式を提案するものである。図7における
と同じものを同じ番号で示し、46は制御部(CPU)
であって、PLL26を制御して、使用チャネルに応じ
て、局部発振周波数を切り替える。本実施形態において
は、演算/制御部13Aは、DSPによって構成されて
いる。
【0070】図9において、直交変調器18のオフセッ
トによる洩れキャリアをハイブリッド30を経て抽出
し、BPF41を経て帯域制限したのち、AMP42で
増幅し、DET43で検波して直流信号に変換し、AD
44を経てディジタル信号に変換して、演算/制御部1
3Aに入力する。
【0071】演算/制御部13Aは、これによって、
I,Q入力レベルを微調して、DA14,15を経てア
ナログ信号に変換して、直交変調器18に入力すること
によって、直交変調器18からの洩れキャリアの量が最
小になるようにする。
【0072】このように実施形態(2) によれば、歪補償
のためのDSPがオフセット補償機能を内蔵することに
よって、送信側の直交変調器のオフセットによる影響を
排除した歪補償を実現することができるとともに、オフ
セット除去のための制御部(CPU)を必要としないの
で、小型化とコストダウンを図ることができる。
【0073】図10は、実施形態(2) の具体的回路構成
例を示したものであって、図8および図9の場合と同じ
ものを同じ番号で示している。図10において、演算/
制御部13Aは、DSPで構成され、ベースバンド波形
生成およびリニアライザの機能を有しているとともに、
直交変調器のオフセットを補償する機能をも有してい
る。
【0074】図11は、本発明の実施形態(3) を示した
ものであって、直交変調器のオフセットを低減する機能
を有する歪補償方式を提案するものである。図8におけ
ると同じものを同じ番号で示し、47はハイブリッド
(HYB)、48はスイッチ(SW)である。
【0075】図11の実施形態においては、直交変調器
18のオフセットに起因する洩れキャリアのエネルギー
を検出する手段を、歪補償のために出力を帰還する手段
と共用する。
【0076】方向性結合器28を経て分岐された送信信
号は、増幅器31で増幅されたのち、受信ミキサ32に
おいて、第2のPLL26からの局部発振信号によって
ダウンコンバージョンされ、増幅器33で増幅され、バ
ンドパスフィルタ(BPF)34によって帯域制限され
たのち、直交検波器35に入力されて、送信側における
ベースバンド信号を再現し、これによって歪補償動作を
行なう。
【0077】直交変調器18のオフセット除去動作時に
は、BPF34の出力をHYB47で分岐し、DET4
3で検波して直流信号に変換した信号をスイッチ48で
切り替えて、AD変換器40を経てディジタル信号に変
換して、演算/制御部13Aに入力する。演算/制御部
13Aは、これによって、I,Q入力レベルを微調し
て、ディジタルアナログ(DA)変換器14,15を経
て直交変調器18に入力することによって、直交変調器
18からの洩れキャリアの量が最小になるようにする。
【0078】このように実施形態(3) によれば、直交検
波器35の前で、直交変調器18のオフセットによる洩
れキャリアによるエネルギー成分を分岐する手段と、こ
のエネルギー成分を切り替えて演算/制御部13Aに入
力する手段とを設けたことによって、送信側の直交変調
器のオフセットによる影響を排除した歪補償を実現する
ことができる。この際、オフセット除去のための制御部
(CPU)を必要としないとともに、直交変調器18の
オフセットに起因する洩れキャリアのエネルギーを検出
する手段を、歪補償のために出力を帰還する手段と共用
するので、さらに小型化とコストダウンを図ることがで
きる。
【0079】図12は、本発明の実施形態(4) を示した
ものであって、直交変調器のオフセットを低減する機能
を有する歪補償方式を提案するものである。図9におけ
ると同じものを同じ番号で示し、49はRSSI(Radi
o Signal Strength Indicator )出力発生部、50は直
交検波器を含む受信IF ICである。
【0080】図12の実施形態においては、歪補償のた
めに送信出力を帰還する手段が、RSSI出力機能を有
している場合に、直交変調器18のオフセットに起因す
る洩れキャリアのエネルギーを検出する手段として、こ
のRSSI出力機能を利用する。
【0081】方向性結合器28を経て分岐された送信信
号は、AMP31で増幅されたのち、受信ミキサ32に
おいて、第2のPLL26からの局部発振信号によって
ダウンコンバージョンされ、AMP33で増幅され、B
PF34によって帯域制限されたのち、直交検波器35
に入力されて、送信側におけるベースバンド信号を再現
され、これによって歪補償動作を行なう。
【0082】直交変調器18のオフセット除去動作時に
は、RSSI出力発生部49において、AMP33の入
出力を比較することによって発生したRSSI出力を、
AD44を経てディジタル信号に変換して、演算/制御
部13Aに入力する。演算/制御部13Aは、これによ
って、I,Q入力レベルを微調して、DA14,15を
経て直交変調器18に入力することによって、直交変調
器18からの洩れキャリアの量が最小になるようにす
る。
【0083】このように実施形態(4) によれば、RSS
I出力手段と、RSSI出力をディジタル信号に変換す
るAD手段とを備えることによって、送信側の直交変調
器のオフセットによる影響を排除した歪補償を実現する
ことができるとともに、オフセット除去のための制御部
(CPU)を必要としないとともに、直交変調器18の
オフセットに起因する洩れキャリアのエネルギーを検出
する手段として、受信IF ICが有するRSSI出力
機能を利用するので、別途、エネルギー検出手段が不要
となり、さらに小型化とコストダウンを図ることができ
る。
【0084】RSSI機能は、エネルギー検出精度が高
く、検出レベルのダイナミックレンジが大きいので、直
交変調器のオフセット除去のための補償精度を向上する
ことができる。
【0085】図13は、実施形態(4) の具体的回路構成
例を示したものであって、図8および図12の場合と同
じものを、同じ番号で示している。図13において、I
C107が有するRSSI出力を、直交変調器18のオ
フセットに起因する洩れキャリアのエネルギーを検出す
る手段として使用している。
【0086】なお、上記各実施形態のオフセット調整
は、時分割多重方式の場合、送信バーストのプリアンブ
ル時や、自己割り当てスロットの間に行なえばよい。
【0087】本発明の実施形態(5) として、実施形態
(1),(2) における、直交変調器18のオフセットに起因
する洩れキャリアのエネルギーを検出する手段におい
て、キャリア成分を抽出するために用いられる、BPF
41を狭帯域として、オフセットに基づくキャリア成分
と、変調成分とを分離可能にする。
【0088】このように実施形態(5) によれば、狭帯域
のフィルタを備えることによって、通常変調時において
も、直交変調器のオフセット補償を行なうことができる
ようになる。なお、実施形態(1),(2) の場合は、BPF
41が特に狭帯域ではないため、オフセットに基づくキ
ャリア成分と変調成分とを分離できないので、無変調時
でないと、直交変調器のオフセット補償を行なうことが
できない。
【0089】図14は、本発明の実施形態(6) を示した
ものであって、直交変調器のオフセットを低減する機能
を有する歪補償方式を提案するものである。図9におけ
ると同じものを同じ番号で示し、51は逓倍器である。
【0090】図14において、直交変調器18のオフセ
ットによる洩れキャリアをハイブリッド30を経て抽出
し、逓倍器51によって例えば8逓倍したのち、BPF
41を経て帯域制限したのち、AMP42で増幅し、D
ET43で検波して直流信号に変換し、AD44を経て
ディジタル信号に変換して、演算/制御部13Aに入力
し、これによって、直交変調器18のI,Q入力レベル
を微調して、洩れキャリアの量が最小になるようにす
る。
【0091】図15は、逓倍による同一位相への縮退を
説明するものである。図中に示された各位相の信号を8
逓倍すると、例えば、
【数2】
【数3】 のように、すべての位相成分が同じ位相に縮退する。
【0092】従って、QPSK信号のすべての変調成分
と、オフセットに基づくキャリアとが同一位相になるの
で、この状態でキャリアの大きさが最小になるように制
御することによって、オフセットキャリアを低減して、
直交変調器のオフセット補償を行なうことができる。
【0093】実施形態(6) によれば、逓倍手段を備える
ことによって、送信側の直交変調器のオフセットによる
影響を排除した歪補償を実現することができるととも
に、通常変調時にも、直交変調器のオフセットの補償を
行なうことができる。実施形態(5) の場合と比較して、
技術的に困難で高価な狭帯域フィルタを必要としないの
で、コスト的に有利である。
【0094】図16は、本発明の実施形態(7) を示した
ものであって、直交変調器のオフセットを低減する機能
を有する歪補償方式を提案するものである。図9におけ
ると同じものを同じ番号で示し、52は直交変調器であ
って、乗算器53,54および90°移相器55とから
なっている。56は、極性反転器である。
【0095】図16において、BPF34で抽出され
た、直交変調器18のオフセットに基づくキャリアを、
直交変調器52の一方の乗算器53に加えるとともに、
これを90°移相器55を経て90°移相して他方の乗
算器54に加え、送信信号のI成分を乗算器53に加
え、Q成分を極性反転器56を経て反転して乗算器54
に加えることによって、オフセットに基づくキャリアを
送信信号で逆変調して、変調成分を除去する。
【0096】変調成分が除去されたキャリア成分を、B
PF41を経て帯域制限したのち、DET43で検波し
て直流信号に変換し、AD44を経てディジタル信号に
変換して、演算/制御部13Aに入力する。
【0097】演算/制御部13Aは、これによって、
I,Q入力レベルを微調して、DA14,15を経て直
交変調器18に入力することによって、直交変調器18
からの洩れキャリアの値が最小になるようにする。
【0098】このように実施形態(7) によれば、逆変調
手段を備えることによって、送信側の直交変調器のオフ
セットによる影響を排除した歪補償を実現することがで
きるとともに、通常変調時にもオフセット補償を行なう
ことができる。実施形態(5)の場合と比較して、技術的
に困難で高価な狭帯域フィルタを必要としないので、コ
スト的に有利である。
【0099】図17は、本発明の実施形態(8) を示した
ものであって、直交変調器のオフセットを低減する機能
を有する歪補償方式を提案するものである。図9におけ
ると同じものを同じ番号で示し、57はスイッチ(S
W)であって、ANT29を切り離す作用を行なう。
【0100】図17において、直交変調器18のオフセ
ットに基づくキャリアを、直交変調器18の出力側,送
信ミキサ25の入力側,P−AMP27の入力側のいず
れかから分岐して、BPF41を経て帯域制限したの
ち、AMP42で増幅し、DET43で検波して直流信
号に変換し、AD44を経てディジタル信号に変換し
て、演算/制御部13Aに入力する。
【0101】演算/制御部13Aは、これによって、
I,Q入力レベルを微調して、DA14,15を経て直
交変調器18に入力することによって、直交変調器18
からの洩れキャリアの量が最小になるようにする。
【0102】一方、AMP24またはP−AMP27の
電源を断にするか、またはアンテナ系を断にすることに
よって、送信断の状態、または時分割多重通信における
自己スロット時以外の時間に、上記の洩れキャリアの補
償動作を行なえるようにする。
【0103】このように実施形態(8) によれば、空中線
系切断手段または増幅器電源断手段等の、空中線出力遮
断手段を備えることによって、送信断の状態、または時
分割多重でアイドルスロット時に、直交変調器のオフセ
ット補償を行なうことができる。従ってオフセット補償
に必要な時間を短縮することができる。
【0104】本発明の実施形態(9) として、上述の各実
施形態(1) 〜(8) において、直交変調器のオフセット制
御機能が周知の摂動原理によって動作するようにするこ
とができる。さらにこの場合の摂動幅が、オフセットキ
ャリア量の減少に伴って、次第に減少するようになる、
摂動アルゴリズムを用いることもできる。
【0105】図18は、摂動アルゴリズムによるオフセ
ット補償のフローチャート例を示したものである。図
中、Vi,q は、直交変調器に対するI成分とQ成分の
入力電圧、VR は直交変調器のオフセットに基づくキャ
リアのエネルギー検出電圧である。また図19は、摂動
量の設定を説明するものであって、(a)は摂動量が一
定の場合を示し、(b)は摂動量がオフセットキャリア
に反比例する場合を示している。
【0106】実施形態(9) によれば、摂動アルゴリズム
を備えることによって、高速かつ高精度のオフセット補
償動作を実現することができる。
【0107】また実施形態(10)として、実施形態(1) 〜
(3) の場合に、直交変調器のオフセット制御機能を、無
信号出力時のキャリアリーク電力(オフセット量)と、
変調ベースバンド信号として単位円を入力した場合の電
力測定値とを用いて、直交変調器のオフセットを推定す
る演算アルゴリズムを用いることによって、摂動動作よ
りも速やかにオフセット補償を可能にすることができ
る。
【0108】この場合の演算アルゴリズムは、次のよう
なものとなる。いま、vx,y をDCオフセットとし、
振幅rの単位円を出力した場合、検出される電力pは、 p=x2 +y2 (x−vx 2 +(y−vy 2 =r2 で表される。これから、電力pをrの回転角θで表し、
その最大値,最小値を求める。
【0109】 x−vx =rcosθ y−vy =rsinθ を代入して、電力pを求めると、 p=(rcosθ+vx 2 +(rsinθ+vy 2 =r2 +vx 2 +vy 2 +2rvx cosθ+2rvy sinθ =r2 +pL +2r(vx cosθ+vy sinθ) …(4) ここでpL =vx 2 +vy 2 は無信号出力時の電力測定
値である。
【0110】 dp/dθ=−2rvx sinθ+2rvy cosθ=0 であるから、導関数が0になるθをθ0 として、 vy /vx =sinθ0 /cosθ0 …(5) 式(4),(5)からvx ,vy を求めると、 vx =(1/2rcosθ0 )(p0 −pL −r2 ) vY =(1/2rsinθ0 )(p0 −pL −r2 ) ここでp0 は、dp/dθ=0となるときの電力pの値
である。
【0111】すなわち、無信号出力時の電力pL ,振幅
rの単位円を出力したときの電力の最小値p0 と、これ
を与えるθが測定できれば、DCオフセットvx,y
計算できる。最大値のオフセット角度(p0 ,θ0
は、最小値のオフセット角度(p0 ,θ0 )と同じにな
る。
【0112】実施形態(10)によれば、直交変調器のキャ
リア洩れの検出手段と、演算手段とを設けることによっ
て、高速のオフセット補償が可能であって、摂動動作よ
りも速いオフセット補償を行なうことができる。この場
合の演算手段としては、例えば実施形態(1) の場合は、
制御部45が対応し、実施形態(2) の場合は、演算/制
御部13Aが対応する。
【0113】本発明の実施形態(11)として、実施形態
(1) 〜(3) において、無信号出力時のキャリアリーク電
力の測定値と、変調ベースバンド信号として単位円を入
力したときの電力測定値とから、オフセット量とオフセ
ット角度を計測し、この計測値からオフセット点を推測
することによって、オフセット補償を行なうことができ
る。
【0114】図20は、オフセット点の推測を説明する
ものであって、(a)はDSPが認識しているオフセッ
ト点と直交変調器によるオフセットとの関係、(b)は
単位円入力状態の電力計測値の変化、(c)はオフセッ
ト点の推測をそれぞれを示している。
【0115】 DSPは自分が認識している零点を出
力する。 そのときの直交変調器のオフセットに基づくオフセ
ットキャリアの電力Pを検出手段によって測定する。
(このとき、電力はわかるが、オフセットの方向は未知
である。)
【0116】 DSPは単位円を出力する。オフセッ
トの存在によって信号の方向に電力差があり、Pmax の
ときの方向が、オフセットの方向で、そのときの角度が
θである。(DSPは自分で単位円を出力しているの
で、θを認識している。)
【0117】 θと、項で求められたオフセット電
力Pとから r2 =p=vx 2 +vy 2 ここで r=P1/2x =rsinθ vy =rcosθ
【0118】従って、θとrがわかれば、簡単な演算に
よって、オフセット量vx ,vy を導くことができる。
【0119】実施形態(11)によれば、キャリアリーク検
出手段と、演算手段とによって、高速に、直交変調器の
オフセット補償を行なうことができる。本実施形態によ
れば、摂動動作の場合より高速にオフセット補償を行な
うことができるとともに、実施形態(10)の場合より演算
量が少ないので、さらに高速にオフセット補償を行なう
ことができる。この場合の演算手段としては、例えば実
施形態(1) の場合は、制御部45が対応し、実施形態
(2) の場合は、演算/制御部13Aが対応する。
【0120】本発明の実施形態(12)として、実施形態(1
0)または(11)で求めたオフセット点を、摂動動作の開始
点として、直交変調器のオフセット補償を行なうことが
できる。
【0121】実施形態(12)によれば、キャリアリーク検
出手段と、演算手段と、摂動動作とによって、高速かつ
高精度に、直交変調器のオフセット補償を行なうことが
できる。これは、演算方式でおおまかにオフセット量を
見いだしてから、摂動動作によって正確なオフセット量
を求めるためである。
【0122】なお、上記各実施形態において、オフセッ
ト補償の処理を行なう演算手段としては、例えば実施形
態(1) の場合は、制御部45が対応し、実施形態(2) の
場合は、演算/制御部13Aが対応する。
【0123】図21は、本発明の実施形態(13)を示した
ものであって、直交変調器と直交検波器のオフセットを
個別に演算して、それぞれのオフセットによる歪補正誤
差を補償する機能を有する歪補償方式を提案するもので
ある。図9におけると同じものを同じ番号で示し、60
はディジタルアナログ変換器(DA)、61は移相器で
ある。
【0124】実施形態(13)においては、図9について説
明したように、直交変調器18からの直交変調信号を、
出力側で分岐して、直交検波器35に入力して直交検波
を行なって演算/制御部13Aに入力することによっ
て、帰還されたベースバンド信号の振幅と、送信ベース
バンド信号の振幅とを比較して、両者が同じになるま
で、送信ベースバンド信号をプリディストーション処理
する動作を行なうことによって、エンベロープ検出型歪
補償が行なわれる。
【0125】さらに送信断時、または時分割多重伝送方
式の送信バーストのプリアンブル時や自己割り当てスロ
ット時に、DA変換器60は演算/制御部13Aからの
出力信号をアナログ信号に変換して出力し、移相器61
はこの出力信号に応じて、PLL22から加えられる基
準搬送波の位相を、0°〜360°変化させる。
【0126】これによって、無変調状態での直交変調器
18のオフセットに起因する洩れキャリアの位相回転に
よって、直交検波器35のベースバンド出力が位相回転
して、複素平面上で単位円を描くので、演算/制御部1
3Aにおいて、この単位円を観測して、前述の(1) 〜
(3) 式の演算を行なうことによって、前述のように、直
交検波器のオフセットを求めることができる。
【0127】次に基準搬送波の位相変化を0にした状態
で、演算/制御部13Aにおいて、直交変調器18に対
するI,Q入力を強制的に変化させて、単位円を出力す
るような変調を行なわせる。この変調波信号を分岐して
直交検波器35に入力して、直交検波した信号につい
て、演算/制御部13Aにおいて、上述の(1)〜
(3)式と同様の演算を行なうことによって、前述のよ
うに、変調系および検波系の、総合のオフセットを求め
ることができる。
【0128】演算/制御部13Aでは、このようにして
求められた、変調系および検波系の、総合のオフセット
と、直交検波器のオフセットとから、複素演算によっ
て、直交変調器のオフセットを分離して求める。演算/
制御部13Aでは、このようにして求められた直交検波
器のオフセットと、直交変調器のオフセットとを記憶し
て、変調入力および復調出力に対する補償を行なって、
直交検波器と直交変調器のオフセットに基づく歪みを除
去する。
【0129】従って、実施形態(13)によれば、直交変調
器に対する移相手段を設けることによって、直交変調器
と直交検波器のオフセットによる歪補正誤差を補償した
歪補償を行なうことができるとともに、実施形態(1) 〜
(12)の場合のように、直交変調器のオフセットキャリア
を検出する手段が不要になる。
【0130】なお、実施形態(13)において、オフセット
補償の処理は、実施形態(1) に示されたように、ベース
バンド波形生成を行なうDSPからなる演算/制御部1
3とは別の制御部45において行なってもよく、または
実施形態(2) に示されたように、ベースバンド波形生成
を行なうDSPからなる演算/制御部13Aにおいて行
なうようにしてもよい。
【0131】本発明の実施形態(14)においては、実施形
態(13)において、直交検波器35のオフセットを求める
演算期間中に、直交変調器18に強制的にオフセットを
付加する手段を設ける。
【0132】これによって、直交検波器35のオフセッ
トを求める際の、直交変調器18のオフセットに起因す
るキャリアが増大し、その位相回転に基づく、直交検波
器35のベースバンド出力の位相回転によって、複素平
面上に描かれる単位円が拡大するので、演算/制御部1
3Aにおいて、この単位円を観測して、前述の(1) 〜
(3) 式の演算を行なって、直交検波器のオフセットを求
める際の、演算精度を向上させることができる。
【0133】実施形態(14)によれば、直交変調器に対し
て移相手段と、オフセット付与手段とを設けることによ
って、より正確に直交検波器のオフセットを演算するこ
とが可能となる。
【0134】本発明の実施形態(15)として、実施形態(1
3)において、直交変調器に対する基準搬送波の位相を0
°〜360°変化させるための移相手段61として、ブ
ランチラインハイブリッドに可変容量ダイオードを装架
した形式、または無限移相器(4相位相変調器)で構成
された形式のものを使用することができる。
【0135】本発明の実施形態(16)として、基準搬送波
の位相を0°〜360°変化させるための移相手段61
が、直交変調器のオフセット量の演算のために使用され
ると同時に、エンベロープ検出型歪補償動作において、
両乗算器19,20に対する送出信号の遅延による位相
調整に共用することができる。
【0136】実施形態(16)によれば、移相手段61の他
に図示されない位相調整手段を設けることによって、遅
延による位相調整手段を有する歪補償方式において、オ
フセット演算にこの位相調整手段を共用することがで
き、小型化とコストダウンに寄与することができる。
【0137】図22は、本発明の実施形態(17)を示した
ものであって、直交変調器と直交検波器のオフセットを
個別に演算して、それぞれのオフセットによる歪補正誤
差を補償する機能を有する歪補償方式を提案するもので
ある。図21におけると同じものを同じ番号で示し、6
2は第3のPLL周波数シンセサイザ(以下、単にPL
Lという)、63は基準周波数発生器(TCXO)であ
る。
【0138】実施形態(17)においては、直交変調器18
に対する基準搬送波の位相を0°〜360°可変するた
めの移相手段を、PLL周波数シンセサイザを複数使用
して構成する。図22に示すように、直交変調器18に
対する基準搬送波をPLL22から供給し、送信ミキサ
25および受信ミキサ32に対する局部発振信号をPL
L26から供給し、直交検波器35に対する基準搬送波
をPLL62から供給するとともに、PLL22とPL
L62に与える基準周波数信号をTCXO63から供給
する。
【0139】オフセット計測時には、PLL22または
PLL62のいずれか一方のPLLの出力周波数をN
(Nは整数)チャネル分ずらすか、またはPLLで設定
可能な周波数だけ離れた周波数になるようにすることに
よって、両PLLの差の周波数で直交検波器35のベー
スバンド出力を位相回転させることができるので、演算
/制御部13Aにおいて、複素平面上に描かれる単位円
を観測して、前述の(1)〜(3) 式の演算を行なって、直
交検波器のオフセットを求めることができる。
【0140】演算/制御部13Aでは、さらに前述のよ
うに、変調系および検波系の、総合のオフセットを求
め、演算によって直交変調器のオフセットを分離して求
めることによって、直交検波器と直交変調器のオフセッ
トに基づく歪みを除去する。
【0141】実施形態(17)によれば、複数のPLLとP
LL制御手段とを備えることによって、正確な回転速度
で単位円を描かせて、オフセット量の演算を高精度に実
行することができる。本実施形態は、例えば送受信装置
が分離している場合のように、もともと複数のPLLを
使用している装置の場合、回路規模を拡大することなく
実現できる利点がある。
【0142】図23は、本発明の実施形態(18)を示した
ものであって、直交変調器と直交検波器のオフセットを
個別に演算して、それぞれのオフセットによる歪補正誤
差を補償する機能を有する歪補償方式を提案するもので
ある。図中、70は基準発振器、71〜73はそれぞれ
PLL周波数シンセサイザ(以下、単にPLLとい
う)、74〜76はそれぞれ送信機(TX)である。
【0143】実施形態(18)は、例えば基地局無線装置の
ように、複数の送信機が近接して設置され、それぞれの
PLLが共通の基準発振器から基準周波数信号を供給さ
れるように構成された装置の場合に適用されるものであ
る。本実施形態においては、各送信機74〜76にそれ
ぞれ複数の基準搬送波を入力して選択して使用できるよ
うに構成する。
【0144】オフセット演算時には、送信機内部の直交
変調器または直交検波器の基準搬送波周波数を切替手段
によって切り替えることによって、直交変調器と直交検
波器の基準搬送波周波数が、N(Nは整数)チャネル分
異なるようにする。これによって、実施形態(17)の場合
と同様に、両基準搬送波周波数の差の周波数で直交検波
器35のベースバンド出力を位相回転させて、直交検波
器のオフセットを求めることができる。
【0145】さらに前述のように、変調系および検波系
の、総合のオフセットを求め、演算によって直交変調器
のオフセットを分離して求めることによって、直交検波
器と直交変調器のオフセットに基づく歪みを除去する。
【0146】実施形態(18)では、各送信機に基準搬送波
の入力手段と切替手段とを設けることによって、正確な
回転速度で単位円を描かせて、オフセットの演算を高精
度に実行することができる。本実施形態によれば、複数
の送信機を有し隣接装置のPLLを相互に利用可能な場
合に、新たなPLLを設置する必要がない利点がある。
【0147】図24は、本発明の実施形態(19)を示した
ものであって、直交変調器と直交検波器のオフセットを
個別に演算して、それぞれのオフセットによる歪補正誤
差を補償する機能を有する歪補償方式を提案するもので
ある。図中、80,81は送信装置である。各送信装置
において、82はPLL周波数シンセサイザ(以下、単
にPLLという)、83は分配器、84はスイッチ(S
W)、85は直交変調器、86は直交検波器である。
【0148】実施形態(19)は、例えば基地局無線装置の
ように、複数の送信機が近接して設置されている場合に
適用されるものである。本実施形態においては、各送信
装置80,81において、PLL82の基準搬送波信号
を分配器83を経て直交変調器85と相手送信装置に供
給し、自装置のPLLの基準搬送波または相手装置のP
LLの基準搬送波をスイッチ84を経て切り替えて直交
検波器86に供給するように構成する。スイッチ84
は、常時は、自装置のPLL82側を選択している。
【0149】オフセット演算時には、相手装置のPLL
の基準搬送波をスイッチ84によって切り替えて直交検
波器86に供給することによって、直交変調器と直交検
波器の基準搬送波周波数が、N(Nは整数)チャネル分
異なることにより、または同周波数であっても非同期で
あることによって、実施形態(17)の場合と同様に、両基
準搬送波周波数の差の周波数で直交検波器35のベース
バンド出力を位相回転させて、直交検波器のオフセット
を求めることができる。
【0150】さらに前述のように、変調系および検波系
の、総合のオフセットを求め、演算によって直交変調器
のオフセットを分離して求めることによって、直交検波
器と直交変調器のオフセットに基づく歪みを除去する。
【0151】実施形態(19)では、各送信装置に基準搬送
波の入出力手段と切替手段とを設けることによって、正
確な回転速度で単位円を描かせて、オフセットの演算を
高精度に実行することができる。本実施形態によれば、
複数の送信機を有し隣接装置のPLLを相互に利用可能
な場合に、新たなPLLを設置する必要がない利点があ
る。
【0152】図25は、本発明の実施形態(20)を示した
ものであって、直交変調器と直交検波器のオフセットを
個別に演算して、それぞれのオフセットによる歪補正誤
差を補償する機能を有する歪補償方式を提案するもので
ある。図中、図21におけると同じものを同じ番号で示
し、64,65はそれぞれスイッチ(SW)である。
【0153】実施形態(20)において、直交変調器の出力
から空中線系の入力までのいずれかの部分から変調信号
を分岐して、直交検波器の入力から空中線系の入力まで
のいずれかの部分に帰還する。図25においては、SW
64を設けて、AMP24の出力からBPF34の入力
に接続することが示されている。また、オフセット演算
時には、空中線出力を断にする。図25においては、S
W65を設けて、ANT29を切り離すことが示されて
いるが、ANT29を切り離す代わりに、P−AMP2
7の電源をオフにしてもよい。
【0154】実施形態(20)においては、SW64をオン
にし、SW65をオフにすることによって、非送信時、
かつ時分割多重方式の自己スロット以外の時間(アイド
ルスロット時)に、オフセット演算を行なって、オフセ
ット補償動作を行なうことができる。
【0155】このように実施形態(20)によれば、空中線
出力遮断手段を設けることによって、送信断の状態で
も、オフセット補償が可能である。さらに時分割多重方
式では、アイドルスロット時に、オフセット補償を行な
うことができる。従ってオフセット補償に必要な時間を
短縮することができる。
【0156】本発明の実施形態(21)として、上記各実施
形態のオフセット補償動作を行なう場合に、送信装置の
キャリア周波数, 送信電力, 装置温度の検出手段を設け
て、オフセット補償動作時の送信装置のキャリア周波
数, 送信電力, 装置温度の各条件のすべてまたは一部の
条件ごとのオフセットをテーブルとして記憶するように
する。そして送信時には、そのときの上記条件から前回
補償動作時のオフセットをテーブルから求めて、この値
からオフセット演算を開始するようにする。また前回の
データからオフセットが少ない場合は、オフセット演算
を省略する。
【0157】実施形態(21)によれば、オフセットをテー
ブル化する手段と、この値を記憶する記憶手段とを備え
ることによって、前回補償動作時のデータをオフセット
補償の演算開始点とすることによって、演算所要時間を
短縮することができる。また摂動動作の場合は、前回オ
フセット点から摂動を開始することによって、高速収束
可能となる。さらにオフセット演算を省略できる場合に
は、直ちに歪補償動作を開始することができるので、歪
補償時間を短縮することができる。
【0158】本発明の実施形態(22)として、上記の各実
施形態のオフセット補償動作を、時分割多重方式におい
て、自己割り当てスロットに前置されているプリアンブ
ル期間内に行なうようにする。
【0159】本発明の実施形態(23)として、上記の各実
施形態のオフセット補償動作を、時分割多重方式におい
て、自己割り当てスロットに前置されているプリアンブ
ル期間内に行なうとともに、複数回のプリアンブル期間
を経て収束するようにする。
【0160】本発明の実施形態(24)として、送信装置の
歪補償を行なう際に、自己割り当てスロットに前置され
ているプリアンブル期間内、または複数のプリアンブル
期間内に、第1番目に直交変調器の洩れキャリアによる
オフセットの調整または計測演算を行ない、第2番目に
直交検波器のオフセットの計測演算を行ない、第3番目
に歪補正のパラメータを設定する。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、直
交変調器のオフセットによるキャリア洩れのエネルギー
を検出し、それが最小になるように直交変調器の入力レ
ベルを調整することによって、直交変調器のオフセット
を解消して送信変調波の波形歪みを除去することができ
る。
【0162】さらに直交変調器と直交検波器の基準搬送
波に周波数差または位相差を与えて、直交検波器出力で
単位円を描かせて直交検波器のオフセットを求め、直交
変調器入力を調整して直交検波器出力で単位円を描かせ
て、直交変調器と直交検波器の総合のオフセットを求め
て、これから直交変調器のオフセットを演算によって求
め、これによって直交変調器入力および直交検波器出力
を補償することによって、直交変調器と直交検波器のオ
フセットの影響を排除することができる。
【0163】従って本発明の歪補償方式によれば、エン
ベロープ検出型の歪補償を行なう場合に、より確実に、
送信信号の歪を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンベロープ検出型歪補償方式の概念を示す図
である。
【図2】QPSK変調波を複素平面上に表した図であ
る。
【図3】無変調時の複素平面上の出力を示す図である。
【図4】歪補償系における直交検波器と直交変調器の重
畳したオフセットを説明する図である。
【図5】直交検波器におけるベースバンド出力の位相回
転を示す図である。
【図6】変調系と検波系の総合のオフセットを説明する
図である。
【図7】本発明の実施形態(1) を示す図である。
【図8】実施形態(1) の具体的回路構成例を示す図であ
る。
【図9】本発明の実施形態(2) を示す図である。
【図10】実施形態(2) の具体的回路構成例を示す図で
ある。
【図11】本発明の実施形態(3) を示す図である。
【図12】本発明の実施形態(4) を示す図である。
【図13】実施形態(4) の具体的回路構成例を示す図で
ある。
【図14】本発明の実施形態(6) を示す図である。
【図15】逓倍による同一位相への縮退を説明する図で
ある。
【図16】本発明の実施形態(7) を示す図である。
【図17】本発明の実施形態(8) を示す図である。
【図18】摂動アルゴリズムによるオフセット補償のフ
ローチャート例を示す図である。
【図19】摂動量の変化を説明する図である。
【図20】オフセット点の推測を説明する図である。
【図21】本発明の実施形態(13)を示す図である。
【図22】本発明の実施形態(17)を示す図である。
【図23】本発明の実施形態(18)を示す図である。
【図24】本発明の実施形態(19)を示す図である。
【図25】本発明の実施形態(20)を示す図である。
【符号の説明】
13 演算/制御部 13A 演算/制御部 16 増幅器 17 増幅器 18 直交変調器 22 PLL 29 空中線 35 直交検波器 45 制御部 51 逓倍器 52 直交変調器 62 PLL 63 基準周波数発生器 71 PLL 72 PLL 73 PLL 74 送信機 75 送信機 76 送信機 80 送信装置 81 送信装置 82 PLL 84 スイッチ 85 直交変調器 86 直交検波器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大崎 仁也 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番 8号 富士通九州ディジタル・テクノロ ジ株式会社内 (72)発明者 金子 祐司 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番 8号 富士通九州ディジタル・テクノロ ジ株式会社内 (72)発明者 ▲高▼田 興志 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番 8号 富士通九州ディジタル・テクノロ ジ株式会社内 (72)発明者 椛島 優 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番 8号 富士通九州ディジタル・テクノロ ジ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−291829(JP,A) 特開 平6−268703(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 H04B 1/00

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演算/制御部からのI成分とQ成分のデ
    ィジタル信号からなる送信ベースバンド信号をアナログ
    信号に変換し、それぞれ増幅器を介して直交変調器に加
    え、基準搬送波を直交変調して送信変調波を生成すると
    ともに、該送信変調波を分岐して直交検波器に加え、前
    記基準搬送波によって直交検波して得たI成分とQ成分
    の復調信号をそれぞれディジタル信号に変換して得た受
    信ベースバンド信号を前記演算/制御部に帰還し、該演
    算/制御部において、該帰還ベースバンド信号と送信ベ
    ースバンド信号とを比較して送信ベースバンド信号をプ
    リディストーション処理することによって、送信変調波
    の波形歪みを除去するエンベロープ検出型歪補償方式の
    ディジタル無線装置において、 前記直交変調器のオフセットに基づく洩れキャリアを検
    出して直流化した信号を制御部に加え該制御部が制御
    信号を出力して前記増幅器の動作基準点を変化させて、
    前記直交変調器に対するI成分とQ成分の入力信号値を
    調整することによって、該直交変調器のオフセットが最
    小になるように制御する手段を備えたことを特徴とする
    ディジタル無線装置。
  2. 【請求項2】 演算/制御部からのI成分とQ成分のデ
    ィジタル信号からなる送信ベースバンド信号をアナログ
    信号に変換して直交変調器に加え、基準搬送波を直交変
    調して送信変調波を生成するとともに、該送信変調波を
    分岐して直交検波器に加え、前記基準搬送波によって直
    交検波して得たI成分とQ成分の復調信号をそれぞれデ
    ィジタル信号に変換して得た受信ベースバンド信号を前
    記演算/制御部に帰還し、該演算/制御部において、該
    帰還ベースバンド信号と送信ベースバンド信号とを比較
    して送信ベースバンド信号をプリディストーション処理
    することによって、送信変調波の波形歪みを除去するエ
    ンベロープ検出型歪補償方式のディジタル無線装置にお
    いて、 前記演算/制御部をディジタル信号処理プロセッサによ
    構成し、前記直交変調器のオフセットに基づく洩れキ
    ャリアを検出して直流化したのちディジタル信号に変換
    して該演算/制御部に加え該演算/制御部が、前記直
    交変調器に対するI成分とQ成分の信号入力値を調整し
    て、該直交変調器のオフセットが最小になるように制御
    する手段を備えたことを特徴とするディジタル無線装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のディジタル無
    線装置において、前記直交変調器のオフセットに基づく
    洩れキャリアを検出する回路を、前記直交検波器に対す
    る送信変調波の入力回路と共用する構成を備えたことを
    特徴とするディジタル無線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のディジタル無
    線装置において、前記直交変調器のオフセットに基づく
    洩れキャリアを検出して直流化した出力として、前記直
    交検波器に対する送信変調波の入力回路のRSSI出力
    を用いる構成を備えたことを特徴とするディジタル無線
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のディジタル無
    線装置において、前記直交変調器のオフセットに基づく
    洩れキャリアを検出する回路に変調成分を除去する狭帯
    域バンドパスフィルタを備えたことを特徴とするディジ
    タル無線装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2または3のいずれかに
    記載のディジタル無線装置において、前記直交変調器の
    オフセットに基づく洩れキャリアを検出する回路に逓倍
    器を備え、オフセットに基づく洩れキャリアと変調成分
    とを同一位相に縮退する構成を備えたことを特徴とする
    ディジタル無線装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2または3のいずれかに
    記載のディジタル無線装置において、前記直交変調器の
    オフセットに基づく洩れキャリアを検出する回路に、該
    洩れキャリアを前記直交変調器に対する入力信号によっ
    て逆変調して変調成分を除去する逆変調器を備えたこと
    を特徴とするディジタル無線装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかに記載のディ
    ジタル無線装置において、前記直交変調器の出力側から
    空中線の入力側までのいずれかの点から直交変調器のオ
    フセットに基づくキャリアを分岐検出するとともに、該
    キャリアの分岐検出点以後における増幅器の電源または
    空中線系を断にする手段を設け、送信断時または時分割
    多重方式における自己スロット時以外のときに、前記直
    交変調器のオフセット補償動作を可能とした構成を備え
    たことを特徴とするディジタル無線装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のディ
    ジタル無線装置において、前記直交変調器のオフセット
    補償動作を摂動原理によって行うとともに、該摂動幅が
    オフセットキャリア量の減少に伴って順次減少するよう
    な摂動アルゴリズムを用いる構成を備えたことを特徴と
    するディジタル無線装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至3のいずれかに記載の
    ィジタル無線装置において、演算手段が、変調ベースバ
    ンド信号として単位円を入力したときの電力量の変化曲
    線の微分導関数が0になる点からオフセット角度を決定
    し、該オフセット角度と前記直交変調器のオフセットに
    基づくキャリア電力によって定まるオフセット量とから
    オフセットのI成分とQ成分とを定める演算を行なっ
    て、前記直交変調器に対するオフセット補償動作を行う
    構成を備えたことを特徴とするディジタル無線装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至3のいずれかに記載の
    ィジタル無線装置において、演算手段が、変調ベースバ
    ンド信号として単位円を入力したときの電力最大となる
    角度によってオフセット角度を求め、該オフセット角度
    と前記直交変調器のオフセットに基づくキャリア電力に
    よって定まるオフセット量とから、該直交変調器のオフ
    セットのI成分とQ成分とを推測する制御を行なって、
    前記直交変調器に対するオフセット補償動作を行う構成
    を備えたことを特徴とするディジタル無線装置。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載のディジタル無線装置
    において、演算手段が、変調ベースバンド信号として単
    位円を入力したときの電力量の変化曲線の微分導関数が
    0になる点からオフセット角度を決定し、該オフセット
    角度と前記直交変調器のオフセットに基づくキャリア電
    力によって定まるオフセット量とからオフセットのI成
    分とQ成分とを定める演算を終了した状態、または変調
    ベースバンド信号として単位円を入力したときの電力最
    大となる角度によってオフセット角度を求め、該オフセ
    ット角度と前記直交変調器のオフセットに基づくキャリ
    ア電力によって定まるオフセットとから、該直交変調器
    のオフセットのI成分とQ成分とを演算する制御を終了
    した状態から前記摂動動作を開始する構成を備えたこと
    を特徴とするディジタル無線装置。
  13. 【請求項13】 I成分とQ成分のディジタル信号から
    なる送信ベースバンド信号をアナログ信号に変換して直
    交変調器に加え、基準搬送波を直交変調して送信変調波
    を生成するとともに、該送信変調波を分岐して直交検波
    器に加え、前記基準搬送波によって直交検波して得たI
    成分とQ成分の復調信号をそれぞれディジタル信号に変
    換して得た帰還ベースバンド信号と送信ベースバンド信
    号とを比較して送信ベースバンド信号をプリディストー
    ション処理することによって、送信変調波の波形歪みを
    除去するエンベロープ検出型歪補償方式のディジタル無
    線装置において、 前記直交変調器の基準搬送波を0°〜360°移相した
    ときの前記直交検波器35の検波出力のI成分の最大値
    と最小値の平均値とQ成分の最大値と最小値の平均値と
    から該直交検波器のオフセットを求めるとともに、該直
    交変調器の入力のI成分とQ成分とを変化させて前記直
    交検波器の検波出力において単位円を描かせたときの該
    検波出力のI成分の最大値と最小値の平均値とQ成分の
    最大値と最小値の平均値とから前記直交変調器と直交検
    波器の総合のオフセットを求め、該総合のオフセットか
    ら前記直交変調器のオフセットを複素的に減算して前記
    直交変調器のオフセットを求めて記憶し、それぞれのオ
    フセットに応じて前記直交変調器入力および直交検波器
    出力において補償を行なうことによって、オフセットに
    基づく歪補正誤差を補償する構成を備えたことを特徴と
    するディジタル無線装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、前記直交検波器のオフセット量を求める演
    算期間中、前記直交変調器に任意のオフセットを強制的
    に付加する構成を備えたことを特徴とするディジタル無
    線装置。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、前記直交変調器18の基準搬送波を0°〜
    360°移相する手段が、ブランチラインハイブリッド
    に可変容量ダイオードを装架してなるか、または無限移
    相器(4相位相変調器)で構成されていることを特徴と
    するディジタル無線装置。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、前記直交変調器18の基準搬送波を0°〜
    360°移相する手段が、前記オフセット演算のために
    使用されると同時に、前記エンベロープ検出型歪補償動
    作の際に、送出信号を遅延させて位相調整を行うために
    共用される構成を備えたことを特徴とするディジタル無
    線装置。
  17. 【請求項17】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、前記直交変調器と直交検波器とが、共通の
    基準周波数発生器によって制御される第1のPLLと第
    2のPLLとからそれぞれ基準搬送波を供給され、前記
    第1のPLLと前記第2のPLLとからの基準搬送波周
    波数を異ならせて、前記直交変調器の基準搬送波を0°
    〜360°移相する構成を備えたことを特徴とするディ
    ジタル無線装置。
  18. 【請求項18】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、共通の基準周波数によって制御される複数
    のPLLからそれぞれ基準搬送波を供給される複数の送
    信機を、前記オフセット演算時に、各送信機内部の直交
    変調器および直交検波器の基準搬送波として、相互に、
    他の送信機のPLLの基準搬送波を供給可能の構成を備
    えたことを特徴とするディジタル無線装置。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、複数の送信装置が、それぞれ内部のPLL
    から直交変調器(または直交検波器)に基準搬送波を供
    給するとともに、スイッチを備えて、内部のPLLから
    の基準搬送波と、相手装置の内部のPLLからの基準搬
    送波とを切り替えて直交検波器(または直交変調器)に
    供給可能な構成を備えたことを特徴とするディジタル無
    線装置。
  20. 【請求項20】 請求項13に記載のディジタル無線装
    において、前記直交変調器の出力側から空中線までの
    いずれかの点から変調信号を分岐して、直交検波器
    力側から受信系の入力までのいずれかの部分に帰還する
    手段を設けるとともに、該変調信号の分岐帰還点以後に
    おける増幅器の電源または空中線系を断にする手段を設
    け、送信断時または時分割多重方式における自己スロッ
    ト時以外のときに、前記オフセットに基づく歪補正誤差
    の補償動作を可能とする構成を備えたことを特徴とする
    ディジタル無線装置。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至20のいずれかに記載の
    ディジタル無線装置において、送信装置のキャリア周波
    数,送信電力,温度を検出して、各条件のすべてまたは
    一部の条件ごとに、オフセットの測定値をテーブルとし
    て記憶し、送信時に、該当する条件ごとに、前回演算時
    のオフセットから演算を開始するか、またはオフセット
    が小さいとき演算を省略する構成を備えたことを特徴と
    するディジタル無線装置。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至21のいずれかに記載の
    ディジタル無線装置において、オフセット調整を自己割
    り当てスロットに前置されるプリアンブル期間内に行う
    構成を備えたことを特徴とするディジタル無線装置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のディジタル無線装
    において、オフセット調整を自己割り当てスロットに
    前置されるプリアンブル期間内に行うとともに、複数回
    の該期間を経て収束するように制御する構成を備えたこ
    とを特徴とするディジタル無線装置。
  24. 【請求項24】 請求項22または23に記載のディジ
    タル無線装置において、自己割り当てスロットに前置さ
    れるプリアンブル期間内、または複数の該期間内に、第
    1番目に直交変調器の洩れキャリアによるオフセットの
    調整または計測演算を行ない、第2番目に直交検波器の
    オフセットの計測演算を行ない、第3番目に歪補正のパ
    ラメータを設定する構成を備えたことを特徴とするディ
    ジタル無線装置。
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